株山人の投資徒然草

大手運用会社をリタイアし、八ヶ岳に住む株山人の日記

大手運用会社をリタイアし、八ヶ岳に住む株山人の日記

株を職業にして38年、株式投資の楽しさを個人投資家に伝えたい。
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ポジショントーク

証券セールスとファンドマネージャーの会話(35)25年前半戦

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証券セールス(以下、S): 25年前半相場は簡単そうで難しく、難しそうで簡単な相場だったという気がする。トランプ関税相場の上下で慌てて売買した投資家にはとても難しい相場だったといえるし、ジッと長期投資にこだわった投資家には簡単な相場だったともいえる。

ファンドマネージャー(以下、F): 年初来リターンで見ると、世界の株式市場はハッキリ言ってカオスの状況だ。韓国が+21%に対して台湾-2%、サムスンとTSMCという半導体の代表銘柄がある国だが、これだけの差がなんで生じたのか? 
香港ハンセン+21%に対して上海総合+2%、この差もなかなか説明できない。欧州では独DAX+20%に対してユーロストックス50は+8%、欧州株もかなり差がついた。

S: 確かに、米国ではS&P500もNASDAQも+5%と同じだったが、MAG7の銘柄間格差は大きかった。日本ではTOPIX+2%、日経平均+0.6%と差は限定的で安定した「平和の国」。

F: この半年のトランプ相場で、ファンダメンタルというよりも需給の差が株価の差につながったような気がする。グローバル投資家に無視されてきたような市場・ドイツや香港が上昇した。日本でも散々売られてきた東証Jリートが上昇したのと同じなのかもしれない。 

需給で付いた株価差は年後半に修正される可能性、リターンリバーサルが起こる可能性があるので気を付けたい。ファンダメンタルを見て投資する方がいいだろう。

S: ところでこの半年のパフォーマンスは?

F: 株式ウェートを下げ、リートウェート引き上げたのが奏功した。自分のポートフォリオは年初来で+11%だった。そのうち配当が2.7%のプラスだった。まあ予定通りだったかな。年後半は慎重にいきたいと考えている。

S: 米景気の鈍化ペースが拡大するのか、いつFRBが利下げに踏み切るのか、トランプが余計なことをしないか、盛りだくさんだ。さらに関税で読みが難しい企業業績、半導体のように投資家の期待で大きくブレるPERなど、じっくりと考えたい。

F: 個人投資家は「売り・買い・休む」ができる。フルインベストの機関投資家は大変だけど、個人投資家は自分のタイミングで投資するればいい。無理しないことが大切だろう。





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証券セールスとファンドマネージャーの会話(34)イスラエル・リスク

原油先物、投機筋ネットポジション
原油先物ネットポジション202506
















証券セールス(以下、S): 中東でイスラエルがイランの核施設を大規模攻撃。原油が急騰し世界中の株価が下落したけど、どう?

ファンドマネージャー(以下、F): イスラエルとイランの間では小競り合いのミサイル攻撃が、過去何回も繰り返されてきた。そんなに驚く人は少ないかもしれないけど、今回と今までとちょっと違うのかもしれない。

S: 米トランプ政権がどう仲介に入るか、それによっては戦火の拡大は抑えられる。一時的な調整と見ていいと思うけど・・・?

F: イスラエルは碁盤上の布石のように周到に準備してきた。 ガザではハマスを徹底的に叩いて民族をせん滅する勢い、レバノンでもヒズボラに壊滅的な攻撃を行い、イスラム・シーア派の過激組織に決定的な打撃を与えてきた。そして、今回は、その総本山イランを叩いた。

S: 中東全体を巻き込んだ戦争に発展する?

F: そうは思わないけど。トランプが湾岸各国を訪問し、サウジもアブダビも米国への大幅な経済協力を約束した。おそらく、その裏にはイスラエル―イランに何が起ってもサウジやUAE・カタールなど湾岸諸国は米国寄りのポジションを取ると合意しているのではないだろうか?

S: そうなると、イスラエルがイランを叩くのに躊躇はしない。湾岸諸国がトランプ寄りならば、少なくともアラブ世界の半分は、味方とはいえないまでも敵ではない。

F: アラブ世界のうち、シーア派はより宗教色が強く教条的なのに対し、スンニ派は世俗的な経済中心主義だ。より難解なイスラム教イランをターゲットに限定すれば、イランから派生するシーア派過激組織を壊滅させるという目標が可能になる。イスラエルはこのタイミングで徹底攻撃を行い、イランの核を含めた反撃能力をつぶすつもりだろう。

S: そう考えると、期間的に長く、攻撃規模も大きくなる。トランプがストップをかけるまで続くのかもしれないな?

F: 原油先物市場も70ドル/バレル台まで上昇したが、投機筋のポジションは大きな変動は見られていない(上のグラフ)。ネット買い越しは昨年末の25.4万枚から19万枚に減少。投機筋にとってはイスラエルの軍事攻撃は想定の範囲外だった。と言う意味では今後の投機筋の動きが原油ラリーの大きさを決める。 今週の投機筋のポジションに注目したい。

S: ちょっと不気味だが、ニュースをよく見て行かないと・・・




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証券セールスとファンドマネージャーの会話(34)需給がすべて

日経VIとVIX指数
日経VIとVIX202505
















証券セールス(以下、S): 株価は順調に戻り、1カ月前には総弱気だった評論家たちも強気が増えている。上がれば上がるほど「反落」の可能性が上がるのに、上がればあがるほど「強気」になる評論家たちって???

ファンドマネージャー(以下、F): 世の常だな。所詮評論家は自分のカネで勝負しないから。目立つ言葉でPVを取れれば儲かる商売だ。

S: それはそうと、トランプの「解放の日」の前の株価水準に戻り、株価だけを見ればトランプ関税はなかったことになる。でもホントにそれでいいのかな??

F: この1か月の戻り相場はほとんどファンダメンタルは関係なかった。トランプ関税でどうなるか、必死に考えていた自分がバカに見える。

S: この間、海外投資家が米国から逃げているとか、米株・米債・米ドルのトリプル安だとか、アジア通貨の急騰、いろいろあったが、結局のところ、それほどの明確な需給の変化は見えていない。

F: そうだね。ステイ・オン・ザ・サイドライン。巨大投資家の多くは基本・様子見だったと思う。でも東京市場を見ていると、日経が3万5000円までは自律反発の雰囲気だったけど、3万5000円を越えてくると何か不思議にジリジリと上昇を続けTOPIXが12連騰。おそらく何かしらの需給要因が株価を持ち上げたと考えている。

S: 確かに大口買いが入ってガツンと上昇というよりも、小口の買いがジリジリと続いた感じだった。何が起っているのだろうか?

F: 推測に過ぎないが、日経VIの動き、コールオプションの建玉推移、大台替えからの急上昇、これらを見ていると、コール売りの買い戻し=ガンマスクイーズが連続的に起こっている。

F: 上のグラフは日経VIだが、4/9の56.6から低下したが5/9でも24.5と高止まりしている。昨年7月の急落時は8/5の70.6から1か月後9/3に20.8まで低下した。今回の戻りでは日経VIが高止まりしたのが明らかだった。これはオプションに買いが入りインプライド・ボラティリティが高く維持されたことを示している。

S: 先週でもSQ日に3万7000円を越すと引けの3万7503円までジリジリと500円も上昇した。でもこれでSQを通過し、オプション取引は時間的余裕も持ってポジション取りができる。オプションの買戻しも一巡してくるかもしれないな。

F: そうだな。なんか一つの局面が終わった感じがする。米中交渉の始まりも一つの象徴的な出来事かもしれない。トランプが混乱させた世界も収束に向っている。でも株価水準が元に戻り、割安感がなこうなった。今後は少し時間をかけてファンダメンタルの変化を持つのだと思う。

S: 下がれば下がったで買えない、戻れば戻ったで買いにくくなる。



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証券セールスとファンドマネージャーの会話(33)バフェットは買わない?

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証券セールス(以下、S): ウォーレンバフェット氏が市場で起債し、900億円の円資金を調達したのだけど、商社株を買ったというニュースはない。

ファンドマネージャー(以下、F): トランプ相互関税の混乱の最中、日本株に追加投資かと多くの市場関係者が期待したようだけど・・・空振りだったようだ。

S: でも情けないのが、バフェット!バフェット!とおお騒ぎした証券会社だな。バフェット氏がまた商社株を買うとはやし立て株価が上昇したのはいいけど、結局、ダマされたのは個人投資家だった。

F: 相場格言に「当たり屋につけ」というのがあるけど、相場の神様と呼ばれるウォーレン・バフェットだけに「神様に付け!!」とでも言いたいのだろう。それにしても円債を起債して900億円調達したのに何もしないというのはありえないな。

S:でも本国株ポートフォリオではアップル株をバンバン売ったが、それでも28%も保有している。その他、アメリカンエクスプレス16%、バンカメ11%、コカ・コーラ7%、シェブロン6%、オクシデンタルペトロ5%・・・と続く。

F: バフェット氏のポートフォリオの特徴は金融株とエネルギーだろう。これが商社株の保有に繋がっているような気がする。世界は長期的にカネ余り、つまり、名目経済に対して金融経済が過大、世界人口の爆発でエネルギー不足が続く

S: 昔バフェット指数(株式時価総額÷名目GDP)というのがあったけど、名目経済に対して株式時価総額がどんどん増えてバフェット指数が急上昇している(下のグラフの青線)

バフェット指数202505
















F: そう。バフェット指数は200ポイント、つまり株式時価総額が名目GDPの2倍で2回ピークを打っている。バフェット流に解釈すれば「株式時価総額が肥大化し過ぎ」ということでキャッシュポジションを2倍に引き上げている。この指数にそった投資行動(キャッシュの増加)を取っている。

S: 株式時価総額は過大評価だが、実態経済に対して金融経済も肥大化している。これを考えれば金融やエネルギーというところに目が向く。その延長戦にあるのがバフェット流に見れば商社株なのかもしれない。

F: それはいえるかも。トランプが関税で大暴れしても、この世界の基本は変わらないかもね。長期的に金融経済の成長率が名目成長率よりも高く、世界人口の増加でエネルギー需要も拡大する。だとしたら、商社株が現在の業績悪化を織り込んでから、再び買うタイミングが来るのかもしれない。

S: バフェット氏はバークシャーのCEOを退任するらしいけど、どうなるかは今後次第だな。




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証券セールスとファンドマネージャーの会話(32)国債評価損

日本国債利回り比較
日本国債金利202504















証券セールス(以下、S): トランプ関税で世界の投資家がドタバタしているな。どう、パフォーマンスは?

ファンドマネージャー(以下、F): 株式ウェートを年初から大きく引き下げ、Jリートや高配当商品のウェートを上げてきたのでパフォーマンスへの影響はほとんどなかった。

S: トランプ解放の日は予告されていたのに、これは譲歩をせまるディールで実際には高関税は出さないと、評論家たちは甘々な見通しに終始した。ホントに無責任な奴ばかりだ。

F: 兆候は多くあった。「解放の日」前にシカゴの日経先物やS&P先物では投機ポジションが売り転換していたし、ドル円先物でも円ロングが過去最大に増えていた。多くの評論家はデータを無視して楽観的な見方ばかりを論じていた。

S: 解放の日で株価下落すると同時に、その際に資金の逃げ場は日本円になる、これをヘッジファンドは見抜いていた。だから巨額の株式ショートとともに円ロングを積み上げたというわけだ。さすがヘッジファンドだね。

F: 3月は日本債券市場でも注目すべき動きがあった。日本生命の債券売りだ。日生の有価証券投資は全部で70兆4000億円と巨額だ。そのうち日本国債は30兆7000億円と半分近い。金利上昇で国債価格が下がり、2兆5311億円の含み損を抱えているという。これを売却して損出し、さらに利回りの高い国債へとシフトするポートフォリオリバランスを行った。

S: 日生の体力があれば1兆3000億円もの損失処理ができるけど、他の金融機関、地銀などはどうするのかな? この3月期決算で損失が表面化するかもしれない。

F: 株式市場は金利上昇で貸出利ザヤが改善するとハヤして銀行株が株価上昇したけど、決算は注意が必要かもしれない。

S: 3月に日銀が金利据え置きだったのに国債利回りが総じて上がり、10年債利回りが1.58%まで上昇した。期末接近で金融機関の投げ売りで利回りが上昇(価格が下落)した。

F: 10年金利はちょっと上がり過ぎた。新年度に入りこうした損切りが一巡してくるので10年金利もピークアウトしてくる。長期金利の低下が株式にはプラスになってくる可能性もありそう。



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証券セールスとファンドマネージャーの会話(31)株価調整の見方

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証券セールス(以下、S): 米国市場が波乱展開だけど、これってトランプのせい?

ファンドマネージャー(以下、F): トランプの政策やその意図はいろいろ考えてきたけど、一番の懸念は米国よりも世界経済全体を縮小させるかもしれないという懸念だろ。

S: まぁね。関税を掛け合って世界全体の貿易が縮小すれば、確かにヤバい!!

F: 記憶では米・加・墨の間では「北米自由貿易協定」を元にした「米国・メキシコ・カナダ協定」が生きているはずなのに、トランプが勝手に両国からの輸入に25%の関税を掛けるという。メキシコはそれを避けるために中国からの輸入品に同程度の関税を課すかもしれない。一体どうなっているのか? 協定って無視してもいいの?

S: 昔、韓国がゴチャゴチャ言って日本海を「東海」にしようとしたが、国際機関に訴えても結局変更できなかった。それ以来、公式名称は分裂し、日本は「日本海」と呼び、韓国人はしつこく「東海」と呼んでいるのかもしれない。メキシコ湾も米国は「アメリカ湾」と呼び、メキシコは「メキシコ湾」と呼ぶだけかな?

F: それにしても長い時間を掛けて合意した多国間の自由貿易協定を簡単に無視するって問題だね。日本が主導したTPP(環太平洋パートナーシップ)もトランプ1.0で米国が勝手に抜けた。日本は残りの国との自由貿易を維持・拡大させることに一層注力し、アジアパシフィック地域の自由貿易を主導すべきだろう。

S: ここまでくるとトランプ政権というよりも「トラップ政権」と呼ぶ方がいい。でも、株式市場の波乱はトランプのせいもあるけど、株式のバリュエーションが高すぎたからじゃない?

F: 長期金利4.3%に対してS&P500の益回りが4.4%と、本来の長期金利<益回りという関係がくずれ、長期金利=益回りになっている。つまり、現在のS&P500のPER22.5倍は割高だということ。EPSの高成長期待が高いバリュエーションの根拠だが、このEPS高成長期待に疑問符が付くとバリュエーション調整が起こる。

S: 株価の下落がバリュエーション調整だけなら、高値から10%も下げれば十分なんじゃない?EPSが数%でも伸びるかぎり、S&P500PERで20倍割れぐらいで相場は相当安定してくる。

F: トランプが「マールアラーゴの合意」のように国際秩序自体を変えようとしていると見ると、かなり長期に渡って構造変化が起こる。その場合、株式市場も単なるバリュエーション調整ではなく、構造的な変化が起こる可能性がある。よく見て行かないと・・・

S: それってどうなるの?

F: たとえば、アップル。トランプにスリスリして75兆円の国内投資を決めたが、ホンネを言えば、中国FOXCONで作っているiPhoneの輸入関税を回避したいだけだ。それが認められるかがアップルの経営にとっては非常に大きい。NVDAにしても台湾のTSMCでGPUなど半導体を製造しているわけで、あわてて米国内に1000億ドル投資すると発表したが、その関税を回避できるかは分からない。

S: ということは今後中国からのiPhoneの輸入、台湾からのNVDA半導体の輸入が関税回避できるならば、米国株は買いになるっていうこと?

F: そうだな。トランプは米国企業をつぶしたいとは思っていないだろうから、このスタンスが明確になれば、米国株だけでなく、日本株も台湾株に対しても投資家は安心してくるだろうね。




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証券セールスとファンドマネージャーの会話(30)需給相場

米国マネーサプライ、M1、M2
マネーストック202412
















証券セールス(以下、S): トランプが選挙で勝ってから、相場はファンダメンタルから離れ、市場心理や需給で決まるようになった気がする。

ファンドマネージャー(以下、F): 確かに、あれほど騒がれたフジメディアHDの株価が爆謄しているが、これが典型的な例かもしれない。中居スキャンダルで騒がれ出してから5割の株高となったが、その原動力はファンダメンタルではなく、信用取り組みだった。

S: そうだな。信用売残が1/17の135万株から一気に急増、2週間後1/31には1103万株になった。信用買残は550万株なので売残が1.5倍だ。これが売り方の踏み上げ期待を高めている。

F: なんか仕手筋が活躍した頃、まるで昭和30年代の株式市場のようだが、これは買い方と売り方のガチンコ勝負、まさに需給で勝負する市場みたいだな。

S: 世界の株価もファンダメンタルに関係なく動いている感じだ。トランプが「関税かける」といえば急落し、「関税を延期する」といえば急速に戻る。これって何かを暗示しているじゃないの?

F: 知っての通り、米FRBは量的緩和を解除しバランスシートの縮小を続けている。23年9月から直近までで1.2兆ドルの縮小、それだけ市場に供給されるマネーが減った。しかし、同じ期間のマネーサプライM1を見ると4000億ドル増加、さらにM2は8500億ドルも増えた。

S: このマネーサプライの増加が株式市場の需給に影響している?

F: なぜ、FRBが量的引き締めをしているのにマネーサプライが増えているのか? これが米株高のカギだ。すでに米国株はファンダメンタルよりも需給で決まる状況なのかと思う。

S: よく分からない。FRBの量的引き締めでなぜマネーサプライが増えるの?

F: FRBは保有する米国債の償還時に再投資しないことでバランスシートを縮小させたが、現金は必要に応じて金融市場に供給してきた。 起こっているのは債券保有額の減少と現金の増加だ。 M1は現金、要求払い預金、当座預金などの合計額なので市中の現金が増えたことでM1が増加した。

S: それじゃ、M2の増加は?

F: M2とM1の最大の違いはマネマーケットファンド(MMF)で、このMMFがこの期間で7000億ドルも増加したことがM2を増加させた。 MMFの増加は待機資金と言われるが、MMFの金利が高く、世界のあぶく銭=余剰資金を惹きつけた結果6兆ドルもの残高になのだろう。

S: つまり、FRBのコントロールできない資金だということ?

F: そうかもしれない。金利を一段と引き下げる時にMMFがどう流れるのか、株式市場に来るのか、金市場に入るのか、ビットコインや他のクリプト通貨に行くのか、すべては需給次第だろう。 一歩進んで言えば、ビットコインや金にはMMFの資金先として期待が強く価格上昇したとも考えられる。

S: あまりファンダメンタルから乖離すると危険な感じもするけど・・・

F: 市場の雰囲気がトランプ政策で右往左往しているうちに、ファンダメンタルと乖離してしまうと思わぬ調整が起こる可能性はあるだろうね。




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証券セールスとファンドマネージャーの会話(29)銀行株は買い?

銀行











証券セールス(以下、S): 日本も金利のある世界に入って来たな。10年の長期金利が1.2%を超え、20年債は2%に近づいてきた。30年債は2%を超えている。変動住宅ローンも久々に金利上昇した。

ファンドマネージャー(以下、F): ゼロ金利が続いたので多くの人には「金利」は久々だ。金利を意識して預金したり運用するべき時代に来た。

S: 若い世代を中心に、従来型メガバンクや大手証券を避け、新しいネット銀行や証券に資金を移動する動きが強まっている。単に金利だけでなく、ポイントを含めた総合リターンが彼らの基準になっているような気がする。

F: 確かにうちの娘も今までの三井住友銀行の口座を閉じ、すべて楽天銀行に移した。楽天グループの様々なサービスにはポイントが付くので、ポイントと金利の総合リターンではるかにメガバンクを凌駕しているという。およそ毎年20万円分のポイントを受け取っていると言ってた。

S: 証券会社も同じで、大手証券に口座を持つ人は高齢者ばかり。若い人たちは楽天証券やSBI証券を始めとしたネット証券が中心だ。大手証券に勤務していると地場受けの禁止で他のネット証券に口座を持つことができなかった。でも、大手証券のネット売買はダメダメ、ガッカリしている。

F: なんで? 株式なんてどこで売買しても変わらない。手数料がちょい安いぐらいじゃない?

S: 大手証券は日本株中心のまま、海外株や内外債券、為替取引、オプションなどの売買が難しい。若い投資家は、現物株を買うと同時に個別コールオプションをショートする「カバードコール」、個別プットオプションを売却して現物株を入手する「ターバイ」を普通に使う。個別オプションとなると大手証券は対応できない。

F: メガ銀行口座も同じ。ネット銀行で取引をコンビニで手数料なしでできるので、全国どこでもおカネの出し入れができる。逆にメガバンクは地方では何の役にもたたない。地方で銀行口座を使うならネット銀行かゆうちょ銀行だ。

S: そうなると、銀行株はどうなのだろう? 金利が付く時代になり、銀行の利ザヤが拡大するということでメガバンク株が買われている。これは続くかな?

F: メガバンクには合理化の余地がものすごくある。営業コストで言えば、合併時に増えた支店網が未だに残ったままの銀行もあり、どんどん支店を閉鎖して人員カットし固定費を削減できる。運用サイドでも利益を生まない株式持ち合いをどんどん解消して、儲からない融資先を絞れば利益率を大きく改善できる。

S: でもその利益を構造転換に使わないと将来の成長性がなくなる。

F: そうだね。銀行ビジネスが大きな変化の中になり、このままでは金利∔ポイントの総合リターンの高いネット銀行へ預金は集中してしまい、メガバンクの客は高齢化と人口減少で先細るばかりとなる。メガバンクが逆襲できるか?



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証券セールスとファンドマネージャーの会話(28)24年運用結果

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証券セールス(以下、S): 山あり谷ありだった2024年も終わりだな。どう?
ファンドマネージャー(以下、F): 今年はガマンの連続、苦労の連続だった。
S: 運用パフォーマンスはどうだった?

F: 個人資産は全体としてはソコソコだな。株式ポートフォリオのパフォーマンスは+27%と好調だった反面、Jリートのポートフォリオはおそらく―9%程度で着地しそう。配当は∔5.3%と順調だったけど・・・
全体としては配当込みで∔7%というところで、もう一つな残念な運用結果だった。

S: 後半は市場全体のリスク選好度が大きく低下した感じ。 海外の日経平均先物もポジションが縮小気味、国内の個人投資家を示す信用取引もなんか調子が悪い。

F: そうだな。特に個人投資家は信用残が増やした銘柄は厳しい調整にさらされた・・・ 
S: 新NISAの初年なのにけっこう厳しい相場だった。でもオルカンやSP500のETFに賭けた個人は良かった。
来年は波乱万丈かもしれないけどね・・・

F: 今年の年末はロスカット・セリング、個人の損益通算のために売りが目立った。そのため、下げた株がさらに下がり、上がった株がさらに上がるという二極化になった。でも来年は今年のリターンリバーサルが起こると見ている。

S: 来年も需給で株価が動くことが増えるかもね。日米ともに企業業績はソコソコ良いと予想されているし、インフレが根強く長期金利も高止まり、トランプ政策で為替もドル高止まりとなれば、今年の延長戦だが、すでにPERが高く、耐える相場になりそう。

F: 来年は意外なリターンリバーサルを期待している。今年下げ過ぎた株が戻り、今年上げすぎた株が下落する。投資環境はインフレ基調で長期金利高とドル高が続くが、基本的には今年の高安レンジ内だと思う。
となれば多くの材料が織り込み済みで、逆の目が出る可能性もある。

S:: いずれにしてもトランプがどの程度活躍するかだろう。SBの孫さんも安倍の昭惠さんもトランプ詣で媚びを打ってきたが、来年はトランプ本番。
1月の最大のポイントは、ウクライナ戦争が終戦するかだけど、よく分からない。

F: いずれにしてもトランプ政策への期待・不安があまりにも大きすぎる。個人的には「大山雷同してネズミ一匹」かもしれないと思う。これもリターンリバーサルが出るかもという理由だ。

S: いずれにしても先入観を持たず、手探りで相場を見ていくのが大切だろう。




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証券セールスとファンドマネージャーの会話(27)噂で買い事実で売る

FRBバランスシートとS&P500
FRBバランスシートとS&P500202411
















証券セールス(以下、S): FRBが11月FOMCで25bpの利下げを実施。インフレが落ち着き、雇用も安定しているという評価だった。でもトランプが就任する1月以降は矢継ぎ早に「関税引き上げ」「移民の抑制」「減税の継続」「バイデン政策の否定」をやってくるだろう。となると、インフレの見方も変わるかも?

ファンドマネージャー(以下、F): FRBパウエル氏も悩ましいところだろう。「データ次第」と言い続けたため、データに出てこないトランプ政策をFOMCで議論することはできない。来年以降データが出てから金融政策に織り込んでいくのだろう。

S: ということは、FRBの金融政策は現実のデータを見て決められるが、市場はトランプ政策の将来を見て投資家心理で決まる。期待と現実の乖離が極端なまでに大きくなるかもしれない。

F: そう。FRBは市場が見ているところではあと2回25bpの利下げをする。そうなると政策金利(FF金利)は4%まで低下する。その一方でトランプの「関税引き上げ=インフレの再加速」「財政赤字拡大=債券需給の悪化」で長期金利の上昇期待が大きい。となると、短期金利が低下し4%、その一方、長期金利が大きく上昇し5%となることも考えられる。長短金利差が今までのマイナスから一気にプラスへ、イールドカーブがスティープ化してしまう。

S: 確かに、イールドカーブがスティープ=急角度になると景気にはマイナスになる。住宅金利や上昇し、5年以上の企業の資金調達も厳しくなるかもしれない。

F: イールドカーブの問題もあるが、さらに考えておく必要があるのが、今回のFOMC声明でも指摘されているが。FRBはバランスシートを一段と削減していく方針を明らかにしたこと。要は量的な引き締めが続く。上のグラフで見られるように、金利引き下げがあっても量的な引き締めが続く。ドル高で世界のおカネがアメリカに向っているにしても株式需給にはマイナス影響だろう。

S: なんか、市場の現実感とトランプ先行き期待とは対立し、精神分裂になりそう?

F: 「噂で買って事実で売る」という相場格言があるが、これが生きてくるかもしれない。トランプ就任の1月20日、それまでは「噂」で株高・ドル高・長期金利高が続き、トランプの就任という「事実」になると一気に売りが出てくる、という展開もありえる。

F: さらに注意が必要なのは、トランプラリーがどこまで続くかは不明だが、1月の就任の頃には長期金利に対してPERが強烈な割高になってしまっていることだろう。
(上のグラフ)量的引き締めにもかかわらずS&P500が上昇し続けている。セオリーでは量的緩和で株高が起こり、量的引き締めで株安になる。この反対の状況にあることだ。暴落のリスクが恐ろしい。



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証券セールスとファンドマネージャーの会話(26)トランプラリー

天邪鬼














証券セールス(以下、S):トランプってこんなにアメリカ人に愛されていたんだ、という事にビックリした。全く想像を上回る強烈なトランプラリーだった!!!

ファンドマネージャー(以下、F):アメリカ人は「強さ」を求めたんじゃない??男性ホルモン「ムンムン」でマッチョな「ムキムキ」の強いアメリカを求めた、ヒラリーさんにもハリスさんにも女性にとっての「ガラスの天井」がやっぱりあったという事だろう。

S: トランプトレードも強烈だった。米10年債が4.5%近くまで急上昇し、規制緩和期待でビットコインが8%上昇した。為替ではドルが急騰/円やユーロが下落し、欧州株が1%程度下落した。S&P500が2.5%急騰し、銀行株GSが13%の暴騰、トランプと仲がいいテスラも14%の暴騰となった。どう見る?

F: ここまでやるとは思っていなかった。強いアメリカへの期待なのかな? でも、来年1月の大統領就任まではトランプ政策が発動されない。その間は、トランプ政策への期待と、現実の株行市場の割高感の中で株価上昇が起こることになりそうだ。

S: 現在のファンダメンタルを見ても投資はできないということ? すべてのドル高・株高・長期金利上昇・ビットコイン高はファンダメンタルの裏付けなく、投資家の期待感で決まるというわけだな。 

F: ファンドマネージャーは1年から2年先、つまり25年から26年を見てポートフォリオを作る。そうなると、米長期金利がどこまで上昇するのか、円やユーロがどこまで売られるのか、米景気がどうなっていくのか、などをチェックする必要があるが、難しい作業になる。

S: 難しく考えずに、トランプラリーに乗って円ショート/銀行株ロング、長期債ショート/ビットコインロングなどで攻めるのか一番じゃない?

F: そうだな、でもファンドマネージャーはトランプの大統領就任までの期間にバブル化するのを警戒してしまう。すでにPER23倍の割高圏にあるS&P500がどこまで行けるのか、法人減税などが効いて企業業績が伸びてくるまでのタイムラグがあり株価は維持できるのか 10年債が5%まで上昇する時FRBは利下げをできるのか、長期金利の5%への上昇が起こったら株価暴落の危険はないのか? 多くの疑問が残る株高だ。

S: FOMCは織り込み通りの25bpの利下げだったけど、その後の会見でパウエル氏は「トランプ政策は考慮していない」と発言した。トランプが就任して実際に政策が出てくるまでFRBの金融政策には影響しない。

F: そう、つまり、FRBは現実のインフレや雇用から考える、でも、市場は半年先のトランプ政策をベースに考える。ここに大きなギャップが生じる。ここが相場を考える上で最も重要になるだろうな。

・・・会話は続く。次回は「噂で買って事実で売る」格言からトランプラリーを議論してみたい。


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証券セールスとファンドマネージャーの会話(25)意外な急騰株

習近平







証券セールス(以下、S): 深センの日本人学校に通う児童が殺された。中国政府は個別事件として日本人への「怨恨」を否定してる。でも、わずか10歳の子供を襲うなんて、しかも母親の目の前で、ありえない。

ファンドマネージャー(以下、F): 全く卑怯な奴だ、子供を狙うなんて。中国社会は病んでいる。物事を冷静な洞察力をもって考えることができないのかもしれない。

S: 超厳しい大学入試、それを通過して大学を卒業してもまともな仕事がない。若年失業率が18%とまさに就職氷河期だ。でもだからと言って不満を何か別物に八つ当たりしていいわけはない。

F: 中国経済は不動産バブル崩壊、14億人の急速な高齢化、若年の失業率、海外からの投資引き上げ・・・やっと習近平が本気になったとして株式市場では上昇期待が生じているが・・・

S: 兵庫県知事もヤバい奴だな。部下を二人も死に追いやって平然としている。普通の会社ならコンプライアンスの大問題になり経営者はクビだ。でも不信任を可決されても平然とテレビに出て、自己実績をアピールしている。パワハラは実績があれば許されるという問題じゃない。 兵庫県民が出直り選挙でどう判断するか?

F: 投資家目線では「公務員失格」発言などパワハラは、職務実績に関係なく一発で「知事失格」だ!! 県庁でなく普通の会社だったら、機関投資家がこの会社の株を即売却し株価が暴落する。コンプライアンスはパフォーマンスよりも重視されるからね。

S: それはそうと今年も残すところ3か月。米国株の年初来パフォーマンスを見ていると面白い。
インデックスではNASDAQが+21%、S&P500が+20%だが、NYダウは+11%と半導体やIT関連が急騰したNASDAQが優位な相場だった。

F: 個別銘柄ではNVDAの∔141%を筆頭にARM∔105%、META+65%、AVGO+59%と半導体IT銘柄が暴騰したが、意外な急騰銘柄もあった。GE+87%、IBM+36%などの歴史のある米国らしい米国株だ。 

S: 半導体株やGAFAMなどのITサービス株ばかり注目されていたので、ちょっとした盲点だったかもしれない。

F: GEはエジソンから130年の歴史があり、ウェルチ氏が会長だった頃はエクセレントカンパニーの筆頭だった。でもコングロマリットは2010年以降苦境に陥り、そこで大胆な事業再構築を実行。電気、金融、ヘルスケア、エネルギーと次々と事業を売却したり分社化した。現在はエアロスペースの会社になった。

S: まあIBMも似たような構造改革をしてきた。システム構築、クラウドビジネスなどにリソースを集中させ復活を遂げた。

F: 日本でいえば、大胆な事業再編をした日立、NEC、富士通、富士フイルム、キャノンといったところだろうね。でも、投資の視点として重要なのは、歴史が古く企業の寿命を越えてしまった会社、あるいはコングロマリット化し収益性が落ちてしまった会社、こうした会社でも事業再編を大胆に行うことで復活できるということ。

S: 「オワコン」を言われた会社、そこに投資チャンスがあるってことかな。

F: 一旦景気後退し業績が悪化すると、こうした「オワコン」会社が必死に事業再構築を実行するので、その中から次の投資対象が出てくる。



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証券セールスとファンドマネジャーの会話(24)パウエル利下げと植田利上げ

米国REIT指数と長期金利の関係
USREITと長期金利02408















証券セールス(以下、S): ジャクソンホールでパウエル氏がやっと「時が来た、The time has come for policy to adjust」と宣言した。それで米株が全面高だったけど、どう見ている?

ファンドマネージャー(以下、F): インフレに対して遅行し引き締めが遅れたパウエル氏が、今度は遅行した緩和をしようとしているのかもしれない。

S: パウエル氏はインフレ制御に自信を持っている。次はFRBのもう一つのマンデートである雇用を目標にすると言ったけど、そんな甘いシナリオは過去経験ない。インフレが制御できるほど需要が抑えられれば、景気鈍化で雇用は悪化してしまう。

F: その意味で、株式投資家には重要なポイントに来ている。強気に傾き過ぎた円安ポジション、さらに個人投資家の半導体株に集中した信用買残、この1か月で問題のあったポジションのカタマリが整理された。さて次はどこへ行くのか?

S: 重要なポイント? あのパウエル氏がやっと利下げに乗り出すということは、米景気は悪化し始めていると見ているわけ?

F: 今回は米景気を甘く見ない方がいいと思う。米国の代表的な大企業や巨大プラットフォーマーばかり見ていると業績は維持されているけど、ラッセル2000の小型株やダウ輸送株などはこの半年で大幅にEPSが減少している。

F: 株式市場も金利が下げれば単純に株価が上がるという局面は終わっているような気がする。
暴落するという証拠はないけど、米国株、特に主力大型株はちょっと買われ過ぎに見える。

S: それじゃ、日銀の植田氏の「金利正常化を進める」発言はどうだろう?

F: 金融正常化は円安修正と表裏一体の関係にある。米国が利下げを進め、日銀が金利正常化の名の下に利上げを進めれば、当然のように為替は円高圧力を受けるからだ。
日銀は賃金とインフレのスパイラルを基に金融政策を中立化するというわけだが、円高下では企業収益が伸びず賃金は簡単には上がらない。
その道のりは簡単ではない、ね、植田さん。

S: 米国株も日本株がなかなかスッキリと「買い!!」とは言いにくいな。それではどんな商品に注目している?

F: 上のチャートを見てほしい。米国REIT指数と長期金利(10年債利回り)のグラフだ。
REIT価格はシンプルに長期金利に反比例する。新型コロナ禍の金融緩和期に上昇し、2022年以降の引き締め期に下落してきた。
今後、パウエル利下げが始まるならば、シンプルに考える方がいいかも。

S: 日本では植田金融正常化があるのしても、Jリートは米国リートとグローバルに連動する。
分配金利回りも4.7%あるし、個別REITでは5%を超える銘柄も多くある。
高配当の視点でも注目され、価格が上昇しなくても5%のリターンが取れる商品だから。



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証券セールスとファンドマネジャーの会話(23)新NISA 投資家の試練

日経平均202407












証券セールス(以下、S): 7月12日の日足で「捨て子線」を出したと思ったら、見事なトレンド反転が起こった。わずか10日で3000円以上下落した。やっぱり、捨て子線は恐ろしいな。市場心理で動いている相場ではチャートが効いてる!!

ファンドマネージャー(以下、F): 特に日本の半導体関連株の下落スピードには驚かされる。この半導体の下落で日経平均もアッという間に10%の下落。スゴ過ぎるな!! でも、下落幅はだいたい良い所まで来たのかもしれない。景気後退を招けば20%調整もありえるが、そうでない需給による調整ならば通常10%程度だろう。

S: しかし、為替は侮れない気がする。PCEデフレーターでも2.5%へと伸びが鈍化し、利下げの環境が整い日米金利差が大きく縮小する。米2年債利回りは4.38%と1か月で38bp低下、日2年債は0.38%と1カ月で9bp上昇。金利差は47bp縮小し、現在4%前後だ。金利差4%を切るならば、22年水準に縮小し為替は140円/ドル水準にあたる。

F: 確かに。PCEデフレーターの数字から一部には年内複数回の利下げを見ている人もいる。となれば2年金利差は4%以下に縮小し、円高が続くのも納得できるな。投資家のポジションも溜まりに溜まっているので、そのポジション調整にも時間がかかるかもしれない。

S: そうだね。信用買残も4兆7000億円とピーク圏にあり、裁定残高も2兆6000億円とピーク圏、米国でも証拠金債務残が8000億ドルのピーク圏、為替市場でも円売りの投機ポジション残がちょっと減ったとはいえ15万枚のピーク圏にある。ポジション整理には一定の時間がかかる。

F: 株に強気の信用残や裁定残、さらに円売りの投機ポジション、円キャリートレードの残高、それに新NISA投資家のオルカンや米国GAFAMへの投資残高・・・塊りのポジションがいろいろな所に残っている。

S: 円高はヤバいな。ヘッジファンドだけでなく、日本の新NISA投資家も為替で利益をぶっ飛ばしてしまうかもしれない。心配なのは新NISAで新しく投資を始めた人たちだな。しっかりと利食っていればいいけど、多くの人たちは「長期投資」という言葉に操られ「バイ&ホールド」しているだろうから・・・

F: 株式相場では数年に1回は10%程度の需給調整が起こり、10年程度の周期で景気後退による20%調整が起こる。長く投資をしていれば、こんなことは常識で誰も驚かない。でも新NISAで投資を始めた人はちょっとビックリしてしまうかもしれない。

S: でも投資家としてレベルアップするには、こうした株式ボラティリティに慣れることだ。常に調整する可能性を頭にいれて「保守的」に投資することだろう。

F: 特に時間に限界がある高齢者は大損すると回復できない。致命的な損失を避ける投資はマストだ。評論家のススメだけでなく、自分で考えリスクを考慮して安定的に運用することが求められる。

S: 損失にも耐えて、投資を継続すること。継続は力なり、これって誰の言葉だっけ???




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証券セールスとファンドマネジャーの会話(22)二つの不思議

SP500益回り2406
















証券セールス(以下、S): 日米ともに行きそうで行かない、下がりそうで下がらない、なんとも表現しにくい相場展開だね。
ファンドマネージャー(以下、F): 決め手に欠けた市場な感じ。次の展開を考える時間だろう。

S: NASDAQやS&P500が新高値を取ったと連日のようにコメントされていたが、意外や意外、株価水準はここ3週間もあまり変わっていない。NASDAQは18000ポイント前後だし、S&P500は5500ポイント前後にいる。

F: S&P500のバリュエーションが「不思議なドン詰まり」になっていることもいえるかも。上のグラフはS&P500益回りと10年債利回りを比較したものだが、明らかに10年債利回り4.3%、S&P500益回り4.4%と両者が接近した状態のまま膠着している。

S: たしかにこのドン詰まり状態が3週間も続いている。この状態を打開するのは何がきっかけになるのだろ?

F: 益回りが10年債利回りを下に切るとしたら、株価が急騰しPERが急上昇することになる。でもそうなったら株から債券にリバランスする機関投資家が増える。逆に10年債利回りが急上昇して益回りを抜いていくとしたら、インフレが急加速してFRBが再利上げするような状態になる。とても株に投資できる環境じゃない。

S: それじゃ、逆転する場合は、どっちにしても株を買える状態じゃなくなる。株に良いのは10年債利回りが低下する場合だな。

F: そう、FRBが利下げに入り10年債利回りが低下するなら株は買える。それか、4-6月期のEPSが大きく伸びてPERが低下(益回りが上昇)する場合だろうね。今の感じなら米景気が失速する前に利下げをして、景気悪化に備えていくことだと思う。

S: FRBにそれができるかどうか。 為替は円安が続いているけど、どう?

日米10年金利差2406

 















F: 為替もまた「不思議なワニの口」状態が続いている。多くの評論家が「日米金利差が拡大が円安を招いている」としているが、金利差は徐々に縮小しているのにもかかわらず、円独歩安がずっと続いている。

S: 金利差が円安の原因と言われているのに金利差に為替が反応していない。これって何なの?

F: 誰が円売り/ドル買いを仕掛けているのかはわからないが、シカゴIMMの投機ポジションが再び円ショート(円売り残)が拡大し17万枚を越えた(下のグラフ)。投機筋が再び円安に賭けてきた。4月にも一時17万枚を超え、日銀・財務省が円買い介入を実行した。そして再び投機円売りポジションが溜まった。

S: 再び介入するっていうこと?

F: 単に円買い介入しても効果は一時的でしかない。次は協調介入だろう。7月の決定会合で「国債買い入れを停止」「ゼロ金利政策も解除」する、ただし、利上げは急がない。FRBも「データ次第」から「利下げタイミングを図る」に政策変更する。そして7月後半に強力な円買い介入を実施する。

S: そこまでできれば為替トレンドが変わる。日銀にできるのだろうか?

IMM投機ポジション202406
















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証券セールスとファンドマネジャーの会話(21)軟調なJリート

グローバルリート指数のチャート
グローバルリート202405
















証券セールス(以下、S): このところJリートが弱い。ダラダラと下落しているが何だろう?不動産市場のファンダメンタルは改善傾向なのにね。

ファンドマネージャー(以下、F): 確かに脱デフレが進み、地価が徐々に上昇傾向を示し、オフィス空室率も東京や大阪・名古屋で着実に改善している。賃料もボトムアウトし上昇傾向。このタイミングでJリートの下落は違和感がある。でも、いくつかの要因が考えられる。一つはJリートの増資だ。

S: Jリートの場合は増資で買う物件の金額や利回りが明確で、多くの場合増資後の分配金は増額される。この点では増資は株価にマイナスとは限らないのでは?

F: 確かにでも3カ月前に増資した産業ファンドでは増資後の分配金が3225円から3390円に5.1%増えた。でも株価は下落し、現在も分配金利回りは5.2%と5%を越える水準だ。
今月には平和不動産リートが増資を発表し売られている。平和不も11月期の分配金が3360円から3400円に増額修正された。でも株価は急落。決算期ごとに増資を発表する銘柄が多く、需給を懸念する投資家が増えている。

S: 10年債利回りが1%に乗せたが、ここもとの金利上昇もマイナスなのかな?

F: 一般的に金利上昇はリート相場にはマイナスなのは間違いない。でも現在の平均利回りは4.5%前後で、日本10年債利回りが上昇したとはいえ、1%を若干下回る毎年水準にすぎない。3.5%も超過利回りがあり、十分に競争力があると思うけど。

S: 増資や長期金利上昇の他にも何か懸念材料がありそうだけど、どう?

F: ちょっと不気味なのがグローバルリート指数のウェート見直しだろう。だいたい、毎年6月が見直し時期になるからね。

S: そうだね。Jリートのパフォーマンスが悪いし、円安でグローバルに見たJリートの存在感も薄れている。グローバルリート指数の中でJリートのウェートが問題になっているのかもしれない。

F: グローバルリート指数ではだいたい70%を米国が占める。日本は第二位だったが、このところの円安で地盤沈下し、オーストラリアに抜かれ第三位に転落した。もちろん、これはグローバルリート指数にはすでに織り込み済みの話だろうと思う。

S: だったら指数ウェートの見直しの影響をどう見る?

F: ちょっと懸念しているのは、日本のウェートが6.7%と低下しているのに指数採用銘柄数が58銘柄と多いことだろう。オーストラリアはウェート6.9%で31銘柄が採用されている。Jリートの採用銘柄数を絞り込むかもしれないと思う。

S: 個別に影響する可能性はあるね。でも分配金利回りが高いので、配当込み指数では引き続き史上最高値付近にある。配当込みのトータルリターンで考えるとJリートの魅力は変わらない。価格が上がらなくても年5%のリターンが取れるからね。円で買える投資対象で利回りは最高だ。

F: いずれにしても6月には見直し結果が出てくるので、そこで材料出尽くしになると考えている。



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証券セールスとファンドマネジャーとの会話(20)カネの流れが変わる

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証券セールス(以下S): なんか3月以降、グローバルな資金の流れが変わってきている感じがする。
ファンドマネージャー(以下F): そうだね。AI半導体の理想買い、米マグニフィセント7への集中投資が一巡し、欧州株や香港株への資金が流れている。

S: 確かに米国がリードする感じがなくなってきた。ECBやBOE(英国)が利下げへの確率を高めている。
おそらくヘッジファンドなんかも欧州が利下げしたら、英国が利下げしたら次に何が起るのかを想定したイベントドリブンをしているような感じだ。

F: 利下げ確率の高いドイツ株や英国株をロング側にして、FRBの利下げが見えない米国株、日銀の利上げという逆の動きを見ている日本株はショート側にしたロング・ショートをやっているような気がする。

S: 日本株はちょっと苦しいところだね。日銀の国債買い入れが減額されるだけで日本の長期金利が上がりそうだし、年後半は利上げも視野に入る。となると、日本売り/英国株買いのポジションがワークしそうだからな・・・

F: 日本株はファンダメンタルでもちょっと苦しい。決算発表の最中だが、売上げの伸び以上にコストが上がっている企業が散見される。人件費や原材料費に加え、系列サプライヤーへの支援。自動車などの系列部品会社を多く抱えているグループは、系列の経営悪化に対して仕入れ価格を上げて支援する。となればグループ全体のコストも上昇してしまう。

S: 利下げや市場サポートでは香港株だな。不動産市場のテコ入れに動いてきた中国政府はさらに上海ー香港コネクトで本土投資家が香港株を買うと配当課税を免除するというらしい。

F: 民主派の一掃政策で外人投資家が香港株からソッポを向いたが、それを逆手に取り本土投資家を優遇することで立て直しを図っている。

S: でも香港には上海とのダブル上場している会社も多くある。香港で買うと配当課税が免除され、上海上場で買うと課税されるって?よく分からない。

F: それが中国なんだろう。政府の意図なら何をしてもいいという国だから。平等や公平なんかない。日本株はじっくりと安い時に、長期投資の新NISAで買うのが一番だな。




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証券セールスとファンドマネージャーの会話(19)日柄の話

ドル建て日経平均と円建て日経平均
ドル建て日経平均202404

















証券セールス(以下、S): おカネの動きで市場が振り回されているみたいな感じだな。
ファンドマネージャー(以下、F): 米景気はいいしファンダメンタルというよりおカネの動きが激しいな。

S: この半年の上昇相場で株式はいろいろな期待を織り込んできた。景気がソコソコいいのに利下げ期待があるし、AIの急速な発展でAI向けやデータセンター向け半導体が急成長するという期待も大きい。どう見ている?

F: これをソフトランディングというのか、良いトコ取りかは分からないが、米国株は楽観的なシナリオで動いてきたのは間違いない。AIもNVDIAがあれだけの決算を出し、その他AMDやブロードコムなどにも期待が広がっている。

S: この半年の楽観的なシナリオが大きく変化した。一つは利下げ期待の変化、もう一つは成長株への過大な期待(PERの上昇)だろう。半導体やIT大手株は変調したのだろうか?

F: 日本の伝統的な「ケイ線」読みでは「日柄」という考え方がある。最初は敏感でも時間が経つにつれて人間は慣れて鈍感になってしまう。株も同じで材料への反応は時間が経つにつれて緩慢になる。
投資家心理も同じで、興味が続く期間は限定されている、飽きてしまう。

S: なるほど。6か月も経つと半導体やAIの話にも投資家は慣れて反応が鈍くなるというわけ。

F: そう。「夏も近づく88夜」とう茶摘みの歌もお彼岸から88日でお茶を摘む時期がくると歌い、忘れないようにしている。「人の噂も75日」という格言もあるが、噂好きの日本人でも75日も経つと噂が消える。暮らしに中で「日柄」が使われてきた。株式市場も人間が動かしている限りこうした心理から離れられない。一旦の区切りを付けたという事だろう。調整後に復活する。

S: 米国人がどうかは分からないけど、テーマ物色も上昇期間が6か月を超えると「投資家には耳タコ」状態になり新たな材料がないと上昇が続かないかもしれない。でも日本株はどう?

F: 日本株には大きな課題がある。ドル建て日経平均と円建て平均のチャートを見てもらいたい。これは2019年初を100とした指数化グラフだが、円建て日経平均はドル建て日経平均を60%もアウトパフォーム、円安が日経平均を上昇させた大きな要因だった。しかし、これも限界がある。

S: そうだな。いつまでも米国株に連動し、さらに円安で上値を取っていくのは限界かもしれない。米国株に頼りっきり、海外投資家頼みの日本株市場じゃすまなくなる。日本企業が主体的に成長戦略を実行していくことが日本株の将来を決めるだろうな。円安でなくても株が上昇する状態が良い。

F: 日本のインフレが加速化し日銀の金利引き上げを決め、財務省が円買い介入すると、円安修正が始まる。投機資金が円安に大きくベットしているので買戻しで円高が加速化するかもしれない。その時、ドル建て日経平均で上昇し、円建て日経平均との乖離が修正されることだ。

S: 60%もの乖離率が一気に修正されたら、日本株には大きな投機需給が発生してしまう。為替から離れて日本企業が成長できるかが問われる。



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証券セールスとファンドマネージャーの会話(18)株価下落の考え方

新NISA










証券セールス(以下、S): NVDIAが過熱感から下落に転じ、暗雲が垂れ込めてきたな。
ファンドマネージャー(以下、F): 新NISAを始める人には最初のチャンスが来た感じだ。NISAのような積立投資では着々と下落場面で買っていくことが一番だからな。

S: ところでこの下落場面ではどう考えたらいいのだろう?
F: この市場環境の基本的な枠組みが見えてきたような気がする。米国株は株価安定化装置が付いているような状態だと思う。

F: 米国株が下落すると一時的にしろ米景況感が悪化しFRBの利下げ期待が再燃する。逆に米国株が上がると資産効果で個人消費が刺激され業績期待が生じる反面、FRBの利下げが遠のく。つまり米国株が下がれば利下げ期待を生じ、米国株が強ければ業績期待が生じる。結果として米国株は高値圏で行ったり来たりという展開に入っている。しばらくの間はこんな感じ・・・

S: 日本株は米国株×為替で連動しているので、利下げ期待が出る局面では為替が円高に振れるので米国株よりも弱くなる。一方、株高で利下げ期待が遠のく場面では為替が円安に動くので米国株よりも強くなる。

F: そうそう、もう一つは日経平均が半導体ウェートが上がり、米半導体株に大きな影響を受ける。それで「日経平均とNYダウの株価逆転」が起こった。先週末からの米半導体指数の下落で日経平均が悪影響を受け、しかも株価の下げで円高に振れ、その分日本株の下落が大きくなった。
でも考えておくべきは米国株自体は高値圏で維持されていることだ。

S: ということは日本株の下落は米国株よりも大きいが、米国株が高値で維持されている限り、大きな調整はない。

F: NVDIAの株価は10-12月期の業績上方修正で670ドルから790ドルへとジャンプした。この大きな窓がチャート上の重要ポイントになる。この窓を埋めると業績上方修正が打ち消されることになりファンダメンタルの問題となる。800ドルまでの調整ならば基本トレンドに問題はない。

S: ということは日経平均がNYダウ以下のゾーンに戻り、為替が目先一巡すれば、日経平均も底入れする。
F: その意味では日銀決定会合で結論が出る。「マイナス金利解除」を決めるにしろ、次回に回すにしろ、そこでストーリーは一巡する。株価の下落も一巡してくると思う。

S: NISA投資家は、この安値が恵の雨かもしれないな。こういう時に買わないと長期的なリターンは上がらない。
F: あとは年度末が近づき今期業績が決まってくる、増配を決める会社も増えそうな気がする。増配にも注目したいな。




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証券セールスとファンドマネージャーの会話(17)メジャーSQは?

裁定買い残高(株数)
裁定買い残202403
















証券マン(以下S): いや~凄まじい相場だな。あれよあれよという間に史上最高値、さらに一段高して日経平均4万円という歴史的な水準にきてしまった。

ファンドマネージャー(以下F): 全くね。半導体株の一極集中で自分のポートフォリオはあまり儲からない。残念だな~

S: 多数の投資家がついていけない展開だな。まるで1999年末のITバブル相場みたい。あの時も日経平均が上がる割に儲からなかった記憶がある。

F: この上昇相場には多くの思惑とカラクリがありそうだ。業績が良いから買うとか金利が下がるから買うという単純な業績相場や金融相場ではないのが確かだ。

F: 急膨張した海外での先物オプション取引規模もそうだし、ワンデーオプションなどの新しい投機的商品の急成長、短期で利ザヤを取ろうとするSNSを駆使した個人投資家。今までのファンダメンタル重視の現物株運用という王道が崩れ去った市場なのかもしれない。

S: 日経平均が簡単に吹き上がる強烈な一方通行の相場が続き、ショート筋・弱気筋が市場から退出を迫られた。でも市場が総強気になった時の怖さも頭によぎる。

S: これは裁定残でもいえる。裁定買い株数は8億株近い歴史的な高水準にあるのに裁定売り株数はわずか9000万株しかない。こんな状態で3月SQが近づいてきた。このところオプションSQも含めて毎回ドタバタした市場になる。今回はどうかな?

F: もちろん、最近のSQ前と同じように踏み上げが起こり高値SQになる可能性もある。12月メジャーSQ、1月オプションSQと意外高してきた記憶があるからね。

S: でも、総強気の相場でこの巨大な裁定買い残がSQに向けて一気に解消売りに向かう可能性もゼロではない。

F: 裁定業者は現物を買う資金が必要になるけど、調達資金に限界があり資金枠としてポジション上限を設定しているはずだ。
8億株の裁定買い残となると資金枠の上限値だ。次の収益機会を考えると裁定業者は少しポジションを減らしたいと考えるかもしれない。メジャーSQに向けて裁定買いポジションを減らす方向にも気を付けておきたい。

S: このあたりは理屈のない心理戦になる。週末のSQまでは気を使う相場だろう。



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証券セールスとファンドマネージャーの会話(16)バブルへGO?

米雇用統計と6か月移動平均
米雇用統計202401
















証券セールス(以下S): 証券系ストラテジストの強気が目立っているけど?
ファンドマネージャー(以下F):日経SNBCを見たけど、マネックス証券の広木さんのコメントはビックリだ。

S: ちょっとヤバいと思った。なんせ「3万6000円は買いだ!!」と言いきってしまったからな。証券取引法(金商法)には「断定的勧誘の禁止」という項目がある。この広木コメントは断定的勧誘と言われてもしかたないかも?
F: でも株式市場に近い人たちは「肌感覚」で「3万6000円は買いだ」と思ったのだろう。

S: それはそうと、米国の雇用統計が強かったな。どう思う?
F: 1月の雇用統計は3か月平均と大きくズレるケースが多い。この1月は35万人と強い数字で出たが、23年1月+48万人だったけど、3か月平均は29万人と平均を大きく上回った。22年は逆に36万人で平均51万人を大きく下回った。21年は49万人で平均は16万人だった。

S: つまり、1月の数字は大きくズレる傾向があると言いたい?
F: 統計基準を1月に変更する影響もあるかもしれないけど、1月数字は割り引いて考えた方がいいと思うが、それにしても米国経済は強い。

S: それはいえる。株高が景気を持ち上げているかもと思う。10-12月期の予想外の株高で多くの米国人のフトコロに余裕ができて消費に回した。資産効果が大きく出ている可能性がありそう?
F: 普通は景気が良くて株価が上がる、金利が下がって株価が上がる。でも今米国で起こっているのは株価が上がって景気が強くなるという「因果関係の逆転」かもしれない。そう考えると株高が続く限り米景気も強いといえるのかもしれない。

S: じゃ米株は上がり続けるの? まさかね。
F: GDPが3%成長し、雇用も30万人ペースで伸び、賃金も4.5%も増えている。こんな経済でさらにFRBは4-6月にも利下げを検討している。まさに火に油を注ごうとしているように見える。

S: でもそれって景気は株価次第ということになる。ランダムウォークの株価を予測するのが不可能としたら、景気の予想も不可能になる。

F: 今年は年初から相場を見誤った。NY市場はナローパス(隘路)を進むと見ていたが大間違いだった。むしろワイドパスというか「バブルへGO」みたいな状況だ。相場をリードしているエヌビディア株はすでに90倍近い実績PERで買われている。バブルならば100倍を越えるのかもしれない。

S: エヌビディアのPER100倍なんてちょっと怖いね。相場が変わるとしたら要因は何だろう。
F: FRBが利下げの検討してているかぎり、株高が続き、資産効果で景気が良くなり、景気が株価を押し上げるという図式が続く。おそらく問題はFRBがバブルを意識して利下げではなく「再利上げ」の検討に入る場合、バブル的な株高はピークになるかもしれない。もう一つは株高が行き過ぎて「自律的調整」に入る(理由なき下落)の場合だろう。



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証券セールスとファンドマネージャーの会話(15)外人買い

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証券セールス(以下S): 今年はいきなり強烈な外人買いで日経平均がとんでもない状態になったな。儲かったかな?
ファンドマネージャー(以下F): そうだな、ソコソコは儲かった。でも半導体株ばかり上がるのがちょっとムカつく。

S: 海外投資家の買いをどう見ている?
F: 日経平均のレンジを切り上げたということだ。この6か月の3万2000円~3万4000円のレンジから切り上がり、3万4000円~3万6000円のレンジに移行した。
ここからはもう一段のレンジ切り上げが起こるのか、レンジの範囲内なのかがポイントだ。

S: 1月2週に海外投資家が9700億円の買い越しとなったが、重要なのは買い越し額よりも売買量だ。彼らは11.7兆円売り/12.4兆円買い、市場売買の7割以上と市場を席捲した。
F: 先物売買でも9.4兆円売り/9.8兆円買いと、通常のオプションSQ週の売買が6~7兆円程度なので、オプション絡みの売買で2~3兆円増加しているんじゃないかと思う。

S: 最大の買い手はオプションに絡んだ買戻しやヘッジ先物買いだったといえる。確かにオプション絡みの先物買い、それを受けた裁定取引の買いも6億株(1兆3000億円)のピークに達した、日経平均などの指数にはかなりのインパクトがあった。

F: でもそれだけではないかもしれない。もう一つのヒントは自己売買で、2.1兆円売り/2.4兆円買いとオプションSQの割りに自己売買が増えた。これは海外投資家との自己対当商いが増えたことだと考えられる。これは純投資の外人買いだったのかもしれない。

S: どんな海外投資家が買っているのだろう?
F: 欧州系の機関投資家のような気がする。オプション絡みの売買は成行買いで入ってくるので値動きが乱雑になる。でもSQ日後の売買は押し目を丁寧に買うスタンスに変わった。こうした慎重な買い方をするのは欧州系の機関投資家のような感じだ。

S: やっぱりな。新NISAなど日本人の投資が変わるキッカケになるとしたら、先回りして日本株を買っておこうというところだろう。
それが実現するかは今後の展開次第だ。
F: アメリカでは株高が個人消費に直結する。日本でも株高による実体経済へのプラスが出てくるかもしれない。小売り売上高やサービス売上げ高に注目すべきだろう。

S: 外人買いの度に株価レンジを切り上げてきたが、どこまで行くのだろう。日経平均が3万6000円を越えると、NYダウの水準3万7000ポイントに近づく。米国のプライドが傷つく・・・としたら・・・



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大晦日の反省、今年のJリート投資は苦労ばっかり

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大晦日、2023年も終わる。
今年はJリートで苦労した・・・
昨年末の黒田・日銀の突然のYCC枠拡大・・・そしてJリート市場の急落・・・この余波を受けて2023年のJリート市場は始まった。

Jリートは利回り商品なので、当局の利上げに弱い。
FRBが急速な利上げをする中、米国リートが下落しJリートも連動して下落する。
さらに植田・日銀も徐々に金利の正常化を進める方向で、Jリート市場が将来のゼロ金利解除を織り込んで下落する。
この厳しい環境にあって、10-12月期はJリート投信の損切り売りが続き一段と厳しさを増した。

筆者のポートフォリオはJリートを60%、株式を30%、円債10%という構成だが、そのうちJリートは-6.8%とマイナスに沈んだ。
一方、株式が+29.8%と好調で利食いできた。

寄与度を計算すると、Jリートの寄与分は-4.0%、株式の寄与分は+8.9%、配当の寄与分は+5.1%となった。
トータルでは+10%とプラスだったが・・・
主に株式の爆上げが寄与しただけで、主力のJリート・ポートフォリオは情けないパフォーマンスで終わった。

しかし2024年は株式よりもJリートに期待している。
日銀のゼロ金利解除はかなりの部分織り込まれているし、FRBは年央のどこかで利上げから利下げへとスタンスを変えると予想されているからだ。
4.3%というグローバルリートと比べても高い利回り、不動産市場の安定(海外の不動産会社が日本に参入)、為替・円安からの変化(円資産への注目度高まる)など、Jリートの運用環境は改善してくると見ているからだ。

今年はいよいよ「新NISAのポートフォリオ」を作る年になる。
新NISAポートフォリオは5年後に完成するわけだが、当面銘柄リサーチと分析が忙しくなる。



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証券マンとファンドマネージャーの会話(14)パウエル発言

米国10年・2年金利差とS&P500
SP500金利差2023012
















証券マンとファンドマネージャーの会話。

証券マン(以下、S): 米国株の上昇は凄いね。
ファンドマネージャー(以下、F): 「天底一致」が起きた10月末からセオリー通りの長期金利低下ードル安ー米国株上昇だけど、株価の上昇が異例に速い。1か月でNYダウは年初来高値を更新してしまった。

S: 全くね、買い場は一瞬しかなかった。でも「天底一致」を解説した評論家はゼロだったのは何故だろう?
F: 評論家は「いつでもトレンド継続」。「天底一致」はトレンドの転換点で起こる現象なので、万年強気の評論家にとっては「不都合な事実」 11月に入って日米金利差が縮まったのに「円安」は続くと言った評論家がいかに多かったか? トレンドはいつでも継続するとしか解説できなくなっている。

S: それはそうと、今後の展開をどう見ている?

F: FRBパウエル氏の発言が興味深い。彼は「利上げが行き過ぎ必要以上に景気を減速させるリスクと、インフレ抑制のために十分な利上げをしないリスクはより均衡している」と言った。
簡単に言えば景気後退リスクとインフレ再加速リスクがバランスしている、つまり景気後退もインフレ加速もない適切な金利政策だと自画自賛したことになる。

S: それってソフトランディングが見えたということ?

F: 景気後退せずにインフレ抑制できたという自信、ソフトランシングに対する自信だ。
S: ソフトランディングなら株高が続いてもおかしくない。

F: でも21年にインフレが急速に高まった時、パウエル氏が「一時的」と無視したことがこれだけの高金利を招いた。おそらく彼の判断はいつでも相当遅行している。
S: ということは、すでに景気減速が始まっていて、遅行したパウエル氏には見えていないだけ?

F: その可能性も考えておかないと・・・と思う。5.5%の高金利が続き、住宅ローンが7%台、事業債も7~8%という高金利経済で成長していくのはかなりキツイんじゃない?

S: まずは米市民生活だろう。高金利で住宅も持てないし、クレジットカードの延滞も増え、借金で買う耐久財、自動車や家電なども厳しくなる。個人消費が落ちてから、その後、企業業績が減速してくるのだろう。

F: そう。米経済は予断を許さないところにあると思う。米10年債の利回りの低下は金利の天井感として受け止められているが、4%を切ってくると、金利の天井感というより景気後退リスクと受け止められるようになるだろう。

S: 最後の利上げ(23年7月)を織り込んだ8月初の利回りは、2年債4.90%、10年債4.02%、30年債4.09%だった。すでに2年債利回りは最後の利上げ時よりも低下している。10年債も現在4.2%とあと20bp低下すれば当時と同水準になる。

F: 最後の利上げ時よりも利回りが低くなると、金利の天井感よりも景気後退リスクが増してくる。まあ新高値だからといっても焦って追随買いをするのはちょっと待った方がいいかもね。





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保有株全売却、危うきに近寄らず???

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11月保有していた株式を全部売却した。
筆者のポートフォリオは30~40%株式、50~60%Jリート、10%程度変動利付債となっていたが、今月末株式を売却し、30%以上はキャッシュポジションにした。

なぜ、売却?

実は答えがない、「ドタ勘」としかいえない。
なんとなく、現在の株高に「気持ち悪さ」を感じているからだ。

理性で考えれば、10月末の「天底一致」からの反転上昇であり、通常3か月は続くので1月までは上昇トレンドをたどると見ることができる。
でも、感性ではいくつかの「気になる点」があり、気持ち悪さを感じている。

一つは上昇スピードが異常に速いこと。
NASDAQは10/26の底打ちから11/20までに13.4%も急上昇し、S&P500も10/27のボトムから11/24までに10.7%も急上昇。
わずか1か月も経たない期間で10%以上の上昇・・・これは投機的な先物買いや指数ウェートに高いGAFAMなどの集中買いが株価を押し上げたといえる。
投機的なスピードが行き過ぎている感じもぬぐえない。

もう一つは半導体株の異常な急上昇だ。
米エヌビディアは10/26のボトムから10連騰を挟み1月20日まで25%の急騰。
日レーザーテックも10/25のボトムから11/25までに29.3%と、エヌビディアを上回る急騰劇を演じた。
連騰連騰でわずか1か月で25%以上の急上昇って、やはり異常に投機的な動きに見える。
半導体株に集中したクレージーな上昇の後に警戒感が台頭するかもしれない。

さらに、日経平均のV字型上昇だが、拡大型のパターン。
日経平均202311日経平均
23年6月~11月日足








日経平均のチャートパターンは「拡大型」
上限は3万4000円水準だが下値を切り下げる展開で、徐々に買い手のパワーが衰えていくという意味を持っている。
もちろん、3万4000円の上限水準を突破していく可能性もあるが、拡大型で新高値更新は反落を警戒すべきチャートパターンでもある。

というわけで、保有株の全売却には大した根拠はない。
指数の急騰、半導体への集中、チャートの拡大型・・・ただ「危うきに近寄らず」と考えただけだ。




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証券セールスとファンドマネージャーの会話(13)天底一致の法則

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証券セールス(以下S): 厳しい相場だね~ 上がった銘柄が下がるのはしかたがないけど、マザーズ市場とか見てると、上がっていないマザーズ株がより大きく下がっている。これじゃ、たまらん。

ファンドマネージャー(以下F): 全くね。コロナ禍で上昇した小型株やSaaS株が徹底的に売られている感じがする。長期的な損切りが起こっている感じがしている。

S: コロナ禍でリモートワーク関連やITサービス企業が躍進した2020~21年。あの時に値上がりは凄まじかったな。その後ダラダラと暴落を続けた。その長期の含み損をついに損切りしたのかもしれないね。

F: 逆に言えば、長期的な玉整理が進み、大底値を付けにいっているともいえる。

S: 小型株だけでなく、世界中の株式市場が大荒れになっているけど、どう見ている?

F: 米長期債利回り5%に乗せ、S&P500の益回りに接近。これじゃ株はキツイ。さらに為替150円/ドルに乗せて極限値に達している。米景気は堅調にしても株価下落が将来不安を醸成し、特にJPモルガンやゴールドマンサックス株の急落が将来の金融不安への警戒を強めている。

S:: この下落でNYダウはすでに今年春からの株上昇分を帳消しにしているし、S&P500も4000接近で上げ幅のほぼ全値消し。ここからの下落で投資ポジションが含み損に転じる可能性があり、投資家心理を直撃してしまう。

F: 米10年債利回りが5%以上に上昇し、為替が150円/ドル以上になると投資資金の流れが変化し株式からの資金流出が激しくなり株価暴落への懸念が強まる。でも逆にS&P500が4000ポイント以下に突っ込んでいくとセリングクライマックスに入るかもしれない。相場心理の限界点で債券利回りピーク、ドル高ピーク、S&P500ボトムという大反転が起きる???なんとなく胸騒ぎがする。

S: 極端な金利・為替・株価になれば、相場は自律的に反転するのは経験則だな。

F: この11月初のFOMCメンバーに「株暴落」への懸念が強まれば「利上げ終了」が示唆されるかもしれない。一方、日銀は「マイナス金利解除」に少しづつ進むので、「金利差」相場を続けてきた円ドル相場に変化が出てくるかもしれない。そのタイミングで財務省が為替介入すればトレンド転換も考えられる。

S: 確かに極端な数字が出てくると相場は反転するのを見てきた。相場格言に「天底一致の法則」があるけど、これも極端な相場が出ると逆転するという意味だ。
「天底一致」に気を付けておくよ。



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証券セールスとファンドマネージャーの会話(12)二つの暴騰ETF

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証券セールス(以下、S): NY市場、NASDAQはちょっと調整含みだな。
ファンドマネジャー(以下、F): 金融危機型の下落ではなく、経済循環の中の調整場面なので深押しはないだろう。
S: 金融危機にならなければ大した事はないかもね。

F: でも今年の市場は著しい偏りが見られた。その台風の目になったのが、国内では「日経平均高配当50ETF」だったんじゃないかな?
S: このファンドは凄まじかった。日経225銘柄の中で高配当50銘柄を選んだ株価指数だが、これが単なる日経平均の部分指数の域を大きく越えていたな。
F: そう、大発会の42970円からどんどん上昇し、9/14に61630円の高値を付けた。ほぼ一直線の上昇で43%も上がった。単に配当株物色じゃない異質なモメンタムが感じた。

S: 日経平均の部分指数のくせに43%も上がり、日経平均の上昇率30%を大きく上回った。部分指数が全体を大きく上回る高配当の超人気化だった。
F: これも需給要因だろう。高配当株に集中投資したファンドが高パフォーマンスを演出したのだろう。でも日経高配当50の配当利回りを見ると、昨年の5%台から今年は3.5%まで下がった。つまり、配当利回りの低下局面で高配当株を買ったという理屈に合わない動きだった。

S: 米国ETFでも「米ドルヘッジ付き日本株」が大人気だった。日本株のパフォーマンスは円建てではいいがドル建てではボロボロ。でも為替ヘッジ付きETFは物凄いパフォーマンスになった。
F: 確かに「ウィズダムツリーの米ドルヘッジ付き日本株ETF」は、この1年間で46%と米国で取引されるETFの中でも圧倒的なパフォーマンスだった。このETFだけで32億ドルの純資産、他のヘッジ付き日本株ファンドも資産を大幅に増やしたはずだ。

S: 多くの海外投資家もおそらく為替ヘッジ付きで投資した可能性が高い。となると、海外投資家の買いが日本株価を急騰させ、同時にヘッジの円売りが為替を急落させたということになる。
F: そう、それを言いたかったんだ。国内では高配当株が異常な上昇を示し、海外ではヘッジ付き日本株が異常なパフォーマンスを出し、日本株の買いと円売りが同時に大量に発生したというわけだ。

S: この異常な二つのETFがどうなるか? まだまだ続くのか? それともトレンドが転換するのか? これが注目点だな。
F: 自分の投資経験からは「異常な事は長くは続かない」と思う。今年10-12月期以降にこのトレンドの反転が起こるかもしれない。

S: ここには注視すべきだな。特にヘッジ付き日本株がピークアウトすると、日本株の売りが急速に増えるだけではなく、為替のヘッジ外しの円買いが強烈に出てくる可能性があるからだ。
F: 確かにそうだ。日本株と為替は需給でリンクしている。



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証券セールスとファンドマネージャーの会話(11)パウエル氏を読む

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証券セールス(以下、S): アメリカの空売り投資家が暗躍しているみたいだな。
ファンドマネージャー(以下、F): かつて我が師匠が「相場は自己主張の戦い」と言ったが、空売り投資家の自己主張が強く、それで市場が大きく引っ張られているのかもしれないな。

S: ジャクソンホールでもパウエル発言が注目されているけど、あんまり過激なタカ派発言が出るとは思えないけど・・・空売り投資家は煽っているのかもね。
F: パウエル氏は革新的な発言をする人ではない。どちらかというと遅行している。インフレ初期に「一時的」だと言い大間違いをした。

S: そうなると、ビックリするような発言はないかもしれない。いつもの「データ次第」というだけかな。
F: 中立金利の2.5%以上の高金利は景気を鈍化される「今までの議論」がうまくいかない。なので中立金利がもっと高いのじゃないかという「新しい議論」が出てくる。
でも、この引き締め局面では、政策金利を上げても長期金利が上がらなかった。だから景気鈍化が起こらなかったという見方もできる。

S: だったら最近の長期金利の上昇は米景気を抑える効果がある?
F: そう思う。米国債券のイールドカーブを見ると、2年5.01%、 5年4.48%、10年4.35%、30年4.45%と5年以上の長期はフラット化してきた。このフラット化=景気鈍化につながる。だからNY株価が大きく下落した。

S: ある意味、9月FOMCの25bp利上げを織り込んだともいえる。
F: ここまでの市場の期待は織り込まれている。ジャクソンホールで何もないとしたら「タカ派発言」を織り込んだ市場は反発に入る。

F: でも政策金利が6%以上に引き上がると、短期から長期まで実質金利が厳しく景気に影響する。コアCPIと賃金は∔4%前後で安定化する方向、さらなる利上げで長期金利が5%以上になると、短期は元より長期まで実質金利が1%以上になってしまう。

S: そうすると債券市場も限界点に近いかもしれない。
F: 個人の住宅ローンは10年~30年という長期だけど、企業は2年~5年程度で借金をする。その意味では5年の金利が重要。現在4.48%でコアCPIと同水準だが、今後利上げされると5年金利>インフレ率になる。こうなると利上げをしにくくなる。

S: これが見極められるには10~12月期になるな。しばらく時間がかかる。




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証券セールスとファンドマネージャーの会話(10 空中戦)

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証券セールス(以下S): なんか落ち着かない市場だな。どう?
ファンドマネージャー(以下F): うーん。FOMCはなんもなし。NYダウの連騰の一方、日米ともに4-6月期の決算発表で個別の株価は乱高下している。

S:そんなに波乱もなく決算を過ぎるのか? それともテスラのように投資家の反抗に合うのか? テスラは「EV車価格を引き下げてマーケットシェアを上げる」というのはちょっと甘いんじゃ。
F:確かに低価格EV車では中国メーカーの独断場かもしれないが、シェアを取りに行く戦略は悪くはないと思う。
S:米国投資家はシェアよりも利益率を気にするということか。

F: それより問題なのは相場がなんか「空中戦」のような感じで,フワフワとして足が地についていない印象を受ける。
S: 確かに茲許の相場上昇はほとんどすべてがPERの寄与分。 基礎的なEPSは日本でも米国でも横ばい、今後の「あやふやな期待」を基にした上昇相場だな。それだけに「空中戦」という印象を受けるのかもしれない。

F: 空中戦が終わる条件は二つ。一つはEPSが増加し相場の下値が安定してくること。
もう一つは相場の地相場まで調整すること。
S: 昨年10月からNASDAQ指数は4割上昇したが、その間、EPSは横ばい、つまり、現水準を正当化するのは最大40%のEPS上昇が必要だ。
F: 少なくとも10~15%の予想EPSの上方修正があれば、相当、下値は固まるかもね? でも、この四半期でそこまで出てくるかは分からないが・・・

S: 空中戦にどう対応する?
F: 空中戦では需給、特に投資家心理を読むのが重要だろう。そんな意味では普段あまり見ない信用残なんかも見るべきかもね。

F: 日経平均がピークに達した6月以降、ダブルベアの信用残が急減している。1357ダブルインバースETFを見るとピーク2億株から1億5000万株に減少した。ダブルベアを信用買いした人たちは大損し株価が少しでも下落すると処分売りをしている。海外の短期筋も同じように動いているのだろうし、これが日経平均を支えているのかもしれない。でも限界がある。

S: 話題の中心だった半導体・ソシオネクスト株は逆に信用買残を急速に増やしている。高値から半値押しとなり、逆張りの買いが入っている。でも海外売り出しの詳細は明らかにされていないが、売り出し価格で見ると、PER20倍台で海外投資家の強い期待が感じられる結果ではなかった。
F: でも、そのうち大口の株式保有者が5%ルールで開示されるかもしれない。その時アッと驚く「著名投資家」の大量保有が明らかになるかもしれない。この株は油断できないな。

 

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証券セールスとファンドマネジャーの会話(9神様からのギフト)

GPIF












証券セールス(以下S): いやー想像以上の相場だったな。
ファンドマネジャー(以下F): 全くね。半導体やAI関連を持っていないとインデックスに勝てない厳しい相場だった。

S: まさにアドバンテストが減益予想を発表し、そこから急騰が始まるなんてちょっと常識を超えた急騰劇だった。
F: 世の中には「スゴい奴」がいるということ。オプション需給・デリバティブ市場に精通し、AI市場に洞察力があり、思い切ったポジションを取る勇気や胆力もある。
S: 誰が仕掛けたかは分からないけど、相当なファンドマネージャーだろうな。今回の上昇相場のあるゆるデータを集めて勉強しないと・・・

F: 今後の相場はどうなるのか? 予想が拡散しそうな感じがする。
S: そうだな。超強気予想「3年以内に日経平均4万円」が出てきてもおかしくないし、超弱気予想「元の木阿弥で、日経2万5000円」という人もいてもおかしくない。
F: 日本がデフレ克服し、日銀が金融正常化に成功し、日本版ゴルディーロックス状態に入れば「日経平均4万円」もありえるだろう。反対にデフレ克服に失敗し、人口減少・総需要減少に戻れば日経平均2万円台に戻ることも想像できる。

S: 植田日銀が今後1年以内にどう判断するのかが注目できるな。
F: 日銀でいえば、保有する株式ETFがメチャクチャ儲かっている。37.1兆円簿価で買ったETFは3月末で時価53.1兆円、5月時価では58~59兆円、その後の上昇を考えると60兆円ぐらいと想像できる。つまり23兆円の大儲けだ。

S: この23兆円の利益を国庫に返納すれば、岸田政権は大喜びだな。 防衛費や子育て予算に使える。財源問題を一時的にしても棚上げできる。
F: 問題はどうやって売却するかだが、これだけ市場が活況になれば市場売却もあり得る。その場合、立会外市場を使って分売するケースも考えられる。
S: いずれにしても「神様からのギフト」みたいな23兆円だけに何もしないという選択肢はない。増税より余程いいから・・・。

F: 日銀だけでなくGPIFも大儲けだろう。25%ウェートで保有する日本株は年初から30%値上がり、同じく25%保有する外国株も円安を含めたら30%程度値上がりしているはず。
S: GPIFは着実にリバランスを実施しているはず。投資家別売買では信託銀行は3兆円以上売り越しているが、これはGPIFや年金だろう。という意味では売りは市場で吸収されているので大きな問題にはならない。

F: いずれにしても政府はこうした「神様からのギフト」を有効に使うべきじゃないのだろうか?
急速な円安進行が懸念されているが、逆に外貨準備で保有する3兆ドル米債に巨額の為替差益が出ている。米債をバンバン売却して為替介入すれば、為替の安定と外為会計の大儲けの一石二鳥だ。日銀の保有ETFの含み益と合わせて国庫に返納すれば、財政は各段に良くなる。




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「酒田五法」などの相場テクニックに直結する相場格言をより多く取り上げました。 当ブログでも使った「最後の抱き線は心中もの」、「遊びの放れは大相場」、「放れて十字は捨て子線」など、実戦で使える格言を多く解説しています。 ケイ線に興味のある方、テクニカル分析に興味のある方、是非一読をお勧めします。
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PERやPBRなどバリュエーションを理解し割安/割高の実践的判断の基に理論的な株式投資を解説します。 割安とは将来のリータンを示すのか、単に成長性がないというだけなのか、事例をもとに解説します。 株式投資の基礎として大切なもので、是非一読をおすすめします。
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