不動産市場の取引実績

企業のアセットライト戦略が進んでいる。
最近注目したのが、旧日立物流(ロジスティード)が保有する数千億円の不動産の流動化案件。
KKRが2000億円強の不動産を買取り、ロジスティードはその売却代金を使ってアルプス物流などを買収した事例だ。
そのアルプス物流は8物件315億円の不動産を切り離し物流施設の運営は継続するというアセットライト戦略を取った。
最近の企業決算を見ていると、不動産をバランスシートから切り離し、総資産を軽くして利益率を上げるCRE「カーブアウト戦略」を実行する企業が増えている気がする。
不動産価格の上昇により保有不動産を高値で売却すると同時に、不動産の売却益を他の事業に回したり、売却不動産をリースバックして事業を継続する。
企業はこれによって資産効率を高めることができる。
歴史の長い日本企業は「不動産神話」の中で生きてきたので不動産の保有が多い企業が多い。
カーブアウトやアセットライト戦略は企業の利益率を高める重要な財務戦略となり、こうしたCRE活動は一段と活発化するだろう。
上のグラフは不動産の取引実績だが、2024年上期から急速に取引額が増えている。
23年までは半期で2兆円強レベルだったが、24年以降3〜4兆円へとレベルアップしている。
半導体工場への投資が急増している九州、リゾート開発が加速化しているニセコや白馬で地価上昇が顕著になっているが、基本的に投資と地価上昇は明確な関係がある。
この不動産価格の上昇は、企業にとってアセットライト戦略を進めるチャンスになる。
下の表は2001年から2025年までの不動産取引主体別の売買動向。
いくつかの特徴が見られる。
①J REITが不動産の買い手として大きくなってきていること。
リートは一旦購入すると賃貸料を得るために長期保有する傾向が強く、不動産の長期投資家として買い取りを増やしているのだろう。
②ここ数年では不動産の私募リートが買い手として成長してきていること。
上場しているJリートは市場での価格変動が大きいが、私募リートは非上場で価格変動が小さい。
そのため、過剰なボラティリティを嫌う年金基金などが私募リートに投資している。
③海外投資ファンド(下のグラフではSPC・AM)もここ数年買いを積極化してきていること。
もちろん円安で日本不動産が一段と割安になっていることも大きな要因だが、日本のビジネスチャンス、企業の売り物も出てきていることも影響しているだろう。
④問題はその他に含まれている法人の売りが激増していること。
この売り手が「その他」としてよくわからないが、CRE(法人不動産)の関わる「カーブアウト戦略」や「アセットライト戦略」が含まれているのだろう。
不動産市場全体には長期金利の2.7%への上昇、都市部のタワマンをはじめとした高値警戒感、こうした点で市場全体に不透明感も漂っている。
こうした局面ではマンションを保有するレジデンシャルリートよりも企業向けの不動産を中心にビジネスするCRE型のリートの方がいい。
CREは法人の不動産戦略で、不動産価格に関係なく進む企業戦略だからだ。
最近のデータセンターなどの施設も、CREビジネスに大きなチャンスになっているかもしれない。
不動産市況と関係ないビジネス機会として、Jリート各社、特にCREに力を入れているKKR、KKRをスポンサーに持つ産業ファンドや日本都市ファンドにもビジネスチャンスが広がっているように思われる。
不動産取引、主体別ネット売買

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最近注目したのが、旧日立物流(ロジスティード)が保有する数千億円の不動産の流動化案件。
KKRが2000億円強の不動産を買取り、ロジスティードはその売却代金を使ってアルプス物流などを買収した事例だ。
そのアルプス物流は8物件315億円の不動産を切り離し物流施設の運営は継続するというアセットライト戦略を取った。
最近の企業決算を見ていると、不動産をバランスシートから切り離し、総資産を軽くして利益率を上げるCRE「カーブアウト戦略」を実行する企業が増えている気がする。
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企業はこれによって資産効率を高めることができる。
歴史の長い日本企業は「不動産神話」の中で生きてきたので不動産の保有が多い企業が多い。
カーブアウトやアセットライト戦略は企業の利益率を高める重要な財務戦略となり、こうしたCRE活動は一段と活発化するだろう。
上のグラフは不動産の取引実績だが、2024年上期から急速に取引額が増えている。
23年までは半期で2兆円強レベルだったが、24年以降3〜4兆円へとレベルアップしている。
半導体工場への投資が急増している九州、リゾート開発が加速化しているニセコや白馬で地価上昇が顕著になっているが、基本的に投資と地価上昇は明確な関係がある。
この不動産価格の上昇は、企業にとってアセットライト戦略を進めるチャンスになる。
下の表は2001年から2025年までの不動産取引主体別の売買動向。
いくつかの特徴が見られる。
①J REITが不動産の買い手として大きくなってきていること。
リートは一旦購入すると賃貸料を得るために長期保有する傾向が強く、不動産の長期投資家として買い取りを増やしているのだろう。
②ここ数年では不動産の私募リートが買い手として成長してきていること。
上場しているJリートは市場での価格変動が大きいが、私募リートは非上場で価格変動が小さい。
そのため、過剰なボラティリティを嫌う年金基金などが私募リートに投資している。
③海外投資ファンド(下のグラフではSPC・AM)もここ数年買いを積極化してきていること。
もちろん円安で日本不動産が一段と割安になっていることも大きな要因だが、日本のビジネスチャンス、企業の売り物も出てきていることも影響しているだろう。
④問題はその他に含まれている法人の売りが激増していること。
この売り手が「その他」としてよくわからないが、CRE(法人不動産)の関わる「カーブアウト戦略」や「アセットライト戦略」が含まれているのだろう。
不動産市場全体には長期金利の2.7%への上昇、都市部のタワマンをはじめとした高値警戒感、こうした点で市場全体に不透明感も漂っている。
こうした局面ではマンションを保有するレジデンシャルリートよりも企業向けの不動産を中心にビジネスするCRE型のリートの方がいい。
CREは法人の不動産戦略で、不動産価格に関係なく進む企業戦略だからだ。
最近のデータセンターなどの施設も、CREビジネスに大きなチャンスになっているかもしれない。
不動産市況と関係ないビジネス機会として、Jリート各社、特にCREに力を入れているKKR、KKRをスポンサーに持つ産業ファンドや日本都市ファンドにもビジネスチャンスが広がっているように思われる。
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