株山人の投資徒然草

大手運用会社をリタイアし、八ヶ岳に住む株山人の日記

大手運用会社をリタイアし、八ヶ岳に住む株山人の日記

株を職業にして38年、株式投資の楽しさを個人投資家に伝えたい。
Kindle版の「株式需給の達人(おもしろ相場格言編)」を出版しました。
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長期投資を考える

2年目の新NISA、どうする?(8)オルカン、S&P500の含み損

新NISA










新NISAの投資家はちょっとした「試練の時期」を迎えている。
下の一覧表は、3月16日の当ブログで使ったものだ。
新NISAで一番人気になった、オルカンとS&P500投信の基準価額と、これらの投信のベンチマークとなった株価指数を比べてみたものだ。

          24年12月末  3月14日  下落率      
eMAXIS オルカン   27686   25136   -9.2%
MSCI Acwi       841     821    -2.3%

eMAXIS SP500    25792   22407  -13.1%
S&P500       5881    5521  - 6.1%

eMAXIS ナスダック  25306   21271  -15.9%
NASDAQ100     21012   19704   - 6.2%
(eMAXISは基準価額、米株価指数は3/13現在、基準価額は3/14現在、一日遅れて計算される)

この一覧表を4月18日までアップデートしてみた。
大きく損失が拡大している。

         24年12月末  4月18日    下落率      
eMAXIS オルカン   27686   23365    -15.6%
MSCI Acwi       841     793     -5.7%

eMAXIS SP500    25792   20603   -20.1%
S&P500       5881    5282   -10.1%

eMAXIS ナスダック  25306   19401   -23.3%
NASDAQ100     21012   18258    -13.1%
(eMAXISは基準価額、米株価指数は4/17現在、基準価額は4/18現在、一日遅れて計算される)

たとえば、一番人気のオルカンでは昨年末からの下落率が15%に達し、2番人気のSP500では20%の下落率だ。
NASDAQ100のインデックス投信はちょっと一般的ではないかもしれないが、下落率が23%と一番大きな損失を抱えている。

今年初に成長枠240万円を投資していたら、オルカンで37万円の損失、SP500で48万円、NASDAQは55万円の含み損になっている計算だ。
一覧表をよく見ると、eMAXIS投信基準価額のパフォーマンスがベンチマークとなる株価指数を10%程度も下回っている、これが円高による損失と信託報酬などの費用になる。
日米交渉の一つのポイントになってきているだけでにさらなる円高もあり予断は許さない。

投資初心者には厳しい結果だろう。
しかし、新NISA の制度を作った政府や銀行・証券をうらむのではなく、迂闊に誘われ投資した結果として受け止めるべきだ。
今後3か月、相互関税の行方、関税の米国経済への影響、企業業績への影響を見極める必要がある。
覚悟を決めておく方がいい。


では、新NISAを今後どうするか?
短期投資なら売りもあるが、長期投資ではホールドすべきだろう。
でも精神的に相当キツイ・・・そこで・・・

第一に「株価を見ること」をやめる。
第二にもし気になって株価を見るのをやめられないなら「損したこと」を忘れる。
第三にもし損したことを忘れられないならば「「楽しいこと」を考える。

筆者もITバブルの崩壊(2000年代初)では証券自己勘定で数億円の損失を出したことがあったし、リーマン危機では年金から委託された日本株商品で4割も損失を出したこともあった。
下落相場ではファンドマネージャーも心理的に厳しい状況に追い込まれる、おそらく、長く相場をやっていれば何回もこうした経験をするはずだ。
その時、上の三つを心掛けて危機を乗り切った。



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2年目の新NISA、どうする?(8)スタイルとリスク

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新NISAは「非課税の箱」をどう使うかは自由だ。
成長株投資、配当中心のインカム投資、キャピタルゲイン狙いの短期投資、いろいろな運用方法で非課税枠を使うことができる。

重要な事の一つは「自分のスタイルを明確にする」ことだ。
これは機関投資家の運用でも、年金基金の運用でも、ヘッジファンドの運用でも共通する。
スタイルがブレる、つまり、配当重視した運用スタイルなのに、次の日はグロース重視で材料が出た銘柄に飛びつく、こんなブレ方が収益機会を逃してしまう理由になることも多い。

「隣の芝生が青い」、ついつい儲かっている人を羨ましくてその人のやり方をマネする。
でも、こんな移り気な投資家はなかなか長期で安定した運用はできない。
市場には「作用と反作用」があり、一定のやり方は永遠に高収益を上げるなんてことはありえない。
良ければダメになり、ダメなところから良くなる。
スタイルを変えなければ、気長にしていればそのうち良くなることも多い。


もう一つの重要な事は「リスクを考える」ことだ。
リスクとは収益率のブレで、これには一定の法則がある。
年240万円の成長枠投資で、最大どのぐらいの損失が出る可能性があるのかを想定すること。

リスクは①個別銘柄も値動きの激しさを考えて銘柄を選ぶ、②投信やETFならば一般的に値動きは小さい、③外国投信の場合は株式の変動に加え為替の変動リスクを考える。

リスクとは投資家がどこまでの損失なら耐えられるかと言い換えてもいい。
新NISAの成長枠の損失を5%程度までに抑えたいのか、10%までの損失には耐えられるのかなど自問自答してみる。

10%損失が耐えられないという投資家は個別銘柄の集中投資には合わない、10銘柄程度のポートフォリオにを考えるべきだ。
5%の損失に耐えられないという投資家は個別銘柄よりも投信やETFなどの分散された金融商品を中心に考えるべきべきだろう。

自分のスタイルの明確化、リスクを考えること、この二つが新NISA運用のカギじゃないかと思う。  



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2年目の新NISA、どうする?(7)含み損どうする?

ETF








トランプ政策の大きな波風が世界の株式市場を震撼とさせている。
新NISAで投資を始めた人たちもこの荒波に揉まれていいるだろう。
当然ながら含み損を抱えて「どうしようか???」と悩んでいる人もいるだろうし、毎日毎日不安で過ごすならば「投げ売りたい」と思っている人もいるだろう。

投資であるならば損するリスクは常にある、損をしないで毎日毎日プラスになるなんて事は普通ない。
そうであるならば、損をうまくマネージしていく事が投資家としての成功の道になる。
特に新NISA口座で含み損が出た場合、損切りするのか、長期保有するのか、その判断基準が大切だと思う。
筆者は三つの基準を持っている、①リターンの再現性、②平均リターンへの回帰、③リターン源泉の信頼性、の三つだ。


今回は「リターン源泉の信頼性」を考えてみたい。
「リターンの源泉」とは、投資対象のどこが投資家にリターンをもたらすのかというポイントだ。
株式のリターン源泉は結局のところ「成長性」「割安性」「利回り」の三つの集約される。

「成長性」はEPSの増加が基調的に続くかを判断すること、「割安性」は企業価値に対して株価が割安かどうか、「利回り」は配当や分配金が株価に対して十分かどうかだ。
「リターン源泉」が安定している投資対象ほど、一時的に損失を被っても長期的に報われる。
逆に不安定な源泉を持つ場合、報われるかどうかは・・・運次第だ。


そのうち、成長性を見抜くのは一番難しい。
たとえば、GAFAM。
パソコンのiMacからiPad、iPhoneと進化している時期は長期に渡る成長を達成できたが、次の製品がどうなるなか、筆者は理解してない。
スマホの成熟化とともに、小さなイノベーション(AI搭載など)は起こるにしても、次の大きなトレンドは見えていない。

10年後、もしかしたらバリュエーションが低下し、割安株として評価される銘柄になっている可能性も否定できない。
他のGAFAMやNVDAも同じで、イノベーションが起こる時は成長性がリターンを決めるが、イノベーションが停滞すればバリュエーションが低下しバリュー株になっていく。


たとえば、高配当株、これは成長性に比べて比較的簡単に理解できる。
JT日本たばこ、タバコ自体は年々喫煙者が減少するが、逆に競争相手が去り、タバコ市場での残存者利益を十分に享受する銘柄でもある。
さらにロシアや新興国では相変わらず喫煙人口が多い、その分で成長性はないものの業績は安定している。
経営者の株主還元姿勢も安定し、業績や配当金額も安定し、配当利回りは5%程度は期待できる。
経営者の姿勢が変われば大きなリスクだが、当面、安定した配当と利回りという「リターン源泉の信頼性」は株主とって魅力的だ。


リターン源泉として最も安定しているのがJリートだ。
オフィス、商業、物流、住宅、様々な分野で不動産賃貸を行っているが、この不動産賃貸はもっともキャッシュフローが安定したビジネスといえる。
新型コロナでオフィス空室率が急上昇し商業施設が閑古鳥が鳴いた状態になったことはあるが、通常の経済状態では極めて安定した業績、分配金を記録してきた。


新NISAで自分の投資した商品や銘柄の「リターン源泉」をよく考えてみる。
「リターン源泉」が不安定になっていると感じた銘柄や商品はためらうことなく売る!!
これが重要で、ダラダラと保有するだけの長期投資は意味がない。




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2年目の新NISA、どうする?(6)オルカン、S&P500

ETF









新NISAのような長期投資ツールでも「損切り」が必要な場合はあるし、「ガマン」して保有するべきな場合もある。
年初からの株式市場の波乱は新NISA投資家の最初の試練となったが、この際、含み損にどう対処するかは重要なスキルになるだろう。

前回、含み損への対処ポイントとして、①リターンの再現性、②平均リターンへの回帰、③リターン源泉の安定性の三点を挙げた。
今回は「平均リターンへの回帰」を考えてみたい。

株価は上がったり下がったりするのが常だが、この平均への回帰があればいずれ「あるべき水準」に戻ってくる、これが「平均リターンへの回帰」という現象だ。
個別銘柄ではなかなか見ることは少ないが、広範な銘柄をカバーするインデックスにはこうした傾向がよく見られる。


まずは、年初からのパフォーマンスを見てみよう。
          24年12月末  3月14日  下落率      
eMAXIS オルカン   27686   25136   -9.2%
MSCI Acwi     841.33  821.59   -2.3%

eMAXIS SP500    25792   22407  -13.1%
S&P500     5881.63 5521.52 - 6.1%

eMAXIS ナスダック  25306   21271  -15.9%
NASDAQ100     21473.02 19704.64 - 8.2%
(eMAXISは基準価額、米株価指数は3/13現在、基準価額は3/14現在、一日遅れて計算される)

eMAXIS投信の基準価額には信託報酬や為替・売買手数料などの運用コストが差し引かれ、海外株投信は為替の評価損益が加わる。
これが基準価額とベンチマークのリターンの差につながらる。
年初来リターンでも7%程度、基準価額がベンチマークを下回っているが、これが様々なコストと為替評価損益で説明できる。

新NISA投資家は年初に投資枠ができるので、年初に買うことが多い。
そこを米株価の調整とドル円の円高というダブルパンチを食らった感じだ。
わずか2カ月半で10%以上のマイナスで含み損になった投資家もいるような状況だが、どう考えたらいいのだろうか?


さて今回のテーマ「平均リターンへの回帰」だが、この三つの投信を比べてみたい。

まずはオルカンはMSCIーAcwiという世界株指数を元にしているが、この指数は世界経済の名目成長を連動してパフォーマンスが出る。
世界実質成長が長期に渡って3%程度で安定し、インフレ期待が2%とすれば、年率5%程度の平均的なリターンが期待できる。
ここ2年がそれを上回るリターンだったが、長期的には5%程度の安定成長に戻ると期待できる。

S&P500は米国の大型銘柄で構成される指数で米国経済の名目成長率程度のパフォーマンスは長期的に期待できる。
長期投資では世界全体よりは成長率の上下変動は大きくなり、その分期待リターンは低いかもしれないい。

NASDAQ100だが、ハイテク株のトップ100で構成されPERも割高で取引されてる。
「平均リターンの回帰」という点から考えると、経済構造やリーディング業種が交替する可能性もあり、過去の平均リターンに戻るかは曖昧だ。

最も「平均リターンへの回帰」が期待できるのは、やっぱりオルカンなのだろうと思う。
次には可能性が高いのがS&P500、NASDAQ100はやや慎重に見るというところだろう。


でも問題は為替レートで「平均への回帰」が起こるかもしれないことだ。
もし円ドルが過去平均に戻るとすれば、過去50年の為替変動幅は消費者物価の購買力平価を中心に上下50%、これがが長期的なレンジになる。
現在消費者物価ベースの購買力平価は109円/ドルであり、過去の振れ幅を考えると163円を上限、110円が中心と考えるべきだろう。
とすると、現在110~160円/ドルが今後10年の平均レンジとなる可能性が高い。
日米金利差の長期的な縮小を考えると120円程度への円高を見ておく方がいいと思う。

「平均リターンへの回帰」が起こる確率は高い、でも為替レートも平均への回帰を考慮しておくべきかもしれない。




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2年目の新NISA、どうする?(5)含み損どうする?

ETF









トランプの関税政策を懸念した米国株式市場が大きく不安定化してきた。
新NISAで評論家が「長期投資、長期投資」と念仏のように繰り返しているが、新NISAで投資を始めた投資家が含み損を抱えるとビビッてしまうかもしれない。

「ほったらかし投資」と簡単に言うが、含み損を毎日毎日横目に見ながら働くのは厳しい。
ついつい、新NISAの画面ばかり見てしまい仕事に集中できない人も出てくるだろう。
意外と「ほったらかし投資」は難しい、それができる人は「どうでもいい」と思えるぐらいのリスクしか取っていない人だ。

たとえば、100万円を持っている人が50万円を投資して、一日に5%変動したら2万5000円の変動リスクを持っている。
これが毎日下落して20%下落したら10万円の損失(資金の10%)で「ガッカリ」する。
でも、1000万円を持っている人が同じように50万円投資して一日5%の変動リスクを取っても一日2万5000円の変動、わずか0.25%にすぎない、ほぼ何の影響もないレベルだ。
累積で20万円損しても保有資金の2%にすぎないので「全然平気」だ。


新NISAで運用して老後資金を確保しようなんて言うが「政治家の詭弁」でしかない。
重要なのは自分で投資リスクをコントロールすることだ。
リターンはコントロールできないが、「リスクはコントロール」できる!!!

実際の含み損を被ったらどうするのか?
三つのポイントが考えられる、①リターンの再現性、②平均リターンの回帰、③リターン源泉の安定性、の三つだ。
この三点を考えて売却判断や継続判断を行うことを薦めたい。

①投資した商品のリターンの再現性を考える

「リターンの再現性」とは、その株式や投信商品が一時的に下落してもまたいつか戻ってくると信じることができるかという問題だ。
ちょっと古い例えだが、新型コロナ禍の頃、ワクチンへの期待が高まり創薬会社のアンジェス株が暴騰した、2000円以上に上昇しピークを打ったと思う。
でもワクチンを開発できずに新型コロナ禍は終息、株価は10分の1以下に下落、未だに低迷している。

これはワクチン開発という材料が「リターンの再現性」を持っていないということだ。
例えば、半導体関連株、レーザーテック株でも投資家は酷い目にあった、一時4万円まで上昇した株価が2万円を割れたからだ。
でも半導体は世の中には不可欠な製品で、しかも5~6年という大きな周期性がある。
これは一過性の新型コロナ禍よりもずっと「リターンの再現性」が高いといえる。
今後5~6年投資する人にはいずれ高値を取ってくる期待がありえる。

株式投資は甘くない!
リターンの再現性がないと判断する場合、「即売り」を勧めたい。

こうした「リターンの再現性」を考えることは、新NISAで含み損を抱えた場合最初に考えておくべきポイントだ。

次回に続く・・・・



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セブン&ⅰは株主の方を向いているか?

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セブン&ⅰが成長戦略を打ち出したが、株主にとってどうなのだろうか?
配信されたニュースで確認してみよう。

まずは井坂社長のコメント
カナダの小売大手アリマンタシォン・クシュタールからの買収提案に関し、米独禁法関連の課題解決に向けた具体策が見いだせていない点に触れ、「現時点で株主やステークホルダーにとって最善の選択になる保証はない」と述べた。

要するにクシュタールの買収提案は米独禁法をクリアーできなから提案を却下するということだが、クシュタールはカナダの会社で米独禁法への対応はセブンよりも長けているだろう。
提案を拒否する口実にしか聞こえない。


セブンの創業家と伊藤忠が組んだMBOは失敗した。
セブン創業家が主導していた経営陣が参加する買収(MBO)計画が頓挫し選択肢が狭まる中、セブンは自ら企業価値を高める道を選んだ。ただ株主に利益のある選択だと納得させる必要があり、今後難局が予想される。クシュタールは昨年、買収額として1株18.19ドル(約2700円)を提示していた。

伊藤忠傘下にはローソンがあり、それこそ日本の独禁法に抵触するかもしれないと思ったのか、それともMBO後の収益と借金返済の計算が合わなかったのかは分からない。
でも普通ならばMBOを断念した段階でカナダのクシュタールの買収を受けることが株主には最高のオプションになったはずだけど・・・


そして井坂社長は逃げ出し、社外取締役のデイカス氏を新社長にする予定。
デイカス氏は「株主還元を忘れてはいけない。過去に十分な注意を払ってこなかった反省があり、今後は変わっていく」と、株主重視の姿勢を強調した。

株主還元って言葉遣いは違うって思う。
今後3年間で2兆円の自社株買いって「やるやる詐欺」で終わる可能性も残っているからだ。

要はスーパーなどのまとめたヨークホールディングを8000億円以上で売却し、北米セブンを子会社上場させ、さらにセブン銀行を部分的に売却する、これらの譲渡益を元に2兆円の自己株買いを行うというものだが・・・
最初に資産売却をしてその譲渡益で自己株買いをするというわけだが、その売却や子会社IPOがうまく行かなければ自己株買いの元手が不足してしまう。
さらに米セブンイレブンのIPOは、親会社の持ち分減少で株主価値が棄損する。

よくよく考えてみれば、2兆円の資産売却して2兆円の自己株買いをするのは株主にとってはチャラであって何の得にもならない。
2兆円の資産売却で企業価値が2兆円減少する、そこで2兆円の自己株買いをすると発行株数が2兆円分減少する、一株当たりの価値は2兆円の資産価値減少と2兆円分の発行株減少で横ばい、つまりチャラでしかない。

この成長戦略じゃ株主価値は上がらない、クシュタールの買収提案の方がいい。



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超長期債投資(3)投信を買う?

財務省









個人の運用ポートフォリオに一定比率で組入れてもいいかも?と考えている。

日本国債では15年債が変動付で、20年・30年債は固定利付だ。
でも残念ながら個人向け国債は発行されていない・・・個人は直接には買えない。
となると、超長期国債を個人の運用ポートフォリオに加えるには公募投信しかない。
公募投信は信託報酬などのコストが高く、コストとの見合いを考えなければならないのが鬱陶しい。


投信では三井住友DSアセットは「日本超長期国債ファンド」を運用している。

資産データを見ると・・・
純資産残高は17.6億円と小さい、債券ファンドは日本の個人には人気がない。
資産の組み入れ比率は、国債82.8%、現金等17.2%
国債の残存年数は、11-12年・・・・19-20年までそれぞれ9.2%づつ保有するラダー型の債券投資だ。
平均残存年数は12.8年
ポートフォリオの最終利回りは1.3%
基準価額は9311円で、投資家への分配金は年40円

ここ1年の植田日銀の金利正常化で長期債は利回り上昇(価格は下落)により、基準価額は1年で3.6%のマイナスとなった。
もう少し、金利の正常化=利上げが続くと予想されるのでもう少し基準価額のマイナスが出てくる。
しかし、長期金利がある程度日銀の利上げを織り込めば、ポートフォリオのインカムリターンが上がってくるだろう。
でもインカムで1.3%の最終利回りはちょっと寂しい。

20~30年という期間で考えれば、2%台の30年債は組入れる価値はあるかもしれない。
国債投資の良いところは、満期まで頑張れば「パー=100円」で償還されるので長期では価格変動リスクが限定されている。
しかし、なかなか良い投資先がないのが現状だ。
損をしなくない投資家には一考に値するが、運用会社も超長期債を対象とした運用商品を開発してほしいと思う。



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超長期債投資(2)30年債の基礎

米国の中立金利
中立金利202412
















長期債券に投資する場合、債券価格が暴落する要因には注意が必要だ。

まず第一にインフレ、物価上昇。
ハイパーインフレのような制御不能なインフレが起きると、長期債価格は暴落する。
当然、中央銀行は引き締めに入り政策金利の急上昇するが、それに輪をかけて金利上昇(価格下落)するのが長期債だ。

インフレ率がどうなるかを長期で予想するのは不可能なので、このリスクは消すことができない。
でも、日本の場合は超高齢化・人口の急減と長期の需要減退要因があるので、為替レートさえ安定すればハイパーインフレという状況は考えにくい。


第二に政府の財政バランス悪化とそれに続く財政赤字の急増。
30年債の投資すれば、今後30年間の国債需給が影響する。
国債需給に一番大きな影響があるのが、赤字国債の発行急増だろう。
利払いの裏付けのない超長期国債をどんどん発行したら、供給増加から価格が下落(長期金利が上昇)する。

日本の財政問題は毎年指摘されているが、国民が「103万円の壁を引き上げろ」「子供予算を増やせ」「カネを配れ」「消費税を引き下げろ」・・・と言いたい放題の国では財政問題は解決しない。
どこかで日本国債には厳しい判断がされそうだが、国民の金融資産も2000兆円以上に増えているので財政破綻することはないだろう。
という意味では超長期国債も一定程度組入れを考えてもいいのかもしれない。


第三に海外投資家の引き上げ。
インフレが上昇したり財政赤字が拡大したりすると、国債格付けが引き下げられる可能性が出てくる。
海外投資家は格付けに敏感なので、引き下げは海外投資家の売りを誘発する。
これは国債価格を暴落させると同時に為替レートを下落させる。

日本国債の格付け引き下げはありえる事だ。
しかし、潤沢な個人金融資産に加え、事業法人の400兆円の内部留保もあり、余剰資金が積み上がっている、日本は金満国だ。
という意味では国債需給は国内で完結できる、その大きな強みで海外投資家の資金引き上げがあっても耐えることができそうだ。

というが・・・30年債ともなると、その期間に何が起こるのかなんて全く予想できない。
基本的に中央銀行の金融政策やコメントを確認していくしかないし、それによって起こる格付けの変化や為替レートの推移を見守るしかない。

それだけ債券投資のリスクが高いが、その分金利が高くなるので投資魅力が大きい。
超長期債をポートフォリオに組入れる価値はありそうだ。




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超長期債投資(1)日本30年国債は高利回り

新NISA










ある日、うちの奥さんが突然言い出した。
妻 「 私も新NISA、やりたいな。銀行預金にしてても面白くない。」
筆者「 やるのは簡単だよ、証券会社か銀行に口座を開いて、おカネを入金し対象の商品を買えばいいだけだから・・・」

妻 「 でも絶対に損をしたくない。損しないで儲かる商品ってないの?」
筆者「 えっ、損しない投資?あったら教えてほしいぐらい。絶対損しないのは銀行預金だけど、インフレを考えたら明らかに損する。」

妻 「 なんかないの? 安心して買えるもの、絶対損しないもの。」
筆者「 !!! 長期債かな。保有しているだけで預金より高い金利をもらえるし、満期まで保有すれば元本が返ってくる。」

その日の会話はそれで終わり…結論は出ない。

でもよく考えれば、ゼロ金利政策をやめた日銀、超長期債券はぐっと利回りが上がっている。
政策金利こそ、まだまだちょっと毛が生えた程度の0.25%だが、30年金利は2.25%と随分上がってきた。

10年金利はまだ1%程度で、先々上昇していく傾向だが、それほど上がるわけではない。
しかし、超長期、30年金利は上がりだしている。
超高齢化や人口減少の低成長が長期的に予想はされ、金利が大きく上昇するとは考えにくい。
でも財政赤字の拡大があり、超長期ではソコソコの高い金利になるかもしれない。

新NISAのような人生後半に向けた投資では「超長期国債」は良い投資対象になるのだろうか?

というわけで、各国の政策金利と30年金利を比べてみた。
      政策金利    30年金利
日本   0.25%    2.26%
米国   4.50%    4.68%
英国   4.75%    5.04%
ドイツ  3.00%(ECB)2.45%
中国   3.10%    1.96%

ECBは3回号連続で政策金利3.0%に利下げ、FRBも25bpの利下げで政策金利4.25~4.5%に、日銀は据え置きで政策金利を0.25%とした。

依然として日本の政策金利は主要国で最低だが、30年の超長期金利では日本だけでなく中国やドイツも低く、主要国最低ではない。
日本の30年金利は物価上昇と賃上げの継続で、長期的に金利が上昇していくのを織り込んでいるのかもしれない。
逆にドイツや中国の30年金利低下は両国のファンダメンタルの低迷を織り込んでいるともいえる。

30年債は国債で信用リスクはピカイチで満期まで保通すれば必ずパー(100円)で償還される。
途中の経済変動で価格がブレても、満期まで持てばいいし、毎年2.26%の金利がもらえる。
という意味では新NISAのような長期財産形成にはピッタリなのでないかと思う。

次回から超長期債への投資を基礎から考えてみたい。




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新NISA、暴落の経験を生かす方法

新NISA









8月の株式市場は大波乱となった。
今年新NISAが始まり、初めて株投資をしたという投資家はビックリだったかもしれない。
テレビでは経済評論家の森永さんが「日本株は暴落し1万円になる、NISAで株を買ってはいけない」と脅かすので、不安感を抱えている投資家も多いだろう。


でも「暴落」は恐れるものではなく、価格下落をうまく利用するぐらいの感覚が大切だろう。

①第一の経験則:新NISA投資家は「暴落時は最大のチャンス」

日経平均の長期チャートを見ると、ビックリするような暴落が過去何回も起こっている。
でも暴落時に大きく下がってから買った人は、仮に底値を買えずに一時的の評価損を被っても、数年後には必ず回復し、大きな含み益になった。

2009年のリーマン危機の暴落相場では「この世の終わり」と感じられるほどに世界中の金融業界全体が大混乱に陥った。
筆者はその時運用会社で、資料を作って顧客回りでしていたのを思い出す。
会社のルールで株式投資禁止(社内ルール)だったので株を買うこと出来なかったが、不動産投信だったJリートは禁止の対象外だった。

利回りが8%まで売られたJリートがバカみたいな安値に見えた、それで買った。
その後10年後の定年退職時には含み益が3倍になっていた。
もし評論家が言うように暴落が来るとしたら「最高の買い場」になるのは過去の経験則だ。


②もう一つの経験則:暴落時は特に「都合の良い意見ばかりを聞くな」

暴落相場の中では不安感が先に立ち、冷静な客観的な視点でモノを考えられなくなる。
不安感の中では安心するような意見(特に証券会社のストラテジスト)ばかり聞いてしまう。
そうなると中途半端な水準で買ってしまい、損失が雪だるま式に膨れることになる。

重要なのは「耳障りの悪い意見」を聞くことだ。
厳しい意見を聞くことで、暴落の心理的不安状態から一歩離れて自分を客観視できる。
そして悪材料をすべて織り込んだと思った時から買い場を考える。
それまでは中途半端に買ってはならない。


③第三の経験則:どうしても耐えられなくなったら株価を見るのをやめて「忘れること」

暴落の損失で厳しい時は「忘れて寝ていればいい」
暴落は永遠に続くことはない、必ず終わりが来るので、何か他の事を考えて気楽にしていることだ。
本当に厳しい急落はせいぜい1か月以内の場合が多い、その間「忘れて寝ていればいい」
仕事に集中してもいいし、家族サービスに集中してもいいから、株を忘れる

あのリーマンショックの急落もリーマンの破たん9月から最初の底入れは10月だった。
わずか1か月で1万2834円から7162円まで44%の急落だったが、期間は1か月。
この1か月の間「株を忘れる」ことができれば、その後は戻り相場でどう取り返すかを考える。

この三つの経験則が暴落時に大切だ。
①暴落を恐れず「チャンス」と考えること。
②耳障りの良い意見になびかず、「厳しい意見」を聞くこと。
③どうしようもなくなったら、1カ月程度「忘れて株価を見ない」ことだ。



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新NISA、体験談(6)絶対損しない株

新NISA










新NISAで買う株式や債券は、損失が出て「投げ=損切り」すると何の意味もなくなる。
損益がプラスならば一旦利食うことができ、その分の非課税枠は翌年初に復活する。
損益がマイナスならば損切しても、損失を利益と相殺できないだけでなく、非課税枠も翌年まで待たなければならない。
つまり、新NISAで「投げ=損切」るする意味がない。

トレーディングではなく、あくまで長期投資として新NISAを使う場合は「絶対に損しない株」を買うことだと思う。
では、「絶対損しない株」なんてありえるのだろうか?

短期的にも長期的にも損しない株というのは「インチキ臭い」
そんな株はありえないと思う。
しかし、長期で見て損しない株というのはありえるかもしれない。

①米国GAFA、特にアップルのような長期安定成長株に投資すること。

確かに過去10年以上、アップルは新NISAに最適な株だったように思う。
スマホがここ15年もの間成長を続け、それに伴ってアップルの利益も長期で成長してきた。
でも今後もこうした長期利益成長が続くかどうかは筆者には分からない。

日本株でいうならば「テーマ」に乗った株という事になるが、1~2年で「テーマは必ず陳腐化する」ので新NISAの投資には向かない。

②株価暴落時にインデックスETFや業績安定株を買うこと。

相場格言に「落ちてくるナイフは拾うな」というのがある、もちろん下落途中の株には触らない方がいい。
でも大きく下落した相場は、必ずどこかで底入れをする。
大きく下げれば下げるほど、その後のリバウンドも大きいというのも相場の鉄則。

問題は投資家に「底値」か「底値の近く」で買える技術があるかということだろう。
株価を底値で買うのは難しいが、底値近辺で買うことはできる。
もちろん、買ってすぐに一段を下がる場合もあるが、その短期的な損失をガマンできれば長期的にリターンが取れる可能性が高い。

③上がった銘柄ばかりを追わず、上がっていない銘柄から選択すること

株価材料や業績の上方修正、さらに自社株買いなどの多くの公表・ニュースがあり、株価が上昇すると誰でも買いたくなる。
でも上がった株をさらに高い株価で買うのは相当な知恵と勇気が必要だ。
上がった株は反落しやすいし、上がった理由が続くか一時的なものなのかも判断する必要がある。

一方、上がっていない株を買うのはリスクは少ないが、いつ材料やニュースが出るかは分からない。
特に新NISAの投資では上がっていない株を買う方が得策だろう。
買ってからは株価が上がるまでずっと待つ、「ひたすら待つ」というのも一つの投資法だろう。

結局、投資家は自分なりの投資法を研究すべきだろう。



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新NISA、体験談(5)成長枠の「???」


新NISA










新NISAの成長枠を使って長期投資を始めた。
その理由は簡単で、現在特定口座で投資しているがこれには税金がかかる、新NISAならば非課税になるからだ。

①売買益にかかる「譲渡益課税」の問題。

特定口座で運用している場合は、この売買益を1年間通算して利益が出た場合にはおよそ20%の税金がかかる。
そのため、毎年年末になると売買益をできるだけ減らすために、損失が生じている銘柄を一時売却し実現損を出して利益と相殺する売買が必要になる。

新NISAでは売買益が膝税になるのは有利だが、相場が急落して損切りしてもその損失を特定口座の売買益と相殺することができない。
ここが新NISA口座の決定的不利なところだ。

つまり、新NISA口座では損切りすると、翌年に枠が復活するまで何もできない、損切りした分は利益を相殺もできない。
・・・その結果、多くの投資家の損切りタイミングが遅れるのは間違いない。
現在のような上昇相場ならいいが、波乱相場に入った時には、この損切りタイミングの遅れが決定的なダメージになる可能性がある。

②天引きの「配当課税」の扱いも問題。

特定口座では配当課税は分離課税と総合課税を選択できる。
多くの高齢年金生活者の資産運用では、配当を総合課税にして年金などのその他収入を合算して税金を払う方が有利な場合が多い。
なぜなら配当課税は20%ちょっとだが、所得税だと20%課税になるには700万円以上の収入が必要で、多くの年金生活者は通常10%程度の課税ですむ。
だから、配当では分離課税だと20%税率、総合課税にすれば10%課税というケースが多いはずだ。
多くの投資家で配当を総合課税した方が良い場合がありえる。

では、特定口座と新NISA口座を持つ人はどどうなるのだろうか?
筆者は新NISA初心者だが、配当は両口座の配当額を合計して特定口座に振り込まれている。
ここに問題がある。
新NISA口座では配当は非課税だが、特定口座では天引きで課税される。
同じ銘柄を特定口座と新NISA口座で保有している場合、それぞれの配当額も配当課税額もよく分からない。
結局、手元のスプレッドシートで再計算し、それを1年間続け総合課税を選択することになる。

特定口座だけなら、「配当計算書」として配当額、所得税額、地方税額、その他、さらに差引された税引き後配当額も明記されている。
これがなんともメンド臭いし、鬱陶しい。




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新NISA、体験談(4)成長枠の「???」

ドルコスト平均法









新NISAを今年の初めからやってみた、その問題点などを「体験談」として書いている。
前回から成長枠での投資で気がついた事をツラツラと書き留めている。

筆者は高齢ということもあり、「今さら20年積み立ては自分の寿命と比べてどうなの?」って感じでつみたて枠は使っていない。
なので専ら「成長枠」で投資をしているわけだ。
現在の枠の使用状況は、全体の240万円に対して半分強の138万円、未使用枠は102万円。
毎月毎月保有している銘柄を「特定口座」から「新NISA口座」へと移動させている。

なぜチマチマと移動させているのか、というと、新NISA口座は5年以上売らないと決めているので買い入れコストをできるだけ安定させたいというのがその理由。
簡単に言えば、高い株価で買いたくない、高い株価で買うと・・・保有しているだけで損失になる可能性があるからだ。
長期で「バイ&ホールド」する場合、最大のポイントは安い価格で買うということ。
これに尽きる!

「ドルコスト平均法」という有名な買い付け法があるが、これでも不十分だ。
新NISAで非課税を有意義に使うためには「絶対に損失をしない」という事が原則になる。
ドルコスト平均は毎月毎月チマチマと同額を買うために、株価が安い時に多く、株価が高い時に少なく買うことになる。
これが利点なのだが、これは絶対損しないわけではない。
下落トレンドが続いてしまえば、買いコストを下げることはできても、損失を重ねてしまうことは免れない。

ではどうするのか?

株価が安い時に買い、それ以外は買わない。
個人投資家の強みは「待てる」こと。
機関投資家は資金を受託して運用するので、「待つ」をしている運用者は運用放棄と受け取られ資金を引き上げられてしまう。
機関投資家は「待てない」投資家だが、個人投資家は自分の買いたい株価まで「待てる」これが強みだ。

新NISAの成長枠では買いたい時だけ株を買うことにしている。
というわけで、今年の成長枠のうち半分強しか買っていない。 
でも虎視眈々と買い場を狙っている。



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新NISA、体験談(3)成長枠の「???」

新NISA










新NISA口座の開設自体は簡単で、持っている証券口座のHPから手続きできる。
筆者の場合、特定口座を持っている証券会社でそのまま新NISA口座を開いたので問題がなかっただけかもしれない。
というのは、同じ証券会社の特定口座と新NISA口座間のおカネのやり取りならば、わずか1秒もかからずに行うことができるけど、特定口座を持っている金融機関と、新NISA口座を開きたい金融機関が異なる場合はそう簡単ではないかもしれないからだ。

以下の三つは肌身で感じた「新NISAの問題点」だ。

①金融機関の問題点

特に証券や銀行によって取り扱いの投信が異なっていて、お気に入りの投信を新NISA口座で買いたい場合、ちょっとヤヤッコしいだろうと思う。
すべての金融機関ですべての投信の取り扱いがあれば、こんな変なことにはならないのに・・・と思うと新NISAの第一の問題点といえるのかもしれない。

というわけで、筆者は特定口座を持っている証券会社で新NISA口座を開いた。
この場合は特定口座と新NISA口座を資金の移動が自由にできる。
でも問題点もあった。

②特定口座と新NISAの株式移動に時間がかかること。

特定口座(証券総合口座)の場合、売り買いはトレード日単位でできるが、特定口座の資金を新NISA口座で使う場合、受け渡し日でないとできないことだ。
これが第二の問題点といえる。

特定口座の株式を新NISA口座に移動させる場合、一旦特定口座で売却し、受渡日に資金を新NISA口座に移動し、その後株式を買い付けすることになる。
その間T+2で、約定日∔2日間の時間がかかる。
ある銘柄を特定口座から新NISA口座に移す場合、一旦売却しその二日後に新NISA口座で買い付けることになる、その間の価格変動リスクを負わなければならない。

③特定口座の株式を新NISA に移す費用が高いこと。 

筆者は特定口座から新NISA口座の成長枠へ毎月およそ20万円程度づつ移しているが、この作業を損せずに行うのはけっこう難しい。
株価が上昇した日に特定口座で株式を売り、その二日以上あとに新NISAでその銘柄を買い付ければいいのだが、株価の動きは予想がつかない。
場合によっては売った値段よりも高い値段で買うことになる。
さらに伝統的証券会社の口座なので、売付にも買付にも手数料がかかり株式移動の取引費用が予想外にかかってしまう。
この口座間の移動コストが高いこと、これが第三の問題点だ。

というわけで特定口座から新NISA口座へ保有株を移していくと意外なコストがかかり、なかなかうまくできない。
なぜ、こんな仕組みになっているのか?

証券や銀行は新NISAを非課税だと宣伝して、新たな資金を集めようとしているからだ。
会社の預かり資産を増やす、そのために既存の口座から動かしにくい仕組みにして、新規資金を導入させる。
結局、証券や銀行は自分たちが儲かるように仕組みを作った。
そこには利用者の利便性や投資家のリターンを考えず、自分たちの利益を上げればいいという考え方がチラチラする。

現行の証券や銀行の問題点は昔から全く変わっていない。

・・・続く・・・




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新NISA、体験談(2)つみたて枠の「???」

ETF








新NISAのつみたて投資は、投信の選び方がけっこう難しい。
単にコストが安い(手数料や信託報酬など)というだけで選ぶという投資家も多いだろう。
新NISAのような投資初心者向けの投資プログラムでこれだけ複雑怪奇にする必要は全くない。
それでもこんな複雑になってしまったのは証券や銀行などの金融機関の過剰な競争というほかはない。
残念・・・・

今回は続きで、新NISAに対応しているインデックス投信について考えてみたい。

③インデックス投信といえども実はパフォーマンスが微妙に違ってくる。

インデックス投信のパフォーマンスは基本的に「指数リターンーコスト(信託報酬や売買手数料)」で決まるわけだが・・・なぜだか?違いが生じる。

新規買付や解約時に影響する場合がある。
特に資産残高が小さい場合、大きな解約が出るとその売り付け金額が大きいため、投信全体のパフォーマンスがズレてくることがある。
基本的に資産残高の大きい投信にはほとんど影響がないので、残高の大きいインデックス投信を選び方が無難と言えば無難だ。

指数の採用銘柄の入れ替え時に買いタイミングや売買手数料などでパフォーマンスがズレてくる場合もありえる。
日経平均のような定期的に採用銘柄が変更されるベントマークの場合は定期的に売買が生じる。
この売買時の約定価格とインデックス上の価格との差がパフォーマンスのズレの原因になる。

また新NISA口座で新規に買う場合も基準価額のズレが起こる可能性がある。
こうしたズレが何年にも渡って積もり積もると予想外の大きな差になる場合もありえる。


④毎月つみたての良い所もある。

一方、毎月毎月チョコチョコと買い付けるので買い単価が平準化されるというメリットがある。
「ドルコスト平均法」という投資方法があるが、長期で買い付ける場合、毎月チョコチョコと買うことで買いコストがその期間の株価平均に近づく。

一般投資家は下がると弱気にあり、逆に上がると強気になるケースが多いので、自分でタイミングを決めると割高な買付になる場合が多い。
安い時に弱気で買わず、値上がりした時に強気になり買い付けるというケースだ。
それに対して新NISAの積立て枠は毎月決められた日に自動的に買い付けるのでタイミングで悩むことはない。

投資家初心者から見れば、安心できるところかもしれない。
でも、上級者には株価が下落時に大きく買い付けるというメリハリのついた投資を薦めたい。
この買付タイミングの違いが、長期投資のリターンの大きな違いになってくるからだ。


⑤債券型のインデックス投信が投資対象に少ない。

おそらく証券会社の陰謀なのだろうが、株式型かバランス型の投信ばかりで、債券型のインデックス投信が少なく、既存の債券型投信が数本入っている程度(筆者の新NISA口座の場合)。
一般的にリスクの低い債券型投信は株式投信よりも信託報酬も低い。
だから証券や銀行の担当者から見れば株式投信ほど儲からないと避けられる傾向があるのかもしれない。

しかし低リスクで運用した投資家には債券インデックス投信は必需品のもので是非組入れたいアセットクラスだろう。
特にグローバル債券型はリスクを抑えるのは必要な投信だが、なかなか本格的なインデックス投信がないのが実情。
となると、NISA投資家はバランス型を選ぶしかない。
バランス型は株と債券を組み入れている投信だが、だいたいがアセットアロケーションを固定化して運用するものを投資家が選ぶタイプが多い。
GPIFは4資産を25%づつ配分するが、少額投資家の場合アセットアロケーションを自分でやりたい人もいるだろうし、固定した配分のバランス型では満足できない投資家も多いだろう。

次回はいよいよ成長枠について考えてみたい。




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新NISA、体験談(1)つみたて枠の「???」

新NISA










新NISAが始まって4か月経った。
筆者を始め高齢投資家は今までNISAというと20~30代の資産形成期のある人たちが利用するものと思ってきたが、この新NISAで初体験という人も多いと思う。
遅ればせながら、筆者もNISA初心者だ。

新NISA口座を開き、実際に体験してみた。
非課税投資制度をどう使うかは予想外に難しい。

まずは、新NISAのつみたて枠だが、1年間に120万円まで成長枠と合計で1800万円まで運用できる。
この枠では投信を買うのはちょっとメンド臭い。
だから筆者は成長枠でますはやてみることにした。
一応つみたて枠の???? 疑問点を列挙してみたい。

①対象投信の数が多すぎる。

同じベントマーク(指数)のインデックス投信が乱立しているので違いが全く分からない。
しかもTOPIX型16本、日経平均型で23本、ACWI(オルカン)14本,MSCIコクサイ20本、S&P50016本、その他新興国型、バランス型などなど・・・
主要なベンチマークとなると、似たようなインデックス投信が19~20本もあり、どれがいいかほとんど判別不可能だ。

こんなにものすごい数のインデックス投信が必要なのか、全くの疑問だ!!
なんでこんな事が起こっているかは明確で、各金融機関、各証券会社で自分のケイレツ運用会社の商品を売りたいからだ。
いかにノーロード(イニシャルな販売手数料がない)投信といっても、投信運用報酬である信託報酬、投信の設定解約に伴う売買手数料、代行手数料などいろいろな収益源がある。
だから銀行にしても証券にしても、すべての手数料を自社グループで確保したい、ということになる。

その結果、同じベンチマークのインデックス投信が乱立し、投資家から見れば複雑怪奇な状態になっているわけだ。
特に新NISAは競争が激しく、一部の証券会社は売買手数料ゼロで新NISAを拡大しようとしている。
一般口座で売買すると手数料がかかり、新NISA口座で売買すると手数料ゼロという理解できない状態を作りだしている。


②金融機関のNISA口座と買える投信が紐づき、自由勝手に選べない。

しかも問題はNISA口座を開く金融機関によって、どのインデックス投信があるのかが決まる。
各金融機(証券、銀行など)は自社グループに投資家を誘い込むために自社のNISA口座で買える投信を決めている。
ケイレツ外のインデックス投信などはそもそも運用対象商品に入っていない。

信託報酬は各投信で微妙に異なり、たとえば人気のオルカンでも年0.057%から年0.66%まで信託報酬が違う。
しかもパフォーマンスも微妙に違うはずだが、明確な開示はない。
長期に積み立てる場合、わずかな違いが20年という期間で増幅されて、老後に現金化して受け取る時には予想外の違いになっている可能性も否定できない。
でも十分な開示がないので、投資家は判断できない。

NISA口座をどの金融機関で開くかによって買える投信と買えない投信があるということは、各社の取り扱い商品まで細かく調べて新NISA口座を開く必要がある。
なんともメンド臭い!!!

新NISAは伝統的証券会社、ネット証券、銀行、銀行系証券・・・多くの取り扱い業者がある上に投資対象も違うという複雑怪奇な状態だ。

・・・次回に続く・・・






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新NISA、長期積立投資の基礎知識(7)長期投資は忍耐

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厚生年金を運用するGPIFの運用方法をパクる、長期積立投資にはこれが一番だと思う。
10年~20年という長期積立投資では、好況や不況の経済サイクルも何回も乗り越えることになるだろうし、人間も年を取りファンドマネジャーも定年引退する期間だ。

頼れるのは、名目GDP成長に沿って投資リターンを管理するということだけだ。
オルカン(MCSI Acwi)だけでは不十分で、好況期には主力大型株だけではなく小型株がアウトパフォームするかもしれないし、不況期には金利低下で価格上昇する債券ポートフォリオが不可欠だ。
四資産に分散投資してあらゆる局面に対応できるポートフォリオを作る事が重要だ。

でもそれだけでは不十分。
長期積立投資では一番大切なのは「忍耐」だ。
一定の方法で積立投資をする、たぶん良い時もあるし悪い時もある。
それでも一定にルールに従って投資を続ける。
これを何年も繰り返していく、やり方を変えない「忍耐」が最も重要な要素だ。

もう一つ重要なのが「リバランス」だ。
新NISAでは一旦売却しても次の年になれば非課税枠が復活する。
つまり、年に一回はリバランスができる。
年1回となると、年末にリバランスするのが最も簡単だし、翌1月に枠が復活するのでその前にリバランスするのは重要だ。

でもその時、簿価ではなく時価をベースにリバランスする。
GPIFのように25%づつ4資産を保有するのであれば、年末に必ず25%づつになるようにリバランスをすることが重要だ。
時価が増えて25%をオーバーした資産を売り、25%を下回った資産を買い増しする、それだけでいいので簡単だ。

これだけでGPIFのパクリ運用ができる。
新NISAの積立運用をしようとする個人投資家は、このやり方を考えてほしい。
厚生年金の運用と同じように新NISAの積立ができるとしたら、厚生年金に入っていない個人事業主の人たちにも有効な運用手法となるはずだ。

いずれにしても、パフォーマンスの惑わされずに一定にルールの従って投資を行い、年一回のリバランスを着実に実行することが長期積立運用のパフォーマンスを上げるコツだと思う。



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新NISA、長期積立投資の基礎知識(6)外国株式

MSCIweight












外国株ではMSCIワールド(MSCI Acwi=オルカン)とMSCIコクサイ(日本を除く先進国)の二つのインデックスがある。
新NISAの積み立て運用ではオルカンとS&P500のインデックスファンドが人気だが、どう考えるべきなのだろう?

それぞれのインデックスの特徴は・・・
MSCIワールド(オルカン)は普通に時価総額で各国のウェートを決めているので、米国株68%、日本6%、英国4%・・・という組入れ比率になっている。
一方、MSCIコクサイ(除く日本株)は米国株73%、英国4.4%、カナダ3.6%、フランス3.5%・・・と欧米株が中心だ。
S&P500のインデックスファンドなら、当然ながら米国株100%となる。

この3種類のインデックス、MSCIAcwi、MSCIコクサイ、S&P500をどう使うかは投資家次第だ。
ポイントを要約すると・・・
第一に日本株ウェートを別枠で25%取るならばオルカンよりもMSCIコクサイの方がフィットする。
GPIFのように日本株のインデックスを組入れるなら、日本を除くインデックスであるMSCIコクサイの方が適当なのは間違いない。

第二に米国株のウェートを高く取りたいならばS&P500のインデックスファンドだし、世界平均で運用したいならばオルカンだ。

これらは投資家の考え方による。
ちなみにリターンとリスクは・・・

MSCIコクサイ   3年   5年   10年
リターン     +20.74% +18.73% +13.01% 
リスク        15.12%   17.05%   16.48%
シャープレシオ   1.33   1.10   0.83

MSCIワールド   3年   5年   10年
リターン     +24.22% +15.18% +9.37%
リスク       14.37%  19.4%  18.14%
シャープレシオ   1.59   0.83   0.59

MSCIコクサイとMSCIワールド(オルカン)を比べると、明らかにMSCIコクサイが優位にある。
10年記録で、MSCIコクサイがリスク18%+リターン13%でシャープレシオ0.83に対して、MSCIワールドはリスク18%+リターン9%でシャープレシオ0.59。

リターンでもMSCIコクサイの方が高いし、リスク対リターンのシャープレシオでもMSCIコクサイの方が優位に立っている。
日本株は日本人ならば母国株であり、情報が多いので、日本株+MSCIコクサイという組み合わせは一定の理があるだろう。
GPIFのモノマネだが、合理的な投資判断だ。

もし米国に強気ならばオルカンよりもS&P500のインデックス投信を買う方がいいし、もし日本株を嫌いならば日本株を別枠で考えずにオルカンのみを買う方がいいと思う。
このあたりはそれぞれの考え方だ。


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新NISA、長期積立投資の基礎知識(5)国内株式

世界時価とGDP202308


















20年という長期間の積み立て運用で株式への投資を考える時、一番重要な事は①ファンダメンタルは変化してしまう、②企業業績に惑わされない、③慎重なインデックス投資が有効、という三点だ。


①経済ファンダメンタルが株価を決定するが、20年後のファンダメンタルを予測できない事。

しかし、20年という超長期では、好景気あり不況あり、高金利あり低金利あり、円高あり円安あり、様々な変化が起こる。
過去20年見ても、ITバブルの崩壊、リーマン危機、日銀やFRBによる超金融緩和、トランプ政権下での米中対立、新型コロナ禍・・・いろいろなビッグイベントが起こった。
今後の20年も同様、様々なイベントが起こるだろう。
現在のファンダメンタルを見て超長期の投資を行うのは危険すぎる。


②企業業績に惑わされない事。

20年という超長期では、どんなに素晴らしいビジネスモデルでも陳腐化は避けられない。
さらに技術革新が大きな要素となり、新しい成長企業が次々と登場する。
現在の大企業の中でも陳腐化して倒産する企業も出てくるだろうし、現在上場してもいないベンチャー企業が大企業へと成長しているかもしれない。
企業業績の予想はせいぜい2~3年しかできないとすれば、超長期投資では業績は無視すべきだ。


③インデックスも陳腐化する可能性がある。

超長期の株式リターンは最終的に名目GDPの成長率に近づく。
その意味では国内株式といえども、投資ポートフォリオは名目GDPに連動させる必要がある。
株式指数はそれぞれの特徴がある、TOPIXは日本の大企業のウェートが高いし、日経平均は値がさハイテク企業のウェートが高い・・・などなど。
株式指数を組み合わせることで、超長期で名目GDPに連動するインデックス投資が可能となる。
たとえば、主要な部分60%程度をTOPIX、30%を日経平均、10%を小型株指数などが有効だと思われる。

最悪な選択はテーマ型投信。
投資テーマはほとんど2~3年しかもたない。
さらにアクティブ投信も避けた方がいい。
20年もすれば優秀なファンドマネージャーも定年退職してしまう。

いずれにしても重要な事は、現在のファンダメンタルや企業業績に惑わされず、国内株式指数(指数の連動するETFなど)に分散投資することだ。



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新NISA、長期積立投資の基礎知識(4)外国債券

円ドル購買力平価
購買力平価202401


















外国債券も重要なアセットクラスであることは間違いない。
でも考え方は少し難しい。
というのは長期投資では為替ヘッジはしないので、為替変動を含めて期待リターンを考えなければならないからだ。
現在は円安局面であり積極的な外債投資環境ではあるが、これが永遠に続くわけではない。

債券価格は金利低下局面で上昇し金利収入(クーポンレート)と価格変動益が得られる、その一方金利上昇局面では価格が下落しリターンを引っ張ってしまう。
それ以上に難しいのは、たとえばFRBが今後利下げをすると米債券価格が上昇する一方、為替市場では金利差縮小でドル安が生じることだ。
その結果、米債の価格上昇による収益が上がる一方、金利差縮小による為替損失が出てしまう。
金利の変化と為替の変化は基本的に逆方向になる。

この為替の変化を考慮して期待リターンを想定することが単純な円債とは違う。

上のグラフは国際通貨研究所が出している購買力平価で、2023年12月現在、消費者物価基準の購買力平価108.21円/ドル、企業物価基準では91.32円/ドル、輸出物価基準では88.77円/ドル、実勢レート144円/ドルに対して3割以上円安になっている。

変動相場制になった1973年以降、実際の為替レートは購買力平価に沿って動いてきた。
長期的には物価差を調整する方向に為替レートは動く。
ビッグマック・ランキングでも日本は激落し、名目GDPランクでもドイツに抜かれ4位に転落した。
これらは行き過ぎた円安の結果であることは明白だ。

長期の積立投資では、外債リターンを金利差と物価差で考えていく方がいい。
現在は米国債券利回りが10年で4.1%、日本の10年利回りが0.7%なので、米国債の方が優位にあるといえるが、10年後の満期では為替で調整されてリターンはそんなに違いがないかもしれない。

でも為替レートの予想は基本的に不可能なので、GPIFの運用方法のようにきちんと比率を一定にした運用が効果が高い。
パフォーマンスが良い資産を確実にウェートを下げ、パフォーマンスの悪い資産のウェートを元に戻すリバランスを着実に行っていくことだ。
これによって債券価格や為替の変動を調整した後の安定したリターンを得られるはずだ。

新NISAの運用では外債インデックス(できればETF)にドル建てで投資して、全ポジションの25%を配分するのがいい。
GPIFのマネだが、これが一番だと思う。



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新NISA、長期積立投資の基礎知識(3)国内債券

円債














GPIFの事例を基に4資産分散投資の話をしていきたい。
まず円債のアセットクラスには、代表的には日本国債、円建て外債(ユーロ円債など)、ヘッジ外債(為替をヘッジした外国債券)などが考えられる。

個人投資家は円債投資に興味がわかないだろうと思う。
利回りが低すぎるからだ。
日銀のゼロ金利政策が続いているので、10年の長期国債でも利回りは0.7%に過ぎない。
0.7%の低い円債を組入れる必要があるのかを疑問視されるのは理解できる。

でも、それでも円債を組入れる価値はある。
それは円債の値動きが極めて小さいので、大きな損失はないことだ。
この低いボラティリティの商品を組入れれば、ポートフォリオ全体のリスクを大きく減らすことができる。

GPIFのポートフォリオで確認してみよう。
GPIFリスク









これはGPIFが公表した期待リターンとリスク(標準偏差)だ。
この4資産の中で円債は最低のリターン0.7%だが、その一方リスク(収益のバラツキ)も最も低く2.56%に過ぎない。
株式では国内株が5.6%と期待リターンが高いがリスクも23.14%と高く、さらに外国株式では期待リターン7.2%に対してリスクが24.85%もある。
最大値を考えれば20%以上の大きな損失も考えられるわけだ。

この低リスクの円債をポートフォリオに加えることで、4資産ポートフォリオ全体のリスクを12%に抑えている。
もし、リターンが少ないからといって円債を組入れなければ、ポートフォリオのリスクは20%弱と相当大きくなってしまうだろう。
円債を組入れることで、損失のリスクも限定しているといえる。

円債のアセットクラスでもう少しリターンを上げたいという場合には、ユーロ円債などの円建て外債、円ヘッジを付けたヘッジ外債などに運用対象を広げることもできる。
また、同じインカム型の円建て商品ではJリートも部分的に加えることもできる。
いずれにしてもETFで投資できる円債商品から選ぶのが良いと思う。



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新NISA、長期積立投資の基礎知識(2)分散投資

GPIF












年金基金は超長期の安定した運用を目指している。
日本では厚生年金を運用するGPIFが最大の年金運用者だが、その運用は極めて保守的な「四資産分散」だ。
もちろんヘッジファンド(絶対収益運用)、不動産ファンド、プライベートエクイティなどのオルタナティブ資産にも投資しているが、その割合は限定的で収益にはあまり影響しない。

まずはそのポートフォリオを見てみよう。

GPIFPORT202402









運用資産(AUM)は226兆円、そのうち円債に58兆円、外債55兆円、国内株55兆円、外国株56兆円と4資産にほぼ同額を配分している。
積極的なアセットアロケーション(資産配分)で超過収益を目指すというよりも4資産に均等配分で長期的に安定した運用をすることが目的だからだ。

この運用方法は、新NISAで積立運用する個人投資家にも勉強すべき点は多いと思う。
より高いリターンを目指すには、債券と株式の比率、あるいは円建て資産と外貨建て資産の比率をコントロールしていくやり方もある。
でもやはり、この「均等配分」は最も基礎的な運用であり長期的に効果のある運用といえる。

よく世間で言われているのは「新NISAはオルカンだけで十分」とか、「新NISAではSP500が最強」とかだが・・・
これは資産配分としては不安定な運用だ。
なぜなら期間20年以上の運用(超長期)では景気後退したり、金利が急低下したり、不景気で会社が倒産したり、逆に好景気で爆上げしたり、金利が急上昇する・・・などが必ず起こる。
こうした景気サイクルを越えて資産価格が動いていくので、こうした局面変化に合わせて4資産に安定した配分をすることが20年という長期に耐えることにつながる。

オルカンとはオールカントリーだが、実際にはMSCI・AQWI(MSCIオールカントリーワールド)とMSCIコクサイ(日本を除く先進国で構成される)がある。
日本の機関投資家は日本株という独立した資産クラスと、MSCIコクサイ(日本株を除く外国株)に投資することが多い。
個人投資家だからといって「オルカン」だけで十分とはいえない。

長期積立運用の基礎知識として、円債、外債、日本株、外国株のそれぞれの資産クラスで運用する場合の基礎知識について考えてみたい。


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新NISA、長期積立投資の基礎知識(1)イントロ

世界時価とGDP202308

















今の世の中、「一寸先は闇」だ。
突然、ロシアのウクライナ侵攻が始まり、パレスティナではイスラエルが戦争を始めた。
ウクライナ人にとってもパレスティナ人にとっても投資どころの話ではない。
アメリカが中東戦争に巻き込まれるかもしれないし、中国が台湾へ軍事介入すれば日本もただではすまない。
まさに「一寸先は闇」

こんな不確実な世界で「新NISA]非課税だからといって、呑気に積立投資をしていていいのだろうか?
突然、積立金がゼロになってしまう事態は起こらないのだろうか?
いろいろな心配があるだろう。
20年先の世界が見えないのに「20年間の積立投資」をしていいのだろうか?


上に一枚のグラフがある。

世界の株式時価総額合計と世界の名目GDP合計(兆ドル単位)を比べたのものだ。
2000年以降の20年間でも世界には多くの大イベントが起こった。
世界危機に発展した「リーマン危機」、過去類を見ない津波と原発メルトダウンを起こした「東北大震災」、世界経済が一瞬にして止まった「新型コロナ危機」などなど・・・

これらの危機を乗り越えて世界経済は成長している。
世界の名目GDPは2000年初頭の40兆ドルから2020年には100兆ドルへと増えた。
そして、株式の時価総額(世界の株式の総価値)もこの名目GDPと同じように増加し100兆ドルを越えた。
20年とか30年とかの長期では、世界経済は数ある危機を乗り越えて成長する。
そして、株式の総価値である時価総額もまた比例するかのように増加する。

ここに長期投資の意味がある。
つまり20年、30年という長期間では「名目GDP成長率=株式価値の増加率」となることだ。
新NISAの積立投資でも考え方は全く同じで、長期の経済成長を買うことでもある。

経済のあらゆる局面を想定した長期投資の原点は「四資産の分散投資」だ。
これは世界の年金基金が長期の年金積立金を運用してる方法で、GPIFの運用が典型例だ。
個人でも年金を運用する機関投資家と同じように積立投資をすることができる。

こうした年金運用並みに安定した新NISAの運用方法を考えていきたい。



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絶好調!日経高配当50の「配当株の運命」

ETF








高配当株が絶好調だ。
代表的な高配当指数の日経平均高配当50は今年30%を越えるパフォーマンスをたたき出した。
これは圧倒的なパフォーマンスで、年初来で高配当50は+30%、TOPIXは+24.2%、日経平均+25.4%を大きくアウトパフォームしている。

さらに日経高配当50のパフォーマンスは世界でも突出している。
S&P500の+17.6%を大きく上まわり、NASDAQの+34%に匹敵している。
ここ5年間の日経高配当50のパフォーマンスと配当利回りの推移だ。


高配当50 変化率 配当利回り
Aug-23 56560 30.2% 3.87%
Dec-22 43450 17.8% 5.81%
Dec-21 36880 22.9% 4.69%
Dec-20 30000 -14.0% 3.32%
Dec-19 34900 6.7% 4.09%
Dec-18 32700 -20.8% 3.03%

興味深いのは「パフォーマンスと配当利回りの関係

例えば、2020年は高配当株のパフォーマンスが悪く、結果として2021年の配当利回りが4.69%と高くなった。
驚異的だったのは22年で指数のパフォーマンスが+17%と高く、さらに配当利回りも5.8%と過去最高利回りを出した。(21年も同様だが、この年はコロナ禍からの立ち上がりの特殊な年)
逆算すると配当額が45%も急増したことになる。
企業業績が良かったことに加え、株主還元の高まりで配当性向も引き上げられたことによる。

こんな2022年みたいな年は例外で、通常、指数が上昇すると配当利回りが低下する。
この指数の魅力は配当利回りにあるはずだが、「指数が上昇すると配当利回りが低下する」という運命にある。

では2023年をどう考えたらいいのだろうか?

パフォーマンスは年初来+30%と絶好調なのは間違いない。
でも、配当利回りは2022年末の5.8%から直近値3.7%と2%以上の大きな低下となった。
採用企業の増配が一巡してしまい、指数の配当額自体は13%低下したことと株価の上昇で利回りが低下したことが要因だ。
高配当を買うというよりも、人気の銀行・海運・卸売り・鉄鋼のモメンタム投資が中心になってしまっている。

これは投資家の期待が行き過ぎている可能性がある。
高配当株は長期的に魅力的な投資対象だが、今年は上がりすぎかもしれない。
本来の理屈では日経高配当50のパフォーマンスを決定するのは「採用銘柄の増配」だからだ。
高配当株の高パフォーマンスは配当利回りの低下という「運命」から逃れられない。



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役人の産業政策は成功したことがない

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岸田「聞く耳」内閣の政策がパラパラと少しづつ出てきている。
最近の岸田氏の「聞く耳」は国民の方ではなく、役人の方を向いている。
おそらく役人が入れ知恵しているのだろうが、経産省をはじめ役人が産業政策に関してうまく行った記憶がない。

かつて日米半導体摩擦で日本の半導体が苦境に陥った時、経産省主導で「日の丸半導体」という企業合同が行われたが全く効果もなく多くは破綻した。
新銀行東京は昔の石原都知事が中小企業金融のために作った税金銀行だが、あえなく破綻した。
経産省は官民ファンドをいろいろ立ち上げ産業支援を行ってきたが、成功したという記憶は全くない。
役人が作った産業政策は税金投入なので自分のフトコロに影響しない。
自分のフトコロが痛まず税金を使う政策は成功しない。

岸田政権の目玉の一つが「スタートアップ育成5年計画」だが・・・
スタートアップへの投資額を当初1兆円、27年まで10兆円、スタートアップを10万社作り出し、ユニコーンを100社創出すると言う計画。
でも役人の作文の域を出ていないのではないかと思う。

いくつかの産業では、大企業があらゆるニッチな分野の中小企業まで「ケイレツのピラミッド」を作り上下関係で支配し市場を牛耳っている。
そんな産業分野ではベンチャー企業が自由に活動できない。
日本のベンチャー企業は自ら需要を開拓して市場を作り出すというよりも、他社のITの弱みに付け込み、他社のサイフを当てにしたDX系システムサービス企業ばかりになる。
日本に残る排他的ケイレツのビジネス慣習を壊し、ベンチャーが自由に活動し自由に利益を追求できる環境が必要だろう。

一方、大企業からスピンオフして成功した事例は数多くある。
古くは「富士電機」から通信分野の成長を目指して「富士通」がスピンオフし、さらにファクトリーオートメーションを目指して「富士通ファナック」がスピンオフし、産業ロボット分野を切り開いた「ファナック」に成長した。
「イトーヨーカ堂」から「セブンイレブン」が生まれ、総合商社系のスピンオフ会社もたくさんある。
大企業にもアントレプレナーシップを持つ人材も多くいる。
また、新分野に進出する際にリスクを遮断できる子会社で参入し成功したらスピンオフ、これにより大企業自身が業態変貌していくのも重要な経営戦略だ。

大企業のスピンオフにしてもスタートアップにしてもアントレプレナーシップ(企業家精神)を持つかどうかがポイントで、これを持つ個人が努力を重ねて成功するかどうかだ。
日本の大企業中心としたビジネス慣習を変え、企業家精神を持つ若者が自由に活動できる環境を作ることぐらいしかできない。

もう一つはリスクを取る若者が失敗した時のセイフティーネットを作ることも重要だろう。
一度失敗しても再挑戦できる公的な仕組みを作ることができれば、日本の若者で企業マインドを持ち、果敢に挑戦する人が増える。

要は税金をバラマキいてニンジンをぶら下げて走らせるよりも、企業家精神を刺激し、セイフティーネットを作り若者が挑戦できる環境が重要なのではないだろうか?


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テンバガー株を狙うな(2)

個人投資家の最強運用


















日経ヴェリタスでテンバガー株の探し方を特集し、編集長が解説をしていた。
でも、テンバガー株を狙い撃ちすることはプロでも困難だし、プロ投資家はそんなことはしない。
テンバガー株を保有する投資家は「かっこいい」し、「素晴らしい能力」を持っているように思われる。

しかし、実はテンバガー探しはあまり効率がよくない。
理由は二つある。

(1)インデックスが占有している市場では個別要因より市場要因で動くこと。
東証1部市場では売買量の70%以上は裁定業者やCTAやアルゴトレーダーが占めていて、個別銘柄を見て売買するアクティブ系の売買は20%程度でしかない。
個別銘柄が評価されて株価が動く資金はインデックスの比べて小さい。

ソフトバンクやファストリは典型的で、両社ともに今年3月に高値を付け大幅に下落したが、その3月に起こったことは日銀のETF買いを減額し、しかも日経225からTOPX・ETFに完全シフトしたことだ。
今まで日銀の225ETF買いがいかに両社の株価を持ち上げてきたががよく分かる。
現在の市場では株価は個別要因よりもインデックス要因で動く。

(2)長期で株価が何倍になるかより、期間収益率が投資には重要なこと。
上記の「個人投資家の最強運用」で個人が運用をより効率的に行う方法を解説した。
重要なのは、①リスク判断に応じてポジションを柔軟に変化させる(キャッシュポジションを効率的に使う)こと、②ポジション量の変化があっても正確に期間収益率を計測することだ。
リスクに対して敏感にポジションを変更することと正確なリスク/リターンの計測が大切だ。

長期で保有して10倍になるのに10年かかるよりも、1年1年のパフォーマンスをきっちりと上げていくことが個人投資家にはよっぽど重要な事に思える。
こうしたポジション運営のテクニックを「個人投資家の最強運用」で書いた。
これは筆者自身が実行している運用方法だ。


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テンバガー株を狙うな(1)

実戦的バリュエーション

















株価10倍に上昇したテンバガー銘柄の見つけ方を日経ヴェリタス編集長が解説していた。

過去10年のテンバガーになった銘柄を分析した結果・・・
①PEGレシオの割安株から探す、②ビジネスモデルの優秀な会社を探す、③不祥事などで株価暴落した会社から探す、という3点を挙げていた。

過去のチャートを見て10倍になった銘柄を探し、その特徴をまとめる・・・確かにテンバガー銘柄の特徴は分かる。
でも、それは過去の話だ。
しかし、将来10倍になる銘柄を探すとなると至難の業だ。

結果的に株価10倍になる場合はある。
上記の「株式需給の達人(実践的バリュエーション編)」の中で例として取り上げた「2013年のソニー株の話」。

 
以下、抜粋・・・

「 ソニーは2012年3月期の決算で5200億円という大幅な赤字を計上。主要なデジタル製品で新興国の追い上げと競争激化で打撃を受け、さらにリーマン危機後の超円高(1ドル80円を切る強烈な円高)で大きな打撃を受けた。いかにソニーといえども例外ではなくこの苦境に喘いだ。

 

 しかし、こうした日本のエレクトロニクス株暴落時、ファンドマネージャーたちは果敢に株価2000円を割れたソニー株を買い始めた。PBR1倍割れでバリュー投資ファンドマネージャーたちはさらに買い向かった。

 

ところが、運用に関係のない一部の役員たちが異を唱え始めた。日経新聞が2012年6月に「PBR1倍割れ、それでも買えない日本株」という特集を掲載し、株式評論家の山崎元氏などが「PBR1倍割れは市場が企業に与えた経営者失格の烙印」と厳しくコメントした。こうした記事やコメントを見た一部の役員が不安になり、「ソニー株が急落したら、顧客にどう言い訳するのか」と運用部門に迫った。

 

では、その時、ファンドマネージャーは何を考え、ソニー株の大口保有を決断したのだろうか?

 

まず、第一にソニー株の資産評価だ。2011年3月期の一株当たり純資産は2538円で、PBRは0.7倍と1倍を割れていた。2012年3月期の事業環境も悪かったが、ソニーは米国事業の繰り延べ税金資産の引き当てを実施したため、会計上の赤字額が2000億円増加した。その結果、5200億円という巨額の最終赤字に落ち込んでしまった。

 

もう一つの理由は、エレクトロニクス部門の実効性の高いリストラと、金融部門、映画やゲームのコンテンツ部門の順調な業績だ。実際にソニーはテレビの分社化、パソコンのVAIOの売却、大崎の本社ビルの売却とリストラ策を次々と実行していった。エレクトロニクスのリストラ、ソニーファイナンシャルやソニーピクチャーエンターテイメントなどの業績拡大でソニーは危機を脱していった。

 

株価はどうなったか。ソニー株は1000円台の底値圏を脱し、アベノミクスの上昇相場に乗って大きく上昇した。ファンドマネージャーはソニー株の貢献度でパフォーマンスを大きく向上させた。その後も、プレイステーション4などのゲーム・ビジネス、ソニーファイナンシャルの金融ビジネスに加えて、イメージセンサーを中心にエレクトロニクスも成長軌道に戻った。


この「ソニー株の話」は日経ヴェリタスの分類でいえば③の暴落銘柄から探すにあたる。
当時のファンドマネージャーはテンバガーを買うつもりでソニー株を買ったわけではない。
資産価値や資産のクオリティから超割安、強力なリストラを実行したこと、エンタメやイメージセンサーという成長分野を持つことが買った理由だ。

重要なことは、評論家やメディアなど周りの多くの人たちが「ダメだ」と言う中で、自分を信じてソニー株を果敢に買う・・・その精神力だ。

これはあくまで結果として、株価は1万円を越え、テンバガー株になっただけの話だ。
テンバガーの狙い撃ちはプロのファンドマネージャーにも不可能なこと。
株式投資の基本に則って「基本に忠実に投資」をすることが大切で、その結果、株価が10倍以上になることもあるぐらいに考えた方がいいと思う。



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GoToキャンペーンは不公平か?

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いろんな不満の声が出ている・・・GoToキャンペーン。
GoToトラベルでは、旅行代金の35%割引き+15%の地域クーポンで合計50%のメリットがあるわけだが・・・

このメリットがより大きい高級なホテルや高い部屋に泊まる予約が増え、シティホテルや格安旅館の予約は低迷している。
高級ホテルばかりに集中することで、宿泊業者の不満が溜まっている。

予算の割当てについても大手に多く配分されたため、中小業者は予算枠を使い切り、割引き旅行を受け付けられなくなっている。
経営の厳しい中小業者からは不満の声が出ている。

GoToイートでも、低価格メニューだけを注文し支払い以上のポイントを獲得する(トリキ錬金術)・・・これを繰り返してポイントを荒稼ぎする輩も現れた。
制度の不備を悪用してポイントを荒稼ぎする・・・ここに不公平感持つ一般消費者も多い。

その他、「旅行に行ける人にだけ恩恵があり、貧乏人は損する」「医療関係は忙しくで行けないのに不公平だ」「税金を使っているのに不公平だ」・・・などなど・・・

でも、一度、冷静に考えてみよう。
不公平とは何だろうか?
割引が大きく使える高級ホテルや部屋に泊まりたいのは、一般旅行者として当然の判断だろう。
予算配分が大手に厚く行くのも、事業規模に比例して配分するというむしろ公平な配分だろう。
ポイントの荒稼ぎは制度の意味を理解していないという批判ができるけれど、制度設計の問題で法律違反でも何でもない。

新型コロナ騒動下で多くの国が給付金を配り、キャンペーンを実施して国内需要の喚起を図った。
こうした雰囲気の中で、「税金をぶんどる」「税金をもらわないと損する」「もっと税金をよこせ」と考える人たちが急激に増えているのではないか・・・だから、何かに付けて不公平と文句を言う。
本来は逆だ・・・国民みんなの税金だからこそ、無駄を避け、大事に使わなければならない。

困難な状況でも他人に頼らず、自助努力で局面を打開しようと頑張っている人たちもたくさんいるはずだ。
こういう人たちが日本の次世代を作っていけば経済が強く回復するだろう。
一方、「税金をぶんどる」しか考えず、給付金の不正受給を指南し実行したり・・・不公平だと文句を言い続ける。
こういう人たちが増えてくると、日本人の全体に「他力本願」的な考え方が出てきてしまう。
キャンペーンが終わった時、大きく変動が出てしまうかもしれない。
日本経済の回復の足かせにならなければいいと考えるのは老婆心だろうか?
長期投資の観点から見ると、新型コロナ禍での人々の考え方、それが日本経済のターニングポイントになるかもしれない。


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長期投資は本当に王道なのか(5)

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iDeCoや積立NISAが人気になり、20代~30代の若年層で長期投資を始める人が増えている。
たしかに投資は重要で、将来の生活設計や財産形成には必要不可欠だ。
また、多くの評論家もドルコスト平均法などの長期積立のメリットを必要以上に謳い、iDeCoやNISAで長期投資を勧める。
しかし、バイ&ホールド型の長期投資は意外と大きなリスクを抱えていることに留意すべきだ。

筆者が証券会社に入った1980年代・・・会社に自社株投資会なるものがあり、新入社員は半ば強制的に加入させられた。
毎月の給料から一定額、たとえば、1万円~2万円を投資する・・・サラリーマン人生の数十年に渡ってコツコツと積み立て投資を行う。
しかも毎月の積立額に10%の会社補助が付く、さらに配当を再投資する・・・つまり、時価よりも10%安く、毎年配当分2%程度の株数が増えていくということになる。
先輩社員に勧められるし、自分でも当初はかなり有利な運用だと思ってしまった。

結果はどうだったのか・・・それが悲惨としか言えない状態になった。
まずは、証券株はバブル期の絶好調で、入社当時の300円前後からピーク時には3000円前後まで10倍に上昇した・・・今でいうテン・バガー銘柄だ。
しかし、この最初の10年間の高値は買いコストが上昇させただけだった・・・ここが長期投資の難しい所かもしれない。
そして、1990年代から株価低迷に入り、1997~8年には山一証券や三洋証券が破たんし、最悪期に入ってしまった・・・自社株価も低迷し、500円~2000円の範囲で動いていた。
その後2000年代に入り、リーマン危機やらアベノミクスやら、いろいろあったが株価は300円~1000円の範囲で低迷が続いた。

結局30年経ってどうだったのか・・・平均買いコストは800円前後(10%の補助を含む)となり、一方、時価400円なので大きくコスト割れ=含み損の状態だ。
30年という長期投資で損益がマイナスになるという、惨憺たる、そして証券会社の社員としてなんとも情けない結果になってしまった。
そして10年以上前、役員になった時に自社株投資会から自動的に退会させられ、保有株を損切りせざるを得なかった。

これが長期投資の恐ろしさだ。
バイ&ホールドの長期投資には、長期で保有すれば「必ず」報われるという思い込みが作用する。
途中の不況で株価低迷する時期もあっても、景気循環を越えて保有することで株価が戻ってくる・・・だから、10年以上の長期投資は「必ず」儲かるはずだと思い込んでしまう。
ところが、長期投資はそんなに簡単ではないし、王道でもない。

詳しくは「個人投資家の最強運用」でも書いたが、実はバイ&ホールド型の長期投資はかなりリスクが高く、運用の難易度が高いのだ。
最もリスクが小さいのがデイトレード・・・一日内の動きは限定的で、オーバーナイト(NY市場のリスク)をしないのでボラティリティも低い。
一方、長期のバイ&ホールド型投資は、誰にも先が読めないほどの長期間にわたって株式投資を続けなければならない・・・不条理だ。

では、この「時間」リスクをどう回避すれば良かったのだろうか?
長期でリターンを上げるのは株価が高い時にはキャッシュポジションを増やし、株価が安い時には組み入れ比率を上げればいい・・・こう話すと簡単だが、多くの個人投資家はこれができない。
それは何故か?
理由は簡単・・・株価が上がると強気になり、株価が下がると弱気になるからだ。
ではどうすれないいのか? ・・・・「個人投資家の最強運用」に大切な事を全部書いたので、興味ある人は参考にしてもらいたい。


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長期投資は本当に王道なのか(4)

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長期投資は本当に王道なのかをもう一回ちゃんと考えてみようということで、いろいろな話をしてきた。
前回はバランス型運用について考えてみたが、今回は長期投資の王道のように言われるインデックス投資を取り上げてみたい。

昔、アクティブ運用は長期的にインデックスに勝てないという研究があった。
アクティブ運用には企業調査、銘柄選択、ウェート決定・・・と人手が多くかかるのでコストが高い。
それに加え、長期間になると平均的なアクティブファンドはインデックス(株価指数)に勝てないというファンドマネージャーの資質(能力)の問題もある。
だが、少数だが長期的にインデックスに勝っているファンドマネージャーはいる・・・そうしたファンドマネージャーの運用するファンドに投資すればいい。
ただし、そうした優秀なファンドマネージャーを見抜くのは簡単ではない。

それでは、インデックス投資は絶対的なのかというと問題点も多い。

問題の一つはインデックス投資に多くの種類があり選択が難しいことだ。
日本株がいいのか、米国株がいいのか、グローバルインデックスがいいのか、さらにセクターファンドがいいのか、スマートベータがいいのか・・・。

言えることは日本株は長期投資に向かない。
日経平均の高値を列挙すると、1996年22750円、2000年20833円、2007年18297円、2015年20952、2018年24448円とピークが数年に一度あったが、どのピークの高さがそれほど変わらない。
過去四半世紀にわたって「往ったり来たりの往来相場」だった・・・日本株のインデックスは高値で売らなければならない・・・バイ&ホールドの長期投資には向かない。

世界の株価をリードしてきた米国株は今後10年大丈夫だろうか?
FANGとかGAFAとか呼ばれたを銘柄を中心に株式価格が長期に上昇してきた・・・しかし、問題が二つある。
一つは株式時価総額が名目GDPの1.5倍と(新型コロナで1.3倍に低下)、実体経済に比べ株式が膨張しているので、経済成長とパラレルに株価が上昇するとは限らない。
もう一つは、自社株買いが米国株価の最大の買い手だったが、借金して自社株を買うという行為が困難になる・・・今回の危機を通じて米企業も内部留保を増やそうとするからだ。
ただし、米国の強さは次々とグローバル企業が出現してくることで、このリーディング企業の新陳代謝があるかぎり、米国株は長期的には妙味がまだ大きい。

グローバル指数(MSC-Acwiなど)は、新興国などの高成長地域を含むため、長期的にも経済成長ととに安定したリターンが期待できる。
しかし、新興国をリードしていきた中国経済が成熟化しつつある現在、グローバル経済の成長率は少しづつ低下してくると予想される。
現在の3%程度の経済成長率がさらに低下してくるとリターンの魅力は減少する。

インデックス投資といっても、日本株や欧州株よりも米国株の方がいいだろうし、それよりも新興国の成長が加味されるグローバル・インデックスの方がいいとは思う。
それにしても過去10年に比べたらリターンの低下が顕著になるだろう。

こうした状況下、スマートベータなどの新しいインデックスが次々と開発されている。
グローバル高配当、グローバル最小分散など・・・しかし、これらのスマートベータも一長一短あるのでなかなか判断が難しいし、それなりの研究や勉強も必要になる。
でもインデックス投資もグローバル指数に連動すればいいという単純な時代は終わることを考えれば、スマートベータなどの新しい指数を研究し、リターンの向上につなげることが重要になる。
投資家にも簡単な時代ではないかもしれない。


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