
新NISAの投資家はちょっとした「試練の時期」を迎えている。
下の一覧表は、3月16日の当ブログで使ったものだ。
新NISAで一番人気になった、オルカンとS&P500投信の基準価額と、これらの投信のベンチマークとなった株価指数を比べてみたものだ。
24年12月末 3月14日 下落率
eMAXIS オルカン 27686 25136 -9.2%
MSCI Acwi 841 821 -2.3%
eMAXIS SP500 25792 22407 -13.1%
S&P500 5881 5521 - 6.1%
eMAXIS ナスダック 25306 21271 -15.9%
NASDAQ100 21012 19704 - 6.2%
(eMAXISは基準価額、米株価指数は3/13現在、基準価額は3/14現在、一日遅れて計算される)
この一覧表を4月18日までアップデートしてみた。
大きく損失が拡大している。
24年12月末 4月18日 下落率
eMAXIS オルカン 27686 23365 -15.6%
MSCI Acwi 841 793 -5.7%
eMAXIS SP500 25792 20603 -20.1%
S&P500 5881 5282 -10.1%
eMAXIS ナスダック 25306 19401 -23.3%
NASDAQ100 21012 18258 -13.1%
(eMAXISは基準価額、米株価指数は4/17現在、基準価額は4/18現在、一日遅れて計算される)
たとえば、一番人気のオルカンでは昨年末からの下落率が15%に達し、2番人気のSP500では20%の下落率だ。
NASDAQ100のインデックス投信はちょっと一般的ではないかもしれないが、下落率が23%と一番大きな損失を抱えている。
今年初に成長枠240万円を投資していたら、オルカンで37万円の損失、SP500で48万円、NASDAQは55万円の含み損になっている計算だ。
一覧表をよく見ると、eMAXIS投信基準価額のパフォーマンスがベンチマークとなる株価指数を10%程度も下回っている、これが円高による損失と信託報酬などの費用になる。
日米交渉の一つのポイントになってきているだけでにさらなる円高もあり予断は許さない。
投資初心者には厳しい結果だろう。
しかし、新NISA の制度を作った政府や銀行・証券をうらむのではなく、迂闊に誘われ投資した結果として受け止めるべきだ。
今後3か月、相互関税の行方、関税の米国経済への影響、企業業績への影響を見極める必要がある。
覚悟を決めておく方がいい。
では、新NISAを今後どうするか?
短期投資なら売りもあるが、長期投資ではホールドすべきだろう。
でも精神的に相当キツイ・・・そこで・・・
第一に「株価を見ること」をやめる。
第二にもし気になって株価を見るのをやめられないなら「損したこと」を忘れる。
第三にもし損したことを忘れられないならば「「楽しいこと」を考える。
筆者もITバブルの崩壊(2000年代初)では証券自己勘定で数億円の損失を出したことがあったし、リーマン危機では年金から委託された日本株商品で4割も損失を出したこともあった。
下落相場ではファンドマネージャーも心理的に厳しい状況に追い込まれる、おそらく、長く相場をやっていれば何回もこうした経験をするはずだ。
その時、上の三つを心掛けて危機を乗り切った。
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