株山人の投資徒然草

大手運用会社をリタイアし、八ヶ岳に住む株山人の日記

大手運用会社をリタイアし、八ヶ岳に住む株山人の日記

株を職業にして38年、株式投資の楽しさを個人投資家に伝えたい。
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チャート分析の話

「相場の位置」から考える(3)金、不動産を考える

金価格の長期トレンド
金長期2506
















長期投資家は、①何を買うか?と同時に、②いつ買うか?という選択ができる。
特に新NISAのように10年、20年という長期運用では、「何を買うか?」という選択と同時に「いつ買うか?」という自由もある。
価格が高過ぎれば「買わない」という選択もあるので、「相場の位置」を見ながら考えた方がいい。
 
というわけで、今回は実物資産の代表格である「金」と「不動産」について考えてみたい。

上のグラフは金価格とS&P500を比較した長期チャートだ。
2015年まではバラバラに動いてきたが、2016年以降は金とS&P500は連動して上昇しているように見える。

本来金価格には、①金利が下がると上昇する、②インフレが上がると上昇する(インフレヘッジ)、③ドルが下がると上昇する、という三つの要因がある。
金利がつかない金は高金利に弱いし、ヘッジ機能によってインフレに強い、さらにドルと金の逆相関も強い。

2015年までは株式と金は逆相関だが、これはリーマン危機~ギリシャ危機の金融緩和局面で金が買われた反面、逆に株式に業績警戒が強かったためだ。
2016年以降は世界的な超金融緩和でジャブジャブの資金が市場に供給され、歴史的にも珍しい現象だが、需給要因で金も株式も両方上昇した。

なのでこのジャブジャブの金融緩和がどうなるかがポイントになるだろう。
「相場の位置」としては金も株も過去最高水準で極めて高い位置にいる。
位置が高いだけでは暴落にはつながらない。
しかし、これだけ「位置エネルギー」をため込んだ状態となると、需給が変化すれば長期トレンドが変化する可能性もある。

東証REIT指数の長期トレンド
東証REIT指数長期2506
















日本の不動産投信は、世界の主な金融商品とは違ったトレンドを持っている。
リーマン危機の信用不安以降、ほぼ一定のレンジ内で動いているからだ。
もちろん金融政策の正常化や毎月分配投信の問題などがあり、特殊な需給環境に影響されたのが大きな要因だ。

しかし、結果として東証REIT指数の「相場の位置」は極めて低い。
この「相場の位置」の低さは、逆風環境になっても予想以上に下値抵抗力があることを示している。
日本の不動産価格は円安下で極めて割安になっているので、海外からの不動産投資は続いていくだろうし、国内投資家にも低ボラの金融商品として魅力的だろう。



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「相場の位置」から考える(2)オルカンを考える

世界株指数(ACWI)の長期トレンド、日経平均の長期トレンド
ACWI長期2506
















新NISAで人気になっている金融商品の一つが「オルカン」投信だ。
この「オルカン」は指数連動投信だが、その元になっている株価指数が「MSCI-ACWI」だ。
ACWIはオール・カントリー・ワールド・インデックスの略で、機関投資家のグローバル運用の指標をなっている指数だ。

このACWIは全世界の経済成長を映す株価指数で、基本的には世界経済の実質成長3%、それにインフレ率2%を加えた5%程度の名目成長率にそって価値が増えていく。
下のグラフは世界GDPの実質成長率だが、成長率はブレがあるものの長期では3~5%成長を実現したきた、将来の成長率が多少落ちても+3%の期待成長は可能だろう。
これにインフレ率を加えると名目成長率で、世界の株価上昇の源泉といえるものだ。

世界GDPの実質成長率
世界実質成長率2025

世界経済の成長を長期に渡って買っていくとしたら、最適な金融商品だ。
というわけで新NISAで長期投資をするにはもってこいの商品ともいえる。


ACWIの安値はリーマン後の2010年で200ポイント、そこから上昇し現在2025年で880ポイントとなっている。
過去15年で4.4倍に上昇している。
この間5%の名目成長を織り込んでいるとしたら、15年で株価は2倍になるのがファンダメンタルからの期待値だ。。
株価が4倍になっているので、この期待値(世界の名目成長)の約2倍のペースだったといえる。


「相場の位置」は過去15年で相当上水準が切り上がっている、つまり、過去15年のカネ余り状況で多くの投資家がすでに買ってきたという状況だろう。
この「相場の位置」の高さは、経済の変調が起こると一気に割高感が出てくる株価の位置といえる。

これはACWIだけではなく、米国株も日本株も同じ状況にある。
上のグラフは、ACWIと日経平均の比較グラフだが、両者ともに同じように上昇している。
日経平均は過去15年で8000円から42000円へと5.2倍になっている。
株価指数全体がここ15年の上昇で「相場の位置」が上がってきているといえる。

新NISAのような20~30年の長期投資では「相場の位置」を考えて運用すべきだろうと思う。









金価格の長期トレンド
金長期2506
















東証REIT指数の長期トレンド
東証REIT指数長期2506



































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「相場の位置」から考える(1)「相場の位置」の基礎

S&P500の長期トレンド(1960年~2025年)
SP500長期2506
















むかしむかし、中学生ぐらいだったような気がするが、理科の授業で「位置エネルギー」という概念を勉強したことを覚えているだろうか?
例えば、5キロぐらいの重り、これを地上で見てもなんとも思わないが、頭の真上1メートルにぶら下げられていたらどうだろう? 怖くないだろうか?
さらに重りが頭上2メートルにあったら、頭上3メートルにあったら、どんどん恐怖感が大きくなる。
落ちてきたら酷いケガするかもしれないと思ってしまう。

これは、「高い所にある物体は、高い位置エネルギーを持つ」、という理屈だ。
株式相場も同じで、株価が上昇すれば上昇するほど「相場の位置」が高くなり位置エネルギーをため込んでいる。
何かの拍子に位置エネルギーが爆発したら(落っこちたら)「痛い目」にあう、という恐怖を投資家が無意識に感じる。
この恐怖の感覚が投資家が自分の身を守るためには必要だと思う。


「相場の位置」は空間だけではなく、時間が大きく影響する。
ごく短期の「位置の高さ」はそれほどの問題にならないが、長期のトレンドでの「位置の高さ」と投資家により大きな恐怖感を抱かせる。
だから、日足よりも月足や年足での「相場の位置」を確認すべきだ。


株価の動きをもっと細かく見ると・・・

①株価の上昇、多くの人たちが買いを入れ、多くの人たちが株を保有している状況になる。
この状況でさらに上値を買ってくれる他の投資家がいる、と信じられる人が減っていく。
株価が上がれば上がるほど、上値を買ってくれる投資家は減る、すでに買ってしまっているからだ。

②逆に株価の暴落、多くの人たちがブン投げた後なので、株を保有している人が減る。
売りたい人が全員売ってしまえば、それ以上売る人がいなくなり、当然、株価は底入れる。

③株価が上がる=「株価の位置」が高くなると株を買いたい潜在的な投資家が減る、株価が下がる=「相場の位置」が低くなり買いたい潜在的な投資家が増える。

したがって「相場の位置」と株式需給は大きな関係がある。


上のグラフはS&P500の長期トレンドと長期債利回りの長期推移だ。
米長期金利は1980年代のハイパーインフレ時代に15%の長期ピークを打ち、その後一貫して金利低下=低金利時代を迎え、長期の株高を形成した。
現在は低金利時代が終わっているが、株高が続き、リーマン後の安値からS&P500は800ドルから6000ドルへと上昇した。

低金利が終わっても超株高が続く、株価は15年で7倍になった。
明らかに「相場の位置」が高くなっているといえる。
株価水準そのものも高く、PERの上昇で業績に対しても高く、金融緩和が終わってしまい金利と比較しても高い。
投資家がどこで「相場の位置」に恐怖感を持つかは分からない。
「相場の位置」自体がトレンドの変化を促すわけではないからだ。
だが、筆者はその危険を感じ始めているし、投資家心理に影響してくるだろう。



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「就任式~解放の日急落」と「自律反発」の関係

FUNG+指数と200日移動平均
FUNG指数202504
















トランプが大統領就任したのが1月20日だった。
しかし株価が下落に転じたのは就任式の二日後の23日で、「トランプラリーの余韻」がこの二日間だったのだろう。
アップル、メタ、グーグル、エヌビディア、テスラなどの巨大ハイテク10社の株価指数であるFANG+
指数は1月23日に天井を付け、この日が運命の分かれ目になった。

そして、トランプ政権が相互関税を発表した「解放の日」は4月2日だった。
衝撃の相互関税で株価は瞬間的に急落し、二日後の4月4日に底を付けた。
これまたこの二日間が「悲観の極致」になったわけだ。
今年の株価急落はトランプ就任式後から始まり、トランプ「解放の日」後に底を打った。

この意味は株価の天井も底もトランプによって作ったものだ。
投資家からみれば、トランプに翻弄されているわけなんとも腹立たしい相場だろう。

重要なのはその後の自律反発で相場の強弱を計れることだ。

この1月23日~4月4日までの株価の動きを改めて並べてみた。

    1月23日  4月4日  下落率    4/25   戻り上昇率
FANG+ 13865 10373 -25.3% 12329 +18.8%
SOX指数  5444  3597 -33.9%  4251 +18.1%
NASDAQ 20053 15587 -22.2% 17382 +11.5%
S&P500   6118  5074  -17.1%  5525 + 8.8%

このトランプ解放の日までの株価は半導体(SOX指数)が一番大きく33%の大幅な下落だった。
次はFUNG∔指数で―25%、NASDAQは―22%、米主要大型株(S&P500)は―17%だった。

一方、自律反発の上昇率は、FANG+とSOX指数が∔18%で一番大きい、次にNASDAQ∔11%、S&P500+8%だった。
トランプ関税の回避でアップルは米国向け生産を中国からインドに移管、こうした対応がFANG+指数を半値戻し以上の水準に引き上げたようだ。
米国株全体としてはS&P500の8%の上昇が標準だ。


投資家が考えておくべきことは3点ある。

①FANG+とSOX指数は「利食い千人力」
単にテクニカルな戻りだとしたら、「利食い、千人力」の急所となる可能性があるからだ。
リスクを減らし、考える所・・・

②S&P500は「ホールド」
業績発表とFOMCの二大材料を見てから判断すべきで、現状は「ホールド」だ。
パウエル氏が利下げし、一旦業績も織り込み済みなら短期の一段高もありえるからだ。

③長期では「休むも相場」
4-6月の3か月が重要で、最大の注目点は「駆け込み需要」で押し上げられた経済指標がどうなるか?
投資家は焦らずにじっくりと株式市場を見ていく「ゆとり」が大切だろろう。


SOX指数とS&P500
SOX指数とNASDDAQ202504



















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拡大する「スプレッド」チャート集(3)日本市場編

日経平均とNASDAQ
日経平均とNASDAQ202412
















日経平均には東京エレクトロン・レーザーテク・アドバンテストなど半導体株、さらにファストリ、キーエンス・任天堂といった値がさ株が採用され、これらの影響が強く出る株価指標だ。
同じく半導体株やITサービスのウェートが高いNASDAQと比較されることも多い。

実際、日経平均とNASDAQは動きが似ている。
特に新型コロナ後の2022年~24年はほぼ連動して動いてきた。

しかし、24年央からは動きが乖離してきた、明らかにスプレッドが拡大している。
日経平均に採用されている半導体株(東京エレクトロン、レーザーテクなど)が、絶好調の米半導体NVDAと動きが違ってきているのが要因だろう。

この日経平均とNASDAQのスプレッドがどう変化する?

前回、このスプレッドが拡大した時期は2021年3月~12月で、その後急速に縮小した。
今回は24年5月以降スプレッドが拡大している。
同じ期間の拡大局面を想定すれば、来年1-3月期にスプレッドの限界がくるのかもしれない。


下のグラフは日経VI(ボラティリティインデックス)だが、これも20%以上のレンジで高止まりしている。
日経VIの高止まりはオプションの買いがリードしている(インプライドボラティリティを上昇させる)こと、つまり市場参加者のリスク意識が高まっていることを意味している。
市場参加者の不安感が続いている。

日経平均と日経VI
日経VI202412
















下のグラフはグロース250、昔はマザーズ指数と呼ばれたものだが、低調なトレンドを続けている。
特に2023年8月が分岐点となり、10年金利が徐々に上昇する反面、グロース250は下値を切り下げてきた。
日銀の金融正常化で金利上昇を織り込む市場雰囲気で、10年金利とグロース250の動きの乖離が大きくなった。

長期金利が1%程度、もし1.5%に上昇したとしても景気を抑え込むような金利水準ではない。
この1%長期金利という世界に慣れる時間が必要なのだと思う。

東証グロース250と日本10年金利
東証グロース250と長期金利202412



















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拡大する「スプレッド」チャート集(2)米国市場編

NASDAQの予想EPSとNASDAQ指数
NASDAQ100EPS202412

















PERは上がったり下がったりするが長期的には一定の範囲で動く。
それに対してEPSは経済規模の拡大とともに水準を切り上げていくので、経済成長がある限り右肩上がりとなる。
米国NASDAQの成長株ではその傾向が顕著に見られる。

長期的にNASDAQの予想EPSと株価はパラレルに動く。
2023~24年はEPSの伸び以上に株価が上昇しているので両者にスプレッド(乖離)が生じた。
直近でNASDAQのEPSが上昇し、この乖離を修正しようとしているのだろう。
それにしても2025年のNASDAQ予想EPSの伸び率が注目点になる。


下のグラフは半導体SOX指数とNASDAQ指数を比べたものだ。
SOX指数とNASDAQ202412















半導体はIT技術やAI技術の中核にあるので、ITやAIサービスを支えてきたセクターだ。
そのため、SOX指数はNASDAQを支えてきた中核セクターとして両者はパラレルに動いてきた。

しかし、2024年央から動きがバラツキを広げ、スプレッド(乖離)が生じている。
半導体セクターもAI向けが好調な反面、スマホ向けやパソコン向けが停滞感が出てきているし、IT関連・AI関連投資に集中してきている。
このスプレッドが修正され、再び半導体株が上昇に入るのか? 
これも2025年の注目点だ。


下のグラフはS&P配当貴族指数とS&P500を比べたチャートだが、ここでも動きの乖離(スプレッド)が生じている。

SP配当貴族指数202412
















高配当株は2024年後半には世界中で人気を失ったのかもしれない。
S&P配当貴族指数はS&P500を大きく下回り、両者のスプレッドが拡大している。

日本でも高配当株指数、高配当のJリートやインフラ指数などのパフォーマンスの低調さが目立った。
これが2025年も続くのか、それともスプレッドが縮小に向かうのか?
高配当株は不安定な市場に強く、25年の米市場が不安定になればなるほど、このスプレッドは縮小することになる。


米国市場でも日本市場でもよく見ると、人気セクター、企業規模、投資テーマ別にスプレッド(乖離)が見られた。
2025年の日本市場を考えてみたい。



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拡大する「スプレッド」チャート集(1)歪な市場

FRBのバランスシートとNASDAQ
FRBバランスシートとNASDAQ202412















現在の市場には至る所に「歪み」が発生している。
金融・資本市場の「歪み」とは、本来の市場ならば連動していた価格が大きく乖離してきたり、本来の因果関係が崩れて生じたりする「現象」だ。
一言で「スプレッドの拡大」といえるが、市場の生じている歪みを考えてみたい。

第一回は「あぶく銭」の話

株式市場は「あぶく銭」に連動する。
「あぶく銭」が増えれば、株式市場により多くのおカネが流れ込み株価が上昇する。

この「あぶく銭」の元が中央銀行が供給する資金、それは中銀のバランスシート規模で測れる。
そのバランスシートが拡大すると市場に元手が供給され、さらにその元手にレバレッジ(借金)をかけて増幅されて世の中に資金がバラ撒かれることになる。
というわけで、中銀のバランスシートの拡大が世の中の「あぶく銭」を増やす元になる。

上のチャートは米国のFRBのバランスシートとNASDAQを比べたものだ。
長期的にはバランスシートが拡大すれば株価も上昇するという関係になるが、ここ2年間はちょっと違っている。
FRBのバランスシートが減少する中で、NASDAQ市場が上昇しているからだ。

これはどういう理由なのだろか?

仮説の一つは、元の資金供給が減少しても一段とレバレッジを拡大させ市場には大量の資金が供給されていること。
もう一つの仮説は、他の中銀、日銀などがバランスシートを拡大させ、その資金が米株式市場に流入していること。
どっちかは定かではないが、両方ともありえるだろう。

では日本市場を見てみよう。

下のグラフは日銀のバランスシートとTOPIXを比べたチャート。
日銀バランスシート202412















日銀は金融正常化を始めたが、量的緩和は継続している。
伸び率こそ鈍化しているが、日銀のバランスシート規模は右肩上がりに増えている。
この日銀資金(元手)がレバレッジを掛けて日本株市場にも流れ込むと同時に、ドルに転換されて米株市場にも流れ込んでいるのだろう。

これが為替市場で円安を招いている要因となっている可能性もあり無視できない。
というわけで、為替市場の「日米金利スプレッド」を見てみよう。

下のグラフが日米の2年金利差と為替レートのチャートだ。
日米金利差2年202412
















長い目で見ると、2023年末2年金利差は5%のピークを打ち現在は3%台に縮小。
しかし、金利差が縮小トレンドに入っているにもかかわらず、ドル円は150円台の円安水準で推移している。

この「あぶく銭」が、金利差を収益化する債券投資だけでなく、キャピタルゲインを追求する株式投資に向かっているためと考えられる。
今後、米国株のリターンが悪化すると、株式投資資金もこげ付き、為替の円安傾向も止まるという傾向が見られるはずだ。
重要なのは米国株高が世界中の資金を集め、ドル高を生じ米株高を加速させるという資金循環が株高を助長させていることだ。

という意味では金利差よりもキャピタルゲインが為替の決定要因になる。




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東証リート指数に「赤三兵」!?

東証リート指数日足
東証リート指数202411











ダラダラと下げ続けてきたJリート指数だが、なんかピクピクとした感じだ。
陰陽線の解釈では「赤三兵」というチャートだ。
簡単に言うとダラダラとした下落相場の末期に出る、三つの短い陽線(引け値が寄付きよりも高い)が続くパターンで、トレンドの転換を意味する。


「赤三兵」って誰が作った用語なの?

これは「酒田五法」の中心的なチャートパターンで「機を待つに仁、機を乗ずるに勇」の急所と言われるのが五法だ。
五法「三山、三川、三空、三兵、三法」のことで、赤三兵は酒田五法の中心的なパターンでもある。


具体的に五法って何?

三山は株価の天井では三つの山を作ることが多い、逆に株価の底では三つの川(三つの底入れ)を見てから買いを考える。
三空は「三空、叩き込み型」として有名だが、寄付きに窓(空)を明けて急落が三回続けば売り一巡を意味する。
三兵は上昇トレンドに転換する「赤三兵」と下落トレンドに転換する「三羽烏(黒三兵)」がある。
(赤は陽線、黒は陰線の意味)
三法は「売り、買い、休む」の三つで、休むことが重要とされている。


なぜ、陽線が三日間続くとトレンド転換なのか?

上のJリート指数の日足を見てみよう。
9/30の陰線から下落トレンドが始まったが、11/14の底入れまで20本の陰線で下落してきた。
陰線は売り勢力の強さを示すので、陰線が多ければ株価は下落基調になる。
逆に陽線はこの1カ月半に3本続いたことはない。
10/25から10/29の三日間に陽線が立ったが、10/25はほとんど寄り引け同値で明らかな陽線ではない。
そして、11/15から11/19の3本は明らかな陽線に連続となった。

簡単に言えば、下落途中では陽線は2本までで、短い陽線が3本続くとトレンドが変わる兆しとなる。
これが絶対ではないが、おそらく、経験的に三日陽線が立つと何かしらの需給の変化を表しているということなのだろう。


こんなチャートを信じていいのか?

もちろん、チャートに絶対はない!!
でも多くの投資家、相場師の経験を基にした分析であり、尊重するに値する。
実際は株式のファンダメンタル分析が最も重要で、正確なファンダメンタル分析に上に需給分析を行うのが正解だ。
でも需給分析は一番難易度が高い、市場は複雑で個人投資家が簡単に理解できるものではない。
となると、こうしたチャート分析を加えて需給の変化を嗅ぎ取りことは実戦で役に立つはずだ。

今回の「赤三兵」はどうなるのだろう???
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トレンド イズ ユア フレンド(5)米企業収益トレンド

NYダウ予想EPSと10年債利回りチャート
NYダウ予想EPS202408















評論家の話を聞いていると米企業利益はバンバン伸びているように感じてしまう。
でも実際に1年先予想EPSのトレンドを自分の目で確かめてみるべきだ。

①米国の老舗株価指数であるNYダウ工業株EPSのトレンド(上のチャート)

現在2059ドルで、今年2月初が2086ドルなのでEPSは全く増えていない。
1月から2月にかけておそらくアップルなどの巨額の自社株買いがあったのでそうした影響もあり急伸したが、その後はほぼ横ばいだ。


S&P500予想EPSと10年債利回りチャート
SP500予想EPS202408
















②機関投資家のベンチマークS&P500の予想EPSトレンド(上のチャート)

米国を代表する大型株500銘柄の予想EPSだが、現在243.40ポイントで、3月初に244.86ポイントを付けてから、全く伸びていない。


NASDAQ100予想EPSと10年債利回り
NASDAQ予想EPS202408
















③米国をリードする大型ハイテク株が採用されるNASDAQ100の予想EPSトレンド(上のチャート)

GAFAMやNVDIAが含まれる最強の株価指数で、現在の予想EPSは662ポイント。
今年3月末の予想EPSが667ポイントだったので、4月以降1年先予想EPSは伸びが止まっている。

NYダウ、S&P500、NASDAQ100という中心の株式指数の予想EPSは2~3月にかけて増加した後、ここ半年は全く伸びていない。
残念ながら、「業績の停滞感」、これが事実だ。
というわけで、さらに小型株や景気敏感株など幅広く株価指数の予想EPSを確認してみたい。


ラッセル2000と10年債利回り
ラッセル2000EPSトレンド202408
















④小型株中心のラッセル2000の予想EPSトレンド(上のグラフ)

小型銘柄になるとERBの引き締めが効いてきて、金融情勢のタイト化が業績に大きく影響しているのが分かる。
現在の予想EPSは73.66ポイントだが、3月初は84.30と現在水準よりも11ポイントも低下してしまった。
この半年で予想EPSが12%もの大きな減少、明らかに金融引き締めが影響しているとみられる。


ダウ輸送株予想EPSと10年債利回り
ダウ輸送株EPS202408
















⑤景気敏感なダウ輸送株の予想EPSトレンド(上のチャート)

輸送株は昔は鉄道会社が多く採用されていたが、現在では鉄道株は1社だけ。
採用銘柄はフェデックスなどの物流会社やトラック・航空輸送会社20社で構成されている。
予想EPSは現在805ドルだが、2月初1014ドルでこの半年で大きく低下した。
過去半年で20%の予想EPSが減少、高金利が厳しい経営につながっている。


米国の代表的な大型優良株、大型ハイテク株にしても過去半年でEPSが全く伸びず。
さらに周辺の輸送株や中小企業株となると、過去半年でEPSが大きく低下している。

ここからFRBの利下げ期待が生じているが、金利の引き下げだけでこの「業績の停滞感」を払拭できるのだろうか?


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トレンド イズ ユア フレンド(4)米国・長短金利差

長短金利差(10年ー3か月)とS&P500
長短金利差10年ー3か月とSP500202408
















米国株式の指標S&P500が7月高値に接近し、暴落で傷ついた投資家が再び強気に転じてきている。
でも米債券市場では少し気になる動きが目立ってきている。

第一に10年債利回りがジリジリを低下し、一時3.8%を下回ったこと。
ここ1か月で44bpの低下で、FRBの9月利下げを期待するだけでなく、年末に向けての再利下げも織り込む形になっている(bpはベーシスポイント)。

第二に3か月短期金利と10年債利回りの長短金利差が広がっていること。
3か月金利は5.14%でここ1か月で19bpの低下だったが、10年債は3.8%で44bpの低下だった。
その結果、長短金利差の逆イールドはここ1か月で25bpも広がった。

第三に日米金利差も急速に縮小していること。
米国の2年債利回りはここ1か月で58bp低下し、現在、3.98%、これに対して日本の2年債利回りは0.34%で変化していない。
その結果、日米の2年金利差は58bpも縮小したことになる。

この米債券市場が織り込もうとしているのは、単に「景気の軟着陸」なのか、「利下げを連続する景気鈍化」なのか?
大きなポイントになってくると思われる。


上のグラフは、3か月短期金利と10年債券利回りの差(長短金利差)とS&P500の動きだ。
長短金利差の逆転、逆イールドの拡大が、必ずしも株価の下落を招いているわけではない。
でもよく見ると、2022~23年は短期金利が上昇することで長短金利の逆転が起こったが、2024年現在起こっているのは長期金利が低下することで逆イールドが拡大している。

短期金利はFRBの政策目標によって決まり、長期金利は金融環境や景気期待で決まるので、長期金利の低下による逆イールドの拡大は景気懸念を織り込んでいるといえるのかもしれない。
FRBの引き締めで短期金利が上昇しが逆イールドが拡大した背景には景気の強さがあり、長期金利の低下による逆イールドの拡大は景気の鈍化を示す。

現在、米債3か月は5.14%、10年債利回りは3.80%なので、逆イールドは1.34%。
10年債利回りが3.6%に低下すると、逆イールド1.5%の「危険領域」に入る。

景気後退確率202408
















米国では「景気後退確率」も公表されている(上のチャート)。

イールドカーブから算出される指標だが、10年債利回りと3か月金利から計算されている。
この指標は1年後の2025年7月末の景気後退確率を56.29%と、高い水準で予想している。
今年に入ってから50%~61%の範囲で推移しているが、景気後退に入っていない。

それでも10年債利回りが3.6%以下に低下し、逆イールドが―1.5%以下に広がると、景気後退確率も上昇してくるだろう。
結局、10年債利回りの低下スピードをよく見ていくことだ。
米長期金利の低下は米景気後退確率を上げ、円高を通じて日本経済にも影響する。



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トレンド イズ ユア フレンド(3)為替のトレンド

7月11日 8月5日 下落率 8月16日 戻り率
日経平均 42224 31458 -25.5% 38062 61.3%
TOPIX 2929 2227 -24.0% 2678 64.2%
NASDAQ 18647 16200 -13.1% 17631 58.5%
ドル円 161.69 144.14 -10.9% 147.59 19.7%

上の一覧表は7月の高値(7/11)から8月の暴落時の安値(8/5)までの下落下落率と、先週末の終値(8/16)の数字を、日経平均、TOPIX、NASDAQ、ドル円レートで比較したものだ。

よくまあ下がったものだと思うが、日経平均では25%、NASDAQで13%と大きく下落、ドル円レートも11%のドル安/円高となったのが分かる。
円キャリートレードなど円ショート・ポジションをベースに、日本株や米国株・米国債券をロングにした「流行の運用ポジションがひっくり返った結果」だということは多くの人に認識されている。

またこうした「ポジションの大逆転が一巡した」ことも共通認識だろう。
先週末(8/16)にかけて相場は大きく反発したからだ。
戻り率を比べて見ると、日経平均61%、NASDAQ58%と日米株式ともに下落幅の6割も戻した。
あの暴落で焦って投げた人が大きな実現損を出し、ガマンした人は6割ほどの戻りを享受できた。


しかし、円ドルレートは10%を超えるドル下落に対して、わずかに2割しか戻っていない。
これは、ドル円が暴落物語のスタートであり、この物語はまだ終わっていないということを示しているのではないだろうか。

いくつかのチャートでトレンドを確認してみよう。

まずは機関投資家(AM)のドル円ポジション(ネット)のグラフだ。
下の青い線はネットポジションで先週末までに見事にショートが解消したのが分かる。

AMドル円ネット202408
















では、今後世界の機関投資家は再び円ショートに向かうのか? それとも過去の動きの通りこのまま円ロングに入っていくのだろうか?
現段階ではなんともいえないが、日米政策金利の方向が「ドル金利・低下、円金利・上昇、日米金利差・縮小」となればトレンドは変わらない。
だとしたら機関投資家が再び円ショートを増やすとは考えにくい。

下のグラフは政策金利を敏感に反応する2年債の日米金利差だ。
2年金利差は22年~24年6月まで4%~5%のレンジ内で推移してきたが、先月7月に日銀が利上げを行いFRBの9月利下げを市場が織り込む局面で、下限の4%を割り込み3.4%に縮小した

9月のFOMC以降一段と米金利に先安感が出てくれば、2年金利差も一段と縮小し3%に向かう。
こうしたシナリオでは世界の機関投資家は円ショートというよりも円ロングにポジション調整を行うだろう。
ただし、円買いだから日本株売りとは限らない。
本来、円資産を増やすならば、円ロングで日本株買いというのが普通の戦略だからだ。
円高の中で日本株が堅調となる展開も考えられる。

日米2年金利差とドル円
日米2年金利差とドル円202408

















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トレンド イズ ユア フレンド(2)米2年国債の投機ポジション

米2年債利回りと先物ショートポジション
米国2年利回りと投機ポジション202408















TREND IS YOUR FRIEND・・・いろんな市場のトレンドを観察することで将来のシナリオが考えてみようというブログ。
債券市場が見ている将来は、株式投資家にとってもとても有効だ。
まずは、FRBの9月利下げの織り込みが進む中、政策金利の変更が大きく影響する米2年債市場を考えて見よう。

上のグラフは2年債利回りの推移と、債券先物の売りポジションの推移だ。
2年債利回りは「三尊天井」のような形をして低下局面に入っている。
債券市場にテクニカルな「三尊天井」が有効かどうかは正直分からない。
でも、9月FOMCでの利下げがダンディールになるにつれて、2年債利回りが低下トレンドに入ってくるだろう。

ところが、2年債の先物ショート(2年債価格の下落=利回りの上昇)にかけるポジションが急増している。
もちろん、このショートポジションには現物債をロングにしている投資家のヘッジ・ショートも多く含まれているので、必ずしも2年債のトレンドに影響するわけではない。
しかし投機的投資家が「2年債利回りが下げ過ぎ」と見て先物ショートを増やしている可能性もある。

9月に向けてこの2年債ショートのポジションがどう変わっていくのがかが注目点だ。

前回の先物ショートの急増局面は2019年から2020年にかけてだが、2年債利回りはずっと低下トレンドに入り、先物ショートは買戻しを余儀なくされた。
特に2020年前半は新型コロナ禍でFRBが急激な金融緩和を実行したので、2年債利回りは一段と急低下、ゼロ金利に近づいた。
その間先物のショートがひたすら買戻しで減り続け、多くの投機家が損切りをした。

今回はそこまで行かないにして、FRBの緩和転換からジリジリと2年債利回りが低下していく局面も想定できる。
債券先物の売り手は米景気が予想よりも強く、米金利は下がらないと読んでいるのかもしれない。
どっちが正しいのか?
いずれにしても米景気の先行き、とともに金利の低下、さらにドル円への影響が気になる。




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トレンド イズ ユア フレンド(1)トレンドで考える

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むかしむかしの話だが、米国チャーチストの大御所(名前は忘れた)が来日した時、この言葉「Trend is your Friend」を聞いた。
とても印象にある言葉で、単に韻を踏んでいるだけでなく、単なるなる株価のチャート分析ではなく、あらゆる市場商品、市場で価格が決まるもののトレンドを観察していた。
そして多くのトレンドから彼なりの将来の世界を導き出していた。

その後、自分でもあらゆる市場のトレンドを見ることで将来のシナリオが想像した。
これが自分のベースに今でもあると思う。


その意味で、この7月~8月は世界の株式・為替・債券市場の大きな転換点だったと感じている。
日米のVIX(ボラティリティ・インデックス)が急騰し、日本ではナント70まで上昇、米国でも38.5まで急上昇した。
このVIXの急騰は、オプション市場に大きな買戻しが入ったことによるインプライド・ボラティリティの急上昇が原因だ。

これは何を意味しているのだろう?

GAFAMの強気ポジション、蓄積されたキャリートレード・ポジション、日本株ロング∔円ショート・ポジション、NISA投資家のオルカン・SP500のロングポジション・・・・などなど。
この数年間にわたって蓄積されたポジションが一気に逆転した。
この「大逆転」がボラティリティを急上昇させた犯人だ。

現在は運用ポジションの歴史的な転換点にあるのは間違いない。
今後、ファンドマネージャーはどんなシナリオを考え、どんなポジションで利益を追求しようとするのだろうか?
また、逆にどんな運用リスクを想定してポジションを作るのだろうか?


投資の基礎的なフレームワークが大きく変わるのも間違いない。
だが、一体、何が変わるのだろう?
日米金利差をねらった一方的な円安が変わる?
米国高金利の下でGAFAMなどの大型ハイテク株を中心とした相場が変わる?
日本株ロング∔円ショートという人気ポジションが変わる?
金などの希少な貴金属、ビットコインなどへの投機的な資金シフトが変わる?

最大のポイントは「米国のリセッション」シナリオだろう。

次回以降、様々な市場のトレンドを考えて「米国リセッション」の可能性を自分なりに見ていきたい。







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「捨て子線」が出たけど・・・

日経平均 日足(24/4/17~24/7/12)
日経平均202407












チャートでいう「捨て子線」が出た。
捨て子線とは高値圏で窓を開けて上昇し、翌日は逆に窓を開けて下落するパターンで、ちょうど一日の日足が空中に浮かんだような形になる。
この放れ小島のような日足が、寄り引け同値(十字線ともいう)になると「宵の明星」というさらに強い足取りになる。

捨て子線も宵の明星も「トレンドの反転」という意味を持っている。
先週の捨て子線は、7/10~11に開けた窓(41889円~42102円)と7/11~12に開けた窓(42102円~41754円)の二つの窓がある。
そのうち全く売買がなかったゾーンが41889円~42102円となり、このゾーンが重要な意味を持つ。

捨て子線自体、トレンドの反転を意味するが、その判定のためにはこの窓を埋めるか埋めないかが重要な判断基準になる。
先週の捨て子線の窓は41889円~42102円、短期にこの窓を埋める(42102円まで上昇する)場合は捨て子線にはならない、つまりトレンドの反転は確認されないということになる。
しばらく経ってもこの窓が埋まらなかった場合はトレンドが反転している可能性を考えた方がいい。


さらに先週の捨て子線は、①米国CPIの低下で長期金利が低下した=景気懸念が出たこと、②財務省の為替介入で円高に振れたこと、の二つの要因があった。
それぞれ考えてみる必要があるだろう。

①米CPIの低下、月初の雇用統計での時間あたり賃金が伸び鈍化、それに見えるのは米国経済が徐々にスローダウンしていることだ。

確かにハイテク企業だけを見れば大幅な増益を達成し株価も急騰しているが、全体としての米企業は収益鈍化の局面に入っている。
今後発表される6月小売り高などの消費関連に指標を注目すべきだろう。
米景気のスローダウンには注意しておくべきで、米長期金利が低下基調に入った可能性も見ておかなければならない。

②財務省の単独為替介入は有効期限が限られている。

前回GW前の介入では有効期限は1週間程度しかない、その後はジリジリと円安に戻った。
今回の単独介入でも有効期限は1週間程度と考えていた方がいい。
しかし、今後、米景気の鈍化と長期金利の低下が続いていくならば、金利差の一段の縮小を通して円高トレンドに転換していく可能性もある。

為替介入の有効期限切れ以降、「意外と円安に戻らない、ドルの上値が重いな」という相場展開に入るかもしれない。
いろいろ五感を使って敏感に見ていく、微妙な局面にあると考えている。
その考えるキッカケとしてもこの「捨て子線」を見ていく方がいいだろう。



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クラシックなチャート「三尊天井」???

野村証券・日足(3か月)
NOMURA202404











三井住友銀行・日足(3か月)
mituisumitomo202404











株価の動きだけで判断するのは自分のスタイルではない。
チャートは好きだが、チャートの形に囚われることは嫌いだ。

でも気になるのが、最近の大型株の日足チャート。
直近の動きを大きく見るために、過去3か月の主要株の日足を並べてみた。

トヨタ(7203)1/22~4/17の日足
toyota202404











3月7日の高値3811円、3月37日高値3891円、4月12日高値3815円と三つのピークを付けている。

クラシックなチャーチストは三尊天井の条件として①三つの高値(ピーク)を付けること、②三つのピークの間の安値を結んだ線(ネックライン)を下に切ること、③最初の二つのピークに比べ出来高が減少すること、の三点を挙げている。

トヨタの日足ではネックラインは右上がりで判断が難しいが、4月5日の安値3568円を下回れば、一応、三尊天井の条件に合うだろう。
また、出来高を見ても徐々に減少してきているので、三尊天井に条件に合っている。

他の大型主要株を見ても、同じようなチャート形状が多いが、ピークの位置、ネックラインの位置はバラツキがある。
でも証券会社の雄・野村証券でも同様のチャートパターンだし、銀行の雄・三井住友銀行でも同様だ。
三菱UFJや大和証券は多少、ピーク・ボトムが違っている。

「三尊天井? だから? 」という人たちも多いと思う。
筆者もどちらかというと「チャートの型」はそれほど信用していない。
形だけ見ても意味がないと思うが、多くの大型主力株が「三尊天井」を付けようとしていることは気になる。

「三尊天井」はトレンド反転の型であり、その場合、6月ぐらいが次のボトムになる可能性を示す。
この4-6月期は、米インフレが再加速するのかしないか、FRBの最初の利下げがあるのかないのか、日銀が金利修正するのかしないか、微妙な期間に入る。
これらがどうなるかで市場は変化する。
もし三尊天井だったら買いは少し待つ方が良い。
新NISAの投資家の今年二番目の買い場は、5月~6月にくるかもしれないからだ。



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チャート分析、「宵の明星」を読む

日経平均宵の明星











2月20日に「日銀トレード、3月特殊需給で波乱あり?」を書いた。
3月10日のSQ日、チャートでは「宵の明星」と呼ばれる足を出した、いよいよ3月の特殊な需給に翻弄される展開に入るかもしれない。

「宵の明星」とは、窓を開けて上昇して十字足を出し、翌日は逆に下方に窓を開けて寄り付き陰線を付けるパターンのこと。
夕暮れの金星のことを指し、一旦、上昇トレンドが終わるという意味だ。

今回の上昇には「ガンマスクイーズ」コール売りポジションの買い戻しで日経平均が大きく持ち上げられたので、SQで買い戻り完了とともに下落、「宵の明星」のパターンとなった。
3月の特殊需給による一時的調整とはいえ、米国金融株の下落とともに複雑な需給相場になりそうだ。

①「日銀トレード」のアンワインド。
12月日銀会合から政策正常化に向けた「国債の空売り∔銀行株の買い+Jリートの空売り」ポジションだが、3月会合が終わりアンワインドが起こるかもしれない。
国債の買戻し、銀行株の売り、Jリートの買戻しだ。

②3月FOMC以降米国債の買い戻し。
25bpであり50bpであれ、FOMCでの利上げが織り込み済みとなれば出尽くしになり米国債に買戻しが入る可能性が高まる。
そうなると為替が円高方向に転換することも考えられる。

③郵政の郵貯株の巨額売却による需給悪化の可能性。
自社株買いを先行させ株価は上昇したが、発行株の24%以上、金額で1兆円を越える売り出しであり、3月13-16日値決め期間には郵貯銀株だけでなく、同業他社にもリバランスが生じる可能性がある。

というわけで3月特殊需給は株価に多面的に影響する。
一方的な暴落や暴騰というより、もっと複雑な動きをする可能性が高い。
こうした市場の懸念を示したのが「宵の明星」だったのかもしれない。




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NYダウ、「最後の抱き線」を読む

ダウ最後の抱き線
10/13の「下位の抱き線」

11/30の「最後の抱き線」











10月16日のブログで「NYダウ、下位の抱き線を読む」を書いた。
「下位の抱き線」とは、ボロボロの下げ相場の最終場面で・・・弱気投資家の売りが集中して下落して始まった後、弱気投資家が売り切ると同時に強気投資家の新規買いが急速に入り、価格が大逆転・・・一気に大陽線を立てる足取りのことだ。
チャート上では、前日の日足を包むような大きな陽線になる。
これがしばらく続いた下落相場の最終局面で出るとトレンドの転換を意味する。

11月30日のNY市場ではパウエル氏発言予定前の時間帯では前日比-200ドル前後で推移してきたが、パウエル氏の発言が伝えわると一気に上昇し、700ドルを超える大幅な上昇で引けた。
チャート上では安寄り後に前日の値動きを包む大陽線=抱き線を引いた。
ちょうど10/13の「下位の抱き線」に対する「最後の抱き線」のように見える。
「最後の抱き線」とはしばらく上昇してきた相場の最終場面で、高値警戒感から安寄りしたものの、その後爆発的な買いで一気に高値引けという、ちょうど「下位の抱き線」の逆の意味を持つ大陽線だ。

10/13から「FRBの利上げペース減速」期待で、ドル高が一巡し円高に、長期債が買い戻され長期金利低下に、そしてNYダウが大きく上昇してきた。
11/30にFRB議長のパウエル氏が認めたことで「利上げペース減速」期待は完全に織り込まれた。
と考えると、この期待で買い続けた投資家の最後の爆買いが入った日だったといえるかもしれない。
その意味で、11/30の抱き線は「最後の抱き線」である可能性が十分にあると思われる。

ではその次に何を市場が期待するのだろうか?

パウエル氏やその他の高官も「ターミナル金利が9月見通しを越える」と発言されている。
ターミナル金利が5%超、5.5%なのか、6%なのか、これが市場の次の期待を形成するだろう。
12月FOMCのドットチャートを巡る期待によって市場が変動していくことになる。

ターミナル金利が5%程度までなら織り込み済みだが、もし5.5%以上を想定するならば、短い1~2年債利回りは5%近くに上昇し、長い10年利回りは再び4%を越えるだろう。
さらに為替市場でもドル高方向への揺り戻しが起るだろうし、株価も長期金利高で調整に入る。
という環境を想定するならば、11/30が「最後の抱き線」だった可能性が高まる。

しかし、そうはいっても12月FOMC後の調整は最後の買い場になるかもしれない。
基本的にファンダメンタルは少しづつ変化し、インフレが着実に鎮静化に向かっている。
目標のインフレ2%までは時間がさらにかかるにしても、FRBの利上げは最終局面に入り、10~30年の長期債利回りは徐々に低下局面に入ると見られる。
こうしたファンダメンタルのゆっくりとした変化を見て行けば「株式は買い」だからだ。




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NYダウの連騰、なんじゃ、これ?

NYdow1028














10月13日の「下位の抱き線」がチャート論では底入れ足を意味すると書いた。
その前、10月3日の大陽線が「バケ線」だとしら、相場格言に「バケ線は一本と知れ」とあるように二本目の大陽線を信じることができるとも書いた。
でもファンダメンタルの大きな変化がないので慎重に見たいと思った。

その後のNYダウの急騰は予想を大きく越えた。
あっという間に4000ドルもの急上昇で3万2861ドルに上昇した。
マジか?
NY市場に何が起っているんだ?

その間、多少の変化となったのは、①12月FOMC以降利上げのペースダウンの議論が始まったこと、②ドル高も目先小休止状態になったこと、③GAFA決算が波乱になったこと、④しかし業績全般は底堅い感じなどだ。
これらは大きく株式トレンドを変化させるほどの影響はなさそうだった。

では何故NYダウは短期間で10%以上の急速な戻りをしたのだろうか?
実は不思議な動きをした銘柄は日本市場にもあった。

一つはソフトバンクG。
中国リスクの高まりで香港ハンセン指数やアリババ株が大暴落している最中の10月にソフトバンクG株が3割高。
その間の信用残は、売り残が404万株から492万株に88万株増加、買い残は811万株から722万株へと88万株も減少した。
つまり、個人は戻り売りを実行し、合計176万株のネット・ショート。
しかしこの個人投資家の売りをあざ笑うかのように株価は急騰・・・これはおそらくNYダウの急騰と何か関係しているグローバル投資家が買い上げたと見られる。

もう一つは半導体株のレーザーテック。
半導体株はNYでもAMATやNVDAの下落が大きく、今までレーザーテックと東京エレクトロンは同じように動く傾向が強かったが、この10月はレーザーテックが1万4000円台から2万円台へと4割高という上昇を見せた。
個人投資家の信用売り残は79万株から131万株へと52万株の増加、買い残は221万株から189万株へと32万株の減少、合計で84万株のネット・ショート。
株価はこの個人投資家の売りをあざ笑うかのように上昇と、ソフトバンクGの場合と全く同じだ。

ここからは想像を過ぎないが・・・株価の動きでグローバル投資家のポジションを想像すると、指数ではNYダウ買い/日経平均売り、ソフトバンクG買い/アリババ売り、レーザーテック買い/エヌビディア(?)売りという三つのロングショートが浮かぶ。

NYダウ買い/日経平均売りの意味はもちろんFRBの利上げ減速だが、来週のFOMCは75bpの利上げを最後に利上げ幅を縮小するという読みだろう。

ソフトバンク買い/アリババ売りの意味は、再来週のソフトバンクG決算が予想以上の数字になる可能性だろう。
孫さんはアリババのフォワード取引で買戻しをせず売却決済をするとしたが、この売却益も含めて予想外の好決算を出すという期待だろう。

レーザーテック買い/エヌビディア売りの意味は半導体企業のロングショートで、仮想通貨のマイニング投資が縮小する一方、高集積度の微細加工への半導体投資は増加するという読みかもしれない。

この想像が正しいとしたら、日本市場では日経平均がもたつき、ソフトバンクG+レーザーテックが急上昇するという株価変化につながる。
この巨大な仕掛けがどうなっていくのかは、来週のFOMC,さらに再来週のソフトバンクG決算を見てからという話だろう。



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NYダウ「下位の抱き線」を読む


NY 
NYダウ日足













10/13のNY市場の動きは激しかった。
9月CPIの数字が予想より高めに発表され長期金利が上昇して始まったが、その後、CPIのピーク懸念が出て長期金利が低下、株式市場が一気に切り返した。
ファンダメンタルの大きな変化が見えたわけではなく、市場は疑心暗鬼ながら買戻しが断続的に出てNYダウは827ドル高で引けた。

ファンダメンタに明確な変化がないだけに、チャートで考えた方がよいかもしれない。
13日のNYダウ日足は典型的な「下位の抱き線」となる可能性もある。

「抱き線」とは「安寄り後一気に切り返し高値で引ける、前日の日足を包むような大陽線」で三種類ある。

一つは「最後の抱き線」と呼ばれる日足で、過去数か月の上昇相場後の高値圏で出る陽線。
買い勢力が全面的な攻勢に出て、最後の力をふり絞って株価を持ち上げる、これを「最後の抱き線」という。
この最後の大陽線が天井となりその後株価は下落に転じるという意味を持っている。

二つ目は「下位の抱き線」と呼ばれる日足で、過去数か月の下落相場後の安値圏で出る陽線だ。
売り勢力が強く株価は継続的に下落する局面で、安寄り後、買い方が急速に増え大幅な反発をする。
これを「下位の抱き線」と呼ぶ。
これは売り方がポジションを売り切ってしまい売りが続かなくなったところで、買戻しや新規買いが入り買い方優勢に転じると言うダイナミックな反転だ。

三つ目は上昇や下降の途中で出る「普通の抱き線」
たまたま、安寄り後株価が上昇して「抱き線」になるというものであまり意味はない。

チャート論では、もし10/13の陽線が「下位の抱き線」だとしたら、その意味は「市場心理の逆転」
さらにその前の10/3の陽線も重要だ。
「バケ線は一本と知れ」という相場格言がある。
「バケ線」とは下落の途中で突然上昇し陽線となるが、一旦買い戻しが入っただけで再び下落トレンドに戻るという陽線。
この「バケ線」は通常一本しか出ない、二本目の「バケ線」は本物である可能性が高いという格言だ。

NYダウの10/3の陽線を「バケ線」だとしたら、二本目の10/13の陽線は本物の可能性が示唆される。
さらに「下位の抱き線」であり市場心理の逆転を意味するとしたら、当面の底値を付けたとチャート論ではいえる。

でもなかなか難しいのが、日本古来伝統の陰陽線が米国市場で通用するかどうか? さらにファンダメンタルの変化がないのにトレンドが逆転するのか?・・・という点だろう。
現状の米国株式市場は短期のトレーディング目的の売買(ヘッジファンド、CTA、アルゴリズムトレーディングなど)に大きく影響され過ぎている。
その結果、株価の乱高下が起こっているわけだが、一日の動きが大きすぎてやり過ぎ感がある。
チャート論はチャート論だけの話で終わるかもしれない。

重要な点は二つある。

①FRBの9月ドットチャート(年末FF金利4.4%)はすでに織り込んだが、FRBはそれ以上の利上げを決定するか?
75bpの利上げを二回すれば、合計1.5%の利上げで年末4.75%になる。
その場合、2年債利回りも4%台後半へと上昇するかもしれない。
ターミナル金利が5%に上方修正されれば、当然ながらもう1回売られる可能性が高い。

②クレジットイベントが起きるかどうか?
これが起こると世界経済はもう一度混乱し、景気が冷やされることになる。
クレジットイベントについては別途考えてみたい。

この二点に注意が必要だが、現在は中間選挙後に向けて戻り相場に入る起点に立っている可能性もないとはいえない。
ここ数日で10/13の安値を切るかどうかを注目している。




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三空踏み上げ後の窓埋め

ギャップ













上のチャートは「三空踏み上げ型」の典型的なパターンだ。
三つの窓(空、ギャップとも言う)が空き、一気に天井へと駆け上がる急騰型のパターンだ。
この三つの窓にはそれぞれ名前が付いていて、最初が上放れてすぐに出現する「ブレークアウェイ・ギャップ」、二番目が上昇の途中で出現する「ランナウェイ・ギャップ」、そして3番目が上昇の末期に現れる「イグゾースチョン・ギャップ」だ。



上は日経平均の日足チャートだが、三つの窓が開いている。
第一の窓は、3/17で26152~25824円。
第二の窓は、3/22で27224~26862円。
第三の窓は、3/23で27604~27284円。
4/7の引け値は26888円で安値26801円・・・つまり、現在、第三の窓を埋め、第二の窓をほぼ埋めた位置にある。

窓は欧米の株高で東京の朝、急激に株価が上がった時に起こる・・・つまり、グローバルな市場心理が急激に変化した日ということだ。
「窓を埋める」というのはその急激に変化した心理が元に戻ることを意味する。

今回、第一の窓埋めは25824円で、ここまで調整すると今回の戻り相場は「あくまでテクニカルな戻りでしかなかった、大底とはいえなかった」という意味になる。
大底だったという解説は否定されたことになる。

第二の窓埋めは26862円はここまでの調整ならば、ウクライナ戦争やFRBの引き締めをかなり織り込んだ底を形成したと見ていい。
つまり、3月の安値は大底だったということになる。

というわけで、「三空踏み上げ型」の三つの窓は、相場の基調を判断する窓だ。
昨日の下落で第二の窓埋めを達成してしまった。
第二の窓埋めで調整が終了するならば、相場は大底を打っている可能性が高いと言う経験則からも注目される水準に来たといえる。
このあたりで調整終了になれば、3月の底値が当面の安値になるだろう。
逆にさらに下落し、第一の窓を埋めてしまうようならば、3月大底説は一旦否定される。
これが長いチャートの歴史から判断される事だ。


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ビットコインとテスラ株、「W天井」か「W天井返し」か?

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ビットコイン価格が急上昇し、13億ドルのビットコインを保有するテスラ株も上昇してきた。
440倍を超えるPERのテスラ株、投資尺度がないビットコイン、ともにファンダメンタル要因が効きにくく価格は需給で決まる。

チャートで見ると、非常に興味深いパターンを描いている。
一番天井後に大きく下落し、短期間で二番天井に向かうW天井のパターン・・・深い谷を持つW天井型だ。

テスラ株の動きは・・・
一番天井が2021年1月880ドル、その後の深い谷が5月で536ドル・・・その間40%の大きな調整となった。
その後上昇に転じビットコインの上昇に合わせてテスラ株も上昇し、840ドル台と再び一番天井に近づいてきた。

一方、ビットコイン価格の動きは・・・
一番天井が2021年4月63500ドル、その後の深い谷が月で29807ドル・・・その間53%の大幅な下落を記録した。
その後上昇に転じ6万ドル台に戻り、一番天井を抜くような勢いになっている。

一番天井から40~50%の大幅な下落をし、深い谷を形成後、二番天井に向かうパターンは「深い谷を持つW天井型」を分類している。
このパターンでは間の谷が深いので、二番天井に向けての再上昇に大きなエネルギーを使う。
そのためにビットコインでは64000~70000ドルぐらいの範囲、テスラ株では880~950ドル程度に大きな抵抗帯ができる可能性がある。

逆にこの抵抗帯を越えていくと、「W天井返し」で深い谷の倍返しが起こるかもしれない。
倍返しでは、ビットコインでは9万ドル台、テスラ株では1200ドル台という値段が計算される。
「W天井」か「W天井返し」か、大きな分岐点になりそうだ。
どっちにしても理屈じゃなく、需給だけの問題なので予想は難しいが・・・。


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ミーン・リバージョン(4)~トヨタとテスラ

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ミーン・リバージョン(平均への回帰)を考えるコーナーだ。
おそらく、今後起こりえる最大のミーン・リバージョンは、最大生産量を誇るトヨタ(あるいはフォルクスワーゲンVW)の時価総額と、EVの少量生産テスラの時価総額の問題だろう。

テスラはEVの世界的先駆者として高い評価を受けてきた。
2018年2Qの生産台数はわずか4万台だったが、その後生産が拡大し2021年1Qでは18万台まで伸ばしてきた。
その間、世界は環境問題がどんどん広がり、多くの国で2050~60年のカーボンニュートラルを宣言し、CO2の排出量の削減を目標にした。
こうした環境問題の風を受けてEV生産台数を伸ばしてきた・・・これが投資家にも大きな夢を与えたのだろう。
その間、テスラの時価総額は2020年から急増し、一時90兆円レベルまで増加した。
その後減少し現在60兆円程度だ。

一方、トヨタは生産台数900万台以上で世界最大の自動車会社だ。
確かにこの生産レベルでは増加率は小さい・・・テスラの伸び率とは比較にならない。
株価はこの成長性の違いを評価したのだろうが、トヨタの時価総額は2020年では20兆円レベルだった、最近の株価上昇を反映しても30兆円程度だ。
その結果、生産台数60万台のテスラの時価総額が生産台数1000万台のトヨタの時価総額の2倍になるという事態が起きた。

今後「ミーン・リバーバージョン」が起こるとしたら、トヨタの時価総額がテスラの時価総額を再逆転する。
数年間の将来に、トヨタの時価総額がもう少し増加し40兆円以上になり、テスラの時価総額が40兆円を下回ることもありえる。
こうした状況が出現すれば、まさに「ミーン・リバージョン」だ。

テスラのEV(電気自動車)に対して、トヨタはHVやPHV(ハイブリッド車)・FCV(燃料電池車)と、全く異なった「ゼロ・エミッション」へのアプローチを取っている。
将来の自動車市場がEV100%になれば「テスラの勝ち」、EV・HV・FCVなどが多様化した自動車市場に発展するならば「トヨタの勝ち」かもしれない。

テスラが暴騰している時には、自動車のレガシーコスト、つまり、内燃機関の膨大な技術資産がEVの進展で無価値化する、それによる資産償却が自動車会社のマイナスになるとも考えた。
しかし、よくよく考えてみれば、エンジンの技術は陳腐化が早く、技術資産として長期資産にはなっていない。
新技術も資産計上されず、売上げで随時開発コストをカバーしてきたので、レガシーコストにはならなかった。
トヨタとテスラは将来の成長性、将来の自動車市場の覇権争いでもある。
いよいよ「ミーン・リバージョン」が本格化するかもしれない。


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リターン・リバーサルとミーン・リバージョン(3)

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「リターン・リバーサル」を用いたトレーディングを見てきたが、今回は「ミーン・リバージョン」をどう利用するかを考えてみよう。
ミーン・リバージョンとは極端に株価変動した後には「平均値への回帰」が起こるという現象だ・・・そして、これをトレーディングに利用することができる。
代表的なのは人気がグロース株に偏った後、自然にバリュー株に物色が循環する現象で、「行き過ぎると反転し、結局平均的な水準に戻る」という経験した投資家も多いだろう。
この平均へ回帰する動きがミーンリバージョンだ。

新型コロナ禍の物色動向は、典型的な「ミーン・リバージョン」を見せている。
昨年春から秋までは、ウィズ・コロナ銘柄と呼ばれ、リモート在宅勤務の増加で潤った企業、オンライン会議などのネットサービス企業、売上げを伸ばしたデリバリー企業や、必需品の売上げが貢献したドラッグストアなどが大きく株価上昇した。
その一方で、旅行関連、ホテルなどの宿泊施設、JR各社や航空会社などのアフターコロナ銘柄は大きなダメージを受け、株価も大きく下落した。

その結果、株式市場で大きな二極化のトレンドが起こった。
PBRで見れば、ウィズコロナ銘柄が軒並み10倍以上に評価されると同時に、アフターコロナ銘柄のPBR1倍割れに落ち込んだ。
旅客数の激減に見舞われたJR東日本はPBR0.8倍まで売られ、日本航空はPBR0.7倍まで売られた・・・その一方、BASEはPBR23倍まで買われ、エムスリーはPBR36倍まで買われた。
ウィズコロナ銘柄は成長性が高いのでPBRは高めの評価になるが、それにしても極端な株価トレンドになったのは事実だろう。

そして、米国中心にワクチンが急速に普及してくると、今度は全く逆に、アフターコロナ銘柄が買われ、ウィズコロナ銘柄が売られるという反対のトレンドが起こっている。
これは典型的な「ミーン・リバージョン」現象だ。
しかも、これだけ明確な物色傾向を示したのは非常に珍しい。

「ミーン・リバージョン」・・・投資環境が変化し、今までの「良いと思われた銘柄」が売られ、「ダメだと思われる銘柄」が買われ、結果として長期的に「平均に回帰」してしまう現象だ。
株式市場は常に変化していき、PBRやPERなどの評価にも行き過ぎが生じ、環境が変わった時に「平均への回帰」が起こる。
次回は、トヨタとテスラで「ミーン・リバージョン」が起こるか考えてみよう。


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リターン・リバーサルとミーン・リバージョン(2)

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前回から「リターン・リバーサル」と「ミーン・リバージョン」の話を書いている。
リターンリバーサルは物理でいう「作用」と「反作用」と同じ理屈で、「上がれば下がる、下がれば上がる」という株式市場でもごく普通に起こる現象だ。
だからこそ、これのリターンリバーサルをうまく使うことで「より安く買い、より高く売る」ことができる。
まずは基本的なリターンリバーサルについて考えてみたい。

たとえば、短期ペアトレードを考えてみよう。
ペアは連動性が高い同業種の2銘柄で作るのが基本だ。
あまり連動しない2銘柄だと、「股裂き」という悲劇が待っているからだ。
両銘柄の値動きをザラ場で細かく観測し、一方の銘柄が上昇すると「売り」、買われていない、もう一つの銘柄を買うという手法だ。
この収益がリターンリバーサルの効果だ。

指し値を入れる場合・・・

時価を中心に指し値が時価から離れれば離れるほど約定する確率(約定率)は低下する、その一方「リターンリバーサル」の収益率は高くなる

約定率と収益率は反対になる=二律背反することは重要。
この二律背反があるので、約定確率を上げようとすれば収益率が落ち、収益率を上げようとすれば約定率が下がる。
だから、約定確率とリターンリバーサルの収益率を考えて「ソコソコ」の収益を「より高い確率」で上げる指し値を決定しなければならない。
そのためには一定の期待リターン(例えば、30bpなど)を想定して、時価から0.3%上に売り指し値をするとか、0.2%下に買い指し値をすることだ。
コンピュータで数値分析し、「板」の状況に応じて最適な指し値を計算することもできる。
普通の個人投資家でも売り指し値と買い指し値が並んだ「板」の読み方に慣れてくれば、徐々に直感的に判断できるようになる。
当ブログでも直感的な「板」の読み方を取り上げているので参考に。

たまたま「成行き売買」が入って時価から離れた指し値が約定する場合がある。
明らかにこれはラッキーだが、現実の市場ではよく起こる。
そして一方の銘柄が約定した途端にペアの相手方の銘柄を売買すればいい。
一回のトレードの収益率は極めて小さい・・・だいたい、50bp(0.5%)以下で・・・1%も期待することはできない。
だから、これをザラ場で何回も繰り返すことで収益を積み重ねていくのがミソだ。
売買回数がものを言うので、コンピュータによる自動売買に適している。
最後に積み上がったポジションは、最後に反対売買を行って損益を確定する。

この「ザラ場リターンリバーサル」は一回のトレードに期待収益率が小さい。
売りから入る場合は信用売りを使うことになり、トレーディング・コストを考慮する必要がある。
1回の売買の収益率が低いので、コスト控除後の収益率を考えてポジションを取る。

でも「リターンリバーサル」をよく理解すれば、最適な指し値をするのに役に立つ。
銘柄ごとのザラ場変動を観察すれば、この銘柄ならば30円下の買い指し値が良いとか、この銘柄ならば5円上の売り指し値が良いなどと分かってくる。
ザラ場の値動きを使ってより安く買い、より高く売るというコツが理解できる・・・これが投資家のスキルに大きなプラスとなるだろう。



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リターン・リバーサルとミーン・リバージョン(1)

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昔から株式市場によく見られる株価の動きに「リターン・リバーサル」というのがある。
物理でいう「作用」と「反作用」の関係で、一方向に株価が動く(作用)に対して逆方向に株価が動く(反作用)が起こる。
「リターンリバーサル」は短期の株価変動ではほぼ確実に起こり、中期、長期とタイムスパンが長くなるにつれて確実性が下がっていく。

まずは分かりやすい「短期のリターンリバーサル」を考えてみよう。
ザラ場(取引時間内の市場)では、ファンダメンタルの変化は寄付きで消化するので、ほとんど株式需給や市場心理のよる株価変化になる。
こうした短期市場では「リターンリバーサル」が顕著に見られる。
誰かが「成行き買い」を入れると株価が上昇し、上昇した株価を見て「利食い売り」を出す・・・「成行き売り」が入ると市場参加者は警戒をするが、約定が終わったところで「打診買い」を出す・・・・などでリターンリバーサルが起こるのだろう。

もう一つ重要な市場の値動きは「ミーン・リバージョン」という特徴的な値動きだ。
これは平均への回帰といもいえる現象で、「株価が上がったり下がったりしながら、平均値へ向かう」という現象だ。
これも一種の「作用」と「反作用」だが、一定の範囲を超える値動きが生じ平均値から離れてしまうと、逆に平均値へ戻る反作用が起こることがある。
これを「ミーン・リバージョン」と呼んでいる。

たとえば、RSIなどのオシレーター系の指標には「ミーン・リバージョン」がほぼ確実に見られる。
RSIは一定期間の(上げ幅の合計)を(上げ幅+下げ幅の合計)で割り算して%表示したものだ。
相対的な強さを0~100%で示すものだが、これは一定幅で動き、しばらくすると平均値に戻っていく。
平均への回帰がほぼ確実に起こるオシレーター(振り子のような動きを示す指標)で、この「ミーンリバージョン」を収益化できる。

もちろん、RSIがピークアウトしたからといっても、株価が必ず下落するわけではない・・・高値保合いに入り、株価が下落してなくてもRSIが低下する場合もありえる。
逆に、RSIがボトムアウトしたからといっても、株価が必ず上昇するわけではない・・・株価が底練りを続け、RSIが上昇するという場合もありえる。
しかし、それでもRSIのピークで株を売り、RSIのボトムで株を買うことを繰り返すことで収益化する機会は増えるだろう。

リターン・リバーサルは小さい値動きでもどんな時でも起こる株価現象だが、ミーン・リバージョンは極端な動きで株価が異常値を示す時に強い反作用として起こる場合が多い。
この「リターン・リバーサル」と「ミーン・リバージョン」をうまく使うことで運用能力は飛躍的に向上する。

チャート分析の応用編として、この「リターン・リバーサル」と「ミーン・リバージョン」を掘り下げて見方と使い方を考えてみたいと思う。



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個人投資家の行動心理学(2)

アンジェス週足

















上のチャートはアンジェスの週足だ。
アンジェスは大阪大学と共同で新型コロナワクチンの開発を発表し、それで個人投資家の期待が集り、2月の安値388円から6月に2317円まで株価6倍になった。

個人投資家の行動分析の基軸は、
(1)「日柄」=興味が継続する期間=どのぐらいの時間が経過したら、あきらめて売却するのか。
(2)「値幅」=損切するまでの価格変化=どこまで下がったら、ポジションを処分するのか。

まず、「日柄」から考えてみよう。
株価のピークは6/26の週で週末値は2317円・・・その時の信用買残は1517万株だった。
その後、1週経ち、2週経ち・・・6週後の8/7に1698万株で信用残がピークを打った。
ここで言えることは、株価が下落に入り6週間、個人投資家は押し目買いを続けた・・・おそらく、ワクチン開発がうまく行って株価が暴騰するのを夢見ながら・・・

8月以降は株価が下落するにつれて、少しづつ信用残が減ってくる・・・徐々に損失が膨らみ、不安になったり、我慢の限界に迎えてブン投げが出てきたわけだ。
信用残は現在1593万株だが、信用残の目に見えて減少し始めたのは10月に入ってからだ・・・6月の株価ピークから3か月経って、投資家は「あきらめ」に達し始めたといえる。

信用取引には期日があり、6か月以内には反対売買をしなければならない・・・6か月後には強制的にポジションを閉じなければならない・・・その期日は12月で、11月に入ると期日を意識して売り出すことになるかもしれない。

今度は、「値幅」から考えてみよう。
短期のトレーディングでは「ロスカット」を設定する場合が多い・・・大きく損失を被ることを避けるためだ。
たとえば・・・20~30%の損失、40%の損失、50%の損失・・・と、「ロスカット」するなどの行動を取る投資家が多い。
高値2317円から20%下落=1853円、30%下落=1621円、40%下落=1390円、50%下落=1158円・・・それぞれの価格で信用残の変化を追いかけてみよう。

20~30%下落水準は高値から3週後に達したが、この時も「ロスカット」より「押し目買い」が強く、信用残は増え続けた。
個人投資家のリスク許容度がある程度高いといえる・・・20~30%下落しても強気は全く変わらず、押し目買いを続けたからだ。

しかし、30%下落を越え、40%に近づく水準では信用残はあきらかに減少に転じた。
相場格言で「3割高下に向かえ」というのがあるが、まさに3割下げを越えたところから個人投資家に徐々に「あきらめ」の売却が出始めた
そして、50%下落に到達したのは10/16だが、この水準では信用残の減少トレンドが明確になった・・・投資家は本格的な「あきらめの境地」に達したようだ。

この事例から言えることは・・・
①株価のピークが過ぎても1か月程度、投資家は強気を続け「押し目買い」をする・・・この間に株価が大きな反発が起これば、上昇トレンドに戻ることも可能だ。

②しかし、株価の下落が30%を越えてくると、明らかに「処分売り」が入ってくる・・・もし調整1か月を越えて株価30%下落したならば、信用買いした投資家の処分売りで上値が重たくなってくる。

③そして、3か月を越え、株価が50%下落する頃には「あきらめの境地」に達する・・・戻り売りが続くパターンに入る可能性がある。

・・・これが結論だ。


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拙著「チャートの達人」を出版しました


チャートの達人

















「チャートの達人」のキンドル本を出版しました・・・以下のURLからアマゾンで手に入ります。

多くの評論家が様々なチャート(一目均衡表、ボリンジャーバンド、MACD・・・などなど)を使って株価の説明をしている。
しかし残念ながら、チャートはどんなに複雑な計算しても将来の株価を予測することはできない。
チャートで「この株が上がる」「市場が暴落する」などと予想する評論家がいるが、過去の株価をどういじくったところで、未来の株価は分かるはずがない。
この意味では占い師と同じように「当たるも八卦、当たらぬも八卦」といったところだろう。

クオンツ分析の世界は、ランダムウォーク理論、効率市場仮説、CAPMなど古典的な研究から、最新のアルゴリズム解析までものすごく進歩してきた。
しかし、どのクオンツ分析でも未来の株価を予想できないことが理論の前提になっている。

でも、株式市場を動かしているのは投資家(人間)であり、株価が急上昇すれば強気になり、逆に急落すれば弱気が増える。
投資家が人間である以上、株価には「投資家の心理状態」が色濃く表れてしまう。
例えば、2月の株式市場が急落したが、プロ中のプロともいえる投資家がこぞって株を投げ売りした。
ウォーレン・バフェットも米航空株をブン投げしたし、日本の著名投信会社も2月末に保有株を売りキャッシュ比率を30%に引き上げたり・・・と右往左往した。
その後の反騰相場は見ての通りだ。

こうした事例を見るたびに株式市場が投資家心理で揺れ動くことが思い知らされる。
それでは、その投資家心理をどう読むか、そこにチャートの真髄がある。
チャートは未来の株価を当てるためではなく、株価の変化を通して「投資家の心理状態」を読むために使うテクニックだ。

素人投資家の最大の間違いは「上がった人気株を買い、不人気になって下落した株を売る」ことだ。
これをやっていると永遠に株式市場でリターンを上げることはできない。
チャートによって市場心理を判断できれば「皆が弱気の時に安く買い、皆が強気の時に髙く売る」というあたりまえの事が冷静にできる・・・もちろん、冷静さを保てるかどうかには個人差が大きいけど・・・。
そんな事を「チャートの達人」の中で投資家に伝えたい。

興味のある方は是非、手に取って一読することをおすすめしたい。


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マザーズ指数の三尊天井・・・?

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このチャートは東証マザーズ指数の日足だ。
形だけ見ると、一見して三つのピークを持つ三山・・・さらに真ん中のピークが一番高い三尊天井型に見える。
ネックラインは950ポイントになり、このレベルを割り込むと三尊天井が完成する。

7/19に「個人の信用買い、需給の限界は?」というブログを書いた。
現在世界の株式市場で活発に売買している個人投資家による、アメリカでは超人気のトレードアプリ「ロビンフッド」を経由したアクティブ売買、日本ではマザーズ市場を中心として信用売買が市場を席捲している現状を描いた。
さらに個人投資家の信用売買の回転が少しづつ止まり始めている・・・そこに需給の限界があるかもしれない・・・と結論した。

その後、どうなったのか?
先週、個人投資家はマザーズ市場で245億円という過去最大の買い越しを行った一方、マザーズ市場の売買代金は減少傾向を示している。
これは・・・個人投資家は積極的な買い越しを行った一方、投資家の売買回転が止まり、市場の売買代金は低下してしまった・・・ということだ。

明らかに個人投資家のモーメンタム(勢い)が落ち始めている。
もちろん、長期保有の個人投資家には全く関係ない現象だが・・・回転売買が止まると、利食えなくなったことによる信用残の増加、ポジションの損益が苦しくなることによる信用評価損率の悪化・・・と悪化スパイラルに入っていくかもしれない。

チャートを形だけで見てはいけない。
しかし、気になる形ではあるな・・・


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アンジェスの「十字足」

アンジェス日足











5月26日のアンジェス(4563)の日足だ。
陰陽線、その中でも重要な足として十字足(寄り引け同値)があるが、これが5月26日のアンジェスで見られた。
十字足とは寄付きと引けがほぼ同値、上下に大きなヒゲができるチャートの一種で、市場の強弱感が拮抗した攻防の分岐点とされている。
非常に重要な日となりそうなので取り上げてみたい。

陰陽線とは、江戸時代の米相場で発達した価格の足取り(値動き)を見て、市場の強弱を判断する技法だ。
陰線と陽線の組合せで市場の状態、つまり、買い優勢なのか、売り優勢なのかを判断するものだ。
強い買い優勢の足取りとして、赤三兵、並び赤、上げ足の差し込み線などがあり・・・強い売り優勢の足取りとして、三羽烏(黒三兵)、強大被せ線、並び黒などがある。
その中でも最も重要なのが、この「十字足」だ。
その意味は売り勢力と買い勢力の拮抗であり、攻防の分岐点、つまり、ここから買い勢力が強くなれば一段の上昇、売り勢力が強くなれば急落という瀬戸際にあるということだ。
そして、高値圏に現れた場合は「宵の明星」として天井足となる可能性に気を付ける必要がある・・・逆に安値圏に現れた場合は「明けの明星」として底入れ足となる可能性を考えるタイミングにある。

ではアンジェスの「十字足」だが、実体は23円の陽線、高値ー安値の差が449円と大きく、下ひげが253円とご立派な「十字足」だ。
まさに典型的な「宵の明星」として天井足になるかもしれない攻防の分岐点だ。

しかも、アンジェスの人気はすさまじく、マザーズ指数のウェートは8.4%、信用買残は353万株、売買代金25日平均は599万株、25日移動平均との乖離率43%・・・すべてに圧倒的な数字を叩き出している。
5/25に「個人の信用買いが株高の原動力」を書いた。
一番人気のアンジェスが「十字足」から上放れ、信用買残353万株の回転が効き、個人投資家の勢いが一段と高まるのか?・・・あるいは、相場の過熱感から売り勢力が優勢になり、この「十字足」から急落が始まるのか?
まさに攻防の分岐点となるかもしれない・・・注目したい。


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二番底の条件(基本編)

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よく言われるのは「二番底はあるか?」という問いだが、人によって「二番底」の意味が微妙に違っている気がする。
評論家には「3月中旬の日経平均16000円台が一番底、日経平均で18000円を割れた4月初旬の安値が二番底」としている人もいる・・・また、「3月中旬の一番底に対して、これから二番底を付けに行く」と予想している人もいる。
二番底とは何か? ・・・まず基本的な話から始めたい。

ダブル・トップというと昔見たチャートを思い出す・・・女性のスカートの丈のチャートだ。
女性のスカートには流行があるので、長くなったり短くなったりする。
1980年代はミニスカートが流行したが、最初のピークは83年、そして、二回目のピークが86年にあった。
流行に敏感な人たちが最初にミニスカートをはき流行を作り、一旦落ち着いてから遅れてきた人たちがミニスカートをはき、二回目のピークを付けた・・・と考えられる。
これが二番天井(二番底)と呼ばれ、この形をダブル・トップ(ボトム)という。
簡単に言えば、ダブル・トップ(ボトム)は世の中の流行に敏感な人たちと遅れてくる人たちの時間差で作られる。
そういう意味では株式だけではなく、流行のあるモノなら何でもこの形を作る可能性がある。

ミニスカートの流行時期を見ると、欧州からミニスカートが登場した1960年代、そして、1980年代で、いずれも好景気だった。
景気が良くなると、世の中が明るくなり、スカート丈が短くなる???
でも現代では女子高生はいつでもミニスカートなので、もはや流行ではなく、定着してしまっている・・・景気との関係も薄れてしまったようだ。

株式市場でもダブル・ピーク(ボトム)はよく見られる。
最近の典型的な例がチャイナショックと原油暴落で大幅な調整となった2015~2016年だ。
2014年の上海市場は熱狂的な相場で・・・リーマン危機後の大型投資による中国景気の過熱、さらに香港ー上海コネクトによる外国人買いの期待で上海総合は5000ポイントに乗せた・・・そして過熱感が行き過ぎ3000ポイントまでの大暴落を演じた。
同時に中国景気の悪化による需要減少を懸念し、原油も30ドルまで暴落した。
世界株安の中、日経平均も急落し2016年2月の一番底14865円、その4か月後の6月に14864円の二番底を作った。

原油や為替や株価に敏感な投資家が株を売却し一番底を作る・・・そして、景気実態が見えてきてファンダメンタルに不安を感じた投資家が株を売却し二番底を作る。
ついでに教科書的に言うと、およそ、一番底と二番底の間は3か月から6か月だ。
しかし、実際のリアルな市場にいると、2番底は市場の雰囲気が悪い中で起こるので、そんなに簡単な事ではない。
今回の新型コロナ暴落でも、一番底が3月であったことは衆目の一致するところだろう。
二番底はあるのか、どんな状況で起こるのかを考えてみたい。


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