株山人の投資徒然草

大手運用会社をリタイアし、八ヶ岳に住む株山人の日記

大手運用会社をリタイアし、八ヶ岳に住む株山人の日記

株を職業にして38年、株式投資の楽しさを個人投資家に伝えたい。
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株式投資の基礎

参院選⇒政治カオス⇒その先にあるもの

参院選2507























選挙はミズモノと言われるが、精緻な市場調査ができる現在,多少の差があっても予想に近い結果が出てくる。
投資家としては、自公連立の衆参両院での少数政権を考えておくべきだろう。

自民党がどれだけの敗戦になるかは分からないが、選挙予想の最低線とすれば自民24議席、公明7議席合計31議席、自公過半数には19議席も足りないことになる。
予想の中間値とすると、自民33議席、公明10議席、合計43議席で過半数には7議席足りない。

過半数に19議席たりない、あるいは過半数に7議席足りない、これは大きな違いになる。
石破政権はすでに衆議院で過半数を失っているが、参議院でも若干の過半数割れなら議案ごとに部分的な連合を組んで切り抜ける、でも過半数を大きく割り込んだら部分連合も無理だ。


最大の問題は、野党の主張する政策「消費税ゼロ」「社会保険料の大幅引き下げ」「手取りの増加」などを自民党が簡単には飲めないことだ。
自民党幹事長の森山氏は「消費税を死守する」と発言し、国民生活を守ることより税金を守ることを優先させている。
これでは自民党の古参議員層と野党とは完全に「ミズとアブラ」状態だ。

日本の政治は多数を持つ連立内閣も作れず、野党との政策妥協もできす、政策が何も議会を通らない状態になる。
この「政治カオス」が、当面の間、日本株には大きなマイナスとなる。


しかし、この「政治カオス」は大きな分岐点になるかもしれない。
英米型の二大政党制を目指して「小選挙区制」を導入した日本の政治システムの終わり、そして、本格的な北欧型の「連立内閣制」へ動くキッカケになるのではないかと思っている。

日本の選挙制度は「小選挙区」と「比例代表」の組み合わせだ。
「小選挙区」が二大政党制を進め、「比例代表」が多党制=連立制を進めるが、両方の要素を持った日本の選挙制度はあいまいな制度だ。
どちらかというと英米型を指向してきたように思うが、最近の世論は多様化してきているのでとても二大政党制に集約していくようには見えない。
国民の政治参加が進むにつれ、政治意識が多様化し、それが複数政党が台頭させている。

としたら、年度内に石破さんが解散総選挙に打って出ても、基本的に少数政党が乱立する状況は変わらないだろう。
なので実行力のある内閣を作るには、各政党が政策をスリわせて連立内閣で過半数を確保できるかがカギになる。
ヨーロッパ型の連立政権だが、これが日本経済や株式市場の大きな分岐点になる可能性がある。
それで古い体質の自民党が大きく変わる契機になるとしたら、日本も日本株も変わる可能性が出てくる!!!




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トランプ相互関税、米国優良株は試練の時期

NYダウ益回りと長期金利202507
















トランプの相互関税が8月から始まる、交渉余地はあるものの、大方の予想通り導入されるだろう。
日本にとっては厳しい関税となるが、関税に対抗できる各企業の競争力が試されることになる。
同様に、NYダウに採用されている伝統的優良企業も部品などの海外輸入が多く、米国企業とはいえ採算が脅かされる。

下の一覧表にNYダウの1年先予想EPSを示した。
予想EPSのピークは3月2181ドルだが、7月初には2064ドルまで5.3%低下した。
NASDAQやS&P500のEPSの低下は3%に留まっているので、NYダウに採用される伝統的優良株の方がトランプ関税にマイナス要素が大きいと予想されているわけだ。

各株価指数の1年先予想EPSの推移と3カ月変化率
NYダウ Q/Q S&P500 Q/Q NASDAQ Q/Q R2000 Q/Q
2025年7月 2064.45 1.7% 263.42 3.7% 770.83 3.7% 80.72 -2.6%
2025年6月 2104.47 -3.5% 266.36 -2.4% 775.82 -3.3% 81.98 -8.3%
2025年5月 2116.67 -1.9% 269.51 0.3% 792.38 1.7% 83.63 -9.2%
2025年4月 2029.39 3.4% 253.96 -8.5% 743.17 -8.1% 82.85 -4.3%
2025年3月 2181.54 12.0% 272.82 1.0% 802.6 4.9% 89.38 13.7%
2025年2月 2156.93 9.3% 268.66 11.4% 778.95 15.2% 92.11 35.2%
2025年1月 1961.99 -2.8% 277.43 13.5% 808.73 20.3% 86.55 23.1%
2024年12月 1948.6 -3.9% 270.2 12.8% 764.85 19.4% 78.6 13.2%
2024年11月 1973.35 -1.9% 241.21 0.0% 676.11 2.4% 68.11 -5.9%
2024年10月 2017.76 -1.9% 244.52 -0.5% 672.4 -2.7% 70.31 -10.7%

一番上のチャートはNYダウの益回りと長期金利の動きを示したものだ。
米株の戻りが強く、NYダウのバリュエーションも切り上がり、益回りでは5月初の5.1%から低下し7月初現在4.64%と、長期金利4.49%に近づいてきた。
伝統的な優良企業のバリュエーションがここまで割高になったことはない、大型割安株を含んだ指標としては例外的な割高感になっている。

もちろん、米国株市場全体がバブル化すればNYダウ益回りが長期金利の水準を突破していく可能性もゼロではないが、バリュエーションの限界はあるだろう。


ポイントは二つある。

①トランプ相互関税が実施され実際の影響が予想EPSに織り込まれた時、EPSがどうなるか?

ITサービス系の企業はあまり関税の影響を受けないだろうが、伝統的企業は多かれ少なかれ海外依存度が高く影響を受ける。
四半期決算が本格化する7月後半からの予想EPS変化を注目したい。

②7月末のFOMC、8月のジャクソンホール会議、9月のFOMCで利下げの方向性が明確になるか?

今のところ、パウエル氏はトランプの恫喝に対して知らぬ顔をしているが、この夏に関税の影響が明確になってくれば利下げに踏み切る可能性も残っている。
NYダウの益回りが低下に対して長期金利が低下するかは重要な視点だろう。



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日経平均は赤沢さんに期待?

日経平均と予想EPS
日経平均EPS202505

















5月というと企業決算が次々と公表され、予想ベースが前年度から次年度に切り替わる時期だ。
普通なら、予想が足元から1年先に変更されるため、予想EPSが増加しPERも低下する。
でも、今年はトランプ政策により次年度に切り替わっても予想EPSが下がってしまった。
にもかかわらず、市場はトランプ政策とNY市場の動かされ、日経平均は3万7000円台へ上昇した。

これをどう考えたらいいのだろうか?
トランプが軟化し、自動車関税、日本に対する相互関税などを撤廃してくれるから「買い」と期待している人もいるだろう。


こんな時は単純に「株価とEPSとPER」関係を見た方が良い。

予想EPSがピークを付けた今年2月17日から直近の5月16日までの変化を見てみよう。
       日経平均   予想EPS   予想PER
2月17日 39174円  2557円  15.32倍
5月16日 37753円  2186円  17.27倍
変化率   -3.0%  -14.5%  +12.7%

2月からトランプ政策で急落と急騰を見せたが、この間、日経平均は結果として3%しか下落していない。
しかし、その基礎となる予想EPSは14.5%も低下した、この数字も関税がどうなるか決まっていないのでまだ大きく変化する余地がある。
そして、この株価を支えたのが予想PERの上昇、この間12.7%上昇となった。
このPERの上昇が日経平均を支えたのは間違いない。


それではこのPERの上昇をどう考えればいいのだろう?

PERは投資家の期待値で、PERの上昇は将来のEPSの増加期待が反映されている。
EPSの低下は「トランプ25%関税と円高傾向」で自動車セクターの悪化懸念が最大の理由だ。
とすれば、日米関税交渉で自動車関税が引き下げられ円高進行がストップする、そうすれば予想EPSが上方修正される、という期待が投資家にある。

3回目の会談を行う赤沢氏に日本の投資家の期待が集まっている。
それにしても投資家の楽観的な期待が株価に反映されている。
期待通りにトランプの譲歩が得られるのか? 相場の分岐点だろう。



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親子上場の問題(5)NTTは成長できる?

NTT2025










NTTグループの親子上場は解消に向かっている。
NTTドコモを完全子会社化し、そして今度はNTTデータを完全子会社にしようとしている。
しかし、筆者はこのグループ再編は方向違いじゃないかと感じている。

親子上場の解消方向には二つある。

一つは今回のNTTグループのように完全子会社化、親会社の内部に取り込む。
少数株主の持ち分によってグループ価値の棄損を解決することはプラスになる。

もう一つは日立グループのように御三家と呼ばれた子会社の外部売却で「集中と選択」をする。
これは長期的な企業価値を追求するグループの企業戦略で、内部に取り込むだけが親子上場の解消方法ではない。
旧財閥系グループのように子会社によって業態変貌を促進し、子会社が親会社を越えて成長していくパターンも見られた。

鉱山経営から始まり、古河機械金属、古河電工、富士電機、富士通、ファナックと業態変貌しながら発展してきた古河グループは典型的な事例だ。
「ケイレツ」という独自の企業グループを作り上げてきた日本企業は、親子上場を発展的に解消し、戦略的な子会社が独立した経営を行うことで企業成長を継続できた。

KDDIの母体の一つは「第二電電」で、京セラの創業者稲盛和夫氏が創業した会社だ。
通信事業を独占してきた旧電電公社に対して、「第二電電」は通信民営化の中心として設立され通信自由化の流れで急速に成長してきた。
でも、稲盛氏によって作られた京セラの子会社だったが、上場後は完全に独立し、KDD(旧国際電電)と合併して現在のKDDIになった。
いつまでも京セラの子会社では発展できなかっただろうし、完全独立は稲盛氏の考えだったのだろう。


こうした歴史を振り返ると、NTTグループが子会社を吸収合併してグループの内部化したことには疑問を感じてしまう。
NTT自体が政府が33%を保有する政府系の会社で、経営の自由度が制限されている。
こんな組織では移動体通信事業のNTTドコモとシステム・データセンター事業のNTTデータを分離独立させる方が自由に成長できるのではないかと思う。

NTTドコモは通信部門を東西地域会社とともに担うのだが、吸収合併されてから移動体通信では市場シェアを落としている。
スマホのシェアも2020年の37%から徐々に低下し、現在34%になった。
有線電話・通信の東西NTTとのシナジー効果もほとんど見られていない。

NTTデータにしても、官公庁や大手金融の大規模システムは圧倒的に強いが、しかもAIシステムやデータセンター事業をグローバルに展開する時必ずしも親会社NTTとのシナジー効果は明らかではない。
海外展開するばらば企業買収やM&Aが選択肢になるのだろうが、NTTデータがNTTの内部の部門にすぎないので自由にM&Aすることは難しくなる。


親子上場の解消方法としてNTTグループのように何でもかんでもグループ内部に取り込み、少数株主持ち分を買い取る方法だけではない。
日立グループのように「選択と集中」の経営をする方がいいのかもしれない。



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親子上場の問題(4)NTTって反対に向いていないの?

NTT2025










NTTがNTTデータの完全子会社化を発表した。
20年にNTTドコモを完全子会社化して上場廃止、今回のNTTデータの上場廃止で大きな親子上場を解消できる。
でも、筆者には強い違和感が残っている。


第一に、NTTはNTT法で「がんじがらめ」にされている会社だということ。

NTT法によって33.33%の株式の保有が政府に義務付けられている。
NTTの役員人事も政府に「お伺い」を立てて決まるので、いつも東大卒の元官僚みたいな人が取締役会を牛耳っている。

また、この政府持ち分比率を維持しなければならないので「株式交換での買収」も制限されている。
株式交換で企業買収すると買収先の株式がNTT株式になるので、NTTの発行株式が増えてしまい、政府の持ち分が減少してしまうからだ。


第二に日立のような「子会社整理、経営戦略の明確化」が見えないこと。

日立は企業戦略として親子上場の解消を達成したが、それは主要三子会社の売却だった。
日立グループ内の日立電線、日立建機、日立化成の「御三家」をすべてグループ外に売却。
日立は社会インフラ事業やシステム開発事業などへ選択と集中を実行、株価も長期で上昇した。

反対に、NTTは主要子会社のNTTドコモやNTTデータを完全子会社化しグループ内に閉じ込めた。
NTTは経営の自由度が少ない会社なのに通信事業や大規模システム・データセンター事業を内部に閉じ込めてしまった。
これが問題で、子会社が自由に経営できるかが不透明なことだ。


第三にこれらの完全子会社化では「コングロマリット・ディスカウント」を解消できないこと。

株式交換ができないNTTは2兆円以上を使ってNTTデータを完全子会社化する。
これでNTTの時価総額が増えるのだろうか?

NTTドコモを完全子会社化した時、ドコモの時価総額は12.5兆円だった。
NTTデータの時価総額も5.6兆円あり、これをグループ内に吸収するNTTの時価総額は13.9兆円に過ぎない。
ドコモの12.5兆円、データの5.6兆円に対してNTTは約14兆円、これじゃ足し算が合わない。
典型的な「コングロマリット・ディスカウント」に陥る可能性を否定できない。


どう考えても「NTTは反対方向に行ってしまった」としか思えない。
本来なら、ドコモもデータもNTTから切り離し、自由に経営できる環境を与えるべきだったと思う。



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グローバル化の曲がり角(3)「頭脳」と「手足」

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ベルリンの壁が破壊された1990年代以降、一気にグローバル化が進んできた。
「レクサスとオリーブの木」で著者フリードマン氏が、「黄金の拘束服」で伝統的民族的な価値観を持つ国家を縛り付ける、これによってグローバル市場に参加して大儲けすることができると語る。
この「黄金の拘束服」がグローバルスタンダードだ。

しかし、1990年代から2020年代まで続いたグローバル化が、トランプ政策によって曲がり角を迎えているような気がする。
でもちょっと不思議な感じがする。


グローバル化で一番儲けてきたのは米企業でしょ、なんでトランプがグローバル化を否定するの?

確かにアップルやマイクロソフトなどハイテク企業はファブレスで生産を海外に委託し安い労働力をフルに使い、アマゾンなどのEコマース、ウォルマートやファストリなどの消費企業もグローバルサプライチェーンで世界最適生産ー最適販売を実現してきた。

しかし、その結果起こったのは欧米大企業の生産委託が集中した中国、この国が世界最大の生産力を持ってしまったという米国には不都合な事実だった。
委託生産することで中国への技術移転が加速し、中国は単なる機械や製造装置だけでなく半導体やコンピュータ・制御機器などのハイテク産業も急速に成長させてしまった。


トランプ関税は何を変えるのだろう?

グローバル化で一番儲かったのは米国のグローバル企業だろうが、世界最大の生産基地となった中国もグローバル化の勝ち組だった、ここが問題だったのだろう。
トランプ関税によって勝ち組の米巨大IT企業もサプライチェーンの組み換えが要請されているわけだが、彼らはいわば「頭脳」だけを持つファブレス企業(工場を持たない)で、その手足となる生産企業が中国企業群だ。

次の時代でも「頭脳」の企業は新しい価値を創造する、これは変わらない。
米巨大IT企業すべてが次の時代のリーダーとなるのかは分からないが、「頭脳」企業は「頭脳」企業であり続けると思う。

一方、生産委託を担当する「手足」企業は簡単に交替してしまう、トランプ関税はこれを目指してるのだろうと思う。
だからこそ、中国は2025年を最終年とする「製造2025」、2049年に向けた建国「100年計画」を着々と実行してきた。
一部の分野では中国企業が欧米企業並みの台頭、手足企業が「頭脳」企業に変身しようとしている。
しかし、BYDの躍進にしても中国政府の巨額補助金によるところが大きく、補助金抜きでどこまで成長できるかはこれからの問題だ。
BYDは補助金があるうちに世界シェアを高める戦略だろう。


「頭脳」となる巨大IT企業は、サプライチェーンを作り直し復活する。
また、トランプ関税が重くのしかかる生産・流通段階でも多くの革命的な変化が出てくる。
それでも、モノの流れ、資金の流れは米国中心のネットワークと中国中心のネットワークに分断され、両ネットワークはお互いに対立したままなのだろうと思う。
その構造を決めようとしているのがトランプ政権なのだろう。




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親子上場の問題、東証の矛盾(3)

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親子上場問題は「少数株主の権利を守る」点からも東証も気にしている。
投資家は親子上場と聞くと、すぐに「100%子会社にして非上場する」と考え、株価を大きく上昇させると期待する。
でもそうなるとは限らない、ということで「親子上場の問題、東証の矛盾」ブログを2回書いた。

ちょっと間があいてしまったので、2回を要約しておくと・・・
①親子上場は日本の特殊な株主関係だが、必ずしも「悪」とはいえない。
②子会社上場で資金調達ができること、その資金と成長投資に使い企業の業態変貌してきた。
③子会社上場後、資本関係が薄くなってもケイレツがあり強固な企業グループを維持できた。


親子上場は特殊な日本型の企業支配で、子会社を設立し新規事業を開発し、この事業が大型化すると子会社を上場し、その子会社が成長し親会社の乗り越えていくというパターンがよく見られる。
しかし、株主価値から見れば、子会社の上場は企業価値の棄損になる。

簡単な例で見てみよう。

100の価値を持つ親会社から、ある部門がスピンオフし子会社になり、そしてこの会社が成長し60の価値を生む、持ち分50%の上場会社が誕生するとしよう。

上場前は100%株式を保有し「フル連結」ならば、企業価値は合計100∔60で160になる。
しかし上場すると、親会社の価値100∔子会社の価値60-少数株主持ち分(50%)=130となり、グループの価値は160にはならず、少数株主持ち分を差し引かれた130にしかならない。
これが子会社をグループ内にとどめた場合と、子会社を上場させた場合の違いだ。


この逆に親子関係を整理することで企業価値が大きく増やしたのが日立製作所だったと思う。

昔の日立製作所は典型的な連結経営で、御三家と呼ばれた日立化成・日立金属・日立電線をはじめ多くの優良子会社(上場している)を有していた。
このグループ連結経営は、失われた20年と呼ばれた時代、総合型経営のコングロマリット・ディスカウントという問題に直面してしまった。
そこで非効率な連結経営から脱し、子会社の独立を促すとともに企業価値をグループ内で最大化する戦略を取った。
日立化成はレゾナックとして独立し、日立金属も日立電線を吸収合併してプロテリアルとして独立した。
この子会社独立で日立本社は成長分野に集中てき大きく発展できた(もちろん株価も大きく上昇)。


必ずしも「親子上場は諸悪の根源」というわけではない。

投資家には株価期待が生じやすいが、親会社のよる子会社の買収と非上場化を単純に考えることはできないし、必ずしも株価上昇につながるとは限らない。
それぞれの企業がグループ価値の最大化を考えて子会社を売却する場合もあるだろうし、100%子会社に戻して非上場化する場合もあるだろう。
また、親子上場のまま独立した経営を目指す場合もあるだろう。


いずれにしても非効率なコングロマリットディスカウントから脱し、それぞれが独立したシャープな経営を目指す、これは肥大化した大手企業にとって大きなプラスになるはずだ。

それにしても日本には巨大な親子上場がゴロゴロしている。
典型的なのは郵政グループ、ソフトバンクや楽天グループ、その他たくさん・・・
これらがどう整理されていくのか、これは株式市場の大きな課題なのは間違いないし、当ブログでもウォッチしていきたい問題だ。




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グローバル化の曲がり角(2)中国のデフレ輸出

一帯一路









マネックス証券の広木氏は「トランプは失敗した。中国は米国以外の国と強い関係を作る。米国は世界から孤立する」という。
習近平がEUと会談しトランプ関税の反対陣営を作ろうとしたり、東南アジア各国首脳と接触しトランプ関税への対抗策を検討する。
中国はトランプを世界で孤立させ、米国以外の主要国で貿易圏を作ろうとしている。

広木氏は、「トランプ1.0の頃から中国は対策を練ってきた。米国向け輸出は全体の25%から14%に低下し、外貨準備も米国債を大幅に減らし金保有を増やしてきた。準備万端でトランプ2.0では米国に勝つだろう。」

エッ、マジ???
本当にそんな事がアリエルのだろうか?
3つの視点がある。

①中国製品の最終的な出荷先は米国しかない説

中国企業は米国との摩擦を避けるために直接輸出は減らしてきた。
しかし、多くの中国企業がベトナムやタイ・インドネシアに進出し製品を組み立て米国に輸出する。
これらはすべて広義の中国製だ。

3億人の人口を持ち、一人当たりGDPが8.27万ドルもある国は米国しかない。
欧州各国は5~6万ドルの一人当たりGDPがあるが、一国の人口は少ない。
この巨大な購買力を持つ米国、この国以外で中国製品をガブ飲みできる国はどう考えてもない。
EUは所得が高いが人口は少ない、東南アジアは人口は多いが一人当たりGDPは2万ドル以下の国がほとんどだ。
中国製品を買ってくれる国は欧州の一部とアジアの高所得国(韓国や日本)ぐらいだろう。


②中国の過剰生産能力がヤバい説

中国の越境EC、TemuやSHEINが、異常な格安価格で米国に大量に販売してきた。
これらの越境ECは中国の製造会社の余剰生産を格安で海外客に販売するビジネスモデルだ。
特に米国は小口貨物の関税免除があるので、個人の小口ECが大きく伸びた。

しかし、トランプ関税でこの越境ECモデルは終了する、米国が関税免除をしないからだ。
こうした格安価格で米国内で販売できない。
そこで越境ECは韓国をターゲットにし、600ℓの2ドア冷蔵庫が5万円台、60インチのプラズマTVが10万円台と格安価格で売り出す、サムスン家電をぶっ潰そうとしている。
越境ECは著作権や特許権・ブランドを無視して販売するので、欧州や日本では受け入れが難しい。
どこまで伸びるかは未知数だが、その背後にある中国の過剰な生産能力が問題になる。


③輸出ドライブができない中国はヤバい説

深刻な不動産不況で過剰な不良在庫、返済が滞った過剰な融資、そしてトランプ関税によって明らかになる過剰な生産能力、三つの過剰が中国経済を克服する必要がでてきた。

昨年はこの輸出ドライブでGDPの成長率を目標の5%程度に維持できた。
しかし、この1~2月はトランプ関税前の駆け込みで輸出が増えたが、今後は一気に対米輸出が減少していくことになる。
内需が低迷している局面での輸出減少で、この三つの過剰問題が深刻化するのは間違いなさそう。


中国のデフレ状況は変わらないどころか、深刻化するのではないかと思う。
おそらく、韓国でやっているような安値輸出が今後は日本でも欧州でも増えてくるだろう。
これは日本の国内企業の多くにとって「悪夢」だ。
これもまたグローバル化の逆流といえる。

米中交渉はこれからスタートするが、習近平がトランプに平身低頭な態度でスリスリするとは思えない。
メンツを重視する中国にあっては、そのスリ寄る姿勢は政治生命を脅かす。
どうなることやら・・・



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グローバル化の曲がり角(1)トランプ関税

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トランプ政権に対して、「学問的な論理から外れている」「朝令暮改で信用できない」「関税政策は失敗する」「トランプは失敗する」・・・様ざまな見方が噴出している。
しかし、筆者はトランプ政策を過小評価すべきでないと考えている。
確かに関税ではやりすぎな感じも強いし、世間の反感を持つ場合もあるだろう。
でも、その本質は大きな時代の変化を引き起こす可能性で、ここに重要な示唆があると考えているからだ。


過去30年に進んだグローバル化は、自由な貿易と自由な資金移動を前提とした生産ー販売システムだった。
グローバル化により企業は国家が決める国境を簡単に乗り越え、最適な場所で生産された製品を最適な場所で販売することが可能になった。
そのためにはモノが自由に国境を越えて動けること、もう一つはその決済のためのカネが自由に移動できることが必要だった。
グローバル化と、モノの自由(自由貿易)・カネの自由(資金移動の自由)は一つのパッケージのようなものだった。

トランプ政権は関税を使って各国の国境を高くし、モノの自由な貿易を制限しようとしている。
これは過去30年のグローバル化に対して明らかな反グローバル化、さらには地産地消をベースとしたリージョナル化を進めようとしているように見える。
トランプは盛んに米国内への生産シフトを主張しているのは、グローバル経済からリージョナル経済を重視しているともいえるからだ。


この地産地消型の経済モデルが定着していくと、今までとは世界が変わる。
それぞれの国が自分たちの価値観に基づいて生産し消費する、その結果地域の価値観を重視した社会が作られる。

評論家は今さら米国に生産を戻したところで、人件費が高く競争力のある製品は生産できないという。
ある意味、その通りだろう。
人件費の高い米国で今までと同じようなやり方でやっても無理だろう。

しかし、ロボットがロボットを作り、ロボットがモノを生産していく、そしてAIが生産ライン全体を最適化していく・・・近未来の工場が普及したら?
人手は限られる、人件費も限られる、生産はほぼ無限大にできるというシステムが登場する。
十分に地産地消型の経済を作ることは可能だろう。


トランプ関税は、もしかしたら、地産地消のリージョナル経済重視へと世界経済を動かしていく契機になるのかもしれない。
グローバル化は絶対的な価値ではない。
グローバル化の結果、米国内でも大きな分断ができ、世界でも一部先進企業と中国の製造業が急速に発展した一方、多くの伝統的企業は時代に取り残された。
世界の至る所で貧富の差が拡大し、最貧国は目も当てられない悲惨な状況に陥った。

関税政策の是非は大きな議論なのだろうが、これは是非だけの問題ではない。
世界の方向が大きく変わるキッカケなのかもしれない。




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親子上場の問題、東証の矛盾(2)

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東証は親子上場に関して「少数株主の権利を守る、そのための必要な開示を親会社に求める」という投資家のアンケート結果を公表した。
株式市場という公共財を多くの投資家にとって魅力のある場所にするのは良い事だが、問題は「東証が親子上場を認可してきた結果が、親子上場ばかりの市場を作った」という自己矛盾だ。

前回のブログで書いた要点は、①日本企業は時代に合わせて業態変貌して発展してきた、②その業態変貌は子会社によって行われた、③子会社を上場し調達した資金を使って成長してきた、という3点。
いわば、親子上場することで日本企業の新ビジネスを開拓し成長してきたともいえる。

なので筆者は必ずしも欧米型の株式市場がいいとは考えていない。
日本の企業社会が日本型の株式システムで成長してきたことも歴史的な事実だからだ。
とはいっても現代のグローバル化時代で、国際的に認められた株式市場が今後の発展の基礎であることは間違いない。
日本型と欧米型の企業ガバナンスをどう折り合いをつけるかが重要なのだろう。


前回は「資金力の乏しい時代、親子上場はファイナンス(資金調達)手法」だったことを取り上げた。さらに今回は「株主ではなく、人のつながりによる企業支配」と言う問題点を取り上げてみたい。

日本の産業を引っ張ってきた財閥を中心に構成された企業グループ、「ケイレツ」と呼ばれたビジネス関係が特徴だった。
このケイレツ関係は必ずしも株式保有を元にした企業統治ではなかった。
親会社がケイレツ関係を利用して役員を送り込み、親会社の政策をケイレツ会社に浸透させた。
こうして企業ケイレツ・グループを形成していった。

親子上場はこうした日本独自の企業統治が背景にあったように思う。
つまり、子会社上場によって株式を売却し、子会社は公募増資で資本を調達する、すると、子会社の株式保有比率が低下し、その分、グループ全体の企業価値は棄損する。
しかし、グループ内の「人のつながり」で親会社が子会社の役員人事を握り政策を決定できる支配構造は変わらない。
これが親子上場を増やした要因の一つだと考えられる。


日本型の親子上場はどんどん増え、株式ではよく見られる、ごくごく普通の状態になってしまった。
しかし、この企業支配の構造は、上場子会社の少数株主を完全に無視したものでもある。
この問題点にメスを入れたのが海外投資家だ。
彼らにとってはこの日本式のガバナンス構造は異常に見えた。
海外投資家からみれば、コーポレートガバナンス=株式保有関係であって人間関係ではないからだ。

株主権利を重視した日本企業の統治構造を変える、これは欧米流に考えればあたりまえの事だ。
多くの日本代表的な大企業で親子上場は見られる。
これをきちんと整理すべき時代に入っているのかもしれない。

次回に続く・・・




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親子上場の問題、東証の矛盾(1)

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東京証券取引所(以下、東証)は2月4日に「親子上場等に関する投資家の目線」を公表した。
その中で・・・
現状のグループ経営や少数株主保護に関する取組み・開示について「依然として大部分の事例で、親子上場の形態をとる意義について投資者の目線を踏まえ た検討が行われていない」、「投資者が期待する開示内容とギャップが生じている」
・・・と指摘されているとした。

子会社を上場させ実質的支配権(50%超の株式い保有、子会社役員人事など)を親会社が持つ場合、子会社の少数株主権利が守られているのか?という問題点だ。

と言いながら、東証はJX金属のIPOを認め、この3月に上場した。
JX金属はENEOSの100%子会社だったが、57%の株式を売却し上場後の保有株は43%になった、ここが微妙なところ。
もし上場子会社の過半数、あるいは絶対支配の6割以上を親会社が保有していたとすれば、完全な親子上場になってしまうからだ。
しかし、株式の過半数以下の親会社であっても、親会社の指示下にあったり、多くの役員が天下りするような場合は実質的な支配権を持つ、実質的な親子関係になる。

東証は「自分が認可したIPO」と「少数株主の保護」という矛盾に直面しているように見える。
親子上場を問題視するならば、子会社上場に一定の歯止めをかけるべきだろう。

この点には東証の組織的な問題を含んでいると思う。
IPOは証券会社の収益源で、証券会社は株主問題を顧みず「大型親子IPO」を進める。
東証の会員は証券会社なので、東証は会員証券を無視できないということだ。
これが東証を自己矛盾に陥らせている。


筆者は親子上場には歴史的な「日本型の企業発展と企業統治」という背景があったと考えている。
欧米型の株主論とは一線を画した事情は考慮されるべきだと思うからだ。
そこで親子上場の歴史的な背景を考えてみたい。


第一に、親子上場は「貧しい頃の日本のファイナンス手法」だった。

日本企業は「業態変貌」を繰り返して成長してきた。
古河グループが典型的だが、銅鉱山から始まり、機械製作をする古河機械金属、電線や素材事業を進める古河電工、大型電気機器の富士電機、通信をリードする富士通と業態変貌を繰り返し、さらにロボットの富士通ファナック(現ファナック)へと時代に合わせて発展してきた。

この業態変貌を金融面で支えたのが「子会社上場」で、株式の50%を維持し経営支配権を維持しながら上場して、株式売却と公募増資で資金を得る、これが次の成長につながった。
これが歴史的に日本企業社会を大きく成長させた原動力になったといえる。

しかし豊かになった日本でも踏襲されている、これが問題なのだろう。
ソフトバンクGは通信部門だったソフトバンクを上場させたし、多くの企業が部門のスピンアウト、子会社を上場させて資金調達を行ってきた。
政府の民営化方針で日本郵政が民営化上場されたが、ついでにゆうちょ銀行やかんぽ生命の子会社も上場し、典型的な親子上場になってしまった。
親子上場は「企業の部分売却」であり、その分企業価値を棄損させるという現実も無視できない。


第二の問題点は「人のつながりで経営する」こと、株主の権利がその分棄損される。

次回に続く・・・


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「トランプ・プットはない」って

S&P500益回りと米10年債利回り
S&P500益回りと10年金利202503
















「トランププットはない」と明言した財務長官ベッセント氏、一時的には景気悪化があっても「デトックス期間だ」として中毒状態から脱出する必要な期間だとした。
米国の一時的な景気後退はありえると発言した。

そもそもこのトランプ政策は最終的に近隣窮乏化政策だ。
高関税とドル安政策により米国企業を刺激し、脱退をほのめかし国際機関への負担を劇的に縮小させる、パウエルFRBに圧力を掛けて低金利を実現する、と同時に各国には各地域で自分のおカネで全部やれと言う。
近隣各国では増える財政負担で長期金利が高止まりするし、その金利負担が近隣国の景気にはマイナスになるだろう。
ドイツ株を買っている場合じゃないのかもしれない。


上のグラフはいつも使っているS&P500の益回りと10年債利回りだが、ここまで両者がカラミ合うよう状態から変化し、益回りが上昇し(PERが低下)10年債が下落(利回りが低下)している。
益回りと長期金利の差が開き「両者関係の正常化」が始まっているようだ。
その正常化のプロセス=バリュエーションの調整で株価は下落する。


問題は単なるバリュエーション調整なのか、リセッションに向けた本格調整なのか?

下の表は株式指数のEPSを比較したものだが、米企業決算はすでに終了しているので、この3月数字はアナリストの予想変更が反映されている。
この3月の数字ではNYダウこそ3カ月前比∔12%と堅調だったが、S&P500は∔1%と伸び率が停滞、NASDAQもラッセル2000も伸び率が下方修正されている。

アナリスト予想の停滞感が反映されているとしたらトランプ懸念が投影された数字といえなくもない。
それでも3か月のEPS変化はまだまだプラス!
景気後退というのは早すぎる!

株式のバリュエーション調整はS&P500のPER20倍割れで一巡するだろう。
その後のEPS低下(景気悪化)が起こるかどうかだが、現段階ではまだまだ「懸念」の段階で全く起こってはいない。
それがなければ、S&P500のPER20倍は一度買ってみる株価水準だろう。
それにしても今後のEPS推移をよく見ていく必要があるのは言うまでもない。


米株価指数の1年先予想EPS推移
NYダウ Q/Q S&P500 Q/Q NASDAQ Q/Q R2000 Q/Q
2025年3月 2181.54 12.0% 272.82 1.0% 802.6 4.9% 89.38 13.7%
2025年2月 2156.93 9.3% 268.66 11.4% 778.95 15.2% 92.11 35.2%
2025年1月 1961.99 -2.8% 277.43 13.5% 808.73 20.3% 86.55 23.1%
2024年12月 1948.6 -3.9% 270.2 12.8% 764.85 19.4% 78.6 13.2%
2024年11月 1973.35 -1.9% 241.21 0.0% 676.11 2.4% 68.11 -5.9%
2024年10月 2017.76 -1.9% 244.52 -0.5% 672.4 -2.7% 70.31 -10.7%
2024年9月 2028.43 -1.5% 239.63 -2.7% 640.74 -5.4% 69.41 -15.1%
2024年8月 2012.01 -4.2% 241.16 -2.7% 660.49 -4.1% 72.36 -15.6%
2024年7月 2056.18 -1.0% 245.79 -0.3% 691.02 2.3% 78.71 -12.4%
2024年6月 2058.3 -1.3% 246.18 0.5% 677.4 12.3% 81.75 -3.0%
伸び率は3カ月前比



相場テクニックとして「酒田五法」格言をはじめ、相場格言の現代的活用や実戦のための本
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高配当ファンドは出遅れ(3)利回り比較

Jリート分配金利回り、10年国債利回り
Jリート利回りと10年金利202502
















高利回り投資をするのは、二つの視点が必要になる。
一つは利回り水準、もう一つはボラティリティ

投資家にとって利回りが良い方がいいに決まっているが、気をつけるべきなのはその高い金利・配当・分配金が続くのかどうかだろう。
利回りが高くでも価格のボラティリティが高く、たとえば5%の配当をもらっても10%値下がりしたら実質的に5%の損失になってしまうからだ。

この意味でボラティリティにも2種類ある。
一つは価格ボラティリティで、利回りが高くでも価格が大きく下がるようなら損失が出る。
この価格ボラティリティが重要なのは直感的に分かるが、もう一つのボラティリティはもっと重要だ。

それは原資産の収益ボラティリティだ。
いくつか例を挙げると・・・

債券ならば金利は決まっているので、原資産の収益ボラティリティは非常に低い。
一方、株式は一定期間の純利益から配分されるので、その純利益次第では大きく変化する。
不動産投信は不動産の賃貸料から分配金が決まるので、株式よりもずっと安定している。
インフラファンドは太陽光発電などで得た電力は売却して分配金を出すのでかなり安定度は高いが、売電価格が政治的に決まるのでそこにボラティリティがある。

まずは代表的な資産・商品の利回りを上から順に並べると・・・・
                  年利回り    収益ボラティリティ
・カナディアンソーラー(9284) 8.75%   中程度(短期) やや高い(長期)
・商船三井(9104)       6.11%   高い
・日本都市ファンド(8953)   5.90%   中程度(短期、長期)
・JFE(5411)        5.56%   やや高い
・大和ハウスリート(8984)   5.46%   中程度
・JT(2914)         5.21%   中程度
・INPEX(1605)      4.78%   やや高い
・日経高配当50          3.36%   中程度
・日本高配当アクティブ       3.14%   中程度
・日本40年国債          2.63%   低い
・日本30年国債          2.34%   低い
・日本10年国債          1.42%   低い
・日本5年国債           1.05%   低い
・日本2年国債           0.81%   低い

こうして利回り水準を並べると、0.8%から8.7%まで様々だ。
ここからの銘柄選択は個人の自由だが、基本は利回り水準とボラティリティを組み合せで選択すべきだろう。




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高配当ファンドは出遅れ(2)インフラファンドは底入れ?

東証インフラファンド指数
東証インフラファンド指数202502















東証インフラファンド指数は、最も高い配当を得られる投資対象だ。
時価総額が小さく機関投資家には向かないが、その分、圧倒的に高い利回りが魅力だ。
大手ファンドの利回りは、カナディアンソーラー(9284)で8%利回り、第二位のエネクス(9286)でも8.5%の利回りだ。

昨年後半にこのインフラファンドが大崩れしたことで、高利回り株に対する警戒感が市場に広がったように思う。
この時期、世界中のリートが下落したり高配当株がダラダラとしたり、高利回りに対する投資家意識が大きく低下してしまった。
そのバローメーターがインフラファンド指数だったのかなと思う。

当ブログでも何回か取り上げたが、そのフォローアップも含めて再度見てみたい。

インフレファンドは太陽光発電設備などに投資し、発電した電力を大手の電力会社に売却することで得たリターンを投資家に配分する。
二つのネガティブ要因があったと考えている。

一つは当初40円/kwhでスタートした売電価格がどんどん下がり10円台に引き下げられたことだ。
この売電契約は20年という長期なので2030年初頭までは過去の好条件の契約が残っているが、年数が経過するのにつれて平均売電価格がどんどん低下し、業績にはマイナス要因となってくること。

もう一つはトランプ政権の登場で環境投資への期待が低下し、関連の自然エネルギーへの投資も減ってきそうなことだ。
これはトランプ政権の4年間は続きそうで、日本でも太陽光発電への投資は熱が冷めた状態になるかもしれない。

ちょうど最大手のカナディアンソーラーが決算を発表したので、その決算数字を見てみたい。
現段階は比較的堅調な分配金予想になっている。

            純利益   分配金
24年12月期    14.5億円 3301円
25年 6月期    13.1億円 3281円
25年12月期(予) 14.1億円 3227円
26年 6月期(予) 14.5億円 3309円


昨年の自社株買いで11575口を取得し発行株数を2.5%減少させたので、その分一口あたりの分配金は増加している。
ここ2年程度の短期では分配金レベルは維持されているので、短期的に9%の利回りを確保することはできそうだ。
しかし、新NISAのような10年~30年という期間で投資しようとすると、2030年以降は分配金に不安感が消せない。

いずれにしてもここまで売られたインフラファンドは短期的には買いなのではないかと思う。
インフラファンドが下落しているような状況では高配当株を買いにくいといえる。
インフレファンドの底入れが高配当株への投資家意識を変えると思う。



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高配当ファンドは出遅れ(1)SP500配当貴族

S&P500配当貴族指数
SP500配当貴族指数202502















過去1年、なんか配当投資のパフォーマンスが悪かったような気がする。
東証でも代表的なインカム商品である、インフラファンドやJリート指数が大きく損失を出した。
これは海の向こうのアメリカでも同じだった。
上のグラフはS&P500配当貴族指数だが、23年末から直近25年2月までのパフォーマンスが+9%で、S&P500の∔28%を大きく劣後した。

配当よりも成長を目指し、GAFAMやNVDAに投資資金が集中した。
その過剰な成長期待の中で高配当株は地味過ぎたのかもしれない。
高配当パッシングともいえる1年で、成長株に集中しすぎた反動局面も視野に入れるべきだろう。


配当貴族指数の日米比較をすると・・・
          上昇率    PER     配当利回り
S&P500配当貴族 + 9.1% 19.85倍 2.44%
JPX配当貴族      ∔22.1% 11.27倍 4.03%

日本の配当貴族指数は23年末から直近までで∔22%と米国の配当貴族指数を大きく上回った。
しかも、PERも11倍と低く、配当利回りは4%と高い。
両者を比べてみれば、日本の高配当株が魅力的なのは明らかだろう。

AIなどの技術革新に湧くグロース株に比べて高配当株は地味で、普段はあまり話題にもならない。
でも日銀が必死になっている金利正常化の中で長期金利の上昇に対して不利なはずの高配当株だが、十分に投資妙味が高いと思っている。

日銀の金利引き上げスタンスで10年金利が30bp以上1.4%に上がったが、この水準は次の25bpの利上げをほぼ完全に織り込んだ水準だといえる。
10年金利が織り込み済みという認識が広がれば長期金利が安定してくる。
その時には再びインカム投資が意味のあるものになるだろう。




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米国株、決定打が出ないなぁ

S&P500益回りと10年債利回り
SP500益回りと10年金利202501















米企業の10-12月期決算もおよその輪郭は見えてきた。
各株価指数の1年先予想EPSの変化は下の表のとおり。

このところ増額修正が続いてきたS&P500とNASDAQはちょっと伸び率が鈍化。

S&P500の1年先予想EPSは277から268ポイントへ若干低下、3か月伸び率も∔11%とややスローダウン。
NASDAQも808から778ポイントへ若干低下、3か月伸び率も∔15%にスローダウン。
おそらくアップルやテスラなどの一部GAFAMの予想EPSが伸びなかったことが決め手になったのかもしれない。

一方、大型優良株NYダウと小型株のラッセル2000は予想EPS伸び率を加速。

過去3か月の変化は、NYダウ+9.3%、ラッセル2000+35.2%だった。
NYダウではIBMの好決算、GSやJPモルガンなどの銀行株の好調が影響したようだ。
ラッセル2000の要因はよく分からないが、小型株中心の個別要因だと思われる。

各株価指数の1年先予想EPS、その3か月前変化率
NYダウ Q/Q S&P500 Q/Q NASDAQ Q/Q R2000 Q/Q
2025年2月 2156.93 9.3% 268.66 11.4% 778.95 15.2% 92.11 35.2%
2025年1月 1961.99 -2.8% 277.43 13.5% 808.73 20.3% 86.55 23.1%
2024年12月 1948.6 -3.9% 270.2 12.8% 764.85 19.4% 78.6 13.2%
2024年11月 1973.35 -1.9% 241.21 0.0% 676.11 2.4% 68.11 -5.9%
2024年10月 2017.76 -1.9% 244.52 -0.5% 672.4 -2.7% 70.31 -10.7%
2024年9月 2028.43 -1.5% 239.63 -2.7% 640.74 -5.4% 69.41 -15.1%
2024年8月 2012.01 -4.2% 241.16 -2.7% 660.49 -4.1% 72.36 -15.6%
2024年7月 2056.18 -1.0% 245.79 -0.3% 691.02 2.3% 78.71 -12.4%
2024年6月 2058.3 -1.3% 246.18 0.5% 677.4 12.3% 81.75 -3.0%
2024年5月 2100.8 0.7% 247.96 10.8% 688.9 15.8% 85.75 16.8%
2024年4月 2077.1 14.6% 246.65 11.5% 675.44 15.8% 89.87 23.5%

一番上のグラフで見られる通り、S&P500益回りと10年債利回り水準が接近し、株価の割安感が消滅した状態が12月から続いている。
株式市場は債券と比べた割高感と今後の成長期待の微妙なバランスの中で動いているといえる。
この益回りと10年金利がカラミ合ったどっちつかずの状態は、今後、どうなるのだろうか?

ポイントはEPSの成長期待だ。
EPSが大きく伸びてくれば、長期の成長期待が割高感を凌駕して株高トレンドになる。
その一方、10年金利が上昇し金利懸念が強まったり、EPSが低下すれば株下落トレンドになる。
その分岐点にあると考えているが、今のところ、決定打が出ていない。


難しいのは景気が予想より良ければEPSが増加するが、金利は上昇してしまうこと。
逆に景気が悪化すれば金利は低下するが、EPSも低下してしまうことだ。
この景気と金利のバランスを見るのが難しい。

株高か株安かの結論がどう見えてくるのか、これからもよく見ていきたい。



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割高感ー業績期待の均衡、どっちにブレークする?

SP500益回りと10年金利202501
















2025年の米国株、2000年初頭以来四半世紀ぶりの割高水準からどう動くかがポイントだ。
この割高水準を正当化するのには①EPSの増加、②長期金利の低下という二つがあるのだが、現在の長期金利は高止まり、4.6%で推移している。
というわけでEPSがどれだけ伸びるかが勝負だが、現段階では予想以上にEPS伸び率が高まっている。

下の一覧表は主要指数の1年先予想EPSと3か月伸び率を比べたものだ。

この3か月でSP500で+13.5%、NASDAQで+20.3%、ラッセル2000でも+23.1%とこの三指数では二けたのEPS増加が見られる。
2025年を通じてこの傾向が確認されれば、四半世紀ぶりの割高もかなり解消されてくることになるかもしれない。

各株価指数の1年後予想EPSと3か月伸び率
NYダウ Q/Q S&P500 Q/Q NASDAQ Q/Q R2000 Q/Q
2025年1月 1961.99 -2.8% 277.43 13.5% 808.73 20.3% 86.55 23.1%
2024年12月 1948.6 -3.9% 270.2 12.8% 764.85 19.4% 78.6 13.2%
2024年11月 1973.35 -1.9% 241.21 0.0% 676.11 2.4% 68.11 -5.9%
2024年10月 2017.76 -1.9% 244.52 -0.5% 672.4 -2.7% 70.31 -10.7%
2024年9月 2028.43 -1.5% 239.63 -2.7% 640.74 -5.4% 69.41 -15.1%
2024年8月 2012.01 -4.2% 241.16 -2.7% 660.49 -4.1% 72.36 -15.6%
2024年7月 2056.18 -1.0% 245.79 -0.3% 691.02 2.3% 78.71 -12.4%
2024年6月 2058.3 -1.3% 246.18 0.5% 677.4 12.3% 81.75 -3.0%
2024年5月 2100.8 0.7% 247.96 10.8% 688.9 15.8% 85.75 16.8%
2024年4月 2077.1 14.6% 246.65 11.5% 675.44 15.8% 89.87 23.5%

S&P500のPERは予想の上方修正で、一時の24倍から21倍へと低下してきた。
益回りでは4.6%と、ちょうど長期金利を同水準だ。
ここがポイントで、これ以上長期金利が上昇するならば「株式の割高」は一段と高まる一方で、S&PとNASDAQについてはEPSの増加で割高感を薄める。


現在はちょうど均衡点にあり、割高感とEPS増加がバランスしている!

今月20日にはトランプ大統領の就任、そして現実的にトランプ政策が動き出す。
いくつかのポイントを考えてみると・・・

①ウクライナ戦争が即時停戦するならば株価には上昇要因。
 平和の配当が作用するのか、ウクライナの戦後復興資金で欧州金利が上昇するのかが注目。

②過激な関税を貿易赤字が多い国に即時適応するならインフレ期待で債券は下落要因。
 関税が一段と上昇すれば、米国内でのインフレが再燃し長期金利は上昇に拍車をかける。
 しかし、これは普通の読み筋であり、相当分織り込まれている。

③トランプ減税を継続すればプラスだが大きな変動はない。
 それ以上にイーロンマスクの財政赤字削減が効いてくれば、長期金利を安定化させるかもしれない。

④移民政策で即時強制送還を決めるならば人手不足で雇用にはマイナス影響。
 米国の雇用がタイト化すれば、長い目で見ればインフレ要因で長期金利を上昇させる。
 短期的には雇用の安定を壊すほどではない。

複雑な要因が絡み合い簡単な結論は出ないが、概ねトランプファクターは市場に織り込まれている。
2025年はいきなり重要ポイントに直面するが、意外と市場は冷静なのかもしれない。




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クロージング・オークション、東証の失敗!?

JPX











11/10のブログで「取引時間延長はいいが、引値の板寄せはリスキー」を書いた。
その後も引け値の状況を見ていて、「やっぱり、危険」と思う。

11/29はこのクロージング・オークションが導入されて最初の月末取引だった。
引値だけでも投信の基準価額を計算するために投信の設定/解約の売買が持ち込まれる。
それに加えて機関投資家にとって月末値はパフォーマンス計算の基準値で、多くのファンドマネージャーたちが引値の上下で一喜一憂する。
3か月連続でベンチマークに負ければ顧客から解約通知を受けるケースもあるからだ。

月末の引値はそれだけ重要で神経質な問題だ。
ファンドマネージャーによっては保有銘柄の引値を持ち上げる(ドレッシング)、インデックスの変更があればその銘柄を集中売買、いろいろな事情のイベント売買が発生するのも月末恒例行事だ。

月末引値の危険度はクロージング・オークションで増幅された。

大和証券と野村證券で11/29のクロージング・オークションの危険度を検証してみよう。

          大和証券      野村証券
引値        1005.5円   901.4円
引値売買高     118万株     356万株
ザラ場最終値    1010.5円   898.3円
一日の売買高    279万株     1157万株
VWAP値      1007.6円   897.6円
(VWAPは出来高加重平均値)

証券業界の両雄であり基本的には同じ方向に動く両社株だが、この11月末のクロージング・オークションで引値は反対方向に動いた。
大和証券はザラ場最終値1010.5から引値1005.5と5円下落(0.49%の下落)に対して、野村證券は898.3から901.4と3.1円上昇(0.34%の上昇と反対に動いた。
この両社でロングショートを組んでいれば、クロージング・オークションだけで1%近い利益になったわけだ。
おそらく、クロージング・オークションで野村買い/大和売りを仕掛けた人がいる。

さらに問題なのはクロージング・オークションでの売買高だ。
大和証券では引値売買高が一日の売買高の42%と異常に大きく、野村證券でも引値売買高が31%と占めた。
朝9時から午後3時25分までの売買は何だったのだろうという感じ。
この売買高の大きさは、引値で売買したい投資家が多い、さらに引値を自分のポジションを有利にする方向で動かしたことを示している。

もう一つ問題なのは証券自己の引値関与で、以前は3時10分前から自己の発注は禁止されていた。
これがクロージング・オークションとなったことで、公平な引値形成ができる(東証の説明)として証券自己もオークションに参加できるようになった。
これも引値売買を増やし、株価操作を容易にする要因になっているはずだ。

今回の例は大型株の証券株だが、品薄株(もともと売買高の少ないプライム市場株)は価格への影響がもっと大きいはずだ。
「ザラ場にない安値引け」は、朝9時から3時25分までのザラ場(通常売買)になったような安値で引けたと言うことで、何か異常な売買が入った証拠とされる。
この11月末も「ザラ場にない安値引け」した銘柄が散見された。

引値操作が自由にできる板寄せ方式には非常に問題が多い。
東証の説明のような公平な制度では全くない。
「クロージング・オークションはリスキー」とあらためて言いたい。




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NHKの「絶対儲かるは詐欺」

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NHKで「絶対儲かるは詐欺」として、特殊詐欺の撲滅運動を展開している。
これは多くの投資家にとって重要な事だと思う。

むかしむかし、大学卒業後証券会社に入社した時、新入社員全員が「証券外務員試験」を受験した。
これは全新入社員が合格しなければならない必須の資格だった。
そこで「証券取引法(今は金商法)」「証券会社の免許条件」「証券セールスの心得」を勉強する。
その中で強く言われ、印象に残っている言葉が「絶対的勧誘の禁止」という項目だ。

絶対的勧誘とは「絶対儲かります」とか「今が買い時です」とか「絶対損はさせません」などのセールストークで、こうしたセールスや勧誘が禁止行為にあたる。
なぜ、禁止行為になっているか?

「絶対儲かります」と言われれば、多くの人がその勧誘に乗っかっておカネを出してしまう、だから、禁止行為になのだは・・・
もし、この言葉を詐欺師が使ったら「絶対儲かる」と言われた投資家は簡単に詐欺に引っかかる。
儲けたい投資家は誰でもこの言葉に弱い。
「絶対儲かります」は魔法の言葉だ。

だからこそ、NHKも詐欺撲滅運動で「絶対儲かるは詐欺」とキャンペーンを展開しているのだろう。

投資ブログを見ていても、気になる「詐欺的なブログ」も多くある。
たとえば、あるブログでは毎日の取引結果を開示しているが、ほぼ毎日∔数十万円から数百万円のプラスになっている。
このブログでは誰でもできる数値による取引スキームがあるとしているが、肝心な部分は「ブラックボックス」になっている。
「詐欺」とは言わないが、「詐欺的」であることは言える。

投資家が普通に接する「投資情報」や「投資手法」、その中にも「詐欺的な」モノが紛れ込んでいるだろう。
もちろん、有名人の名を使って「絶対、儲かります」は典型的な「詐欺」だと分かるが、そこまで明確に「詐欺」と言えなくても「詐欺的」な情報やサイトは多い。
特に高齢投資家は気を付けなくては・・・



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米4-6月期企業収益、変調の兆し?

NASDAQのEPSと長期金利(10年)
NASDAQEPS202408
















米国は4-6月期決算発表の途中だが、NASDAQ銘柄は徐々に発表が進み、予想EPSが修正されてきている。
通常この時期は今年半期の結果が出るとともに1年先の予想も修正される。
四半期決算では実績よりも予想EPSがどう変化するかが一番投資に役立つ。

1-3月期は好調な売り上げと利益で予想EPSは大きく上方修正されたが、この4-6月期は何か違ってきている感じがする。
上のグラフはNASDAQ銘柄の1年先予想EPSの推移だが、ここにきてちょっと下方修正が目立っている。

1-3月期のEPSが織り込まれた5月初にEPSは、NYダウで2100ドル、S&P500で247ポイント、NASDAQで688ポイントだった。
そして3か月後の8月初は、NYダウで4.2%減少の2012ドル、S&P500で2.7%減少の241ポイント、NASDAQで4.1%減少の660ポイントだった。
つまり、各インデックスの予想EPSは3か月前から2~4%程度は低下したことになる。

なぜ、EPSが低下し始めたのか?

気になるのは小型株の予想EPSの低下だ。
ラッセル2000のEPSは4月の89.8から低下し、8月には72.3ポイントへと低下した。
小型株ラッセル2000はNASDAQが急落した7月には出遅れ感から急激に買われた。
しかし株価上昇とは逆に、EPSは3か月で15%という大きく低下し、ファンダメンタルの悪化が明確になった。
この小型株の利益低下のスピードが筆者の懸念材料だ。

米国の経済指標は徐々に停滞感が出てきている。
価格の安いECは伸びているものの、全体として小売りは低下し、インフレ率を下回る状態になった。
好調だった労働市場でも雇用の伸びが11万人程度で低下し時間当たり賃金も3%台へと鈍化した。

まだリセッション(景気後退)とは言えないが、この変調がリセッションの兆しなのか、じっくりと見ていきたい。

主要株価指数のEPS推移
NYダウ Q/Q S&P500 Q/Q NASDAQ Q/Q R2000 Q/Q
2024年8月 2012.01 -4.23% 241.16 -2.74% 660.49 -4.12% 72.36 -15.62%
2024年7月 2056.18 -1.01% 245.79 -0.35% 691.02 2.31% 78.71 -12.42%
2024年6月 2058.3 -1.32% 246.18 0.54% 677.4 12.33% 81.75 -3.02%
2024年5月 2100.8 0.71% 247.96 10.76% 688.9 15.78% 85.75 16.78%
2024年4月 2077.1 14.59% 246.65 11.53% 675.44 15.78% 89.87 23.53%
2024年3月 2085.77 13.77% 244.86 9.09% 603.06 3.86% 84.3 9.44%
2024年2月 2086.05 14.34% 223.87 -1.02% 595.03 1.47% 73.43 -6.71%
2024年1月 1812.58 -2.28% 221.15 -1.60% 583.4 1.77% 72.75 -3.69%
2023年12月 1833.36 -0.27% 224.46 0.25% 580.67 2.52% 77.03 -0.75%
2023年11月 1824.39 0.83% 226.17 4.80% 586.39 11.90% 78.71 0.92%
2023年10月 1854.95 0.18% 224.75 2.70% 573.25 10.25% 75.54 -5.12%
2023年9月 1838.41 -4.87% 223.89 -1.08% 566.39 7.66% 77.61 -4.75%




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原油価格から中東リスクを考える

原油価格と5年期待インフレ率
5年期待インフレ率と原油価格
















原油価格は中東地域の地政学に敏感なので、ここから数年間は常に注目しておきたい指標だ。
イスラエルとパレスティナの戦争がどう収束するかはまだ分からないが、そろそろ戦争の限界に近づいているように見える。
パレスティナの人々は北部から追い出され南部に集まっているが、人道的な状況も含めてこれ以上戦争を続ける意味が見えなくなっている。
もう勝敗は決まっているし、サンドバッグ状態のパレスティナをこれ以上攻撃する必要もない。

ゴラン高原にレバノンのヒズボラがロケット弾を撃ち込んだ。
今のところイスラエルによる大規模報復攻撃は見られていないが、いつ何が起ってもおかしくない。
でも意外と原油価格は冷静を保っている。
もちろん、まだまだ油断はできないが・・・

戦争後のパレスティナ地域の安定をどうするのか、パレスティナの自治はどうなるのか、崩壊させられた国土をどう再建するのか、戦後も見えない。
また、この地域にはイスラムの「目には目を」の考えが根付いているので、この戦争や犠牲者の恨みは簡単には晴れない。
パレスティナ人、アラブ人の対イスラエルへの感情が変わることはなさそうな気がする。
イランを中心とする勢力、ヒズボラ、フーシ派、ハマスはどこかで反撃を狙っているのだろう。
何が起るのか予想はつかないが、今年後半も来年も何か起こる可能性は高い。

そんな意味で原油価格を見ていくのは重要。

原油価格自体は期待インフレ率とほぼ連動して動く。
期待インフレ率は10年債利回りー実質金利で、現在2.3%程度とされている。
インフレ率は落ち着く方向で、それと連動する原油価格も80ドル/バレルを小幅に割り込んだ。
現段階では中東での大きな地政学リスクよりも期待インフレの落ち着きが原油価格を決めているように見える。

中東リスクが限定的で、インフレの落ち着きで原油価格は落ち着く方向と見ていいのだろうか?

でも難しいのは、原油が先か、インフレが先か、よく分からないことだ。
何か地政学リスクが起こり原油価格が上がるのが先でインフレが後から来るのか、あるいはインフレが先で原油価格が後から来るのか、これが「鶏と卵のような関係」かもしれない。
来年にかけて米大統領選挙があり、国際的な緊張がどう変化していくかも分からない。

インフレが落ち着いても、地政学リスクは大きいままだ。
原油価格を見ていくことは投資の上でも重要なのは変わらない。



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「ワニの口」が閉じるのか?

日米2年金利差とドル円レート
日米2年金利差と為替202407
















ワニの口」と表現したのは、日米金利差とドル円レートのチャートだ。
日米10年金利差と円ドルのチャートは何回かブログで使ったが、様々な年限でこの現象は見られる。

10年債となると長期の景気期待にも大きく左右され、利下げがあっても景気回復期待が大きくなれば利回りが上昇することもありえる。
一方、2年債は政策金利の動きや予想に敏感に反応する。
日米ともに政策金利が変更になる時期に入ってくると、10年金利差よりも2年金利差が重視されるだろう。


7月の日銀決定会合が今月末にあるが、なにかしらのアクションが期待されている。
その中心は「国債買い入れ額の減額」で「政策金利の引き上げ」にまでは踏み込めないという見方が一般的、これは相当部分債券市場に織り込まれている。
でも減額すれば債券市場の需給がタイトになり、中長期的には利回りの上昇要因となる。

FRBは7月FOMC見送りで9月利下げの見方が強い。
それにしてもこの方向が固まってくると、短期の2年債は利回りが低下しやすいし、日本債は利回りが上昇しやすい。
というわけで2年金利差が縮小してくる可能性がある。


現在、米2年債は4.49%で、ここ1か月で0.24%低下している。
米市場で利下げ期待が徐々に高まっているからだが、9月FOMCに向けて徐々に低下を強める。
日本2年債は0.34%で、日銀の利上げ1回分は織り込んでいる。
でも実際に利上げを決めれば、次の動きを期待し0.4%以上に上昇してくるだろう。

となれば現在4.15%の金利差が9月までに0.2~0.3%は低下し、4%を割れてくる。
上の2年金利差のグラフで4%割れとなると、2022年以来のレンジを下方に切り下げてくることになる。

さすがにドル円は円高方向に振れてくる、「ワニの口」が閉じてくるということになるだろう。

IMM投機ポジション(ネット)
円IMM投機ポジション202407
















投機筋の円売りポジションも、介入がささやかれた先週は18万枚から16万枚に減少した。
しかし、減少したとはいえ、まだまだ高水準にある。
「ワニの口」が閉じてくると、投機筋の円売りポジションは空中に取り残される。

どうする? ファンドマネジャー!


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小型株、ラッセル2000はいきなり割高圏に!!

S&P500益回りと10年債利回り
SP500益回りと
















米国は高金利下で株高が続いたために、株式益回りと長期金利が急接近する事態が起こっている。

株式益回りは「EPS÷株価」であり、企業が一年間で稼ぐ利益が時価総額に占める割合だ。
投資家が投資した価値(時価総額)に対して企業が上げる利益が何%になるか、つまり、投資に対する利回りである。

一方、長期金利、10年債利回りは投資家が10年債券に投資した場合の利回りだ。
投資家にとってはリスクが高い株式の投資利回りは、リスクが小さい債券の投資利回りよりも高くあるべきで、「株式益回り>長期債利回り」となるのが投資の基本だ。

しかし、このところFRBの引き締め政策の下で株式価格が上昇を続けたため、S&P500では2023年末から両者が接近した状態が続いている(上のグラフ)。
S&P500のバリュエーションが割高になりつつある。

6月にもS&P500が新高値を更新しいよいよ長期金利水準を下回るのかと思われたが、結局、この「バリュエーションの天井」を破れなかった。


トランプ氏が再選の可能性が高まり、評論家が「トランプ・トレード!!」と大騒ぎした時、景気敏感の小型株ラッセル2000やダウ運輸株が上昇した。
それまでの大型ハイテク株中心からそれ以外の出遅れ株への物色が転換したわけだが、そもそも小型株は割高だし、そもそも運輸株のEPSは全く伸びていない。

こんな状態では大型ハイテク株が下落したからと言って、小型株や運輸株が市場の主役に取って代わるのは無理な話だろう。

下のグラフは、ラッセル2000の益回りと10年債利回りを比較したものだ。
FRBの引き締め局面で長期金利が高水準で推移している反面、ラッセル2000の益回りは徐々に低下してしまった。
単純に利益が減少し、バリュエーションが割高になっている。

そして、最近の大騒ぎ「トランプトレード」でラッセル2000が買われたため、益回りが一段を低下、長期金利水準を大幅に下回ってしまった。
トランプ政権が出きて景気が回復し小型株のEPSが増える、という期待ストーリーだけではどうしようもない現実が目の前にある。


ラッセル2000益回りと10年債利回り
R2000益回りと長期金利202407

















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米国株は複雑さを増す、ハイテク一辺倒に危うさも

①ダウ工業株のEPS(青のライン)
ダウ工業株202407
















②ダウ輸送株のEPS(青のライン)
ダウ輸送株202407
















③ダウ公共株のEPS(青のライン)
ダウ公共株202407
















米国の状況は複雑さを増している。
三つのグラフは、①ダウ工業株で米国を代表する製造業の優良株で構成されている、②ダウ輸送株で景気敏感な運輸株で構成され、③ダウ公共株は景気に左右されにくいが金利敏感の電力・ガス・水道株で構成されている。

過去から米国景気が強い時は三つの株価指数がすべて上昇する。
ダウ理論と呼ばれ、複数の株価指数がそろって上昇することで米株式市場全体を見ていく考え方だ。

でもこの三指数のEPSはだいぶ動きが違ってきた。
特に景気敏感な輸送株②のEPSは22年のピークから減少傾向にある。
ダウ工業株①のEPSは今年1-3月期にジャンプしたものの、その後は横ばいを続けている。
景気敏感の輸送株②のEPSは22年のピークから減少傾向になり、ダウ工業株の利益推移と大きな違いがある。
さらにダウ公共株③のEPSは安定してるものの、横ばい状態に陥っている。

ダウ理論からいえば「米国景気はまだら模様で本格的な株価上昇期とはいえない」ということになる。

下の一覧表は毎月確認している、ダウ、SP500,、NASDAQ、ラッセル2000の予想EPS伸び率。
前年比でNASDAQ+32%、SP500+12%、ダウ工業株+11%と二けた増加だが、小型株のラッセル2000は前年比-1%とマイナス圏に沈んだ。

ハイテク中心に業績が伸びて株価も上昇している反面、ハイテク以外の分野では業績に苦戦を強いられる会社も増えているということだろう。
このまま景気減速の中、ハイテク株だけが利益を上げて株高を享受し続けるのだろうか?

今後の相場展開を見る上で局所的な株高がどうなるのかが重要だが、NASDAQのPERが29.5倍、SP500のPERが22.6倍とそれぞれレンジの上限に近づいている。

個人的な見解だが、7月後半に始まる4-6月期の決算が決めると見ている。
AIや半導体を中心に期待値が高くなっているので、厳しい場面もありそうな気がする。

NYダウ 前年比 S&P500 前年比 NASDAQ 前年比 R2000 前年比
5-Jul-24 2056.18 11.05% 245.79 12.31% 691.02 32.90% 78.71 -1.14%
7-Jun-24 2058.3 6.50% 246.18 8.77% 677.4 28.76% 81.75 0.33%
3-May-24 2100.8 10.61% 247.96 10.79% 688.9 33.79% 85.75 7.00%
5-Apr-24 2077.1 10.48% 246.65 11.40% 675.44 32.99% 89.87 11.05%
1-Mar-24 2085.77 8.19% 244.86 9.01% 603.06 17.56% 84.3 -7.54%
2-Feb-24 2086.05 10.19% 223.87 0.23% 595.03 17.93% 73.43 -13.20%
5-Jan-24 1812.58 -2.29% 221.15 -3.94% 583.4 12.29% 72.75 -13.40%
1-Dec-23 1833.36 0.27% 224.46 1.21% 580.67 12.07% 77.03 -3.39%
3-Nov-23 1824.39 0.89% 226.17 1.49% 586.39 12.72% 78.71 -1.98%
6-Oct-23 1854.95 0.74% 224.75 0.65% 573.25 8.16% 75.54 -6.72%
1-Sep-23 1838.41 -1.79% 223.89 0.27% 566.39 4.44% 77.61 -6.30%
4-Aug-23 1809.34 -3.97% 215.81 -5.14% 524.01 -8.51% 77.99 -8.16%






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東証のTOPIX見直し、失敗の歴史(3)

JPX











株価指数に求められる条件は何だろう?

まずは「投資家の信頼感」

長期間にわたって株式市場を端的に映す株価指数であると投資家に認められた事だ。
NY「ダウジョーンズ工業株」は200年以上の歴史を持つ、投資家に信頼された株価指標し、「S&P500」も多くの投資家の運用ベンチマークとして信頼され使われてきた。

日本では「日経225種平均」だろう。
戦後の経済成長を映し出してきた株価指標として定着している。
もちろん、単純平均であり値嵩株の動きに左右されるし、流通株式を意識していないので売買が難しい銘柄も含まれている。
それでも「バブル期の高値を越えた」とか「30年ぶりに高値を更新した」とか一般ニュースて使われる長期の株価指標として価値が高い。

時代が大きく変化するとともに、組入れ銘柄が変わるのは当然だ。
世の中が進歩し新しい産業や新しい成長企業が出てくる、株価指数もそれに合わせて変わっていかなければならない。
こうした銘柄入れ替えが適切に行われる事も「株価指数の信頼」に大きく影響している。

次のポイントは「投資家の使い勝手の良さ」

株価指数は今や株式市場の中心だ。
インデックス運用がどんどん肥大化し、インデックスに連動する投信やファンドは日本でも80兆円以上に巨大化した。
そのインデックス運用を決めているのが株価指数で、これを勝手に変更することはできない。

東証はTOPIX見直しでプライム市場銘柄だけでなく、スタンダードやグロース市場銘柄も含めるとした。
でも運用の現場は混乱するかもしれない。
アクティブ運用ではTOPIXをベンチマークにしていてもスタンダードやグロース銘柄を組入れることはできる、これはファンドマネージャーの責任においてだ。
でもベンチマークにスタンダードやグロース銘柄が含まれれば、ファンドマネージャーはスタンダードやグロース銘柄を運用対象として調査しなくてはならない。

この違いが大きい。
つまり、運用対象銘柄を変えてしまい、ファンドマネージャーの調査や投資判断まで変えてしまう。
これが現場としては大きな負荷になってくる。


TOPIX見直しの最大の問題は、東証が運用の現場を見ていないという事に尽きる。
かつて「JPX400」は確かに現代金融工学で作られ、米国S&P500に対抗する指数として設計された。
でも運用現場ではほとんど使われなかった。
東証が現場との対話がうまくできなかったのが問題だったと思う。

今回のTOPIX見直しも失敗する可能性はありそうだ。
段階的に構成銘柄を2200から1200絞り込む、その過程で外された銘柄が多く出るとともに株価が下落する、新規採用が少なくなり市場全体が停滞するかもしれない。
新規採用はスタンダードやグロース銘柄となり、余計な投機を生むかもしれない。

いずれにしても「市場のノイズ」を拡大する。



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東証のTOPIX見直し、失敗の歴史(2)

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東証の市場改革で、それまで東証1部、2部、大阪、名古屋、ジャスダック、マザーズとまるで不規則な部分市場が林立していたのを、プライム、スタンダード、グロースと分類しスッキリ!!!。
ここまではいい。
おそらく、東証は各市場に合わせて株価指数を育成したいと考えていたはずだ。
そうなれば、プライム指数が最もメジャーな株価指数として世界の投資家に認知される、それを目論んでいたのかもしれない。
でもその思惑通りにはいかなかった。

これは「三つ目の東証の失敗」だったのかもしれない。

そして突然、宣言された「TOPIXの見直し」。
これまた、唖然とするばかりの内容だった。

第一に昭和40年代からトラックレコードを積み重ねてきたTOPIXが大きく変容し、連続性が疑われる状況を取引所自身が作り出したことだ。

インデックス運用が主体の現代運用現場では、TOPIXの内容を大きく変えると、インデックス運用が新しい指数にトラックするために多大な売買が強制される。
その売買コストで、インデックス運用のパフォーマンスが大きく低下する。
余計な事をしないのが、インデックス運用のパフォーマンスを上げる唯一の方法だ。

第二に機関投資家の運用ベンチマークが大きく変更されることだ。
今回、東証はTOPIX採用銘柄数を現状2200銘柄から、25年1月には1700銘柄、28年7月には1200銘柄に引き下げていくとした。
これを段階的に行うので機関投資家はそのたびにリバランスの売買を強制されてしまう。
これが余計な売買コストとなり、インデックス運用のパフォーマンスを引き下げる。

第三にアクティブ運用にも大きな影響が出ることだ。
アクティブ運用では評価のためのベンチマークを設定するが、多くの場合、TOPIXがベンチマークになる。
ファンドマネージャーは自分のポートフォリオがTOPIX以上のパフォーマンスを上げることを求められ、これがアクティブファンドマネージャーの評価を決める。

このTOPIXに突然スタンダードやグロース市場の銘柄が加わるとしたら、アクティブ・マネージャーは運用対象をプライムだけでなくスタンダードやグロースまで広げなければならなくなる。
これはファンドマネージャーにとんでもないほどの負担をかけることになる。

東証はこうした現場の事情を理解していたのだろうか?

このブログで東証の「株価指数の失敗」を見てきたが、次回、東証の見直しが失敗する理由を考えてみたい。




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米国景気の停滞感、どうする、パウエルさん?

RONNIESCOTTS









AI関連のnVIDIAやブロードコムなどに人気集中する米国市場。
でも米国全体を見ると、なんか徐々に停滞感が拡がっているような気がする。

下の表は、米国のCPI、コアCPI、小売り高、雇用統計の平均賃金、原油価格をそれぞれ前年同月比で比べたものだ。
賃金上昇がCPIの伸びよりも高ければ、就業者の賃金が実質的に上がっていることが分かり、小売り高がCPIよりも高ければインフレに負けずに消費が伸びているといえる。

現在はどうか?

平均賃金がCPIよりも高いので、就業者はインフレがあるもののそれ以上に給料が増えているという状態が続いている。
その一方、小売りの伸びがこのところ失速、5月は2%しか伸びていない。
この伸びではCPIの上昇(3.3%)よりも低く、インフレを考えたら小売りは実質的にマイナスになる。
原油価格は10%の伸びとなったが、これは数字のマジックで、価格自体は80ドル前後で横ばいだ。
個人消費を中心に景気は停滞感が徐々に出てきていると見ている。

消費者物価指数 小売り高 平均時給 原油価格
CPI コアCPI 前年比 前年比 前年比
2024年5月 3.3 3.4 2.27 4.1 10.09 78.81
2024年4月 3.4 3.6 3.04 3.9 6.48 84.59
2024年3月 3.5 3.8 4.02 4.1 9.70 80.49
2024年2月 3.2 3.8 1.50 4.3 -0.18 76.7
2024年1月 3.1 3.9 0.65 4.5 -5.35 73.93
2023年12月 3.4 3.9 5.52 4.1 -5.80 72.08
2023年11月 3.1 4.0 4.09 4.0 -8.67 77.43
2023年10月 3.2 4.0 2.48 4.1 -1.94 85.57
2023年9月 3.7 4.1 3.75 4.2 6.81 89.58
2023年8月 3.7 4.3 2.47 4.3 -11.11 81.4
2023年7月 3.2 4.7 3.14 4.4 -23.49 76.39
2023年6月 3.0 4.8 1.49 4.4 -38.71 70.23
単位:前年同月比%

株式市場はどうか?

下の表は米国のNYダウ、S&P500、NASDAQ、ラッセル2000の一株利益EPSの推移を示したものだ。
1-3月期の決算数字が反映された4月のEPSと、6月直近のEPSを比べて見ると、NYダウでは減少、S&P500は若干の減少、NASDAQは若干の増加、ラッセル2000が9%と大きく減少した。

小型株は4月以降失速気味だといえる。
大型優良株で構成されているNYダウのEPSも2077ドルから2058ドルに若干ながら低下した。
半導体やAIなどのテクノロジー分野以外では徐々にEPSの伸び悩みが表面化しつつあるのではないだろうか。 
だとしたら、ハイテク株の強さに惑わされることなく、FRBは金融緩和に転換すべきだと思う。

NYダウ 前年比 S&P500 前年比 NASDAQ 前年比 R2000 前年比
7-Jun-24 2058.3 6.50% 246.18 8.77% 677.4 28.76% 81.75 0.33%
3-May-24 2100.8 10.61% 247.96 10.79% 688.9 33.79% 85.75 7.00%
5-Apr-24 2077.1 10.48% 246.65 11.40% 675.44 32.99% 89.87 11.05%
1-Mar-24 2085.77 8.19% 244.86 9.01% 603.06 17.56% 84.3 -7.54%
2-Feb-24 2086.05 10.19% 223.87 0.23% 595.03 17.93% 73.43 -13.20%
5-Jan-24 1812.58 -2.29% 221.15 -3.94% 583.4 12.29% 72.75 -13.40%
1-Dec-23 1833.36 0.27% 224.46 1.21% 580.67 12.07% 77.03 -3.39%
3-Nov-23 1824.39 0.89% 226.17 1.49% 586.39 12.72% 78.71 -1.98%
6-Oct-23 1854.95 0.74% 224.75 0.65% 573.25 8.16% 75.54 -6.72%
1-Sep-23 1838.41 -1.79% 223.89 0.27% 566.39 4.44% 77.61 -6.30%




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東証のTOPIX見直し、失敗の歴史(1)

TOPIX見直し202406















ダウジョーンズ工業株平均株価は1800年代から長い歴史のある株価平均で、200年の長期株価波動を研究できる。
日本でも戦後にダウ式平均株価として東証ダウ平均を公表してきたが、東証はナントも簡単に手放してしまった。
そして、東証は時価増額ベースの東証株価指数(現TOPIX)として公表を始め、ダウ式平均株価は日経新聞社を引き継いで「日経平株価」として計算公表している。

「日経平均」は時代の変化に反映して採用銘柄を大きく変えて225種のまま生き残ってきた。
だから、1945年の東証再開以来、80年の歴史がこの日経平均に刻まれてきたといえる。
今でも日本の株式市場を代表する株価指標の地位を維持している。

これが東証の「第一の失敗」だといえる。

確かにダウ式平均は等ウェートで225銘柄の株価平均を計算するので、値嵩株の影響が大きく、世界の潮流となっていた時価総額ベース+浮動株ベースという基準には合わない。
しかし、それでも長い歴史を持つインデックスという価値はそれ以上に大きい。

東証がTOPIXを株式市場の中心指標にしようとしたが、上場銘柄がどんどん増えていくと採用銘柄数もどんどん増え、計算が難しいだけでなく小型株やマイクロ株に左右されるようになった。
TOPIXはインデックス運用でもインデックス裁定取引でも扱いにくい株価指数になってしまった。

そこで東証は米国S&P500をマネして主要な上場銘柄に絞り込んだ株価指数「JPX400」を作り出し、合理的な分散投資が可能な米S&P500のような中心的な指数として導入した。
しかし、市場はこの指数にソッポを向いて、相変わらず「日経225」と「TOPIX」を市場の中心指標として使ってきた。
鳴り物入りで東証が作った「JPX400」は完全な空振りに終わった。

これが東証の「第二の失敗」だ。

三つめの失敗がプライム+スタンダード+グロースという「東証市場改革」以降の最近の施策だったといえる。
詳細は次回に・・・



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NASDAQ、PER調整は終わった?

NASDAQ100PER202405

















昨年後半のAI・半導体ブームは、EPS上昇というよりもPER上昇を買った理想買いだった。
これに対して米長期金利の上昇が顕著になり、PERは調整場面に入ったのがこの3月から5月だったといえる。

ところが先週の米雇用統計で非農業雇用者数も予想を下回るとともに、時間当たり賃金が前年比4%を切ってきた。
そして米10年債は4.7%台から4.5%台まで低下し,賃金伸び率の低下が債券や株式にはインパクトがあった。
ここ数か月ずっと4%台の賃金インフレが低下するのかは1か月だけでは判断できないものの、FRBパウエル氏が懸念された利上げを強く否定したのが効いたのだろう。
再び金融資本市場には利下げ期待が生じている。

上のグラフはNASDAQの予想PERだが、3月初30.3倍から5月初25.9倍まで低下してきた。
理想買いが一巡し、30倍まで上昇したPERが低下してくるという教科書通りの展開だった。
一方、EPSは順調に増加している。
3月初603ドルから5月初688ドルと14%増加し、PERの低下分14%はほぼ利益要因で説明できる。
PERの低下をEPSの増加で補っているのは非常に良い形といえる。

このEPSの増加トレンドが今後も続くならば、意外と早いタイミングで「理想買い」から「現実買い」に移行してくるかもしれないと思う。

下の表は前年比のEPS増加率を示しているが、NASDAQのEPSが前年比+33%と飛びぬけて高い。
米株式全体は∔10%なので23%も上回っている。
現実買いの局面でもNASDAQ指数がリードしていくことになりそうだ。


各株価指数のEPS(月初値)と前年比伸び率
NYダウ 前年比 S&P500 前年比 NASDAQ 前年比 R2000 前年比
3-May-24 2100.8 10.61% 247.96 10.79% 688.9 33.79% 85.75 7.00%
5-Apr-24 2077.1 10.48% 246.65 11.40% 675.44 32.99% 89.87 11.05%
1-Mar-24 2085.77 8.19% 244.86 9.01% 603.06 17.56% 84.3 -7.54%
2-Feb-24 2086.05 10.19% 223.87 0.23% 595.03 17.93% 73.43 -13.20%
5-Jan-24 1812.58 -2.29% 221.15 -3.94% 583.4 12.29% 72.75 -13.40%
1-Dec-23 1833.36 0.27% 224.46 1.21% 580.67 12.07% 77.03 -3.39%
3-Nov-23 1824.39 0.89% 226.17 1.49% 586.39 12.72% 78.71 -1.98%
6-Oct-23 1854.95 0.74% 224.75 0.65% 573.25 8.16% 75.54 -6.72%
1-Sep-23 1838.41 -1.79% 223.89 0.27% 566.39 4.44% 77.61 -6.30%
4-Aug-23 1809.34 -3.97% 215.81 -5.14% 524.01 -8.51% 77.99 -8.16%
7-Jul-23 1851.53 -3.96% 218.85 -4.52% 519.95 -5.93% 79.62 -8.98%
2-Jun-23 1932.61 1.98% 226.34 -0.56% 526.1 -4.62% 81.48 -12.94%
5-May-23 1899.29 0.39% 223.82 -0.94% 514.92 -7.27% 80.14 -9.08%



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「理想買い」と「現実買い」の間にある断層

NASDAQのPERと米10年債利回り
NASDAQperと長期金利202404
















4月初の予想EPSは前年比でNASDAQ+32%、S&P500+11%、NYダウ+10%、ラッセル2000+11%と立ち上がってきた(下の一覧表参照)。
昨年10月以降、米景気の堅調⇒業績上昇の期待で株価が上昇してきたが、その原動力はPERの上昇、つまり人気先行に株高だった。
しかしここにきて業績期待が現実化し、長期金利の上昇とともにPERが低下してきている。

昨年末と4月直近値と比べると・・・主要指数はともに上昇した一方、PERは低下している。
       NYダウ   SP500   NASDAQ
年初来上昇率 +0.7% +8.0% +9.5%
PER(年末) 20.6倍 21.5倍 28.9倍
PER(直近) 18.5倍 21.2倍 27.1倍

直近の動きを見ると(上のグラフ)、NASDAQのPERが31倍(3/5)から26倍(4/5)まで低下、米景気の好調で10年債利回りが4.4%以上に上昇し、それを織り込むPERの低下と教科書的な動き。
今までの人気先行のPER上昇で起こった「理想買い」が終わったといえる。

では、今後はどういう相場になるのだろか?
いくつかの視点があるだろう。

第一に米景気の強さと長期金利の高止まり。
米景気の強さが継続する場合、政策金利5%以上と長期金利4%台半ばが続き、米株PERは徐々に低下していく。

第二にGAFAMへの集中相場が転換点を迎える。
GAFAM∔NVIDIAの相場は非常に分かりやすい、アップル、マイクロソフト、メタ、アマゾン、NVIDIAを買えばいいだけだった。
もちろんITや半導体はこれからも有望な分野なのは間違いないが、株価は今後数年間の利益増加を織り込んでいる。

米景気が強ければ強いほど長期金利が高止まりし、PERの低下で米株価は下落する可能性が出てくる。
「理想買い」は需給相場によるPERの上昇であり、その需給が一巡すると「PERの低下」という株価調整につながる。
米景気が悪化すれば、FRBは利下げを実行し株価は反発するが、なかなかそのサインが見えない。
逆にインフレが再燃しFRBが再利上げに追い込まれたら、最悪の暴落シナリオに陥る。
「理想買い」と「現実買い」の間にはPERの低下という断層がある。

主要指数のEPSと前年比増加率
NYダウ 前年比 S&P500 前年比 NASDAQ 前年比 R2000 前年比
5-Apr-24 2077.1 10.48% 246.65 11.40% 675.44 32.99% 89.87 11.05%
1-Mar-24 2085.77 8.19% 244.86 9.01% 603.06 17.56% 84.3 -7.54%
2-Feb-24 2086.05 10.19% 223.87 0.23% 595.03 17.93% 73.43 -13.20%
5-Jan-24 1812.58 -2.29% 221.15 -3.94% 583.4 12.29% 72.75 -13.40%
1-Dec-23 1833.36 0.27% 224.46 1.21% 580.67 12.07% 77.03 -3.39%
3-Nov-23 1824.39 0.89% 226.17 1.49% 586.39 12.72% 78.71 -1.98%
6-Oct-23 1854.95 0.74% 224.75 0.65% 573.25 8.16% 75.54 -6.72%
1-Sep-23 1838.41 -1.79% 223.89 0.27% 566.39 4.44% 77.61 -6.30%
4-Aug-23 1809.34 -3.97% 215.81 -5.14% 524.01 -8.51% 77.99 -8.16%
7-Jul-23 1851.53 -3.96% 218.85 -4.52% 519.95 -5.93% 79.62 -8.98%
2-Jun-23 1932.61 1.98% 226.34 -0.56% 526.1 -4.62% 81.48 -12.94%
5-May-23 1899.29 0.39% 223.82 -0.94% 514.92 -7.27% 80.14 -9.08%




 相場テクニックとして「酒田五法」格言をはじめ、相場格言の現代的活用や実戦のための本
株式需給の達人格言編


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PER・PBRなどのバリュエーションを実戦でリターンを上げることを主題として解説した本
実戦的バリュエーション

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過去の株価というだけのでチャート、これを市場心理の分析道具として実戦で使うことを目標に解説した本
チャートの達人

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正確なパフォーマンス計測から運用は進化する、自分の弱点の分析によって運用能力を引き上げる本
個人投資家の最強運用
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ソブリンファンドや年金ファンドなど海外の巨大運用機関の訪問記、市場を理解するのに役立つ本
株式需給の達人 (投資家編))

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需給はすべてに先行する、株式需給を分析するための基礎知識を中心に解説した本
株式需給の達人(基礎編)

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株式需給の達人(おもしろ相場格言)
「酒田五法」などの相場テクニックに直結する相場格言をより多く取り上げました。 当ブログでも使った「最後の抱き線は心中もの」、「遊びの放れは大相場」、「放れて十字は捨て子線」など、実戦で使える格言を多く解説しています。 ケイ線に興味のある方、テクニカル分析に興味のある方、是非一読をお勧めします。
株式需給の達人(バリュエーション)
PERやPBRなどバリュエーションを理解し割安/割高の実践的判断の基に理論的な株式投資を解説します。 割安とは将来のリータンを示すのか、単に成長性がないというだけなのか、事例をもとに解説します。 株式投資の基礎として大切なもので、是非一読をおすすめします。
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