株山人の投資徒然草

大手運用会社をリタイアし、八ヶ岳に住む株山人の日記

大手運用会社をリタイアし、八ヶ岳に住む株山人の日記

株を職業にして38年、株式投資の楽しさを個人投資家に伝えたい。
Kindle版の「株式需給の達人(おもしろ相場格言編)」を出版しました。
既刊の「株式需給の達人(実践的バリュエーション編)」「チャートの達人」「個人投資家の最強運用」「株式需給の達人(基礎編)」「株式需給の達人(投資家編)」とともに一読をおすすめします。

〇〇年の投資を考える

2025年の株式市場を考える(5)半導体SOX指数

SOX指数とNASDAQ
SOX指数とNASDAQ202412















2025年も半導体株がどうなるかで市場は大きく動くのだろうか?

ただ、ちょっと雰囲気が変わったのが上のチャート、SOX指数とNASDAQの株価推移だ。
この24年前半は半導体株が絶好調で、NASDAQとSOXはほぼ同じ動きをしていたが、年後半から明らかに動きが違ってきた。

これは何故なのだろう? そして2025年にどう影響するのだろう?

過去のチャートを眺めても、これだけSOXとNASDAQに乖離が生じたことはなかった。
この半年の乖離は重要な変化を示しているのかもしれない。
NASDAQをリードするセクターが半導体セクター全般から、AI周辺企業、データセンター投資、AI応用・自動運転など一段と一部の先端企業に絞られてきたことだろう。

おそらくこの傾向は2025年も変わらないだろうし、一段を絞られてくるのかもしれない。
伝統的優良企業のNYダウとS&P500の動きが乖離し、さらにNASDAQとS&P500の動きも乖離する、さらにテクノロジーの代表であるSOX指数とNASDAQも乖離していく。
明らかに物色集中と二極化が進んでいる。
この乖離=スプレッドが拡大し過ぎたら、逆の動き=スプレッド縮小が起こる
このポイントには気を付けたい。


こうした二極分化は、ニューエコノミーとオールドエコノミーという分化で崩壊したITバブルを想起させる。
別に機会にスプレッドが生じているチャートを集めて分析してみたい。


シリコンサイクルとSOX指数
シリコンサイクル202412















上のチャートは世界の半導体売上高の前年比、それとSOX指数の長期推移を比べたものだ。
半導体産業は上昇と下降の波が大きい産業で5年~6年の周期性を持っている。

このシリコンサイクルは2022年末のボトムを打ち、その後上昇局面に入っているが、この24年~25年にはサイクルの天井圏に入ってきた感じもある。
通常の5年サイクルとすると、次のボトムは27年ぐらいを想定されるだろう。
筆者はアナリストではないので、単純に周期を伸ばしていいのかは分からないが・・・





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2025年の株式相場を考える(4)日本株

日経平均のPER
日経平均PER日次202412
















「トランプ2.0がどうなるのか分からないのに日本株がどうなるかなんて考えられない」という人も多いだろうし同感だ。
でも、基本的なところだけでも確認しておきたい。

まずは、日本株のPER,データの入手が簡単な日経平均で見てみよう。

上のグラフで見ると、新型コロナ禍でPERは乱高下したが、それが収まった2023年からPERは12.5倍から17倍へと36%上昇した。
その間、日経平均は2万5000円から4万円まで上昇した、上昇率はおよそ60%の上昇だった。
ザっと日経平均の上昇にうち半分がEPSの上昇、半分がPERの上昇によるものだったといえる。

PER15倍は過去のレンジからは上限に近いかもしれないが、国際比較ではS&P500の23倍とかNYダウの20倍に比べたら断然安い。

おそらく2025年の課題は、日本株は割安なのか? それともPERの低さは日本企業の成長力が低下しただけなのか? この問題に結論を出すことだろう。


日経平均EPSの長期推移
日経平均とEPS202412
















日経平均のEPSと株価を比べると、2014年から2023年初まではほぼパラレルに推移している、それが乖離したのだ今年の株高だった。
2025年には再び、このEPSと株価の乖離が埋まってくるのかもしれない。
その場合、EPSの伸びが加速するのか、株価が下落するのか・・・どっちなのか?

天変地異がない限り、企業業績は大きく悪化はしないと見ている。
現在のEPSは、一時的な要因でEPSが持ち上げられているという要因が少なく、企業の基礎的な収益力に近いと考えられる。
中国市場の悪化、ウクライナ問題と欧州経済の停滞、為替の変動レンジの拡大はすでに織り込まれ、国内でも消費者物価の上昇、賃金上昇とコストアップ、人出不足問題も同様に企業収益に織り込まれていると思うからだ。

そういう意味では「日本株は安パイ」といえる。
バリュエーションの高い米国株は不安定だし、政治不安∔景気停滞の欧州よりはマシという感じだろう。

2025年に新しく起こる変化はこれからの問題で今からは織り込めない。
今後の問題として見ていくしかない。



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2025年の株式相場を考える(3)半世紀ぶりの割高

SP500益回りと10年債利回り202411
















2025年の株式相場は、2024年のPER上昇を受けてスタートする。
高いPERはEPSの高い成長期待を織り込まれているとみるべきだが、この期待「先の読めないトランプ2.0」が成功するかどうかによる。
2025年は、期待に沿ったEPS増加が実現するかどうかを確かめることから始まる。

まずは、足元の投資環境を確かめて見よう。

上のグラフはS&P500の益回りと10年債利回りの比較したものだ。
S&P益回りが10年債利回りと逆転した、これは2000年のITバブル以来の逆転だった。

株式益回りは純利益÷時価総額で、会社をまるまる時価総額で買収した場合の年間利益率だ。
一方、10年債利回りは長期債に投資した場合の年間収益率だ。
投資家から見て、株式を買う(企業を買収する)リターンと債券を買うリターンの比較であり、通常ならばリスクの高い株式はより高いリターンが求められる。

成長性の高いNASDAQ市場では依然から益回りが債券利回りよりも高い状態だったが、主力株で構成されるS&P500でもこの逆転が起こった。
最近注目されるのはNYダウでも同じように株式益回りと債券利回りの逆転が起こってきたことだ。

下のグラフはNYダウの益回りと10年債利回りの比較グラフだ。

NYダウ益回りと10年債利回り202411















S&P500に続き、歴史の長い優良株中心のNYダウの益回りも長期金利水準を下回った。
これで、NY市場はハイテク株から大型株・優良株まですべて債券に対して割高になった。

そして、2025年トランプ政策が実行段階に入る。
ここからの企業成長がトランプで加速化され「益回りと長期債利回りの逆転」が正常化するのか、株式価格が下落してPERが低下し正常化するのか?
この結論がでるのが2025年だ。




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2025年の株式相場を考える(2)ユーロの行方

ユーロ/円、日足
ユーロ円202412
















2025年の株式市場を考える上で「トランプラリー」がどうなるのかが興味深いところだ。
大統領選以降、株式市場で圧倒的なパフォーマンスを見せたのが「テスラ」、そしてトランプ政権が重視している「ビットコイン」がそれぞれ30%以上の急騰劇を演じた。
債券市場でも関税引き上げと財政悪化懸念から米10年債利回りは急上昇し4.5%をつけ、米金利高からドル円は156円/ドルまで円安が進んだ。

しかし、来年1月の大統領就任から起こる事は年内に作られたポジションがアンワインドされるかもしれなし、トランプ相場の内容も違ってくるかもしれない。
為替市場についてはトランプ政権がドル安政策を取るとは思えないし、関税引き上げがあってもイーロンマスクの財政抑制が効いてくればインフレは再加速しないかもしれないからだ。
そうなれば、ドルはより安定的に推移し、米金利も急激に上がることもない。

このシナリオで為替の注目点は「ドル円」から「ユーロ円」に移る

トランプの世界では、欧州は米国から離れて自立的に欧州経済を立て直し、対ロシア政策を含めたNATO体制を作り直す必要がある。
欧州では政治が不安定化している、ハングパーラメントに陥ったフランスに加え、ドイツも来年の選挙結果ではどうなるのか分からない。
おそらくNATO拠出やウクライナ支援を含めて財政負担が大きくなり、欧州景気を維持するため予想以上の金融政策のウェートが高まるかもしれない。
これらの要因が「ユーロ安」を引き起こすと見る。

上のグラフはユーロ円の日足だが、典型的な三尊天井を形成しているようにみえる。
155~157円/ユーロの水準にネックラインがあり、このラインをブレークするかどうかが大きなポイントになる。

トランプラリーは、来年1月20日のトランプ大統領就任で「事実で売る」のタイミングに入る。
米国株はそのあたりで一旦は出尽くしになりドル高は一巡してくる可能性もある。
でもドイツとフランスの政治不安と軟調な景気を考えると、ユーロ金利は低下するだろうし、ユーロ安は欧州側の要因で動く。

ただし、気になるのはトランプが就任したらウクライナ戦争を終わらせると言っていること。
おそらく、いくつもの停戦シナリオを用意して水面下での交渉が始まっているのかもしれない。
結果は神のみぞ知るにしても、考慮するべき点だろう。

ウクライナの復興需要、対ロシアの制裁の緩和、停戦後の欧州経済、どれも大きなプラス要因として働くだろう。
日本株で考えれてピンとくるのは総合商社、ゼネコン、インフラ関連などだが、でもやっぱり欧州各国が復興資金を出して欧州企業が受注するのが自然かもしれない。



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2025年の株式相場を考える(1)トランプ2.0

トランプ










2025年の主役は、いい意味でも悪い意味でも、やっぱりトランプ米大統領しかいない。
政権の閣僚人事を見ればその凄さがよく分かる・・・過去の政治的実績は全く関係なしで、トランプのイエスマンで周囲を固めた。
しかも単なるイエスマンではなく、実ビジネスで大手メディアで影響力抜群の人たちだ。

トランプ2.0はかなりパワーアップした政策を次々実行していく「仕事師」政権になると思う。
人事から見えるのは過去のシガラミを「破壊する」政権になりそうということ。
政府組織をスリム化で2兆ドルのコスト削減するというし、移民政策でも大胆な厳しい措置が取られそうだし、NATOへの拠出金や安全保障のコストも大きく削減されるだろう。
米国内の行政組織も、関税・移民を含めた対外政策も、地政学を変化させる安保政策も、何がどこまで変わるかもよくわからないけど、大きく変わることだけは間違いなさそう。

何が起るか分からない不安と、ひょっとするとスゴイという期待の両方が株式市場を覆った。
これが11月5日からのトランプラリーにつながり、S&P500も6000ポイントを抜け、NYダウも45000ドルを越えた原動力だったのだろう。
特にすごかったのがイーロンマスクの支配する「テスラ」とトランプが10万ドルを祝いした「ビットコイン」で、この1か月でそれぞれ31%と32%も上昇した。
世界各国で自動車会社が苦戦し株価が下がる中での急騰劇だった。

2024年の株式市場の最大要因がPERの上昇だった。

この点がよく現れたのが「テスラの急騰劇」だったように思う。
BYDなど中国勢が世界のEV市場を席捲し、既存の自動車会社は押しなべて苦戦を強いられている。
これがテスラのPERを急上昇させ、実績PER(直近の四半期データを元にした)は100倍を越えて上昇した。

株価は実績PERと将来のEPS成長性で決まる。
PER100倍の会社は通常以上の高い成長期待を織り込んでいる。
たとえば、売上高が30%伸び、利益が50%増加する会社ならば、実績PERが100倍でもおかしくない。
毎年利益が50%増加するならば3年もすれば100倍のPERも市場平均に近づくからだ。

でもテスラにそれだけの成長力があるのだろうか?

テスラは中国に生産拠点を持ち中国市場で儲けてきたが、米国の対中規制や関税引き上げでビジネス環境が変化する可能性が高い。
さらに米国でも欧州でもEVへの補助金が大幅にカットされ、それに高関税が加わる。
実績PER100倍を正当化するのは、イーロンマスク氏自身の突破力であり、株主がどれだけ大きな期待を寄せ続けるかだ。
これが来年の課題になる。

この高いPER問題はアップルでも同じかもしれない。

中国のフォックスコンで3割以上生産するiPhone、半導体規制で先端品を出荷できなくなれば、中国製を使うしかない。
一時、アップルはサプライチェーンを変更するためインドでの生産を立ち上げたが、歩留まりが低く中国に生産を戻したともいわれている。
AI機能が競争力を持つとしたら先端半導体がマストになる、在庫が豊富にある時はいいが、在庫切れの時、中国でのiPhoneの生産はどうなるのだろうか?
アップルの実績PERはは40倍で、株価は選挙から7.5%上昇したが、来年はサプライチェーンが課題になるだろう。

2025年の株式市場の課題は、2024年に上昇した「高いPERをどう正当化するか」
様々な分析をして探ってみたい。




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2024年、ユーロ市場が最大のリスクかも?(3)

ユーロストックス50 月足2018-2023
ユーロ50202311
















金利高、ユーロ高、地政学リスクが気になるユーロ市場だが、ユーロストックス50というユーロ圏の主要大型株50銘柄で見ると、米国市場と動きはほぼ連動している。
欧州だろうが米国だろうが、主要なグローバル企業は連動する。
21年11月に4401でピークを打ち、22年9月まで25%下落し3286で底打ち、さらに23年7月のピーク447まで36%上昇した。
7月以降は調整場面だが、NY市場の反発とともに11月は陽線になりそうな雰囲気だ。

しかし、国別に見ると年初来パフォーマンスのバラツキが拡大している。
各国ローカル企業まで含めると、株価の動きはグローバルに連動するとは限らない。
ユーロ圏のパフォーマンス上位は、①イタリア+24.4%、②スペイン+18.6%、③ドイツ+14.3%、④フランス+11.7%、⑤オランダ+10.1%、⑥英国+0.7%

トップのイタリアとオランダとは14%のパフォーマンス格差が広がり、ユーロ離脱した英国との格差はなんと24%と大きい。
ユーロ圏(英国を含む)各国の株価差が大きく拡大している。
ユーロストックス50で見た株価パフォーマンスとはだいぶ印象が異なっている。

2024年はどうなるのだろう?
今年の特徴ともなったユーロ圏の通貨高・高金利がどうなるかが注目だが・・・
ユーロ圏の景気鈍化はユーロ高や高金利を一巡させるならば、2024年は2023年と違った株価動向になってくる。
となると、リターンリバーサルが起こってくる可能性が高いと見ている。
つまり、南欧州のイタリアやスペインのパフォーマンスが低下し、英国やオランダのパフォーマンスが相対的に良くなってくるだろう。

欧州の主要大型株(ユーロストックス50)は米国株との連動性が高いので米国株次第だが・・・ユーロ圏の景気が急速に悪化するようなら株価不安が台頭しかねない。



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2024年、ユーロ市場が最大のリスクかも?(2)

ユーロシンボル










ユーロ圏の市場には大きなリスクがあると見ている。
ロシアに資源を依存し、中国パワーに経済的な依存を強めたユーロ圏だが、その地政学リスクが大きく影響し始めているように見える。
さらにインフレの高進に対してECBは利上げを加速させてきたが、この利上げが経済実態の悪化を招いているように見える。

下の表は、ユーロの政策金利と2年5年債利回り格差、英国の政策金利と2年5年債利回り格差を示している。
比べたのは今年7月(米長期金利が上昇に転じた時期)と11月の直近値だ。
金利差①は政策金利と2年債利回りの差、金利差②は2年債と5年債利回りの差を示している。
この期間に政策金利に対して2年債と5年債がどう動いたかは興味深い。

Jul-23 金利差① 金利差② Nov-23 金利差① 金利②
ECB金利 4.00% 4.50%
独2年国債 3.23% -0.77% 3.01% -1.49%
独5年国債 2.45% -0.78% 2.63% -1.87%
BOE金利 5.00% 5.25%
英2年国債 4.61% -0.39% 4.20% -1.05%
英5年国債 4.98% -0.02% 4.29% -0.96%

明らかに言えるのは、ECBは政策金利を4%から4.5%に引き上げたが、2年債との金利差はー0.7%から―1.4%、2年ー5年の長短金利差も―0.7%から―1.8%に逆イールドが拡大した。
この間、米国の長期債は利回り上昇し逆イールドが緩和された局面だったが、ユーロ圏は米国とは違い逆イールドが拡大している。
これはユーロ圏の経済不安を示しているのではないかと思う。

これはECから離脱した英国でも同じ傾向を示している。
BOEの政策金利が5%から5.25%に引き上げられたが、2年と5年債の利回りは逆に低下している。
これもEUと同様に経済不安が背景になるのではないかと想像できる。

さらにユーロ高も大きな負担になってくるように思う。
欧州のような成熟した経済では「ユーロ安」によって国際競争力が増すと景気が上向き、「ユーロ高」になると国際競争力が低下し景気が下向く。
ドルに対してだけでなく円や人民元などに対して「ユーロ高」になっている現在、2024年のユーロ経済の負担になってくるように思われる。

地政学リスク、高インフレと高金利、さらにユーロの全面高、いずれもユーロ圏の今後に不安を持つ要素だ。





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2024年、ユーロ市場が最大のリスクかも?(1)

ユーロシンボル










2024年という視点で世界をグルッと俯瞰すると、中国経済の危うさもあるが、それ以上にユーロ圏に危険な香りを感じている。
ロシアのウクライナ侵攻が始まり、隣国のポーランドやバルト三国、ユーロの盟主であるドイツやフランス、ユーロの隣にある島国イギリス、そろってウクライナ支援で多くの軍事援助をしてきた。
泥沼化しそうなウクライナ情勢、背に腹をかえられない軍事援助、基本的な経済力が低下していないかと心配になっている。

そんな危うさを感じるユーロ圏に三つの大きな試練が待ち受けている。

①インフレによるECBの過剰な金融引き締め
米国以上の高いインフレ率だが、ECBは米国ほど明確な金利引き上げはできない。
一方ブンズもギルトも米国とは違い、厳しい逆イールドになっている。
高インフレと急激な利上げに対して経済が追い付けない、それが逆イールドを広げていると見られる。

②金利上昇から生じる厳しい通貨ユーロ高
インフレを安定化させつつある米国と対照的に、インフレも管理できないユーロ圏では、結局、過剰な利上げへの警戒感がぬぐえずに通貨が上昇することに現れてしまう。
ドルに対してもユーロ高が進み、円も含め全通貨に対してユーロ高になってきている。
ユーロ高は欧州の競争力を低下させ、ユーロ圏の経済に直撃するのが来年かもしれない。

③GDP成長率の鈍化、中国経済との距離拡大
ドイツを始め中国への依存度を高めることで域内の成長をしてきたユーロ圏。
対中国、対ロシアの地政学リスクは主要先進国の中でも高い方だろう。
これをどうマネージしていくのか、ユーロ圏の外交政策も問われるだろう。

この3点は詳細を考えてみたいが、まずは基本的な経済ファンダメンタル。
下の表は2022年と2023年の実質GDPと成長率を欧州の主要国で比べたものだ。
予測はIMFの数字を使った。

2022年 2023年
ドイツ 実質GDP 3.27 3.25 兆ユーロ
成長率 1.80% -0.54%
フランス 実質GDP 2.53 2.37 兆ユーロ
成長率 2.52% 0.95%
イタリア 実質GDP 1.74 1.75 兆ユーロ
成長率 3.72% 0.67%
スペイン 実質GDP 1.10 1.22 兆ユーロ
成長率 5.77% 2.45%
オランダ 実質GDP 0.81 0.82 兆ユーロ
成長率 4.33% 0.55%
IMF予測

ユーロ圏最大のドイツ、今年のGDP成長はマイナスが見込まれているし、フランス、イタリア、スペイン、オランダなどの主要国も同様に成長の鈍化が予想されている。
さらに来年2024年、現在のような高インフレと高金利、ユーロ高が続いていくとしたら、経済的リスクが高めっているような気がする。

来年に向けての欧州経済や市場は、きちんと考えてみたいテーマだ。




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2023年「無邪気な投資家」から「考える投資家」へ(3)

JPX











2021年「NASDAQ大天井」から今年2023年は2年目の株式市場となる。
経済は大体3年程度経過するとその性格を変えていく。

2020年春に新型コロナのまん延が中国から始まりアッという間に世界に広がった。
主要都市がロックダウンを行い経済は停止した・・・それから3年経つ2023年にはほぼ主要国で新型コロナを克服した・・・ウイルスは収束していないにもかかわらず・・・
人類はワクチンを開発するとともにウイルスへの対処法を身に着けた。

現在の高インフレへの対応も大体3年で人類は物価高に慣れてくる。
FRBの引き締めも一巡し、経済活動が再上昇してくるのも2024年だろう。
中国のアキレス腱だった不動産問題も3年目に入る頃には克服されてくるように思う。
世界の人流が回復し労働者の移動が正常化してくると、人出不足も徐々に解消されていくと思われる。

相場格言に「大回り3年」という言葉があるが、3年も経つと経済の局面が変わるということを前提にしている。
2023年は「NASDAQ大天井」から2年目の年であり、相当悪材料を織り込んできている。
高水準のインフレと金利の高止まりが続く中、株価指数の大幅上昇はなかなか難しいにしても大暴落というよりボックス型の往来相場を想定すべきだろう。

こうした往来相場では全銘柄がダメなわけではなく、その中で大きく上昇する銘柄と大きく下落する銘柄に分かれていくと思われる。

成長市場を作り上げる需要創出型の企業、物価高を追い風にして増収てきる企業、原材料高を克服した企業、合理化システム化でコスト削減できる企業、外需が停滞しても内需で増益できる企業・・・などなど。
だからこそ、インデックス投資に頼った「無邪気な投資家」よりも、自分で考えて投資する「考える投資家」の出番が来る。

パッシブ運用(インデックス運用)がここ数年運用の世界を席捲してきたが、久々にアクティブ運用が復活してくる年になるのかもしれない。



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2023年「無邪気な投資家」から「考える投資家」へ(2)

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2022年は株式投資にとって大きな分水嶺だったように思う。
景気循環には影響されて金利を上げたり下げたりは当然の事だが、2022年に起こった利上げは通常の金利政策の幅を大きく越えるものだった。

「乾いた薪の上にいるようだ」と言ったのはバブルピーク時の三重野元日銀総裁だが、過去の異常な金融緩和と急激な物価バブルに対して多くのバンカーが持った感覚だったのだろう。
各中銀が次々とゼロ金利を採用し量的緩和として各国債を買いまくった結果、膨大な資金が市場にダブついた。
この状況で始まったウクライナ戦争、米中摩擦によって資源価格が高騰し、サプライチェーンの制約を受け原材料が高騰した。
新型コロナからの経済正常化で人出不足が顕在化し、労働市場のひっ迫=賃金上昇が物価を一段と押し上げた。

こうした条件「量的緩和」「供給制約」「労働ひっ迫」という三つの条件でインフレ率が急上昇し、FRBが3倍速利上げを実施したように中銀が急激な引き締めを行った。
この条件のうち、中国経済が正常化する前提では「供給制約」は緩和されそうだが、「量的緩和」の遺産処理は長い時間が必要になるし、「労働ひっ迫」も移民など移動制限が残る局面では続いてしまう。
2023年もインフレ圧力が一定程度維持され、3倍速利上げが終了したとしても中銀バランスシートの処理が続いていくだろう。


2013~21年 2022年以降
経済成長 中成長 低成長
金利 低め 高め
物価 低め 高め

2022年を分水嶺として投資フレームワークが大きく変化した。
各中銀の異例な金融緩和で市場の需給関係が良好、低金利∔低インフレ∔中成長という良好な経済状態を基礎として長期に渡ってゴルディロックス(適温相場)が成立してきた。

この基本的な投資フレームワークが中銀の政策が180度変わる中で、「高金利の長期化」「高インフレの定着」「堅調ながらも低成長」という条件に変わる。
2013年~2021年までのゴルディロックス相場ではS&P500が最大のベンチマークだった。
米国の急成長株と大型株を有する株価指標で世界のリーディング・インデックスになった。
しかし、2022年以降の投資フレームワークでは違った形になるだろう。

ひたすらS&P500にインデックス投資すれば「OK」という「無邪気な投資家=innocent investor」の時代が終わった。
今後の株式市場は「考える投資家=thinker investor」がリターンを上げることになりそうな気がする。




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2023年「無邪気な投資家」から「考える投資家」へ

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2023年元旦
  あけましておめでとうございます。
  今年もよろしくお願いします。

2023年は「無邪気な投資家の時代」が終わり「考える投資家の時代」が始まるという予感があります。
「考える投資家」にとってはとても楽しい運用ができる年となる一方、「無邪気な投資家」にとっては難しい年となるのかなと思っています。

2008年のリーマン危機、2011年の東北大震災、2010年代のギリシャ危機と続いた厳しい5年間から、世界の中央銀行が揃い踏みで「ゼロ金利政策∔超量的緩和政策」を採用し、ジャブジャブの金融緩和を断行し株式市場は世界中で上昇してきました。
2013年末~2021年末までFRBのバランスシート(BS)は2.1倍の8.75兆ドル、日銀のBSは3.2倍の723兆円、ECBのBSは3.7倍の8.56兆ユーロに増加しました。

欧米の政策金利はすでに大きく引き上げられましたが、2023年は金利上昇よりも量的緩和の修正が株式市場に影響する年と考えています。
BSの縮小は見えないぐらいゆっくりと進むので急激な株価下落を伴うものではありませんが、ジワリジワリと株価に効いてくる感じになるでしょう。

こうした条件を考えた時、すべての銘柄が上昇し誰でもリターンが得られるという「無邪気な投資家の時代」が終わり、上がる銘柄と下がる銘柄が混在する「考える投資家の時代」になると思われます。
自分の運用についてもじっくり採算を考えて投資することを肝に銘じていきたいと考えています。

2023年、皆さまのご多幸とご健康をお祈りするとともに、運用の時代にうまく乗り素晴らしい成果を上げられるよう祈ります。



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無邪気な投資家の時代が終わった(3)

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投資フレームワークが大きく変化し、過去10年の「中成長」「低金利」「低物価」というゴルディロックス経済から、「低成長」「高めの金利」「高めの物価」という時代に変わりつつある。

ロシア、中国、北朝鮮などの独裁的な専制国家は、それまでのグローバルな「民主」「自由」「人権」などの基礎的な価値観とは一線を画する。
こうした分断された世界にあって、企業の模索は始まっている。
安定的なサプライチェーン、供給制約による原材料コスト高、人件費の高騰、グローバル化の時代とは真逆の経営方向を求められている。

投資家として新しい投資フレームワークの中で、どう投資を考えていけばいいのだろうか?

第一にキャピタルゲインを得ることがより難しくなり、インカムゲインを中心とした投資の方がより簡単になる。
それは各国中銀に無理やり低金利環境に押し込まれてきた債券市場を見直すことだろう。
米10年債の3.5%以上の利回りは長期で見ても非常に魅力的だ。
日本の投資家は為替が円高に振れるリスクを考える必要があるにしても、何の努力もなしに年3.5%のインカムゲインが着実に入ってくる。

残念なのは日本国債が日銀の無理やりの買いで低い金利に抑え込まれていることだ。
日本の投資家は絶好の債券投資のチャンスが日銀によって奪われてしまっているようなものだ。
米債金利は魅力的だが、135円/ドルの円安基調が変わった時には為替でやられてしまうリスクがある。

第二に物価に連動する投資対象は魅力的だ。
米国には物価連動債があり、物価が高めに推移する時代を考えれば一番買いたいのは物価連動債になるだろう。
残念ながら日本には物価連動債はない。
財務省が物価連動債を嫌うからだ。

第三に不動産価格に連動する投資商品、Jリートもインカム商品として魅力的だろう。
Jリートの中でも「バイ&ホールド型」のリートではなく、ポートフォリオの入れ替えをきちんと実施するリートが魅力的だ。
なぜなら、ポートフォリオの入れ替えを実施することで、不動産のキャピタルゲインをリートの分配金に、つまり、キャピタルゲインのインカム化を実行できるからだ。

第四にインカム中心に考えると、株式ではやっぱり配当利回りが高く、しかもボラティリティの低い銘柄が中心になるかもしれない。
こうした意味で高配当や最小分散がねらい目になるだろう。
成長株では「業績に安定感のある∔バリュエーションがそこそこ」の銘柄が魅力的だろう。
「GARP(グロース・アット・リーズナブル・プライス)」の投資手法で銘柄選択をするのがいいかもしれない。

いずれにしても、この新しいフレームワークではより確実に高いインカムゲインを得ることが投資の中心になるだろう。




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無邪気な投資家の時代が終わった(2)

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「無邪気な投資家の時代が終わった」の大きな意味の一つが、投資のフレームワーク(枠組み)が大きく変化したということだろう。
今回はこの「投資のフレームワーク」についてもうちょっと考えてみたい。

今後の投資を考える上で基本となるのは、世界経済の構造だ。
ロシアがウクライナ侵攻し、中国が東・南シナ海に領土を拡張する世界で、世界レベルの最適生産を実行し、グローバル市場を相手にしてきたビジネス環境は大きく変わった。

供給面では、地政学リスクが資源や基礎素材の供給不安を引き起こし、ロシアや中国リスクを踏まえた安定したサプライチェーンの再構築が必要になっている。
世界ベースで最適調達、最適生産、効率的物流、販売の極大化を単純に目指してきたグローバルビジネスは大きく変質せざるをえない。

という世界を想定すると、資源・素材の制約でコストが上昇して物価が高めに推移するだろうし・・・物価高に対応して金利も高めに推移するだろうし・・・こうした供給制約からグローバル経済成長は低めにならざるをえない。

投資の基本となるマクロ要素を「成長率」「金利」「物価」の三つで確認してみよう。
     

過去10年 今後~
経済成長 中成長 低成長
金利 低め 高め
物価 低め 高め

経済の中成長、低金利、低物価を前提としたゴルディロックス経済は大きく変わっていくことになる。
今後、経済の低成長、高めの金利、高めの物価を前提とした投資を考えていく必要がある。

こうした環境変化を前提にして「無邪気な投資家の時代の終わり」と表現された。

世界の経済成長率が低めになる前提では、企業業績全般の伸び率も低下する。
供給制約から物価が高止まりすれば、企業は材料費や物流コスト高を前提とした経営をせざるをえない。
当然、S&P500のようなグローバル企業を中心とした株価指数の上昇率も過去10年より落ちてくるはずだ。
さらに世界の中銀の超緩和(ゼロ金利、量的緩和)も終わり、ジャブジャブのカネ余りを前提とした株高も変わってくる。

となれば、より高い利益率のビジネスに集中する必要があり、それができる企業とできない企業の格差が広がる。
投資のフレームワークが大きく変わってくるので、投資家は自分で考える必要がある。
次回、自分なりの投資方針を描いてみたい。



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無邪気な投資家の時代が終わった(1)

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「無邪気な投資家の時代が終わった」は、日経CNBC岡崎さんの印象的な言葉で筆者の脳裏に残っている。
この言葉の意味するところは深い。
岡崎さんの話を自分なりに解釈すると、注目点は大きく三つある。

一つは過去20年のゴルディロックス(適温)経済は終わった。
経済の波はあるものの、基本的には中立金利(景気に中立な金利水準、だいたい2.5%)よりも低い市場金利、先進国の経済成長率でも2~3%程度の中成長を長期に渡って続ける経済だった。
今後は中立金利を上回る状態で、おそらく3%前後の長期金利が継続する・・・つまり、金融引き締め基調の経済に移行する。

二つ目は、今までの常識が通用しない時代になる。
ゴルディロックスを基本とした市場では、EPSが着実に増加し安定的な成長軌道を描く。
それだけではなく、中立金利より低い市場金利によってPERは順調に上昇するので、EPSの増加に輪をかけて市場価格が上昇する。

こうした安定した業績成長、安定したPERなどのバリュエーションという基本が変わる。
インフレに打ち勝つ企業は業績を伸ばせるが、中立金利以上の高金利で活躍できる企業は一部にとどまるだろう。

三つ目は、無邪気な投資家の時代が終わった。
よく考えずにS&P500のETFを買っておけばパフォーマンスが上がるという安易な時代は終わっている。
ゴルディロックス経済ではとにかく何も考えずにS&P500のETFを買っておけば良かった。
岡崎さんはこれを「無邪気な投資家」と表現する。

中立金利<市場金利の経済では、業績のハードルが上がる。
業績成長を続ける企業の条件が絞られる、しかも、市場金利を想定するとPER低めに推移する。
となれば、投資家は選択眼を持たなければならない。
「無邪気な投資家の時代が終わった」とは投資家の選択眼が決め手になる時代なのだろう。

次回、投資のフレームワーク(枠組み)の変化を考えてみたい。



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2022年相場を読む(4)~インフレは恐るるに足らず

ビッグマック指数2109









FRBがインフレ見通しを変更したことから、物価上昇の長期化懸念で市場は不安定化している。
だけど・・・よく考えてみよう。
物価が4%上がっても賃金が4%上がれば、日常生活は変わらない。
また、物価が4%上がっても金利が4%ならば、実質金利は依然として「ゼロ」で問題はない。
住宅価格が4%上昇しても、ローン金利が4%になっても、資産価値の上昇で相殺されるからだ。
さらに所得が4%増えればローンの支払いにも問題ない。

これはすべて相対価格が一定だから起こる現象だ。
では、何が問題になるのか?
それは現在が金融当局による過剰な量的緩和の最終局面にあることだ。
一時的に均衡が崩れることによって、歪みが生じ、新しい均衡水準に達するまでに混乱が起こる。
この混乱が起こるのが2022年と位置付けられるかもしれない。
その後は新しい均衡水準に向かう・・・金融市場は安定してくるだろう。

2022年の市場はおそらく絶好の買い場を提供してくれるだろう。

筆者の運用ポジションは今年7月以降、高値を付ける銘柄を順次売上りを実行した。
その結果、現在30%を越えるキャッシュを保有している。
絶好の買い場が来れば、全力買いをするつもりでいる。


皆さまにとって2021年はどんな年だったのでしょうか?
来年こそは良い年となりますようにお祈り申し上げます。
今年1年、当ブログを読んでいただき、ありがとうございました。 株山人



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2022年相場を読む(3)~投資方針

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1回目で物価と賃金と金利が新しい均衡水準を作る・・・米長期金利は大幅に上昇する可能性がある・・・と書いた。
2回目で物価が安定的に上昇する経済を前提にすると、企業は名目の売上げや利益を増やしやすい・・・株式市場は業績相場の色彩が強くなる・・・と書いた。

今回3回目は、過去2回の話を前提とした2022年の投資を考えてみたい。

第一の資産クラスは米国債だ。
前回話した通り、①パウエル氏のハト派で、インフレを一時的と言い続けたこと、②毎月800億ドルの米国債をFRBが買い続け、合計5.6兆ドル(640兆円)と巨額な債券買い入れを実行してきたこと。

これによって物価が上昇しても、賃金が上昇しても、米10年債は1.3~1.7%の水準で行ったり来たりだった。
この条件が変わる。
2023年までにFF金利が2%以上に上昇するという前提では、2023年の米10年債は4%に達しているかもしれない。
そういうリスクを考えておく必要はある。

第二の資産クラスはMBSやハイイールド債だ。
住宅ローン債券(MBS)や格付けの低い事業債だが、これらの資産クラスも相当なバブルで買われてきた可能性がある。
①国債と同様に、FRBがMBSを毎月400億ドル購入し、残高も2.6兆ドルに達していること、②コロナ禍で中小企業には支援金や雇用の補助金が入り、中小企業の倒産は異例に低い状態になっていること。

米国も日本も住宅市場にバブル的な要素があると同時に、格付けの低い事業債も政府の補助金政策で倒産件数が低く、本来倒産するような企業も生き延びてきた。
こうした量的緩和や政府のコロナ対策による財政支出が市場の歪みを作ってしまった可能性がある。
とすれば、FRBの金融政策の正常化とともにこれらの歪みも是正されてくると考えるべきだ。
日本でも中小企業の倒産が異常に低く、こうした歪みの影響は免れないかもしれない。

第三にインフレに強いとされている金価格や不動産。
確かに金や不動産はインフレ前提の市場では魅力的な資産クラスだ。
しかし、米長期金利が今後2年間で大きく上昇するかもしれない局面では、ドル高が生じやすく、金価格はドル高により抑えられる。
不動産も市場の過剰流動性で上昇している分があるので、いくらインフレに強いと言っても過剰流動性が吸収される局面ではマイナスの影響があるだろう。

金も不動産も好悪の両材料を考えていく必要がある。
しかし、円建ての金価格や不動産価格はドル高/円安で大きなプラスとなり、ドル建て金価格も上昇含みとすればダブルで妙味がある。
不動産も円安局面では海外投資家には大きく割安に見えてくるので、海外不動産投資家が割安国内不動産に触手を伸ばすかもしれない。
2022年の注目資産クラスは「円建て金」と「円建て不動産」かもしれない。



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2022年相場を読む(2)~業績相場?

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前回書いた通り、2022年は「新しい均衡水準に向かう」年と位置付けている。
では、長期金利の上昇によって株式市場は全くダメなのか・・・というとそうでもない。

理由は簡単。

物価の上昇は株式市場にプラスになるからだ。
実は株式市場は(物価上昇を調整しない)名目の世界にいる。
売上げも名目の数字で、物価が上昇すればその分で売上げも増加する。
利益もEPSも名目の数字なので、物価が上がればEPSも上昇する。
上昇する人件費や原材料をきちんと販売価格に転嫁できれば、物価上昇は株価にプラスになる。

特に米企業はなんの未練もなく、コスト上昇を販売価格に転嫁し、売上げを伸ばそうとするだろう。
となれば、物価の安定的な上昇によって株式市場では業績相場が生じる。
金利の引き上げ=引き締め政策が市場に一時的な混乱をもたらすかもしれないが、この業績相場入りが確認できれば、株式市場は再び上昇トレンドに乗るはずだ。

一方、業種間のバラツキは広がる。
コスト上昇を販売価格に転嫁しやすい「寡占的な業種」や「価格競争力の強い企業」の利益が増加しやすく、業績が評価され株価も上昇する。
その反面、販売価格に転嫁しにくい「過当競争の業種」や「価格競争力のない企業」は価格転嫁できずに沈没する。
結果として、業種間のバラツキ、企業間のバラツキが拡大することになる。

2022年の株式市場のイメージを次回考えてみたい。

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2022年相場を読む(1)~物価が作る「新しい均衡」

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2022年は「山あり、谷あり」の楽しい相場になりそうな予感がある。
そのカギは物価で、物価が新しい均衡を作り、大きな変化が株式市場にも起こると考えている。

まずそのカギとなる物価を考えてみたい。
多くの評論家は物価上昇は収まるという・・・なぜなら、①サプライチェーンの混乱が収まる、②原油などの素材価格の上昇も一巡する、③コロナの変異株が需要急増を抑える。

しかし、問題は別のところにある・・・それは賃金上昇だ。
すでにアメリカでは時間当たり賃金(Hourly Earnings)が前年比4.8%で上昇している。
コロナ後の労働参加率が上がらないため企業の人出不足が深刻になり、労働者を集めるためには賃金を上げざるを得ない。
おそらく、これはコロナ後の新しい常識なのだろう。

また、賃金は生活の基本であり、短期で大幅に上げたり大幅に下げたりできない。
なので一度上昇した賃金はそのまま上昇を続ける強いモメンタムが生じる。
しばらくは、安定した上昇率が長期化するはずだ。
となると、米国では今後しばらくは賃金∔3~4%程度が巡航速度と考えるべきだろう。

6%という消費者物価の伸びは上方に上がり過ぎたとは思うが、4%前後の賃金の伸びが支える状況は続くと考えるべきだ。
賃金の伸びを3~4%とすれば、消費者物価も3~4%以上で上昇する。
賃金と物価は連動するからだ。
サプライチェーンのボトルネックが終わっても、原油価格の急上昇が一巡しても、賃金上昇が物価を上昇させる。
しかも原油や天然ガスは「脱炭素」への移行する間は高止まりする(10/20「日本はインフレに向かう」参照)。
この賃金+4%、物価+4%というのは「新しい均衡」になると考えた方がいい。

そうなると、1.5%の米10年国債利回りはどう見ても整合的でない。
賃金+4%、物価+4%ならば、実質金利ゼロでも米長期金利も4%になる。

では、何故、米長期金利はこの低い1.5%前後にとどまっているのだろうか?
理由は簡単だ。
①パウエル氏が「インフレは一時的」と言い続け、債券投資家もパウエル氏に従ったことだ。
②FRBが毎月800億ドルの長期債を買い続けてきたことだ。

日銀が株式ETFを買い続け、ソフトバンクGやファストリの株価が大きく持ち上げられたが、米長期債もこれと同じ状態なのだろう。
ソフトバンクGやファストリ株は日銀のETF買いの終了とともに下落していった。
FRBのテーパリング終了とともに米債券利回りも徐々に切り上がっていく。
そして時間をかけて、賃金+4%、物価+4%、長期金利4%という均衡水準に移行していく。

こした新しい均衡水準に向かうのが、2022年の市場だと考えている。


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2021年上期の運用結果と反省

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2021年の前半、我がポジションは大きく稼いでくれた。
運用残高は23.3%の増加。
資金の出入りが全くないので、運用残高の増加=半期のパフォーマンスとなるから計算が簡単だ。
さらにこの半期の受け取り配当だが、期初運用金額に対して2.6%だった。
キャピタルゲイン:+23.3%、インカムゲイン:+2.6%・・・トータルゲイン:+25.9%

半期としては十分満足できる結果だった。

ポジション運営を振り返ってみよう。
年初から保有株式を売却しリートを買い、3月末にはリート100%のポートフォリオになった。
特に4%台の分配金利回りのあった、大手住宅・不動産企業をスポンサーに持つ「積水ハウス・リート」、「大和ハウス・リート」、物流の高利回り株の「CRBロジ」、東急不動産をスポンサーに持つ「アクティビア」などを組み入れた。
一方、ヘッジポジションとして、TOPIXベア2倍をポジションの10%程度を組入れた。
その結果90%リート、10%TOPIXベア2倍という構成比だった。

そして、6月の後半から売り上がり戦略を取り、リート価格の上昇に合わせてポジションの売却を開始した。
現在も売り上がり戦略を取っているが、6月末ではリート80%、5%TOPIXベア2倍、15%キャッシュという構成に変わった。

その理由だが・・・
(1)年初から10%程度の株価指数の調整はいつ起きてもおかしくないと考えていたこと。
そのためにヘッジポジションとして「TOPIXベア2倍」を10%(エクスポージャーは20%)組入れた。
(2)米・住宅市場や海外投資家の不動産の見方などから、株式よりもリートが有利と考えたこと。
株式を売り、リートを買い、ポートフォリオ全体をリートに変更した。
(3)FTグローバルのJリート組入れの完了に合わせて、売り上がり戦略を取ったこと。
FTグローバルの4回目の組入れが6月だったので、7月以降は需給が悪化する可能性がある。
その前に売り上がり戦略を実行し、20%程度のキャッシュ比率を目標にした。
7月以降もリート価格が上昇するならば、さらに売り上がり戦略を続け、キャッシュ比率を40%に引き上げるつもりだ。

2021年の下期は、上期よりも複雑な市場になる。
ワクチン接種の拡大を織り込み、経済の正常化を織り込み、さらに米国のテーパリングを織り込んでいく市場になるからだ。
価格が上昇した局面では利食いを先行させ、キャッシュ比率を引き上げていくことが最良の運用方針と考えている。


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2021年の資本主義の洗礼(2)

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新型コロナ騒動で、仕事を失った人、給与が減った人、店が倒産した人が多く出た・・・その反面、ウィズコロナのかけ声とともに株式市場の上昇で大きく儲けた人、好調な相場でIPOをして大儲けした企業家やベンチャーキャピタリストたちが多く出た。
リスクを取った人が勝ち組になり、リスクを取らなかった人が負け組になる・・・資本主義の厳しさが増幅されたように見える。

この変化が将来の日本社会に大きな変化をもたらすかもしれない。
日本人もサラリーマン的な横並びの社会から変化が始まる。
「アリとキリギリスの物語」も働き者の「アリ」と怠け者の「キリギリス」の話ではなく、リスクを取る「アリ」と、リスクを取らない「キリギリス」に物語は変わる。
毎日汗を垂らしてまじめに働けばいい・・・労働とは何かという価値観が変わる。

証券会社が「貯蓄から投資へ」というスローガンを掲げてからすでに10年以上が経過した。
しかしその間、日本の個人金融資産のポートフォリオはほとんど変化がなかった。
引き続き、安全志向が強い日本人のおカネはほとんど利回りのない銀行預金に大量に眠っている。
エクイティ文化が広がるとここに大きな変化を起こすだろう。

一つは新型コロナ騒動で見えたエクイティ文化が定着するかという点。
これは儲ける人が次々と登場すれば変わっていく。
ちょうど芸能人がテレビやマスコミから活動の場をユーチューブやネットに移し、芸能事務所から独立し自由に活動するようなものだ。
成功者が次々と出れば変わっていく・・・エクイティ文化とは「隣の芝生」みたいなもの。
隣の芝生がきれいに見えれば、それを羨ましく感じマネをする人が増える。

もう一つは団塊世代から若者世代への移行期で、リスクを取れる層が増えてくるかという点。
団塊世代が70歳代に入り、あと10年ぐらいするとこの世代の人たちも平均寿命に近づく。
年金の運用から相続までを話題にする信託銀行などのテレビCMが多く見かけるが、団塊世代の相続はかつてないほど規模が大きい。
その巨大な相続資産が次世代でどう動いていくのか・・・興味津々だ。

日本の社会主義的な資本主義が大きく変わる年が新型コロナ騒動だったと、将来認識される時が来るかもしれない。
1億総中流の日本社会が富裕層と貧困層に二分化される契機となる・・・2021年はこの傾向がさらに強まるだろう。
多くの金融関係者の長年の夢だった、米国型の個人金融資産ポートフォリオに近づくチャンスが訪れているのかもしれない。


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2021年の資本主義の洗礼(1)

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2020年が終わった。
以前1億総中流と言われた日本社会だが、2020年はこの中流層が一段と減少し、富裕層と貧困層に二分化された年と位置付けられるかもしれない。
新型コロナ騒動により世の中は激動した。
多くの人々がウィルスの感染に苦しみ、拡大予防のために活動が制限され、多くの飲食店、カラオケなどの娯楽、夜の街関連、ホテルや旅館が大きな打撃を受けた。
政府も個人への10万円の現金給付、飲食店の休業や時短支援、中小企業の資金繰り支援を行った。

しかし、その一方、株式市場は新型コロナ初期の3月に「奈落の底」から急回復し、なんと29年ぶりの高値を記録してしまった。
新規上場でもITサービス系の企業を中心に続々とIPOを実施・・・91社が新規上場し、四分の三の企業の初値が公募価格を上回り、公募価格から初値までの上昇率は平均で2.05倍・・・テンバガー株価10倍銘柄も出現するなど個人投資家が大活躍した。

というわけで、世の中では多くの人たちが失職したり、給与やボーナスが減少した・・・その反面、株式市場では個人投資家を中心に新興企業株が暴騰、大儲けした投資家、億り人も数多く出現した。
さらに、ITサービス企業の経営者や投資したベンチャー・キャピタリストには上場の利益で億万長者が続々と登場したはずだ。

新型コロナによる生活困窮者の急増と株億万長者の大量発生・・・明らかに資本主義の洗礼といえるような階層の二分化が進んだ年を言える。

資本主義は一定のルールの中で勝ち組と負け組に強制的に二分化させる。
中間層もウカウカしていられない・・・中流だと自負していても、いつのまにか負け組に入っているかもしれない。
長い間、日本では「頑張っても頑張らなくても結果は同じ」という社会主義的な1億総中流意識が強かったが・・・・それも大きく変わらざるを得ない。
徐々に中間層の二極化は進んできたが、新型コロナな一段をそれを進めてしまった。
製造業と非製造業の差が広がり、サービス業内部でIT系と消費サービスの格差拡大、さらに企業内部でも正規雇用と非正規雇用の格差が拡大した。

2020年は社会主義的な日本社会に資本主義的な階層分化が始まった年といえるかもしれない。
そうなると、リスクを取って参加する人、リスクを避けて安穏と過ごす人は将来大きな格差につながる。
アメリカ社会に近くなり、人口の1%が富の99%を独占するような社会に近づくのかもしれない。
新型コロナ騒動がその大きな契機だとしたら、日本人も安穏としていられない。



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2021年、元旦

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新年あめでとうございます。
今年もよろしくお願いします。
昨年は大変な年でしたが、皆さま、いかがお過ごしでしたでしょうか?

リートを中心に運用してきたので、けっこう苦労の多かった一年だった。
東証リート指数は2019年末2145ポイントから2020年末1783ポイントまで、年間で-16.8%で終わったが、この指数の下落がリート運用では厳しい逆風となってしまった。
運用結果はトータルゲインで+3.4%ともう一つ残念な感じ・・・そのうち、キャピタルゲインは-2.1%、インカムゲインは+5.5%。

でも、東証リート市場が低位で推移したため、保有ポートフォリオの分配金利回りでは5%以上を確保しているので、今年のインカムゲインもそこそこ期待できるだろう。
株式は良品計画を1100円まで下落した時に買ったのと、メルカリの3000円割れを拾ったぐらいで、マザーズ市場を中心としたモメンタム傾向には全く付いていけなかった。
基本方針を曲げず、今年もインカム中心に手堅い運用を行っていく方針。


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2021年相場のイメージ(2)

成長率 EPS(円) PER(倍)

    15 18 20
20% 1274 19110 22932 25480
30% 1380 20700 24840 27600
40% 1486 22290 26748 29720

現在の日経平均2万6000円近辺はPER24倍で、来期EPSのおよそ30%の増益を織り込んでいる。
来期の相場イメージを考える上では、来期の増益率と同時に、来期の増益率が高ければPERが低下しやすいことが大切だ。
来期(2021/3月期)のEPS水準とともに来期PERをどうイメージするがより重要だ。

来期のEPSはワクチン接種の広がりとともに新型コロナ騒動が収束し、オリンピックが開催できるぐらいの経済の正常化が進む・・・現実には多くの人たちがコロナに苦しんでいるが、株式市場ではコロナは収束している。
ファイザー、モデルナ、アストラゼネカ、あるいはアンジェスのワクチンがどのぐらい有効で、感染者を減らせるかによるが・・・ファイザーは「来年5月までの米経済が正常化に向かう」としている。
正常化できれば来期30~40%の増益が十分に可能でだろう。
この意味で来期EPSはワクチン状況が明らかになるにつれて、だんだんと見通せる状況になってくる。

一方、来期の株式市場を見る上でPERの水準が大きなポイントになる。
PERは直接的には来年の経済・金融政策によって左右されるが、より重要なのはもっと長期の経済成長率=ポストコロナ時代の日本企業の成長力を織り込んで決まることだ。
人口減少が進む社会で、環境対策や自然エネルギーへのシフト、化石燃料への依存の低減・・・このファンダメンタルな変化の中で、新しい需要を生む成長分野の開発がポイントだろう。

来期40%増益という楽観シナリオを前提として・・・
ポストコロナ時代に日本企業がうまく適応できれば、PERはコロナ以前の15倍程度から上昇し、18~20倍程度を維持することも可能だろう。
これを前提にすれば、40%増益+PER20倍で・・・日経平均は29700円と3万円に近い水準が試算されてくる。

逆にポストコロナ時代で、日本企業が環境対策によるコスト上昇、人口減少による内需の停滞、技術開発の遅れによる日本企業の競争力の低下・・・などが起こってくると、長期停滞のシナリオが再び現実味を帯びてくる。
その場合は来年の大幅な増益が一時的な戻りに過ぎなくなる・・・という意味では来年のPERは20倍以下に低下し、その後数年かけてコロナ以前の15倍程度に戻ってしまう。
これを前提にすれば、40%増益+PER18倍で・・・日経平均は2万6700円程度が妥当だ。
さらに長期的には40%増益+PER15倍で・・・日経平均は2万2300円程度でしかない。

ポストコロナ時代は・・・人口減少を補うデジタル技術で生産性の引上げ、脱化石燃料の技術でエネルギー改革、環境ビジネスの展開、などの改革の方向が明確になっている。
日本人は目的が決まるとそれに向けてまい進する傾向がある・・・その意味では日本企業の滝応力に期待したいところだ。
あまり悲観的な予想は当たらないかもしれない。

40%以上の増益率が実現するかどうか、ワクチンによって新型コロナを来年前半に克服できるかどうか、経済が正常化してオリンピック開催ができるほど人の移動が自由になるのかどうか?
この点をチェックポイントに見ていきたい。
いずれにしろ、来年のPERの水準がポストコロナ時代の長期成長力を示すことになりそうだ・・・興味津々だな。


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2021年相場のイメージ(1)

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7-9月期の決算発表が峠を越した・・・もう少し、上方修正が多いと思っていたが、全体としてはほぼ横ばいだった。

日経平均の予想EPSを見てみよう。
今年年初のEPSは1640円だったが新型コロナ騒動で急落し、11/20現在1062円と35%の減益をなっている。
感染状況によって景況感は変わるが、今年度(21/3月期)EPSはこんなところかもしれない。

より重要なのは来年度(22/3月期)の状況だ。
来年度はオリンピック開催できるような状況ならば、少なくとも2割増益、うまくいけば4割増益ぐらいまで見込めるかもしれない。
予想は前提条件次第で大きく変わるが・・・。
ここではイメージとして、20%増益、30%増益、40%増益のケース、PERも新型コロナ前の15倍、18倍、20倍のケースを想定した。

結果は下の表だ。

成長率 EPS(円) PER(倍)

    15 18 20
20% 1274 19110 22932 25480
30% 1380 20700 24840 27600
40% 1486 22290 26748 29720

現在の日経平均、25527円(11/20)は、来期のEPSで30%~40%程度を織り込む水準にある・・・
細かく言うと、来期の増益率30%程度だとすると、PERで18~19倍程度を市場は期待している。
来期の増益率40%程度と強気に見ると、PERで17~18倍程度が市場の期待だ。

世界的な金融緩和で各国ともに予想PERは上昇している・・・NYダウのPERは24倍、日経平均のPERも24倍・・・PER24倍が現状の世界標準だろう。
ジャブジャブの流動性が市場に供給されPERが上昇してきたこと、金利とPERの関係から低金利がPERを上昇させたこと、などがこの背景にあるだろう。
しかし、来期企業業績が急速に増加をすると、逆に、PERは低下してしまう。
現在の24倍のPERがどこまで低下するかは、来期と再来期の景況感、増益率、金融政策などの条件による。

このEPSの増加とPERの低下という関係の中で来期の株価水準が決まる。
これをどう考えたらいいのだろうか・・・次回検討してみたい。


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2021年オリンピック開催できれば株価暴騰

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グローバル第二波が止まらない。
世界の感染者が4500万人を越え、死者120万人に近づいている。
第一位は米国で900万人越え、第二位はインドで800万人越え、第三位はブラジルで550万人、第四位はロシアで160万人、第五位はフランスで130万人・・・と続く。
ロシアの感染爆発・・・確かプーチンが「ワクチン開発に成功」とドヤ顔宣言をしたのに、ロシアのワクチンは効かなかったということだろうか?
フランスを始め欧州各国は患者急増でパーシャル・ロックダウンの実施を決めた。
この流れを見ていると、2021の東京オリンピックが再び心配になってくる。

しかし、春のグローバル第一波とは決定的に違う。
PCRなどの検査キャパシティも拡大し、医療関係者も治療経験を積み、感染者への対応力が向上している・・・あとはワクチンだが、ロシア製は論外としても、アストラゼネカのワクチンは可能性があるようだし、モデルナと武田のワクチンも期待できそうだ。
検査キャパシティの拡充、医療の高度化、ワクチンの開発という三点で、春の第一波とは大違いなのだ。

おそらく政府は段階的に国境を開放し、徐々に世界との交流レベルを引き上げていくだろう。
ビジネスで海外出張を解禁しているし、入国可能な国も感染が収まっているアジア諸国を中心に増やしていくだろう。
健常者に対するPCR検査も拡充し、コロナ・フリーの海外渡航を拡げていくだろう。

10-12月期はまだまだ暗中模索で、グローバル第二波のネガティブな国民感情が残るかもしれない。
しかし、予定通りに年内にワクチンが開発され、流行が懸念される1-3月期の状況が見えてくれば新型コロナ感染への対応がほぼ完了してくる。
ワクチン投与が現実に始まり、PCR検査の陰性者に対して海外渡航が自由化される・・・そして、国内でも誰でも何回でも検査を安価で受けられるという体制が出来上がる。
そうなれば、本格的に新型コロナと共存する社会を作れる。

ここまでくれば、オリンピックを開催できる。
オリンピックの開催は日本経済を浮上される大きな原動力になる。
インバウンドも検査を条件にスタートし、国内旅行もGoTpキャンペーンの延長で増加し、海外とのビジネス交流が通常の6割~8割でまで戻る・・・だとしたら、ANAやJALもJR各社の株価も本格反騰に入る。
そのすべての期待が集まるのが2021オリンピックの開催だ。
開催できれば日本株は暴騰する。


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2020年米中デカップリングを考える

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トランプ大統領が12月24日米中部分合意の署名を行うと発表し、米中の合意署名も近いという見通し、さらに次の第二弾の合意を期待してNY市場では楽観派が悲観派を上回っている。
今回の合意では2500億ドルの関税25%は変わらず、関税15%の1200億ドル分が7.5%に引き下げられ、一方、中国の農産物輸入は金額を明記せず・・・中国側は「中国にとって役に立つ米製品の輸入は増える」とだけコメントした。

大幅な関税引き下げに踏みこめなった中国・・・なぜ、習近平がトランプに譲歩したのか・・・その背景には中国の国内経済、特に失業の深刻化があると見られる。
中国人民大学応用経済学院は「米中貿易摩擦による就職市場への影響分析」を発表し、2019年上期には人員削減を動きが表れた・・・地方政府は社会保険の一部免除などで雇用促進を図ったが、紡績などの輸出企業では賃金を7%引き下げたなど、雇用の悪化が続いている」と分析している。
高い失業率が雇用の不安を高め、政権への不満を増幅することに対して、習近平政権も懸念も持った・・・そのため貿易問題で一旦譲歩したということと受け止められている。

しかし、中国の「米中経済デカップリング」の方向は全く変わっていない。
今回の「部分合意」を中国側は一時休戦・・・デカップリングできる経済力を高めるまでの時間稼ぎと位置付けている。
中国の本心でいえば、政治原則である「共産党一党独裁」と、経済原則である「国家資本主義」に関わる部分では譲歩できない・・・「香港」も「台湾」も「新疆ウィグル」も「共産党一党独裁」に関わる問題で米国に関与してほしくないというのが本音だ。
つまり、この中国の根幹部分に難くせを付ける米国とは一線を画す・・・ということだ。

その長期戦略となる「中国製造2025」と「100年マラソン」は今回の部分合意に関係なく進められていくだろう。
2020年から中国経済は米国に依存しない自律性や独立性を高め、米中経済のデカップリングが始まり・・・2025年には「中国製造2025」を達成し、ハイテク分野で中国覇権を確立し5Gさらに6Gでも米国を凌駕する・・・そして、「100年マラソン」のゴールである2049年までに経済力や軍事力を含めた総合力で米国を上回り、中国の覇権を確立する。
その起点になるのが、2020年という年なのだろう。
もちろん、中国がGDPの長期減速に入っている局面で、絶好調の米国に対抗していくのは簡単ではない・・・しかし、あらゆる手段を使って、ハッキングで技術情報を盗み、補助金を乱発して技術開発を行う、同時に軍事力を高め米国と対等なレベルに近づける。
中国の強さは、経済、技術、軍事、政治、外交・・・すべての分野において民主的な議論が不要でトップダウン判断で決定されることだ・・・ここが米国にとって最大の懸念事項だろう。


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2020年中東地図を考える

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米軍がイランの革命防衛隊の司令官を空爆し殺害した・・・これで原油価格が急騰し、市場は波乱展開に陥っている。
トランプは米外交官や米軍に対する「邪悪な攻撃が差し迫った」「戦争を止めるために攻撃した」と発言し、革命防衛隊がテロ攻撃を計画していたことを暗示した。
ロシアのテロ攻撃を事前にプーチンに伝えたことでプーチンはトランプに謝意を示したが、CIAや米軍の諜報活動の精度が物凄くレベルアップしている気がする。

今回の司令官殺害が中東地域にどう影響していくのだろうか?
まず言えるのは簡単にはイランと米国の国家間の全面戦争にはなりにくいことだ・・・現段階でのポイントは米国・サウジ・イスラエルの国家正規軍に対して、革命防衛隊もレバノンのヒズボラもイエメンのフーシ派も正規軍ではない・・・そして、これらの組織は中東の地下でイスラム教シーア派の原理主義につながっているので、地下での争いが中心になっていくと考えられる。

レバノンはヒズボラが政治政党として議席を伸ばす一方、様々なテロ組織をつながり勢力を増している・・・もちろん、イスラエルはヒズボラの拡張を警戒し、米国も監視を強めている。
しかし、レバノン全土がヒズボラの勢力下に入る可能性もある・・・その場合、逃亡犯ゴーンも安穏とはしていられないだろう。

イエメンではイランの影響下にあるフーシ派がテロ行為を繰り返している・・・サウジが数百発のミサイルをイエメンに打ち込んでいるが、決定打は打てていない。
過激派テロ組織は地下でつながり、地下で勢力を拡大している・・・その中心にいるのがイラン革命防衛隊という構図だ。

イランには正規軍もあり、軍事力の二重構造にある。
国際社会の監視もあり正規軍は簡単には動かせない・・・しかし、地下組織と繋がる革命防衛隊は、イラクなどの紛争地域に出没して勢力を拡大してきた。
この革命防衛隊と中東地域に広がるシーア派原理主義組織が中心になって対米小競り合いを繰り広げると考えられる。

というわけで、2020年の中東は米軍のイラン革命防衛隊司令官の殺害で始まったが、今後、イスラム教シーア派過激組織が中東全域の地下でつながり、米国・サウジ・イスラエルの正規軍と争っていく展開になりそうだ・・・全面戦争になっていくわけでもないし、金融資本市場はひっくり返すような事態にはならないと思われる。
しかし、スンニ派の過激組織ISをやっとの思いで壊滅させた米国が、次にシーア派の過激組織に対峙することになり、しばらくは厄介な戦いを強いられることになりそうだ。


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2020年の株式投資を考える(3)

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投資の面から2020年を考えてみよう。
ポイントは(1)パッシブ投資の全盛時代、(2)ESG投資の急拡大、(3)新興市場の活性化だ。

まずはパッシブ投資だが、2019年にすでに米投信業界ではパッシブ投資の残高がアクティブ投資を上回り、パッシブ投資が本格的な全盛期を迎えている。
日本でも、iDeCoやNISAの長期投資では運用コストが安いパッシブファンドやETFに人気が集まっている・・・日銀のETF買いによってETFの市場規模が40兆円に成長し、日銀のETF貸し付けによってETF市場の流動性も拡大するだろう。
パッシブ投資は良い会社も悪い会社も全部買ってしまうため、市場の価格形成を歪める・・・さらにその歪みを是正するアクティブ運用が減少しているので、歪みがどんどん拡大していく状況になる・・・ここに注意が必要だ。

次に日本でESG投資が本格的に伸びる年となることだ。
E(環境)S(社会的責任)G(ガバナンス)という基準で投資するのがESG投資だが、今まではネガティブ・スクリーニング、つまり、環境意識の低い会社、反社組織との関係が取りだたされた会社、ワンマン経営の会社など、問題のある会社を投資対象から取り除く(ネガティブ・スクリーニング)というのが一般的だった。
しかし、地球温暖化、自然災害の多さ、企業不祥事の多さなどから世界的な批判が高まっている時期でもあり、環境に対応する強い姿勢の会社や株主重視の経営をする会社を積極的に組み入れていく(ポジティブ・スクリーニング)というESG投資ファンドがトレンドになるだろう。
こうしたESGファンドに資金が流入することで、こうしたファンドのパフォーマンスもさらに上がる・・・これがさらに資金を集めていくという好循環に入る可能性も高い。

三番目は、パッシブ投資の影響が少ない新興市場が注目されてくる可能性だ。
パッシブ買いによってすでに大きく持ち上げられたファーストリテーリングなどの大型株をさらに買う自信がなくても、パッシブ買いに関係のない新興株ならば買える・・・パッシブ投資の行きすぎた市場では、パッシブの影響を避けて小型新興株を買いたいというニーズが高まるだろう。
東証が市場改革を検討しているが、その骨子は(1)東証1部の改革とともにTOPIXインデックスの改革、(2)JASDAQ・マザーズなどに分かれている新興市場の統合だ。
そして、出来上がる新興市場は、TOPIXのインデックス売買に影響されない独自の市場となる・・・イメージとしてはNYのNASDAQのような独自の新興市場になればいいと思う。
統合により流動性が高まるだろうし、さらにマザーズ市場並みのIPO基準で上場できるとなれば、市場の魅力が増していく可能性がある。
となれば、新興市場から大きく成長していく銘柄が多く出てきてもおかしくない。

「パッシブの全盛期」「ESG投資の拡大」「新興市場の活性化」・・・この3点が2020年の市場の特徴ではないだろうか?・・・これらを考えて運用戦略に生かしたいと考えている。


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2020年の株式市場を考える(2)

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2020年の市場はNY市場の過去最高値からスタートすることになる。
2020年の株式市場を考える上では、(1)バリュエーションのストレッチ(伸び切った)問題、(2)ゼロ金利の限界の問題、(3)中国の巨額債務の問題、の三つの問題に注目している。

(1)バリュエーションのストレッチ問題
NY市場が過去最高値を付けた原動力はPERの上昇だった・・・この半年で、NYダウのPERは15.6倍から19倍へ、S&P500のPERは17倍から19.8倍へ、NASDAQのPERは20倍から24.1倍へと上昇した・・・一方、EPSはほぼ横ばいだ。
年央からはセンチメント系のPMIなどが底打ちの気配を見せ、それに伴って景気回復期待が生じ、株価が上昇したわけだが、現状の株価は2020年のEPSが15%程度増加するのを織り込んでいる。
問題は、実際に2020年EPSが15%の増加するかどうか?・・・一桁程度の増加では2019年の株高は行きすぎだったことになり、バリュエーションの調整が必要になる。
日本でも同様で決算後の会社予想が10%以上伸びるかがもう一段の株価上昇のカギになりそうだ。

(2)ゼロ金利の限界の問題
今年10月、トヨタ系列のトヨタファイナンスがゼロ金利で3年社債を200億円発行した。
ブルームバーグではユニリーバやSAP社債もマイナス利回りで、世界のマイナス利回り社債の規模は130兆円に上るとしている。
マイナス金利で企業が資金調達できる時代、それだけクレジットが緩み、クレジットリスクの高い企業でさえ簡単に資金調達ができた・・・でも、これは逆に企業の規律を歪めている。
おそらく2020年から2021年には欧州と日本のゼロ金利が反転していく年になると見られる・・・また、債務問題とともにクレジット問題がでてくるかもしれない。
すでにフランス10年金利はプラスに反転し、日本10年国債も流通利回りが一時的にプラスになった。
社債市場の異常なマイナス金利が修正されていく過程で、過大なクレジットやジャンク債発行企業が淘汰されていく可能性がある・・・社債・クレジットに要注意。

(3)中国の巨額債務の問題
中国は国家資本主義であり、多少の問題を国家主導で覆い隠すことができる。
人民銀行の統計では、社会融資総量(中国ではノンバンク融資が大きいので銀行融資だけでは全体像が見えない)は年初の205兆元から11月に221兆元へと急増している・・・もちろん、これは金融緩和を進めた結果だが・・・
年間で10%ペースで社会総量(銀行+ノンバンク)の融資が伸びている・・・当局の緩和姿勢が背景にあるとはいえ、この緩い融資が地方政府やその融資平台によって実施されてきた。
これが地方政府や国営企業の過大債務につながっている・・・計画経済の中国では目標達成のために過大な借金をして過大な資産を持つインセンティブが常に働くからだ。
中国の地方政府や国有企業に債務急増が目立ち、これらの処理が今後の課題になるかもしれない。

2020年の株式市場は基本的に強気ながら、年央から実際のEPSの伸びは15%以上に加速するかどうか、企業のクレジット問題とジャンク債のレートに気を付けるべきだろうし、中国の債務問題にも注意を払う必要があるだろう。


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2020年の市場環境を考える(1)

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2020年は比較的順調な世界経済の拡大が専門家によって予想されている。
日本を含む主要国の法人税の引下げ、FRBの連続利下げと量的緩和の深堀り、そして、今年予想されている欧州や日本での財政積極化・・・さらに、日本では東京オリンピックが開催され、インバウンド需要が再び注目される年となる。
2020年は昨年の好調な市場がそのまま続くという強気予想の専門家が多い。
PMIのようなセンチメント系指標はボトムを打って、個人消費や工業生産や設備投資のようなハードデータが回復する・・・そこに公共投資やオリンピック期待が上乗せになる・・・特に異論はない。

でも、一方、年後半は???なのだ・・・安倍政権の経済政策の失敗が表面化するからだ。
消費税引上げという恒久的増税と補正による公共投資+ポイント還元の一時的カンフル剤の政策組合せがそもそも最悪で経済失策の原因になりかねない。
消費税は3%からスタートし、5%、8%、そして10%と引き上げられ、今や、税収は22兆円と、所得税や法人税を抜き、最大の税項目に肥大化した・・・10%消費税がフル寄与する2020年はさらに消費税額はさらに増加する=国民の負担が高まる。
長期にわたった物価停滞の下での消費税引上げが一般国民の大きな負担となってきたのが間違いなく、これがデフレの原因と言ってもいいぐらいだ・・・そして、政府は成長率が落ちると一時的な公共投資を拡大して取り繕う・・・しかし、所詮、一時的な浮揚効果しかなく、その後、経済は失速する・・・これを繰り返してきたのが安倍政権だ・・・構造改革は全くと言っていいぐらい進んでいない。
おそらく10%の消費税で高齢者世帯は急速に消費レベルを落とす・・・さらにポイント還元が終わり、公共投資が一巡すると、経済は急速に失速する可能性が髙い・・・これが年後半から来年に表面化する。

東京オリンピック後の日本が一種の「祭りの後」みたいな雰囲気になる・・・それこそ「ボーッとしてんじゃないよ」と言われかねないことになる。
1964年の東京オリンピックは大成功し、第二次大戦の大負けで国家破綻した日本の再生をアピールした・・・しかし、このオリンピックの高揚感から一転して厭世的な雰囲気になった日本経済は、1965年「昭和40年の証券不況」に向かって落ち込んでいった。
これが繰り返されないという保証はない。

安倍政権の経済政策の「失敗の表面化」とオリンピックの「祭りの後」により、日本の景気が急速に悪化する事態も考えられる・・・少なくとも、年後半には景気の好材料が見られないのが問題だ。
明日、もう少し、市場の全体観を詳しく取り上げたい。


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