
データセンターの投資が今年だけで116兆円にも上ると言われている。
国家予算並みの巨額投資が実行されれば、半導体や部材の関連企業に莫大な需要が生まれる。
ここまでは相場はすでに織り込んで動いている。
でも、その土台にある「巨大な設備投資」に盲点がないのだろうか?
最近気になったニュースを取り上げてみた。
①ソフトバンクのジャンク債発行
「AIの資金調達を目的としたジャンク(投機的格付け)債の発行が相次ぐ中、投資家の呼び込みに苦しんでいたソフトバンクグループ関連のデータセンター向け社債の提示利回りが引き上げられた。
子会社が発行する9億9900万ドル(約1570億円)は、利回りが最高9%で協議されている。これまでは、8%台前半から半ばの水準だった。」
ソフトバンクGはバランスシートが弱い(借入金が多い)ため、ムーディーズでは「Ba2」の格付け=投資不適格に分類されている。
なので、債券発行ではまともな機関投資家が買わない「ジャンク債」を発行するしかない。
というわけで、9%という異常に高い金利での資金調達となった。
9%の金利で借りてデータセンターに投資する、そのリターンがどうなるのか?
②ソフトバンクGの株式担保マージンローン
「ソフトバンクGと銀行団が貸し手との協議を進めてきた同ローンでは調達額が最大で60億ドル程度と、当初と比べ40%減額する案が浮上している。今回の調達額の減額は一部の貸し手がOpenAIのような非上場企業の評価額を算定することが難しいと難色を示したことが背景にある。マージンローンは、企業が株式などの保有資産を担保に融資を受ける仕組みだ。」
保有するアリババ株の先渡し契約や株式担保のマージンローンなどで資金調達を繰り返してきた。
でもアリババ株にしてもアーム株にしても上場株なのでその評価は明確だが、オープンAIとなると財務諸表の開示なども上場企業の厳しい基準が適応されない。
これだけのAIブームの中で、オープンAIの株式評価に疑問が生じていることは気に留めておくべきだろう。
③メタプラットフォームズの巨額債券発行
メタは昨年300億ドル、今年250億ドルの債券を発行、これは設備投資の増額100億ドル(年間1250〜1450億ドル)に対応したものだ。
一応、第一四半期のフリーキャッシュフローが132億ドルあるので、そこがソフトバンクGとは違う。
でも、金利とデュレーション(年限)が異常に高いし長い。
メタの発行した長期債券のうち、2050〜2062年が満期となる債券は440億ドルあるが、その金利は年6%以上の高金利となっている。
今後25〜30年に渡って6%以上の金利を払い続けるなければならない、その金額が440億ドル(6.6兆円)にも達している。
それだけAIに勝負をかけている。
日経新聞のよる報道では1年で116兆円に上るというビッグテックの設備投資、この資金調達が投資家の盲点になるかもしれない。
グーグルはフリーキャッシュフローも厚くジェミニでAIモデルでも強く別格だが、データセンター投資中心の企業はフリーキャッシュフローの範囲を超えた資金調達が今後の重荷になってくる。
財務の弱い企業が今後設備投資の減額でもするとしたら、投資期待の大きい現在のAI関連相場が変化していく可能性もある。
よく見ていきたい。
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