
このところ、ウォーレンバフェット氏率いるバークシャーハサウェイの株式売却のニュースが続いている。
バフェット氏はアップル株を大量に保有しバークシャーのポートフォリオの52%を占めていたが、およそ保有額の半分を売却、6月末のアップル株は30%に過ぎない。
まだまだ4億株も保有しているので必ずしも「アップルに弱気」というわけではなさそう。
さらに第二位の保有株だったバンク・オブ・アメリカも8月末にかけて大量に売却。
ブルームバーグニュース・・・
「バフェット氏のバークシャーが7月中旬からの一連の売却でBofA株の保有比率を13%近く減らし、合計で54億ドルを調達した。27日遅くに、8月23、26、27日に行った売却の詳細を開示。」
これは何を意味しているだろう?
まず第一に言えるのは、ポートフォリオのリバランス。
アップル株は以前ポートフォリオの52%と圧倒的なウェートを持っていたが、これを30%に圧縮。
さらに第二位のウェートだったバンカメ株も一部売却し、おそらく11%程度までカットした。
となると、ポートフォリオのトップ3のウェートはアップル30%、アメックス12%、バンカメ11%となり、ポートフォリオの凸凹がかなり減った。
アップル、バンカメ、アメックス株のバランスが以前よりも良くなっている。
第二に、キャッシュポジションの急拡大。
バークシャーのキャッシュポジション

上のグラフはバークシャーのキャッシュ水準だが、6月末ですでに276十億ドル、およそ40兆円に達している。
7-9月期も引き続き株式売却を続けているので、一段とキャッシュが積み上がっている。
これだけの現金を積み上げたのは、2月にバフェット氏が「株式市場はカジノライク」とコメントした通り、現在の市場をバリュー投資のタイミングとは見ていないということだろう。
ここまでのデータから推測できるのは・・・
①ポートフォリオの凸凹を滑らかにして、ポートフォリオのリスクを減らしたこと。
ITサービスや金融という変動率の高いボラタイルな業種を減らし、コカ・コーラなどのディフェンシブのウェートを相対的に高めた。
これによりポートフォリオの安定性は高まっているといえる。
②キャッシュポジションを一段と高め、ポートフォリオのリスクを大幅に減らしたこと。
キャッシュを積み上げたことでポートフォリオの変動性を抑えることができる。
また、次の暴落場面で機動的に組入れることができる・・・というわけだ。
おそらく、バフェット氏は現在の株式市場にカジノ的なリスク(制御できないリスク)を感じている。
いつ暴落が起きても対応できるように準備をしている。
これは「バフェット氏の買いたい弱気」といえるだろう。
相場格言で言う「買いたい弱気」は、多くの人が株価下落時に買いたいと準備している状態で、通常、買いたい弱気の市場は下落しにくい。
でもそこは投資の神様バフェット氏、下落場面を捉えて買いに転じることができるかもしれない。
我々一般投資家にも非常に参考になるな・・・
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