株山人の投資徒然草

大手運用会社をリタイアし、八ヶ岳に住む株山人の日記

大手運用会社をリタイアし、八ヶ岳に住む株山人の日記

株を職業にして38年、株式投資の楽しさを個人投資家に伝えたい。
Kindle版の「株式需給の達人(おもしろ相場格言編)」を出版しました。
既刊の「株式需給の達人(実践的バリュエーション編)」「チャートの達人」「個人投資家の最強運用」「株式需給の達人(基礎編)」「株式需給の達人(投資家編)」とともに一読をおすすめします。

相場格言

バフェット氏の「買いたい弱気」

バフェット氏のポートフォリオ(24年6月末)
バフェット202406















このところ、ウォーレンバフェット氏率いるバークシャーハサウェイの株式売却のニュースが続いている。
バフェット氏はアップル株を大量に保有しバークシャーのポートフォリオの52%を占めていたが、およそ保有額の半分を売却、6月末のアップル株は30%に過ぎない。
まだまだ4億株も保有しているので必ずしも「アップルに弱気」というわけではなさそう。

さらに第二位の保有株だったバンク・オブ・アメリカも8月末にかけて大量に売却。
ブルームバーグニュース・・・
「バフェット氏のバークシャーが7月中旬からの一連の売却でBofA株の保有比率を13%近く減らし、合計で54億ドルを調達した。27日遅くに、8月23、26、27日に行った売却の詳細を開示。」

これは何を意味しているだろう?

まず第一に言えるのは、ポートフォリオのリバランス。

アップル株は以前ポートフォリオの52%と圧倒的なウェートを持っていたが、これを30%に圧縮。
さらに第二位のウェートだったバンカメ株も一部売却し、おそらく11%程度までカットした。

となると、ポートフォリオのトップ3のウェートはアップル30%、アメックス12%、バンカメ11%となり、ポートフォリオの凸凹がかなり減った。
アップル、バンカメ、アメックス株のバランスが以前よりも良くなっている。

第二に、キャッシュポジションの急拡大。

バークシャーのキャッシュポジション
バフェットキャッシュ202406











上のグラフはバークシャーのキャッシュ水準だが、6月末ですでに276十億ドル、およそ40兆円に達している。
7-9月期も引き続き株式売却を続けているので、一段とキャッシュが積み上がっている。
これだけの現金を積み上げたのは、2月にバフェット氏が「株式市場はカジノライク」とコメントした通り、現在の市場をバリュー投資のタイミングとは見ていないということだろう。

ここまでのデータから推測できるのは・・・

①ポートフォリオの凸凹を滑らかにして、ポートフォリオのリスクを減らしたこと。
ITサービスや金融という変動率の高いボラタイルな業種を減らし、コカ・コーラなどのディフェンシブのウェートを相対的に高めた。
これによりポートフォリオの安定性は高まっているといえる。

②キャッシュポジションを一段と高め、ポートフォリオのリスクを大幅に減らしたこと。
キャッシュを積み上げたことでポートフォリオの変動性を抑えることができる。
また、次の暴落場面で機動的に組入れることができる・・・というわけだ。

おそらく、バフェット氏は現在の株式市場にカジノ的なリスク(制御できないリスク)を感じている。
いつ暴落が起きても対応できるように準備をしている。
これは「バフェット氏の買いたい弱気」といえるだろう。

相場格言で言う「買いたい弱気」は、多くの人が株価下落時に買いたいと準備している状態で、通常、買いたい弱気の市場は下落しにくい。
でもそこは投資の神様バフェット氏、下落場面を捉えて買いに転じることができるかもしれない。

我々一般投資家にも非常に参考になるな・・・


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新NISAの「配当利回り平均法」

ドルコスト平均法









ドルコスト平均法とは、例えば、毎月コツコツと等金額で同じ株式を買い続けるという買い方だ。
一方、相場格言に「下手なナンピン、すかんぴん」というのがあるが、ナンピン買い(株価が下落した時、さらに買い増し平均コストを引き下げる)は「NG」とされている。

ドルコスト平均法は必ず儲かる「黄金の法則」では全くない。

新型コロナ禍でワクチン開発にまい進したアンジェス(4563)株価は2492円まで上昇した。
もしドルコスト平均法でアンジェスを毎月買い続けたらどうなるのか?
現在の株価はたったの71円なので、計算するまでもなく大きな損失を出しているはすだ。

このアンジェスの場合、「下手なナンピン、すかんぴん」の相場格言がピッタリと当てはまる。
それでも、ドルコスト平均法で買い続けることには意味がある。
ずっと何年も何年も買い続けたら、何か新薬を開発し株価が大化けするかもしれない。
長期のドルコスト平均法で買いコストが1000円以下になっていれば、もし大化けして1000円を超えれば儲けになる。
こうした「夢」を描けるのがドルコスト平均法だ。
「下手なナンピン」だけだったら、大損して持ち株をブン投げしているかもしれない。

さて今年は正月から日経平均の大暴騰で、新NISAの投資はどうすべきなのだろうか?
この株高水準から新規買いするのは勇気が必要だろう。
慎重な買い方をすべきだ。

筆者も新NISA口座を開設し投資を始めた。
同じ銘柄を買い続けるような「ドルコスト平均法」はやらない。
でも、時間分散は十分に利用する。

この急騰相場で買い候補リストの中からJリート銘柄を20万円分購入した。
でもそれだけ、毎月20万円づつ購入すると決めているからだ。

筆者の「新NISA運用法」は「配当利回り平均法」ともいえる投資法だ。
①新NISAの投資枠240万円を月割りで20万円づつ投資する(時間分散)。
②買い候補銘柄12銘柄のリストを選ぶ。
決算の分析と配当利回りと過去のレンジを参考にして配当の相対的に高い銘柄を毎月選ぶ。
③リストの中で最も配当利回りの条件が良い(株価が割安な銘柄)を毎月買う。

こうしてポートフォリオを作り上げれば、最良の高配当ポートフォリオになると思う。
簡単に言えば、株価が下落し配当利回りが上昇した銘柄を、毎月毎月の時間分散を利用して、コツコツと投資するというわけだ。
あとは、「買いたい」誘惑を抑えてタンタンとしていられるかどうか・・・かもしれない。




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三人寄れば「派閥」ができる

派閥





















 








ある政治学者が「三人寄れば派閥ができる」と政治家から派閥は絶対になくならないと断言した。
なんか「ことわざ」とか「格言」かなと思ったが、そうでもないようだ。

よく言われる言葉には「三人寄れば文殊の知恵」、凡人でも三人集まれば良い知恵が出るという意味だが、「政治家は三人集まると裏金作り」を始める。
毛利元就の「三本の矢」だが、政治家の束である安倍派でさえボロボロに折れる。
政治家は「三本の矢で束(派閥)になっても折れる

政権交代がほとんどない日本では欧米流の民主主義は通用しない。
あるのは自民党という政治システムだけで、その党内で派閥による政権交代があるだけだ。
その意味では「派閥」は自民党内の民主主義のシステムともいえるが・・・。
宏池会を解散しても「宏池会Ⅱ」が作られるだけかもしれないし、清和会が解散しても他の派閥へと移動が起こるだけかもしれない。
でもそれは旧来型の派閥政治の終わりとなるかもしれない。

もちろん派閥は海外の国会議員にもある。
たとえば、飛ぶ鳥を落とす勢いの「トランプ派」は共和党内で大きな勢力になっている。
でも自民党の派閥と違うのは、「トランプ派」は国会議員の集まりではなく、一般国民まで含めた巨大な支持グループだということ。
「トランプ派」は国民の支持を受けた派閥と見ることもできる。

それに比べて自民党の派閥は国民の支持とは関係のない、単なる国会議員の集まりというだけで、選挙や政治資金、さらに内閣ポストの配分という自民党議員の互助会組織みたいなものだ。
清和会は安倍氏が亡くなって機能不全かと思われたが、安倍派議員が内閣主要ポストを牛耳っている。
このあたりの節操の無さ、議員としての矜持や政策主張に関係なく、派閥の人数によって内閣ポストが配分されるという異常な人事が派閥の名の下に行われる。

この「国民不在の異常さ」が自民党政治の特徴なのだろう。
でももう国民はガマンの限界を超えている。
現存する派閥の完全廃止、企業献金(パー券を含めて)の全面禁止、政策活動費の開示義務、脱税行為として裏金の違法性、すべての時代遅れな自民党を一気に変革しないと将来はない。
自民党の分割、新たな政治システムの構築という視点から考えてほしいと思う。



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政治が悪いと株価が下がる?

歴代内閣支持率




























株式評論家がよく使う相場格言に「国策に向かうな」というのがある。
国策の方向に乗れば株式投資で大きなリターンが得られるというわけだが・・・実はこの格言は日本株には滅多に当てはまらない。
過去はほとんど一時的な投機的な動きにとどまってきた。

政権が不安定で内閣の交替が多く、そのたびに政策がブレてしまうからだ。
2000年以降で見ても、長期で安定した政権を維持できたのは、小泉内閣と第二次安倍内閣だけ。
その他の内閣は、安倍一次、福田、麻生、鳩山、菅、野田、菅、岸田・・・どれも3年以内で国民の支持を失ってしまった。

でも株価は内閣支持率とパラレルに動いているわけではない。
政治が株価に影響する経路は三つある。

①海外投資家の動き
政治状況に一番厳しいのは海外投資家だ。
政治の安定は投資環境の基盤であり、不安定な政治の国は投資対象にさえならないと多くの海外投資家は考えている。
政変によって経済が大きく変わってしまうのは、広い世界ではごくごく普通のことで投資の大きなリスクだからだ。

一方国内運用機関は国内籍のファンドを運用し、国内の投資家から資金を得て、国内の資産に投資しているので、ダメな政治とも一蓮托生の関係にある。
逃げられないという感覚があるので、政治の不安定にも海外投資家のように敏感には動かない。

②企業収益の変化
岸田政権の「異次元の子供予算」が発動されれば恩恵を受ける企業も多いが、政権がポシャれば予算自体がどうなるか分からない。
各政権による成長戦略はかくも不安定だし危うい。
しかし国内企業は政治の方向ばかり見ているわけでなく、自らの戦略で収益を上げることに注力する。
政治のドタバタで企業収益が変化する度合いは極めて限定的といえる。
その意味でも政治が企業収益に与える影響は小さい。

③政治体制の抜本的変化
外国には「政変」があるが、日本でも明治維新は大きな「政変」だった。
でも現代の日本では、自民党内の派閥で総裁ー総理が決まる範囲では誰が総理になっても変わらない。
派閥の持ち回りで総理が出てくるだけだからだ。
米大統領選挙で民主党が勝つか共和党が勝つか、バイデンが勝つかトランプが勝つか大違いなのと全然違う。


しかし、今回の「裏金事件」はかつてないほど大きな影響を残す。
検察がどこまで踏み込み、何人の議員が起訴されるかも重要な視点だが、それだけではない。
多くの自民党議員が起訴されれば公民権をはく奪され選挙に出馬できないとしたら、次の総選挙を越えると各党議員の構成も大きく変化するかもしれない。

岸田内閣の解散、総選挙となった時、海外投資家がどう動くかが最大のポイントだ。
一旦はネガティブに反応するかもしれない。
でも、その後、日本の政治に変化が起こるとしたら、変化への期待が生じるかもしれない。


大半の現職の議員たちは選挙で勝つために議員活動をしている、国民のために政治活動をしているわけではない。
現在の派閥で選挙に勝てないと分かったら・・・いろいろ動く。
派閥単位で自民党が分裂する、一部の派閥が自民党から独立する、自民党に近い野党と自民党の一部派閥が合併する・・・様ざまな選択肢がある。
自民党が分裂する形で政界再編が行われるとしたら、国民は変化を期待する。
となれば、株式市場はその期待を反映して上昇するかもしれない。

政治が悪いと必ず株価が下がる・・・とはいえない。



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今は「株のカイドキ」なのか?

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日経平均が3万円を大きく越え、3万3000円台の高水準まで上昇した。
この3万円台を新規に買っていいのだろうか?
投資家には気迷いがあるだろう。

「株式投資」をこれから始めようとしている人は「株は松茸と違う」ということを頭に入れておいた方がいい。
松茸の旬は秋の一瞬だが、上場している株は取引所がオープンしている限りいつでも同じ権利と持つ株式を買える。
まずは「買って市場に参加する」ことが一番だ。
自分で買ってもいないの「あ~だ、こ~だ」というのは評論家だけに任せておけばいい。

株は買ってから考える
株は上がるか下がるかしかない。
買ってから上がるかもしれない、下がるかもしれない、でも次にいくらで買うかを考えておくことだ。
おそらく用意した資金を5~10回ぐらいに分割して投資をするのがいい。
市場の動きを考え、ファンダメンタルの変化を考え、欲しい会社のバリュエーションを考える。
たとえば、PER20倍で最初に買ったら次にPER19倍で買い、その次にはPER18倍で買う・・・決めておくのは一法だ。

こうなると、下がる株の方が楽しい。
買ってからすぐに上がってしまうと次は買いにくくなる。
買ってから下がると次の買い場を狙うハンターのように楽しい気分になる。
次のどこで買うかを考えているだけで株の醍醐味を味わえる。

株は天底を売り買いするのは不可能、平均的に安く買い、平均的に高く売る
天井で売り、底で買うのは普通ありえない。
下落時に買い下がっていき、上昇時に売り上がっていく・・・そして安値圏で平均的に安く買い、高値圏で平均的に高く売れれば自然に大きな儲けが出る。

安値圏で弱気になるな、高値圏で強気になるな
株価が下がれば下がるほど悲観的な材料を織り込んでしまっているので強気になり、株価が上がれば上がるほど楽観的な材料を織り込んでしまっているので弱気になる。
良いニュースでも悪いニュースでも一旦織り込んでしまえば株価が安定する。
悪材料を織り込んだ株価はどのぐらいの時間がかかるかは別として底値圏を形成していく。
この安値圏で平均的に安く買えば、たいていの場合、数か月、数年後には利益になっている。

今は「株の買い時」なのか?
株は「いつでも買い時」だと答える。




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「株式需給の達人、おもしろ格言集」を出版しました

株式需給の達人格言編

















株式需給の達人シリーズの新刊「おもしろ相場格言集」を出しました。
当ブログでも取り上げた相場格言はよくある有名な格言だけではなく、筆者の経験で役に立った格言、相場のテクニックを学べるマニアックな格言なども多く取り上げました。
12/2ブログで書いた「最後の抱き線は心中もの」も相場テクニックを学べる格言の一つです。

内容は・・・

第一章 投資に勝つための基本的心構え

 

① 人の行く裏の道あり、花の山 ~自分を大切にすることで人生が開けていく~
   卵を一つのカゴに盛るな ~リスク分散の重要性、ただし集中投資が儲かる~
③   相場は相場に聞け ~株式市場をあるがままに受け入れる~
   見切り千両 ~妄執を断つ、これが株式投資の成功のコツ~

⑤ 知ったら仕舞い ~皆知っている情報には価値はない、独自のアイデアで勝負~

⑥ 木を見て森を見ず ~人生でも相場でも高い視点から俯瞰してみる~

⑦ 噂で買って事実で売る ~不確実な情報をいかに判断するか~

⑧ 底100日が相場の基本 ~停滞期は長く成長期は短い、じっと耐える~

 

 

第二章 投資に勝つための精神を鍛える

 

① 買いたい弱気、売りたい強気 ~投資家の隠れた期待が市場を決める~

② もうはまだなり、まだはもうなり ~皆がまだ上がると言う時は、そろそろ売り時~

③ 落ちてくるナイフは拾うな ~ナイフを掴めば傷つく、でも長期投資のチャンス~

④ 頭と尻尾はくれてやれ ~底値買い/高値売るよりも、平均的に有利に取引する~

⑤ 人の噂も七十五日 ~人間は時間が経てば忘れる、時間は株価に影響する~

⑥ 利食い、千人力 ~あらゆる可能性を考えて、確実な利益を積み上げる~

⑦ 安物買いの銭失い ~割安を買うバリュー投資にもルールがある~

⑧ 相場の陰の極 ~陰の極から相場は反転する、いかに見抜くか~

 

 

第三章 投資で勝つためのテクニック

 

① 三割高下に向え ~株価が高値や安値から3割上下したら、反転を考えてみる~

② 波高しは天底の兆し ~波とは株価変動=ボラ、ボラの高い相場は天底が近い~

③ 遊びの放れは大相場 ~遊び、方向感のないふわふわした状態からの上放れは買い~

④ 本場寄り一は物の始めなり ~朝の寄付き後、初動が肝心、その日トレンドが決まる~

⑤ 放れて十字は捨て子線 ~放れた十字線は、短期のトレンド転換の可能性~

⑥ 最後の抱き線は心中もの ~上昇相場の後に出てくる強すぎる値動きには注意~

⑦ バケ線は一本と知れ ~お化けが出るのは一度だけ、二度目は本物~

⑧ 閑散に売りなし ~商い閑散な時は無理して動かないこと~

 

 

第四章 実践経験から重要な相場格言

 

① 株を買うより時を買え ~株式売買は時を読むこと~

② 相場は明日もある ~連続した時間の中で、株式投資を考える~

③ 需給はすべてに優先する ~最終的に株価を決めるのは株式需給である~


表紙に誤りがありますが、これは出版社のせいです。
株山人流に相場格言を解説していますので、相場格言を楽しむとともに株式投資の実践に役立つものと考えています。
少なくとも筆者の自己運用では大きなプラスがもたらされました。
URLは出版社の手違いで受け取っていませんが、アマゾンで検索すれば出てくるはずです。
是非、一読をお勧めします。



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株は後出しジャンケンで十分??

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評論家、北浜流一郎氏が「株は後出しジャンケンで十分」と主張している。
日本では言論の自由は保障されているので、彼が何を言おうがいい。
でも、この発言は長く株に携わってきた者として「評論家の職務放棄」じゃないかと思う。

彼の言う意味は・・・
「FRBの政策も読めないし、FOMCがどうなるかも分からない。そんな分からない事を考えるよりも「いい株」を買う事を考えた方がいい」
・・・という考えだと思う。
それも一理あるかなとは思う人もいるだろうが、残念ながら投資の世界では「いい株」を買えば儲かるという保証はない。
「いい株」を買えば儲かるわけではない、儲かった株が「いい株」なのだ。
世の中分からない事はたくさんあるが、評論家がそれを言ったらオシマイでしょ。

分からないなりに未来を考えることが「投資そのもの」だからだ。
分からない事を考える、それを放棄したら投資は成り立たない。
それに今の相場、後出しジャンケンで儲かるほど甘くない。

日経平均日足
日経12月














上のグラフは日経平均の日足チャートだ。
筆者はブログで「10/3NYダウの抱き線が底入れ足ではないか」と書いた。
「下位の抱き線」かどうか判断が難しいが、その可能性という意味では書く必要があったと思う。

後出しジャンケンの評論家のコメントを追ってみよう。
まず第一に10/17~18に「25日移動平均線を上回った」として最初の強気に、これは普通に言われている「株のセオリー」だ。
そして、二回目のサインは「25日移動平均線が上向きになった」または「27500円の抵抗帯を抜けた」時点であり11月初だろう。

後出しジャンケンのようなセオリー通りの買い転換は、第一の買いは27300円程度、第二の買いは抵抗帯27500円を越えた27600程度の株価だ。
つまり、2回の買いは27500円前後で実行されたと想定されるが、28000円を越えたのは瞬間的だったし、そのまま保有していれば「元の木阿弥」

運用では上昇判断をしていかに他者より早く買うか、下落する時もいかに早く売るかが勝負だ。
皆が強気になると天井圏、皆が弱気になると底値圏という傾向が強まっている。
多くの評論家が「高値を抜けたら買い」「移動平均を超えたら買い」などと言うが、こういう発言をする評論家を信じてはいけない。
この相場でリターンを上げる必須の能力が「先読み能力」だ。
長い間評論家をしてきた北浜氏ならば、そんな事十分に分かっているはずだが・・・



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相場格言のおもしろ解釈(25)~需給はすべてに優先する

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株式運用を長い間行ってきた経験からいうと、前回の「相場は明日もある」と今回の「需給はすべてに優先する」という二つの相場格言が自分の投資行動に最も影響したと思う。
「相場は明日もある」なんてあたりまえだと思いがちだが、相場は一日一日で区切りをつけるものではなく、株式市場は毎日が連続していることを考えることが重要だ。
連続して変化を続ける株式市場は「連続する視点」で見て行かないと理解できない。

今回の相場格言は「需給はすべてに優先する」だ。
長い期間株式市場を見てきたが、最後はこの言葉に行きつく。
株価は株式市場で値が付く、ということは株式市場内での売りと買いにより株価が成立する。
というと、この一言ですべて「終わり」となってしまう。

難しいのはここで言う「需給」は、東証のHPを見れば発表されている数字ではない。
過去の需給数字は誰でも簡単に得られるし、分析も簡単だ。
でも意味がない。

「最後は需給で株価は決まる」のは間違いない。
でもその需給を決めるものは、相場環境の変化だったり、企業業績だったり、政府の経済政策だったり、海外中銀の動きだったり・・・・もう無制限にある。
それらが様々に世界の投資家行動に影響を与え、株式市場での需給が変化し、株価が変化する。

こうなると「もう訳わからん」状態だ。
それをスッキリと理解するのが、需給による株価の変化を見ていくという単純なことだ。
需給データは世界中にある。
これらは過去データなので、そこからこの先の需給を推論していく。
そこが株式投資の醍醐味かもしれない。
結果として正しい推論が出来れば、パフォーマンスを上げることができる。
株式投資のリターンは後からついてくる「おまけ」みたいなものだ。



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相場格言のおもしろ解釈(24)~相場は明日もある

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株を買いたいと思った時、すぐに買うのか、じっくり見て買うのか、どっちが良いのだろう。
林先生なら「今でしょ!」と即買いをするかもしれない。
買いたいと思った時が買い時なのか、じっくり見て買った方がいいのか、どちらも一理ある。
どっちが正しいかという問題ではない。

でも、筆者自身が大切にしている格言の一つは「相場は明日もある」だ。
なんだ、そんなのあたりまえだろ!!と言われそうな格言だが・・・その意味は深い。

株式市場は毎日毎日続いていく。
そんな連続的な株価の変化を見ていくことが重要で、「相場は明日もある」のだ。
だから、林先生のように「今でしょ!」とばかり株を即買いするのは良いとは思えない。

株を買いたい時は、買いたい株価レンジを想定する。
株価がそのレンジに入ってきたら、「買い下がり戦略」を行って株を集めていく。
その時に大切なことは、「買い上がり」をしないことだ。
買いたい価格から下を買っていくことで、平均買いコストを引き下げることができる。
上値が買い上がっていくと平均買いコストを上昇させてしまうので、買い上がりはやらない方がいい。
この平均買いコストをいかに引き下げるかがリターンを上げるコツだ。

逆に売りたい時は「売り上がり戦略」を取る。
株価の上昇勢いが強い時に、売りたい価格レンジで売り始め、どんどん上がっていく相場を見ながら売り上がっていく。
より高い値段で約定しパフォーマンスが上がっていくので、なんか、楽しく売れる。
結果とぢて、平均売りコストを引き上げていくことになり、パフォーマンスがどんどん向上する。

いずれにしても「相場は明日もある」という格言通り、一定の期間をかけていかに安く買うか、いかに高く売るかが勝負を決める。
林先生の「今でしょ!」は株式投資では避けた方がいいと思う。



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相場格言のおもしろ解釈(23)~株を買うより時を買え

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相場格言もあと3回でネタが切れる。
自分自身の運用経験上で大きな影響を受けた三つの相場格言について最後に書きたいと思う。

まずは「株を買うより時を買え」

「時」を買うというとタイミング重視した投資みたいな感じがするが、より深く考えるともう少し意味がある格言だろう。
ヘッジファンドが使う運用戦略に「イベントドリブン」があるが、この格言はこれに近いと思う。

「イベントドリブン」の古典的な手法は、日経平均の採用銘柄の変更やMSCI指数の採用銘柄や指数ウェートの変更など指数イベントを利用して、ロングショートのポジションを作る運用戦略だ。
これは「変更日の引け値」というエンドが決まっているので、指数ウェートの増加するロング側とウェートが下がるショート側を決めて、そのエンドに向けた株価の変化を収益化するものだ。
昔、これで大儲けができたが、最近ではこのタイプのイベントは瞬間的に株価に織り込まれるので、行動科学を応用したような複雑な対応が求められる。

ヘッジファンドのような「イベントドリブン」でなくても、イベントを頭に入れ、それを利用するのは個人投資家の運用でも有効な方法だ。

たとえば「海運株の配当取り」はその典型例だった。
当ブログでも3月10日に「配当取りのトリック」を書いたが、海運株の大型配当の権利日に向かったイベントドリブン戦略だ。
配当率10%という大型配当を予想されていた日本郵船などの海運株には、「配当取り」の買いが多く入るだろうと予想されていた。
しかし、配当権利日の次の日、配当落ちの日はその前の人気とは逆にあり、配当以上に大きく下落すると思われた。
そこで「イベントドリブン」的な投資判断が必要だった。
配当人気があるので、「自分の買い値より高い値段で買う投資家がいるかぎりは買い続け、配当落ち前に売る」というアノマリーを利用すべきだった。
結局、日本郵船の株価は3/18に12490円でピークを打ち、配当落ち価格は9660円だった。

現代の株式市場は「イベント」の連続で出来ている。
毎月の経済指標、特に米雇用統計、FRBのFOMC、決算発表・・・すべてが「イベント」だ。
その連続する「イベント」をうまく切り抜けていく「イベントドリブン」的な発想は必ず必要になる。
個人投資家にとっても「イベント」をうまく利用するノウハウは有効だろう。

という意味で、「株を買うより時を買え」



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相場格言のおもしろ解釈(22)~酒田五法の真髄

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「機を待つに仁、機に乗ずるに勇」

酒田戦略に関する様ざまな相場格言を取り上げてきたが、やっぱり、最後は酒田の真髄と言われる「五法」について話さないとならないだろう。
「五法」とは、「三山」「三川」「三空」「三兵」「三法」の五つだとされている。

「三山」と「三川」は株価動きのパターンといえるもので、「三つの山と三つの谷」という意味だ。
三尊天井とかトリプルトップとか言われるパターンが「三山」だし、その反対に逆三尊底とかトリプルボトムと呼ばれるのが「三川」だ。
昔は真髄だったのかもしれないが、今や別にどうこう言うほどのものでもない。

「三空」は連続して「窓=株価のギャップ」が三つ連続したパターンだが、大規模で組入れようとしている買い主体が毎日毎日買い越している状況だろう。
これも広く一般に使われているので、特にコメントする必要もないだろう。

さらに「三兵」となると、ほとんど意味不明だ。
短い陽線が三日続くと「三兵(赤三兵)」と呼ばれ、短い陰線が三日連続すると「三羽烏」と呼ばれる。
でも、三日続いたから何なのか?
全く意味不明だ。

また、「三法」というと何故真髄なのか全く理解不能になる。
「三法」とは「売り」「買い」「休む」だという。
でも、現代では長期投資がもっとも効果が高いとされ、長期に株を保有するので「休み」はない。

この「五法」にはなんか、「三」を付けた名前を「五つ」集めただけしか思えないバラバラ感がある。
酒田五法の中には非常に有意義な相場格言がたくさん登場するのに、この真髄とされる「五法」はもう一つよく分からないものが多い。

「五法」よりも「三」が特別な意味を持つと解釈した方がいいのかもしれないと思う。
日本人は「三」が好きだ。
駆けっこのスタートでは「位置について、用意、ドン」の三つだし、ものの始まりは「一、二、三」だし、多くの評論家の説明でも「ポイントは三つ」と言う。
海外では「レディ、ゴー」でスタートするし、評論家の説明も「フォー・ポインツ」でも「ファイブ・ポインツ」でもかまわない。
日本人は「三」が好きなので、「三」が付く投資用語を五つ集めて「五法」としたのかもしれない。



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「天底一致」は起こったけど・・・

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原油先物が130ドル/バレルでピークを打ち、日経平均が2万5000円を割りこんだ日、「天底一致」が起こった。
その後、原油先物は110ドル前後の動きとなり、日経平均は急速な戻りを演じ2万8000円近辺まで急回復、10%以上の戻りを演じた。
日経平均だけだなく、大きく下落したNASDAQ、大暴落していた香港ハンセン、それぞれ底値から10%以上の反発となった。
まさに「天底一致」の教科書的な動きとなったと思う。

でも、今回の反発、その特徴は支援材料がないということだ。
2020年3月のパンデミック暴落時と比べてみよう。
当ブログでも2020年3月16日に「FRBのバブル作成計画」を書いたが、パンデミックで都市封鎖される欧米で、FRBが猛烈な金融緩和、さらに量的緩和をスタートさせた。
これが明らかなゲームチェンジャーになった。
その後、FRBバランスシートは4兆ドルの急膨張し、ジャブジャブな過剰流動性で株式市場も力強く上昇し株価はおよそ2倍になった。

今回はどうなのだろうか?

最大のポジティブ材料は、ハイテクNASDAQの20%の急落、中国ハイテクの香港ハンセンの25%の急落、ロシア市場の大暴落(市場は閉鎖されたまま))という中で、ショートポジションが世界的に急増したことだ。

CME日経平均先物の建玉を見ると、大口投機筋と小口投機筋のショート合計枚数が、2/15には3万9406枚、3/8に4万5516枚に増加、3/15に3万3600枚に急減している。
ショートポジションのうちCME先物はほんの一部に過ぎないが、投機筋の動きが開示されているので分かりやすい。
3/22現在の建玉残では一段のショートカバーが起こり、ショート枚数が減少しているかもしれない。

3月FOMCでの利上げ、ウクライナ戦争の激化、ロシア債のデフォルト懸念・・・悪材料が積み重なり、ショートポジションが急増したのが3月前半だ。
その後、FOMCとウクライナ戦争を織り込み、株価が反発した時点でショートポジションが一気にカバーに入ってきたというのが真相だろう。
まさに「山高ければ谷深し」で、ショート筋の損失カバーが一気に株価を上昇させたということだろう。

一方、20年3月以降のような4兆ドルの強烈なジャブジャブ量的緩和はありえない。
FRBは連続利上げに入っているし、5月ぐらいから量的引き締めQTも実行されるだろう・・・というマイナス材料が続く。
ショート筋の買戻しがどこまで続くかがこの戻り相場の天井を決めるだろう。

いずれにしても一筋縄ではいかない。
ウクライナ危機が深刻化し原油先物が再暴騰、130ドル/バレルを越えて行けば株価が再暴落するかもしれない。
QTが始まって市場の流動性が低下していけば、株式市場の出来高は減少しあぶく銭が締め出されることになるかもしれない。
複眼で見ていくことが必要な相場環境だと思われる。



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相場格言のおもしろ解釈(21)~本場寄り一は物の始めなり

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本間宗久の語録から編集された「酒田五法」に登場する印象的な相場格言を取り上げている。
今まで「波高しは天底の兆し」「バケ線は一本と知れ」「最後の抱き線は心中もの」「放れて十字は捨て子線」「遊びの放れは大相場」などの話をしてきた。

段々と「酒田五法」の相場格言ネタも尽きてきたが、今回は「本場寄り一は物の始まりなり」の話をしてみたい。

株式市場がオープンして最初の株価が寄り付き値で、「本場寄り一」とは「本場」=株式市場、「寄り一」は「寄り付き値から一文動く」という意味だ。
つまり、朝株式市場がオープンして寄付きから一定値段動いたところ。
「物の始めなり」とは、株価が寄付いて一文動いたところから、物語が始まる=売り買いを考える、という事だ。

この一文は現代では通常の株で10円と、また、値嵩株の場合は100円という考えてもいいかもしれない。
現代に言い換えると、「寄り付いてすぐに売り買いを焦ってはいけない」、寄り付いてから「低位株で10円、値嵩株なら100円程度動いてから売買判断すべきだ」ということになる。

最近の日本市場では、寄付きはNY市場にサヤ寄せして始まる。
これは他力本願な動きで、自らの意思で動いているわけではない。
寄り付いてしばらくたつと、日本市場の独自の動きが現れてくる。
その動きを見てから売買判断を行う方がいい。

日本市場のザラ場の動きは一定のリズムがある。
昨年5月に「板の読み方」という基礎編ブログを全6回で書いたので参照していただきたい。

機関投資家のバスケット取引は前日の夜に決定され、朝、証券会社に伝えられる。
そして、寄付き前後からアルゴトレーダーやデイトレーダーが積極的に動いてくる。
昼には前場の引け値を見て機関投資家が昼バスケット取引を出してくる。
そして、2時過ぎからは国内投信が設定/解約に対応する発注をしてくる。
最後に投信の基準価額が計算されるための売買が引け値を変動させる。

こうした日本市場の特殊な売買リズムを考えながら安く買い、高く売る努力をすべきだ。
「本場寄り一は物の始めなり」で言いたかったのは、こうした努力をして最適な約定をすることが、運用にとって重要な事だ・・・ということだと思う。



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相場格言のおもしろ解釈(20)~遊びの放れは大相場

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証券会社に入社したての頃、相場格言として先輩によく言われたのは「強さがくどさに変わる」「愛と憎しみの間には無関心がある」という言葉だ。
これらを格言集などで調べてみてもなかったので、その先輩が自分で作った相場格言なのだろう
ただ、その言葉のインパクトから数十年経った今でもよく覚えている。

「強さ」が「くどさ」に変わる。
高値圏で微動だにしない株価、相当が利食い売りが出ているはずなのに株価はしっかり・・・こうした状態を「強い」と呼ぶ。
この高値保合いが続いて、さらに続いて、さらに続くと、だんだんフレッシュな勢いを失っていく・・・こうした状態を「くどい」と呼ぶ。
「強い」と「くどい」は背中合わせで、フレッシュで勢いがあるか、それともそのフレッシュさ失われたかがカギを握る。
感覚的な表現だが、これは「遊びの放れ」を判断するのに重要だ。

「遊びの放れは大相場」は酒田五法で紹介されている名言だが、その「強さ」をイメージした言葉だ。
「遊び」とは一旦上昇後の保合い(往来)のことで、昔の人は上にも下にも行かない保合いを「遊び」または「上値遊び」と呼んだ。
この「遊び」にも相場格言がある。
「上値遊びは十手まで」というが、10日間以内の上値遊びから上放れる場合は勢いが良いと言う格言だ。

ある株式を大量に株集めしたい場合を考えてみよう。
上値を買い入れ株価を上げる・・・すると、上昇した株価を見て売りたい投資家が増える・・・しばらく保合いで株集めをするが、だんだん売り物がなくなる・・・そしてまた上値を買い入れ株価を上げる・・・
こうして株価を上げては保合いを作り、また引き上げて売り物を出させる、というのを繰り返すと、株価を急騰させずに大量に株を集められる。
この際に、起こるのが上値での保合い=「遊び」の状態だ。

上値遊び」の状態では「強さ」なのか「くどさ」なのかを判断するのがカギとなる。
もし「強さ」ならば10日以内に再び上昇をするのが最もモメンタムが強い。
もし10日以上経ってしまい。「強さ」が「くどさ」に変わるようならば、保合いを下に放れる場合も考えておきたい。

論理的というよりは、職人的な相場格言だ。



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相場格言のおもしろ解釈(19)~放れて十字は捨て子線

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「放れて十字は捨て子線」もとても印象深い相場格言だ。
これも「酒田五法」に登場するもので、相場のテクニックを記述している。

「放れて十字」という意味は、朝寄付きからものすごい人気が買い気配が株価が上昇する・・・そして高い値段で寄り付くが、その後、急速に上昇したり、急激に下落したりする・・・最後に引け値がほぼ寄り付き値と同じ株価で一日が終わる・・・というものだ。
人気株が随分と上昇した後、この「放れて十字」が出ると、投資家は相当に警戒しなくてなならない。

「十字」は「寄り引け同値」とも呼ばれ、寄り付き値と引け値が同じ価格である一日の値動きだ。
これは「酒田五法」では「攻防の分岐点」とされ、弱気の投資家と強気の投資家が拮抗した状態だ。
さらに、ザラ場で値動きが激しく、大きく上がったり、大きく下がったりすると日足に「ヒゲ」ができる。
この「ヒゲ」の長い「十字」線は一段と売り買いが拮抗した時に現れると言われ珍重される。


下のチャートは2020年5月26日時点のアンジェスの日足だ。

アンジェス日足

←「ほぼ十字線」










この2020年5月26日、アンジェス株の値動きがこの「ヒゲ」の長い「十字」だった。
当ブログでこの日「アンジェスの十字線」を書いた。
興味のある方、当時のブログを再読していいただきたい。
「酒田五法」通りの「十字」が見られた。

当時は新型コロナの感染拡大の初期で、まだワクチンも治療法もなく無防備な状態だった。
その時、アンジェスが新型コロナワクチンを開発するというニュースで株価が急上昇した。
その後も人気が拡大の一途で、株価は300円台から上昇し始め、あれよあれよという間に2000円を越えた。
その5月26日に「十字」線が出現し、株価がその後高値もみ合いをして、6月に大天井を付けた。
2492円が高値となり、その後徐々に下落し、現在は300円前後と最初に値段に戻っている。

人気が沸騰している局面で、この「放れて十字」が出現したら、要注意なのだ。
相場の天井近いことを示唆している可能性がある。


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「天底一致」は延長戦に突入

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2月25日に「天底一致の可能性」というブログを書いた。
ウクライナ危機という地政学リスクが極まった時、原油価格と株式価格は逆相関し、原油の天井と株価の底が同時に現れると予想した。
しかし、現実に「天底一致」はまだ起きていない。
大きな間違いだったかもしれない。
ウクライナ危機のフルスケール戦争へ急拡大、戦争状態の酷さ、ロシアの原発攻撃、強烈なロシア制裁・・・これらが「天底一致」を延長させたと思う。

現実に原油価格と株式価格の逆相関はさらに強まっている。
米国がロシア産原油の輸入禁止措置を取り、原油先物はさらに上昇しバレル115ドルに達した。
しかしよく考えば、ロシア産天然ガスはノルドストーム1は稼働しているので欧州にも流れるし、制裁外の中国を経由してロシア産原油が世界市場に流れてくるかもしれない。
ロシアの産油量がすべてゼロになるわけではない。

その一方、世界の株価がこの1か月間に大きく下落した。
欧州ではドイツやフランスが13~15%以上の下落、アジアでも日本8%、韓国・台湾3~4%、香港13%、インド9%、米国ではNASDAQが6%も下落している。
ウクライナ危機の深刻化を中心にして、原油価格と株式価格の逆相関が強まっている。

ということは、将来「天底一致」が起きる可能性も強まっているといえる。
近い将来、原油が天井を打つとしたら、同時に株価は底を入れるだろう。
でも、難しいのはウクライナ戦争がどう決着するか、誰にも分からない。

可能性としては・・・

(1)何かしらの合意ができてウクライナ危機に停戦が成立する。
経済制裁が効いてロシア経済が混迷し、国民の不満が爆発する。
1万人のデモはロシア警察に逮捕され抑え込まれるが、100万人のデモなら警察は対応できない。
そうなれば、プーチンは無視できない。

あるいは、ウクライナ侵攻しているロシア兵士に厭戦気運が高まり投降する兵士が増加する。
前線での士気の低下でロシア軍の動きが止まればロシアは勝てない、停戦が近くなる。
また、国際世論が一段と高まり、反戦が大合唱され、NATOや米国も動く場合もないとはいえない。

(2)原油先物の需給が限界に達し、原油相場が自律的に調整に入る。
2/22から3/1の米先物取引委員会CFTCの建玉変化を見ると、大口投機のロングが23263枚増加、ショートが6359枚減少と、ロングの増加とショートの減少で建玉は29622枚増えた。
大口投機筋が動き、ロシア原油の禁輸による供給減少のヘッジ買い、さらにショート筋のショートカバーが入っている。
今週はさらに強力にロングの増加、ショートカバーが入っていると想像できる。

限月別では、4月物115ドル(26万枚)、5月物111ドル(22万枚)、6月物107ドル(19万枚)と多く、その後は、12月物93ドル、23/6月物88ドル、さらに先は70ドル台と先物価格は低下する。

この直近3か月限月先物にウクライナ危機の懸念が集中しているといえる。
この4~6月期のどこかで・・・おそらく3月後半から4月初の限月交替時期は原油先物が上方に過剰なスパイクをして、20年5月暴落(ロング・スクイーズ)の逆の現象(ショートスクイーズ)が見られるかもしれない。
この原油需給が限界に達すれば、相場は自壊する。
その時「天底一致」が起こり、原油が天井を形成し、株価は底を打つのかもしれない。



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相場格言のおもしろ解釈(18)~最後の抱き線は心中もの

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「酒田五法は風林火山」は「本間宗久秘録」をチャートや図を使ってより分かりやすい現代語にした相場本だ。
前々回の「波高しは天底の兆し」もそうだが、今回の「最後の抱き線は心中もの」もとても印象的な言葉使いが面白い。

「抱き線」とは安寄りし「調整かな」と思わせて、急伸し前日値幅を越えて高値引け・・・あるいは、その逆で高寄りし「なんか強いな」と思わせて、その後急落し前日値幅を越えて安値引け・・・というような強烈の強い足取り、または強烈に弱い足取りだ。

一見すると、物凄く強い値動き、あるいは、物凄く弱い値動きのような感じだ。
でも、これが「最後の抱き線は心中もの」つまり、「投資家が株と心中」する=「大損」することになるという恐ろしい話だ。

なぜ一見強い足取りが「心中もの」になるのだろうか?

ここに相場の真髄があるような気がする。
逆説的だが、「もっとも強い足取り」は「もっとも弱い足取り」だといえる。
強い値動きで多くの投資家を惹きつけ、株価がどんどん上昇し高値引けをする、でもこれは買いたい投資家が動きに魅了されて全部買ってしまった後かもしれない。
また、弱い値動きで多くの投資家があきらめムード、株価がどんどん下がり安値引けする、でもこれは売りたい投資家が株を投げに投げた後かもしれない。
買いたい投資家が全部買い、売りたい投資家が全部売ると、これ以上の売り買いする人がいなくなる。

今年の1月初の値動きを振り返ってみよう。
1/4に日経平均は510円高で29300円の高値引けになった。
この日、日経CNBCに出演した評論家の武者さんは、「22年の安値は28500円、高値は3万6000円」と豪語し、「インフレは一時的でFRBの利上げは3回もない」「過去40年間続いた金利低下トレンドはまだまだ続く」「日本株が米株を上回るパフォーマンスを上げる」と畳みかけた。
この年初の急騰高値引けは抱き線ではなかったものの、「買いたい人が皆買いまくった」という意味では「最後の抱き線」に通じるところがあったのかもしれない。

個人投資家は自分で自分の財産を守る必要があり、評論家をはじめ多くの人たちが皆強気になるような場面ではちょっとでも立ち止まって考えてみることが大切だ。


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相場格言のおもしろ解釈(17)~バケ線は一本と知れ

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酒田五法の中から面白いかつ印象的な相場格言を取り上げている。
今回は「バケ線は一本と知れ」だ。

株式市場は需給で成り立っている。
誰かが大きく買えば株価は上がり、他の誰かが突然大きく売り越せば株価は下がる。
理由もなしに株価が上昇し、理由もなく株価が下落することも散見される。
でも理由のなく株価が上昇後に理由もなく下落し「元の木阿弥」になる場合も多い。

この「バケ線」とは突然誰かが買って上昇(下降)した足取りのこと。
誰かが買って上昇し、さらに何かの噂を広めて周りの投資家に買わせる・・・そうすると瞬間的には「大陽線(引けにかけて急伸する足取り)」になることもある。
こうした「特に理由のない大陽線(または大陰線)」が「バケ線」と呼ばれる。

現代の市場ではこの「バケ線」がやたら多く出る。
なぜか?
アルゴリズム取引が市場を席捲しているからだ。
アルゴ・トレーダーは「ニュースヘッドライン」に出てくる言葉に反応して、突然、先物に大きな買いを入れたりする。
すると、株価が急激に変化し、その変化に対応して「ロングショート」が反応したり、「各種の裁定取引」がポジションを取ったりする。
その結果、思わぬ「大陽線」が出現したりと、予想を越えた値動きが出やすい。

こうした「ザラ場(市場の途中)でのバケ線」が瞬間的に出現することが多い。
そんな時はこの格言「バケ線は一本と知れ」を思い出す。
一旦、訳も分からず急速に動いた株価、その後、理由を探してもなかった場合、それは「バケ線」と考えていい。
これを見たら、逆に売りを出すのがセオリーだ。

でも「バケ線」は一本しか出ない。
なぜなら、1本目で騙されているので2本目は誰も騙されない。
だから、「バケ線は一本と知れ」なのだが・・・
2本目の「バケ線」が出るようならば、何か材料を内包している場合を考えた方がいい。
2本目の「バケ線」は「バケ」ではなく「本物」である可能性があるので注意が必要だ。





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「天底一致」の可能性

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昨日、ロシア軍がウクライナ侵攻を実行し、原油WTI先物はバレル100ドルを付け、NYダウは800ドルの急落となった。
その後、自律反発が起こり、原油先物は92ドルへ下落、NYダウは92ドル高で終わった。
原油価格は100ドルで天井を付け、NYダウは32307ドルで底値を付けた・・・としたら、久々に「天底一致」が起こった可能性がある。
少なくとも、市場は軍事侵攻自体を織り込み、今後はその後の世界を見て株価が動いていくということになりそうだ。

「天底一致」という現象は時々、株式市場やその他の市場で起こってきた。
その意味は「ある商品が天井を付けると同時に、別の商品が底値を付ける」という市場の特性を指す。
頻度は低いものの、時々出現する「天底一致」は株式市場での興味深い重要な現象だ。

では「天底一致」はどのようにして起こるのだろうか?

1990年当時、ロンドンで一連の騒動を直に見た湾岸戦争時にこの「天底一致」が起こった。
その経緯は今でもよく覚えている。
8月にイラク軍がクウェートに侵攻し、湾岸危機が発生した。
米国や国連は多国籍軍を結成し、1991年1月17日をデッドラインとしてイラクに撤退を求めた。
その多国籍軍の介入期限に向けてハラハラドキドキの場面を迎え、ロンドンの金融街でもその話題ばかりだった。
原油先物は17ドル/バレルから1990年9月には40ドル/バレルまで2倍以上に急騰し、NYダウは3010ドルから2354ドルまで21.5%の下落をしていた。

この時は1990年9月には感極まり湾岸危機を織り込み、原油価格が40ドルで天井を付け、NYダウは逆に9月の急落後、底値を付けた。
まさに「天底一致」だった。
その後原油は半値以下の20ドルに沈み、NYダウは上昇トレンドに入った。
モメンタム投資が感極まった時、「天底一致」が起こり相場は逆転した事例だ。

今回のウクライナ危機ではどうだろうか?
湾岸戦争と同様に「天底一致」現象が見られるかもしれないと思っている。
ロシア軍の侵攻を織り込んだ時原油先物は天井を付け、同時に株価は底値を付ける逆転現象が起きる。
それが「天底一致」だ。

その後の世界を考えることが重要だ。
カギは二つある。

①原油価格は100ドル/バレルが限界となりそうなこと。
100ドル以上の高水準が長期化すればするほど、先進国中心に「脱原油」が急加速する。
日本でも原発の再開が一気に早まるだろうし、この電力価格では家庭用の太陽光発電も一気に普及するだろう。
もう原油を燃やす必要がないという限界まで先進国は進んでいくのは間違いない。

②原油100ドルでピークアウトすると、ストーリーは逆転する。
物価上昇は止まらないにしても、少し懸念が弱まるだろうし、FRBの利上げサイクルも少しペースが鈍化する。
そのペースダウンを見て、株式は買戻しに入る・・・これは短期で同時に瞬間的に起こる。
最も大きく下落したマザーズの小型成長株などには買戻しが入り、急反発するかもしれない。

利上げやQTのペースの確認すべきだし、長期的には簡単にはいかないにしても、ウクライナ危機が織り込み済みになれば一旦は「天底一致」現象が起こる可能性を感じる。



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相場格言のおもしろ解釈(16)~波高しは天底の兆し

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「酒田五法は風林火山」の中に、いくつか印象的な相場格言がある。
趣向を変えて「株式投資での精神的な格言」から酒田五法の「テクニック的な格言」をいくつか紹介していきたい。

その一つが「波高しは天底の兆し」という名言だ。

現代では①ヒストリカル・ボラティリティ(過去の株価から計算する)と、②オプション価格に内在するインプライド・ボラティリティという二つに分けられる。
ヒストリカル・ボラティリティは実際の過去株価の標準偏差で計算されるので、過去のボラティリティ、つまり、現在や将来のボラティリティを意味しているわけではない。
それに対してインプライド・ボラティリティは、ボラティリティで価値が決まるオプション価格に内在しているボラティリティなので現在の市場価格だ。

酒田五法でいう「波高し」とはおそらく「過去の波高し」ではなく、現在の「波高し」だろう。
その意味ではインプライド・ボラティリティの上昇と同義語だ。
ボラティリティ指数のピークが「天底の兆し」ということで、これは感覚的にも理解できる。
「株価はボラティリティのピークでボトムを打つ」のは真実で、筆者もボラティリティが高い時に「買い場」を探す。

しかし、天井圏ではどうだろうか?
ボラティリティ指数が「恐怖指数」と呼ばれる通り、株価が下落するとボラティリティが上昇し、株価が上昇するとボラティリティは低下する特性がある。
この非対称は投資家の心理で起こるものだ。

この弱点を克服しているのが「波高しは天底の兆し」という格言かもしれない。
この相場格言はザラ場の激しい値動きも含めているのがミソだ。
ボラティリティが低下する天井圏でもザラ場の値動きが荒くなり、大きな上ヒゲ(一日の高値ー寄付きまたは引け)を残したり、逆に大きな下ヒゲ(寄付きまたは引けー安値)を残したりする。
これが「波高し」の条件になる。

酒田五法の相場格言は単に「ボラティリティのピークは株価のボトム」という経験則だけでなく、ザラ場の激しい動きが天底に通じるというより普遍的な経験則になっている。
これを江戸時代の商人である本間宗久氏が元になったというのが面白い。
「天井」でも「底」でも使える、統計的に計算されるインプライド・ボラティリティよりも使い勝手の良い経験則だ。

恐るべし、酒田五法!

現在の相場でもだんだんと「波高し」の状態になってきている。


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相場格言のおもしろ解釈(15)~陰の極の話

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三猿金泉録の序文にある以下の一文は非常に印象的だ。

「太極動きて陽を生じ、動くこと極まりて静なり。静にして陰を生ず。静なること極まり又動く。一動一静、皆天地陰陽の廻るが如く強気の理を含む、弱気の功あらはれて、万人の気弱き時は、米上がるべきの理なり。諸人気強き時は、米下がるべきの種なり、是みな天性理外の理なり。」

太極が動き「陽」を生じ、値動きが激しく極まると静かになり「陰」を生じる・・・そして静かが極まるとまた動く。

アメリカではテンプルトンの言葉が有名だ。

「Bull markets are born on pessimism, grow on skepticism, mature on optimism and die on euphoria.」

強気市場は悲観の中で生まれ、懐疑の中で育ち、楽観の中で熟成し、陶酔感の中で死ぬ。

この両者は全く同じことを言っている。
三猿金泉録は江戸時代の米相場師が書いたとされる古い書物だが、一方は1900年代のバリュー投資の達人ジョン・テンプルトンの言葉だ。
一方は1700年代、一方は1900年代、一方は日本、一方はアメリカ・・・時代も場所も全く違うのに同じような相場格言が出てくるのが非常に興味深い。
時代と空間を超えた株式市場の真理といえるこの名言だ。

現在の株式市場は、三猿金泉録では「静にして陰を生ず」という場面だろうし、テンプルトンでは「die on euphoria」の局面にある。
いろんな事を言う人がいるが、シンプルにこの局面にあることを認めた方がいい。

そして、その次に来るのが「静かなること極まりてまた動く」という局面、「Bull markets are born on pessimism」という局面だ。
この局面がいつ来るのかは分からないが、そう遠くない時期に来るだろうと思う。

なぜなら、万年強気の平野憲一氏などの評論家が、金利動向の読み間違いをウクライナ危機のせいにして「しかたがない」と白旗を上げ始めているからだ。
ロシアがウクライナ東部の親露派の独立を認め、いよいよ侵攻が現実的になってきた。
注目してきたロシアRTS指数も昨日は13%の大暴落を記録し、2020年の新型コロナ暴落時の安値に近づいてきた。
資金の国外流出が起こり、ロシア経済は欧米の制裁に一段と悪化するだろう。
天然ガスなどの資源は一時的に混乱した状態に陥るかもしれない。

しかし、この時点で認識しておくべき事は「市場は先に織り込んでいく」という市場の特性だ。
これまでの株価調整でウクライナ危機のかなりの部分は織り込んできている。
実際にロシアが軍事行動を起こすタイミングでは、「織り込み済み」で大底を付ける可能性さえあるおちうことだ。
その意味では「陰の極」が近いと感じている。


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相場格言のおもしろ解釈(14)~人の噂も七十五日

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「人の噂も七十五日」は厳密に言えば相場格言ではないかもしれない。
どこのHPを見ても相場格言集にこの「人の噂も七十五日」は載っていない。

普通の意味は・・・
人の噂うわさも七十五日」は、というものは所詮一時的なものであるから、悪いを立てられて気にすることはないという意味のことわざ」

他にも「夏も近づく八十八夜」もある。
これは茶摘みの歌だが、立春から数えて88日目ぐらいにお茶を摘む最適な期間に入るというのを忘れないように歌にしたのだろう。
75日とか88日とか経ってしまうと、人間は忘れてしまうのだろう。
それを歌にして忘れないようにしたり、悪い噂も皆忘れてくれるのでそれまで我慢すればいい。

この、人間の興味は永遠には続かない、75日も経てば皆忘れてしまうというのは株式投資を行う上でも重要なことを示唆している。
それは「どんな人気株でも75日も経つと世間からは忘れられ、人気は離散してしまう」ということだ。

実際に確かめてみよう。

         21年前半の高値  75日後   21年末の株価
東京エレクトロン 4/5 51300円  7/21 44800円  12/30 66280円
ソフトバンクG   3/3 10635円  6/14   8056円  12/30  5434円
エムスリー    1/25 10565円  5/13   6926円  12/30  5793円

東京エレクトロンは4月高値から75日の7月まで12%しか下落せず、人気を相対的に維持していたといえる・・・そして昨年末には高値を大きく更新した。
一方、ソフトバンクは3月高値から75日後には24%下落し、年末は48%の大幅下落。
また、エムスリーは1月高値から75日後には34%下落し、年末には45%の大幅下落。

一旦高値を付けてから一定期間日後(別に75日が適切とは限らないが・・)に下落率が小幅に留まっているかどうかが人気のバロメーターになる。
その間、人気を維持し高値を維持できないと、人気離散のパターンでその後もジリジリと下落歩調を続けてしまう。
忘れられた株になるか、再度復活するかはこの間の人気次第だ。

これは筆者の経験則に過ぎない。
でも高値後の5~6か月後までの調整率が大きい場合、投資家の人気は離散している可能性があるのではないかと思う。



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相場格言のおもしろ解釈(13)~頭と尻尾はくれてやれ

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「頭と尻尾はくれてやれ」という相場格言は究極の相場の神髄を示してういるような気がする。
投資家なら誰でも「底値で買いたい」とか「高値で売りたい」と考えている。
そのために多くの情報を集め、分析し、市場を理解しようとしている。

理由は簡単だ。
底値で買えば一瞬たりとも損失を被ることがないし、高値で売れば「早く売ってしまってシマッタ!」と思う事もない。
だから、投資家心理として「シマッタ!」という後悔はしない・・・精神的に「楽」だ。

でも、実際に運用をしていると、これが全く意味がないことに気づく。
「頭」で株を売却すること自体不可能なことだし、同様に「尻尾」で株を買うことも不可能だからだ。
株式を買う場合は自分が買いたい株価ゾーンを、売りたい場合は自分の売りたい株価ゾーンを大雑把に考えておくことだろう。
つまり、底値も高値もゾーンで考えるべきだということだ。

筆者のやり方は買いたい株数を3~5分割して、価格分散と時間分散を利かして買う。
売りたい場合もその逆に売りたい株数を3~5分割して分散して売る。
所詮、底値買いも高値売りの不可能だし、それ以上にアベレージで考えてより安い株価で買い、より高い株価で売りたいと思っているからだ。

買うと決めた時は「買い下がり戦略」を使う。

やりかたは・・・
①買いたい株価ゾーンを分けて指し値買いをする。
買いたいゾーンのい一番下は「ここで買えば絶対儲かる」と思う岩盤価格だ。
その上に4本の指値を決める。

②一定の時間が経過すると、指値を見直す。
時間分散するために、一定時間が経過して約定できなかった注文の指値を見直す。
そして、上の指値を引き上げていく。

これを繰り返すことで、約定率を引き上げていくことができる。
売りたい場合は「売り上がり戦略」、「買い上がり戦略」の全く逆になる。

こうして時間分散と価格分散を行って約定すると、底値でピッタリと買うことはできないし、高値でピッタリと売ることはできないが、アベレージで「まあまあの底値圏」で買い、「まあまあの高値圏」で売ることができる。

自分の運用を考えると、この「頭と尻尾はくれてやれ」は売買テクニックとして重要な格言だ。



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相場格言のおもしろ解釈(12)~卵は一つのカゴに盛るな

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この相場格言は株式投資の本質でもある、分散投資を勧めた言葉として誰もが知っているぐらい有名だ。

野村証券のHPから引用すると・・・

「卵を一つのカゴに盛ると、そのカゴを落とした場合には、全部の卵が割れてしまうかもしれないが、複数のカゴに分けて卵を盛っておけば、そのうちの一つのカゴを落としカゴの卵が割れて駄目になったとしても、他のカゴの卵は影響を受けずにすむということ」

卵を複数のカゴに分散して保管すれば、全部ダメになることはない・・・というわけだが・・・
株式のリスク分散のために、様ざまな業種セクターに分散し、大型株から小型株まで様ざまな規模に分散投資するとしよう。
このポートフォリオは実は市場全体、株価指数と同じようなリータンになってしまう。
分散をすればするほど、TOPIXのリターンに近くなる。
だったら、TOPIXに連動するETFにでも投資しておけばいい・・・ということになる。
簡単に言えば、これが現代ポートフォリオ理論だ。

現在はインデックス投資の全盛期で、NISAでもiDeCoでも株価指数に分散投資するのが主流だろう。
しかし、個人投資家の株式投資では、意外とインデックス投資は採算に合わない。
株価指数の年平均リターンは、長期では名目の経済成長率に近づく。
つまり、TOPIXの15~20年長期平均リターンは3~5%程度しかない。
この低いリターンで満足するのだろうか?

インデックス全盛時代では逆に個別銘柄への集中投資が重要になる。
GAFAMに相当するプラットフォーマーと呼ばれる大型の長期成長株がない日本株市場では、インデックスのパフォーマンスは低い。
多くの株が同じように動く、連動性の高い日本株では、卵を複数のカゴに入れたところで割れる時は全部のカゴが壊れてしまい全部の卵が割れるだけだ。
何の意味もない。
日本株こそ集中投資でリターンを高める必要がある。

最近は銀行株や自動車株などのバリュー株が人気だが、もし、半導体などのグロース株とバリュー株に分散したらどうなるだろうか?
バリュー株が上がってもグロース株が上がっても儲かるポートフォリオになるのだろうか?
答えは、インデックスのリターンに近くなるだけだ。

日本株投資にはこの「卵は一つのカゴに盛るな」はあてはまらない。




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相場格言のおもしろ解釈(11)~三割高下に向え

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大和証券のHPでは「三割高下に向え」はこう説明されている・・・

「株が高くなれば強気になり、下がれば弱気になるのではなく、三割上がればひとまず手仕舞い、反対に高値から三割下がれば思い切って買う、という目安を示したものです。」

残念ながら、「三割高下に向え」は、株価が30%上がれば「売り」で株価が30%下落すれば「買い」という単純な話ではない。

最初から相場に乗った人、最後に相場の高値をつかんだ人、すでに売却済の人、まだポジションを引っ張ている人、それこそいろいろな投資家がいるが、投資家の平均コストと時価の位置関係は投資家心理に大きな影響を与える。
平均コスト>時価ならば投資家は安心しているし、逆にコスト<時価となれば不安になる。

ザックリした話だが、一つの上昇相場での平均コストは高値から三割下ぐらいと考えていい。
「三割高下に向え」とは、時価が高値から三割下げれば、およそ投資家の平均コストに近づき、投資家心理の分岐点になるという意味だ。
平均コスト近辺ではそれまで買えなかった投資家の新規買いが見込めるかもしれないし、投資コストに近づいた投資家の「ナンピン買い」も入ってくるかもしれない。
そんな投資コストを考えた経験則が「三割高下に向え」という相場格言に表現されている。

昨年超人気だった半導体関連、レーザーテックや東京エレクトロン株などが高値からおよそ3割下落してきた。
半導体関連株は、この「三割高下に向え」の格言からそろそろ大きな相場の分岐点に入ってきたといえるのだろう。
多くの評論家は「半導体需要がまだまだ拡大する」と言ってきたし、この5Gから6Gに移行するデジタル時代に半導体需要がピークアウトするという意見は聞いたことがない。
だとしたら、このあたりで株価も下げ止まってくるはずだ。

しかし、もし半島帯需要がピークアウトするなら、株価はもっと下落し「半値、八掛け、二割引き」というもっと厳しい相場格言を意識することになる。
半導体関連株の「三割高下に向え」が生きるかどうかは、評論家の言う「半導体神話」が正しいかどうかの試金石だ。
日本の株式評論家にとっても信用問題だ。



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相場格言のおもしろ解釈(10)~閑散に売りなし

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山梨県人の尊敬度NO.1の武田謙信、旗頭が「風林火山」。
「静かなること林の如し」から「侵略すること火の如し」に変わる。
騎馬隊が縦横無尽に活躍した武田軍だが、「林」から「火」に変わるその瞬間の判断が武田謙信の極意だったのかもしれない。

株式市場でもこうした「林」から「火」に変わる瞬間は多くあった。
そんな時、この相場格言「閑散に売りなし」を思い出す。
突然の変化、株価が窓(ギャップ)を開けて動き出す、その方向に買いが加速し、あれよあれよよいう間に大暴騰する。

今でも思い出すのが1995年の大蔵省発表だった。
当時はロンドンで機関投資家営業をしていたが、海外投資家の最大の関心事が日本の銀行の不良債権問題だった。
相場はダラダラとした閑散市場で、多くのファンドマネージャーが不良債権を危惧し、ポジションを圧縮していた時期だった。
そこに起こったのはこの大蔵省発表だった。
それまでの対応から一歩踏み込んで、不良債権の定義を明確化し、不良債権額をそれまでの13兆円から38兆円と認め、より現実的な不良債権問題を解決するという覚悟が感じられた。

この大蔵省発表に最も敏感に反応したのが、ソロスファンドの一部をロンドンで運用していたニック・ロディティ氏だった。
翌日からメガバンク(当時は合併前で、第一勧銀、三菱、富士、住友・・・などメガ10行以上あった)の空売りの買戻しが(一行あたり数百万株から数千万株という)猛烈な規模で始まった。
これだけの株数を空売りしていたのかと驚くとともに、銀行株の急騰から日経平均も急上昇した。
まさに「林」が「火」に変わった瞬間だった。

この時、「閑散に売りなし」の意味をよく理解できた。
出来高が少なく、閑散とした市場で動く必要がない・・・ということだ。
閑散な市場=「林」であり、いつ何をきっかけに「火」に転じてくるかは分からない。
「閑散」はその準備をする期間で、「むやみに動いてはいけない、次の大きな変化を見てから動け」という意味だ。



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相場格言のおもしろ解釈(9)~見切り千両

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「見切り千両」は野村證券のHPではこう説明されている。

「相場の格言の一つで、「見切り千両、損切り万両」といった使われ方もする。含み損を抱えた株式などに対して、損失の少ないうちに見切りをつけることは千両の価値があり、損失を拡大させないために、ある程度の損を覚悟で売買することには万両の価値があるという例え。」

株式投資には「見切り千両」特に「ロスカット」が重要だと言われている。
たとえば、買値から2割下落したら強制的にロスカットすると、最大損失を20%に抑えることができる。
そうしないと、5割でも6割でも下落する場合があるのが株式投資た・・・というわけだ。

大きく含み損を抱えて辛い日々を送るよりも、一旦ロスカットすると精神的に楽になるのは事実だ。
証券会社の自己資金運用の担当者には、「ロスカット」は精神安定剤でもあった。
くよくよとして大損を抱えて右往左往するよりは、ポジションを解消して心機一転運用に取り組む方がいい・・・というわけだ。

しかし、筆者が運用部長だった時、上司から導入するように言われた「ロスカット」を断固として拒否した。
何故か?
答えは簡単。
この上司が「ロスカットしろ」と言った時は、大体、底入れ時期だった・・・という実績が過去の何回もあったからだ。
絶好の買い場で売らなければならない「ロスカット」は意味ないし、まるで無駄だと思った。

「見切り千両」と言われても、安値で見切るよう「甘い投資判断をしていない」自信があった。
買値から大きく下落しても自信は全く揺るがなかった。
もし、自信をなくしていたら、上司に従って「ロスカット・ルール」を導入し、実際にロスカットしていたかもしれない。

「見切り千両」は、結局、投資家自身の自信、コンフィデンスの問題だ。
自分の考えた投資採算が狂ったり、間違えたり、自信を失えば、「ロスカット」した方がいい。
「見切り千両」は一定の損失が出たら行う「ロスカット」ではなく、投資家自身の投資に対する自信によって行うべきものだと思う。


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相場格言のおもしろ解釈(8)~休むも相場

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相場には「売り」「買い」「休む」の三つがある・・・という。
これも昔から納得できなかった格言だった。
長期投資をしている限り、ポジションをゼロにして「休む」という選択はない。
しかし、暴落相場では「ポジション・ゼロ」だったらどんなに楽なのだろうと思ったことは何回もある。

野村証券のHPでは・・・

「年中、株式売買を繰り返していると、客観的に全体の相場が見えなくなりがちで、大きな落とし穴にはまることがあるので、冷静に相場を見つめるように」と戒めたのが、この言葉である。

・・・と説明されている。

でも、年中売買していると「客観的に見れない」「落とし穴にはまる」のだろうか?
「年中売買」していることと、「客観的に見れない」「落とし穴にはまる」こととは全くの別問題だ。

「休む」の良いところは、ポジションをゼロにして精神的に安定できることだ。
ポジションを持っている限り、ハラハラドキドキの連続で精神的にキツイ場面もある。
ポジションゼロなら何が起ころうが損益なしなので精神的に「楽」なことこの上なし。

逆に「休む」の良くない点は、休む前に売った価格より下で再エントリーできるかどうかだ。
「ヤバい」と思って売るのはすでにかなり下落してからなので、相場は自律反発する場合が多い。
したがって「休み」の後、再エントリー価格が売値よりも高いということになってしまう。
だったら、「休む」意味がない。

この相場格言「休むも相場」は全売却による精神的な安定と、売値と再エントリー価格の差も問題だ。
どっちを選ぶかは自由だが、プロは休まない。



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相場格言のおもしろ解釈(7)~知ったら仕舞い

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相場格言に「知ったら仕舞い」というのがある。
大和証券のHPの解説によると・・・

「いい材料でも悪い材料でも、正式に表面化したら材料出尽くしとなるので、いったん手仕舞うのがいいという教えです。
たとえば、「会社四季報」の予想で今期の業績が相当よくなるという銘柄は四季報の発売と同時に買われますが、正式な決算発表で予想通りの好調な数字であっても、材料出尽くしとなります。
業績のほかに、新製品の期待などで買われるケースでも同様です。」

簡単に言えば、すべての材料はみんなが知ったら「材料出尽くし」になるということだ。
これはよく相場解説で言われる「織り込み済み」と同義語だ。

でも、実はこの「織り込み済み」というのが意外と難しい。

わずか3か月前を振り返ってみよう。
たしか11月頃だったと思うが、「FOMCでのテーパリング決定はすでに織り込み済み」という意見が多く出ていた。
さらに「その後の利上げも織り込み済み」と、日経の解説者・鈴木亮氏を始め多くのコメンテーターがそう主張していた。

結果はどうだったのだろうか?

全く「織り込み済み」ではなく、年を明けた1月でもFRBの「テーパリング」「利上げ」「QT=バランスシートの縮小」が市場に大きな影響を与えている。
利上げの回数やQTの開始時期など細かい点で不透明感があるのは事実だが、基本的には11月FOMCで決定した政策変更が着々と実行されているだけの話だ。

材料が「織り込み済み」かどうかは、「知った」だけで判断してはいけない。
「知った」以上に「ポジションを動かす」事が重要で、ポジションが動かなければ「知った」だけでは「織り込み済み」にならない。
材料を知り、それをポジションとして反映させる・・・簡単にいえば、売り買いが出て相場が変動することだ。

現FRB議長のパウエル氏と、元FRB議長のバーナンキ氏の違いはこの「織り込み済み」をどう金融政策に反映させたかだ。
バーナンキ・ショックと呼ばれた急落場面が2013年5月にあった。
この5月にバーナンキ氏が「テーパリング開始」を発言した・・・ビックリした市場は債券を中心に急落(いわゆるテーパータントラム)・・・その後2014年初に実際にテーパリングをその後利上げを開始したが、その時は「織り込み済み」として金融資本市場は安定していた。

「インフレは一時的」と市場をただ安心させるだけのハト派パウエル氏は、インフレの長期予想が現実化しバイデン政権の支持率が低迷した時、突然「タカ派」に変身した。
市場は引き締めを織り込んでいなかったため、今年に入ってから株価急落となった。
市場への「織り込み」で失敗したパウエル氏のFRBだが、年初からの株価急落でポジション調整がやっと進み始めている。

「知る」だけではなく、実際にポジション調整が起こる事が「織り込み済み」につながる。
株山人流の解釈は、「知ってポジション調整が終われば、仕舞い」ということ。
その意味で目先の市場も一旦「織り込み済み」になる可能性を示している。


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相場格言のおもしろ解釈(6)~落ちてくるナイフはつかむな

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数ある相場格言の中でも最も重要なのが、この「落ちてくるナイフはつかむな」だろう。
自分の経験の中でも2回、この格言を嚙みしめさせられたことがあった。
一つはITバブル後の株価下落、もう一つはリーマン危機後の株価暴落だった。

アジア危機やロングターム・マネージメントの破たんから、集中物色が始まったのがITバブル(1998~2000年)だった。
世界中でIT成長株が暴落し、さらに日本では年金基金の代行返上も重なって、ソニーやソフトバンクなど主力成長株が壊滅的な株価下落に見舞われた。
当時、自己勘定運用を担当していた筆者は、株価が3割も4割も下落し割安に見えた頃、この「落ちてくるナイフ」を買いまくった。
ところがさらに株価は下落、大きな損失を抱えてしまった。

もう一つは2008年のリーマン危機後の暴落相場で、金融が混乱、信用が崩壊、企業間の金融が停滞し、物流が止まった状況で、その底の深さに唖然とした頃だった。
当時、運用会社の株式部長をしていた筆者は、この時も「落ちてくるナイフ」を買ったが、その後、アベノミクス相場(2013年~)まで日本株は2年以上も長期停滞してしまった。
海外顧客を訪問しても日本株は「Dead Cat Bounce」=「高い所から落ちて死んだ猫だってピクリと反応するよ」と言われた。
海外投資家の見方では、日本株はもはや「Dead Cat=死んだ猫」以下なのかと思った。

こう考えると、「落ちてくるナイフ」は拾わない方がいい、この相場格言は正しいといえるかもしれない。
しかし、数年から10年という長期で考えたら話は全く別になる。
この2回の大暴落で株価が半分になったり三分の一になった時に買っておけば、数年後には大儲けできた。

三回目は新型コロナ禍の暴落(2020年1-3月期)でも、「落ちてくるナイフ」を買った人は大成功だったはずだ。
2020年2月29日に書いた「落ちてくるナイフをつかむべきか?」というブログを参考にしてほしい。
今でも思う事は、株価が暴落して考えられないような安値が出てきたら「落ちてくるナイフ」を勇気をもって買うべきだということだ。



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「酒田五法」などの相場テクニックに直結する相場格言をより多く取り上げました。 当ブログでも使った「最後の抱き線は心中もの」、「遊びの放れは大相場」、「放れて十字は捨て子線」など、実戦で使える格言を多く解説しています。 ケイ線に興味のある方、テクニカル分析に興味のある方、是非一読をお勧めします。
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PERやPBRなどバリュエーションを理解し割安/割高の実践的判断の基に理論的な株式投資を解説します。 割安とは将来のリータンを示すのか、単に成長性がないというだけなのか、事例をもとに解説します。 株式投資の基礎として大切なもので、是非一読をおすすめします。
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