株山人の投資徒然草

大手運用会社をリタイアし、八ヶ岳に住む株山人の日記

大手運用会社をリタイアし、八ヶ岳に住む株山人の日記

株を職業にして38年、株式投資の楽しさを個人投資家に伝えたい。
Kindle版の「株式需給の達人(おもしろ相場格言編)」を出版しました。
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統計数字から考える

トランプ氏 vs パウエル氏、どっちが勝つか?

米長短金利差
米長短金利差(10年ー3か月)202506
















「煮詰まる」と言う言葉がピッタリとくる現在の株式・債券市場だ。
上のグラフは米国の長短金利差とNYダウの推移だが、なんか窮屈な領域に入ってしまった気がする。
不確実性を強調しただけで何もしようとしないFRBパウエル氏、トランプが就任してからバトルが続いている。

長短金利差は景況感をは反映する、景気が良ければ長期金利が上がり長短金利差は広がる、逆に景気が悪くなれば長期金利が低下し長短金利差は縮小しマイナスになる。
現在、金利差は「ゼロ」

NYダウはトランプ関税に翻弄され上がったり下がったりだったが、結局のところ年初来のリターンは+2.35%(6/26)。
上がって下がって年初来「チャラ」。

景気の方向性、金利の方向性が見失ったかのような市場で、市場参加者の予想が収れんしてしまっている、その分、煮詰まった感が強く出ている。
どっちかに大きく動く前兆となるかもしれない。

そのカギとなりそうなのが「トランプ vs パウエル」だ。
エビデンスを重視するパウエル氏は景気実態の数字が出るまで動こうとしない。
これに対してトランプ陣営は利下げをしないパウエルを糾弾している。
金融市場の精通したトランプ陣営、特にベッセント氏から見ればパウエル氏は「無能」に見える。
市場では先を読む力が一番重要で、証拠が出てから動く、なんて全くの遅行、ビハインド・ザ・カーブに過ぎないからだ。
 
市場はトランプ陣営がパウエル氏を解任し、FRBの利下げを進めることが読み筋になったのかもしれない。
この局面で株が上がるとしたら「利下げ」しかないからだ。


米景気実態を見てみよう。
下の一覧表は物価、消費、雇用、原油価格を前年比で比較したもの。
非農業雇用者数はこの半年で着実に減少しているが、賃金は∔3%台で安定している。
CPIにしてもCPIコアにしても、ゆっくりとした物価の低下傾向を示している。
そして、小売り高も関税前の駆け込み需要で上下したものの、2~3%のレンジで収まりそうな感じになってきている。

でもそれぞれかく乱要因がある。
雇用・賃金ではトランプの不法移民対策で、人手不足感が強まり賃金に上方圧力が出てくるか?
物価では輸入業者がトランプ関税をどのぐらい吸収し、どのぐらい物価に転嫁するのか?
個人消費では関税の一部を転嫁された商品を買い続ける余力があるのか?

かく乱要因も含めて米景気は簡単には行かない、米企業業績も大きな増加は期待しにくい。
株価の上昇は「業績が上がる」または「金利が下がる」が必要で、現在は「金利低下」が最大のポイントになっている。
今年後半の金利動向が決め手になる。

問題はパウエルFRB議長が「不確実」というばかりで何もしないパウエル氏をどうクビにするかなのだろう。
「中銀行の独立」という大義名分があるので、簡単ではないかもしれない。

消費者物価指数 小売り高 平均時給 原油価格
CPI コアCPI 前年比 前年比 前年比 月平均
2025年5月 2.4 2.8 3.29 3.9 -22.6 61.03
2025年4月 2.3 2.8 5.16 3.8 -25.4 63.08
2025年3月 2.4 2.8 4.60 3.8 -15.7 67.82
2025年2月 2.8 3.1 3.10 4.0 -7.0 71.33
2025年1月 3.0 3.3 4.20 4.1 1.9 75.14
2024年12月 2.9 3.2 3.92 3.9 -9.0 69.79
2024年11月 2.7 3.3 4.12 4.0 -10.0 69.69
2024年10月 2.6 3.3 2.85 4.0 -16.3 71.6
2024年9月 2.4 3.3 1.74 4.0 -22.4 69.55
2024年8月 2.5 3.2 2.13 3.8 -7.2 75.55
2024年7月 2.9 3.2 2.66 3.6 5.4 80.54
2024年6月 3.0 3.3 2.28 3.9 12.3 78.89
数字はすべて前年比%



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日銀・FRB、「無風」に隠された意図

FF金利FOMC2506
















日銀決定会合では大方の想定通り、事前にアナウンスされた「量的引き締めの緩和」が決められたが基本的に「無風」、FOMCは「予想の範囲内」で「無風」とされた。
しかし、この日銀もFRBの判断もちょっとした気になる点がある。

それは両国中銀が「リスク・シナリオを意識し始めたのではないか?」という点だ。


日銀が債券テーパリングのペースを四半期毎の4000億円から2000億円に減額した。
特に長期~超長期ゾーンの債券需給を心配した結果だといえる。
そもそも長期金利は日銀の決定事項ではない、それでも日銀植田氏の頭の中には「超長期金利の急騰リスク」が残っている。
だからこそ、テーパリングを緩めた。


FRBの発表をよくよく見ると、いくつか、FRBは「ここ1~2年のリスクシナリオ」を意識し始めたといえるポイントがある。

①FF金利見通しで、26年の下限予想を2.875%から2.625%に引き下げたこと。

中央値では年内2回の利下げ+26年1回の利下げだが、下限値では年内3回+26年4回利下げの予想に変更された。
これは年内3回に加えて来年も4回、合計でナント1.75%も大幅な利下げする、つまり米国景気の大幅調整というリスクシナリオも想定しているということだ。

上のFF金利見通しだが、明らかに下限金利を引き下げ、歪なグラフになっているのだ分かる。
この下限値へのバイアスはFRBの懸念を示している。


②25年実質GDPの予想が、昨年12月+2.1%、今年3月+1.7%、直近6月+1.4%と徐々に下方修正されてきていること。

米国経済の成長ペースがトランプ政権下で下方修正され続けている、徐々に景気に厳しい見方に変わってきているといえる。
3か月毎にFRB見通しがそのたびに下方修正されていることは、FRBの長期的な見方が変化している可能性があるだろう。


失業率も物価PCEも上方修正されたこと。

失業率は今年来年ともに4.5%へ、物価PCEで昨年12月+2.5%から3月+2.7%そして直近6月+3.0%に会合毎に上方修正されている。
「トランプ関税の影響が物価を引き上げ、同時に景気を悪化させるというリスク・シナリオ」を意識し始めたのかもしれない。

日銀は長期債市場に懸念を持ち、FRBはトランプ関税政策に懸念を持っている。
これらのポイントが今回の中銀会合からは推測できる。
無風、無風と言って思考停止していると、変化に対応できないのかもしれない。



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米国景気の減速感、強まる?

米雇用統計
米雇用3か月平均202506

















5月の米雇用統計が公表され、雇用は底堅いと市場は反発している。
確かに予想とほぼ同じ13万人、失業率も4.2%で横ばい、悪化する懸念があっただけに市場は安堵したのも分かる。

しかしもうちょっと長い目で見ると景色が違う。
上のグラフの黄色ラインは非農業雇用者数の3か月移動平均だが、停滞感は否めない。
3か月平均値は、昨年12月20.9万人、1月23.2万人と20万人台だったが、その後は3月11.1万人、4月12.3万人、5月13.5万人と10万人台前半で推移している。
少しづつ雇用市場の鈍化が進んでいる。


米ISM景況感指数
ISM202506

















上のグラフはISM製造業指数(青いライン)と非製造業(紫ライン)で、製造業ではすでに50を切る状態だったが、5月はここまで堅調だった非製造業でも50を切る停滞局面に入った。

非製造業指数は2022年12月に一瞬だけ50を切り49.2を記録した。
当時はFRBの急速な金融引き締めで株価も調整局面で、コロナ禍から立ち上がったサービスセクターにも一瞬の緩みが起こった。
しかしその後、FRBの引き締めが終わり、サービス業も回復に向かった。

このISM非製造業の50割れをどう見るのか?

2022年末のように一瞬だけで、FRBが金融緩和を進めればサービス業の景況感も回復していくかもしれない。
しかし、FRBパウエル氏がトランプの利下げ要求を意固地になって拒否すると危ない。
この状態が長引くとより広範囲な景気後退に入っていく可能性があるからだ。


NYダウ Q/Q S&P500 Q/Q NASDAQ Q/Q R2000 Q/Q
2025年6月 2104.47 -3.5% 266.36 -2.4% 775.82 -3.3% 81.98 -8.3%
2025年5月 2116.67 -1.9% 269.51 0.3% 792.38 1.7% 83.63 -9.2%
2025年4月 2029.39 3.4% 253.96 -8.5% 743.17 -8.1% 82.85 -4.3%
2025年3月 2181.54 12.0% 272.82 1.0% 802.6 4.9% 89.38 13.7%
2025年2月 2156.93 9.3% 268.66 11.4% 778.95 15.2% 92.11 35.2%
2025年1月 1961.99 -2.8% 277.43 13.5% 808.73 20.3% 86.55 23.1%
2024年12月 1948.6 -3.9% 270.2 12.8% 764.85 19.4% 78.6 13.2%
2024年11月 1973.35 -1.9% 241.21 0.0% 676.11 2.4% 68.11 -5.9%
2024年10月 2017.76 -1.9% 244.52 -0.5% 672.4 -2.7% 70.31 -10.7%


上の表はいつも使っている米国株指数の1年先予想EPSの推移だ。
変化率は3カ月前との比較した増減で、すべての株価指数EPSが3カ月前比減少になった。

予想EPSは小型株のラッセル2000が今年2月をピークに10%程度低下していきているが、NYダウは3月2181に対して6月2104と若干の低下に過ぎずピークを打ったともいえない。
予想EPSが今後も減少トレンドをたどるのか、それとも、トランプ関税の影響を克服して横ばいを維持できるのか、重要な分岐点になる。



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日本の物価だけ上昇するのは、なぜ???

米国の物価統計
米国PPIとCPI202506
















日本の物価だけが高止まりしているのではないか?
それはなぜだろう?

上のグラフは米国CPIとPPI(前年比)だが、明らかに物価上昇は落ち着いてきている。
主要国のCPIを昨年4月と今年5月で比べると、米国3.3⇒2.3%、ドイツ2.2⇒2.1%、フランス2.2⇒0.8%、中国0.3⇒-0.1%、韓国2.9⇒2.1%と軒並み伸び率が鈍化している。
しかし、日本だけは逆に2.5⇒3.6%に物価上昇が高まっている

先進国では英国が2.3⇒2.6%と若干上昇しているが、主要先進国の中で明確な物価上昇を見せた日本だけで、日本は完全な例外国だ。
しかも日本の物価上昇はちょっと不穏な感じもある。

下のグラフは消費者物価CPIの伸び率と需給ギャップを比べたものだ。
需給ギャップは、下のグレー線、マクロの需要量(個人消費や投資などの需要)を供給(労働力や生産設備など)が上回ってマイナスの数字になっている。
日本は需要不足の経済に陥っているわけだが、それにもかかわらずCPIが上昇を加速化させている。

ここに大きな問題がある。

日本の物価統計
日本CPI202505
















需要不足の経済で物価が上昇する理由として、①海外からの輸入品の価格による国内物価の上昇、②為替の円安/海外通貨高が国内物価を押し上げる、などが考えられる。
しかし、ホントの理由はよく分からない。

下のグラフはNY原油価格を、ドル建てと円建てで比較したものだ。
2022年以降円建て価格(黒ライン)がドル建て価格(青ライン)を上回って推移している。
つまり、円建てのエネルギー価格が高止まりし、これが国内物価に影響している。

外貨建て原油価格の低下により主要国では、エネルギー価格の低下がCPIの伸び率鈍化を引き起こしていると言えるが、日本では円建て価格の高止まりによって物価が海外以上に上昇している。

これが日本の物価上昇の大きな理由だと思うが、国内物価の最大の要因が「食品価格の上昇」であり、エネルギー価格だけでは説明できない。
もっと考えてみる必要があるのだろう。

ドル建てと円建てNY原油
円建WTI価格202505


















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米インフレは収束、もしトランプかいなければ・・・

米CPI202505















トランプ関税があるので、米国のインフレ懸念が投資家の頭から離れることがない。
いつインフレが加速しFRBが再利上げに追い込まれ、長期金利の急騰から株価が急落する、というシナリオが意識の中に残っている。

確かにトランプはキワモノで、何を言い出すか分からない。
だったら、トランプを無視して経済指標を純粋に見る、そして考える事しか投資家はできない。
その出た結論に、トランプの言動を足したり引いたりして、ポジションを管理していくことだろう。


とうわけで、まずはアメリカのインフレの実態部分、数字で表れている事から考えてみよう。

下の表は、いつも使っているCPIとCPIコア、小売売上高、WTI原油価格をすべて前年比で比べてみたものだ。

消費者物価指数 小売り高 平均時給 原油価格
CPI コアCPI 前年比 前年比 前年比 月平均
2025年4月 2.3 2.8 5.16 3.8 -25.4 63.08
2025年3月 2.4 2.8 4.60 3.8 -15.7 67.82
2025年2月 2.8 3.1 3.10 4.0 -7.0 71.33
2025年1月 3.0 3.3 4.20 4.1 1.9 75.14
2024年12月 2.9 3.2 3.92 3.9 -9.0 69.79
2024年11月 2.7 3.3 4.12 4.0 -10.0 69.69
2024年10月 2.6 3.3 2.85 4.0 -16.3 71.6
2024年9月 2.4 3.3 1.74 4.0 -22.4 69.55
2024年8月 2.5 3.2 2.13 3.8 -7.2 75.55
2024年7月 2.9 3.2 2.66 3.6 5.4 80.54
2024年6月 3.0 3.3 2.28 3.9 12.3 78.89
2024年5月 3.3 3.4 2.27 4.1 10.1 78.81
前年比%

消費者物価はこの1年間で着実な低下トレンドを見せている。
ヘッドラインCPIは3.3%から2.3%に低下、コアCPIも3.4%から2.8%に低下。
特にコアCPIがずっと維持してきた3%台から2%台に下がったことには意味がある。

原油価格は前年比で二ケタの下落、エネルギー価格が全体のCPI低下につながった。
原油価格だけでなくコモディティ価格全般に中国の需要が低下していることが大きい。
トランプ関税による過度なインフレ警戒が残るが、小売業者は価格転嫁に慎重姿勢を持っている。
この面では過度な警戒よりも素直に数字を見る方がいいかもしれない。

③ただし、小売売上高は関税前の駆け込み需要(前年比+5%)が押し上げているので、関税が実施され小売価格が一部上昇する時、消費者は慎重になる可能性がある。
小売売上高の急増が一巡すると、需要の価格押し上げ効果も一巡する。


というわけで、基調的な米インフレは収束に向かっているのが数字で確認できる。
それでもリスクとして残るのかトランプ関税。

輸出生産業者、輸入小売業者、消費者の誰がトランプ関税を負担するのかで決まる、小売価格に反映されるのは消費者の負担分だ。
10%関税を三者で当分に負担すれば、消費者の負担は三分の一の3%程度になる。

もし米国の輸入品が消費の半分を占めるとしても、消費者物価に与える影響は最初に1年だけで1.6%程度となる。
CPIは瞬間的に3%台に上昇するが、1年後には元の2%台に戻ることになる。

トランプがウォルマートに関税を転嫁するなと言ったが、彼がガタガタ言うことで影響はさらに小さくなるかもしれない。
しばらく様子を見ることになるが、インフレが期待ほど上昇しないかもしれないと思う。



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米国株、ナンノコッチャ、またまた割高!!!

NYダウ益回りと長期金利
NYダウ益回り202505

















トランプの関税騒ぎで多くの投資家は「米中関税協議」「トランプ中東訪問の多額のお土産」「AI半導体の大量販売」で株を買い戻している。
でも予想EPSは横ばい状態で、株価の戻りとともに再び「割高圏」に近づいている。

おそらく最大の問題は「トランプに罵倒されたパウエル氏が意固地になり、金利を必要以上に高止まりさせること」、もう一つは「米財政悪化による長期金利の高止まり」・・・どちらにしても長期金利と株式益回りの関係を整理してみる必要がある。


まずは、米優良企業30社のNYダウで確認してみよう(上のグラフ)。

今年1月にNYダウの益回りが4.5%で長期金利が4.8%と株式益回りと長期金利が逆転したことで株式の割高感が顕著になった。
基本的に「株式益回り>長期金利」が正常な状態、リスクの高い株式には高い利回りが期待されるからだ。

その後株価下落とともに正常化したが、再び両者が接近し始めている。
現在、NYダウ益回りは4.98%と再び5%水準を割れた、一方、長期金利は4.5%前後なので少し余裕があるにしても割高圏に入り始めているといえる。


米主要企業500社から構成されるS&P500益回りを見てみよう。

S&P500益回りと長期金利
SP500益回り202505
















S&P500でもNYダウと同様に、今年1月に「益回りと長期金利の逆転」が起こった。
トランプ下落でバリュエーションが調整したが、この戻り相場で再び「益回りと長期金利の逆転」が起こりそうな水準になっている。

上のグラフの通り、S&P500の益回りが急低下し、現在4.52%と長期金利とほぼ同レベル。
これ以上株価が上昇すると、再び「益回りと長期金利の逆転」が起こる、と言う意味で危険水域に入るといえる。


ハイテク成長株のNASDAQ益回りも見てみよう。

NASDAQ益回りと長期金利
NASDAQ益回り202505
















NASDAQは成長性の高いテック企業が中心なので、1年先予想EPSというよりも3年先の予想EPSを織り込んでバリュエーションが決まる傾向がある。
その分バリュエーションは割高で、NASDAQ100の益回りは現在3.66%と長期金利よりも低い。

それでも過去の関係を見ると、NASDAQ益回りが長期金利を1%以上下回るとやりすぎ場面となる。
現在の長期金利水準4.5%を基準にすると、NASDAQ益回りは3.5%程度が限界となるのだろう。


結論として言えることは、
S&P500、これ以上の株価上昇は危険水域に入る、
米長期金利が4.5%水準を越えてくると、金利の面から株式の割高感が強まる、
NASDAQは予想EPSが低下し成長性が落ちると割高が目立ってくる、
という三点に注目している。


下の一覧表はいつも使っている米株式指数の予想EPS、3か月の伸び率を比べたものだ。

各株価指数の予想EPS、3か月前比増減率
NYダウ Q/Q S&P500 Q/Q NASDAQ Q/Q R2000 Q/Q
2025年5月 2116.67 -1.9% 269.51 0.3% 792.38 1.7% 83.63 -9.2%
2025年4月 2029.39 3.4% 253.96 -8.5% 743.17 -8.1% 82.85 -4.3%
2025年3月 2181.54 12.0% 272.82 1.0% 802.6 4.9% 89.38 13.7%
2025年2月 2156.93 9.3% 268.66 11.4% 778.95 15.2% 92.11 35.2%
2025年1月 1961.99 -2.8% 277.43 13.5% 808.73 20.3% 86.55 23.1%
2024年12月 1948.6 -3.9% 270.2 12.8% 764.85 19.4% 78.6 13.2%
2024年11月 1973.35 -1.9% 241.21 0.0% 676.11 2.4% 68.11 -5.9%
2024年10月 2017.76 -1.9% 244.52 -0.5% 672.4 -2.7% 70.31 -10.7%
2024年9月 2028.43 -1.5% 239.63 -2.7% 640.74 -5.4% 69.41 -15.1%

今後の最大の焦点は、米国株EPSが伸びるかどうかだ。
5月の1年先予想EPSは3カ月前に比べほぼ横ばいで、良くも悪くもないと言えるが、トランプ関税による景気懸念はまだまだ織り込んでいない。
予想EPSが伸びないようならば、「バリュエーション調整」の可能性が高まる。



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トランプ関税の米経済はどうなる?(1)ここからが本番

usrt








5月以降の米国経済指標がトランプ関税後の経済を映し出す。
企業決算の発表が続いているが、自動車業界も小売り業界も関税の追加費用を織り込む決算ガイドラインを出してきた。
必ずしも関税費用をすべて消費者に転嫁するわけではなさそうだ。


「米インフレは予想ほど上昇しない」かも?

ポルシェは米国販売価格を関税分25%引き上げるのではなく、10%販売価格に転嫁し、15%は利益を圧縮したり合理化で吸収すると言う。
日本車も同様に関税分25%の多くを経営努力で吸収するのだろう。
と言う意味で米国のインフレに影響するのは関税の一部分にとどまる。
しかし、経営努力で吸収といっても最終的に利益率が圧縮されるのは間違いなさそうだ。


となると、最も注目されるのは「インフレというよりも景気実勢」だろう。

米国GDPは名目で+5.03%(3Q/24)、+4.84%(4Q/24)、+3.46%(1Q/25)と伸び率が急低下している。
物価調整した実質GDPはこの1Q/25に-0.28%でマイナスに落ちた。

米輸入の急増がGDPにはマイナス要因、その逆に在庫が急増、個人消費の増加がプラス要因だった。
簡単に言えば、トランプ関税前に駆け込み輸入が急増し、それが業者の倉庫に滞留し在庫が急増、自動車などの商品では値上げ前の駆け込み購入で個人消費が伸びた、というわけだ。

この反動が2Q/25に出てくる。
これを織り込んだGDPナウが5/1の公表されたが、2QのGDPは+1.1%だった。
一応、2期連続のマイナス=リセッションは避けられる見通しだが、まだまだ不安をぬぐえない。
もし2期連続のGDPマイナスとなれば、株価は二番底を目指す可能性があるから注意だ。


米雇用の変化はまだ出ていない

4月の雇用統計では雇用者数が予想よりも高い17.7万人だったが、3月分が下方修正されているのでホントに強いのかどうかは疑問も残る。
ただ、3か月移動平均では、2月+18.0万人、3月+17.1万人、4月+19.3万人と雇用情勢は横ばい状態で悪化している兆候はない

注目は小売り売上高で、3月は前月比+1.43%と高く出たが、相当分は関税前の駆け込み消費だ。
4月の数字が関税後の米国消費の状態を示すことになるからだ。
いずれにしてもここからが「米景気判断の本番」を迎える。




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トランプ関税前の駆け込み需要

トランプ










トランプ就任後大統領令で中国への10%追加関税、メキシコ・カナダに対する25%関税を決定し、主要国の株価が急落した。
もちろんこれらは以前からの公約だが、トランプは公約してきた事を冷徹に実行に移すという姿勢が株式市場の警戒感を増したのかもしれない。

しかし大統領選の11月以降、世の中は相当トランプ2.0を織り込んできたはずだ。
その織り込みが市場に与えるショックを相当緩和させる。
その意味では予想通りのトランプ2.0といえ、昨日の急落はやや行き過ぎのように見える。


筆者が興味を持っているのは、米経済指標がトランプ2.0をどのぐらい織り込んでいたかだ。
11月からの3か月で相当の駆け込み需要が発生し、関税引き上げ前に輸入し在庫を蓄え、消費者は耐久財を前倒しで買うなどの予防的な行動がみられた。

トランプはメキシコとカナダでの25%関税実施を1か月延期した。
これで一段と駆け込みが加速する、これは米国経済に目先プラスになる。

下の表は米経済のハードデータを一覧表にしたものだ。
比較を簡単にするために、12月データを昨年9月~11月までの平均値を比べてみた。


12月 9-11月平均 11月 10月 9月 単位
非農業雇用者数 256 164.3 227 12 254 千人
民間雇用者数 223 129.7 194 -28 223 千人
生産者物価指数 3.3 2.4 3 2.4 1.8 前年比%
消費者物価指数 2.9 2.6 2.7 2.6 2.4 前年比%
輸入物価指数 2.2 0.7 1.3 0.8 -0.1 前年比%
小売り売上高 3.92 2.8 3.8 2.85 1.74 前年比%

①移民政策に対して雇用を前倒しで増やしたか?
非農業雇用者数は12月に25.6万人と増加した。
3か月平均16.4万人を大きく上回ったが、ハリケーンの影響で10月の雇用者数がわずかな増加に留まったこともあり数字が大きく見える。
実際トランプ・移民政策をどの程度先取りしたかは不明にしても、先回りして雇用を確保しようという動きはあっただろう。

②関税引き上げ期待は物価に影響したのか?
12月の統計では生産者物価が+3.3%と3か月平均の+2.4%に比べて高く、消費者物価でも+2.9%と3か月平均+2.6%を上回った。
将来の関税引き上げ分をどのぐらい織り込んだかは分からないにしても、関税引き上げ前の駆け込み需要が価格に反映した可能性はある。

③駆け込み消費はあったのか?
12月の小売り売上高は+3.92と高く出た。
その前3か月の平均は+2.8%だったので、かなり高めの数字であることは間違いない。
耐久財などを中心にして今年2月以降の需要を先食いした可能性がある。
12月は消費者物価+2.9%に対して小売り売上高が+3.92%と、物価上昇以上に売り上げが伸びたので一定の需要はあったと見ている。


大統領選挙後トランプ2.0期待で金利もドルも株式も上昇したが、この間の景気指標は需要の先食いで好調だった、これがしばらく続く可能性が高い。
ということは関税を上げても駆け込みで実態以上の数字が出るため悪影響が限定される。

実際に経済ファンダメンタルの悪化が表面化するのに数か月かかるのではないか?
つまり目先の株価急落は警戒し過ぎなのではないか?

米トランプ政権と各国の関税ディールが長引くほど影響が大きく出てくるが、これは早くても3月の数字が発表される4月ぐらいになるのではないかと考えている。

まずは、目先の動きにあわてないことだと思う。




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インフレ再燃、証拠不十分(2)day1に起こる事


米CPI202412

















2025年の投資家の大きな関心事がトランプ・インフレが起こるかどうか、どのぐらいのインフレ率になるのか、FRBの金融政策に直結するからだ。
まずはデータで現状を確認しておきたい。

下は定期的にウォッチする米インフレ関連指標の一覧表だ。
消費者物価指数 小売り高 平均時給 原油価格
CPI コアCPI 前年比 前年比 前年比
2024年12月 2.9 3.2 3.92 3.9 -9.0 69.79
2024年11月 2.7 3.3 4.12 4.0 -10.0 69.69
2024年10月 2.6 3.3 2.85 4.0 -16.3 71.6
2024年9月 2.4 3.3 1.74 4.0 -22.4 69.55
2024年8月 2.5 3.2 2.13 3.8 -7.2 75.55
2024年7月 2.9 3.2 2.66 3.6 5.4 80.54
2024年6月 3.0 3.3 2.28 3.9 12.3 78.89
すべて前年比%

確かのインフレ鎮静化トレンドは終了し、横ばい状態にある。
総合CPIは昨年7月以降、ほぼ2%台後半で推移しているが、食品・エネルギーを除いたコアCPIは+3.2~3.3%でほぼベタ凪といえる。
賃金(時間当たり賃金)は多少の凸凹があるが、ほぼ3%台後半の伸び率で安定している。
肝心の小売り高は11月に+4%と瞬間的に増加率が上がったものの、12月は再び3%台の増加に戻った。
なお、原油価格は前年比で見れば若干のマイナス状況だが、1月に入り80ドル/バレル台に乗せてきたので前年比ではほぼ中立要因だろう。

この数字全体をどう見るか?

トランプが選挙で勝利した11月初から世の中はトランプ政策を織り込んで動いているはずだ。
雇用の数字も移民規制が強まり人出不足が続くと考えれば、早めに働き手を増やしておこうと考える経営者もいたはずだ。
関税により小売価格が上がってくると想定すれば、関税がかかる前に輸入しておこうという輸入業者もあったはずだし、耐久財などは早めに買っておこうという心理が働いたはずだ。

こうしたトランプ前の駆け込みがあったという「疑いの目」で数字を眺めると、12月の小売りの伸び鈍化、ひょっとしたら実態はもっと悪いのかもしれないと思ってしまう。
12月の非農業雇用者は25万人の増加と強い数字だったが、駆け込みが数字を持ち上げているのかもしれないと考えてしまう。

「疑いの目」から見ることが正しいかはわからない。
それでもここもとの米国経済統計は駆け込み需要を含む可能性は否定できない。
明日1月20日に「DAY1」にトランプが何をするのかに注目が集まるが、およそ予想される政策は織り込み済みなのかもしれない。



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インフレ再燃、証拠不十分?

米NFP3か月MA202412
















米雇用統計が発表され非農業雇用者数が25万2000人と予想を上回り、10年債利回りが4.77%まで急上昇し、米国産株式指数はそろって下落した。
でも、インフレ懸念=利下げの先送りだとしたら、深読みすぎる感じがする。


「トランプトレード」は、インフレ期待による債券先物ショート、親トランプ銘柄・テスラ株のロング、シェールオイル開発増で原油先物ショート、規制緩和でビットコインのロングなどが特徴付けられた。
筆者はこれらのポジションがすでにアンワインドに入っているという仮説を持っている。

第一に米10年債先物の投機筋ポジション。
10月には110万枚以上のショートポジションに増加したが、12月末現在では65万枚にまで減少してきている。
米投機筋は長期債ショート(金利上昇を見込んだ)を買戻してきた。

第二に新トランプの代表銘柄テスラ株の値動き。
テスラ株のピークは12月19日で488ドル、11月の選挙からの上昇率が∔94%に達した。
しかし現在394ドル(1/10)で、ピークからはすでに19%下落した。

第三に「掘って掘って掘りまくれ」と言ったトランプ2.0による原油先物ポジション。
掘りまくれば弱気予想で原油先物ショートが増えるはずで、実際10月央9万9000枚から12月末に12万6000枚まで増えた。
しかし原油価格はむしろ上昇してしまった。

第四にトランプが規制緩和するとしたビットコイン価格。
ビットコイン価格は11月選挙時点の6万3000ドル近辺から12月には10万8000ドルまで7割の上昇を記録した。
しかし、12月17日から反落、現在は9万4000ドル前後、ピークからは13%程度下落している。


11月初の米大統領選から急激な「トランプトレード」が花盛りとなったが、12月末までにはブームが収束したと見ている。
しかし、インフレ懸念だけは市場の亡霊のように残っている。
多くの市場参加者が「トランプトレード」という期待感だけでなく、本当にインフレが起こると信じているからかもしれない。

本物のインフレ再燃があるならば、金利はさらに上昇し株価は暴落する可能性さえある。
しかし、現段階ではそこまでは考えにくい。
米非農業雇用者も予想以上だったとはいえ、3か月平均なら17万人程度で巡航速度ともいえる。
時間当たり賃金も年4%ペースから12月は3.93%と若干ながら鈍化した。
インフレ再燃が確実というほど証拠はそろっていない。



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庶民の味を直撃するインフレ、2025年も厳しい?

IMG_3163


















12月の日銀決定会合で植田氏は利上げをするような報道が増えている。
植田氏が今の経済は「オン・トラック」と言い、日銀の想定通りに動いているとした。
来年にも食品業界は4000品目を値上げすると予想され、一般家庭にとっては来年も物価上昇は厳しそうな気がする。

11月の東京都区部物価は+2.6%と、10月+1.8%から4伸びが加速した。
食品の価格上昇が全体の物価を引っ張っている(数字は前年比)。
・・・生鮮野菜+16.8%、穀類+13.8%、肉類+6.1%、果物+11.2%

コーヒーも+23.3%と、コーヒー好きにとってはたまらん状況だ。
タコも100g当たりで比べてマグロを上回り、タコ焼きが食べられなくなりそう。
このタコ高はタコ焼き店を直撃するが、タコ焼き店でもタコの代わりにアスパラガスを使ったり工夫をしているそうだ。

今年値上がり目立ったのが、コメ、チョコ、コーヒー豆、タコ、キャベツなど、普通に誰もが食べる品目が目立った。
物価高が厳しいのは庶民の味(安くて美味しい)の値上がりで、これが家計を直撃する。
つまり逃げ場のない食品の物価高で、2025年はCPIの上昇率以上に中身が厳しいインフレになるだろう。

エネルギー価格も、石破政権でも補助を続ける予定だが、電気料金+9.7%、ガス+6.7%と値上がりが厳しい。
我が家の電気ガス料金を見ても単価の伸びが高い。
石破さんが今年の冬に向けてエネルギー補助金を継続するとしたが、効果は全く出ていない。

さらに来年がガソリン補助が減り、レギュラーガソリンが180円以上/ℓに値上がりすると見込まれている。
ガソリン価格には暫定税率がいまだに掛けられていてさらに消費税も二重課税になっている。
そろそろ、この異常な税金を正常化してほしい。

来年も庶民は厳しい!!!


      我が家の電気料金      我が家のガス料金
使用量 料金 単価 前年比 使用量 料金 単価 前年比
2024年10月 68 10126 148.9 5.7% 189 7789 41.2 42.5%
2024年9月 49 7191 146.8 13.4% 525 19384 36.9 25.0%
2024年8月 58 9292 160.2 17.1% 256 10651 41.6 19.3%
2024年7月 65 10377 159.6 12.5% 137 6737 49.2 2.0%
2024年6月 69 10660 154.5 2.4% 124 6161 49.7 4.8%
2024年5月 79 11532 146.0 -2.8% 156 6723 43.1 -10.7%
2024年4月 124 15157 122.2 -11.6% 228 8575 37.6 -24.9%
2024年3月 170 19783 116.4 -16.4% 279 9816 35.2 -23.3%
2024年2月 163 18442 113.1 -20.5% 212 8082 38.1 -26.7%
2024年1月 163 18202 111.7 -29.8% 145 6372 43.9 -16.1%
電気:kwhあたりの円表示、ガス:㎡あたり円表示


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FRB50bp利下げの理由

米雇用統計と3か月移動平均
米雇用3か月平均202408















FRBパウエル氏は米景気のソフトランディングを期待しているにもかかわらず、予想されていた25bpの通常利下げではなく、50bpと通常の2倍利下げを行った。
筆者にはけっこう意外感のある利下げだった。
ソフトランディングなら25bpづつ小幅に利下げしていくはずだと思っていたからだ。

何か理由があったのだろうか?

まずは、米雇用統計。

非農業雇用者数については多くの評論家が「堅調」と評価している。
しかし、上のグラフ、3か月移動平均値で見ると、着実に雇用者数は減少している。

         24年1月   24年8月
非農業雇用者   24.3万人  14.1万人 
3カ月移動平均  25.6万人  11.6万人

非農業雇用者数は毎月ブレる統計数字だが、3か月移動平均で見ると明確にトレンドを見せる。
今年は3月の26.7万人をピークに5月21.1万人、7月14.1万人、そして8月は11.6万人と着実な減少トレンドをたどり、年初から雇用者増は半減した。
この着実に悪化する雇用統計をパウエル氏が気にして大幅利下げを決めたのかもしれない。

もう一つは米消費の動向

下の表は消費者物価、小売、平均時給、原油価格をそれぞれ前年比で比べたものだ。

消費者物価指数 小売り高 平均時給 原油価格
CPI コアCPI 前年比 前年比 前年比
2024年8月 2.5 3.2 2.13 3.8 -7.19 75.55
2024年7月 2.9 3.2 2.66 3.6 5.43 80.54
2024年6月 3.0 3.3 2.28 3.9 12.33 78.89
2024年5月 3.3 3.4 2.27 4.1 10.09 78.81
2024年4月 3.4 3.6 3.04 3.9 6.48 84.59
2024年3月 3.5 3.8 4.02 4.1 9.70 80.49
2024年2月 3.2 3.8 1.50 4.3 -0.18 76.7
2024年1月 3.1 3.9 0.65 4.5 -5.35 73.93
2023年12月 3.4 3.9 5.52 4.1 -5.80 72.08
単位:% 原油価格はドル/バレル

小売り統計は、毎月予想より良いとして景気が底堅い理由にされてきた。
でも、こうやって物価と小売りと賃金伸び率を比べて見ると、明確な鈍化が見て取れる。

8月の消費者物価は∔2.5%、小売売上は+2.1%・・・物価上昇はその分売上げを増やすので実質で見るべきで、小売売上はー0.4%と実質的に減少している。
一方、賃金上昇(平均時給)は+3.8%と物価上昇率を越えているので、一般労働者のフトコロはまだ良好な状態にある。

しかし、労働需給が着実に緩んでいる状態を考えれば、賃金上昇が将来停滞していくことも考えられる。
こうしたリスクを考えて、FRBは50bpの大幅利下げを実行したように思える。
簡単にいえば、FRBはソフトランディングをメインシナリオにしながらも、景気鈍化の懸念を考慮したといえる。

パウエル氏はソフトランディングをベースに金融政策を実行していくのだろうが、それでも米景気にはリスクが残っていると考えた方がいいのかもしれない。





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9月の米国株EPS、なんか頭打ち??

NASDAQ予想EPSと10年債利回り
NASDAQ予想EPSと10年金利202409















評論家によると、米国株の業績は「すごく良い」「二けたの増加」「好業績」と言われ続けてきたが、どうも怪しい感じがする。
自分で米国株式指標の予想EPS(1年先EPS)の推移を検証してみたが、評論家が言うような「すごく良い」業績は計算できない。

下の表はNYダウ、S&P500、NASDAQ100、ラッセル2000のそれぞれ、月初の予想EPSを3か月ごとに伸び率を計算したものだ。
NYダウ Q/Q S&P500 Q/Q NASDAQ Q/Q R2000 Q/Q
2024年9月 2028.43 -1.45% 239.63 -2.66% 640.74 -5.41% 69.41 -15.09%
2024年8月 2012.01 -4.23% 241.16 -2.74% 660.49 -4.12% 72.36 -15.62%
2024年7月 2056.18 -1.01% 245.79 -0.35% 691.02 2.31% 78.71 -12.42%
2024年6月 2058.3 -1.32% 246.18 0.54% 677.4 12.33% 81.75 -3.02%
2024年5月 2100.8 0.71% 247.96 10.76% 688.9 15.78% 85.75 16.78%
2024年4月 2077.1 14.59% 246.65 11.53% 675.44 15.78% 89.87 23.53%
2024年3月 2085.77 13.77% 244.86 9.09% 603.06 3.86% 84.3 9.44%
2024年2月 2086.05 14.34% 223.87 -1.02% 595.03 1.47% 73.43 -6.71%
2024年1月 1812.58 -2.28% 221.15 -1.60% 583.4 1.77% 72.75 -3.69%

野村アセットのストラテジスト石黒氏が米国株に強気の根拠として米国株のEPSの増加を上げていた。
S&P500の予想EPSを25年260ポイント、26年末300ポイントとして強気見通しを主張した。

しかし、これには二つの疑問がある。

一つは25年のEPS伸び率が低すぎること。
S&P500の9月初の予想EPSは239ポイント(直近値は247)で、25年末に260ポイントまで伸びるとしても伸び率は5%に過ぎない。
これが「すごく良い」業績なのだろうか?

もう一つは26年末の予想が300ポイントって計算の根拠が分からないこと。
足元業績の3か月伸び率は、NYダウ-1.45%、S&P500-2.66%、ラッセル2000-15.9%とすべての株価指数でマイナスになった。
足元の伸び率が低いので25年のEPSの伸び率が低いと言うのは分かるが、なぜ、突然26年にEPSが15%も伸びるのだろうか?

来年はFRBの利下げの支援もあり、そこそこの業績を確保できると思われるが・・・
26年のEPSが大きく伸びるのは、利下げ以上の効果が出てくる状況を想定しているのだろうか?
どういう根拠で26年の業績成長を予想しているのだろうか?

これは野村アセットのストラテジストに聞いてみるしかないが・・・
どうもスンナリとは納得できない。



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天邪鬼の見方(1) 米小売り売上高

米小売り202408










米国小売り高の7月分で予想を上回り、市場には景気堅調を期待する声が広がっている。
でも、この数字には「作用と反作用」というテクニカルな要因が含まれているような気がする。

まずは数字を確認しよう。

米小売りは前年比で+2.7%と大きく伸びたが、その寄与が大きかったのは耐久財+2.7%だ。
確かに好調な数字だが・・・
筆者が気になるのは耐久財の内訳(前月比)で・・・
①自動車周辺部品が7月+3.6%だが、前6月は-3.4%だった。
②家電製品が7月+1.6%と好調だったが、前6月は―1..1%だった。
③耐久財全体でも7月+2.7%と好調だが、前6月は-2.1%と低調だった。

つまり、6月分の低調なデータが7月に反動で大きく伸びた要因が大きいのではないかと思う。
トレンドを見るには8月分のデータを確認すべきだと思う。

いつも使っている一覧表で見ると・・・

消費者物価指数 小売り高 平均時給 原油価格
CPI コアCPI 前年比 前年比 前年比
2024年7月 2.9 3.2 2.66 3.6 5.43 80.54
2024年6月 3.0 3.3 2.28 3.9 12.33 78.89
2024年5月 3.3 3.4 2.27 4.1 10.09 78.81
2024年4月 3.4 3.6 3.04 3.9 6.48 84.59
2024年3月 3.5 3.8 4.02 4.1 9.70 80.49
2024年2月 3.2 3.8 1.50 4.3 -0.18 76.7
2024年1月 3.1 3.9 0.65 4.5 -5.35 73.93
2023年12月 3.4 3.9 5.52 4.1 -5.80 72.08
2023年11月 3.1 4.0 4.09 4.0 -8.67 77.43
2023年10月 3.2 4.0 2.48 4.1 -1.94 85.57
2023年9月 3.7 4.1 3.75 4.2 6.81 89.58
2023年8月 3.7 4.3 2.47 4.3 -11.11 81.4
2023年7月 3.2 4.7 3.14 4.4 -23.49 76.39
数字はすべて前年比伸び率%

見えるのは・・・
①インフレは基調的に収まってきている、消費者物価CPIは前年比3%割れ、コアCPIも着々と安定化の方向だ。
②賃金も平均時給で前年比∔4%を割り込み、低下基調が続いている。
③原油価格も中東情勢のわりに落ち着いている。

こうした環境下で米国の小売り高はインフレ率以下の伸び率が4月以降続いている。
つまり、インフレが落ち着き、賃金にも停滞感が出てきて、個人消費はインフレ分を下回り∔2%台に低下している。
さらに米株高が一服し、資産効果が一巡するとしたら、米景気はホントに強いのだろうか?


市場関係者は「強い、強い」と強気のコメントが続いている。
でも筆者は違和感を感じる・・・それは筆者だけなのだろうか?
8月の数字を見るまでは「天邪鬼」を続ける。



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米小売り高ってホントに強いの?

米小売り202406









6月の米小売り売上高が発表された時・・・

「6月の小売売上高(速報値、季節調整済み)は、前月比横ばいの7043億2400万ドル(約112兆円)事前の市場予想(0.3%減)を上回った。ガソリンや自動車の販売減が足を引っ張ったものの、EC(電子商取引)など幅広い業種が増加した。」

各社のニュースを見ると「予想を上回り米消費が強いことを示した」という評価がほとんどだった。
「予想に対して・・・」という見方に違和感を感じている。
米国ではいろいろな数字にコンセンサス予想ができていて、実際の数字が予想に対して良いか悪いかで判断される。

でも経済数字は連続的な変化を見ることも重要だ。
小売り数字を前月比ではなく前年比で見てみよう。
下の一覧表は、いつも使っているものだが、消費者物価と小売売上げ、賃金、さらにエネルギーの代理変数として原油価格を前年比で伸び率を比べたもの。

消費者物価指数 小売り高 平均時給 原油価格
CPI コアCPI 前年比 前年比 前年比
2024年6月 3.0 3.3 2.28 3.9 12.33 78.89
2024年5月 3.3 3.4 2.27 4.1 10.09 78.81
2024年4月 3.4 3.6 3.04 3.9 6.48 84.59
2024年3月 3.5 3.8 4.02 4.1 9.70 80.49
2024年2月 3.2 3.8 1.50 4.3 -0.18 76.7
2024年1月 3.1 3.9 0.65 4.5 -5.35 73.93
2023年12月 3.4 3.9 5.52 4.1 -5.80 72.08
2023年11月 3.1 4.0 4.09 4.0 -8.67 77.43
2023年10月 3.2 4.0 2.48 4.1 -1.94 85.57
2023年9月 3.7 4.1 3.75 4.2 6.81 89.58
2023年8月 3.7 4.3 2.47 4.3 -11.11 81.4
2023年7月 3.2 4.7 3.14 4.4 -23.49 76.39
2023年6月 3.0 4.8 1.49 4.4 -38.71 70.23
前年比%

エネルギー価格が前年比でプラスを維持しているにもかかわらず、CPI、コアCPIともに前年比3%前後で安定してきた感じがある。
さらに平均時給も4%を割れてきて、より安定した3%インフレ経済に移行してきている。

ただし、問題は小売り高でここ2か月、前年比で2.2%の伸びで停滞感が強まっている。
この数字は名目値であり、物価の伸び率を下回るということは実質では消費の伸び率がマイナスだったといえる。
しかも2か月連続で大きく下回ってきたことが米国の消費全体の鈍化を意味しているだろう。

6月の小売りでは、ネット販売が割引セールで増えたことがプラスに、一方エネルギー支出(ガソリン等)や自動車販売が低迷したのが足を引っ張った。
ネット販売はアマゾンのセールが7月にもあり7月も伸びが期待されるが、こうしたインセンティブによる消費拡大には長期的に限界が見えている。

個人消費の3分の2を占める小売りがこんな調子だと米国経済には不安感が徐々に広まると思う。
FRBは早めに利下げをすべきだろう。
個人消費の停滞感は時間が経つにつれて強まる可能性があるからだ。




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米景気は減速・・・その後、利下げ? 景気後退?

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ISM製造業と非製造業というセンチメント指数が分岐点を下回り、米景気が減速する可能性を示した。
これが若干の景気減速で済むのか、景気後退に陥るのか、まだまだ判断できない。
ただ、4月の雇用統計で重要な事実が出てきたと、日経CNBCの岡崎さんは分析している。

要点をまとめると・・・
①4月の非農業雇用者数は17万人と水準としては堅調だが、新規雇用者数の伸びは予想を下回り、賃金の前年比で+4%を切った。

②米国の求人率(日本の有効求人倍率のようなもの)で、すでにワシントン州、カルフォルニア州、ニューヨーク州では求人率が1を下回り、求人が減少している。
この三州はIT産業の集積地で、ITエンジニアやITサービス関連では雇用が減速している。

③ITサービス企業の業績悪化というより、AIの導入がどんどん進み人間の仕事を代替してはじめている。
そうなると労働集約的な業種では雇用が堅調なものの、IT集積地ではむしろ雇用が緩和し始め、徐々に米雇用全体に影響し始める。
賃金の低い業種で雇用が伸び、高賃金の業種で雇用が緩和すると、全体の賃金上昇も抑えられることになるだろう。

この賃金上昇の鈍化が続くとインフレにも影響してくるのかもしれない。
下の一覧表はいつも使っている、物価、賃金、消費、エネ価格の連動をみるもの。

消費者物価指数 小売り高 平均時給 原油価格
CPI コアCPI 前年比 前年比 前年比
2024年4月 3.4 3.6 3.04 3.9 6.48 84.59
2024年3月 3.5 3.8 4.02 4.1 9.70 80.49
2024年2月 3.2 3.8 1.50 4.3 -0.18 76.7
2024年1月 3.1 3.9 0.65 4.5 -5.35 73.93
2023年12月 3.4 3.9 5.52 4.1 -5.80 72.08
2023年11月 3.1 4.0 4.09 4.0 -8.67 77.43
2023年10月 3.2 4.0 2.48 4.1 -1.94 85.57
2023年9月 3.7 4.1 3.75 4.2 6.81 89.58
2023年8月 3.7 4.3 2.47 4.3 -11.11 81.4
2023年7月 3.2 4.7 3.14 4.4 -23.49 76.39
2023年6月 3.0 4.8 1.49 4.4 -38.71 70.23
2023年5月 4.0 5.3 1.61 4.3 -34.68 71.59
2023年4月 4.9 5.5 1.60 4.4 -21.95 79.44
全て前年比%

CPI、コアCPI、賃金上昇、原油価格上昇と小売り売上高のには一定の関係性が見られる。
原油価格が前年比プラスに転じインフレ率に若干の上昇圧力をかけていること。
賃金上昇率が4%を下回りインフレ率を抑える方向に鎮静化していること。
賃金上昇率が消費者物価を上回り、個人消費を押し上げ小売り売上高は前年比3%伸びていること。

その後どうなる?

岡崎さんの分析のように賃金上昇率が鈍化し、労働市場が緩和していくとしたら、景気減速が一段と進み、インフレ率が低下する、これはFRBの読み筋だろう。
その場合、秋ぐらいにはFRBが利下げを決める可能性が高い。

その前に米景気がどの程度の減速感を示すかが今後の注目点だろう。
景気が若干の減速にとどまれば利下げ期待で株価が一段高する可能性もあるし、もし景気が加速的に減速するようならば景気が株価を抑えるかもしれない。

どっち?



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米国製造業PMIとサービス業PMIが示すもの

米国ISM製造業景況指数と米製造業PMI
米製造業PMI202404
















米国ISM非製造業景気指数と米サービス業PMI
米サービス業PMI202404

















米国の景気に少しだけ暗雲が出てきた。
昨年10-12月期以降、米株高で一儲けした米消費者が活発になり、資産効果で個人消費中心に好調な数字を叩き出してきた。
しかし3月~4月に株高が鈍化し、年初来でNYダウは+3%、S&P500で+9%、株高による資産効果は少し薄れつつある。

4月のISM景況感指数は、製造業49.2、非製造業49.4と、製造業と非製造業がともに景況感の分かれ目50ポイントを下回ってきた。
ISMはグローバル企業を中心としたビジネス・センチメントを指数化したものだが、10-12月期から上向きで3月に一瞬50ポイントを越えたが、再び失速した。
ISM非製造業はすっと50ポイントを越えてきたが、ついに4月に失速、初めて50ポイント割れとなった。

中小企業までカバーしているマークイットの製造業PMIとサービス業PMIでは4月の数字でも製造業50もサービス業51も分岐点50ポイントをかろうじて維持している。
製造業は22年のFRBの引き締め開始からビジネスセンチメントは悪化したが、個人消費中心にサービス業は比較的堅調を維持してきた。
しかしこの4月数字は分岐点ギリギリ、変調の兆しが見える。

つまり、この4月は株高が一服し、雇用統計では新規雇用も賃金伸び率も低下し、ビジネスセンチメントも製造業とサービス業がともに悪化した、というわけだ。
この24年4月が一つのターニングポイントになる可能性がありそうだ。

もちろん、単月の数字で判断することはできないが、数か月経過してから「その時が景気の分岐点だった」と思うかもしれない。
相場の流れが変化するとしたら、米長期金利が継続的な低下局面に入り、サービス消費中心に企業増益率が低下し始め、FRBは利下げタイミングを図る。

一方、この前ブログで書いた通り、米企業、特にNASDAQ企業のEPSは前年比3割のペースで伸び、このマクロとミクロの違いが広がっている。
でも考えておくべきことは、大口の自社株買いで発行株数が減少し予想EPSは増加することだ。
詳しい分析はないが、意外と米企業EPSは自社株買いで増えているというわけかもしれない。
いずれにしても、米景気のターニングポイントが近いかもしれない。




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日本株、EPSよりも配当利回り

日経平均とEPS
日経平均EPS202404
















日本株の予想EPSには「断層」がある。
海外市場では「12か月先予想EPS」として連続的に計測されているが、日本では年度で区切りがあり、24年3月期EPSと25年3月期EPSの段差ができてしまう。
決算発表後に翌期の予想EPSに置き換えられ、日経平均のEPSも会社ごとに翌期の予想に再計算されていく。
だから、決算発表がすべて終わるまでは前期と翌期の予想が混在する。
決算後の翌期EPSが伸びるかどうかは大きなポイントになる。

ちょっと振り返ってみよう。

2022年は4月末のEPSは2089円で、決算期変更を完了した5月末のEPS2084円と全く伸びていない。
新型コロナ禍後の経済正常化が遅れていた頃でEPS成長には期待できなかった。

2023年は4月末EPSが2107円に対して、決算期変更後の5月末は2197円と2024年3月期への変更の結果、4.2%程度EPSが増加した。

通常、決算期変更後はEPSが増加するが、2024年はどうなるだろうか?

4月後半の決算発表前半を見るかぎり、もう一つな感じ。
3月予想EPSは2371円だったのが、決算期が決算期変更がありながら5月初2281円と逆に低下してしまった。
GW明けが決算の集中期に入るが、多くの評論家が今年は二けたのEPS増加があると宣言していたわりに「???」の展開だ。
GW後が正念場であり、注目したい。


我々一般投資家からみれば、不確実なEPS成長よりも現実的な配当利回りに注目した方がいいのではないかと思う。
配当利回りを見ると、日経平均は1.72%と2%以下だが、増配を発表する会社や自社株買い後の実質増配を発表する会社も多くある。
今年はEPS成長よりも高配当株が投資対象とする方が良いと思う。

インカム収入が大きい指数としては①配当貴族指数、②東証リート指数に注目している。
配当貴族指数は配当利回り3.4%、PBR1.07倍と魅力的だ。
東証リート指数も分配金利回り4.45%、NAV倍率0.88倍、一段と魅力的な水準にある。

配当貴族指数の3.4の利回り、東証リート指数の4.4%の利回り、この指数の採用銘柄から面白い銘柄をピックアップするのが魅力的な投資となるかもしれない。



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米国インフレは再燃の可能性も?

米国コアCPIとPPI
米コアCPI202403
















上のグラフは米国のコアCPIとコアPPIを比べたグラフだが、CPIに比べてPPIの方が大きく、PPIの動きが先行指標となっている。

注目点はコアPPIが今年1月をボトムの底入れした雰囲気があることだ。
PPIのボトム、2015年や2020年を見ると、その後、コアCPIも上昇している点だ。
このPPIの底入れが今年後半のCPIの上昇を先取りしているのかもしれない。
米国物価は、再び、注目される局面にあるのかもしれない。

下の一覧表はいつも使っているものだが・・・

消費者物価指数 小売り高 平均時給 原油価格
CPI コアCPI 前年比 前年比 前年比
2024年3月 3.5 3.8 4.02 4.1 9.70 80.49
2024年2月 3.2 3.8 1.50 4.3 -0.18 76.7
2024年1月 3.1 3.9 0.65 4.5 -5.35 73.93
2023年12月 3.4 3.9 5.52 4.1 -5.80 72.08
2023年11月 3.1 4.0 4.09 4.0 -8.67 77.43
2023年10月 3.2 4.0 2.48 4.1 -1.94 85.57
2023年9月 3.7 4.1 3.75 4.2 6.81 89.58
2023年8月 3.7 4.3 2.47 4.3 -11.11 81.4
2023年7月 3.2 4.7 3.14 4.4 -23.49 76.39
2023年6月 3.0 4.8 1.49 4.4 -38.71 70.23
前年比、%

賃金(平均時給)が∔4%台前半で安定、コアCPIが+3.8%と賃金の伸びが物価より高い。
こうした状況では労働者のフトコロが良く、小売売上高が伸びる。
米株高の資産効果と賃金上昇の効果で米消費関連は堅調を続けるのかもしれない。
さらに原油価格が前年比+9.7%と久々に前年比プラスに入ってきている。
個人消費の堅調とエネ価格の反転、おそらく、米国インフレは簡単には収束しない。

コアPPIの底入れがCPIの再上昇を暗示する、さらに米消費の堅調、さらに原油価格の底入れ・・・となるとFRBは本音では利下げよりも再利上げを見ているかもしれない。
もちろん、パウエルFRBは「次の一手は利下げ」とは言っているけど・・・?
確率は低いかもしれないが、「もし再利上げ」となれば米国株は暴落しかねない。



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FOMCを深読みすると・・・

3月FOMC結果

2024年末 2025年末

3月公表 12月公表 3月公表 12月公表
上限値 5.375 5.375 5.375 5.375
中心値 4.625 4.625 3.625 3.625
下限値 4.375 3.875 2.625 2.375
GDP 2.1 1.4 2 1.8
失業率 4 4.1 4.1 4.1
PCE総合 2.4 2.4 2.2 2.1
PCEコア 2.6 2.4 2.2 2.2
単位:%

上の表でFOMCで公表されたドットチャートとFRB経済見通しを昨年12月と今年3月で比較した。
経済見通し・GDP予想と雇用(失業率)と物価(PCE)を上方修正したが、強いのにもかかわらず利下げ見通しは変わらないという甘々なパウエル氏だった。


この裏に何があるのか、ちょっと深読みをしてみたい。

①金融市場の流動性が低下している問題

22年初からの金融引き締め、急速な利上げと量的引き締め、それでも強い景気・・・しかし金融市場は流動性が減少している。

下のグラフは以前にも紹介したバランスシートの縮小(流動性の減少)とリバースレポの急激な残高縮小(流動性の追加)だが・・・
リバースレポ202403
















FRBは債券保有を減少させる一方、積み上げたリバースレポ(債券の買い戻し条件付き売り)を解消することで資金を供給して金融市場の流動性を確保してきた。
この3月にはリバースレポ残高が4000億ドルまで大きく減少し、これ以上の資金供給が難しい状況になった。
しかしバランスシートの縮小ペースを引き下げると見られたが、今回のFOMCでは変更なし。


②銀行サイドで資金ポジションが悪化している問題

下のグラフは銀行預金残高と貸し出し残高だが、このところ預金(緑線)が急減しているのが目立つ。

米銀預金と貸し出し202403
















米銀の預金は20兆ドルから急減した一方、貸出し残高はゆっくりと増加基調にある。
その点では銀行の預貸比率が低下し、銀行の資金ポジションが悪化している。
貸出しの中身では不動産融資がどうなるかが大きなポイントだが、それとともに銀行自身の資金ポジションの悪化も注目点だ。


③MMFへの過剰な資金シフトの問題

下のグラフはMMFの残高だが、これを株式投資の待機資金と考えると間違いだろう。
MMF残高202403
















MMFの残高は急激に増加し、6兆ドルを越えてきている。
通常、MMFは株式の売却代金を一時的にプールする商品だが、今回はちょっと違う、預金の代替商品になっているからだ。

FRBの利上げによりFF金利に連動するMMFも利回りが5%に上昇している。
その一方、米銀の預金金利は3%台で、MMF利回りが預金者に魅力的になっている。
そのため、預金者がその資金をMMFに移す動きが活発になっている。

こうした金融市場の流動性の低下、銀行の預貸率の悪化、MMFへの資金シフトなど、金融市場全般に高金利の影響が出始めている。
FRBはこうした金融市場を意識して、年後半の3回利下げを視野に入れているのかもしれない。
一方景況感は株高に支えられている面が強く、一旦株価がピークを打つと米株式市場と金融市場は少しヤヤッこしい状態に入るかもしれない。

株価が景況感を変えるというのも注意したい点だ。



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米国株が米景気を決める?(2)実質金利とPERの順相関

NASDAQ100の予想PERと実質金利
NASDAQ100
















実質金利は米国10年債利回りから期待インフレ率を差し引いたものだ。
この半年で見ると実質金利が2%前後で推移し過去最高水準にあるにもかかわらず、NASDAQのPERはどんどん上昇し30倍を越えた。
通常、網掛けの部分(新コロナ禍の金融緩和)のように実質金利がマイナスになると成長株PERが上昇する逆相関だが、この半年は実質金利が上昇するとともにPERも上昇する順相関になっている。

一方、NASDAQ100の予想EPSは、昨年9月566ドルから上昇し、10-12月期の好業績を反映した3月には603ドルまで6%増加した。
米企業はこの実質金利高の中で業績を上げ、それに輪をかけてPERが上昇したことになる。

実質金利高は物価よりも金利が高い状態なので、普通なら企業は設備投資を抑え込み、在庫投資も金利負担が大きくなり、企業活動を慎重にさせる。

でもこの時期にPERの上昇とともに株価も絶好調、これっておかしくないだろうか?

筆者の個人的な意見だが、株価上昇が結果ではなく原因になっているのではないかという見方だ。
株価上昇で資産効果が強く出て、消費者が活発におカネを使う、消費やサービスセクターに恩恵が強く出る。
その一方、モノに投資(設備投資)して生産し稼ぐ製造業モデルは、実質金利高で停滞していく。
現在米国で起こっているのは、こうした実質金利高の中で投資の選別なのかもしれない。
その結果としてITサービスやEコマースなどサービス業を中心に株高局面を続け、製造業のマイナスをカバーしている。

この「実質金利とPERの順相関」が長期的に続くモデルなのかは疑問がある。
やっぱり投資の基本は「実質金利が高くなればPERは低下する」ということだ。
「株価上昇が原因で、景気上昇が結果」は一時的に成立しても長期では難しいと考えるからだ。
では、長期的にどう考えたらいいのだろうか?
謎解きはFOMCのあとで・・・???

米国主要株価指数の予想EPS推移
NYダウ 前年比 S&P500 前年比 NASDAQ 前年比 R2000 前年比
1-Mar-24 2085.77 8.19% 244.86 9.01% 603.06 17.56% 84.3 -7.54%
2-Feb-24 2086.05 10.19% 223.87 0.23% 595.03 17.93% 73.43 -13.20%
5-Jan-24 1812.58 -2.29% 221.15 -3.94% 583.4 12.29% 72.75 -13.40%
1-Dec-23 1833.36 0.27% 224.46 1.21% 580.67 12.07% 77.03 -3.39%
3-Nov-23 1824.39 0.89% 226.17 1.49% 586.39 12.72% 78.71 -1.98%
6-Oct-23 1854.95 0.74% 224.75 0.65% 573.25 8.16% 75.54 -6.72%
1-Sep-23 1838.41 -1.79% 223.89 0.27% 566.39 4.44% 77.61 -6.30%
4-Aug-23 1809.34 -3.97% 215.81 -5.14% 524.01 -8.51% 77.99 -8.16%
7-Jul-23 1851.53 -3.96% 218.85 -4.52% 519.95 -5.93% 79.62 -8.98%
2-Jun-23 1932.61 1.98% 226.34 -0.56% 526.1 -4.62% 81.48 -12.94%
5-May-23 1899.29 0.39% 223.82 -0.94% 514.92 -7.27% 80.14 -9.08%




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米国株が米景気を決める?(1)

景気後退確率
景気後退確率202403
















上のグラフは景気後退確率、NY連銀が算出している12か月先の景気後退の可能性を示す。
米10年債と3か月債利回りの差から算出されるモデルで、10%程度ならば平常時、20%以上で警戒、30%以上で危険水域とされている。
上のグラフを見ても、この確率が急上昇した時期と景気後退はおおよそ一致している。

この景気後退確率は昨年の5月に70.85%というピークを付け、現在も60%台の高水準で行ったり来たりの状態を続けている。
もしこのNY連銀景気後退確率が正しいとしたら、今年の4-6月期から米国は景気後退に入るということになるが・・・それにしても、今のところ景気後退に陥る証拠は全くない。
でも、この1-3月期はちょっとした変調が見られるかもしれない。

①米国、ISM製造業指数の動き。

米国PMI202403

















米ISM製造業指数(購買担当者の景況感指数)は22年11月に基準の50を割れこみ、それ以後50割れ状態が続いている。
米国景気がしっかりしている中で、製造業は2月に47.8で1月49.1から低下した。
米製造業の低迷が続いているのが気になるところだ。
これですぐに景気後退に入るというわけでもないが、株価の動きも変調が見られる。

②米マグニフィセント・セブンの値動き
昨年はマグニフィセント・セブンと呼ばれる米主要7銘柄が大活躍したが、ちょっと変調している。

年初来株価上昇率は・・・
NVDAが圧倒的で+84%、META+43%と好調だが、AMZN+15%、MSFT∔8%、GOOG-5%、AAPL-8%、TSLA‐28%・・・
クラウドやITソフト系ではなく、製造業系のアップルやテスラの低迷が続いている。

先週末の雇用統計では非農業雇用者数(2月)が27万人と好調だったものの、1月の数字が大きく下方修正された。
これで米10年債利回りは4.07%まで低下したが、NASDAQは長期金利の低下とは逆に2%近く下落した。

半導体関連に利食い売りが出たためだが、この動きはちょっと気になる。
株価好調による資産効果と雇用好調で強い個人消費が米景気を引っ張ってきたが、製造業の停滞感と株価資産効果の一巡で変調が見られる。

米国株には注目だ・・・株価が景気を決めるかもしれない。




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2月の米国インフレが3月のFOMCに影響するかも?

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米国のインフレがどうなるなのか?
大きな関心事で、これが最終的にFRBの行動を決めるからだ。

下の一覧表はいつも使っている数字だが、米国の小売売上高の前年比数字を加えてみた。
米国株高は米国民の資産に直結し、その結果消費行動を積極化させる。
10-12月期に米国株は14%上昇(NYダウ)したが、11月の小売り売上高が4%、12月に5.5%増加した。
物価以上に賃金が上昇している米国なので基本的に個人消費は堅調、加えて株高の資産効果が影響する。

消費者物価指数 小売り高 平均時給 原油価格
CPI コアCPI 前年比 前年比 前年比
2024年1月 3.1 3.9 0.65 4.5% -5.35 73.93
2023年12月 3.4 3.9 5.52 4.1% -5.80 72.08
2023年11月 3.1 4.0 4.09 4.0% -8.67 77.43
2023年10月 3.2 4.0 2.48 4.1% -1.94 85.57
2023年9月 3.7 4.1 3.75 4.2% 6.81 89.58
2023年8月 3.7 4.3 2.47 4.3% -11.11 81.4
2023年7月 3.2 4.7 3.14 4.4% -23.49 76.39
2023年6月 3.0 4.8 1.49 4.4% -38.71 70.23
2023年5月 4.0 5.3 1.61 4.3% -34.68 71.59
2023年4月 4.9 5.5 1.60 4.4% -21.95 79.44
2023年3月 5.0 5.6 2.94 4.2% -32.36 73.37
2023年2月 6.0 5.5 5.39 4.6% -16.24 76.84
2023年1月 6.4 5.6 6.38 4.4% -6.03 78.11
前年比%、原油価格WTIはドル

1月の小売売上高は予想に比べ低調で、前年比+0.65%に留まった。
1月単月のNYダウの上昇率はスローダウンし+1.2%だったので、これが小売売上高に影響したのかもしれない。

しかも賃金が前年比で4.5%上昇する一方、CPIが3.1%上昇なので、物価以上に賃金が増えている状況が続いている。
賃金上昇が今後も個人消費を強める方向でさらに資産効果が出るとしたら・・・
NYダウが今後どうなるかは「神のみぞ知る」だが、もし今後も上昇が続けば個人消費が強くインフレが高めに出てきてもおかしくない。

2月も米株高が続いたので資産効果が大きく出ていると思われる。
2月雇用統計、CPI、小売売上高に資産効果が影響するならば、FRBは利上げを延期する可能性もあるからだ。
2月の急激な株高とその経済指標への影響、そして、FRBのコメントが重要なのだろう。

株価が景気を決めるという、因果関係が逆転したヤヤッコしい関係になっているような・・・・???



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ビッグマック食べるなら・・・アジア!

ビッグマック指数21092021年のビッグマック指数









ビッグマック価格は各国の物価差を見ると、実感や体感があるのでピッタリくる。
上のビッグマック指数は2年前のものだが、今年の指数と比べると面白い。

まずはアメリカ。
2年前640円だったのが今年は793円に上昇、24%の価格上昇となる。
しかし、世界での順位は4位から8位に下がっている。
欧州などに比べインフレ率が少し落ち着き、順位が下がったのだろう。
ドル高のピークアウトで24年には日米価格差は縮小してくる。
海外旅行先として米国やカナダはあり!だと思う。

次にユーロ圏。
2年前の559円から今年827円に上昇、48%の価格上昇とスゴイことになっている
ユーロ圏のインフレ率が米国以上に高く、順位も2年前の8位から5位に急上昇している。
ユーロ圏は食品やエネルギー価格に弱いということだろうが、物価面では住みにくい感じ。
欧州経済の先行きにも心配する声が多く、スタグフレーション的な状況も考えられる。
海外旅行先としては物価高がマイナス評価になる。

そしてアジア主要国。
日本は、2年前390円から今年450円へと15%の上昇に留まっている。
その結果、順位は32位から44位と大幅に下がった。
お隣の中国は、2年前393円から今年497円と26%の上昇。
アメリカ並みの上昇を見せたが、順位としては30位から40位に下落している。
ビッグマックを食べるなら、また、海外旅行に行くならアジア!!

今後、どんな変化が起こるのだろうか?

ユーロ圏はまだインフレ状況が続いているが、現在の高金利とユーロ高が経済を抑える要因。
需要が停滞し経済成長は鈍化する一方、インフレ状況は改善するものの、高原状態が続くと見る。

米国では利上げがピークに達しているが、量的引き締めQTが続いている。
インフレも落ち着いてくるが、ユーロ圏ほどの需要の停滞はないかもしれない。
やはり、米国への旅行は物価高でたいへんかもしれない。

アジア圏は最も安くビッグマックが食べられる状況は変わらない。
中国がデフレ状況に入ってくるため、アジア圏全体でインフレは低い状態が続くと見る。
香港や台湾は中国デフレの影響をより受けるため、一番安くビッグマックを食べられる地域として世界から注目される。


話は変わるが、米国の11月CPI。
CPIもコアCPIも落ち着き傾向は変わらないし、時間当たり賃金も+4%でほぼ横ばい状態。
一時心配されたパレスティナーイスラエル紛争も原油価格には影響していない。
ただ、筆者の見方は「米インフレは横ばい状態」という判断だ。
ここから一段と鎮静化するには、労働市場の緩和(賃金上昇の鈍化)と消費意欲の減退が必要だと考えている。

疑問に思うのは、NYダウが新高値を更新している状況では、株式保有の多い米国家計が株高で刺激され消費を活発化させると物価が上昇する要因になることだ。
米株高がインフレの加速要因になるとしたら、FRBは株高下で金利を引き下げられるのだろうか?

消費者物価指数 平均時給 原油価格
CPI コアCPI CPI-コア 前年比 前年比
2023年11月 3.1 4.0 -0.9 4.0 -8.67 77.43
2023年10月 3.2 4.0 -0.8 4.1 -1.94 85.57
2023年9月 3.7 4.1 -0.4 4.2 6.81 89.58
2023年8月 3.7 4.3 -0.6 4.3 -11.11 81.4
2023年7月 3.2 4.7 -1.5 4.4 -23.49 76.39
2023年6月 3.0 4.8 -1.8 4.4 -38.71 70.23
2023年5月 4.0 5.3 -1.3 4.3 -34.68 71.59
2023年4月 4.9 5.5 -0.6 4.4 -21.95 79.44
2023年3月 5.0 5.6 -0.6 4.2 -32.36 73.37
2023年2月 6.0 5.5 0.5 4.6 -16.24 76.84
2023年1月 6.4 5.6 0.8 4.4 -6.03 78.11
2022年12月 6.5 5.7 0.8 4.6 6.98 76.52
すべて前年比変化率%


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量的引き締め下の株価上昇?

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FRBの描いている2024年の姿は・・・
①雇用情勢が少し悪化し失業率4.1%まで上がり賃金上昇も抑えられる
②雇用情勢の落ち着きとともにインフレも緩和、PCEコア+2.4%と2%台へと低下する
③その結果、実質GDP+1.4%と1%台の伸びに減速する
・・・という3つの点だ。

これは、面白くもなんともないが、メインシナリオとしてはまあまあ納得できる。
実質GDP成長が1%台+インフレ率2%台と考えれば、名目成長は来年3%台に低下する。
名目成長は株式市場に大きく影響するので、株価上昇期待も5%程度というところだ。

一方、こうした景気減速を受けて政策金利が25bpづつ3回利下げが想定されている。
それでも来年末で中央値4.6%程度なので明確な金融緩和シグナルとはいえないが、FRBは景気実態にそって金利を引き下げるつもりだろう。

もう一つ重要なのは、現在の量的引き締めQTをどうするのかという議論だ。
FRBは何ともコメントしていないが、金利を下げても量的な引き締めをすればトータルで引き締め政策が続くことになる。
という意味で来年前半は「QTがポイント」になりそうな気がする。

FRBバランスシート2312
















FRBのバランスシートとS&P500の関係を見ると(上のグラフ)・・・
FRBの量的緩和が株価上昇に寄与してきたのが分かる。
しかし、現在QTが進み、バランスシートを示す青線が低下している反面、S&P500を示す赤線は上昇している。
この青線と赤線の乖離が広がっている。
FRBの利上げ終了とともに上昇を加速させている米国株もやや行きすぎな感じが出ているのかもしれない。

いずれにしても来年は「量的引き締めQTの議論」から目を離せない。



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意外と原油がインフレに効いているかも?

ビッグマック指数2109









米消費者物価指数が発表になり、米債券利回りが急低下、反対に株価が急伸した。
短期投機筋が米FRBの動きに相当な量でベットしていたのがよく分かる。
債券や株式に比べ為替の動きが小さく、まだまだ投機資金が為替市場に滞留しているのかもしれない。

それはそうと、米国のインフレはどうなっていくのだろう?

前回9月数字を見て「米インフレは原油価格の上昇で再び上昇するかもしれない」と思った。
WTI原油価格が前年比で+6.8%の上昇に転じたからだ。
サウジが減産を続け、ロシアのウクライナ戦争が継続・長期化し、さらにパレスティナ・イスラエル紛争も始まった。
こうした地政学リスクを考えると原油価格は上昇に転じ、前年比でも再びプラス圏に入ってくるのかと思ったからだ。

でもそうはならなかった。
パレスティナ紛争が起っても原油価格はむしろ逆に低下した。
これが米インフレ率に大きな影響を与えたような気がする。

米国はシェールオイル開発で産油国になり、原油価格の低下は経済全体ではマイナス要因だ。
原油の価格低下は経済活動を抑える方向で作用する。
以下の一覧表を見てみよう。

消費者物価指数 時給 原油価格
CPI コアCPI CPI-コア 前年比 前年比
2023年10月 3.20 4.00 -0.80 4.10 -1.94 85.57
2023年9月 3.70 4.10 -0.40 4.20 6.81 89.58
2023年8月 3.70 4.30 -0.60 4.30 -11.11 81.4
2023年7月 3.20 4.70 -1.50 4.40 -23.49 76.39
2023年6月 3.00 4.80 -1.80 4.40 -38.71 70.23
2023年5月 4.00 5.30 -1.30 4.30 -34.68 71.59
2023年4月 4.90 5.50 -0.60 4.40 -21.95 79.44
2023年3月 5.00 5.60 -0.60 4.20 -32.36 73.37
2023年2月 6.00 5.50 0.50 4.60 -16.24 76.84
2023年1月 6.40 5.60 0.80 4.40 -6.03 78.11
2022年12月 6.50 5.70 0.80 4.60 6.98 76.52
2022年11月 7.10 6.00 1.10 5.10 7.1% 84.78
前年比は%、原油価格(WTI)はドル/バレル

10月のヘッドラインCPIは前年比+3.2%と9月に比べ大きく縮小した。
これが市場は大きく動かしたわけだが、最も重要な賃金-コアCPIは0.1%程度のそれぞれ小幅な縮小にとどまった。
基調的なインフレ「賃金と物価のスパイラル」は少しづつ低下してきている。

一方、ヘッドラインCPIは原油価格の奇妙な落ち着きを反映したインフレ急低下の印象を与えたのではないかと思われる。
この傾向が続くかどうかは、やはり原油価格、WTI先物の動きが大きいのだろうと思う。
原油価格が70ドル/バレル台で安定してくれば、米インフレは少しづつ低下してくるトレンドを続けるのだろう。



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設備投資が日本のキーワード!!

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国交省が今年7月1日時点での都道府県地価調査を公表した。
日本の地価は2年連続で上昇したが、その調査結果には非常に興味深い点が含まれていた。
過去30年の経済停滞局面には見られなかった地価上昇が目立ってきたことだ。

具体的に見てみよう。

①北海道千歳市
住宅地である千歳3地点では地価78000円/㎡で前年比+30.7%、商業地である千歳5.3地点でも162000円/㎡で前年比+30.8%を記録した。

千歳といえば北海道のメイン玄関である千歳空港、さらに自衛隊の駐屯地、さらに大都市・札幌が近く住宅地として開発されてきた。
でも今年2月に大手半導体メーカー(ラピダス)の新半導体工場の建設が決定され、すでに関連する投資がスタートしている。
新規の半導体・設備投資が関連企業の誘致や従業員の住宅需要を生み出し、商業地も住宅地も大幅上昇につながった。

②九州熊本の菊池・大津市
言わずと知れたTSMC(台湾セミコン)の大型投資の先だが、菊池市の工業地は15500円/㎡で+29.2%、同じく大津市は90000円/㎡で+32.4%を記録した。

2021年4月にTSMCが子会社JASMを通じて新工場の建設の決定し、その後、周辺の商業地や住宅地も含めて地価が大きく上昇した。
世界最大のファウンドリーが日本の進出したことが大きな刺激となり、地域の活性化が進んでいる証拠なのだろう。

③岐阜県高山市
商業地である高山5・1の地価159000円/㎡で+5.5%、高山5・4も303000円/㎡で+9.8%

飛騨高山の古い町並みや陣屋がコロナ後の観客に受けて人流が回復するとともに地価も上昇した。
飛騨高山は高山ラーメンでも有名、さらに合掌造りで有名な白川郷や五箇山にも近く、インバウンドの回復で大きなプラスを受けているのだろう。

今まで国内投資、設備投資に消極的な日本企業とは対照的に、設備投資に積極的なTSMCなどの海外企業が起点となって投資が復活している。
競争の激しい半導体産業でも投資競争が行われようとしている。
これが日本の産業を変えるきっかけになるかもしれない。

さらにインバウンドの回復が単に目先の売上げの問題だけではなく、日本の秀逸な観光資源をいかに保護し、観光収入との両立を図るのかも重要な視点になってきているといえる。
白川郷や五箇山まで含めた飛騨高山地域の観光資源に対してさらに投資が実行されていることは今後の日本の観光業のあり方を示唆しているのかもしれない。

個人的には高山ラーメンが大好きで、清里から3時間弱クルマを飛ばして「麵屋しらかわのラーメン」を食べに行くのが楽しみ、帰りに平湯の「ひらゆの森」で日帰り温泉に浸かり、松本で「御代田のとうじ蕎麦」を食べて帰るというコースがおすすめだ。
最高の日帰りコースだと思う。



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米国CPI、反転の可能性

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評論家は8月の米CPI発表を無難に通過したことで、株価の上昇に弾みがついていると解説している。
コアCPIが4.3%と徐々に低下してきているので、この数字を見て「9月のFOMCでの利上げはない」と判断していいかもしれない。

今までコアCPIの上昇が抑えられ、平均時給の伸びと同程度になってきた。
これは現在の米国のインフレ実態、「4%インフレ経済」といえる。
4%で物価と賃金の上昇が均衡してきたとはいえ、FRBからすれば「目標2%を大幅に上回る」のが事実で引き締め基調が続く。

いつもの定点観測表を見てみよう。

消費者物価指数 平均時給 原油価格
CPI コアCPI CPI-コア 前年比 前年比  WTI
2023年8月 3.70 4.30 -0.60 4.30 -11.11 81.4
2023年7月 3.20 4.70 -1.50 4.40 -23.49 76.39
2023年6月 3.00 4.80 -1.80 4.40 -38.71 70.23
2023年5月 4.00 5.30 -1.30 4.30 -34.68 71.59
2023年4月 4.90 5.50 -0.60 4.40 -21.95 79.44
2023年3月 5.00 5.60 -0.60 4.20 -32.36 73.37
2023年2月 6.00 5.50 0.50 4.60 -16.24 76.84
2023年1月 6.40 5.60 0.80 4.40 -6.03 78.11
2022年12月 6.50 5.70 0.80 4.60 6.98 76.52
2022年11月 7.10 6.00 1.10 5.10 7.1% 84.78
2022年10月 7.70 6.30 1.40 4.70 7.3% 87.26
2022年9月 8.20 6.60 1.60 5.00 17.2% 83.87
2202年8月 8.30 6.30 2.00 5.20 35.2% 91.57
消費者物価は前年比伸び率。

いくつかの気になる点がある。

①ヘッドラインCPIとコアCPIの関係に変化が見られること。
いままでヘッドラインCPIの低下が、インフレ全般の落ち着きをリードしてきたが、すでにヘッドラインCPIが少しづつ上昇し始め、両者の差も6月-1.8%から8月-0.6%に縮小した。
このヘッドラインCPIがリードするインフレ鎮静トレンドに変化が生じている。

②原油WTIが不気味な上昇傾向を見せていること。
中国の景気停滞などから原油需要の先行き鈍化期待から、ウクライナ戦争の長期化、サウジの減産継続、リビアの洪水と原油価格上昇要因が増えている。

足元のWTIは90ドル/バレルまで上がってきたのを見ると、前年の9~11月水準が80ドル台で、前年比の原油価格が予想より早く「プラ転」してくる。
今年に10~12月期には原油価格がインフレ率に影響し始めるだろう。

ウクライナの戦火拡大で原油や一次産品の供給不安が広がるとしたら、ヘッドラインCPIが再び上昇する展開もありえる。
となると、FRBの、もう一段の引き締めが起こる可能性も否定できない。
年末へ向けて不安材料になつつつある。
よくウォッチしていきたい。



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NASDAQのEPSが再加速、新高値の可能性は?

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4-6月期決算が終わり、1年先予想EPSにも変化が出てきた。
小型株ラッセル2000以外の株価指数のEPS水準が8月初に比べ上昇している。
3か月前(1-3月期決算後の予想EPS)に比べてみると、NASDAQ100のEPSだけが+7.6%と増加したが、NYダウは-4.8%、S&P500は-1%と小幅マイナスだった。
ラッセル2000は-4.7%、しかも今年3月のEPSのピーク91ドルから低下傾向を脱せず、9月初では77ドル台。

NYDOW   S&P500   NASDAQ   R2000  
9月1日 1838.41 -4.87% 223.89 -1.08% 566.39 7.66% 77.61 -4.75%
8月4日 1809.34 -4.74% 215.81 -3.58% 524.01 1.77% 77.99 -2.68%
7月7日 1851.53 -1.52% 218.85 -1.16% 519.95 2.38% 79.62 -1.62%
6月2日 1932.61 0.24% 226.34 0.76% 526.1 2.56% 81.48 -10.63%
5月5日 1899.29 0.32% 223.82 0.21% 514.92 2.06% 80.14 -5.27%
4月6日 1880.14 1.36% 221.41 -3.82% 507.88 -2.25% 80.93 -3.67%
3月3日 1927.89 5.44% 224.63 1.29% 512.97 -0.99% 91.17 14.35%
2月3日 1893.19 4.70% 223.35 0.22% 504.55 -3.01% 84.6 5.35%
1月6日 1854.97 0.74% 230.21 3.10% 519.55 -1.97% 84.01 3.74%
12月2日 1828.46 -2.33% 221.77 -0.68% 518.11 -4.46% 79.73 -3.74%
11月4日 1808.22 -4.03% 222.85 -2.05% 520.22 -9.17% 80.3 -5.44%
10月7日 1841.41 -4.49% 223.29 -2.58% 530 -4.12% 80.98 -7.43%
伸び率%は3か月前比の変化を示す。

最大の関心はEPSが再び増加し始めたNASDAQが高値を抜いていくのか?と言う点だ。

7月22日に「NASDAQ、新高値の条件」というブログを書いたが、その中でPER30倍が高値時の限界点と指摘した。
NASDAQ100の予想EPSは566ドルと、昨年8月の572ドル以来の水準に上昇している。
限界PERを30倍とするとEPS×30=16980となり、2022年11月高値16573を一応越える。
でもこれだけでは「二番天井形成」の可能性を残してしまう。

ここからNASDAQのEPSが継続的に増加するトレンドに入っているのかが最大のポイントで、特に7~9月期決算が明らかになる11月の予想EPSの数字が重要だろう。
もし11月にEPSが600ドルに向けて増加すれば、新高値を更新する相場に入るかもしれない。

それにしても政策金利5%台に高金利経済で、NASDAQの主要大型銘柄(GAFAMなど)が業績拡大するって驚きを隠せない。
高金利下での業績拡大への期待も生じる。

一方、優良株のNYダウや主力大型株のS&P500は安定しているものの、成長力に欠けている感じ。
この1年間、両者のEPSはほとんど横ばいだった。
短期金利が5%台にあることを考えれば十分に安定性を見せたといえるけど、新高値を取っていく力強さには欠けている。




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中国で起こる14億人の高齢化(3)

中国人口ピラミッド




















中国の人口高齢化と長期経済停滞の問題について6/1にブログを書いた。
ポイントは・・・
①2030年以降毎年1億人レベルで人口減少が起こる世界最大の人口減少国になる、
②一人っ子政策による影響で男女差が2割と高く、結婚難+晩婚化で少子化が急激に進む、
③儒教思想の影響で社会保障が未整備な社会で世界最大の高齢化が起こる。
中国の高度成長期が終わり、もともとの中進国ペースに戻ると、様々な歪みが表面化する。

米中摩擦、台湾や南シナ海の領有権問題、人権問題などによる中国包囲網の拡大・・・内政ではこう大集団などの不動産問題、おそらくこれは不良債権問題に直結していく。
でもこれらの諸問題は数年前からずっと続いてきたもので、共産主義政権下でなんとかコントロールできるかどうかという問題だ。

でも、中国問題はもっと根本的なところあるような気がする。
基本的な経済力が低下している感じがするからだ。

      2020年  2021年  2022年  2023年
実質GDP  +2.24% +8.45% +2.99% +5.24%(予)
経常収支  2488   3173   4176   2724億ドル(予)
政府債務  7.19   8.22   9.40   10.68兆ドル(予)
予想:IMF

2020年と2021年はコロナ禍の影響がありドタバタしているが、着実に実質GDPの伸び率が長期的に鈍化し、経常収支の黒字も徐々に減少、反面、政府債務は着実に増加に10兆ドルを越えた。
外需依存の成長は米国や先進国に制限され、頼みの内需も不動産問題が拡大する。

土地が国家所有である中国では、地方政府が土地の使用権を民間に売却し巨額の収入を得る、民間が土地を購入し開発する一方、融資平台などのシャドーバンクから膨大な借金をするという構図が続いてきた。
民間不動産会社が開発に失敗すると、その借金返済が滞りシャドーバンクが膨大な不良債権を作り出す、それが融資平台の財政悪化、その親の地方政府につながっていく。
地方経済が悪化し、最終的に中央政府がその借金を肩代わりすることになる。

共産党政権が問題を棚上げにすることは可能で、ホトボリを覚ますぐらいのことはやりそう。
でも利下げや財政支出をしても経済が浮揚しない場合もありえる。
日本でも経験したことだが、金利や財政刺激がカンフル剤として機能しない経済は、根本的な経済力の衰退だ。



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PERやPBRなどバリュエーションを理解し割安/割高の実践的判断の基に理論的な株式投資を解説します。 割安とは将来のリータンを示すのか、単に成長性がないというだけなのか、事例をもとに解説します。 株式投資の基礎として大切なもので、是非一読をおすすめします。
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