米長短金利差

「煮詰まる」と言う言葉がピッタリとくる現在の株式・債券市場だ。
上のグラフは米国の長短金利差とNYダウの推移だが、なんか窮屈な領域に入ってしまった気がする。
不確実性を強調しただけで何もしようとしないFRBパウエル氏、トランプが就任してからバトルが続いている。
長短金利差は景況感をは反映する、景気が良ければ長期金利が上がり長短金利差は広がる、逆に景気が悪くなれば長期金利が低下し長短金利差は縮小しマイナスになる。
現在、金利差は「ゼロ」
NYダウはトランプ関税に翻弄され上がったり下がったりだったが、結局のところ年初来のリターンは+2.35%(6/26)。
上がって下がって年初来「チャラ」。
景気の方向性、金利の方向性が見失ったかのような市場で、市場参加者の予想が収れんしてしまっている、その分、煮詰まった感が強く出ている。
どっちかに大きく動く前兆となるかもしれない。
そのカギとなりそうなのが「トランプ vs パウエル」だ。
エビデンスを重視するパウエル氏は景気実態の数字が出るまで動こうとしない。
これに対してトランプ陣営は利下げをしないパウエルを糾弾している。
金融市場の精通したトランプ陣営、特にベッセント氏から見ればパウエル氏は「無能」に見える。
市場では先を読む力が一番重要で、証拠が出てから動く、なんて全くの遅行、ビハインド・ザ・カーブに過ぎないからだ。
市場はトランプ陣営がパウエル氏を解任し、FRBの利下げを進めることが読み筋になったのかもしれない。
この局面で株が上がるとしたら「利下げ」しかないからだ。
米景気実態を見てみよう。
下の一覧表は物価、消費、雇用、原油価格を前年比で比較したもの。
非農業雇用者数はこの半年で着実に減少しているが、賃金は∔3%台で安定している。
CPIにしてもCPIコアにしても、ゆっくりとした物価の低下傾向を示している。
そして、小売り高も関税前の駆け込み需要で上下したものの、2~3%のレンジで収まりそうな感じになってきている。
でもそれぞれかく乱要因がある。
雇用・賃金ではトランプの不法移民対策で、人手不足感が強まり賃金に上方圧力が出てくるか?
物価では輸入業者がトランプ関税をどのぐらい吸収し、どのぐらい物価に転嫁するのか?
個人消費では関税の一部を転嫁された商品を買い続ける余力があるのか?
かく乱要因も含めて米景気は簡単には行かない、米企業業績も大きな増加は期待しにくい。
株価の上昇は「業績が上がる」または「金利が下がる」が必要で、現在は「金利低下」が最大のポイントになっている。
今年後半の金利動向が決め手になる。
問題はパウエルFRB議長が「不確実」というばかりで何もしないパウエル氏をどうクビにするかなのだろう。
「中銀行の独立」という大義名分があるので、簡単ではないかもしれない。
数字はすべて前年比%
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「煮詰まる」と言う言葉がピッタリとくる現在の株式・債券市場だ。
上のグラフは米国の長短金利差とNYダウの推移だが、なんか窮屈な領域に入ってしまった気がする。
不確実性を強調しただけで何もしようとしないFRBパウエル氏、トランプが就任してからバトルが続いている。
長短金利差は景況感をは反映する、景気が良ければ長期金利が上がり長短金利差は広がる、逆に景気が悪くなれば長期金利が低下し長短金利差は縮小しマイナスになる。
現在、金利差は「ゼロ」
NYダウはトランプ関税に翻弄され上がったり下がったりだったが、結局のところ年初来のリターンは+2.35%(6/26)。
上がって下がって年初来「チャラ」。
景気の方向性、金利の方向性が見失ったかのような市場で、市場参加者の予想が収れんしてしまっている、その分、煮詰まった感が強く出ている。
どっちかに大きく動く前兆となるかもしれない。
そのカギとなりそうなのが「トランプ vs パウエル」だ。
エビデンスを重視するパウエル氏は景気実態の数字が出るまで動こうとしない。
これに対してトランプ陣営は利下げをしないパウエルを糾弾している。
金融市場の精通したトランプ陣営、特にベッセント氏から見ればパウエル氏は「無能」に見える。
市場では先を読む力が一番重要で、証拠が出てから動く、なんて全くの遅行、ビハインド・ザ・カーブに過ぎないからだ。
市場はトランプ陣営がパウエル氏を解任し、FRBの利下げを進めることが読み筋になったのかもしれない。
この局面で株が上がるとしたら「利下げ」しかないからだ。
米景気実態を見てみよう。
下の一覧表は物価、消費、雇用、原油価格を前年比で比較したもの。
非農業雇用者数はこの半年で着実に減少しているが、賃金は∔3%台で安定している。
CPIにしてもCPIコアにしても、ゆっくりとした物価の低下傾向を示している。
そして、小売り高も関税前の駆け込み需要で上下したものの、2~3%のレンジで収まりそうな感じになってきている。
でもそれぞれかく乱要因がある。
雇用・賃金ではトランプの不法移民対策で、人手不足感が強まり賃金に上方圧力が出てくるか?
物価では輸入業者がトランプ関税をどのぐらい吸収し、どのぐらい物価に転嫁するのか?
個人消費では関税の一部を転嫁された商品を買い続ける余力があるのか?
かく乱要因も含めて米景気は簡単には行かない、米企業業績も大きな増加は期待しにくい。
株価の上昇は「業績が上がる」または「金利が下がる」が必要で、現在は「金利低下」が最大のポイントになっている。
今年後半の金利動向が決め手になる。
問題はパウエルFRB議長が「不確実」というばかりで何もしないパウエル氏をどうクビにするかなのだろう。
「中銀行の独立」という大義名分があるので、簡単ではないかもしれない。
消費者物価指数 | 小売り高 | 平均時給 | 原油価格 | |||
CPI | コアCPI | 前年比 | 前年比 | 前年比 | 月平均 | |
2025年5月 | 2.4 | 2.8 | 3.29 | 3.9 | -22.6 | 61.03 |
2025年4月 | 2.3 | 2.8 | 5.16 | 3.8 | -25.4 | 63.08 |
2025年3月 | 2.4 | 2.8 | 4.60 | 3.8 | -15.7 | 67.82 |
2025年2月 | 2.8 | 3.1 | 3.10 | 4.0 | -7.0 | 71.33 |
2025年1月 | 3.0 | 3.3 | 4.20 | 4.1 | 1.9 | 75.14 |
2024年12月 | 2.9 | 3.2 | 3.92 | 3.9 | -9.0 | 69.79 |
2024年11月 | 2.7 | 3.3 | 4.12 | 4.0 | -10.0 | 69.69 |
2024年10月 | 2.6 | 3.3 | 2.85 | 4.0 | -16.3 | 71.6 |
2024年9月 | 2.4 | 3.3 | 1.74 | 4.0 | -22.4 | 69.55 |
2024年8月 | 2.5 | 3.2 | 2.13 | 3.8 | -7.2 | 75.55 |
2024年7月 | 2.9 | 3.2 | 2.66 | 3.6 | 5.4 | 80.54 |
2024年6月 | 3.0 | 3.3 | 2.28 | 3.9 | 12.3 | 78.89 |
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