
仮説(2)はNISAやiDeCoへの資金流入が国内株アクティブ投信の衰退を招き、その結果が東証の投資家別売買で投信の継続的売り越しに現れているという仮説だ。
これは一見現在の資金運用のトレンドを表しているといえるが、ちょっと疑問もある。
まずは、数字を確認してみたい。
投信協会の数字を見ると、NISAの残高は21.3兆円、そのうち積立てNISAは6878億円しかない。
さらに確定拠出年金だが、企業型の加入者は751万人、個人型(iDeCo)の加入者が185万人だ。
確定拠出年金の残高は13.5兆円となっている。
NISAもiDeCoも着実の伸びているが、残高規模合計で35兆円程度だ。
既存投信を売却し資金が人気のNISAやiDeCoにシフトしているという理由で、2兆円を超える投信の売り越しが起きているとは説明できない・・・規模が違いすぎる。
仮説(3)は国内投信からグローバル投信に資金が流れ、国内株には投信の売り越しが続いたという仮説だ。
詳細な数字は見つけられていないが、モーニングスターによると、今年の1月と2月で国際株式が人気になり、1月に6862億円、2月に7908億円の資金流入があったという。
東証での投信売り越し額は今年1月に3798億円、2月に3800億円だったので、今年の1~2月という短期では国内株投信から国際株式に資金移動が行われた可能性は非常に高い。
投信を通貨別で見ると、2020年1月から2021年2月まででドル建て投信に6.7兆円に資金流入があったので、その間の投信の売り越し額2.5兆円は国内株式から国際株式に資金移動した分と考えてもおかしくはない。
長期的にも説明可能な仮説だといえる。
この3つの仮説検討から、いくつか結論的に言えることがある。
国内株投信の衰退は・・・
(1)インデックス投信の興隆、その反対にアクティブ投信の衰退という流れが明確になり、米国以上のスピードでインデックス化が起こったこと。
(2)アクティブ投信では国内株が人気低迷し、国際株式型に急速に資金シフトが起きたこと。
投信全体は純資産が増加しているが、国内株アクティブ投信は減少、その分が、インデックス投信や国際株式型に資金シフトしたといのが結論になる。
この傾向は続きそう・・・国内株のファンドマネージャーには試練の道が待っている。

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