
ちょっと小さく見にくくて恐縮だが、上のチャートは東京の金先物の日足だ。
NY金先物が世界の金相場の中心だが、日本からの金投資はこの東京金先物の動きが最も重要になる。
東京金先物は8月の中旬に7000円/gを越えて高値を付けた・・・その上下変動はあるが6300円/gを下限にした往来相場に入っている。
当ブログでも過去「株と金の二重サイクル」について書いてきた。
過去のブログを参照してほしいが・・・最近の金価格は金ETFの成長と大型化に伴って、従来の地金という現物商品の性格から、株式などと連動する金融商品の性格に変調してきているという仮説の下に論じてきた。
この仮説の下、現在の東京金先物のチャートを見てみよう。
(1)長期金利、実質金利の上昇リスク。
金価格が現在織り込んでいる要素は、米・長期金利の上昇だ。
金利を生まない金は、金利が上昇すると金売り/債券買いが生じ下落する傾向がある。
米長期金利は株高とともに上昇に転じ、現在0.9%前後で推移している・・・今後、株価が期待しているような景気回復が起こるとすれば、さらに上昇し1%を越えて行くことも考えられる。
この金利上昇がNY金価格にはマイナスになる。
(2)為替の円高リスク。
東京金先物=NY金価格×ドル/円為替・・・なので円高になると下落する。
ドル安=円高が続くと、東京金先物にはマイナス要因になる。
為替については様々な見方があるが、重要なのは100円/ドルを越えて円高が進むかどうかだ。
新型コロナ感染でアジアの諸国の感染者数や死亡者数が圧倒的に少なく、長期的にアジア通貨が上昇していくと考えている。
実際に中国人民元は圧倒的に強い・・・1ドル=7元のレベルから大幅に人民元高で推移し、現在6.58人民元まで上昇してきている。
人民元だけでなく、多くのアジア通貨が上昇している・・・日本円も例外ではない。
その意味では、円高が東京金先物の上値を抑えていくかもしれない。
(3)主要国の財政悪化による金売却リスク。
新型コロナ対策で、主要国はすべて積極財政を行っている・・・IMFは世界の財政赤字が今年12兆ドル増加し、世界平均でGDP100%レベルを越えたと推定している。
今年の財政赤字/GDPは・・・米国131%、欧州101%、英国108%、日本266%・・・と、財政規律にうるさい独でさえ73%に上昇。
まだ先が見えてない新型コロナ感染だが、米国や日本でももう一段の財政投入が期待されている。
となると、今後大幅な増税が考えられるが、その前に金保有国は財政赤字補てんのために金売却に走る可能性がある。
外貨準備として保有されている金を国別にランキングすると・・・
1位 アメリカ 8133トン 外貨準備のうち75%
2位 ドイツ 3369トン 70%
3位 イタリア 2451トン 66%
4位 フランス 2451トン 61%
5位 ロシア 2150トン 19%
東京金=円ベースでの金保有・・・あまり良い投資対象とはならないかもしれない。

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