株山人の投資徒然草

大手運用会社をリタイアし、八ヶ岳に住む株山人の日記

大手運用会社をリタイアし、八ヶ岳に住む株山人の日記

株を職業にして38年、株式投資の楽しさを個人投資家に伝えたい。
Kindle版の「株式需給の達人(おもしろ相場格言編)」を出版しました。
既刊の「株式需給の達人(実践的バリュエーション編)」「チャートの達人」「個人投資家の最強運用」「株式需給の達人(基礎編)」「株式需給の達人(投資家編)」とともに一読をおすすめします。

相場雑感

都議選大敗・・・石破政権の「三大ガックシ」

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自民党は都議選で大敗した・・・石破政権の「三大ガックシ」が大きく影響したと思う。

石破さんの魅力的なところは、自民党内にいる野党的な役割だった。
しかも論理的に正しい事を自民党保守層に迎合せずに物事を判断し主張する、ここが魅力的だった。
しかし何か狂ってきたように見える。


第一のガックシは・・・ガソリン暫定税率

この暫定税率はまだ日本の高速道路網が未整備だった頃、道路整備のために通常のガソリン税に加え、暫定税率を徴収したものだ。
すでに全国高速道路網がほぼ完成した現在、ガソリン暫定税率の役割が終わっている。

役割を終えたのにそのまま課税する理屈はない。
そういう意味で三党で「ガソリン暫定税率の廃止」は合意された。
この合意に石破さんは関わっていたはずだし、賛成したはずだった。

でも急に手のひら返し・・・法案を廃案にさせた。


第二のガックシは・・・一人2万円のバラマキ

党内野党だった頃の石破さんは自民党の得意とする「給付金バラマキ」を批判していたはずだ。
前年比3%を越える物価高、その中で特に食料品は大幅な上昇となった。
一番の問題は食品、コメの高騰、そして、物価に比例して増税となる消費税だ。
スジから言えば、取り過ぎた消費税を国民に返還するとしたら、消費税、特に食品消費税の引き下げだったはずだ。

しかし、石破さんは2万円の給付金バラマキが一番良いと発言。
誰も理解できない、あの論理的な石破氏はどこかに飛んで行ってしまった。


第三のガックシは・・・トランプ関税

交渉は赤沢さんだが、5回も訪米会談「合意に向けた交渉が進展していることを確認した」と言いながら、実は何も進展していなかった。
G7でトランプ氏と会談しても何も進展せず、トランプは「タフだ」と発言した。
そして、一段と圧力を強めることになる。
自動車関税の上乗せ、防衛費の上積み、コメなどのの産物市場の開放・・・

赤沢さんはウソばかりだった、石破さんもトランプに翻弄されているだけだった。
日本はトランプに譲歩し続けるだけみたいだ。


この石破さんの「三大ガックシ」がある限り、石破さんでは参議院選挙には勝てないだろう。
小泉農水相が「コメを3000円台にする」というのは勇ましいが、今年の新米で3000円を実現できるのか問われる。
これが4つ目の「ガックシ」になるようならば自民党政治の終わりが見えてくる。




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トランプはタコなのか? 本気なのか?

天邪鬼














TACO「トランプはいつでも最後はチキン!」という言葉が流行している。
確かに今までのトランプの言動を追う時、最初が勇ましく「高めの直球」を投げ、ディールと称して落としどころを探ることが多い。
そういう意味では、TACOは正しいのかもしれない。
でも重要なことは、トランプが最後に目指すものによって今後は違いが出てくること。

「トランプは減税のための原資として関税の引き上げている」説。

ある評論家は言う、「トランプ関税で得た税金を元に減税をする」つまりトランプの最終目標は「減税」のための原資にある。
だから、いろいろ紆余曲折があっても、最後は米国経済にプラスになり株価が上昇する要因だ。
しかし、関税の現金収支を重要視する人は少ない。
減税が強化されその財源がトランプ関税で賄えるとしたら、トランプは関税で譲歩しないはずだ。
実際にはディールと称して譲歩している。

「トランプの最終目標は貿易収支の均衡」説。

ある評論家は言う、「トランプの最終目標は、貿易赤字の削減」つまり対米で貿易黒字を持つ国は関税を払い、対米輸出を抑制する。
これも貿易収支の改善につながり本来ドル高になるはずだが、現実にドル安が進んでいる。
関税を掛けたからって貿易収支が均衡する?誰も信じちゃいない。

「トランプは対中国軍事力の優位を確保するために関税を使っている」説。

最終目標が「安全保障」だとしたら、タダでは済まない。
トランプは「習近平とのディール」としているが、レアアースの禁輸を解き、関税率がその分55%まで譲歩(?)した。
でもトランプの最終目標が「安全保障」ならば、武器を長期的に国内生産できる「鉄鋼など」、戦闘機・輸送機・ミサイルの生産に必要な「アルミなど基礎素材」、軍艦や空母の生産に直接関係する「造船技術}を重視したのがよく理解できる。

USスティールの完全子会社化にしても、米政府が黄金株を持ち経営の拒否権を持つ、日本製鉄はさらに1兆6000億円の対米投資をしなければならない。
トランプの思惑、米国内での鉄鋼生産を引き上げる、中国との長期的な軍拡競争を勝ち抜く計算があるのだろう。


ホントの事はトランプの頭の中にある。
トランプは相当に「天邪鬼」だと思う、なかなか本音が分からない。
最終的に重要な事は対中国で圧倒的な「軍事力」を米国内で確保することではないかと思う。
太平洋戦争で米国が旧日本軍を圧倒したのは、「軍事力」もっと言えば「軍事的な再生能力」だ。

だとしたら、トランプが習近平に対して使う「甘言」は一つのテクニックにも見える。
中国とは徹底的に軍事力で対抗するつもりじゃないか、そのために着々と準備しているように見える。



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超長期債利回りの急上昇、その意味(3)10年債への影響

日本国債利回り202505
















30年債利回りが突出して上昇したが、10年債利回りもソコソコ上昇した。
10年債市場は最も取引の多い国債市場で、グローバルに各国の長期債市場の動きと連動する。

10年債利回りが1.5%まで利回り上昇したが、これは米国10年債利回りの4.5%への上昇に連動したものだろう。
それにしても日本国債市場では、2年利回りと10年利回りの差、長短金利差が過去の最大水準に使いところまで拡大している。
ここが大きなポイントになってくる。


下のグラフは日本2年国債利回りと10年利回りの金利差だ。

2年ー10年国債利回り格差
日本国債2年―10年202505
















2年国債となると日銀の金利操作に大きな影響を受ける、長期債が景気などの経済指標に影響されるのとは違う。

現在2年国債金利は0.75%で、日銀の政策金利0.5%+0.25%でほぼ横ばい。
もちろん次の利上げで政策金利が0.75%になれば2年金利も1%程度まで上昇する。
これに対して10年国債金利はすでに1.5%を越え、2年債金利との差は0.75%以上に広がっている。

2年金利-10年金利差が過去大きく広がった時期は23年10月0.8%、24年7月0.75%、およそ0.8%前後の金利差がピーク水準になる。
0.8%が最大値を想定すると、2年金利0.75%+金利差0.8%で10年金利は1.55%で、現在上限に近づいている。

10年債市場はすでに日銀の利上げ(1回)を織り込んできた。
日銀が0.25%利上げをすれば、2年債金利が0.75%⇒1%程度に上がってくると予想されるが、その時10年債金利は金利差が通常の0.5~0.6%に戻る。
となれば10年債の1.5%の水準は、次の日銀利上げを織り込んで上昇した結果ともいえる。


しかしながら、日銀の利上げがさらに続き政策金利が1%を越える(2回の利上げ)とすれば、10年債金利も2%に向かう。
2%の10年金利は住宅ローン金利を大きく上昇させ、国民生活を圧迫してしまう。
経済がそれほど強くない日本では大きな10年債利回りの上昇はリスクが高い。

問題は債券市場の需給で、30年債利回りが超長期の財政赤字を反映して3%台に乗せたのも需給要因が大きい。
もし景況感や10年債の動きに関係なく、10年から40年の超長期債市場の需給が弱めに推移するとしたら株式市場にはネガティブな要因となるが・・・考えすぎかもしれない。



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超長期債利回りの急上昇、その意味(2)世界を見ると・・・

米国債利回り比較
米国債利回り
















上のグラフは米国債2年、10年、30年利回りを比べたものだ。
今年に入ってからFRBの利下げ政策で2年債が4%前後で推移したのに対し、10年債はジリジリ上昇し4.6%まで、30年債もジリジリ上昇し5%を上回ってきた。

ここ1か月の超長期債券利回りの上昇を見ると、米国30年+21bp、英国30年+15bp、ドイツ30年+30bp、と各主要国30年債は同じようなペースで上昇している。
これに対して日本国債30年だけ+43bpと上昇ペースが圧倒的に高い。


米国でも長期債の需要が低迷し、20年債入札では需要不足で長期金利全般が上昇した。
日本でも20年債入札の不調から長期金利が急上昇したが超長期債の売りが世界的なレベルで起こっているように見える。

なぜ、この局面で世界的に超長期債の売却が起こっているのだろうか?
下の一覧表は主要国の国債2年・10年・30年金利と、2-10年金利差、2-30年金利差を比較したものだ。


2年金利  10年金利 30年金利 2-10年差 2-30年差
イタリア 2.09 3.63 4.49 1.54 2.4
メキシコ 8.36 9.79 10.33 1.43 1.97
フランス 2.02 3.3 4.06 1.28 2.04
スペイン 2.04 3.26 4.14 1.22 2.1
オーストラリア 3.44 4.52 5.21 1.08 1.77
オランダ 1.93 2.85 3.23 0.92 1.3
日本 0.72 1.53 2.97 0.81 2.25
ドイツ 1.86 2.64 3.14 0.78 1.28
イギリス 4.07 4.75 5.51 0.68 1.44
カナダ 2.7 3.38 3.69 0.68 0.99
アメリカ 4 4.59 5.08 0.59 1.08
韓国 2.35 2.79 2.65 0.44 0.3
中国 1.46 1.68 1.89 0.22 0.43
利回り%、2-10年金利差%、2-30年金利差%

2-10年金利差でランキングしたが、政策金利水準に準じている2年債と、景気や財政などの条件が反映される10年債の金利差は各国の政府予算事情や景気判断によって決まっているように見える。
でも、2-30年金利差はなんか違う気がする。

2-30年金利差が大きい国は、イタリア2.4%、日本2.25%、スペイン2.1%、フランス2.04%・・・
この国名を見るとどうしても政府純債務(対GDP)の高い国ランキングを思い出す。
日本134%、イタリア125%、フランス105%、スペイン95%・・・と、100%程度の政府純債務がGDPを越えている国だ。

政府の借金の大きさが2-30年金利差に影響しているのかもしれない。
日本では長期累積的な財政赤字があるが、ゼロ金利であったのも奏功し大きな問題にはならなかた。
しかし、金利がある時代に入った日本は、財政赤字の増加と政府債務の大きさ、発行量の増えた長期債市場の需給懸念から逃れられない。

この意味では日本の超長期債利回りは長期的に高止まりする可能性も否定できない。
超長期債の買い手である生命保険会社や年金基金などは、超長期の債券価格の下落が気になるだろう。



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超長期国債の利回り急上昇、その意味(1)

日本国債年限別利回り
日本国債利回り202505















超長期国債の利回りが急上昇している、市場でも大きな話題だ。
上のグラフは2年、5年、10年、30年の国債利回りの推移だが、青線の30年債利回りが突出して上昇しているのが分かる。
当ブログでは超長期国債の利回り上昇については何回か取り上げてきたが、想定を大きく上回ってついに3%に乗ってしまった。

これをどう考えたらいいのだろう?
いくつかの「長期債が売られる理由」を検討してみたい。

第一に考えられるのが「需給」
30年、40年という長い期間になると、終身保険、火災保険、地震保険などの超長期の負債(30年後の支払いが起こる)も持つ投資家にはピッタリの金融商品になる。
これらの超長期投資家からの長期債需要は毎年一定量はある。

20年国債の入札で需要が弱いと言われたことで超長期債市場の需給懸念が生じたが、生命保険や年金基金などの長期投資家が慎重になっている。
何か理由があるのか、または、債券価格の下落で弱気になっているのか、もう少し検討が必要だろう。


第二に考えられるのが「財政赤字の拡大」
政府のバラマキ政策で財政赤字が拡大し、それが長期債の発行量を増やし需給が弱くなる、というわけだが、日本の場合「失われた30年」、ずっとこの状態が続いていた。

植田日銀の金利正常化で「金利のある日本」になると、国債発行を簡単に増やせない、増やせば増やすほど需給が悪化し国債消化が不安定になるからだ。
金利上昇時に財政赤字を放置すれば金利支払いで一段と財政赤字が増えてしまうからだ。
ゼロ金利時の日本と違い、やっと財政赤字を管理する意味が出てきたといえる。


第三に考えられるのが「長期の人口減少」
30年後となると2050年代で、筆者はとても生きられない時代になる。
その時の日本の人口は今の1億2000万人から8000万人ぐらいに激減しているはずだ。
この一人当たりの財政負担が大きくなり、今発行された30年債が2055年にちゃんと償還されるのか、多少とも不安を感じるところもあるかもしれない。


しかしながら、日本の利回り金融商品で3%以上で運用できるものは、高配当株式、Jリートなど限られ、低リスクで3%の利回りのある超長期債は魅力的なのも事実だ。
状況が落ち着けば、年金基金や機関投資家の安定した需要が出てくるだろう。

ただ、日経CNBCの岡崎さんが指摘しているが、現在の超長期債利回りの急上昇は米国でもカナダでもメキシコでもオーストラリアでもイギリスでも起こっていることだ。
これが何を意味しているのか、もう少し考えてみたい。




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プーチン言い回しのデジャヴ感

プーチンー安倍








ウクライナとロシアの停戦交渉が進まず、トランプが乗り出したらしい。
米国はとにかくシーズファイア=戦いの終結だけを目指している、全体的な和平条約を目指しているわけではない。
それだけ領土問題は複雑だからだ。

最近のプーチン発言を見ると、筆者には2018年の「安倍ープーチンの平和条約交渉」のデジャヴを感じてしまう。
プーチンの言葉使いが全く同じだからだ。

安倍—プーチンの平和条約締結交渉は外務省のHPに記載されている通り・・・
  • プーチン大統領の訪日(2016年12月)
    プーチン大統領が訪日した際の山口における首脳会談では、両首脳二人だけで、長時間にわたり、 平和条約問題について率直かつ非常に突っ込んだ議論が行われた結果、この問題を解決するとの両首脳自身の真摯な決意が示された。
    その上で、北方四島において特別な制度の下で共同経済活動を行うための協議の開始に合意するとともに、 元島民の方々による墓参等のための手続きを改善することで一致した。
  • シンガポールでの首脳会談(2018年11月)
    安倍総理とプーチン大統領は、2016年12月の首脳会談以降、新しいアプローチの下での協力の積み重ねにより培われた信頼の上に、 「1956年宣言を基礎として平和条約交渉を加速させる」ことで合意した。
  • プーチン大統領の訪日(2019年6月)
    安倍総理とプーチン大統領は、G20大阪サミットの機会に実施した首脳会談において、 2018年11月のシンガポールでの首脳会談以降に、交渉責任者と交渉担当者の間で頻繁に行われた交渉の経過や今後の展望を含め、率直に議論した。
  • 日露首脳電話会談(2020年9月)
    菅総理とプーチン大統領は、2018年11月のシンガポールでの首脳会談で安倍総理とプーチン大統領が「1956年宣言を基礎として平和条約交渉を加速させる」ことで合意したことを改めて確認した。
  • 日露首脳電話会談(2021年10月)
    岸田総理とプーチン大統領は、2018年のシンガポールでの合意を含め、これまでの両国間の諸合意を踏まえて、しっかりと平和条約交渉に取り組んでいくことを確認した。
「北方領土・四島返還」は日本人の夢だったが、長年の日ソ交渉は全く進まずにソ連が崩壊、空中分解してしまったように見えた。
その交渉が突然スタートしたかのように見えたのが、2016年の安倍・プーチン会談だ。
北方四島の経済開発を共同で行うなどの進展が見られた。

でもビックリしたのが、2018年の両者会談でプーチンは「前提条件なしに交渉しよう、我々の間で決定しよう」と呼びかけた。
この言葉に日本中が沸いた、四島返還は無理でも1956年の日ソ共同宣言に戻り「二島返還」では合意できるのではないか、と多くの日本人は思ったからだ。

でも「全くのウソ」だった。

第一に「我々の間で解決しよう」
この発言は安倍氏を持ち上げて、自分たちが政権の座にある間に解決、つまり、二人の個人的な関係で北方四島の経済開発をやろうと言ったに過ぎなかった。

そして現在のプーチンの「我々の間でやろう」という発想は、欧州首脳もゼレンスキー大統領も不要で、トランプの二人の間で停戦を決めようと言うのと同じだ。

第二に「前提条件なしで話し合おう」
この「前提条件なし」はプーチンの得意の言い回しのような気がする。
プーチンの「前提条件なし」は「ロシアの条件を丸呑みしろ」と言うのと同じ意味だ。

ウクライナ問題でもプーチンは「前提条件なし」にトランプに呼び掛けた。
これは「領土問題では一切妥協はしない」「領土を交渉材料にしない」という意味だ。


これでウクライナの南部4州、さらにクリミア半島はロシアのものだと宣言したつもりだろう。
ウクライナ国民にはこれらの領土をあきらめて停戦するか、戦争を継続するかという選択肢しかない。
これじゃ、交渉にもならない。

トランプは戦いをやめされることが最優先、プーチンは領土の拡張が最優先、ウクライナは何を優先させるのだろうか?
ゼレンスキー大統領には厳しい判断となる。



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ベッセント氏が「為替目標圏」を否定するのは当然

ユーロシンボル










米財務長官のベッセント氏の「通貨目標や通貨制度の枠組み」に言及がなかったとして加藤氏や赤沢氏は安どしたようで、日本株市場も安心した。
だがこれは現代の国際金融・通貨制度では常識で、これをもって安心できる話では全くない。
為替目標レンジの設定も、当局の市場介入も為替を安定化させることはできない。


金ドル本位制が限界に達した1971年、金ドル交換停止で固定通貨制度は終わり、1971年のスミソニアン協定で為替レート変更もしたものの失敗、1973年にフリーフロート(変動相場制)に移行せざるをえなかった。
その後も為替レートは不安定化で、欧州ではスネークと呼ばれた変動レンジを維持する欧州通貨システム(EMS)を採用したが、これも失敗した。
1992年、EMSのスネーク(変動レンジ)をジョージソロスが攻撃、強烈なポンド売りを仕掛け、英中央銀行を降参に追い込んだ
この時、ポンド・ドル相場は結局25%もの強烈なポンド安を記録した。

通貨制度の歴史を見れば、為替レートの固定化、変動レンジに抑え込む制度が失敗したのは明らかだ。
これは国際金融のトリレンマと呼ばれたが、「資本の自由」と「為替の安定」と「金融政策の独立」は同時に成立しないという冷徹な原則だ。

そのため主要国の多くは「為替の安定」をあきらめ、「資本の自由」と「金融政策の独立」を目標に政策運営をしてきた。
いくつかの例外の国もあった。
香港は米ドルと香港ドルを固定した代わりに金融政策の自由を失い米国の金利政策を合わせた。
その結果、米国が引き締めに転換すると香港も引き締めせざるを得ないというヘンテコ状況になった。
中国は、資本の移動を規制することで通貨を管理し金融政策の独自性を維持した。


というわけで、国際金融に詳しいベッセント氏が為替の目標誘導やターゲットレンジを言い出すはずがない。
しかし、これをもって日米交渉では通貨は議論されないと考えると大間違いだ。

今回のトランプは貿易収支の均衡を目指しているわけで、相互関税で国境を高くしてモノの動きを制限すると同時に、為替レートをドル安にして主要国の輸出採算を悪化させることは十分にありえる話だ。
おそらく、金融政策で米国の利下げによって資本の米国集中を逆転させ、さらに関税によって貿易収支を変化させる。
資本と貿易という国際収支を改善させることで、長期的にドル安/円高傾向を作り出そうとしている。
2回目の赤沢ーベッセント会談はどうなるか?

ベッセント氏は決して無理やり強引に円高を作り出そうとしないだろう。
でもこっちの方が日本の新NISA投資家には逆に厳しい。
国際収支の構造を長期に変化させることで円高トレンドを作り出す、となると、長期的に円高が続く可能性が出てくる。
その場合、長期に渡ってドル建てのオルカンのパフォーマンスが低下するかもしれない。



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投機筋が逃げる金相場

金価格とドルインデックス
金とドルインデックス202504
















トランプ氏が大統領就任した1月から、金価格が急激に上昇してきている。
「トランプ関税で米経済が混乱するから金へ資金が流入する」、「米中対立の地政学リスクで金が安全資産として注目されている」、「トランプ懸念で米国から資金が逃げ金に流入している」・・・いろんな見方や噂が出てきている。

金価格の基本を確認しておくと、金価格の上昇は次の三つの要因がある。
①インフレ局面で金価格は上昇する(インフレヘッジ)
②ドル安局面で金価格が上昇する(ドル高ヘッジ)
③金利低下局面で金価格が上昇する(金融緩和効果)

今回の金上昇の背景を確認すると・・・
①が当てはまるがどうかは微妙。
確かにトランプ関税によって物価上昇は懸念されてるが、実際の物価指標には表れていない。
③は当てはまらないだろう。
金利はピークアウトしたものの、今後の利下げがあるかどうかも不透明だからだ。

というわけで、今回の金上昇の原動力は②ドル安だったといえる(上のグラフ参照)。
ドルインデックスは1/9に109でピークを付け、4/22まで約10%下落している。
その一方、金価格はというと、1/9の2690ドル~ピークは4/21の3425ドルで、ナント、短期間に27%も上昇した。

ドル安が原動力だったのは事実だが、10%のドル安に対して金は27%の上昇、金価格の上昇がスゴ過ぎる。
この金価格上昇は投機的な感じが否めない。


投機筋の動きを見るために、COMEXの金先物ポジションを見てみよう。
下のグラフは金先物の投機筋のネットポジション(買い建て―売り建て)だ。

金先物投機筋ポジション
金先物投機ネット202504
















トランプ就任後ネットポジションは2/4までは増加し、ドル安による金高に投機筋も賭けていた。
しかしその後は、2/4の30.0万枚から4/22の17.5万枚まで42%のポジションが減少した。
買い建てが10万枚近く減少し、売り建てが3万枚増加、ネットポジションが13万枚も急減につながった。

重要なのはヘッジファンドや商品ファンドが、なぜ、持ち高を急速に売却したか?

2月~4月のトランプ相場で金価格を買い煽ったのは、ヘッジファンドなどの投機筋ではなかった。
トランプを警戒した世界中の個人投機家の金買いだったのではないだろうか?
これは仮説に過ぎないが、金相場はかなりの過熱感があり投機的な行き過ぎ局面だと判断したヘッジファンドや商品ファンドが建玉を急縮小させ空売りを急増させたと考えられる。

ファンド筋が正しいのか、個人投機家が正しいのか、いずれ結論が出るだろうが、相場の佳境場面では個人投資家が乱舞するのは経験則だ。
相場の過熱や行き過ぎには注意が必要かもしれない。


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Mr. too Late、5月利下げはどうする?

トランプ










トランプはムチャクチャな事を言う時もあるが、ごくたまにまともな事を言っている時もある。
それは米国経済にとっては利下げが必要かどうか・・・だ。
FRBはトランプ関税など様子見姿勢を続けているが、一方ECBは6回連続に金利を引き下げている。
現状の環境でさえ、FRBのスタンスは圧倒的に保守的だ。
トランプはパウエル氏を解任はしなかったが、「ミスターツーレート」と呼び不満を表明している。


トランプ劇場では、経済指標についても確かに判断が二分化している。

①PMIなどセンチメント指標と、ハードデータの二分化

ISM製造業指数などのセンチメントを映す指標と、小売売上高や雇用統計などのように現実の経済活動を示すハードデータに乖離が生じている。
ISM製造業が3月は49.0と50割れ2月の50.3から低下、ISM非製造業も53.5から50.8へと低下した。
その一方で、小売売上高は前年比+4.6%と2月3.54%から加速し、非農業雇用者数も209kと2月116kから伸びが拡大した。

このトランプ就任式以降のハードデータは、トランプ関税前の駆け込みが含まれているために高めに出ているが、この駆け込みが終わるとデータが悪化する懸念もある。


②IMFによる米成長率の下方修正と、FRBのインフレ加速予想の二分化

IMFだけでなく国際機関は世界成長率を下方修正してくる。
IMFは今年の世界成長率が3.3%から2.8%に下方修正し、米国も0.9%の下方修正した。
一方、FRBはトランプ関税から「不確実性が高い」として様子見姿勢を強めている。

調査機関のGDP下方修正とFRBの様子見姿勢も二分化しているような気がする。
景気が悪化すると言う予想ならば、ECBのように連続利下げするべきなのではないだろうか?


と考えると、トランプがパウエル氏に利下げを迫っているが、一定の理があるといえる。
5月のFOMCではトランプ関税による悪影響を和らげる意味でもFRBは利下げをするかもしれない。
昨日のNY市場では、短い年限12か月国債から5年国債まで10~20bp金利が下がり、この年限の国債利回りはすべて4%を割れた。
金融市場はFRBの利下げを期待する動きになってきている。
これが株の反発局面に効いてくるかもしれない。



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米国トリプル安は危険な香り?

天邪鬼














一般的には一国のトリプル安、通貨安、株安、債券安(金利上昇)がそろうと、その国から資金が逃げ出している証拠とされる。
今週は米国でその「トリプル安」が起こった。
米国株が売られ、米長期債だけでなくハイイールド債も売られ、さらにドルが人民元を除く主要通貨に対して売られた。

これをもって単純に米国から資金が逃げている、米国資産は売りだという意見も見られる。
あるいは、このトリプル安の危険性を見ているベッセント財務長官がトランプに進言して相互関税の実施を90日延期したとか言う観測をする評論家もいた。


でも、天邪鬼の投資家は自分で確かめないと納得しない。

①まずは為替・・・

ドルインデックスと投機ポジション
ドルインデックスと投機ポジション202504
















ここ数日は確かにドル安になっている。
だけど、ドルインデックス(ドルの主要通貨バスケット指数)はまだまだ過去のトレード・レンジ内にあるし、投機筋の先物売り仕掛けも特に見られていない。
ドル安といってもそれほど強いモメンタムは感じられない。

しかし、ドル円は違う。
日本当局はトランプ関税を回避するために「円安修正」を条件に出すかもしれないからだ。
過去2年の大幅な円安が非関税障壁だと考えれば、関税の代わりに「円安修正=円切り上げ」をするのは十分にありえる。
自動車関税も相互関税もなしにする、代わりに関税率と同じ20%程度の大幅な円高介入をする、考えられるシナリオだ。
交渉次第とはいえ、大幅な円切り上げで合意する可能性もゼロではない。


②次に米国株・・・

S&P500
S&P500と投機ポジション202504
















米国のM7の株価下落は楽観過ぎた投資家の逆流、米国一強体制の終わりといえるのかもしれない。
しかし、米国株全体は簡単に終わらないだろう。

投機筋は確かに先物ネットショートに転換したが、それが20%下落した理由という規模ではない。
米国経済の終わりを見て投機筋が巨大な売り仕掛けをしたというわけではない。
投資家はまだ様子を見ているところで、米景気のリセッションが起こるかどうかをジッと見ている。


③長期債の下落(長期金利の上昇)

米10年債利回りと投機筋先物ポジション
米10年債投機筋ポジション202504
















株価下落の途中から長期金利は反転、現在4.5%付近に上昇した。
ここはトランプ政権も容認できないところだろう。

しかし、投機筋の先物ポジションも先週再びショートが急拡大、投機筋の勢いが増している。
その根幹にあるのが懸念される中国の米債売りで、これをネタに売り仕掛けしている可能性がある。
米長期金利が当面の最大の焦点になる。


④米ハイイールド債の売り

ハイイールド債利回り
米ハイイールド債利回り202504
















格付けの低い企業が発行するハイイールド債は、景気が悪化すると信用リスクが高まり(借金返済が滞る)下落する、この点で景気変動を映す株価と連動する。
このところの株価下落でハイイールド債の下落(利回りは上昇)したが、期間的に短くトレンドが続くかは判断できない。
しかし、米10年国債が大幅に下落し利回りが5%に達するようならば、米国株は下落の第三幕に入り、ハイイールド債に一段と売られる、注意が必要だ。



中国が本気で外貨準備の長期債を売れば米金融市場は大きな混乱に陥るが、中国もただでは済まない。
不動産不況を克服できず、国内の過剰債務も処理できず、国内需要が弱く輸出ドライブを掛けるしか策はないだろう。
トランプ関税で輸出ドライブを抑え込まれたら、中国経済も相当ヤバい。
それを考えると、米中貿易摩擦だからといって中国は米長期債を無制限に売ることもできないし、人民元安を誘導するのも中国からの資金逃避を加速させるリスクがある。

一番リスクがあるのが米国債の売り崩しだが、限界があるのではないかと思う。
確率が高いのは「円切り上げ」で、投資家は注意する必要がありそうだ。
結局のところ、トランプ関税政策の出口はまだ不透明、米国株価はパニック売りの初期局面は終わったものの安心はできない。




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中国不動産不況は終わったのか?

中国不動産価格指数
中国不動産指数202503
















今年は年初から中国企業が活躍してきた。
世界にショックを与えたディープシークの低コスト生成AI、テスラを一気に抜き去ったBYD、ジャックマーと習近平の再会、昔なつかしいアリババやテンセントの急反発・・・多くの中国発ニュース株式市場を賑わせた。

中国政府はいろいろ政策を発動して景気刺激を図っているが、根本にある日本の90年代のような「不動産デフレ」は終わったのだろうか?
データで確認してみたい。

まずは、中国の不動産価格指数。
残念ながら昨年9月までのデータだが、2021年の112ポイントでピークアウトして、24/9に93ポイントまで17%下落している。
まだまだ底値に達したとはいえない。



中国不動産価格指数、前年比
中国不動産指数前年比202503
















この不動産価格指数を前年比で見ても、下落率が現在-9%と、前年比の下落率も未だに加速化している状況だ。
これを見ると何も変わっていない。
データは昨年9月までとちょっと古いので、最新データが公表されるのを待ちたいが、大きな変化は期待できない。



中国政策金利
中国政策金利202503
















次に中国の政策金利だが、これも徐々に引き下げられている状況が変わってない。
政策金利を引き下げて過剰債務を持つ不動産企業を支援しているつもりなのだろうが、不良不動産の最終処理が終わらない限り、「不動産デフレ」は変わらないのだろう。



中国クレジットインパルスと製造業PMI
中国クレジットインパルス202503
















さらに、中国クレジットインパルス指標。
これは貸し出しの増加(=クレジット・信用供与)とGDPの伸びを比較した指標で、中国銀行が融資を積極化させているか慎重になっているかを示している。
新型コロナ後、一瞬融資が伸びてクレジットが増加したが、それも一時的に終わり、その後2022年から25年まで継続的にクレジットの伸びがGDPに比べて低い状態が続いている。

これは「不動産の最終処理」が終わっていないので、金利を引き下げ景気刺激をしようとしてもクレジットが伸びない、新規投資が増えないという「不動産デフレ」が続いていると判断できる。

必要なことは「不動産の最終処理」で、不良不動産を損切りして売却損失を計上する、損失で棄損した自己資本を政府が代わりに注入してバランスシートを維持する、そして新たなビジネスプランを策定し企業再生に進むことだ。
企業破綻を回避するために処理を小出しにすると、いつまで経っても解決しないのは日本の経験だ。



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Gゼロ世界の株式投資(7) ウクライナ後の地政学

華夷思想













トランプ―プーチン電話会談はインフラ施設への攻撃停止だけで、本質的な領土や平和維持については何も決まらなかった。
それでも欧州各国はウクライナ戦争後をにらんで動き出している。
欧州特にドイツは財政規律を越えて防衛費の増額に動き、新たなウクライナ支援を議論し、英・仏・独で平和維持軍のウクライナ派遣が検討されている。

その後の世界では何が起るのだろうか?

トランプがディスってきた国をもう一回眺めてみよう。

①カナダ: 「アメリカの51番目の州」と発言し25%という高関税で脅かす。
②グリーンランド: 米国の所有にすべきと固執。
③中国: 追加関税10%を二回実施、パナマ運河管理会社を香港企業から取り返した。
④メキシコ: トランプ1.0で「壁」を作ったが、今回は25%の関税、メキシコ湾をアメリカ湾にする。
⑤EU:関税と安保・NATOで揺さぶりを掛ける。

欧州の安全保障は欧州各国が行い、米国は拠出を引き下げる、対ロシアの最前線はウクライナからそれを含めたNATOになってくる。
トランプは欧州の安全保障は欧州自身にやらせよう、その分米国の負担を大幅に減らす。

さらにトランプは北米大陸全体、カナダ(グリーンランド含む)とメキシコ(中米、パナマ運河まで)を一気通貫で牛耳ろうとしているように見える。
これで欧州から北米大陸に関してはトランプの思い通りに進んでいる、となるウクライナ後はアジア地域特に対中国にフォーカスしていく気なのだろうと思う。


日本は対中国の前線になる。

日本は中国と米国の中間にあるので、日本を対中国のフロントラインにするのが自然だ。
中国の主張する第一列島線の内側に中国を封じ込めるためには日本列島、沖縄諸島、八重山諸島、そこから続く台湾までのラインが重要になる。
トランプ政権は盛んに日本はGDPの3%を防衛費に当てろと主張しているが、これは一時的な話ではない、「本気で日本にやらせようとしている」と考えた方がいい。

ただし、台湾をどうするのかは明確じゃないかもしれない。

台湾には台湾セミコン(TSMC)と鴻海(フォックスコン)という重要な戦略企業があり、簡単に中国化を認めることはないだろう。
しかし、面と向かって「台湾防衛」を口にすることもできないという矛盾した状態が続く可能性が高いと思う。
したがって第一のオプションは「現状維持」、でも中国が台湾に侵攻したらどうするのかだろうか?
そうなればやらざるをえない。

中東地域の中核がイスラエルーサウジアラビア・ラインになる。

イスラエルはパレスティナを完全に破壊し、ハマスーヒズボラーフーシ派ーイランの枢軸を木っ端みじんに破壊しようとしている。
数年前、中国の仲介でサウジはイランと和解したが、再び米国の対イラン包囲に参加しているように見える。
やっぱりスンニ派とシーア派の歴史対立は根深かったのかもしれない。
人権・環境・多様性のバイデン政権はダメでも、DEIやWOKEを排除するトランプ政権とは組めるというのがサウジMBS氏の本音だろう。


欧州から北米はトランプの威圧感で抑え、中東地域(対イラン)はイスラエルとサウジを前線にし、アジア地域(対中国)は日本を中心に対立軸を作る。
これがトランプ政権の考え方のように感じる。

大きなリスクは「トランプの高年齢」と「政権内の分裂」だと思う。
トランプ1.0でのボルトン氏やペンス副大統領との不和が伝えられたが、トランプ2.0でも過度にトランプを持ち上げるバンス、テスラ暴落からのイーロンマスク、彼らのリスクが政権分裂につながるかもしれない。

まさに不確実なトランプ2.0時代という感じを持っている。



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Gゼロ世界の株式投資(6)一寸の虫にも五分の魂

ウクライナ









「虫」という言葉を使うのは一国の大統領に対して失礼極まりないが、ゼレンスキー・トランプ会談を見てこの言葉を感じた。
進行するGゼロ世界の主役の一人が米国トランプ大統領であることは間違いない。
多国間の交渉を無視し、各国首脳との1対1のタイマン勝負をする。

ゼレンスキー・トランプ会談は決裂し、トランプは「出直してこい!」と言った。
ゼレンスキー氏は、多くの有力リーダーは「スリスリ」して媚びへつらうトランプに対して、自分の主張を展開した。
言うべき事は言うというゼレンスキー氏に「一寸の虫にも五分の魂」を感じた。


このロシアのウクライナ軍事侵攻を「ロシアの戦争犯罪」と位置付けるか「スラブ民族内のケンカ」と見るかに両者の大きな相違がある。

「ロシアの戦争犯罪」ならば、ロシアが絶対的悪で取引できるような相手ではないということになる。
一方、「スラブ民族国家内のケンカ」ならばケンカ両成敗を原則としてお互いに譲歩すること(=取引)で停戦できるかもしれない。
しかし、ゼレンスキー氏にとっては「ロシアの戦争犯罪」であり犯罪者を利するような停戦はできないとうことだろう。
一方、トランプ氏はディールメーカーでありゼレンスキー氏に譲歩を求める、妥協がなければ交渉はできないからだ。

ゼレンシスキー氏を「選挙のない独裁者」と呼び圧力を強めるトランプ氏は、交渉のテーブルにウクライナとロシアを引きずり出すことを最優先にしたのだろう。
ゼレンスキー氏には「脅し」をプーチン氏には「甘い誘い」をした。
すべてトランプ氏の計算だったように思える。

この会談の決裂は欧州に大きく影響するのではないかと思う。
欧州首脳は「ロシアの戦争犯罪」と主張するだろうし、その点ではゼレンスキー氏と同じ考え方だ。
ロシアの戦争犯罪を止めない限り次はポーランドかもしれないし、フィンランドかもしれない、またバルト三国かもしれない。
ロシアの脅威に直面する欧州はウクライナを放り出すことはできない。


でもトランプ政権が望むように「欧州の安全保障は欧州でやる」という決意が示されるとしたら、米国はNATO、北大西洋地域の安全保障から一歩引くだろう。
欧州から平和維持軍を派遣したり、戦争終結後のNATO加盟を認める発言が出てくると・・・ちょっとヤバいことになるかもしれない。
いずれにしても欧州首脳、EU首脳、あるいはNATO首脳がウクライナと米国の間をどう仲裁するかが安全保障のカギだろう。

And trust me, I say this with all humor—if American democracy can survive 10 years of Greta Thunberg’s scolding, you guys can survive a few months of Elon Musk. 

バンス副大統領のミュンヘン会議での演説・・・米国民主主義がグレタ・トゥンベリのお叱りに10年も耐えたなら、お前らもイーロンマスクに数か月は生き残れるだろう。
環境やら移民やらの硬直した欧州の民主主義を暗に非難し、ロシア・中国からではなく、自分ちの内部から壊れると主張した。
これがトランプのホンネなのだろう。

何か重大なことが起これば、必ず欧州株価が反応する。
現在、トランプの停戦が進む可能性を見て欧州株は上昇しているが、もし、「欧州の安全保障は欧州で」ということになれば欧州株価が下落するだろう。
当面、欧州株、ドイツDAX、フランスCAC40、イギリスFT100の動きからは目が離せない。



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Gゼロ世界の株式投資(6)マール・ア・ラーゴの合意

Gzero














ブルームバーグが伝えるところでは、ウォール街では「マール・ア・ラーゴの合意」に備えるべきだという見方があるそうだ。
トランプ政権の内部で合意した戦略を「マール・ア・ラーゴの合意」と呼んでいるらしい。

ブルームバーグは伝える・・・

大統領経済諮問委員会(CEA)委員長スティーブン・ミラン氏は、「持続的なドル過大評価」に起因する経済的不均衡の解消と、国際貿易システム改革に向けロードマップを提示した。
さらにミラン氏と財務長官ベッセント氏はドルの価値を下げ、金利の価値を下げ、国の負債負担を減らそうとしている。
米国の債務負担の再編するのに、関税を用いて国際貿易を刷新し、ドル安を誘導し最終的に借り入れコストを引き下げるというがトランプ政権チームのアジェンダだ。


簡単に言うと、マールアラーゴの合意は「関税を重視して国際貿易の構造を根本的に変える、ドルを継続的に下落させて米国の競争力を引き上げ、金利を引き下げて債務負担を軽減する」というアメリカ重視の長期ビジョンなのだろう。

トランプは今までの常識をぶっ壊し、Gゼロ世界で別の秩序を作り出そうとしている、少なくともその意図は見える。

その意図は・・・
①関税を大きく引き上げ、友好国には米国内に生産を移せという政策は米国を中心としたサプライチェーンの構築であり、中国などの非友好国を完全に排除する。
②ドル価値を下落させることで米国の国際競争力が拡大すると同時に、ドル経済圏を拡大させて中国人民元の流通圏の広がりを制限するという意図もあるかもしれない。


でもそう簡単にマールアラーゴの合意を実行できるかは不明な点も多い。

①トランプ1.0でやったようにトランプがパウエルFRBを恫喝して利下げすることはできるかもしれない。
でも関税でインフレ率が上がっているところで利下げも不自然に見える。

②トランプの「関税をかけるぞ」という脅しで米国への投資を増加させることは可能かもしれない。
しかし投資の増加はドル買い要因で、投資が増えるほどドル安誘導が難しくなる。

③米政府債務を軽減させるならば、イーロンマスクの無駄削減を徹底的に行うことかもしれない。
人員削減で雇用環境が悪化すれば、景気回復させる減税が大幅になり政府債務が増えてしまう。

というわけで「マールアラーゴの合意」がどう実現するのか、けっこう難しいところもありそうな気がする。
ただし従来の世界の枠組みが大きく変化していくことだけは間違いなさそうだ。




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Gゼロ世界の株式投資(5)自由貿易は死んだ?

自由貿易











トランプが進めるGゼロ世界、世界を引っ張るリーダーが不在で、強国がエゴ丸出しで自国の利益を追求する世界。
世界を支えてきた自由・平等・人権などの理念が「ウソ」とされ、強国同士のディールですべてが決まる世界だ。

トランプは自由貿易を否定し、保護主義的な関税を好き勝手にバンバン掛けている。
しかし、自由貿易自体は相当怪しい理念だ。

昔々、高校3年の授業「経済学の基礎」で「リカードの比較生産費説」を習った頃を思い出す。
肥沃な国土を持ち農業に強い(農業国)=A、技術が発達し工業に強い(工業国)=Bを想定する。
A国は農業でBは工業で比較優位を持つので、A国は一段と得意な農業生産を伸ばし、B国はより良い工業品を生産する。
そして、A国は農産品をB国に輸出し、B国は工業品をA国に輸出する。
そうすればお互いにメリットが大きく、貿易で両国民は豊になれるという理屈だが・・・

・・・ってなんか違和感!と思った事を思い出した。

A国は利益率の低い農業を押し付けられ、B国は利益率の高い工業に特化するって、これじゃ、B国はどんどん豊かになり、A国はどんどん貧乏になるだけだ。
自由貿易の理論は強者が弱者を搾取するという、強国優位の考え方だと思ったからだ
もしA国がB国の工業品に関税を掛けたら、A国内の会社も競争できるかもしれないし、政府が受け取る関税を技術開発に回せば、B国に対抗できるかもしれない。
技術開発し低いA国の生産性を引き上げることができるかもしれないからだ。

多くのコメンテーターは「自由貿易こそ正しい」と念仏のように唱える人たちで、関税を掛けても物価を上昇させるだけだという。
確かに関税は輸入業者が払い国内物価に転化する、関税分だけ国内物価が上がることになる。
しかしその関税は国家の収入であり、それを国民に還元することができる。
つまり、国民にとっては輸入品の物価高を負担することになるが、政府がその関税収入を国民に正しく還元すれば影響はチャラにできる。

自由貿易をドンドン推進していくことで地球レベルの貧富の差が一段と拡大したのかもしれない。
という意味で自由貿易は絶対ではないし、トランプは違う世界を目指しているのかもしれない。

ただ、話はそう単純ではない。
アップルのようなグローバルサプライチェーンを持つ企業はサプライヤー間で関税が発生し複雑な影響を受ける、サプライチェーンをどう変更するのかが大きな課題になるだろう。
一方、自由貿易が基盤の日本はどうする?
地域内の自由貿易協定であるTPP(環太平洋協定)を再び掲げて域内の自由貿易をリードすべきだろうと思う。



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Gゼロ世界の株式投資(4)トランプの見る地政学

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トランプは多くの異論がありながらもGゼロ世界を進めてしまう。
パナマ運河の米返還、グリーンランドの買収、ガザ地区の米所有などなどだが、これらは唐突に見えるし実現が難しいが、その裏にトランプ米国の戦略が見えている。
これらのトランプが支配したい地域は米戦略の要衝として見ている場所だ。

①パナマ運河、それがある中米は中国が触手を伸ばしている地域。
2023年ロイターのニュースだが「中国は中南米で影響力を拡大。中央アメリカ議会の加盟国(グアテマラ、ニカラグア、エルサルバドル、ホンジュラス、パナマ、ドミニカ共和国)の中でグアテマラ以外ここ数年で台湾との外交関係を断ち切った」

メキシコ湾に接する地域であり、トランプはメキシコ湾をアメリカ湾にして米国のコミットメント(支配権)を強化したいという思惑だ。
さらにパナマ運河の返還でこの地域の物流を支配すると同時に、中国をこの地域から追い出すことにつながる。
となれば、中国は中東の不安定さをモロに被るスエズ運河しか欧州にアクセスできなくなる。


②グリーンランドは北極圏でロシアに対峙する要衝だ。
ロシアへのルートは、北海からバルト海を通ってロシア領に入るルート、地中海から黒海を通ってロシア領に入るルート、そして北海からグリーンランド海、北極海を通ってロシア領に入るルートの三つある。

そのうちバルト海はスウェーデンやノルウェーのNATO加盟で「NATOの海」になりつつあるし、黒海も戦争終結後にウクライナがNATOに参加すれば自由に使えなくなる。
となると、ロシアと大西洋を結ぶルート、「グリーンランドがより重要な要衝」になる。


③ガサ地区の米所有は、イスラエルの安全保障に直結する。
米大使館をテルアビブからエルサレムへ移転しアラブ世界の反発を食らったが、トランプにとってイスラエル(米国内のユダヤ人)は特別な存在なのだろう。
ガサ地区を米企業が再開発し「中東の安全なリゾート」にして多くの欧米人観光客を呼び込む。
イスラエルはすでにこの地域では圧倒的な軍事力を持ち、米政権がガサ地区を所有すれば万全の安保体制になるという思惑だろう。

その背後にはアラブ社会の弱体化が始まっている、あるいは弱体化させていくという認識があるかもしれない。
シェール原油を増産して原油価格に下落圧力をかければ、イランやロシアを含めてOPEC産油国全体が弱体化していく。
多極化するGゼロ世界は、アラブ世界の存在感が低下し、アジアで強い存在感を持つ中国、超軍事国家のロシア、MAGA(メイク・アメリカ・グレイト・アゲイン)の米国が核となると見ているようだ。

その流れの中で、アラブをつぶすには原油価格の下落が必要だし、戦争特需でなんとかなっているロシア経済を戦争終結で完全に終わらせる。
中国に対してはまずは一体一路をつぶすということかもしれない。

トランプがバカな事を言っている、事実そうだが甘く見ていると間違う。
現実を見た場合、Gゼロ世界をリードするトランプの言う事をじっくりと聞くべきだろう。
Gゼロ世界の多極化がどう進んでいくのかを示唆しているのかもしれないからだ。



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為替、日米金利差に再び注目

米長短金利差(2年ー10年)
米10年2年金利差202502















トランプがFRBに対して「原油価格を下げれば利下げ」と言い出した。
昨年11月大統領選からトランプラリー、金利上昇、ドル高、NY株高を演じてきた。
しかし、トランプ発言は主として市場心理に影響したが、その実のリアルな影響はこれからの話だ。

上のグラフは米国の長短金利差(2年―10年)だが、2022年夏から丸2年間長短金利がマイナス=逆イールド状態から変化を見せている。
この逆イールドは景気悪化を警戒した市場心だが、昨年秋以降、トランプ勝利も影響したかもしれないが、景気のソフトランディング期待が強まり順イールドへと債券市場は正常化した。
そこにトランプが正常化したイールドカーブを無視して利下げを要求した。


でも、トランプはパウエル氏に圧力をかけて利下げをさせられるか?

米CPIは低下が止まったとはいえ、コアでも総合でも3%前後の物価上昇が続いている。
米名目成長率も4~5%で安定し、10年債利回りの4~5%は理にかなっている。
順イールドで長短金利差が拡大したにしても、あくまで長期金利は景気や物価との見合いで動く。

円のネット投機ポジション
円のネット投機ポジション202502
















2022~2023年の強烈な円安トレンドは、海外投機筋の先物円売り、日米金利差の拡大でキャリートレードが急増した局面だった。
上のグラフは円のIMM投機ポジションだが、昨年7-9月期に大量の円ショートを積み上げこれが超円安の原動力になった。
しかし、現在はドル円先物の海外投機筋ポジションがほぼフラット(中立)、つまり、円売りもキャリートレードもフラット化している。
投機的な動きではない・・・といえる。

日米2年金利差
日米2年金利差202502
















同時に日米2年金利差も3%台半ばで安定的に推移している。
これではヘッジファンドも円キャリートレードに力が入らない。
ということで、現在の円安は米長期金利の上昇に合わせてドル買いがリードして起こっている。
米債券や米IT企業への資金の流れが拡大したことによる。


為替相場のポイントは再び日米金利差になりそう。

米国の金利水準が決めるのではなく、金利差に整合的な為替レートに収れんするのではないかと思う。
日米2年金利差を4%弱とすると、それに見合う為替水準は140円/ドル程度になる。
おそらく現在中立ポジションの投機筋が円高を仕掛ける時、大きな転換点になる。



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Gゼロ世界の株式投資(3)日本株は?

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トランプ就任後次々と大統領令にサインし、世界各国も賛否両論、様々な反応を見せるだろう。
明らかなのはGゼロ世界がより実現しそうになることだ。

トランプ政権はすでに「パリ協定ヵらの離脱」「WHOからの脱退」さらに「環境グリーンニューディール」の終了、多様性や公平性を重視する「DEIプログラムの廃止」などなど、多国間の約束事をことごとく破壊しようとしている。
次にはNATOからの脱退、国連からの脱退、さらに過激に多国間の約束を破るかもしれない。

これは米国民の民主的な選択だ。
欧州などの主要国でも自国第一の極端な政党が伸び、トランプ的な政治家が台頭していく。
これもまた、世界の民主主義の方向だ。
となれば、イアンブレマー氏の主張するGセロ世界の実現を進める。

日本の歴代政権は常に多国間での協議を重視し、国連、WTO、G7・G20などの国際機関を中心に外交を進めてきた。
日本にとっては外交の軸足を多国間から二国間に移すことが求められてくると思う。
その場合、日本は世界の大国である米国、中国、ロシア、インドなどと二国間交渉を中心に外交をすることになる。

日本にとっては一番重要なのは中国だ。
バイデン政権では日米安保を軸として日本と米国の同盟で、中国を抑え込もうとしてきた。
しかし、Gゼロ世界では日本の立場が決定的に変わる。
もう米国との同盟関係だけで対中国政策を進めるのは難しい、トランプが独自に習近平と交渉するからだ。
そうなると、彼らは日本の国益を重視することを期待できない。
日本は自分で(単独に)こうした大国と交渉し、自国の利益を守っていく必要がある。


日本の政治家も流暢な英語を操り、世界のどんな国、どんな指導者に対しても自国の利益や意見を堂々と主張できるレベルの人材が必要になる。
しかし、これは政治家のレベルの話で、民間では多くの経営者や経済人がグローバルに利益を追求し成功してきた。
こうした企業にとっては政治は政治で、自分は自分なのだからだ。

そう考えると、今後の日本の株式投資は二つの方向が考えられる。

一つはグローバルに自己主張できる企業に投資すること。
国家はダメでも企業は優秀、国家が衰退しても企業は繁栄する、という可能性もある。
グローバルに生き残れるレベルの企業は成長を継続できる・・・これらが投資に有力な候補だろう。
たとえば、ソニー、任天堂、ファストリのようなグローバルで独自の戦略を持つ企業。

もう一つは完全に国内市場で完結するビジネスモデルを持つ企業に投資すること。
完全にドメスティックなJR鉄道会社、電力会社、独占的な不動産大手や物流大手などなど。
消費関連企業でも候補があるが、競争が厳しいのはより選択眼が必要だろう。




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Gゼロ世界の株式投資(2)国際機関の機能不全

IMF







イアンブレマー氏の主張するGゼロ世界の大きなリスクが、国連などの国際機関が機能しなくなるという懸念だ。
第二次世界大戦の反省からIMFや世界銀行などの国際機関が設立され、国家を超えた金融や債務問題や利害対立を調整してきた。
国連にしても、国際紛争を調整する安全保障理事会、国家間の問題を調整する国際司法を始め、人権問題を担当したり、環境問題を担当する機関もある。
国家という枠を超えた問題に対して活動している。

イアンブレマー氏の主張は、主要国が自国第一主義になると二国間での利害調整にしか興味がなくなり、多国間のマルチラテラルなアプローチが効かなくなることだ。
トランプ政権が典型例だが、多国間の交渉よりも二国間交渉を重視し、国際機関を無視するようになる。
二国間の交渉になれば、規模が大きく発言力が大きい国が自国の主張を通し有利に交渉を進める。

この事が株式市場にどう影響するかは簡単ではない。
すでに国連安保理ではロシアや中国の拒否権によりウクライナ戦争などの紛争解決もできない。
GAZA地区の人権問題でも米国の拒否で決議できない状態になる。
国際司法裁判所でも領土問題に対して意見は言うが、当事者からは完全に無視されている。
人権問題についても国連に耳を傾ける国家はない。

この状況では国家間の紛争や課題は当事者が解決するしかない。
その手段が二国間、バイラテラルな交渉であり、トランプ流の交渉術になる。
株式投資を考える上でも紛争が起こり経済が破壊されるリスクをよく考えた方がいい。

岩盤に見えるNATOでもトランプが拒否すれば、内部で拠出金を巡って対立が起こったり、一部の国が脱退するような事態もないとはいえない。
貿易についても自由貿易協定が次々と反故にされ、二国間交渉の場に持ち込まれる。
二国間交渉では立場の強さで大国がリードするだろう。

Gゼロの世界では強い国が求心力を高め、弱い国は追随するしかない。
強い国は米国、中国、ロシア、インドなど強権的な政権を持ち、独自の外交路線を持つ国家になるだろう。
世界は「闇」の中に入る・・・恐ろしい空想ではあるけど・・・



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Gゼロ世界の株式投資(1)Gゼロの投資環境

Gzero












この人、イアンブレマー氏が提唱した「Gゼロ」は、今後の世界をうまく言い当てていると思う。
投信製造機と自らを称した日興アセットがこの人の考え方を使って様々な投信を作り国内投資家に販売した。
むかし、日興アセットの主催でイアンブレマー、ユーラシアグループの講演を聞いたことがある。
たいへん興味深いプレゼンだったのを覚えている。

このブレマー氏、10年も前から「G-ZERO」という造語を使ってグローバルな危機を説いてきた。
主張の中心は2016年のトランプ1.0の時期ぐらいから世界はリーダーシップを失い、それぞれの国・地域が自分中心になる、これが世界全体を不安定にするというものだと理解している。

確かにトランプ2.0が米国で始まり、フランスでも極右や極左の政党が支持を拡大し、ドイツでも安定した連立政権が困難になってきた。
民主主義国の代表みたいな国・地域で自国中心主義が拡大している。
しかしこれも民主主義の一面であって、国民が自国中心の政策を期待していることの反映でしかない。

主要国が内向きになって国内経済の活性化に動くのは、株式投資にとっては各国の内需型企業への投資先ウェートを変えればいいだけだ。
グローバル経済は相互依存で成り立っているが、国内経済は国民と政府で成り立っている。
おそらく株式投資では国内で完結するビジネスモデルを持つ企業群が中心になるだろう。

でもグローバル経済に依存する企業が不振になれば、将来的には大きな悪影響が出てくるかもしれない。
その中心が半導体産業、半導体は典型的なグローバル商品だからだ。
前工程から後工程の半導体製造装置では日本や米国が強く、半導体設計開発では米国が圧倒的に強い。
ファウンドリー(組立て)では台湾や中国が強い。

このグローバル商品にはGゼロの国際環境が極めて大きく影響してしまう。
注目の先端半導体では中国への出荷が規制され、半導体製造装置も規制に対象になる。
となると、中国は先端半導体から汎用半導体に軸足を動かすだろう。
自動車向け、家電向け、スマホ向けなどの汎用半導体では今後数年で中国が圧倒的なシェアを取る可能性が指摘されている。

微細加工を要する先端半導体では台湾のTSMCが最大のシェアを持っているが、中国への規制強化で一段と台湾のシェアが上昇すると見込まれている。
しかし、Gゼロ世界では中国が台湾に侵攻しても、主要国が内向きで関与に消極的だろう。
その場合、台湾は簡単に中国の傘下に入り、TSMCは中国企業になる。
先端半導体でも台湾を飲み込んだ中国が圧倒的なシェアを持つかもしれない、だがこのシナリオは米国は許さない。

Gゼロの世界ではグローバル経済は無秩序となり、何が起ってもおかしくない。
長期的な株式投資を考える時、Gゼロ世界から発想すべきなのだろう。
難しいけど・・・




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投機筋ポジション、原油ロングが増加、銅先物ロングが減少

原油先物、投機筋ネットポジション
原油先物投機ポジション202501















原油価格が地味~~に上昇している。
現在、WTI先物で75ドル/バレル台でウロウロしているが、若干水準を切り上げ80ドル台になった(上のグラフを参照)。

トランプ氏は「ドリル、ベイビー、ドリル」、シェールオイルやガスの徹底した増産、それによってエネルギー価格を下げると言ったが、どうも思惑通りには行かない。
原油価格がじり高し、しかもこの上昇を支えたのは投機筋の先物買いだった。

トランプ2.0のインフレ期待が強い中で原油を多少増産しても価格が下がらないとヘッジファンドが見ているのだろう。


しかし、世界景気に敏感な銅先物となると、話が違っている。
銅価格は昨年春から弱含みで動いているが、そのダラダラとした下落局面で投機筋のロングポジションが大幅に整理された(以下のグラフを参照)。

銅先物 投機筋ネットポジション
銅先物投機筋ネットポジション202501
















銅の市場規模は年2200~2300万トンといったところだが、そのうち1000万トンは中国の需要と言われている。
中国は300万トンの純輸入国で、主にインフラ投資に使われている。
この銅先物への投機筋の弱気は、中国需要の弱さを予想しているのだろう。
でも、銅先物の投機筋の読み筋のように中国経済が減速するのか、あるいは、習近平の大型財政支出で銅需要が拡大するのかは簡単には言えない。

直感では・・トランプ2.0でも原油価格は上昇する方が可能性として高そうだし、習近平2.0では銅価格が上昇する方が可能性が高そうな気がする。
インフレにつながる商品価格なのでよくウォッチしていきたい。



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トランプ前の駆け込み消費、輸入、在庫は?

米貿易輸出入額
米貿易収支202411
















米大統領選挙でトランプが勝利し、ある意味、世界が変化した。
おそらく多くの企業が心配しているのは「突然、10~20%、さらに最大60%まで関税」を掛けられることだろう。
だとしたら、高関税が予想される中国、メキシコ、カナダなどは関税が上がる前に米国へ輸出しておきたいとの心理が働く。

こうしたトランプ前の駆け込みが米貿易収支や在庫統計などに現れてくると思われる。
では、実際のところ、どうなっているのだろうか?

米貿易収支は11月分までしか発表されていないが、11月分の貿易赤字は若干増加した。
11月分の貿易赤字とその前3か月平均と比べてみた。

     11月      3か月平均
貿易赤字 -782億ドル  -762億ドル
輸入額  3516億ドル  3447億ドル
輸出額  2734億ドル  2684億ドル

米貿易赤字額はその前の3か月平均に比べ20億ドルほど増加したが、駆け込み輸入というほどの数字にはなっていない。
輸入額そのものも、3か月平均に比べて70億ドルほど増えたが、やはり駆け込みというほどではない。

普通に考えれば、トランプ政権の強烈な主張で相当な駆け込み需要が発生してもおかしくない。
関税が上がる前に米企業は輸入したいし、移民が厳しくなる前に雇用を確保しておきたい、これはどの企業でも同じだろう。
メキシコで自動車を生産している企業、中国で耐久財を生産している企業、カナダから輸入している企業にとっては駆け込みで税関を通過させ米在庫を積み上げるのは当然の企業行動だ。

これらの統計数字には表れていないだけで、12月分の数字には輸入や貿易収支、企業在庫、小売り利上げ高などは重要だろう。
消費者にとっても関税分が価格転嫁されつ前に買いたいと思うのは当然だが、こうした企業行動が12月~1月初の経済統計を歪めてしまい実態が見えにくくなる可能性も考えておきたい。



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NASDAQ・EPSのジャンプ、NYダウは飛べず!

S&P500 1年先予想EPS
SP500予想EPS202412















このグラフはS&P500の1年先予想EPSだ。
1年先予想が12月以降急激に上方修正され、EPSのジャンプが起こっている。
トランプ氏が選挙で勝ち、その後、急激に予想が上方修正?って、なんかすごい事が起こっているような感じだ。


この上方修正をどう考えるか?

①NVDA決算が発表され、その「NVDA決算を見てアナリストが強気になった」説

これはあり得るが、NVDAはNYダウ30種にも採用されたので、これでアナリストが強気になったとしたらNYダウの1年先予想も上方修正されそうなものだが・・・
下のグラフはNYダウ30種の1年先予想だが、こっちは全く変化がない。

なぜ?

米主要ITハイテク株のうち、アップルやマイクロソフト(最近NVDAは採用された)は両指数の入っているが、メタやアマゾン・テスラはNYダウには入っていない。
ということはNYダウ非採用銘柄(メタ、アマゾン、テスラなど)の予想が切り上がったからだろうか???


「トランプ政策をアナリストが織り込んだ」説

就任から大統領令をバンバン出して一気にトランプペースにするという観測もある。
トランプ氏の進める関税引き上げ、規制緩和などでプラスとなりそうな内需型ITサービス企業は予想が楽観的になった一方、特にメキシコやカナダからの輸入に原材料・部品を頼る製造業は下方修正になったのが理由かもしれない。
これを織り込んでNYダウとS&P500のEPS格差が広がったのかもしれない。


いずれにしてもこの1年先予想、どうなるかはまだ未知数なのだろう。
それでも予想EPSのジャンプはS&P500へ投資している人たちには朗報だろう。
でも、その結果、米長期金利が上昇し、株式バリュエーションが異常に高くなっている。
バリュエーションが高い現在、EPSの伸びが指数のパフォーマンスを決める。
今後もこの指数の違い、EPSの伸び率が見ていきたい。


NYダウ工業株30種 1年先予想EPS
NYダウ予想EPS202412



















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2024年大晦日、相場雑感

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AI技術が急速な進歩を遂げている、これが2024年の最大の出来事だった。

人間は小さい頃から学校に行き、毎日毎日勉強する。
学校では過去の知識の蓄積を理解して、事実をきちんと整理して人間としての正しい判断ができるように指導される。
モーゼの十戒ではないが、社会生活で大切なルールを学ぶのだが、AIにはこうした「学び」があるのかどうか心配になる。

人間としての正しい考え方や行動、それ自体、時代とともに変わってくる。
その変化を人間は受け止めてその時代にマッチした考え方や行動を取る。
でも、AIはルールをきちんと学び、正しい判断や行動ができるのだろうか?
AIは「良心」を学習できるのか、「善と悪」「本物と偽物」を区別できるようになるのだろうか?

写真の中の女性、彼女たちをマル裸にしてネット上にさらす、誰でもヌード写真を作れる。
虚偽の物語を作り、いかにも本物のニュースのように見せかけるなんて超簡単。
本物そっくり人物が堂々とフェイク発言をしたら、一般人には見分けがつかない。
ネット上のウソを基に学習すればAIは悪意に満ちたウソをつくようになるかもしれない。
新興宗教がAIと結びついて信者集めをしたら・・・中国やロシアその他の強権政治がAIと結びついて世論をコントロールしたら・・・
いくらでも恐ろしい未来が想像できる。


来年は「中国製造2025」計画の最終年になる。
これは2015年に習近平が定めた10年計画で、半導体の国内自給率を70%、先端ロボットの世界シェア70%などの具体的なシェア目標を設定された。

ブルームバーグ・・・「中国製造2025」イニシアチブの大部分が成功し、中国は高速鉄道グラフェン無人航空機ソーラーパネル電気自動車リチウム電池を含む13の主要技術のうち5つで主導的な地位を獲得し、他の7つの急速な進歩を遂げている

この2025年目標からさらに24年後2049年に中国は世界制覇するという壮大な目標がある。
中国共産党独裁の建国100周年にあたるわけだが、ここまでにアメリカを抜く世界最大の経済大国を実現し、あらゆる先端分野を中国が支配する。

来年2025年はその長期計画の区切りの年だ。
おそらく習近平政権は自身の名誉をかけて一段の拡張政策を取ってくるだろう。
中国の最弱セクター不動産は見て見ぬふりとしながら、自動車、家電、AI、半導体、社会インフラなどを一気に成長させ、製造業全般で圧倒的な支配力を付けようとするだろう。

すでに数十兆円規模の特例国債の発行は決まっているが、それだけにとどまらず一段と負債を増やして「中国三千年の夢」を実現しようとする。
その膨大な負債が今後に中国経済にどういう影響を与えるのか?
日本のバブル崩壊のように20年以上負債に苦しむことになるのか、それとも、中国が世界制覇して負債以上の莫大な利益を世界中から搾り取るのか?
歴史の分岐点になるのかもしれない。



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円安/日本株高は危険な香り

米長短金利差10年ー3か月
米長短金利差10年―3か月202412
















12月中旬、多くの評論家が「今年は掉尾の一振はないだろう」と発言していたが、相場は皮肉なモノでクリスマス後に強烈な掉尾の一振で日経平均は4万円を回復した。
相場は多くの期待と反対に動く、よくあるケースだ。
「円安が進んだからだ」と今度は為替のせいにした評論家諸氏、しかも「円安が続けば株価はもっと上昇する」と一転強気コメントが増えた。


しかし、よく考えると「今回の円安は危険な香り」がする。

それは円安が米長期金利の上昇によって引き起こされているからだ。
上のチャートは米国10年金利と3か月金利の差、長短金利差だが、2022年11月以来のプラス圏に入ってきている。
これはFRBがここ3回のFOMCで合計1%の利下げを実施した反面、米景気が堅調なので長期金利に上昇圧力がかかっているからだ。

この長短金利差が一段を拡大すると、米10年金利が5%に上昇する可能性もある。
その場合、米株式市場は下落する可能性が高い。
5%の長期金利では多くの米企業の資金コストが上昇し、企業業績にマイナスになる。
特に米経済の弱いセクターでは人員削減やリストラに入っている企業も散見される現在、長期金利高はこうした弱い部分を直撃する。
米株式は2000年初頭並みの割高圏にあるだけに株価は不安定化する可能性も考えておきたい。。


為替は金利差ではなく、米長期金利の方向で動いている。

米10年金利はFRBの利下げにもかかわらず1か月で0.36%上昇し、直近では4.63%となった一方、米2年金利はこの1か月で0.1%上昇しか上昇していない。
米2年債は政策金利の低下と長期金利の上昇が相殺され、わずかな上昇にとどまったというわけだ。

ヘッジファンドの資金調達は通常2年以下の短い期間なので、彼らにとって日米金利差は十分に拡大しているわけではない。
下のチャートは日米2年金利差と為替レートだが、最近の円安傾向と日米2年金利差のスプレッド(乖離)が拡大している。
ヘッジファンドのキャリートレードが復活するのは4~5%の金利差が条件だろうが、現在は3%台に留まっている。
十分なキャリー収益を得られない状況なのに円安がどんどん進む。
これは為替が金利差ではなく、米長期金利の動きに対応しているからだ。

「危険な香り」は、米長期金利が上昇すると米株式が一段と不安定になる、その一方で円安が進行し日本株が上昇する、行き過ぎれば米株式が急落し日本株も同様に急落、為替は円高に戻る・・・というシナリオが十分にありえるからだ。

日米2年金利差と為替相場
日米金利差2年202412


















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デマゴーグ民主主義(3)一般意志2.0

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民主主義は選挙を通じて「民意」を政治に反映させる仕組みだが、どうも「民意」が公共の利益につながっているのか微妙な感じがする。

国民一人一人が見ているものは個人の趣味や嗜好、個人的な利益だ。
人間は自分の個人的利益を最大化するように動く、社会学ではそれを「特殊意志」と呼んだ。
その「特殊意志」を国民全体で集めたものが「全体意思」だが、これは個人的な意志を寄せ集めであり、社会的な利益を最大化するわけではない。
そこで社会的利益を最大化するものとして「一般意志」が想定された。
選挙で買った候補や政党がこの「一般意志」に従えば、社会全体の幸福感が最大になるというわけだ。

インターネットの時代に入り、誰でも自分の考えをSNSで発信できる。
ネット言論を通じて国民全体の利益を考えることになれば「一般意志2.0」ができる。
そうなれば、それこそ「最大多数の最大幸福」という古典的な理論が現代によみがえるが、そうはいかないのが現実だ。

インタネットやSNSは「一般意志」どころか「デマゴーグ民主主義」を生み出してしまうからだ。
一部のネット影響力の高い人たちが「特殊意志」それもかなり極端な「特殊意志」を拡散し、特殊な利益を追求する。

それが表面化したのが兵庫県知事選、斎藤前知事のパワハラは大手メディアが作った「捏造」だと有権者を信じ込ませた。
その大手メディアを「オールドメディア」と呼び、ネット言論がそのウソを暴いて斎藤前知事を支援するという構図だった。
斎藤氏のパワハラ、公益通報、公選法疑義は、「オールドメディア対ネット言論」の対立に書き換えられ、これらが事実かどうか二の次になってしまった。

NHKナントカ党の立花氏は自殺した県職員は不倫問題が原因で自殺しただけでパワハラとは関係ないと主張して、自殺した職員のプライバシーをネットに晒した。
一部の報道では統一教会も大手メディアのインチキ説を主張して斎藤氏に接近したという。
オールドメディアが捏造したという前提に立てば、ネット言論は正義の主張となるが、相当に怪しい。

関西エリアでは神戸県庁のパワハラ問題をからオールドメディアの捏造説にすり替えが進んだ。
問題なのがこうしたネット言論の責任を誰も取らないことだ。
発信者が不特定なネット言論では誰が発言したか、その発言が正しかったか、などは全く問われない。
ネット上の「幽霊」のような人物がネット言論を牛耳り、無責任な結論を拡散する。

ルソーなどの社会学者の期待したような「一般意志2.0」が作られるような状況には全くない。
日本はこのままネット言論の暴走を抑えられず、事実や科学的な知見に基づいた主張が通らない国になっていくのだろうか?
それとも、良心的なネット・エンジニアが情報の真贋を判断するシステムを作るのだろうか?
日本人の良心が問われているような気がする。



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デマゴーグ民主主義(2)民意って何なの?

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デマとはもともとは「デマゴーグ」と言われ、大衆を扇動する情報操作を指してきた。
より多くの民衆が高等教育を受けられる現代で、こんなデマが選挙結果に大きな影響くを与えるとは想像もできなかった。
民主主義は情報が公平に与えられ、その情報の分析と判断を個人で行い、それを投票結果に結びつけることで機能している。
情報を公平に受け取れず、個人が十分な判断をできずに投票するとしたら、その投票結果は十分に民意を反映したものとはいえないかもしれない。
それでも兵庫県知事選に再当選した斎藤氏は「民意」という言葉を使って自己防衛した。

デマゴーグは普通のウソではなく、大衆を扇動しようという意図のあるウソだ。
他愛もない話ではなく、意図をもって扇動して投票行動を変えようとする政治行動だ。
一番気になるのはNHK党の立花氏で、当選する目的でないのに立候補???
斎藤氏を応援するとは言うが、百条委員会のメンバーを誹謗中傷したり「出てこい」と恫喝したりとやりたい放題だった。
ネットのアクセスでは斎藤氏よりも立花氏の方が多く、ネットでのデマ拡散はこっちの方が罪深い。

デマは一段と拡散しやすい状況にあるのは間違いない。
SNSなどのインターネット上の情報はその真贋を確かめるのが簡単ではない。
台湾のオードリー・タン氏は政治家の講演中に同時通訳のようにその真贋を確かめ、視聴者が誤報やデマに踊らされない仕組みを作った。
こうしたデマやニセ情報を一般視聴者に伝える仕組みが民主主義のクオリティを守ることに通じるのだろうと思う。

斎藤氏は当選後「民意」を強調し、選挙で勝てば「パワハラも公益通報問題もなかった」も県民に理解されたというわけだ。
デマやニセ情報でも「勝てば官軍」ということだが、それでもデマはデマ、ニセはニセだ。
選挙での発言や主張をきちんと検証していくことも必要ではないだろうか?
台湾のオードリー・タン氏のような人は日本でも必要だ。
日本のオードリー・タンを期待したい。




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トランプトレードのアンワインドは起こるか?

米実質金利とNYダウ
米実質金利とNYダウ202411















米国ではインフレが落ち着く方向で推移しFRBは利下げをしてきたが、トランプ政権でインフレ再燃のリスクを見て長期金利が上昇している。
その結果、実質金利(長期金利ーインフレ)が上昇し、2%ラインを越えてきた。
上のグラフは米実質金利とNYダウを比較したチャート。
実質金利の過去のピークは、23年の2.4%、24年5月の2.2%に次ぐ水準にある。

実質金利の上昇は物価上昇よりも金利が高いことを示し、設備投資や不動産投資を抑制する。
問題の多い商業不動産融資、信用力の低い企業への融資・ハイイールド債、信用の低い住宅ローンなどは厳しい状態になる。

トランプトレードから長期債が売られ(長期金利は上昇)債券先物の空売りが急速に増え、その一方、株式ではテスラ始め銀行株が大幅に上昇してきた。
1月のトランプ大統領の就任によって「噂で買い、事実で売る」になる。
これを想定すると、いつ、どのようにトランプトレードがアンワインド(巻き戻し)されるか、そのタイミングと規模が注目される。

実質金利の上昇が続けば続くほど、あとのアンワインドの規模が大きくなり、債券の急上昇(長期金利の低下)と株式(特にテスラや銀行株)の下落が大きくなるだろう。


日本株にはどう影響するのだろうか?

日本株ではトランプトレードは起こっていない。
それでもドル円の動きを通じて日本株に影響する可能性がある。
為替レートは名目値に影響されるのが基本で、実質金利以上に名目金利が大きな決定要因だ。
キャリートレードも名目金利差を利用したトレードだし、FXトレードでもスワップポイント(名目の金利差)が収益になる。

それでも長期的には実質金利は為替レートの決定要因に一つになる。
それは物価の差が通貨の価値に大きく影響するからだ。
物価上昇の大きい(インフレ的な)国の通貨は価値が低下し、物価上昇の小さい(デフレ的な)国の通貨は価値が上昇する。

日米実質金利差とドル円相場
日米」実質金利差とドル円202411















日米の実質金利差、これを長期的な通貨変動要因として見ると、今年前半から実質金利差が縮小トレンドに入っている。
トランプトレードがアンワインドされるとしたら、実質金利の低下を通じて円高方向に動くはずだ。
そこに日本株の下落リスクがありそうな気がする。



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デマゴーグ民主主義(1)選挙は広報の総合格闘技

総合格闘技














兵庫の斎藤知事が選挙の広報にコンサルティング会社を使っていることが表面化した。
このコンサル会社は、ポスターの撮影をしただけでなく、SNSでのコメント発信、選挙演説中のリアルタイムで動画配信、選挙のイメージ作りを行ったと表明した。
これで公職選挙法に抵触するかどうかが報じられている。

筆者には公選法違反かどうかは判断できないが、いくつか気になる点があった。

一つは「選挙は広報の総合格闘技」という言葉で語られた事。
なぜ総合格闘技と言ったのか、いくらでも他の表現があるのに・・・バトル、戦い、競争・・・
総合格闘技というワードに意味があるとしたら、「何でもありのバトル」ということを言いたかったのだろう。

何でもありならば、SNSでデマをバラまいてもいいし、嘘で固めたイメージを拡散させてもいいことになる。
まさにデマゴーグ民主主義に徹したというコンサル会社だ。
おそらくコンサル会社(または社長自身)が、自分たちの実績として兵庫県知事選の成功を世間に自慢したかった。

しかし選挙を例えていうなら、「総合格闘技」ではなく、「厳格で公平なルールの下に行われるオリンピック競技」だろう。
コンサル会社の選挙に対する認識が相当ズレているとしか思えない。


もう一つは「#、さいとう元知事がんばれ」という応援ハッシュタグ。
さいとう元彦の「元」と、元県知事の「元」をかけたとコメントしている。
でも斎藤氏は元知事ではなく、前知事だ。
否応でも、この前知事という言葉からは「パワハラ事件」や「公益通報の問題」が思い出されてしまう。
だからだろうが、不適当でもイメージを上げて選挙で勝てばいいというコンサル会社の姿勢が垣間見えてくる。

このコンサル会社はNHKの政見放送を見たことがないのだろうか?
政見放送では「前知事」「元知事」はきちんと分けて使われる。
「前」「元」、つまらないことかもしれないが、経歴詐称になる場合もありえる。


このコンサル会社の基本姿勢が、デマゴーグ民主主義を表しているように思う。
日本では選挙キャンペーンにコンサル会社を使う候補はまだ少ないかもしれない。
でも、欧米ではコンサルが選挙キャンペーンを仕切るのは一般的だ。
候補者の演説の一字一句を書き直し、テレビ映りやスーツ・ネクタイを決め、キャンペーン全体の統一イメージを作る。
ここまではいいとして、ウソで大衆を扇動するのは民主主義をありえない方向へと動かす。
有権者も賢くならないとデマゴーグ民主主義が加速する。




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米債券の空売り拡大、変化点が近い??

米2年国債先物投機筋ポジション
米2年債先物投機筋ポジション202411
















米債の先物売りポジションが急拡大している。
上のグラフは米2年債先物ポジションだが、ネット(差し引き)ポジションが急増している。
10月後半にはトランプ氏の優勢が伝えられ、トランプ政権の関税や減税政策を反映して債券利回りが上昇傾向(価格は下落傾向)に入った。

2年債先物の投機筋ポジションは、10月初の122.5万枚から急増し、11/12には142.3万枚までネットショートが増加した。
2023年のピークに匹敵するところまで空売りが増加、当時は空売りのピークとともに金利もピークを打った。
一段と債券先物の下落(金利の上昇)に賭けるトランプトレードが増えているが、2年金利の天井を暗示しているのかもしれない。

米10年債先物投機筋ポジション
米10年債投機筋ポジション202411
















米10年債先物でも投機筋のネットショートは高水準で大勢は長期金利上昇に賭けている。
しかし10月初~11/12で見ると、10年債先物のネットショートは96万枚から81万枚に減少、2年債ポジションとは違った傾向を見せている。
トランプトレードの熱狂の中で、逆に長期金利の上昇に賭けるポジションが減っている。

これをどう理解すべきなのだろうか?

債券市場のキーファクターは①FRBの利下げ、②トランプトレードの長期金利上昇。
この債券先物ポジションから言える事は、第一に「FRB利下げは続かない」と見ている。
一方、長期債は景況感によって動く。
トランプの関税引き上げと減税は目先長期金利の上昇要因だが、中期的には米国の景気が悪化する、その可能性を見て10年債先物ショートを買い戻したのかもしれない。

債券市場から見える景色と、株式市場の動きにはけっこう違いがある。
米景気に強気の株式市場に対して、債券市場には長期債のショートを買い戻す、やや警戒感を持った投資家がいるともいえる。

トランプトレードで債券売り/株式買いが大きく市場を動かしたが、ちょっと見方に変化が起きるかもしれない。
米景気が意外とそれほど強くないとしたら、2年債空売りした投機筋は買戻しに追い込まれるかもしれない。



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「酒田五法」などの相場テクニックに直結する相場格言をより多く取り上げました。 当ブログでも使った「最後の抱き線は心中もの」、「遊びの放れは大相場」、「放れて十字は捨て子線」など、実戦で使える格言を多く解説しています。 ケイ線に興味のある方、テクニカル分析に興味のある方、是非一読をお勧めします。
株式需給の達人(バリュエーション)
PERやPBRなどバリュエーションを理解し割安/割高の実践的判断の基に理論的な株式投資を解説します。 割安とは将来のリータンを示すのか、単に成長性がないというだけなのか、事例をもとに解説します。 株式投資の基礎として大切なもので、是非一読をおすすめします。
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