
前回、この「アルファとベータの話」を書いたのが2/15だったので、ずいぶんと日が経ってしまった。
前回話したのは・・・基本的なこと・・・
投資のリターン=アルファ(超過収益)+ベータ(インデックスのリターン)
ベータはインデックスのリターンなので、いろいろと分散できる・・・TOPIXだけでなく、NYダウ、あるいは金価格や原油価格などのETFを使うこともできる。
一方、アルファは個別銘柄の超過リターンなので、分散することはできない・・・銘柄数を減らせば高いアルファが狙えるし、銘柄数を増やすとアルファが低下する。
つまり、ベータを分散することでリスクが低下できるし、銘柄数を減らし集中投資にすればより高いアルファを狙える。
今回はまずアルファ戦略の基本から始めよう。
アルファをどう使えば、より効率的な運用ができるだろうか?
アルファは市場に連動しない固有のリターンであり、市場が上がろうが下がろうが関係なく上げられるリターン・・・つまり、絶対収益を上げるのがアルファ戦略だ。
その最も基本的な戦略はペアトレードを呼ばれるものだ。
ペアトレードは、個別銘柄の買い(ロング)と別の銘柄の空売り(ショート)を組み合わせて行う運用のことだ。
株式Aと株式Bのペアトレードを考えると・・・
第一に株式Aと株式Bの株価指数との連動性を考える。
株価指数ウェート(個別銘柄の時価総額/市場の時価総額)を見て、同じようウェートの株式Aと株式Bを選ぶ。
ウェートがあまりに違うと株価指数が上昇/下降する時にウェートの違いで値動きに差ができてしまう・・・アルファというより株価指数の動きでリターンが決まってしまうので、アルファ戦略にならない。
また、ベータ値(指数との連動性)も考える必要がある。
株式Aのベータ値が1、株式Bのベータ値が0.5ならば、株式Bのポジションを2倍にしないと株価指数の影響を中立化できない。
こうして指数ウェートやベータ値を考えることで、きちんとアルファ(超過収益)だけを取り出し、指数の動きに関係のない絶対収益を上げることができる。
ペアトレードのリターンを決めるアルファをどうやって作り出すかを考えてみよう。
一つは統計的な手法だ。
過去の連動性の高いペアを作る・・・たとえば、同じ業種・ビジネス環境にある2銘柄・・・鹿島建設と大成建設、日本製鉄とJFE、ドコモとKDDIなどなど。
この両銘柄の株価の変化を追う・・・過去のレンジに近く株価がズレたら、売られた銘柄を買い、買われた銘柄を売るというポジションを作る。
もう一つはファンダメンタルの違いを利用する手法だ。
過去の連動性の高いペアのPER・PBR・配当利回りなどによって割高/割安を判断して、割安銘柄を買い、割高銘柄を売るというポジションを作る。
この時、成長性(業績の伸び率)を基準にしてもいいし、逆に金融不安の市場などでは内部留保の大きさや自己資本比率を使ってもいい・・・このあたりがアイデア勝負であり、面白いところだ。
ペアトレードで気を付ける事は「股裂き」
割高だと思って買った銘柄がどんどん上がり、割安だと思って買った銘柄がどんどん下がる・・・結果、大きな損失になるというのが「股裂き」だ。
これをどう避けるかが、ペアトレードの最も重要なところだ。
2銘柄が長期的に連動すること、つまり、一時的に株価がバラバラに動いても長期では一定の関係も戻ってくるということがペアトレードを選ぶ重要な視点になる。
「股裂き」を避けてペアトレードをすれば、けっこう儲かるのは間違いない。

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