メガ銀行中心に運用会社の再編の動きが続いている。
2015年に三菱UFJ投信と国際投信という三菱系投信会社が合併し、また2016年にはDIAM、みずほ信託の運用部門、みずほ投信、新光投信のみずほ系運用会社が統合された。
そして、今回の発表では2018年SMBC系の2社、大和住銀と三井住友アセット(SMAM)が合併するという。
もともと金融界のトップたちには、100兆円を超える運用資産規模を持つ世界の運用会社に対して、日本の運用会社の規模が小さすぎるという懸念を持っていた。
世界で生き残るためには運用資産規模が40兆円以上必要だとかいう議論がまかり通っていた。
運用資産規模40兆円を基準とすると、日本では野村アセット、アセマネONE(みずほ系の統合会社)ぐらいしかが世界レベルの運用会社といえない。
まあ、こんなのはワシに言わせれば全く意味のないものじゃがのう。
問題なのは、第一に再編の中心にいるメガ銀行の総合企画部だが、彼らは全く現場を理解していないことだ。
アクティブ運用には長期のGOODなトラックレコード(運用成績の記録)が何より大切で、これが顧客の信頼を得るための必要条件だ。
このトラックレコードは、明確な運用哲学、それを実現する適切な運用プロセス、それを支える安定した人材(運用チーム)によって作られる。
決して規模が大きいからGOODなトラックレコードを作れるわけではない。
なにより大切なのはトラックレコードだという基本をメガの企画部連中は理解していない。
むやみな人の異動はトラックレコードのマイナスでしかない。
第二に、アクティブ運用会社の合併はシナジー効果がないことだ。
昔、アライアンスというグロース運用の名門会社がバリュー運用のサンフォード・バーンスタインを吸収合併した。
これでグロースからバリューまでのオールマイティな運用会社が誕生すると皆思った。
しかし、結果はグロースチームとバリューチームがバラバラで新しい運用コンセプトは作られなかった。
ただ単に一つの会社に二つの会社がぶら下がっただけにすぎなかった。
同じことがJPモルガンでも起こった。
グロース運用で定評のあったロバートフレミングを買収したのが、バリュー運用のJPモルガンだ。
でも、チームの統合は困難でグロースチームとバリューチームが並列する組織のままで、シナジー効果があったとは言えない。
バリュー運用の大和住銀と保険運用育ちのSMAMが合併したところで何も新しく生まれない。
第三に、再編により投信ビジネスの系列化を一段と進めてしまうことが最大のマイナスだ。
「投信ガラパゴス日本」のコーナーで日本の投信も問題点として挙げたのは系列の問題だ。
詳しくは「投信ガラパゴス日本」を見てほしいが、日本の銀行・証券を頂点とする系列金融グループ内で投信ビジネスが展開されているのでどうしても販売会社(銀行・証券)の利益追求が全面的にでてきていしまうことだ。
傘下の運用会社を統合することで、投信関連収益をすべてグループ内に留めることができるということだが・・・
でも、そういうグループ優先の論理が一般投資家の不信感をあおり、投信の発展を台無しにしているのに気がつかない。
全く困ったものだ。
しかし、世界は広い。
海外にはこの運用会社の合併・統合をうまく企業戦略として使い、成功している運用会社もある。
次回はこうした運用会社を取りあげてみたい。
2015年に三菱UFJ投信と国際投信という三菱系投信会社が合併し、また2016年にはDIAM、みずほ信託の運用部門、みずほ投信、新光投信のみずほ系運用会社が統合された。
そして、今回の発表では2018年SMBC系の2社、大和住銀と三井住友アセット(SMAM)が合併するという。
もともと金融界のトップたちには、100兆円を超える運用資産規模を持つ世界の運用会社に対して、日本の運用会社の規模が小さすぎるという懸念を持っていた。
世界で生き残るためには運用資産規模が40兆円以上必要だとかいう議論がまかり通っていた。
運用資産規模40兆円を基準とすると、日本では野村アセット、アセマネONE(みずほ系の統合会社)ぐらいしかが世界レベルの運用会社といえない。
まあ、こんなのはワシに言わせれば全く意味のないものじゃがのう。
問題なのは、第一に再編の中心にいるメガ銀行の総合企画部だが、彼らは全く現場を理解していないことだ。
アクティブ運用には長期のGOODなトラックレコード(運用成績の記録)が何より大切で、これが顧客の信頼を得るための必要条件だ。
このトラックレコードは、明確な運用哲学、それを実現する適切な運用プロセス、それを支える安定した人材(運用チーム)によって作られる。
決して規模が大きいからGOODなトラックレコードを作れるわけではない。
なにより大切なのはトラックレコードだという基本をメガの企画部連中は理解していない。
むやみな人の異動はトラックレコードのマイナスでしかない。
第二に、アクティブ運用会社の合併はシナジー効果がないことだ。
昔、アライアンスというグロース運用の名門会社がバリュー運用のサンフォード・バーンスタインを吸収合併した。
これでグロースからバリューまでのオールマイティな運用会社が誕生すると皆思った。
しかし、結果はグロースチームとバリューチームがバラバラで新しい運用コンセプトは作られなかった。
ただ単に一つの会社に二つの会社がぶら下がっただけにすぎなかった。
同じことがJPモルガンでも起こった。
グロース運用で定評のあったロバートフレミングを買収したのが、バリュー運用のJPモルガンだ。
でも、チームの統合は困難でグロースチームとバリューチームが並列する組織のままで、シナジー効果があったとは言えない。
バリュー運用の大和住銀と保険運用育ちのSMAMが合併したところで何も新しく生まれない。
第三に、再編により投信ビジネスの系列化を一段と進めてしまうことが最大のマイナスだ。
「投信ガラパゴス日本」のコーナーで日本の投信も問題点として挙げたのは系列の問題だ。
詳しくは「投信ガラパゴス日本」を見てほしいが、日本の銀行・証券を頂点とする系列金融グループ内で投信ビジネスが展開されているのでどうしても販売会社(銀行・証券)の利益追求が全面的にでてきていしまうことだ。
傘下の運用会社を統合することで、投信関連収益をすべてグループ内に留めることができるということだが・・・
でも、そういうグループ優先の論理が一般投資家の不信感をあおり、投信の発展を台無しにしているのに気がつかない。
全く困ったものだ。
しかし、世界は広い。
海外にはこの運用会社の合併・統合をうまく企業戦略として使い、成功している運用会社もある。
次回はこうした運用会社を取りあげてみたい。