株山人の投資徒然草

大手運用会社をリタイアし、八ヶ岳に住む株山人の日記

大手運用会社をリタイアし、八ヶ岳に住む株山人の日記

株を職業にして38年、株式投資の楽しさを個人投資家に伝えたい。
Kindle版の「株式需給の達人(おもしろ相場格言編)」を出版しました。
既刊の「株式需給の達人(実践的バリュエーション編)」「チャートの達人」「個人投資家の最強運用」「株式需給の達人(基礎編)」「株式需給の達人(投資家編)」とともに一読をおすすめします。

株式需給の話

ドル安が円高にならない理由

円インデックスとドルインデックス
円インデックスとドルインデックス202507
















ドル安のトレンドが明確になっている。
ドルインデックス(加重平均)が100を割り込み7月11日には97.5ポイント、2月トランプ就任直後は108.87だったので、トランプ就任後10.3%のドル安だった。

上のグラフを見ると歴然としているが、2023年10月までは超円安に対してドル高が続き、円インデックスとドルインデックスはドル高=円安という典型的な逆相関を示した。

しかし、トランプ就任後の2月以降、ドルは10.3%のドル安、その一方円インデックスは2月初80.90から7月初80.05とほとんど横ばいにとどまった。
円とドルの逆相関がなくなってしまった!!


この最大の理由が「ユーロに対する楽観」だと思う。
IMMの投機ポジションでユーロのネットポジションの変化を見てみよう。

IMMユーロ投機ポジション
IMMユーロ投機ポジション202507
















ユーロ投機ポジションが買い転換したのは今年3月、そこからネットロングが急増している。
3/11から7/8までにネットポジションが12万枚増加した。
この5月以降急増し、ユーロへの楽観が市場に広まっているのが分かる。

その理由として①昨年までの欧州への悲観、そのリバーサルが起こったこと、②トランプ関税に対しても対抗策姿勢、域内防衛費をGDP5%まで引き上げる強硬姿勢が考えられる。
欧州の防衛は欧州で行う(米国はいらない)という宣言に見える。

昨年は欧州悲観でユーロドルはパリティ近くでユーロ安が進んだが、そのポジションがひっくり返り、リターンリバーサルが起こった。
さらにトランプ関税に対する強気姿勢、欧州域内の軍事バランスを保つ防衛予算の拡大が、ユーロへの強気を急増させたと思う。


では、円はどうなるのだろう?
IMMの円投機ポジションで確認してみよう。

IMM円投機ポジション
IMM円投機買いポジション202507















トランプ就任後、投機筋がドル安/円高に賭けてネットロングを増やした。
これはユーロと同じで、円のネットロングは一時18万枚まで急増した。
しかし、その後がユーロとは違った。
ユーロドルの金利差が小さいのに対して日米金利差が3%と大きい、この金利差が最大の違いだ。
ドル円相場が膠着状態が長期化すると円ロングポジションの金利差コストが累積し、ポジションは少しづつ解消を余儀なくされる。
ネットロングポジションは5月をピークに漸減し、現在11万枚となった。

ポジション枚数としてはユーロロング12万枚、円ロング11万枚と同規模だが、ドル円の金利差が3%程度あるので円ロングは膠着状態に弱い。

おそらく、ドル安の基調は今年後半も維持されるだろう。
ユーロ当局の毅然とした強い姿勢に対して、弱気な日本の姿勢も円を安くする。
石破さんは「なめられてたまるか」とやっと強気の発言をしたが、時すでに遅し・・・
投資家には日本は弱気でトランプに従順なイメージを持たれている。

しかし、今後はまだまだ変化が起こる。
現在ユーロに注目が集まっているが、米景気の鈍化ーFRB追加利下げがあれば、投機筋は再び円高を仕掛けてくるだろう。
夏場の米景気指標とFRBの発言がポイントになる。



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先物投機ポジションが語る「思惑」(2)地政学リスク

原油先物投機ポジション
原油先物投機ポジション202506
















まずはイスラエル―イラン紛争で注目される原油先物市場。
6/13にイスラエルがイラン空爆、先制攻撃を実行したが、6/13現在のネットポジションが公表された。
ネットロング枚数は5/27の16.5万枚から6/17の23.1万枚まで急増した。

わずか2週間で6万枚のネットロングを増やしたのは紛争のせいだろう、けどよく見てほしい。
原油先物は巨大な市場で、過去の2020年には50万枚を越える水準まであった。
それに比べると、今回のイスラエルーイラン紛争の影響は限定的といえる。
一時的にしろ、紛争の停止が合意されたという、これで原油市場は一旦織り込み済みとなった。

この落ち着いた動きは、①ホルムズ海峡が正常運行だったこと、②世界景気のスローダウンで需要が低調なこと、③中国の景気も低調で中東経由の原油輸入が増えていないこと、などの要因が重なっているものだろう。

ドルインデックス先物投機ポジション
ドルインデックス投機ポジション202506
















ドルインデックスは徐々に低下してきている、米国一強が終わってきているとコメントする評論家も多くいる。
しかし、ここ数週間投機ポジションはほぼニュートラルで、投機筋はドル下落のポジションはまだ取っていないようだ。

ここから投機筋がどう動くのか?
ドル売りのポジションを増やしていくのかどうか?・・・今後の問題だ。


IMM円投機ポジション
IMM円投機ポジション202506
















円投機ポジションは大きくネットロングに偏っていたが、ここもとの「不確実性」による金融政策の停滞もあり、ネットロングは少しづつ整理されてきている。
ドル売りー円買いは金利差がコストになるので、時間がかかるにつれてコストが重くかかる。
4月末には17.9万枚と過去最大のロングを記録したが、現在は13万枚まで縮小してきた。

しかし、基本的な「ドル安、円高の構造」は変わっていない。
トランプは貿易収支の均衡、高関税政策を変えていないし、FRBの利下げの方向性は変えていないからだ。


S&P500先物投機ポジション
SP500投機筋ポジション202506
















S&P500先物で、投機筋のネットショートが増えている。
4月末は5.2万枚のショートだったが、6/17現在では17.4万枚まで急増している。
過去には40万枚規模のショートまで膨らんだこともあり、現在水準が特に巨大というわけではない。

しかし、今後の推移には注意が必要だと思う。


先週は地政学リスクが注目されたが、金融資本市場へ大きな影響を与えるのは、第一に原油先物、第二にドル相場(ドルインデックス、円ドル)、第三に金や株式(S&P500)だ。

こうして見ると、原油市場も大きな波乱がなく、ドルや円も予想以上の急展開はなかった。
ヘッジファンドやCTAなども急激なポジショニングは見られなかった。

筆者は今回のイスラエルーイラン紛争は、徳川が大坂城の外堀を埋めさせた「大阪冬の陣」に相当すると見ている。
イランの核開発能力やミサイル反撃能力は一時的にせよ相当失われただけに、どこかのタイミングでイラン・レジームを破壊するための「大阪夏の陣」が実行されると見ている。
しかし、当面、地政学リスクが一巡したのも確かだろう。



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ファンド筋の「逆張り転換」仮説

SP500投機筋ポジション202506
















2024年後半ぐらいから、ちょっとした行動パターンの変化が見られる。
それはS&P500先物の投機筋ポジションだ。

上のグラフは過去2017年からの投機筋ポジションの変化を示している。
投機筋は基本的に「順張り」ポジションを持っている。
株高時に大きくロング・ポジション(買い越し)を持ち、株安時にショートポジション(売り越し)を持つ、これが大きくリターンを上げる運用手法だ。

しかし、最近のS&P500先物の投機筋は小刻みにロングになったりショートになったり、なんか忙しない動きを続けている。
ヘッジファンドやCTAなどの先物投機家は、昨年10月から11月はロング、12月から2月はショート、そして3月はロング、4月後半からは再びショートにポジションを変更した。
これはファンド筋も迷っているからなのだろうか? 
それともファンド筋が運用戦略を変更したからなのだろうか?
単に相場のトレンドが不安定になった市場要因なのだろうか?

SP500EPSと長期金利202506
















上のグラフ、青いラインがS&P500の1年先予想EPS、グリーンラインが10年国債利回りだが、昨年11月以降はボックス圏でも上下する動きに終始している。
トランプ政権下で企業収益見通しが不安定になっている、このことがファンド筋の投資行動を変化させたのかもしれない。
収益トレンドが見えにくくなり、株価トレンドにも信頼感を失っている。

当面は、相互関税の影響を見極めるための「モラトリアム」的な猶予期間にある。
それを見極めるまでは「逆張り」スタンスということなのだろう。

だとしたら、我々、個人投資家もジックリと買いタイミングを見極める時期なのだろう。
評論家は株価が上昇する日には「強い、強い」と連発するけど・・・




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海外投資家は日本株に強気になったのか?

海外投資家チャート202505
















4月以降、海外投資家が買い越し(現物+先物)に転じてきた。
CNBC日経では評論家が「外人買い」「外人買い」と連呼し、トランプの米国から資産が流出し欧州株や日本株に資金シフトしているとしたり顔で解説していた。

確かに東証の投資家別売買では、毎週2000~6000億円程度の買い越しを記録している。
上のグラフは海外投資家(現物+先物)だが、年初からの売り越し基調から買い越しに転じたようだ。


海外投資家にはおよそ三つのタイプの投資家がいる。
一つは海外年金やソブリンファンドのように長期で考えている投資家、二番目はヘッジファンドや先物ファンドのように短期で激しく動く投資家、三番めはグローバルファンドを運用しその一部分に日本株を組入れている投資家だ。

海外年金やソブリンファンドは数十兆円というレベルで運用しっているので、そのポジションを変更するのに買い方も強烈で多くの時間をかける。
アベノミクス以降の海外投資家の巨額買いのように数か月で数兆円という規模で大きく動く、これが巨大投資家の動きだ。
現在の買い方は数千億円/週なので、巨大投資家の買いかどうか考えてしまうサイズだ。

ヘッジファンドやCTAなどの投資ファンドの動きはどうだろう?

CME日経平均投機筋ポジション202505
















上のグラフはCME先物市場では日経平均(円建て)の投機筋ポジションだ。
このポジションはファンド筋の動きがメインで、昨年後半はCME(シカゴ)で日経先物をロングにして、翌日東京でNY市場に連動して上昇したところで東京先物を売ってリターンを上げていた。
だから、CMEでロング、東京でショートという動きになっていたのだろう。

現在はわずかにロングに転じたところで、ファンド筋が大きく動いたという形跡はない。
ファンド筋でも先物で数兆円程度の激しい売買をする時もあるが、現在はそうした兆候は見られない。


では、この4月以降の海外投資家の買い越しをどう考えたらいいのだろうか?

筆者の推測だが、グローバルファンドのポートフォリオ・リバランスだと考えている。
米国一強が長く続いたためにグローバルファンドの中の米国株ウェートが上昇していた、と言うことは十分に考えられる。
この米国株一強が終わったと判断したグローバルファンドマネージャーが米国株ウェートを引き下げ、欧州株や日本株のウェートが多少引き上げたというわけだ。

日本株は昔は20~30%を占めていたが、今やたったの5%程度のインデックスウェートしかない。
仮に100兆円のグローバルファンドなら日本株は5兆円程度、これがリバランスで買い越しになったということではないかと思う。


彼らの買いが日本株のトレンドを大きく変えるか、と聞かれればもう一つ自信はない。




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先物投機ポジションが語る「思惑」

S&P500投機筋ポジション
SP500投機ポジション202505













各資産の先物市場を使って、ヘッジファンドなどの投機筋がポジションを取る。
これは現物市場を使うよりも迅速に大きなポジションを動かすことができるからだ。
先物投機ポジションからヘッジファンドたちが何を考え、何を収益化しようとしているのか推測してみたい。

①S&P500先物の投機筋ポジション ~ネット・ショートに転換してきた~

トランプ関税で一気一憂してきたが、関税交渉の延期以降、投機筋ポジションは小刻みにロングになったりショートになったりしてきた。
ヘッジファンドたちもS&P500に大きく賭けるポジションは避けてきたが、ちょっと風向きが変わってきた感じがする。

それが先物のネットショート・ポジションだ。
特に5月に入ってから12万枚までネットショートを増やし、ややトレンドの転換を見込んでいるのかもしれない。


ドルインデックス先物投機ポジション
ドルインデックスと投機ポジション202504













②ドルインデックスの先物ポジション ~投機筋はドル全面安を仕掛けたわけではない~

トランプ相互関税によるドタバタ市場で、一時「トリプル安懸念」によってドル急落の動きがあったが、先物投機筋ポジションにはそれほどの動きがなかった。
3月には1万6935枚までネットロングが増えたが、4月22日以降ネットショートに転じた。
しかし、ネットショート枚数は1108枚と少なく大きくドル全面安に賭けたといえない。


IMM円先物投機ポジション
IMM円投機ポジション202505















③円先物投機ポジション ~引き続き円ロングに大きく仕掛けている~

投機筋の円高狙いは本格的だ。
短期金利差を狙った円ショートが支配的なポジションだったが、昨年11月12.89万枚ショートから今年5月にはわずか2.19万枚まで10万枚のショートが一気に縮小してきた。
逆に円ロングが11月6.03万枚から5月20.40万枚まで急増した。

投機筋は明らかに円高ドル安を狙っているといえる。
この円ロングポジションは短期金利差をコストとして支払って積み上げられたわけで、投機筋の本気を意味している。

COMEX金先物投機ポジション
金先物投機ポジション202505













④金先物投機筋ポジション ~仕掛けた投機筋がロングを急縮小~

金市場ではトランプ関税の悪影響から資金に受け入れ先として注目された。
投機筋もトランプ関税の狙い撃ちのように、2月には30.25万枚まで急増させた。
しかし、その後は相互関税の荒波の中、一気に利食いに入り、5月現在では7.69万枚とポジションを4分の1に縮小した。

4月に中国の金輸入が過去最高だったが、人民銀行なのか、一般の中国人なのか分からないが。、中国からの金買いが相場に影響したのは間違いなさそうだ。
セオリーとは違う爆買いが金相場を持ち上げたとしたら、それなりの警戒感もありそだ。


投機筋ポジションをまとめると、NY株式はトレンド転換を意識したネットショートに、ドル安は限定的、円高は一段の狙い撃ち、金は利食い対象というと特徴が見られる。

・ファンド筋は高値警戒感のある金先物のネットロングを大幅に縮小した。
・マスコミが盛んにトリプル安をまくしたてているが、投機筋が仕掛けたわけではなく、ドル暴落も見ていない。
・トランプ貿易摩擦のターゲットとして日本、一段の円高を見ている。
・NY株式は若干ながらトレンド転換を見ているのかもしれない。

もちろん、投機筋の思う通りになるかどうかは分からない。



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オプションSQ前後、波乱か、平穏か?

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5月SQはオプションの最終価格が決定されるが、今回は何かしら気になるところがある。
トランプ関税の急落後、「コール売り=カバードコール」が魅力的なポジションだったからだ。
これだけの急落時になると持ち株は当然マイナス評価になるわけだが、ボラティリティの上昇によりオプション価格は割高になるのでオプション売りには妙味がある局面になる。
持ち株の損失をヘッジする意味でも「カバードコール」は人気のトレードだっただろう。

しかし、この自律反発場面では日経平均がジリジリと上昇し、3万5000円水準をあっという間に越え、3万6000円水準を越えた。
こうなるとどんどん行使価格をヒットされ損失無限大の恐怖にさらされたコールの売り手はコールの買戻し=踏み上げをせざるを得ない。
このコールの踏み上げが日経平均を連騰連騰で押し上げてきた原動力になった。

日本のGWでSQ前の1週間のうち2日間は休みで、5月物SQポジション調整ができるのは5/7~8の2日間だけになった。
これがなんとも気になった。


GWの間、海の向こうのNY市場は2日連続で下落、連休明けの日経平均には大きな影響はなかった。
しかし、行使価格37000円コールに4306枚の建玉、さらに37500円コールに2327枚、38000円コールにも4347枚の建玉が残っている。

SQ(5/9)まで2日間しかない段階なので、SQ前に買い仕掛けが出てくると意外と多くのコール売り手が買い戻すかもしれない。
そうなれば意外高や波乱展開が起こる可能性がある。
外部環境次第のところはあるが、火種が残っているといえる。

本日はSQ前の最後のポジション調整日だ。
37000円を越えてくると、370コールの買戻しが起こり上昇に拍車がかかるかもしれない。
今日は、日経VIのリアルタイムチャートとオプション価格表をよく見ておきたい。



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日経VIから考える連騰相場、GW明けに注意

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最近株価を見ていて「不安」を感じるのが、SQ前のガンマスクイーズだ。
今回5月のSQ日はGW明けの金曜日(5/9)になるが、この週は5~6日が休日で取引ができない。
SQ前のオプションはリスク調整で大きくハネ上がることがあるが、そのSQ前の取引日が休日が多いため7〜8日に集中する。

直近5/2のオプション表を見ると、コールの建玉残は365(行使価格36500円)に8500枚、370に4500枚・・・390に6200枚の塊りがある。
コールの売り手にとっては365の売りがちょうど現値付近で、これ以上株価が上昇するとコール売りはどんどん損失が大きくなる状況だ。
すでに5/2の日経平均には「ガンマスクイーズ」が入っている、コールの売り手が買い戻し、その証拠に日経VIが2.6%上昇した。

日経VI202505
















上のグラフは日経VIだが、日経平均がこれだけ連騰し回復したのにVIはいまだに26と通常の範囲を越えている。
VIはオプションの買いが押し上げるので、上昇時にVIが高いということはコールオプションに買いが入っていることを示している。
コールへの買いが続き、日経平均が押し上げられている!

日経平均が35000円、36000円と上昇、350コール売り、360コール売りが次々をヒットしていき、次々に起こるコールの買戻しで「ガンマスクイーズ」が発生した。
これがこの相場の原動力だった。


NY市場もVIXが高止まりしているので、東京市場と似た状況だったのかもしれない。
トランプ関税で業績悪化懸念がある中、連騰、連騰している。
これがGW中も続くと、GW明けの朝、予想外の株価水準で始めることも懸念される。
そうなると、390コールの塊りまでスクイーズされることになるかもしれない。

逆にGWの間にNY株が急落し日経平均がSQ日に向けて36000円以下に下落するならば、コールの売りは利益で終了だ。

「その微妙な位置にGWが重なっていることがリスク」だし、さらに「SQ日(5/9)以降にこの反動が出てくる可能性も大きなリスク」だ。




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シカゴ先物投機ポジションを読む

SP500投機筋ネットポジション202503
















トランプの「4/2の解放記念日」が近付き、株価が急落した。
その背後には「市場のセンチメント(心理状態)が変化してきている」ことが挙げられる。
シカゴの先物ポジションがちょっとした転換点を示しているかもしれない。

市場センチメントを計るにはブルベア指標やプットコールレシオなど様々な尺度があるが、一番ストレートに示すのが先物投機ポジションの動きだろう。
トランプ「解放記念日」以降にどうなるのかが一番興味のあるところで、米国の先物投機ポジションの動きで見てみよう。


①S&P500の先物投機筋ポジション

上のグラフだが何とも落ち着かない動きを示している。
ロング(強気)になったり、ショート(弱気)になったりと忙しい。
1~2月はネットショート(売り越し)だったが、3月の3週間はネットロング(買い越し)だった。
そして先週再びネットショートに転じた。

どっちかハッキリしろ!と言いたい所だが、投機筋のセンチメントもそれだけ不安定だと理解をすべきだろう。
でも振り返ってみれば、迷いに迷った投機筋が方向感を出した瞬間だったかもしれない。


②シカゴ日経平均先物、投機ポジション

CME日経平均投機ポジション202503
















シカゴマーカンタイル取引所(CME)の日経平均先物・投機ポジション(円建て)だが、2023年からほぼずっとネットロングを続けてきた。
このポジションが3月初にはじめてネットショートに転じた。
ショート規模(先物枚数)はごくごくわずかで大規模なショートが積み上がったわけではないが、ちょっとした市場センチメントの変化を意味する可能性がある。

トランプの「解放記念日」で何が起こるのか、市場は織り込み済みで反発するのか、大きな転換点になるのか、まだまだ決め打ちが難しい。
それにしても投機筋ポジションが弱気転換してくると市場センチメントが悪化し、相場の底入れを暗示する可能性もある。

三猿金泉録では「万人が万人弱気ならば、阿呆になりて買うべし」とされている。
多少時間がかかるにしても、その急所となる買い場を見極めることが相場に勝つポイントになる。
急落はもう4日目になるが、10~13日ぐらいが重要な期間とされている。



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投機筋の円買い仕掛け、為替をどう見る?

円IMM投機筋ロングポジション
IMM円投機ロング202502















2/18までのIMM円先物ポジションが週末に公表されたが、ちょっとビックリだった。
投機筋の円先物買いポジションが急増し、上のグラフのように2017年以降見られない水準に急増したからだ。

今年1月からの変化は・・・
           1/7      2/18
投機筋円ロング    9万1206枚 14万7566枚 ∔5万6360枚
投機筋円ショート  11万1395枚  8万6997枚   -2万4398枚
投機筋ネット(差引)-2万0189枚 ∔6万0569枚  ∔8万0758枚

年初の時点では投機筋は円安方向を見ていてネットで2万枚のショートだったが、2月にはショートが2万枚減少し、ロングが5万枚増加した。
ネットショートからネットロングに急速な「ドテン買い越し」になった。
しかもロング規模がかつてないほどの急増だった。

為替市場のセンチメントが一気に「ドテン買い基調」に変わった。
投機筋のセンチメントがこれほぼ一気に変化したのはあまり記憶にないほどだ。
これだけの変化が起こると、しばらく円高方向で推移するというのが経験則だ。

その要因をどう見る?

日米10年金利差と円ドル
日米金利差10年202502
















投機筋の狙いの一つは「日銀のタカ派」

日銀の理事が「ギアチェンジ」とか「一段階上がった」とか言うたびに10年国債が売られ、すでに1.5%近い水準にまで長期金利が上昇、次の25bpの利上げを完全に織り込んだ水準に上がった。
これが円高要因だが、筆者は3月日銀決定会合では「利上げ見送り」となる可能性が高いと見ている。
そんなに毎回利上げするほどの景気ではないからだ。

そうなると3月には長期債が売られ過ぎ状態で反発もありえるし、一旦は円高も止まるかもしれない。
しかし、その後もトレンドとしては円高傾向が強いかもしれない。

もう一つの狙いは「トランプのドル安」

ウォール街の一部では「マール・ア・ラーゴの合意」と言われ警戒感が出ているが、トランプが関税引き上げとともにドル安で米企業の競争力を高め,対中政策の切り札としてくる可能性だ。
トランプ関税前の駆け込み輸入や消費のあったので、需要が一巡する2月以降の反動も見ておきたい。

上のグラフは日米10年金利差とドル円だが、10年金利差は3%水準にまで縮小している。
日本10年が1.4%台、米10年が4.4%前後にあるが、これが一段と縮小すると今までのレンジが変わる、重要なポイントだろう。


いずれにしても3月は攻防の分岐点になりそうな気配がする。



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敵対的TOBの時代、ホンダはやさし過ぎる

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おそらく日本企業の持ち合い解消は急速に進んでいるのだろう。
メガ銀行が保有する保合い株が売却され、そのディールを受けた大手証券が分厚いスプレッドを抜いて取引している姿が決算から見える。
メガバンクは数千億円規模で売却益を計上し、取引を仲介する大手証券会社は分厚い売買益を計上しているというわけだ。
持ち合い解消ビジネスがメガバンクと大手証券を潤しているのが見えた決算だ。

もう少し先に何が起るか?

持ち合い解消はいずれ終わる、全部売却すれば終わりだ。
でも次に起こるのは、非常にリスキーな資本主義が始まるということ。

歴史的に株式持ち合いが起こったのは1970年代の資本自由化、外資の参入を認めた時期だ。
外資の買収を恐れた経営者が企業グループ毎に株式を相互に持ち合い、外資による買収から身を守ったというのが株式持ち合いがこれほど広まった理由だ。
今後起こる事はその逆転現象だろう。

つまり持ち合い構造がなくなれば企業は丸裸になり、簡単に敵対的な買収、敵対TOBができるようになるということ。
もう敵対TOB時代の始まりは市場に見られるようになった。
持ち合い構造がある時は、敵対TOBをしたくても財閥・グループ間の持ち合いに妨げられた。
この防御システムがなくなる/弱体化すると、簡単に買収ができる環境が出来上がる。


日産とホンダの統合が合意されたかと思ったら、日産は合意を破棄した。
その理由がお粗末。
日産がホンダの子会社になりなくないって、感情的でしかない。
日産のプライド、対等な統合、すべて元々ありえなかった。
どんな統合の形になろうが、ホンダが日産を支配するのは明確だったのに・・・

ホンダはやさし過ぎる。
ホンダの狙いの一つはバイブリッド車、特に三菱自の持つPHEVやトラック、タイなどの東南アジアでの市場支配力なのだろう。
現金がほしい日産から、保有する三菱自株を交渉で買い取り、さらに市場で流通している三菱自株をTOBで買収すればいい。

日産全体を買収しようとすると、ルノーの保有する日産株の問題もあるし、ちょっとヤヤッこしい。
でも三菱自ならば、交渉次第ではTOBを成立できる可能性がある。
仮に日産が三菱自株の放出を拒否しても、市場でTOBをかけて過半数を買えば、日産の影響力はほとんどなくなる。

日本企業は、もっと「資本の論理」を駆使して企業買収、さらにそれを通じて成長することに貪欲になるべきだろう。



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フジメディアHD、不思議な株高???

フジメディアHD 日足
フジメディア日足202501











「女性に性加害をしておカネ払えばオシマイってありえない」と女性の多くはそう怒っているだろう。
フジテレビは初動段階で、「中居氏をクビ」にし「関連した社員を処分」すれば企業としてのコンプライアンスや取締役のガバナンス問題にはならなかっただろう。
多くのタレントの人権侵害は過去いくらでもあったが、基本的に個人の問題として処理される。
若い美人の女性社員が多くいるメディア企業では一段と厳しい人権意識が必要で初動で決まる。

上の日足でも明らかだが、こんな状況でフジメディアHD株が急上昇・・なんで???
なぜ上がるのか?と言われれば「需給」の理由でしかない。

まず基本的な事だが、放送会社は放送法による外資規制の対象で、海外投資家の合計比率が20%未満に制限されている。
大量保有報告では、ダルトンインベスストメントが4.8%保有、シルチェスターが5.8%、マラソン・アセットが4.5%保有している状況だが、海外投資家はこれ以上買い増すことはできない。
ただし、これは議決権ベースの話で、名義変更しなければ買うことはできる。
しかし、議決権なしにフジメディアHD株を買う理由も見当たらない。

また、国内の機関投資家(GPIFなどの年金や投信などのファンド)はESGルールに縛り付けられ、こうした人権侵害問題を起こした会社は保有できない。
かれらは3月末の公開される「第三者委員会の調査結果」を確認して、場合によっては保有株を全売却する可能性がある。
この時点で買うというのは全く考えられない。


となると、今フジメディアHD株を買っているのは国内系のファンドか個人投資家ということになる。
「時間軸の問題」がポイントで、買っているファンドなどは基本的に短期投資と見ている。。

一つの時間軸は3月末の第三委員会調査で会社ぐるみのガバナンス問題が拡がらず、経営陣が早期に刷新されるという場合だ。
もう一つの時間軸は、中居騒動の他にも女性人権問題が複数明らかにされ、第三者委員会の調査で根本的にガバナンスに問題があるとされた場合だろう。

第一の場合・・・スポンサーも来期近い将来に戻ってくるので、経営を脅かす問題にはならないかもしれない。
おそらく個人投資家や国内ファンドが「PBR割安∔経営刷新期待」で買っているのだろうが、来期に業績への影響を確認できれば株価は底堅く推移するだろう。
それにしても、現段階で買うのは「時期尚早」じゃないかと思う。


しかし、第二の場合は深刻な打撃を受ける。
第三者委員会の調査で組織ぐるみで「女性社員の接待」や「有名タレントへの女性献上」が出てきた場合、現在のESGやコンプライアンス規制では厳しい人権侵害で反社会的な企業と位置付けられ、会社の存続が問題になる。
その場合CM収入だけでなく放送メディアの全体の収益が来期前半は大きく減少することになる。

自己資本を見ると利益剰余金4342億円、資本剰余金1738億円あるが、半期でメディア関連収益が大きく減少すれば、サンケイビル程度の不動産収益150億円では補えない。
1000億円レベルの赤字に転落すると、つぶれるわけではないにしても、自己資本が大きく減少する可能性がありPBRは何の役にも立たない。

この時間軸が問題で、この状況が長く続くほど厳しい経営に陥る。
自己資本が減少すれば、フジサンケイグループの資本支援、あるいは、外部の企業グループからの資本注入が必要になる。
フジテレビの過去の映像資産、番組の制作能力、取材等の社員経験の蓄積を考えれば、相当の買収価値が出てくる可能性が高いにしても誰か買い手が登場してくるかは分からない。

総務省の監督する放送業界では倒産はない。
その場合、来期前半に株価下落が起こり、その後資本改革を含めて急展開する局面も考えられる。
いずれにしても現在の株高がそのまま続くとは考えにくい。




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信用取引が重たい、カバードコールがいいかも?

信用残ネットポジション202411
















どうも株式市場は重たい雰囲気になっている。
8月初の急落後に「投資家の退出が増えている」というブログを書いたが、その時に結論は・・・

①海外投資家、ヘッジファンドなどが先物ポジションを手仕舞い、先物の売買が減少。
②先物と現物の価格差を狙う裁定取引も先物売買の減少とともに減る。
③個人が投機的に売買する信用取引、信用残高も減少し個人の動きも減る。

この三つ要因で市場売買を減少すると考えた。
でもその後、どうなのだろう?
信用取引で売買している個人トレーダーが段々とキツくなっているような気がする。
これが重たい雰囲気の原因なのかもしれない。

上のグラフは信用残のネットポジション(買い残ー売り残)を示している。
ネットポジションは、8月初の急落で5兆円から3兆8000億円まで急減した、それだけポジションを投げ売りが起こったわけだ。
しかしその後再び増え始め、現在4兆2000億円まで増加した。

問題は信用残の増加、売買の回転(買いー利食い)の止まってきていることだ。
下のグラフは買い残評価損益率で、信用取引の評価損益、信用売買が利益を生んでいるかを示す。

信用評価損率202411
















8月初の急落時はー14%まで悪化したが、その後株価の戻りとともに損失は減少した。
一時はー7%まで最悪期からは7%の損益改善が見えた。
しかし、再び損益が悪化し始めている。

問題は買い残の増加と評価損益の悪化が同時進行していることだ。
損益が悪化して買い残が減少するのは自然で「上がると思って買ったけど上がらなかったので投げた」という状況だ。
でも今回は買い残が増加している局面で評価損が悪化している、これは「買ったけど儲からなかったのでナンピン買いをしている」という状態だ。
投資資金の回転が利かなくなっている、つまり、これが重たい雰囲気を作っている。

信用倍率202411
















上のグラフは信用倍率、信用買い残/信用売り残を示している。
8月以降の株価持ち合い局面(行ったり来たりの株価推移)で、ずっと買いが多い状態(6~7倍)が続いていて、株価の下落の弱いポジションになっている。
通常の状態では信用倍率4倍程度なので買い残の規模が大きい、これも重たさの原因かもしれない。

もしオプションを取引するならば、「カバード・コール」が有効な局面なのかもしれない。
カバードコールは、現物を買うと同時にコールオプションを売る取引で、株価が上がらない時にはオプションのプレミアムをチャリンチャリンを毎日もらえるからだ。





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海外投資家が売っても下げない「下値抵抗力」だが・・・???

現物∔先物、年間投資家別ネット売買
年間部門別売買2411















今年もあと1か月ちょっとで終わる。
過去3年間(今年は10月まで)の投資家別ネット売買(現物+先物)を調べてみた。

日本株市場の時価総額は22年667兆円、23年835兆円、24年10月末914兆円を大きく増えてきた。
3年間の合計で、時価総額が247兆円、3年間で37%も時価総額が増えた。
それだけ日本株に投資している投資家のポジションも増えているだろう。

でも投資家別で見ると、買い越しを続けたのは「事業法人」だけ。
事業法人の買い越し額合計は16.2兆円と最大だ。
平均で5兆円以上の年間買い越しで、その大半が「自社株買い」だといえる。

その他の投資家は3年合計ですべて売り越しだ。
信託銀が合計7.8兆円の売り越しをはじめ、海外投資家が4.0兆円、個人が2.3兆円、投信が1.0兆円・・・すべての投資家が売り越し。

今年は新NISA元年で個人投資家の直接の買付、または投信を通じての個人投資家の買い、これが市場をけん引するのではとの観測もあったが・・・
今年単年では個人投資家は3349億円の買い越し、投信は4834億円の買い越しだったが、数字としては今一つな感じ。


これをどう考えるのだろうか?

上値を追って買うモメンタム投資家は海外投資家や個人投資家だが、彼らは過去3年買い越していない、その一方、買い越したのは「上値を追わない」自社株買いだった。
これが日本の株式需給の実態だ。

モメンタム投資家は買い越したり売り越したりと激しい売買をする。
株価は彼らの動きで急上昇したり急落したりするが、彼らが売り越しになる時、自社株買いが下値で買いを入れて株価を支えたということだろう。
だから、日本株には「下値抵抗力」がある。

海外投資家が買い越しになる時は株価上昇が勢いづくが、海外投資家が売り越しの時は自社株買いが下値を支えている。
「海外投資家が買わないと上がらない」とコメントする評論家も多いが、長期で株価水準を切り上げてきたのは海外投資家ではなく、自社株買いだった。

今年は10兆円規模の自社株買いがあった。
来年も続くだろうが、株式持ち合いの解消が終わると自社株買いのレベルが通常モードに戻る。
その時は日本株の「下値抵抗力」も変わってくるかもしれない。


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取引時間延長はいいが、引け値の板寄せはリスキー!!

JPX










東証が株式取引時間を30分延長するとともに、引け値のオークション、決算発表の前倒しなどを発表した。
取引時間を延ばせば多少とも売買高が増えるが、たいした影響はない。

今までと違う点、気を付ける必要があるのが、引け値の板寄せ(クロージングオークション)だ。
投信の基準価額は引け値をベースに計算されるし、国内法人の決算なども引け値で行われる。
特に基本的に基準価額で売買する投信は顧客の売買を引け値で執行しなければ基準価額との違いを生じてしまう。

この引け値は証券自己の関与も厳しく制限されている。
証券自己が自分の都合で引け値を上げたり下げたりすると、不自然な引け値が投資家の不信を招いてしまうからだ。
大手証券のプロップ(自己売買担当)をしていた時も引け値の10分前から厳しく発注を制限された。
証券自己の引け値関与は金商法の違反行為となる。

もちろん顧客が発注する委託売買は引け値に関与してもかまわない。
投信が引け値が大口注文を出したり、ファンドマネージャーも引け値注文を出して自分のパフォーマンスを良く見せる(ドレッシングと呼ばれる)ことも起こる。
今までの引け値はザラ場取引の続きでその瞬間の一発で決まり、ザラ場の最終値段と引け値が大きくブレることはない。


むかし、特定銘柄という市場の代表銘柄(今でいえば三菱UFJ、三菱地所、三井物産などのイメージ、東証の大家さん平和不動産も含まれていた)については、ザラ場方式ではなく、板寄せ方式で引け値が決められた(ゲキタク売買と呼ばれた)。
3時の大引け以後、5分間で売買注文を集めて5分後に売買をマッチさせて引け値が決まる。
でもこの特定銘柄は超大型株ばかりで、それぞれの板が厚い、つまり、多くの売買指値注文が並べられていたので値段が大きく飛んでしまうことはなかった。

しかしその特定銘柄で行われていたオークションを一般銘柄に広げたらどうなるか?

薄い板(指値注文の状態)で、投信の大口売りが入ったらどうなるか?
板寄せでは成行注文、引け値以上の買い注文、引け値以下の売り注文がすべて約定させる。
この注文を合わせるために価格は大きく変動する可能性がある。
その値段の範囲が決められている、更新値幅の2倍だ。

たとえば1000円の更新値幅は30円なので、引け前で1000円の株価は上下60円、940円~1060円の範囲で引け値が決まることになる。
オークションの結果次第だが、引け値がその直前の価格に対して6%も変動する可能性がる。
板の薄い株、品薄株で投信や法人が大口の売買を成行で執行したら、とんでもない引け値が生じることも覚悟しなければならない。

投信の基準価額が上下6%の範囲でブレる可能性があり、これが投信投資家の売買を非常に難しくするのは間違いない。
今でも、当日と翌朝に投信の売り注文を出した投資家は、翌日の引け値を基にした基準価額で売買する、一日近くのタイムラグがある。
さらに、この板寄せ売買で翌日の引け値なんて予想もできない、つまり、投信をいくらで売却できるか全く分からない状態で売買注文を出さなければならない。
儲かったと思って売却したら、損失だったなんてことも起こる可能性がある。


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日経平均が乱高下する理由(3)為替のボラティリティ

ドル円ボラティリティ
ドル円ボラティリティ202410









ドル円のボラティリティは7月中旬から急速の上昇し、200pipsを越えている。
確かに為替のボラティリティ(実績値)が高いが、おそらく3か月後、あるいは6か月後のドル円の期待値となると、一段とバラツキが大きくなっている。
FRBシナリオ通りに利下げが起こるとすれば、FF金利は1年後に3%程度まで低下する。
この想定であっても景況感が大きく影響する長期金利には不透明感が付きまとう。
そこの不透明感=為替のボラティリティが日経平均の値動きの荒さにつながっているのだろう。

日米2年金利差とドル円相場
日米2年金利差とドル円202410















政策金利の低下は米2年債利回りに反映する。
2年債利回りは現在3.9%台で、ここから政策金利が1%低下するとすれば2年金利もそれにつれて3%前後には下がる。
となると日米金利差は2%強のレベル、ならば、ドル円は再び140円/ドルを割れる可能性がある。
一方、米景気がソフトランディングに向けて推移しているので、その分長期金利は低下しにくい。
短期金利が低下する一方、長期金利が高止まりする、その結果為替レートの予想がバラツく。

IMM円投機ポジション
IMM円投機ポジション202410















投機筋の円先物ポジションは7月の大逆転から、現在も円ロング=円高方向を見ている。
9月以降円安に動いているが、先物ポジションでは大きな変化がない。
このドルの反発=円安場面で、ヘッジファンドなどの投機筋が再び円安ポジションを取ってくるのかが目先のポイントになってくる。
ヘッジファンドや再び円安に賭けてくるのなら、しばらく円安が続くことになるかもしれないが・・・
彼らがそのまま円ロング=円高方向を維持するならば、為替は再び円安へ動くかもしれない。




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日経平均が乱高下する理由(2)シカゴの取引が影響

CME日経平均先物ポジション
CME日経先物投機202410















日経平均の乱高下の理由が探っている。
NY市場が落ち着き、VIX指数が20%以下で落ち着いてきている反面、日経VIが20%以上の高止まりを続けている。
日経平均の乱高下は、米国時間で先物が大きく動き、翌日の東京時間で現物が大きく追随するという形で生じている。
評論家が石破氏が手のひらを返すように公約を変えることが株価の変動性を高めたと言うのが、乱高下はNY時間の先物から来ている、全く違うのが分かる。

上のグラフはシカゴで取引される日経平均先物のポジション動向だ。
買い建て枚数から売り建て枚数を差し引いたネットポジションだが、この9月には1万8000枚から7205枚へと急減した。

これだけシカゴの先物価格の動きが拡大し、翌日の東京市場に大きな影響をするようになったにもかかわらず、シカゴ日経平均の建玉はむしろ減少している。
先物取引は相対で行われる場合も多く、市場の建玉がすべての需給を表すわけではない。
それにしても熱量が少ない先物市場で、むしろ価格の変動が高まっている。
これをどう考えたらいいのだろうか?

ハッキリ言って「謎」だ。
シカゴの先物がなぜこんなに大きく動くようになったのか?
気になるのは、NY時間のドル円の変動とCME日経平均先物の高い連動性だ。

感覚的で恐縮だが、ドル円が1円円高に動くと日経先物が500円下がる、逆にドル円が1円円安に動くと日経先物が500円上がる、といった強い相関を感じる。
海外のトレーダーがそれだけドル円の動きに注目しているのだろう。

昨日のNYでは雇用統計で24.5万人という強い数字が出て、ドル円は146円台から148円台に円安に動いた、すると、日経先物は1000円高となった。
為替に対する強い感応度が続いている。

次回は為替市場を考えてみたい。



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日経平均が乱高下する理由(1)毎日1000円の上下変動

日経VI(ボラティリティ・インデックス)とVIX指数
日経VIとVIX202410















最近の日経平均はかつてないほど乱高下が続いている。
総裁選で高市氏の優位を伝わると2日間で2000円上昇、その後決選投票で石破氏が勝つと1900円の急落、その後も1000円近い乱高下が続いている。

誰もこの値動きの激しさを正確に解説していない。
ある評論家は石破氏が利上げに積極的だから暴落したとか、別の評論家がイランがレバノンを攻撃したから暴落したとか、なんとも無責任な解説ばかりしている。
日本の評論家は「ウソばっかり!!」と怒る気持ちも分かるが、冷静にデータで分析してみたい。

まずは、ボラティリティだ。

日経平均の超荒い値動きで、日経VIが高止まりしている。
9月以降の1カ月強で日経VIは20%以上の高水準を続けている。
NY市場のボラティリティインデックスのVIX指数が20%以下で低下しているのと対照的だ。

NYダウの値動きが毎日100ドル以下なのに対して、日経平均は700~1000円の値幅。
これを考えれば、日経平均のボラティリティが高いことは直感的に理解できる。
でも、なぜ、日経平均のボラティリティが高いのか?


恐怖指数と呼ばれるボラティリティは投資家の不安心理を示している。
NY市場ではFRBの利下げが始まり、ソフトランディング期待が膨らんでいる。
当ブログでも「ソフトランディングの意味」を様々な視点から検討してきたが、ソフトランディングを一言で言えば「株式・長期債・円ドル市場の安定性」だ。
そんな期待通り、NY市場では株式のボラティリティが低下し、長期債も為替も安定してきている。

通常、東京市場はNY市場のミラー相場=鏡の映った相場と言われてきたが、どうも違ってきている。
落ち着いた値動きのNY市場に対して、東京市場の荒っぽい値動きが目立っているからだ。

ドル建て日経平均と円建日経平均で確認してみよう。

ドル建て日経202410















円建て日経平均は7月に過去最大の下落幅を記録し、現在でも最高値を抜けていない。
しかし、NYダウが史上最高値を更新するとともに、ドル建て日経平均も新高値圏に入ってきている。
円建て日経平均よりもNYダウに近い動きをしている。
これは東京市場がNY市場のミラー相場という基本にそった動きだ。

というわけで、このドル建て日経平均と円建日経平均の値動きの違いが、最近の日経平均の荒っぽい動きにつながっていると考えている。
ドル建て日経平均はNY市場の動き、特にNYダウの動きに連動する。
一方、円建て日経平均は、ドル建て日経平均の動きに為替をかけたものだ。
円建て日経平均の高いボラティリティは、為替市場のボラティリティの影響を大きく受けていると考えてもいいだろう。

株価は夜、NY時間帯で作られている。
次回はシカゴの日経平均先物を考えてみたい。



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市場エネルギー低下、投資家の退出

東証プライム売買代金202409















7月から8月初の相場急落後、明らかに市場売買代金の減少が見られている。
売買代金は「市場エネルギー」とも呼ばれ、株式市場の「参加者の熱」を意味している。

上のチャートは東証プライム市場の売買代金と5日(一週間)と25日(一か月)の移動平均を示している。
8月初の急落で多くの投資家がポジションを売却し、売買代金が5日移動平均で7兆円まで急増した。
しかし、その後は一気に減少し、一日3兆円という低水準に落ち込んだ。
現在、5日移動平均が3兆7000億円台、25日移動平均は4兆8000億円台。


売買代金の減少の要因は、①市場参加者の減少②ポジションの回転率の低下と二つある。
市場参加者が減少すれば市場エネルギーも低下するのは自明の理だ。
ポジションが溜まり、利食いができなくなり売買回転が落ちても売買代金は減少する。

まずは、短期で大きく動いたのは・・・海外投資家。

海外投資家売買202409












海外投資家の現物+先物売買(ネット)と日経平均

海外投資家は今回の急落の主役だった。
「円キャリートレード」を一気に巻き戻し、「日本株ロング∔円先物ショート」の人気ポジションも強制解消された。
おそらくヘッジファンドなども先物ショートに動いたのだろう。
7月第三週から8月第一週までの合計で、海外投資家は4兆2161億円の売り越しを行った。
この過程でポジション回転率というよりも、市場参加者が大きく減ったのではないかと思う。

バフェット氏や欧米年金などの長期投資家はポジションを維持しているが、その他の参加者はダメージを被り、一時的にしろ、日本株から撤退したかもしれない。


次に大きく動いた投資主体は・・・個人信用投資家

信用買残202409















個人現物投資の動きもあったのだろうが、大きく一気に売り越したのは個人信用投資家だ。
数字を確認すると、信用買残は7/26の4兆9808億円から8/16の3兆8535億円に一気に減少した。
しかも7/26の週の評価損益比率が-13.69%と大きな損失になっていた。

この二つの数字から推計すると、個人信用投資家は1兆1273億円のポジションをブン投げし、1543億円の実現損失を出したと計算される。
このダメージが非常に大きく、1500億円の損失をカバーするには相当な時間と根性が必要だろう。
その意味では個人信用投資家は当面、ポジション取りに消極的にならざるをえない。

普通なら積極的にポジションを取り「攻める姿勢」を持つ海外投資家と個人信用投資家だが、今回ばかりはしばらく静観するだろう。
だから、東証プライム市場の「市場エネルギー」が低下している。

昨日から再び波乱展開だが、基本的な需給は変わらない。
市場参加者が減少し、しかも積極的なポジションテイクをする個人信用や海外短期筋が動かない、ということは閑散市場で価格だけ大きく変動する展開となる可能性が示唆される。

閑散で板が薄く、値段が大きく変動するだろうが、投資家はこの値動きの激しさに振り回されない方がいいかもしれない。
ソフトランディングかハードランディングか、まだ決定打は出ていない。



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ドルインデックスの先物ロングが急増!!

ドルインデックス投機ポジション202409
















ドルインデックスの先物市場では投機のロングポジションが急増している。
これが為替市場では次の波乱要因になってくるだろう。

まずはドルインデックスの基礎知識だが、通貨構成ではユーロ57.6%、円13.6%、ポンド11.9%と、この三通貨で全体の83%を占めている。
中国人民元は規制された通貨であり、この先物には含まれていない。

7月の円キャリートレードの崩壊では円高/ドル安が進んだが、同時にドルインデックスでも円キャリー崩壊の余波でドル安が生じた。
ドルインデックスでは7/2の105.4から8/27の100.4まで4.7%のドル安となった。
ドル円に連動してユーロドルでもドル安になり、インデックスで5%近いドル安だった。

これがそもそもの始まりだったのだろう。
FRBの利下げ期待もあるが、ECBの利下げ期待もあり、為替を決めるのはどちらが早く大幅な利下げをするかというだけで、取り立ててユーロ高が進む要因もない。
単にドル円に引きずられたユーロ高だった。

となれば、対円ではまだしも、対ユーロでのドル安は行き過ぎと投機筋が判断しても納得できる。
そこで投機筋はドルインデックスの先物でドルロングを急増させたというわけだろう。
先物ロング枚数は7月末の2万9973枚から8月末には3万7377枚を急増した。


これからどうなるのだろう?
ドル円相場にどう影響するのだろう?

おそらく、ドルインデックスは下げ過ぎで反発する可能性があるだろう。
最大の通貨構成、ユーロ高の行き過ぎは調整されるからだ。
でもその場合、ドル円にもドル高の影響が出てくるかもしれない。

ドル円の方向性で重要なのは、投機的な需給でのドル反発、日米金利差の変化による円高という二面性を持っている。
9月中旬のFOMCで利下げが継続して行われるという感触が強まれば、ドル円は将来の金利差縮小が円高要因になる一方、先物投機ポジションではドル高要因を含んでいる。

投機のドル高と金利差の円高がせめぎ合う展開、これがどうなるか?
これが目先の注目点だ。



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「売り超SQ」ポジション調整の始まりか?

裁定残(買い残ー売り残)はピーク圏!
裁定残202406
















先週のメジャーSQはここ数回のSQとは異なり、日経平均もTOPIXの「売りSQ」だった。
前回のSQまではイベントドリブン売買が活発で、特にオプションのショートスクイーズを狙った仕掛けがよく見られたが、今回は仕掛け的な動きも特に見られなかった。

何か変化が起こっているのだろうか?

上のグラフは裁定残(買い残ー売り残)だが、このポジションの裏側には海外投機筋のロングポジションがある。
海外でロングが作られ、NY時間で先物が上昇する、そして翌朝の東京で海外価格への「サヤ寄せ」が起こるが、その際の裁定取引の現物買いが裁定残に現れる。
海外投機筋の仕掛けが裁定残となって東京市場に出てくる、つまり、この裏側には海外投機筋の仕掛けポジションが存在する。

先週のSQが「売り超過」だったので、この裁定ポジションのいく分かはSQで解消されたかもしれないが、裁定買い残の水準は依然として高い。
SQ後の数字はもうすぐ発表されるはずだが・・・興味シンシンだ。
海外投機筋は肥大化したポジションに耐え切れなくなり、ポジション調整に動き出したと見ている。

では、東京市場にもポジション調整の動きが出てくるのだろうか?

下のグラフは信用残(買い残ー売り残)で信用取引を使う国内投機筋の動きを示している。

信用残(買い残―売り残)もピーク圏!
信用残202404
















日経平均は3月にピークを打ち、その後は上値の重たい横ばい状態が続いているが、その間も信用買いが増え4兆8000億円(ネットでは4兆円)に達している。
国内投資家が「押し目買いスタンス」にあり、強気で買い続けているからだ。

でも強気が行き過ぎてきたかもしれない。

下のグラフは信用倍率、信用買残/信用売残の比率で、倍率が上昇すればするほど強気が高まっていることを示す。
信用倍率は株価のピーク後に上昇してくる傾向があり、株価がピークを過ぎても投資家心理は強気のままで敏感には変化しないからだ。

信用倍率も強気ピーク圏!
信用倍率202406

















もう一つはプットコールレシオで、プットオプションの建玉をコールオプションの建玉で割った数字だ。
将来の株価上昇を予想するとコールオプションの建玉が増加し、プットオプションの建玉が減少する、つまりプットコールレシオが低下し、投資家の強気を占めている。
このレシオも直近で1.5まで低下し、投資家の強気心理が根強いといえる。


プットコールレシオも強気ピーク圏!
プットコールレシオ202406

















こうして海外投機筋の強気から国内投資家心理が改善し、株価がピークを打ったにもかかわらず上昇期待が非常に強い市場だといえる。
すでに投資家のポジション売買回転が止まりつつあり、ポジション損益が少しづつ悪化している。
にもかかわらず、強気心理が継続し押し目買いで信用残が増え続ける。
海外投資家が日本株を買わなくなっているのに、日本の投機筋が投機的な買いポジションを増やし続ける。

普通に考えればポジション調整が必要な局面だろうし、ポジション調整で株価が下落しやすいと考えるべきだろう。


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金価格が上がるのはなぜ?(4)中国の爆買い

中国外貨準備、米国債と金保有トン数
中国金保有202405

















「金価格が上がるのはなぜ?」というテーマで3回ブログを書いた。

ちょっと抜粋すると・・・
本来実質金利が高い局面では、
①株式、特に成長株のバリュエーション(PERなど)は抑えられる
②金利を生まない、あるいはコスト負担でマイナス金利になる「金」や「ビットコイン」は調整する
③米国のグローバル株と連動性の高い欧州株も上値が重くなる
・・・という傾向が出るのが投資の常識だった。
しかし、その常識に反して「金」は暴騰し史上最高値を更新し、「ビットコイン」も史上最高値を取り、ドイツ株など欧州株もNY市場を横目に急伸した。
これはファンダメンタルというよりも市場需給の問題だと考えた方がいい。


純経済的な視点からは、金価格は①ドル安局面で上がる、②金利低下局面で上がる、③あぶく銭の過剰流動性局面で上がるのが原則で、ドル高+実質金利高で上昇した理由がわからなかった。

実は、その理由は中国政府・人民銀行の米国債の大量売りと金の大量買いだった。
人民銀行は2018年には1.2兆ドルの米国債を保有していたが、その後順次売却を始め、現在8000億ドルまで減らしてきた。
FRBの引き締めで米国債価格は下落(長期金利は上昇)してきたが、その背後で中国が4000億ドル(およそ60兆円)もの米国債を売っていた。

その一方、金地金を大量買いを実行し、金保有を1950トンから2300トン程度まで大きく増やしてきた。
2022年11月以降「中国は金地金を買い続けてきたが、この5月に大量買いが終了した」(ブルームバーグ報道)という。

この大量の米国債売りと金地金買いは何を意味しているのだろうか?

一つは外貨準備の米国依存を引き下げたこと。
米中のデカップリングの中で、米国との関係を見直しているといえる。
米国が半導体やハイテク分野での中国を切り離そうとする一方、中国は逆に国際資金移動のネットワークの中でドル決済を引き下げようとしている。
こうした中で外貨準備でも米ドルのウェートを下げた、よりリスク分散に気を配ったということかもしれない。

もう一つは「金」という永遠不変の価値のある商品のウェートを上げたこと。
時代を越え、地域を越え、不変の価値のあるのが「金」であり、外貨準備の中で米国に依存しないことを評価したのかもしれない。

しかし、通常、外貨準備の「金」はNY連銀の金庫に保管される。
「金」は重いので輸送コストを考えたら、NY連銀の金庫に保管し取引の際はその名義だけを変更する。
中国人民銀行はどのようにして「金」を保管しているのかはよく分からないが、NY連銀の金庫ならばイザという時に米国に支配される。

いずれにしても「金」価格が異常に上昇した理由は中国であり、その買いが一巡してくると、金価格も原則に従って動くようになるのだろう。




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自社株買いって、効果あるの?

自社株買い2024









決算発表時期でもあり自社株買いを決める会社が増えている。
「自社買い」に対しては多くの誤解があるのではと思う。
投資家の多くは「自社株買いで株価が上がる」と思っているのは間違いない。
でも正確に言えば「自社株買いで株価が上がると思っている投資家が多い」、だから株価が上がるという「ケインズの美人投票」みたいなものだ。

日経CNBCの岡本氏は、「この5月に発表され実行された自社株買い企業の株価は必ずしも上がっていない」とコメントした。
発表直後に上昇し、その後自社株買いにもかかわらず株価が下落し「元の木阿弥」になった事例。
発表直後に上昇したがその後株価は横ばいで、自社株買いが利食い売りと相殺した事例。
発表後から株価が上がったり下がったりとギザギザした動きになった事例もあったという。

自社株買いの「株高効果」は「ケインズの美人投票」みたいなもので、投資家の多くが上がると考えれば上昇するが、それでもその株高効果には限界があるということなのだろう。
でも、ちゃんと考えると自社株買いには「大きな効果」がある。


話を簡略化すると・・・プライム時価総額900兆円、PBR1.5倍とすれば、自己資本はおよそ600兆円となる。
さらにROE(利益/自己資本)を9%とすれば、上場企業の利益総額は54兆円となる。

ここから自社株買いの効果を考えてみよう。

上場会社の自社株買い枠の設定は合計で9兆6000億円で、事業法人は22年の4兆4328億円、23年に4兆8523億円、24年1~4月に8637億円の買い越しを行っている。
これには持ち合い解消などの法人売りもあり、そうした売りを差し引いて4~5兆円を買い越しているというわけ、実際の自社株買いは5~8兆円の間にある。
自社株買い枠のすべて買うわけではないので、自社株買いネット金額は年間8兆円程度に達していると考えられる。

①株主への利益還元。

年間の自社株買いは8兆円とすると、利益の15%程度を自社株買いに当てている計算になる。
配当が平均的に利益の30%=16兆円あり、自社株買い8兆円と合計で年間24兆円の株主還元がある。
このおカネが企業の財務会計から投資家のフトコロに入る。
海外投資家が約10兆円、その他14兆円が国内投資家のフトコロに入ると計算できる。
個人投資家には2~3兆円程度だろうが、けっこう大きい金額だ。

②株価バリュエーションへの影響。

市場全体で8兆円の自社買いで発行株数は0.8%減少し、PERなどのバリュエーションはその分低下するころになる。
過去3年間で24兆円の自社株買いがあったとすると、2.6%の発行株数が減少しバリュエーションを2.6%割安にする。
割安になったからと言って必ず株価が上がるわけではないけど・・・

③投資家の運用資金が増えている影響。

ここにはあまり注目されていないが、株主還元(配当+自社株買い)が年間24兆円が投資家のフトコロに入り、投資家の投資余力はその分増える。
もちろん、投資家はそのすべてを再投資に回すわけではないが、半分としても毎年14兆円の運用資産が増えている勘定になる。
その分だけ市場へ再投資されるとしたら、市場需給関係を大きく改善させているのは間違いない。

自社株買いというと、直接株価が上げる効果やPERを低下させる効果を考える人は多い。
でも、直接の株価上昇になるケースもそうでないケースもある。
それ以上に大きな効果は、投資家への利益還元額が再投資に向かい株式需給を改善させていることだ。
投資家のフトコロが良くなれば、株価にもプラスになるのは間違いない。



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金価格が上がるのは、なぜ?(3)

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今年のグローバル市場を見ていて感じることは、米国株、特に大型成長株、GAFAやその他のIT株が高値圏で往来相場に入ると同時に、本来連動性が低いかゼロ相関であった「金価格」や「ビットコイン」が急上昇し、さらに景気懸念のあったドイツ株など欧州株が買われるという状況だ。

これは何を意味しているのだろうか?

本来実質金利が高い局面では、
①株式、特に成長株のバリュエーション(PERなど)は抑えられる
②金利を生まない、あるいはコスト負担でマイナス金利になる「金」や「ビットコイン」は調整する
③米国のグローバル株と連動性の高いドイツ株も上値が重くなる
・・・という傾向が出るのが投資の常識だ。

しかし、その常識に反して「金」は暴騰し史上最高値を更新し、「ビットコイン」も史上最高値を取り、ドイツ株など欧州株もNY市場を横目に急伸した。
これはファンダメンタルの変化というよりも現在市場の需給を示していると考えた方がいい。

FRBの引き締め政策でも余剰資金が吸収されていない。
特に米国主要都市でのオフィス需給の緩和、空室率の上昇により不良債権の増加が予想され、FRBは金融市場の流動性に意識せざるを得ない状況だ。
実際量的引き締めをしている(資金吸収)反面、リバースレポ残高を縮小させ(資金供給)、結局合計で見ると市場流動性は維持されている。

一方、労働市場も堅調で非農業雇用者数は30万人を越え、時間当たり賃金は前年比4%とCPIの上昇率を越えている。
3月CPIも増加し、総合で∔3.5%、コアで+3.8%となり、長期債市場が下落、10年債利回りは4.5%と上昇した。
株高で米景気がしっかりしいてる中で、資金がトータルで供給される、この流動性がいろんな市場に影響しているとみられる。

こうした投機的な資金が主力IT大型株から、他のターゲットに向っているという可能性がある。
年初来リターンではS&P500は+9.7%だが、アップルは-8.6%、テスラは-33.6%と下落し資金が流出し始めている。
GAFAに投資された資金がその一部とはいえ、他の資産に再投資されたと推測する。

さらに半導体関連ではNVDAが∔82.7%、ブロードコム+23.4%、AMAT+34.6%と絶好調だが、今後数年の利益を織り込みつつあるのかもしれない。
3月に入りさすがの半導体関連も高値圏での往来になった、これも一部に警戒感が出始め、その資金の一部を他に流出させたのかもしれない。

こうした米景気の堅調さと米国株の好調、それが資金を他の資産「金」「ビットコイン」「DAX株」に向かわせたと考えてもおかしくはない。
でも問題なのは、本来、GAFAなどの米国株と無相関であるはずの「金」や「ビットコイン」が結果的に米国株と順相関になったことだろう。
これは米国株が一旦のピークを付けると、他の資産もピークを打ってくる可能性を示している。
ちょっと注意が必要な局面に入ったのかもしれない。



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金価格が上がるのは、なぜ?(2)

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現在の市場には違和感を感じている。
それは実質金利が2%と高い中で、本来実質金利に逆に動く「成長株のPER」が同じように上昇し、金利を生まない資産である「金」が急上昇しているからだ。

実質金利が高いということは、おカネを借りてモノに投資しても割が合わない。
物価上昇以上の金利は通常、成長株PERを引き下げ、金価格を下落させる要因になる。
ところが、現在の市場では実質金利高にもかかわらず、成長株PERが上昇し金価格も上昇している。

これはなぜなのだろう?

実はこの1-3月期、それも3月に入ってから価格上昇が顕著になっているモノは他にもある。

金と同じように金利を生まないビットコイン。
ビットコインのマイニング報酬(ブロックチェーン上にブロックを生成する報酬)は4年に一度半分になる。
今年4月からこの半減期に入るのでビットコインの需給がタイトになることは事前に想定されていた。
この需給要因なのか、他に理由があるのかは分からないが、ビットコイン価格が急上昇、7万ドルと史上最高値を越えた。
ビットコインETFがスタートし機関投資家にも投資できる環境が整ったが、これ理由かどうかは不明だろう。
むしろビットコインの変動が一段と高くなり、ボラティリティが機関投資家が敬遠する要素にもなるからだ。
投機性が増しているので、投機的な売買が増えてくるのだろう。

欧州ではドイツ株、DAX指数が急上昇した。
DAX202404













DAX指数はドイツを代表する30銘柄で構成され、ほとんどはグローバル企業だ。
だから、基本的に米国の主要グローバル企業の動きに連動するはずだが、この3月は往来相場の米国株を横目にドイツ株が急上昇を記録した。
欧州でもECBが今年央以降に利下げが見込まれているが、それは米国株も同じ状況なはずだ。
今年後半に予想されている利下げだけでDAX指数が急上昇したとは考えにくい。


重要な点は、実質金利が高止まりしたままの局面で、米国株は高値圏でも往来に入り、日本株も往来相場の様相を強めている。
こうした局面で、欧州株、独DAX、仏CAC,、英FT100などに投機資金が分散されてきたのかもしれない。
同様に金や原油、ビットコインなどにも資金が循環しているのかもしれない。

金と株は基本的に無相関、ビットコインと株も連動性が低い。
それなのに最近は高い連動性を持っているように見える。

これがどういう意味を持つのかを次回考えてみたい。




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金価格が上がるのは、なぜ?(1)

金価格と実質金利
金と実質金利202403
















金価格が急上昇し、2300ドル/オンスの高値を付けている。
将来のインフレ期待を示しているとか、世界の地政学が一段を不安定化しているとか、中国・インドなどの新興国で金投資が過熱しているとか・・・いろいろな理由が言われている。

インフレ期待が背景にあるのはありえるかもしれないが、米国や欧州ではインフレは落ち着く方向でFRBもECBも利下げのタイミングを見ている状況だ。
今年に入ってインフレ期待が盛り上がてきたというのはちょっと違う。
原油価格がピクピクしているが、金はここ1か月で10%も上昇した、金の方が動きが大きい。
必ずしもインフレ期待とはいいにくい。

世界の地政学は厳しい状況は続いている。
ウクライナ戦争は一段と先行きが見えないし、ガサ地区のイスラエル侵略もネタニエフが徹底的にやるつもりだろう。
さらに「もしトラ」が現実化すれば一段とヤヤっこしくなる。
でもこれらのストーリーは半年前から変わらない、今、金価格が急上昇する理由とは考えにくい。

元々金が大好きなインド人、縁起の良いモノとして買いあさる中国人など新興国が買っているというのは事実だろう。
でもこれは歴史的にずっと続いていることで、今年になって急に金選好が高まったわけではない。
今、価格が急上昇している理由とも思えない。

今年に入っての金価格の上昇に何があるのだろうか?
筆者が違和感を持つのは「実質金利高」の局面での金価格の上昇であることだ。

金は生産の限定的な資産であり、その希少性から多くの人たちを魅了してきた。
でも金は利子を生まない資産で、保有しているだけでは保管コストがかかるマイナス金利の資産でもある。
そのため、実質金利が高い局面(インフレ以上の高金利)では、借金して金を買うとインフレ率よりも金利の方が高いので実質価値が目減りしてしまう。
金への経済的な保有動機が薄れてくるのは常識だ。


上のグラフは金価格と実質金利を比べたものだが・・・
2020~2022年の実質金利がマイナス(インフレ以下の低金利)局面で金価格は上昇した。
2023年のFRBの引き締め(実質金利の上昇)で金価格は停滞した。

ところが2024年3月には急上昇。
これをどう考えたらいいのだろうか?

これと同じような現象もみられる。
NASDAQのPERと実質金利のグラフ
NASDAQ
















実質金利が上昇する、インフレ率以上に高金利が起こる、モノへの投資の採算か悪くなる、会社への投資も採算が悪くなり、PERは低下する・・・と言う流れになる。
実際、2020年から2022年の実質金利のマイナス局面ではNASDAQ・PERは30倍以上で推移した。
2023年のFRB引き締め局面でPERが低下したものの、2024年に再びPERが上昇し30倍前後にある。

これをどう理解すればいいのだろうか?

これはじっくりと考えてみたいテーマだ。
次回に続く。



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何かの勘違い? 政策保有株の売りと自社株買い?

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元々「株式持ち合い」が悪者扱いされてきたが、最近では「政策保有株」が悪者になり始めている。
「持ち合い株」と「政策保有株」はどう違うのだろうか?

株式持ち合いは海外投資家に評判がとても悪い。
株式持ち合いは海外投資家に日本株式の保有を解禁した「資本の自由化」が進んだ昭和40年代、古い話で恐縮だが、外資の買収を懸念した企業ケイレツを中心にお互いに株式を持ち合い、経営者が買収から自分の身を守ろうとしたものだ。

海外投資家からすれば「持ち合い」は日本企業買収の大きな障害であり、非関税障壁として高らかに改善を要求し続けてきた。
銀行を含むケイレツ間の持ち合いは収益を生まない資本を膨らまし経営効率を引き下げてきたので、現在では多くの企業ケイレツで持ち合いは減少してきている。

一方、「政策保有」は異なる背景で進んできた。
例えば保険会社が事業会社株を保有し、その事業会社の保険を引き受けるというような場合がある。
また、銀行が融資先を確保するために企業の株式を保有する場合もあるだろう。
いずれにしてもこうした株式を使ったバーター取引のようなもので、こうした特殊な取引慣行が問題とされ、政策保有株は徐々に削減されてきた。

メガバンク勤務だった友人は、昔「持ち合い株」や「政策保有株」の売却担当をしていた時「売っても売ってもいくらでも株が残ってる」とその大きさを嘆いていた。
銀行は長期的に計画的に政策保有株を減らしてきた。
その一方、保険会社は顧客関係を重視したせいか、保有株がまだまだ多い状況だ。

最近では東証のせいか、政策保有株削減と自社株買いで資本効率が上がると保険株が買われている。
でも何か勘違いがありそうだ。
政策保有株の売却はその発行会社(顧客)の承認がいるので計画的に行う必要がある。
そもそも政策保有株売りを自社株買いで吸収するのは保険会社ではなく、顧客の事業会社が決めることだ。
計画的に進められるべき課題で一気に進むとは思えない。

持ち合い解消ならば会社間で連絡し合いお互いに納得すれば売却できるので話は簡単だけど、政策保有株は顧客の株式なので保険会社は売却すると顧客関係に影響するのを恐れてきた。
でも東証のお墨付きがあれば、迅速にできるのかもしれない。
でも何か日本的な感じ。
事業会社がこの保険会社の保有株売却を自社株で受ければ市場の需給的には中立だが、それは事業会社の判断でそんなに簡単に保険株を買うストーリーではないように思われる。



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年末の日本株需給は少しヤヤッこしいかも?

JPX











今年の年末にかけての日本株の株式需給は少しヤヤッこしいかもしれないと思う。
一つの要因は、投資家の損益が大きくバラついている可能性があること。
もう一つは来年初から新NISAスタート、現NISAからの移行で一時的に株式売却が生じる可能性があることだ。

まずは、投資家損益のバラツキについて考えてみよう。
下の一覧表は11月8日現在の年初来の主要指数パフォーマンスだ。

年初値 直近値 変化率
日経平均 25716 32166 25.1%
TOPIX 1868 2305 23.4%
プライム 961 1186 23.4%
スタンダード 986 1117 13.3%
グロース 904 881 -2.5%
マザーズ 712 689 -3.2%
直近値は11/8現在

①指数パフォーマンスのバラツキがなぜ年末需給に影響するのかを考えてみよう。

プライム指数とスタンダード指数の格差が10%、さらにプライム指数とグロース指数の格差は26%に達している。
これら指数を構成する個別銘柄の格差はさらに大きくなっているだろう。
機関投資家は大型株中心のポートフォリオなのでだいたい23~25%のリターンを得ているだろうと推測できる。

しかし、個人投資家はどんな市場の構成銘柄を保有しているかでそのパフォーマンスに大きな格差が生じているはずだ。
個人投資家は年末には税金対策でパフォーマンスの悪い銘柄を損切りする。
この年末の損切り売却が今年は通常年以上に大きく出る可能性がある。
特に大きく損した銘柄がその損切り対象になる。

②新NISAへの移行も需給を不安定にする可能性がある。

現行NISAは5年保有後に現金化するか/ロールオーバーするかを選択しなければならない。
現行NISAの保有商品をそのまま新NISAに移行することができない。
新NISAに移行するには一旦売却する必要がある。

新NISAは無期限に非課税運用できるので、もちろんロールオーバーも必要がない。
となれば、面倒くさい現NISAよりも新NISAで運用したいのは人情だ。
というわけで、ロールオーバーせずに一旦売却して新NISAに移行する投資家も多いのではないかと思う。

さらに新NISAは成長投資枠が年240万円と拡大するので、現NISAとは別に、従来から保有している株式を売却して新NISAに移行する投資家も多いと思う。
逆に、給料や貯金などのニューキャッシュだけで新NISAの枠を目一杯投資できる人は限定的かもしれない。
となれば、こうした新NISAに移行するための株式売却も出てくる可能性があると思われる。

「天底一致」が起こった後、だいたい3か月はトレンド逆転する。
基本的には来年1月までは金利の落ち着きとともに株式市場は強含みを見ているが、日本株は一時的に需給悪化の可能性も頭に入れておきたいところだ。




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信用や貸株を使わずに「空売り」する方法

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決算数字がザラ場で発表されると、株価が超高速で乱高下するケースが多く見られる。
ほんのチョッとした予想数字の未達でもガタガタに売られたり、予想通りの増益でも出尽くしで売られ、逆にボロボロの決算数字でも買われたりする場合も見かける。
資生堂がストップ安なんて想像もしなかったし、ホンダも円安がありながら急落、ニデックやソフトバンクも下がりっぱなし・・・

一体、何がどうなっているのか、常識的な理解を越えている場合さえある。

現代の株式市場では売買代金の7割は短期トレーディングによって構成されていると言われる。
彼らは「株式価値」なんて全く考えてもいない。
株価は単なる記号でこの集合体がインデックスというわけだ。
買いも売りも全く区別しないから、通常の投資家とは全く異なるポジションを取る。

彼らが席捲する市場では「買い」と同様の規模で「売り」がある。
長期投資家が日米ともにポートフォリオのリスクを減らす中、彼ら短期トレーディング業者が圧倒的な存在感になってきている。

「空売り」にはいろいろな規制があるが、彼らはそれを完全にスルーし好き勝手にショートできる。
「空売り」で下値を叩くことを禁じた「アップティックルール」が緩和され、今は「トリガー価格」以下で適用されているにすぎないが、「空売り」が規制対象であることは変わらない。

現物株の売りでありながら実質的な効果は空売りと変わらないトレーディングもできる。
たとえば、225先物売り/225現物ロングの裁定ポジションを持っていれば、現物売りで実質的な「空売り」ができる。
この裁定ポジションからトヨタ株を全売却すると、ポジションは225先物ショート/トヨタを除く224銘柄の現物ロングというポジションになる。
これは実質的にトヨタ株ショートと同じ効果を持つからだ。

より複雑に合成ショートを作ることも可能で、際どいトレーディング業者は様々なトリックを使う。
そうなると市場は「なんでもあり」の需給合戦となる。
これが東京市場の実態なのではないだろうかと思う。
毎日300~400円の値幅で乱高下する日経平均は、短期トレーディングがいかに市場を席捲しているかを示している。

長期投資家が市場に戻り、株式市場がトレンドを形成していくには、株価の落ち着きが必要だと思う。
逆に言えば、市場の過剰な動きが落ち着いた時、次の上昇相場が始まるのかもしれない。



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FRBのQT、米国の軍事支援、債券需給への影響

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金利の話題も多いが、だんだん「債券需給」の話が多くなってきた感じがする。
バイデン大統領の演説ではウクライナ支援600億ドル(9兆円)、イスラエル支援140億ドル、インド太平洋や台湾等、合計1000億ドル(15兆円)の追加予算を発表した。
この支援に伴う新規債券発行が債券市場の重石になるという市場関係者も出てきそうだ。

FRBは「利上げペースは鈍化させ、過去の利上げの効果を見る」と言っている一方、債券需給に直結する「量的引き締め、QT」を着々と進めている。
FRBの保有する米国債は、昨年末の5.5兆ドルから10月段階で4.9兆ドルへと約6000億ドルも減少してきている。
FRBは国債売却しているわけではないが、国債償還分を再投資しないことで保有残高を減らしている。

以下の表はFRBと日銀のバランスシート金額とその前年比増減だ。

FRB 前年比 BOJ 前年比
直近値 7.933 -7.2% 740.7 5.2%
Sep-23 8.002 -9.0% 740.7 8.1%
Jun-23 8.346 -6.4% 732.8 0.0%
Mar-23 8.705 -2.6% 734.8 -0.1%
Dec-22 8.551 -2.4% 703.9 -2.7%
Sep-22 8.795 4.1% 684.9 -5.4%
Jun-22 8.913 10.3% 732.7 2.2%
Mar-22 8.937 16.2% 735.8 3.0%
Dec-21 8.757 18.9% 723.7 3.0%
FRBは兆ドル単位、日銀は兆円単位

FRBのバランスシートの削減ペースが上がってきている。
前年比で見ると、2%台の減少ペースから7~9%の減少ペースに加速している。
少なくともFRBが新規に米国債を買わないことで債券需給に影響している分はある。

しかし、市場はそんなに単純ではない。
現在は過激な売りで下落しているので買った債券に含み損が出てしまうが、5%台の国債利回りは多くの投資家にとって魅力的な水準であることは間違いない。
価格が安定して含み損の懸念が小さくなれば、自然に債券を買いたい需要が出てくるだろう。

債券市場の中心にある米国債は世界の投資家が注目している。
底値を確認できれば債券需給は変化していくるだろう。


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FRBの量的引き締め加速化

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FRBの引き締めが最終局面に来ているが、バランスシートの動き=量的引き締めがこれから本格化しそうな感じになっている。
昨年の4-6月期まで年率10%以上の量的緩和を実行してきたFRBだが、その後は利上げとともに量的引き締めに転じている。

今年3月には米地銀の破たんという金融不安が生じ、一時的に流動性供給を増やして対応した。
でもその後は着実な量的引き締め路線に戻っている。
バランスシートの変化を前年比で見ると、今年6月以降、量的引き締めのペースが引き上がってきた感じがする。
それまで前年比2%台の縮小ペースから、6月に6%の縮小、8月直近値では7%台の縮小ペースに早まっているからだ。

FRB 前年比 日銀 前年比
直近値 8.101 -7.9% 748.5 9.2%
Jun-23 8.346 -6.4% 732.8 0.0%
Mar-23 8.705 -2.6% 734.8 -0.1%
Dec-22 8.551 -2.4% 703.9 -2.7%
Sep-22 8.795 4.1% 684.9 -5.4%
Jun-22 8.913 10.3% 732.7 2.2%
Mar-22 8.937 16.2% 735.8 3.0%
Dec-21 8.757 18.9% 723.7 3.0%
Sep-21 8.447 19.7% 723.7 4.9%
Jun-21 8.078 14.0% 716.9 10.5%
単位:兆ドル(FRB)、兆円(日銀) 直近値:米国は9月6日、日本は8月末

米国ではこのFRBの量的引き締めの加速化が時間とともに市場の流動性を抑えてくるだろう。
FRBのBSが8兆ドルを割り込み、このペースで進んでいくと7兆ドルへと縮小する来年前半は流動性の低下が顕著になってくる。
年内は金利のピークを巡って市場が動くが、来年になると市場の流動性縮小を巡って市場が動くことになる。
当ブログでは長期的にウォッチしていくつもりだ。

一方、日銀は10年債利回りの上限を1%まで許容したが、その途中途中で「国債買い入れ」を行っているので、バランスシートは拡大傾向にある。
植田総裁は緩和継続を証明しているような感じだが、現段階では10年債利回りで1%までを許容しているので特に量的介入する必要はない。

この日米の量的スタンスの違いは円安要因になり、市場のドル不足を進めてしまう。
ここで重要なのは、①日銀のゼロ金利の解除、FRBの引き締め終了、③円高への為替介入のトリプル政策だ。
この三点があれば、市場は一気に変化する、10~12月期のどこかで起こる可能性があると思う。




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「酒田五法」などの相場テクニックに直結する相場格言をより多く取り上げました。 当ブログでも使った「最後の抱き線は心中もの」、「遊びの放れは大相場」、「放れて十字は捨て子線」など、実戦で使える格言を多く解説しています。 ケイ線に興味のある方、テクニカル分析に興味のある方、是非一読をお勧めします。
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PERやPBRなどバリュエーションを理解し割安/割高の実践的判断の基に理論的な株式投資を解説します。 割安とは将来のリータンを示すのか、単に成長性がないというだけなのか、事例をもとに解説します。 株式投資の基礎として大切なもので、是非一読をおすすめします。
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