NASDAQ100の益回りと10債利回り

前回はS&P500益回りと10年債利回りが急接近し、バリュエーションの天井感がでてきていることを検証してみた。
その後、S&P500は5月末現在で4.68%で、10年債金利は現在4.4%とかろうじて益回りが高い状態を維持している。
これがS&P500のPERの上限を決めているのではないかと考えている。
長期金利4.4%が益回りの下限とすると、PERは23倍がS&P500の天井圏になる。
現在のPERは21.3倍で上限値の近い、微妙な展開だろう。
いずれにしてもFRBの金融緩和(長期金利の低下)がないとバリュエーションの天井が近いといえる。
でも、NASDAQは代表的大型株指数のS&P500と違い、成長力の高い市場で益回りと10年債利回りの関係も異なる(上のグラフ参照)。
NSADAQはGAFAMなど大型成長株が多く上場しているので、指数全体の成長性もS&P500よりも高い、その分、通常PERなどのバリュエーションも高い。
長期金利が上昇し始めた23年に長期金利が益回りを上回り「逆転状態」になった。
この状態だけを見れば「NASDAQは割高」と言えたが、成長力の高いNASDAQは何年か先の予想EPSを織り込んでいるともいえる。
NASDAQの1年後予想EPSは、22年末498ドル、23年末581ドル、24年現在678ドルと増加してきた。
22年末時点で益回り4.55%だったが、その1年先・23年末の予想EPSを織り込んでいたとしたら益回りは5.3%となり長期金利を上回っていたともいえる。
さらに23年末時点で益回りは3.46%と年末時点での長期金利3.88%を下回ったが、その1年後EPSを織り込んだ益回りは4.03%になり長期金利を上回っていた。
つまり、NASDAQはその成長性によって、その時点の1年先EPSではなく、2年先EPSを織り込んでいたわけだ。
成長株のPERは、より将来のEPSを織り込むんで形成される。
NASDAQの場合は2年先のEPS成長を織り込んでいるためにその時点の益回りは低くなってしまう、という事を頭に入れておくべきなのだろう。
だとしたら、現在のNASDAQのPER28倍も許容範囲といえるかもしれない。
2年先の予想EPSはNVDA中心にAIや半導体中心に伸びていくと期待を織り込んでいるのだろう。
それでは歴史のある優良株主体のNYダウではどうなのだろう?
NYダウ益回りと10年債利回り

NASDAQと比べたら全く違う状況になっている。
NYダウの益回りは低下傾向にはあるものの、現在5.2%程度と高い。
10年債利回りは4.4%で、0.8%も上回っている。
という意味ではバリュエーションの天井までにはかなりの余裕がある状態だ。
でもだからといってNYダウ採用銘柄が上昇するというわけではない。
確かに割安状態にはあるが、成長性の低さが織り込まれているだけかもしれないからだ。
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その後、S&P500は5月末現在で4.68%で、10年債金利は現在4.4%とかろうじて益回りが高い状態を維持している。
これがS&P500のPERの上限を決めているのではないかと考えている。
長期金利4.4%が益回りの下限とすると、PERは23倍がS&P500の天井圏になる。
現在のPERは21.3倍で上限値の近い、微妙な展開だろう。
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でも、NASDAQは代表的大型株指数のS&P500と違い、成長力の高い市場で益回りと10年債利回りの関係も異なる(上のグラフ参照)。
NSADAQはGAFAMなど大型成長株が多く上場しているので、指数全体の成長性もS&P500よりも高い、その分、通常PERなどのバリュエーションも高い。
長期金利が上昇し始めた23年に長期金利が益回りを上回り「逆転状態」になった。
この状態だけを見れば「NASDAQは割高」と言えたが、成長力の高いNASDAQは何年か先の予想EPSを織り込んでいるともいえる。
NASDAQの1年後予想EPSは、22年末498ドル、23年末581ドル、24年現在678ドルと増加してきた。
22年末時点で益回り4.55%だったが、その1年先・23年末の予想EPSを織り込んでいたとしたら益回りは5.3%となり長期金利を上回っていたともいえる。
さらに23年末時点で益回りは3.46%と年末時点での長期金利3.88%を下回ったが、その1年後EPSを織り込んだ益回りは4.03%になり長期金利を上回っていた。
つまり、NASDAQはその成長性によって、その時点の1年先EPSではなく、2年先EPSを織り込んでいたわけだ。
成長株のPERは、より将来のEPSを織り込むんで形成される。
NASDAQの場合は2年先のEPS成長を織り込んでいるためにその時点の益回りは低くなってしまう、という事を頭に入れておくべきなのだろう。
だとしたら、現在のNASDAQのPER28倍も許容範囲といえるかもしれない。
2年先の予想EPSはNVDA中心にAIや半導体中心に伸びていくと期待を織り込んでいるのだろう。
それでは歴史のある優良株主体のNYダウではどうなのだろう?
NYダウ益回りと10年債利回り

NASDAQと比べたら全く違う状況になっている。
NYダウの益回りは低下傾向にはあるものの、現在5.2%程度と高い。
10年債利回りは4.4%で、0.8%も上回っている。
という意味ではバリュエーションの天井までにはかなりの余裕がある状態だ。
でもだからといってNYダウ採用銘柄が上昇するというわけではない。
確かに割安状態にはあるが、成長性の低さが織り込まれているだけかもしれないからだ。
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