
トランプ2.0で考えている事が「相互関税」で見えてきた感じがする。
4月2日トランプの解放の日、米国への輸入関税を製品別、国別の関税率を公表した。
自動車、鉄鋼、アルミは25%
中国:10%の追加2回∔追加34%で合計54%
他には、EU:20%、 日本24%、韓国25%、台湾32%、ベトナム46%・・・
この数字を眺めていて二つの事が気になった。
①対中国のミリタリーバランスを回復させようとする意図。
中国軍は圧倒的な粗鋼生産と基礎素材の増強をベースに、軍艦や空母、戦闘機や爆撃機をものすごいスピードで増強している。
それに対して米国はIT産業こそ強いが鉄鋼生産もアルミなどの基礎素材の生産も、さらに半導体生産も海外頼みだ。
これを米国内に戻す、そのための鉄鋼・アルミの25%関税、台湾に32%もの関税を掛けるという意図を感じる。
USスチール買収はダメだが、日鉄の巨額投資を受け入れる方針には、国内の鉄鋼生産を増やしたいという思惑が見える
米国内の鉄鋼生産を急速に増やすことは軍艦や空母の増設、海軍力に直結すると見ているし、戦闘機の主要材料であるアルミも同じだろう。
さらに半導体もNVDAやAMDなど設計や販売では有力な企業があるが、実際の生産は台湾TSMCを中心としたサプライチェーンに頼っている。
この半導体生産を国内に戻す、そのために台湾に34%の高関税を掛け、TSMCに米国内の巨額投資を促す。
ITハイテク分野でも同じで、アップルのように85%も中国内のフォックスコン等で生産している。
トランプ1.0ではアップルは関税の適用除外だったが、トランプ2.0では例外が無さそうで株価も急落してしまった。
フォックスコンの親会社、台湾の鴻海も米国内の生産移管を考えるかもしれない。
これらすべてを考え合わせる時、米国の対中国ミリタリーバランスの回復が目的ではないかと思う。
②中国封じ込め戦略が見えてきたこと。
欧州の安全保障は根本的に変わりEUは自立して防衛にあたる、これはおそらく今後も変わらない。
問題はアジアの安全保障なのだろう。
東南アジア~南アジア~中東~アフリカの地域には一体一路で存在感を高めている中国がいる。
この地域で中国の第三国輸出を封じ込める。
そのためにベトナム46%、カンボディア49%、タイ36%、スリランカ44%という高い相互関税を掛ける。
これらの一体一路の関係国を迂回した輸出を許さない明確な方針だ。
中国本土からの輸出には54%の関税、迂回輸出にも40%程度の追加関税をかける、これによって中国の動きを制する。
中国は自分の影響力を高める地域で儲けようとするだろうけど・・・。
「トランプ解放の日」
関税政策を使って中国を封じ込め、米国の軍事力、その基礎となる生産力を抜本的に引き上げる。
と考えると、関税政策は簡単に変更されることはないかもしれない。
その分相場的には一時的なマイナスとなるが、これはトランプの手のひらの上でコントロールされる。
多くの評論家が世界景気の悪化で株はダメだというが、その分、利下げ期待で株価が底打ちするのだろう。
筆者は急落相場の基本は10日~13日で一巡すると見ている。
現在、急落8日目になり、ほぼ最終局面に入ってきている。
これは、売りたい投資家が売りたいポジションを売り切るのに10~13日はかかると思うからだ。
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