株山人の投資徒然草

大手運用会社をリタイアし、八ヶ岳に住む株山人の日記

大手運用会社をリタイアし、八ヶ岳に住む株山人の日記

株を職業にして38年、株式投資の楽しさを個人投資家に伝えたい。
Kindle版の「株式需給の達人(おもしろ相場格言編)」を出版しました。
既刊の「株式需給の達人(実践的バリュエーション編)」「チャートの達人」「個人投資家の最強運用」「株式需給の達人(基礎編)」「株式需給の達人(投資家編)」とともに一読をおすすめします。

投信ガラパゴス日本

投信ガラパゴス日本(販売会社編2)

運用会社の守らなければならない重要な受託者責任という言葉があるんじゃ。
これは「運用会社は投資家(顧客)の利益ために忠実に仕事をしなければならない」という責任と義務じゃ。
当然、不特定多数の投資家が買っている投信にも適用されておる。
しかし、販売会社である証券会社や銀行には受託者責任は及ばない。
投信ビジネスのテッペンに立つ証券・銀行には受託者責任がなく、好き勝手にできる、ここに多くの問題の根本にあると思うんじゃな。

いくつかの実例をあげてみよう。

第一に、販売手数料じゃ。
多くの場合、投信を買うと最初に販売手数料3%を取られる。
たとえば、100万円で投信を買うと最初に97万円の基準価格(評価額)から始まる。
販売手数料は運用会社(受託者責任がある)ではなく、販売会社(受託者責任のない)が自分で決めている。
その他に信託報酬(およそ1.8%)もあるが、およそその半分も販売会社に入る。
投信は証券・銀行にとって美味しい商品なのじゃ。

初年に合計5%近いコストがかかることが日本の特殊なビジネス慣行を作った。
まず、この高いコストをカバーするためにリスクの高い(高いリターンの見込める)商品を売らなければならないことじゃ。
日本国債のような低いリターンじゃ、5%のコストに見合わんのじゃな。
だから、もっぱら新興国債券や通貨といった高いリターンが見込める投信が乱発されたんじゃ。
もう一つは、利の乗った投信を利食いし、別の投信を買わせ、高い販売手数料を効率的に稼ぐために回転売買が横行したことじゃ。
投資家は一応利益を稼いだが、次の投信の高い販売手数料を払うことになる。
これも受託者責任がないため、好き勝手にやったことじゃ。ただし、最近では回転売買はご法度じゃ。

第二は、特に外国証券の仕入れじゃ。
英国現地法人にいた時債券の連中がウハウハしてたので聞いたら、投信向けの外国証券じゃった。
外国証券投信では、運用会社が直接海外で買う場合もあるが、証券会社に大量に仕入れてもらう場合が多い。
こうした場合、証券会社の海外支店で外国証券を大量仕入れをし価格を上乗せして東京に送り、外貨を円に直し為替手数料を上乗せし、さらに諸コストを上乗せし、運用会社に売る。
債券の連中がウハウハしてたのは、3度おいしいビジネスじゃったからじゃ。

第三に、カバードコールなどの相対取引じゃ。
カバードコールの付いた投信も多く販売されている。
上場オプションは期近しか流動性がないので、期間の長いオプションは証券会社に組成してもらう必要がある。
その場合、オプション価格はボラをどのぐらいに設定するかで大きく変わってくる。
しかもボラの基準がなくたいていは証券自身が勝ってに決めるので、自分が儲かるように設定するのは普通だ。
カバードコールの付いた投信では、実勢より低い価格でコール売りをしている可能性もある。
でも、これは外部からは全く見えない。

受託者責任のある運用会社には外国証券や相対オプションの評価を専門的に見ている部署があり目を光らせているが、概ね、妥当な価格というところまでしか判断できない。
残念ながら証券会社の内部で行われいていることまではわからないのじゃ。
しかし、最近では投信を見る目が厳しくなり、好き勝手にできなくなったのも事実じゃ。

投信ガラパゴス日本(運用会社編)

日本の投信ビジネスが特殊であるのは、投資家、販売会社、運用会社、監督当局、すべてがこの特殊な仕組みを作り上げてきたからじゃ。
投資家編では、日本の富裕層の土地持ちと預金過多がごくごく少額の高リスク投信を買うことでバランスを取っていると書いた。
販売会社編では、銀行や証券など販売会社が金融グループの頂点に立ち、販売サイドの事情がすべてに優先していることが歪みのもとにあると書いた。
そして運用会社編だが、これも金融グループの一子会社であることが大きく影響しているんじゃ。


まずは運用会社のトップ人事が金融グループ親会社に握られていることじゃ。
独立系の小規模運用会社を除いて、日本の大手運用会社はすべて金融グループの子会社だ。
三菱UFJ国際投信は三菱UFJグループ、アセマネONEはみずほグループ、SMAMはSMBC、日興アセットは三井住友信託、野村アセットは野村証券、大和アセットは大和証券、東京海上アセットは東京海上、大和住銀はSMBCと大和証券といった具合じゃ。
運用会社の社長はグループ人事で決まり、グループ役員が社長として運用会社にくる。
たいだい任期は3-5年程度なので、めまぐるしく、ぐるぐると変わる。
つまり、運用会社の社長はグループの意向に逆らえないし、経営改革するには任期が短すぎるという訳で、運用会社は旧態依然とした経営が続いてしまうリスクが高いのじゃ。
運用会社がため込んだ内部留保さえ将来の自社成長に使えず、親会社に配当として献上せざるをえない経営ではいつまでたっても親の言いなり経営から抜けられない。

次に強い現場(ファンドマネージャーやマーケティングなど)が運用会社の根幹だがそれも限界があることじゃ。
ファンドマネージャー、アナリスト、マーケティングなどの専門職は非常に強いプライドと受託者責任を感じて仕事している。
それが運用会社の基本にあり、競争力の源泉じゃ。
彼らは、取締役など経営陣を親会社からフラフラ降ってくる落下傘部隊と呼んでいる。
経営陣がどうであれ、自分たちが運用会社を担っているという自負があるからだ。
でも、所詮、彼らは雇われで自分たちが経営者になれるとは思っていない。
だから、そのモチベーションはどこかで限界に達してしまう。
それが大きな問題で、落下傘ばかりでなく、現場から経営に上がれる体制をつくる必要があろう。

もう一つは日本の運用会社の弱点と海外の運用会社に勝てない理由。
日本株、円債から各国ソブリン債までの運用は相当なレベルで自社運用が可能だが、新興国を含むグローバル株や海外企業の発行する事業債などの運用は自社では困難なところが多い。
これはグローバル運用の体制をつくるコストが高く、競争力のあるトラックレコードをつくる費用対効果が見込めないためだ。
となると、新興国の株・債券投信をつくるときは、海外の運用会社の商品を導入しなくちゃならない。
判断能力のない販売会社と海外の運用会社の間にたって、海外投信の目利きをしてアレンジするのが日本の運用会社の仕事になってしまった。
箱貸しのわずかな収益と引き換えにグローバル運用のできない運用会社になってしまっている。
これではいつまでたっても海外の運用会社をまともに競争できるレベルに達しない。

しかし、海外にはフェアで厳しい競争のある投信市場がある。
そうした市場に多くの日本運用会社も参加しており、運用の腕を競い合っている。
そこに将来の投信ビジネスのヒントがあるかもしれない。
この海外の投信市場についてはまた別途考えてみたいと思うんじゃな。

投信ガラパゴス日本(金融当局編)

日本投信はきわめて特殊に発展してきた。
しかも投資家、販売会社、運用会社、金融当局のそれぞれがこの特殊な投信ビジネスを育ててきたともいえるんじゃ。
日本のガラパゴス投信がどのような仕組みで成り立ってきたのかを考えるコラムの最終回。
金融当局編だ。

金融庁はここ数年大きく舵を切り欧米諸国で常識となっている原則を相次いで導入した。
英国の統合規範を手本にしたコーポレートガバナンスコードとスチュワードシップコードだ。
コーポガバナンスコードでは、上場企業に向けて株主権の保護や株主との対話、情報開示と透明性、取締役会の責務などの原則を・・・スチュワードシップコードでは機関投資家の受益者責任を明確にして、利益相反、経営者との対話(経営モニタリング)、議決権行使と結果の公表(定期報告)などが定められている。
いずれも罰則規定はないが実施しないとその説明が求められるので、ほとんどの上場企業、運用会社がこれにそったガイドラインを作った。

しかし、欧米の仕組みをそのまま取り入れても同じ効果を見込めない。
たとえば、次期社長を選ぶとしよう。
欧米企業では、まず株主の委託を受けて、取締役会(独立、社外が中心)が社内/社外の社長候補を比較検討し、次期社長を決め、最終的に株主総会で決定する。
社外取締役の広範囲の知見・人脈を利用して、株主にとって最適の経営者を登用する仕組みだ。
日本企業では社長は従業員のトップであり、現社長と少数の社内取締役が実質的に決める。
経営(監視)と執行(事業推進)がきちんと分離していないため、会社の不祥事や不正の隠蔽などが横行する。
欧米流のガバナンスを取り入れるなら、欧米企業の仕組みを取り入れないと難しい。

国内投信でも金融レポートを発表したり、金融庁の圧力が増している。
当コラムでも指摘したような、手数料が高く手数料控除後のリターンが低いとか、販売会社と運用会社の系列関係などが挙げられている。
そして、特に問題視しているのが毎月分配の投信だ。

4000円程度の基準価額の投信が20%の分配を出す・・・異常に高い分配じゃ。
そして毎月分配投信は、タコ足で自分が払い込んだおカネをもらっているだけだとか、高い分配で複利効果が全くないとか、分配金に税がかかるので無駄が多いとか批判される。
しかし、多くの高齢受益者にアンケートすると、年金不足を投信の分配金で埋めてくれるのでありがたいとか、元本部分は相続で親族のモノになってしまうが分配金は生きている間に自分が使えるのでありがたいという声をよく聞いた。

投資常識からいえば金融庁の言う通りだが、高齢者の事情を考えれば別にあってもいいと思うんじゃ。
欧米の仕組みや理論をそのまま日本に持ち込もうとしてもいろいろ矛盾がでてしまう。
お勉強のよくできる役人が形式だけでやると、手数料が安く効率的なインデックス投信だらけになる。
そうなると、投信のイノベーションが逆に停滞し、つまらない投信ばかりになってしまうんじゃないかとワシャ、危惧している。


投信ガラパゴス日本(特別編)

今まで日本の投信ビジネスを、投資家、販売会社、運用会社、金融当局のそれぞれの考え方や事情から見てきた。
高い販売手数料、新興国の株・債券を使ったリスクの高い投信、タコ足を含め高い分配金という日本の投信の特徴は、投資家、販売会社、運用会社それぞれの事情が優先されてきた結果だというのがワシの結論じゃ。

個人投資家は大半の個人資産を預貯金の安全資産で運用していて、わずかな部分でリスクを取った高いリターンを追求するという姿勢が強くみられる。
販売会社は高い販売手数料をカバーする高いリターンが見込める投信を積極的に販売する。
運用会社は販売会社(銀行・証券)が親会社であり、販売会社の事情にそった投信を作る。
これらが相まって現在の日本の投信ビジネスが成り立っているといえる。

金融当局もこのあたりの特殊事情をよく理解している。
しかし、欧米の投資家保護ルールやガバナンス規範をそのまま持ち込むだけでは、日本の事情に必ずしも合っていない。
金融当局の姿勢にそうと、日本の投信はコストの安いインデックス投信ばかりになり、運用会社のイノベーションを阻害していしまう。
この点で長期的に運用会社の運用能力を低下させてしまう懸念が残るのじゃ。

しかし海外には、各運用会社が運用能力を競う純粋に競争的な投信市場がある。
その市場には日本の運用会社も海外の運用会社も自由に参入でき、自分たちの最も自信のある運用で真っ向勝負をしている。
それが欧州にあるクロスボーダー投信(国を越えて流通している)の市場だ。
UCITS(ユーシッツ)というEUの投信規格に準拠しており、どこの国の投資家でも安心して投資できる投信ファンドだ。

もちろん日本株の投信も多く出ていて、総額1兆円を越える規模に成長している。
欧州の運用会社が運用する日本株ファンドもあるし、インベスコやテンプルトンといったアメリカの運用会社の運用商品も人気を集めている。
この欧州投信市場に日系の運用会社も大手の野村アセットをはじめ多くが参入して海外の運用会社とガチの勝負をしているのじゃ。

日本国内だと個人向け投信と法人向け投信は手数料から運用対象まですべて明確に異なっている。
しかし、UCITS投信市場は、大口法人向けの低い手数料、小口の個人向けのやや高い手数料などの異なる投信を一つのアンブレラ(傘)ファンドで運用できる。
同じファンドを個人も法人投資家もトレードできる、非常にフェアな投信市場だ。
国内ファンドマネージャーの何人もUCITS投信で切磋琢磨して運用の腕を磨いている。
競争のない国内投信ファンドマネージャーと根本的に違う。




投信ガラパゴス(1投資家編)

E55EEFBA-E3A0-454B-BCDA-BAE31ACE7B0C
















日本の投信はかなり特殊に展開されてきた。
投信に関して多くのの疑問が生じている・・・なぜ、「貯蓄から投資」がすすまないのか? なぜ個人向け投信なのに通貨選択が付いていたりカバードコールが付いていたりと高リスク投信ばかりなのか? なぜ販売手数料が3%と高いのか? なぜ同じような投信を各社から出してくるのか? なぜマゼランファンドのような旗艦ファンドが育たないのか?・・・・
今回は「投信ガラパゴス日本」として書いたブログをリメークして、この日本の投信のガラパゴス化を考えてみたい。

まずは、投資家から見た話だ。
日本の個人金融資産1800兆円のうち、投信100兆円とわずか5%強、株式10%弱で合計しても金融資産の15%にすぎない。・・・一方、アメリカ人の投信・株式/個人金融資産は50%弱、ヨーロッパ人のそれは25%と、比べて圧倒的に低い。
この数字から、日本人はリスクを取らないとか、運用を知らないとか、だから、投資教育が必要だとか、投信を買う制度を作れとか・・・・証券会社も銀行も政府も「貯蓄から投資」と大キャンペーン、金融庁ガイドラインを始めNISA,iDECOなど新制度を作った。

しかし、個人は本当にリスクを取っていないだろうか?
それを考える視点はいろいろあるが、まず一つは日本の資産家は土地持ちが多いこと。
しかも地価はバブルのピークから大きく下落、20年経ってやっと横ばいから底入れの動きで、多くの資産家がバブル崩壊で大きな打撃を受けた。
これは資産全体では土地に大きな割合を配分し、大きなリスクを取ってきたという証明でもある。
もう一つは金融資産の90%が現預金など元本保証もので、残りの10%で高リスク商品を買い、全体のリスクバランスを取ってきたことだ。
つまり、各種オプションが付いた、新興国株/債券/通貨や劣後債などを多く組入れた、流動性のないエキゾティックな商品を組入れた投信など、とても個人投資家向けとはいえない高リスク投信がどんどん売れたのは、90%元本保証があるからこそ過度な高リスク投信を買えた。

土地を組入れることで資産全体のリスクは大きく高まるし、金融資産のわずか10%でも高リスク投信を組入れれば金融資産ポートのリスクが高まるため、90%を預貯金など元本保証商品に入れてバランスを取ったというわけだ。
こうした超安全資産と高リスク資産の両極端な組合せは、その形になぞらえてバーベル型と呼ばれ・・・日本の個人投資家の大きな特徴であり、この事情が投信のガラパゴス化に大きく影響していると考えられる。

しかし、こうしたバーベル型ポジションは期待するほど儲からないことが多い。
100万円を運用すると想定して90万円を元本保証の預金(金利はほぼゼロ)に入れ、10万円で宝くじを買うバーベル型投資をするとしよう。
宝くじは数百万分の一の確率で百万倍になるものなので、ほとんどの場合、100万円が91万円(投資金額の10%は確実にもどる)になる。
これを毎年繰り返したら、ほとんどの場合、元本はマイナス9%で減り続けるだけで・・・高リスク投信は宝くじよりマシかもしれないが、こうした極端なリスクの取り方は合理的でない。
高リスク、ミドルリスク、低リスク商品にきちんと分散投資することで、それぞれのリスクの応じたリターンが得ることができ、資産全体のリターンも安定する。

親から引き継いだ土地などもあると思うが、個人投資家も資産全体のポートフォリオ、そのリスクとリターンを考えて金融商品を選ぶ時代がくると思われる。

投信ガラパゴス(2販売会社編)

FBE3793F-FED5-407A-906E-403261AC7A7D
















投信販売サイドのガラパゴスを考えるために、まず海外のファンドビジネスとの違いを見てみよう。
海外ではフィデリティ、ブラックロックなど運用会社が主導して投信ビジネスが展開され、運用会社が運用商品を企画・開発し、ファンド流通業者(ディストリビューター)に売り込み、IFA(独立投資アドバイザー)やファンドコンサルタントなどがファンドを評価し、個人投資家はファンドの評価を参考にして流通業者から購入するという通常の流れだ。
しかし、日本では証券会社や銀行が売れ筋の投信を企画して系列の運用会社に作らせ、できた投信を証券会社や銀行の支店で売る・・・販売会社である証券や銀行が主導して、投信の企画開発から販売まで一貫して行う系列内ビジネスだ。

海外のファンド販売の仕組みは、(1)海外では運用会社が自信を持って開発、長年運用してきた実績のあるファンドを売り込む、だから、トラックレコード(過去実績)があり質の高いファンドが販売される。
(2)海外では独立したファンド評価者が公平に評価したファンドが販売チャンネルに乗せられる。
これに対して日本では運用実績よりも売れ筋が重要視され、人気の出そうな投信を系列の運用会社に作らせて銀行や証券会社が個人に販売する。
だから
投資家から見ると、運用実績もよく分からない、ファンドの評価も不透明な、グループ系列内の投信を買わされているということになる・・・これが第一の問題点だ。

第二の問題点は、運用会社には受託者責任(投資家を保護する義務)があるが、販売会社には受託者責任がなく、その販売会社が親会社として投信ビジネスを仕切っていることだ。
投信購入時にかかる販売手数料3%は販売会社が受け取り、さらに信託報酬(およそ1.8%)の半分も販売会社に入るという証券・銀行にとって美味しい商品だ。
しかし、この高い投信のコストが日本の特殊なビジネス慣行=ガラパゴスを作ったともいえる。

第一に、この高いコストをカバーするために高いリターンの見込める高リスク商品を売らなければならない・・・だから、もっぱら新興国債券や通貨選択といった新興国や通貨といった高いリスクを取り高いリターンが見込める投信が各社で乱発された。
第二に、利の乗った投信を利食いし別の投信を買わせ、高い販売手数料を効率的に稼ぐために回転売買が横行したことだ・・・投資家は一応利益を稼いだが、次々と投信を買い高い販売手数料を払う。
これも受託者責任がないため好き勝手にできたことだ・・・ただし、最近では回転売買はご法度だ。
こうした販売会社の利益が優先され、高い販売手数料を正当化するため、投信には高いリターン期待が必要だったという事情が日本の投信のガラパゴス化を進めた。

さらに投信に外国証券を組み入れる際には、証券会社の海外支店で外国証券を大量に仕入れ価格をして上乗せし東京に送り為替手数料を乗せ運用会社に売るという流れで証券会社は収益を上げる。
カバードコールの付いた投信も多く販売されているが、期間の長いオプションは証券会社に組成してもらう必要があり、そこでも証券会社の収益になる。

要約すると・・・日本の投信は金融機関を頂点とする販売会社主導で推進されてきたため、販売手数料・運用報酬・組入れ証券の売買で金融機関の収益を最大化するような慣習が積み上げられてきた。
そのために受託者責任(投資家保護義務)のない販売会社が、高い手数料を正当化するため高い期待リターン(逆にリスクが高い)の投信が多く作られてきた。
これが海外の投信ビジネス(運用会社が中心の投信ビジネスで受託者責任がある)との大きな違いで、ガラパゴス化の要因の一つだろう。
しかし、この日本独特の慣行が近年大きく変わろうとしている。
ここに注目する必要があるだろう。



にほんブログ村



投信ガラパゴス(3運用会社編)

7972BB11-D039-44F8-AFBA-E0B30A163DAF
















ガラパゴス化した投信ビジネスは、個人投資家、販売会社、運用会社、規制当局などの様々な組織・個人が長い時間をかけて作り上げてきた特殊な慣行とシステムによって成り立っている。
前回は販売会社の側から投信ガラパゴスを見てきたが、今回は運用会社の側から見てみよう。

まずは運用会社のトップ人事が金融グループ親会社によって決まることだ。
独立系運用会社は別だが、日本の大手運用会社はすべて金融グループの子会社だ・・・三菱UFJ国際投信は三菱UFJグループ、アセマネONEはみずほグループ、SMAMはSMBCグループ、日興アセット(ちょっと違うところもあるが)は三井住友信託、野村アセットは野村証券、大和アセットは大和証券、東京海上アセットは東京海上といった具合だ。
運用会社の社長はグループ人事で決まり、グループ役員が社長として運用会社にきて任期3-5年程度でぐるぐると変わっていく。
運用会社の社長はグループの意向に逆らえないし、運用現場を経験していない社長が経営改革するには任期が短すぎるという訳で、運用会社は旧態依然とした経営が続いてしまうケースが多い。

次に強い現場(ファンドマネージャーやリサーチなど)が運用会社の根幹だがそれも限界がある。
ファンドマネージャー、アナリスト、マーケティングなどの専門職は非常に強いプライドと受託者責任を感じて仕事している・・・それが運用会社の基本にあり、競争力の源泉だ。
その彼らは社長や取締役などの経営陣を、親会社からフラフラ降ってくる落下傘部隊と呼んでいる。
経営陣がどうであれ、自分たちが運用会社を担っているという強烈な自負があるからだが、所詮、彼らも雇われで自分たちが経営者になれるとは思っていない。
それが大きな問題で、彼らの強いモチベーションもどこかで限界に達してしまう。
ビル・グロスやジョージ・ソロスのように自らの運用力で運用会社を成長させていく運用者は日本ではきわめて少ない。

もう一つはグローバル運用の体制をつくるコスト(高額報酬で一流ファンドマネージャーやアナリストを雇う)が高く、グローバル運用の規模が小さい運用会社では費用対効果が見込めないためだ。
となるとグローバル株・債券の投信をつくるときは、海外の運用会社の商品を導入しなくちゃならなくなる。
国内の販売会社と海外の運用会社の間にたって、海外投信の目利きをしてアレンジし国内投信として設定するのが日本の運用会社の仕事になってしまった・・・これは両者の間で投信という箱だけを作る「箱貸し」と呼ばれる。
大半の運用報酬は海外の運用会社に取られ、わずかな報酬と引き換えにグローバル運用のできない運用会社になってしまった。

こうした金融グループの傘下の運用会社には自ら経営改革していく経営体制はない、ファンドマネージャーやアナリストも優秀な人材はいるが将来運用会社を発展させるようなポジションには就かない、グローバル運用体制の構築ができないという運用会社の事情が投信ガラパゴス化を一段と進めてしまったように見える。

運用会社のレベルアップと金融グループからの独立が必要だが、なかなか難しい道のりだろう。
その点、独立系の運用会社は運用者=経営者で伸びていく可能性がある。
レオス・キャピタル、鎌倉投信・・・などなど、日本の投信ガラパゴスを変える存在になるかもしれないが・・・



にほんブログ村

投信ガラパゴス(4金融当局編)

964CB3AB-1DC3-486B-9AEC-B70D32260896

















金融庁は日本の運用業界が特殊な発展をしてきたことをよく理解しているからこそ、欧米諸国で常識となっている原則を相次いで導入した。
英国の規範を手本にしたコーポレートガバナンスコードとスチュワードシップコードだ。
コーポガバナンスコードでは、上場企業に向けて株主権の保護や株主との対話、情報開示と透明性、取締役会の責務などの原則を・・・スチュワードシップコードでは機関投資家の受益者責任を明確にして、利益相反、経営者との対話(経営モニタリング)、議決権行使と結果の公表(定期報告)などが定められている・・・そして、ほとんどの上場企業、運用会社がこれにそったガイドラインを作った。

金融庁が金融レポートを発表し、国内投信についても金融庁の圧力が増している。
販売や運用手数料の高さも指摘されているし、手数料控除後のリターンが低いとか、販売会社と運用会社の系列関係などの問題点も挙げられている。
ご指摘ごもっともという感じだが、問題は金融庁の言う通りにしていると、手数料の低い(ノーロード+低信託報酬)のインデックスファンドばかりになってしまう。
本当に、日本の投信業界はインデックスファンドばかりでいいのだろうか?
逆に金融庁のこうした行政指導が運用会社の創意工夫やイノベーションを妨げてしまうこともあるかもしれない。
NISAでインデックスファンドを買うだけの業界になったら、誰もイノベーティブな発想で面白い投信を作ろうなんて思わなくなってしまう。

たとえば、金融庁に問題視されている毎月分配の投信だ。
2000円程度の基準価額の投信が年800円の分配金、20%の分配を出したりしている。
そして毎月分配投信は、タコ足で自分が払い込んだおカネをもらっているだけだとか、高い分配で複利効果が全くないとか、分配金に税がかかるので無駄が多いとか批判される。
でも、多くの高齢受益者のアンケートでは年金不足を投信の分配金で埋めてくれるのでありがたいとか、元本部分は相続で親族のモノになってしまうが分配金は生きている間に自分が使えるのでありがたいという声をよく聞いた。

投資常識からいえば金融庁の言う通りで、タコ足配当は永続的でないので問題はある。
だが、高齢者の事情を考えれば投資理論がすべてではないだろう。。

欧米の仕組みや理論をそのまま日本に持ち込もうとしても、投信ガラパゴスの投資家編・販売会社編・運用会社編で書いてきた通り欧米とは投信業界の生い立ちが違い、全く同じにはならない。
役人が形式だけでやると、手数料が安く効率的なインデックス投信だらけになる・・・それが本当に投資家のためになるのだろうかとも思う。
それより日本の金融事情にあった、日本の投資家のニーズにそった投信のイノベーションが日本の投信ガラパゴスを変えていくのではないだろうか?
金融の常識で縛り付けるのではなく、業界の自由度を高めることでイノベーションを刺激し、日本の投資家に合った投資を広げていくことも大切なのではないだろうか?






にほんブログ村

7月の投信販売の示唆するもの

A251039E-CDA4-4C61-A58C-DD2216C35B3A
















7月の投信販売をモーニングスターが集計している。
公募投信全体では363億円の資金流出だが、興味深い結果もいくつかある。
7月はNY市場が新高値を更新し比較的株式が強く、円ドルも107~108円/ドルで安定していた時期にもかかわらず、国内株式投信から829億円の資金が流出し、国際株式投信からも329億円が流出した。
個人投資家にはNY市場の高値警戒感が強く、しかも為替も円高に振れる感覚があったのかもしれない・・・そして、この予想は8月に見事に当たる。
さらに国内債券投信からも576億円の資金が流出した。
投信会社や証券会社には厳しい結果となっている・・・手数料の高い投信を販売して利益を上げるビジネスモデルは本当に終わってきた。

もう一つの重要なポイントは、バランス型投信に1186億円も流入があったことだ。
バランス型は、国内外の株式、国内外の債券などの分散投資をする投信で、iDeCoやファンドラップなどで組入れのが人気の原因だ。
iDeCoなどは毎月定額で資金が入ってくるので、毎月毎月純増していく・・・資産が純増する投信は市場に大きな影響を与える。
iDeCoの加入者数も毎月3万人程度のペースで増加し、6月には127万人となった。
127万人の加入者は毎月3万円を積み立てるとしたら、毎月400億円が入金されることになる・・・その資金がバランス型やインデックス型の投信に向かうわけだ。
このペースでiDeCoの加入者が増えていくと、おそらく数年後には300万人ぐらいに増えていく・・・となると、毎月1000億円程度の資金が投信に入ってくるだろう。

iDeCo以外では、NISAやファンドラップなどもバランス型投信の資金増に貢献しているだろう。
非課税のNISAの資金の増加しており、特に20年の積み立て投資ができる「つみたてNISA」は年金商品に準じるスキームなので安定的に資金が流入する。
しかし、証券会社が販売に力を入れているファンドラップは筋が悪い・・・投資家は気を付けるべきだろう。

また、7月の投信販売では国内REITに210億円、国際REITに235億円が流入した。
東証REIT市場は時価総額が15兆円程度の小さい市場なので、こうしたREIT投信の人気が市場価格に波及し東証REITが上昇したといえる。
さらに日銀もETFを定期的に購入しているので・・・・こうした着実な買い手がいることが波乱相場には心強い。



株式需給の達人 (投資家編))

興味のある方は以下のURLからアクセスしてください。
https://www.amazon.co.jp/dp/B07VW66RCN/ref=cm_sw_em_r_mt_dp_U_5NdqDbDN159VD

株式需給の達人(基礎編)

興味のある方は以下のURLからアクセスしてください。
https://www.amazon.co.jp/dp/B07TFM4GNL/ref=cm_sw_em_r_mt_dp_U_2UadDbTW8SSZM




にほんブログ村


最も残念な投信会社 of the Year

25D29A98-2DE9-4A09-ADC5-CD57E81D0560

















投信は元々インチキなところのある商品で、投信会社や販売会社は自分の収益を上げるために投信を販売している。
それでも良心が残っていて、投資家にも収益を還元したいと思っている。
でも、時には酷すぎると思う投信もある。

その残念な投信of the Yearが日興アセットだ。
運用・販売している「デジタル・フォーメーション・ファンド」、「グローバル・プロスペクティブ・ファンド」、「グローバル・フィンテック・ファンド」は非常に残念な投信だった。

1月7日に日興アセットのHPで「1月6日の基準価額の下落について」という説明をしている。
日興アセットは、これらのファンドを「ARKインベストメント」に運用委託している。
なので「デジタル・フォーメーション(DX)」も「プロスペクティブ」も「フィンテック」もすべてARK社に丸投げしている。
この日興アセットの説明の中で、6~7%の基準価額が下落したことを説明しているが、その最大の説明がNASDAQの3.3%の下落だったとしている。
これじゃ、全く説明になっていない。
なぜ、NASDAQが3.3%下落し、ファンドの基準価額が6~7%も下落したのか?
ちゃんと説明していない。

実はこの「ARKインベストメント」という運用会社は、ブルームバーグなどではARKが運用するETFのパフォーマンスの悪化がずっと前から問題視されていた。
こうなるとパフォーマンスが多少回復しても投資家の戻り売りや売却が増えてくるので、パフォーマンスが大きく回復するのは難しくなる。
キャシー・ウッド氏というカリスマ・ファンドマネージャーがリードする運用会社だが、大きな困難に直面し、このまま、衰退していく可能性もゼロではない。

こうしたキャシー・ウッド氏の評価をきちんと顧客に伝えているのか疑問を感じる。
過去1年の基準価額の下落は、「プロスペクティブ」で-26.3%、「デジタルフォーメーション」で-22.9%、「フィンテック」でー19.2%と、軒並み2割かそれ以上の下落だった。
S&P500が年26%もぶっ飛び、NASDAQも年21%も上昇した強気相場にあって、この成績は普通ありえない。

デジタル・フォーメーション、パースペクティブ、フィンテック、エクスポネンシャルとテーマを次々と変え、同じ中身のファンドを売りまくる・・・その儲けたい精神にガッカリさせられる。
最も残念な運用会社 of The Yearに日興アセットを挙げたい。



ブログランキングに参加しています。
プチっとお願いします!!


実戦的バリュエーション   興味のある方は以下のURLからアクセスしてください。


https://www.amazon.co.jp/dp/B08G8MD1YY/ref=cm_sw_em_r_mt_dp_Uy5tFbPATARV5

チャートの達人

https://www.amazon.co.jp/dp/B08G8MD1YY/ref=cm_sw_em_r_mt_dp_Uy5tFbPATARV5


個人投資家の最強運用
https://www.amazon.co.jp/dp/B0874QPNDG/ref=cm_sw_em_r_mt_dp_U_YO9LEbX6VWKB0



株式需給の達人 (投資家編))

https://www.amazon.co.jp/dp/B07VW66RCN/ref=cm_sw_em_r_mt_dp_U_5NdqDbDN159VD



株式需給の達人(基礎編)

https://www.amazon.co.jp/dp/B07TFM4GNL/ref=cm_sw_em_r_mt_dp_U_2UadDbTW8SSZM






にほんブログ村   

日本株投信は「シャープレシオ」「集中投資」で選ぶ

ETF








モーニングスターが投信の年間優秀賞を発表した。
2021年はアクティブ投信に4.8兆円、パッシブ投信に2.6兆円と合計7.4兆円と巨額の資金流入があったという。
リーマン危機の前2007年14兆円の資金流入を記録して以来の巨額流入だ。
国際株式型が人気で3兆円の資金流入だったので、国内株式やREITなどのオルタナ型にも1兆円以上流入している。

モーニングスターは国内株式型897本が対象で、最優秀賞に「トヨタグループF(三井住友DS)」、優秀賞に「情報エレクトロクスF(野村)」「三菱U日本株35」「コモンズ30」「企業価値成長小型(アセマネONE)」「One国内株オープン」が選ばれた。

トヨタFは投信とはいえ、トヨタ・デンソー・アイシンの3銘柄を保有すれば同様のリターンが得られるので別として・・・
他の国内株投信の中身は悲惨だ。
「コモンズ30」と「One国内株オープン」の2投信は合格だが、それ以外はダメだ。

まずデータで確認してみよう。
        1年              3年年率
      リターン リスク シャープR リターン リスク シャープR
One国内株  8.59% 13.46% 0.64    13.10% 17.68% 0.74
コモンズ30 7.30  14.36  0.51    12.11  16.33  0.74
情報エレク  3.94  15.97  0.25    27.52  19.42    1.42
三菱35   2.53  14.43  0.18    17..77  19.66   0.90
企業価値  -11.75   26.54 -0.44    22.65   27.01   0.84

投信を選ぶとき、重要なのはシャープレシオ(リターン/リスク)。
限定されたリスク(リターンの標準偏差)でより高いリターンを上げるのがファンドマネージャーの腕の見せ所だ。
投信の質はこのシャープレシオで決まると言っていい。
このシャープレシオが0.5以上でだいたい合格点となる。
取ったリスクの半分のリターンを上げれば平均点以上といえるからだ。

この優秀ファンド5本はいずれも3年年率では合格点だが、1年となると「One国内株」と「コモンズ30」のみが合格点だ。
ということは、国内株投信897本の中で1年と3年の両方でシャープレシオ0.5以上を取った投信はこの2本だったということだ。
運用会社のアクティブ能力がシャープレシオに出る。
これを短期でも中期でも0.5以上を確保している投信を選ぶべきだ。

もう一つ重要な点は、日本株では30~50銘柄ぐらいの集中投資をしないと、十分なアクティブ・リターンを取れないということだ。
「One国内株」は保有銘柄数を制限していないが、「コモンズ30」「三菱UFJ35」とか銘柄数を絞ってリターンを追求している。
これは個人投資家にとっても重要な示唆になるだろう。
銘柄数を絞ってリターンを取りに行く姿勢が大切だ。

それにしてもこの1年パフォーマンスがマイナスの「企業価値成長小型株(アセマネOne)」が優秀ファンドなのだろうか?
さらにトヨタグループのご当地ファンドとしてスタートした「トヨタグループファンド」が最優秀って大きな違和感がある。
モーニングスターの評価って何の意味があるのか不思議でならない。



   ブログランキングに参加しています。
プチっとお願いします!!


実戦的バリュエーション   興味のある方は以下のURLからアクセスしてください。


https://www.amazon.co.jp/dp/B08G8MD1YY/ref=cm_sw_em_r_mt_dp_Uy5tFbPATARV5

チャートの達人

https://www.amazon.co.jp/dp/B08G8MD1YY/ref=cm_sw_em_r_mt_dp_Uy5tFbPATARV5


個人投資家の最強運用
https://www.amazon.co.jp/dp/B0874QPNDG/ref=cm_sw_em_r_mt_dp_U_YO9LEbX6VWKB0



株式需給の達人 (投資家編))

https://www.amazon.co.jp/dp/B07VW66RCN/ref=cm_sw_em_r_mt_dp_U_5NdqDbDN159VD



株式需給の達人(基礎編)

https://www.amazon.co.jp/dp/B07TFM4GNL/ref=cm_sw_em_r_mt_dp_U_2UadDbTW8SSZM






にほんブログ村    

ESG投資は儲かる?(1)

CBFABCB5-5E81-45EE-A903-D92FBD3A275D

















ESG投資は欧州の機関投資家の間で流行ったスタイルだ。
昔はESGというより社会的責任投資(SRI、ソーシャル・リスポンシビリティ・インベストメント)という投資スタイルだったが、それが拡張されたものだ。
ESGは「E]環境、「S]社会的責任、「G]企業ガバナンスの三つ。
これを投資基準にすることで、社会的に貢献する投資をアピールしているわけだが、実は投資のリスク/リターンからはハズれた投資スタイルで「こんなんじゃ、儲からないでしょ」というものでしかなかった。

2000年以降でSRIが有効でパフォーマンスが上がったのは欧州株式だけだった。
日本でも環境関連株投信、環境ファンドが多く設定されたが、一時の話題性だけで数年後にはパフォーマンスが上がらず残高もジリ貧になってしまった。
元々、ガソリン垂れ流しのビッグカーが好まれる米国では、環境意識はあまり高まっていなかった。

何故、ESG投資は儲からなかったのか?

第一の理由はSRIにしてもESG投信にしても、一種のテーマ型の投信にしか過ぎなかったからだ。
テーマ型投信は、一つのテーマに合わせた銘柄選択しかできない。
そのため、株式市場のトレンドが変わると、その物色変化に対応できずボロボロになる。
ESGに限らず、ロボットでもAIでもテーマは必ず陳腐化してしまう。
株式市場の物色の流れは激しく、だいたい3か月から6か月で循環していくのは普通だからだ。
テーマ投信を企画して、運用の準備して、投信を設定して、顧客に投信を販売する頃には物色が変化しているという場合も多い。


第二の理由はESGは企業にとってコストの増加になることだ。
たとえば、アフリカから鉱物資源を輸入している会社を想定してみよう。
輸入先のアフリカの会社が幼い児童に過酷な労働をさせている場合、ESG原則に引っかかり、そこで是正をしてもうらうか、サプライチェーンから外すかということになる。
さらにESG原則に沿うための調査にも費用がかかる。
企業はESGに力を入れるほど、コスト増加に見舞われ、利益率を引き下げてしまう。

でも、最近は地球温暖化が激しく、世界各地で毎年のように異常気象に見舞われ、台風やハリケーンの被害が増え、逆に山火事や熱波が問題になる地域も増えている。
多くの人たちが温暖化、CO2の排出などに敏感になり、ESGに賛同する。

株式市場でも流れが変わった。
より多くの投資家がESGに賛同すればするほど、テーマとしてのESG投信におカネが集まる。
集まったおカネが市場の関連銘柄に流れる、その結果、関連株の株価が上昇する。

データも集まってきているので、ESG投資おパフォーマンスやリスクを検証してみたいと思う。
日本の投信、米国のETF、できる範囲で検証してみたい。
まずは日本の代表的な年金基金、GPIFのESG投資を見てみよう。


興味のある方は以下のURLからアクセスしてください。
実戦的バリュエーション

https://www.amazon.co.jp/dp/B097MY83XZ/ref=cm_sw_em_r_mt_dp_BMX1VST198R56XWPHT2S

チャートの達人

https://www.amazon.co.jp/dp/B08G8MD1YY/ref=cm_sw_em_r_mt_dp_Uy5tFbPATARV5


個人投資家の最強運用
https://www.amazon.co.jp/dp/B0874QPNDG/ref=cm_sw_em_r_mt_dp_U_YO9LEbX6VWKB0



株式需給の達人 (投資家編))

https://www.amazon.co.jp/dp/B07VW66RCN/ref=cm_sw_em_r_mt_dp_U_5NdqDbDN159VD



株式需給の達人(基礎編)

https://www.amazon.co.jp/dp/B07TFM4GNL/ref=cm_sw_em_r_mt_dp_U_2UadDbTW8SSZM






にほんブログ村    

投信で大儲けしたのは誰?(1.投信は儲かったか?)

IMG_0287


















個人投資家は日本の投信に満足しているのだろうか?
投信を企画し運用してきた「お前が言うな!!」とお叱りを受けそうだが、自分でも満足な投信ビジネスをしてきたという自信はまるでない。
でも金融業界が投信で大儲けしてきたのは間違いない。


21世紀が始まる頃、野村證券の「日本最大の日本株投信、戦略ファンド」が発売された。
これが凄まじい販売状況でスタート時点で8000億円、最大時には1兆円ファンドを越えたと記憶している。
野村証券の販売力をまざまざと見せつけたシンボルのような「戦略ファンド」だったが、時間が経つにつれて存在感が消えて行った。
でもその後、いつの間にか消えてしまった。

国際投信の「グローバル・ソブリン・オープン」もよく売れたファンドだった。
名前の通り世界の国債・ソブリン債で運用する債券ファンドだったので、個人投資家には安心感があり4兆円規模の巨大ファンドに成長した。
人気になると販売会社が次々を増えていき、雪だるまのように運用残高が拡大した。
でもいつの間にか消えて行った。

その他にも「毎月分配型」が人気になり、多くの運用会社が投信設定した。
毎月分配型は毎月分配金を受け取れる投信で、特に高齢者にとっては不足する年金の補てんとして活用されたように思う。
筆者のいた運用会社でも「(毎月分配型の)短期豪ドルファンド」が人気になり、残高1兆円を越えた記憶がある。
分配金の原資が枯渇し、分配金が減らせざるを得なくなり、縮小していった。
「毎月分配型」はそのスキームにも「たこ足分配」という問題があり消えてしまった。

不思議に思うのは、人気になり巨大化した投信ファンドの多くは金融業界に大きな利益をもたらしたが、その後数年で消えて行ってしまったという事実だ。これはなぜなのだろうか?

この「なぜ?」から話を始めてみたい。
次回は運用会社の屁理屈を考えてみたい。




相場テクニックとして「酒田五法」格言をはじめ、相場格言の現代的活用や実戦のための本
株式需給の達人格言編


https://www.amazon.co.jp/dp/B0BBQM526Y


PER・PBRなどのバリュエーションを実戦でリターンを上げることを主題として解説した本
実戦的バリュエーション

https://www.amazon.co.jp/dp/B097MY83XZ/ref=cm_sw_em_r_mt_dp_BMX1VST198R56XWPHT2S

過去の株価というだけのでチャート、これを市場心理の分析道具として実戦で使うことを目標に解説した本
チャートの達人

https://www.amazon.co.jp/dp/B08G8MD1YY/ref=cm_sw_em_r_mt_dp_Uy5tFbPATARV5


正確なパフォーマンス計測から運用は進化する、自分の弱点の分析によって運用能力を引き上げる本
個人投資家の最強運用
https://www.amazon.co.jp/dp/B0874QPNDG/ref=cm_sw_em_r_mt_dp_U_YO9LEbX6VWKB0



ソブリンファンドや年金ファンドなど海外の巨大運用機関の訪問記、市場を理解するのに役立つ本
株式需給の達人 (投資家編))

https://www.amazon.co.jp/dp/B07VW66RCN/ref=cm_sw_em_r_mt_dp_U_5NdqDbDN159VD


需給はすべてに先行する、株式需給を分析するための基礎知識を中心に解説した本
株式需給の達人(基礎編)

https://www.amazon.co.jp/dp/B07TFM4GNL/ref=cm_sw_em_r_mt_dp_U_2UadDbTW8SSZM






にほんブログ村  

投信で大儲けしたのは誰?(2.運用会社の屁理屈)

IMG_0336

















日本の金融業界は、銀行を頂点とするコングロマリットだ。
メガバンクが金融界の頂点に存在し、銀行業務、証券業務、投信運用業務、クレジットカード、ネット金融・・・すべてを取り扱っている。
証券界は「銀行と証券の分離」の下に独立して経営されてきたが、バブル後の金融再編で銀行傘下に下り、野村證券と大和証券が証券専業として生き残っているだけだ。

投信ビジネスは大きく儲かる「キャッシュ・カウ(カネを生む牛)」だった。

まずは、投信は販売手数料で3%、信託報酬で1%前後と圧倒的に手数料が高いこと。
もともと大手証券の独壇場だったが、ここに目を付けたのがメガバンクだ。
メガバンクは証券会社や投信運用会社を次々に買収し、この儲かる投信ビジネスに参入した。
巨大化は銀行の理屈①だし、その後の失敗は運用能力不足②だった。

①巨大ファンドを作れば、投信収益も巨大化する。

戦前の大艦巨砲主義主義に近いが、巨大ファンドを売れば巨額の販売手数料が入り、毎年確実に信託報酬が手に入る。
しかも管理費用は大きくても小さくても同じ、つまりコストが抑えられ収益性が飛びぬけて高くなる。
野村の戦略ファンドが莫大な収益を上げたことを横目に見て、メガバンクは巨大投信ファンドを作り大儲けを目指した。

国際投信の「グロソブ」はこうした金融機関の思惑が重なり、メガバンクから地銀まで巻き込んだ銀行主導の巨大投信となった。
投資先は世界各国の国債やソブリン債に投資するので、個人投資家には大きな安心感があった。
これは銀行マンも一緒だ。
株式の変動リスクに不慣れな銀行マンは株式投信を売るのにビビっていたが、「グロソブ」なら大丈夫だと信じ、のめり込んでいった。
その結果4兆円規模の巨大ファンドになった。

②日本の運用会社にはグローバル市場での運用能力がなかったことだ。

世界各国のグローバル国債やソブリン債での運用さえ十分なりターンが上げられなかった。
なぜか?
バイ&ホールドだけではこの低金利環境でリターンを上げられないのは明白だからだ。
債券運用ではイールドカーブの急なロールダウン効果でリターンを加速させるなどのテクニックが必要だが、こうした運用技術がない日本の運用会社はクーポン収入(表面金利)だけ、しかも低金利環境でクーポン収入も減少してしまった。

こうして巨大ファンドがどんどん縮小してしまった、グローバルな運用能力の不足が巨大投信の限界でもあった。
国内の低金利・低収益環境を脱し、グローバルに出たものの運用能力不足に直面した。
そして、海外運用会社に再委託してグローバル系のファンドを国内投信の形で販売することになった。

この10年の流行したグローバル投信は、すべて海外運用会社に再委託したファンドだ。
グローバル運用能力のない運用会社が実態で、これを隠しなんとか屁理屈を付けてグローバル投信ビジネスを行っているのが現代の金融業界だ。
日興アセットのアークインベストメントに再委託した投信なんかは典型例だ。
信託報酬を2%近くまで引き上げ、1%以上の再委託フィーをアークインベストメントに払っている。
この高い信託報酬(再委託フィーを含む)を支払っているのは投信を買った個人投資家だ。

銀行都合で投信を巨大化させ、運用能力不足を「再委託」で屁理屈を付けてゴマかした。
これが日本の金融界の実態だ。



相場テクニックとして「酒田五法」格言をはじめ、相場格言の現代的活用や実戦のための本
株式需給の達人格言編


https://www.amazon.co.jp/dp/B0BBQM526Y


PER・PBRなどのバリュエーションを実戦でリターンを上げることを主題として解説した本
実戦的バリュエーション

https://www.amazon.co.jp/dp/B097MY83XZ/ref=cm_sw_em_r_mt_dp_BMX1VST198R56XWPHT2S

過去の株価というだけのでチャート、これを市場心理の分析道具として実戦で使うことを目標に解説した本
チャートの達人

https://www.amazon.co.jp/dp/B08G8MD1YY/ref=cm_sw_em_r_mt_dp_Uy5tFbPATARV5


正確なパフォーマンス計測から運用は進化する、自分の弱点の分析によって運用能力を引き上げる本
個人投資家の最強運用
https://www.amazon.co.jp/dp/B0874QPNDG/ref=cm_sw_em_r_mt_dp_U_YO9LEbX6VWKB0



ソブリンファンドや年金ファンドなど海外の巨大運用機関の訪問記、市場を理解するのに役立つ本
株式需給の達人 (投資家編))

https://www.amazon.co.jp/dp/B07VW66RCN/ref=cm_sw_em_r_mt_dp_U_5NdqDbDN159VD


需給はすべてに先行する、株式需給を分析するための基礎知識を中心に解説した本
株式需給の達人(基礎編)

https://www.amazon.co.jp/dp/B07TFM4GNL/ref=cm_sw_em_r_mt_dp_U_2UadDbTW8SSZM






にほんブログ村  

投信で大儲けしたのは誰? (3、販売会社の理屈)

1A880BA4-48DD-4260-82F6-C4B38D4A8E98


















今年真っ先に大人気となった投信がある、野村證券の「リ・オープンジャパン2301」だ。
投資家から1047億円を集めたと話題になった単位型投信だ。
この単位型というのが野村證券の新しい投信戦略のように見える。

販売手数料は税抜き3%と手厚く、しかも単位型としたことで「リ・オープン2302」「リ・オープン2303」・・・と継続的に設定できる。
追加型投信では販売手数料は1回かぎりだが、単位型で次から次と同様の投信を設定すれば毎回3%の販売手数料を取れる。
さらに株価上昇で基準価額が12000円に達すると早期償還条項がついているので、うまく株価上昇の波に乗れれば、禁止されている「回転売買」と同じ効果が得られる。

かつての巨大投信、「日本戦略ファンド」「グロソブ」「毎月分配」が純資産を減らし消えて行った理由の一つもこの「回転売買」だったように思う。

「回転売買」とは次から次と投信を乗り換えさせて販売手数料を稼ぐやり方だ。
非常に効率的に3%の販売手数料を得られるので販売会社の収益には絶大な効果がある。
「戦略ファンド」でも「グロソブ」でも一旦パフォーマンスが悪化すると、営業マンはどんどん売却を薦めて次々に別の投信を買わせる。
こうして回転させて販売手数料を稼ぐわけだ。
こうした投信営業のあり方が巨大ファンのを消滅させた一つの理由だ。

世界を見ると、著名ファンドはパフォーマンスを上げて運用規模を拡大し成長してきた。
有名なフィデリティの「マゼラン・ファンド」は伝説的なファンドマネージャー・ピーターリンチ氏が長期間運用して、巨大ファンドに成長させた。
現代でも同じでフィデリティ、JPM、キャピタルグループ・・・高い運用能力で巨大ファンドに成長してきた。

ここが日本と世界との大きな違いだ。
金融業界の頂点にいるメガバンクや大手証券がいくら儲かるかが投信ビジネスの最大の目標になる。
「運用能力を磨き、投資家の満足度を上げて巨大ファンドに成長させる」・・・というより、手っ取り早く収益を上げることが中心になっているからだ。
だから巨大ファンドがすぐに資産を減少させ・・・衰退する。

現代のパッシブ運用、インデックス運用には日本流の投信ビジネスは通じない。
販売手数料なし、運用報酬0.1%のETFやインデックスファンドが中心となる世界では、日本の得意とする3%の販売手数料を稼げない。

おそらくこうした弱点をカバーする投信が「単位型」なのではないだろうか?





相場テクニックとして「酒田五法」格言をはじめ、相場格言の現代的活用や実戦のための本
株式需給の達人格言編


https://www.amazon.co.jp/dp/B0BBQM526Y


PER・PBRなどのバリュエーションを実戦でリターンを上げることを主題として解説した本
実戦的バリュエーション

https://www.amazon.co.jp/dp/B097MY83XZ/ref=cm_sw_em_r_mt_dp_BMX1VST198R56XWPHT2S

過去の株価というだけのでチャート、これを市場心理の分析道具として実戦で使うことを目標に解説した本
チャートの達人

https://www.amazon.co.jp/dp/B08G8MD1YY/ref=cm_sw_em_r_mt_dp_Uy5tFbPATARV5


正確なパフォーマンス計測から運用は進化する、自分の弱点の分析によって運用能力を引き上げる本
個人投資家の最強運用
https://www.amazon.co.jp/dp/B0874QPNDG/ref=cm_sw_em_r_mt_dp_U_YO9LEbX6VWKB0



ソブリンファンドや年金ファンドなど海外の巨大運用機関の訪問記、市場を理解するのに役立つ本
株式需給の達人 (投資家編))

https://www.amazon.co.jp/dp/B07VW66RCN/ref=cm_sw_em_r_mt_dp_U_5NdqDbDN159VD


需給はすべてに先行する、株式需給を分析するための基礎知識を中心に解説した本
株式需給の達人(基礎編)

https://www.amazon.co.jp/dp/B07TFM4GNL/ref=cm_sw_em_r_mt_dp_U_2UadDbTW8SSZM






にほんブログ村   

資産運用時代をどう生き残る?(1)

EA71A723-82B3-4651-8E61-FBF8DF151335


















岸田首相が新NISAを来年スタートさせ、さらに日本の資産運用を変えようとしている。
「日本の資産運用業を強化するため、国内外からの新規参入を促進する方針を示した。参入障壁の是正や規制緩和など政策の実施計画を年内に打ち出す。」

運用会社のCIOだった時、海外運用会社から多くのマーケティング担当がオフィスに訪ねてきた。
目的は日本の個人投資家のカネを狙い、自社ファンドを投信を経由して個人に売りつけるためだ。
アベノミクスの頃で、円安誘導で日本のカネが海外に流れ出した時代だった。
海外の運用会社から見れば「日本の個人金融資産2000兆円を獲得する大チャンス」というわけだ。

彼らが「グローバルな運用エンジン」を提供し、日系運用会社が「投信の組成」と「運用関連事務」を担当し、系列証券会社が「販売と投資家説明」を担当するという分業体制が当時のビジネスモデルだ。

これは三者ともにメリットがあった。
海外運用会社から見れば,、うるさい国内投信の規制をかいくぐり、知名度が少ないのに国内投信ビジネスに参入できる。
日系運用会社から見れば、ノウハウの少ないグローバル運用を補完できる。
系列証券会社から見れば国内株以外に、外株・エマージング・米国成長株などあらゆる投信を販売できることだ。

多くの投信がこの三者連係で作られ、個人投資家に売られていった。
でもこの三者には乗り越えられない「壁」があった。
それは日本特有の「回転売買」だった。
証券会社は販売手数料を稼ぐために儲かった投信はすぐに売却させ次々と新しい投信を買わせる、これを「回転売買」と呼ぶわけだが・・・

パフォーマンスが良ければ純資産がどんどん増えると考えている海外運用会社から見れば、パフォーマンスが良いとすぐに純資産が減少してしまうという不満が出てくる。
日系運用会社からみれば、パフォーマンスが悪化した時自分たちの責任にされるという不満もあった。

しかしこの「投信の回転売買」については、さずがの証券会社も表面上は改めようとしている。
もちろん、金融庁の睨みも厳しくなっているのが基本的な背景だ。

岸田さんの証券・運用改革は大きな影響が今後出てくるのは間違いない。
当ブログでも証券・運用業界の変化を考え、シニア投資家がどうしたらいいのかを考えてみたい。



 相場テクニックとして「酒田五法」格言をはじめ、相場格言の現代的活用や実戦のための本
株式需給の達人格言編


https://www.amazon.co.jp/dp/B0BBQM526Y


PER・PBRなどのバリュエーションを実戦でリターンを上げることを主題として解説した本
実戦的バリュエーション

https://www.amazon.co.jp/dp/B097MY83XZ/ref=cm_sw_em_r_mt_dp_BMX1VST198R56XWPHT2S

過去の株価というだけのでチャート、これを市場心理の分析道具として実戦で使うことを目標に解説した本
チャートの達人

https://www.amazon.co.jp/dp/B08G8MD1YY/ref=cm_sw_em_r_mt_dp_Uy5tFbPATARV5


正確なパフォーマンス計測から運用は進化する、自分の弱点の分析によって運用能力を引き上げる本
個人投資家の最強運用
https://www.amazon.co.jp/dp/B0874QPNDG/ref=cm_sw_em_r_mt_dp_U_YO9LEbX6VWKB0



ソブリンファンドや年金ファンドなど海外の巨大運用機関の訪問記、市場を理解するのに役立つ本
株式需給の達人 (投資家編))

https://www.amazon.co.jp/dp/B07VW66RCN/ref=cm_sw_em_r_mt_dp_U_5NdqDbDN159VD


需給はすべてに先行する、株式需給を分析するための基礎知識を中心に解説した本
株式需給の達人(基礎編)

https://www.amazon.co.jp/dp/B07TFM4GNL/ref=cm_sw_em_r_mt_dp_U_2UadDbTW8SSZM






にほんブログ村     

資産運用時代をどう生き残る?(2)手数料無料化

JPX











証券会社のビジネスモデルは、90年代に「手数料の自由化」が実施された時から「手数料中心のフロービジネス」から「残高で収益を上げるストックビジネス」に移行してきている。
おそらく、大手証券の手数料依存度はすでに経常利益の10%程度だろう、もしかしたらそれより低いかもしれない。

楽天証券とSBI証券が今月から「手数料無料化」をスタートした。
ネット証券は営業員などのコストがかからないため、従来から厳しい手数料競争をしてきた。
これがついに究極の「無料化」に進んできた。
その背後にあるのは、遅ればせながらネット証券も「ストックビジネス」に移行できるチャンスがきたということだろう。

それが「新NISA]だ。
特にNISA口座で投信を買ってもらえば、証券会社は何もしなくても、毎年毎年信託報酬がチャリンチャリンと落ちる。
NISA口座をいくら集めるかがネット証券の生き残りを決定する。

現行のNISA口座数1200万を単純に新NISAに移行し。満額の1800万円まで残高を積み上げたら、新NISAの運用残高は216兆円という巨額になる。
もちろんそんなにうまくはいかないが、半分でも100兆円の運用規模でGPIFに次ぐ規模となる。
その0.5%を信託報酬として受け取れば、証券界全体で5000億円の手数料が入ることになる。

そのシェアを巡って証券会社間の過激な競争が始まる。
新NISAのシェアを確保できるかできないかは、多くのネット証券、大手証券の今後の成長力を決めてしまうかもしれない。
それを理解しているネット証券は必死で「手数料無料化」で個人投資家を囲い込む。

大手証券はジッと見ているだけだが、もし、この「手数料無料化」で個人投資家がネット証券への大移動を起こせば、大手証券といえども安穏としてられない。
必ず、大手証券も追随するはずだ。
個人投資家の囲い込みが新NISAのビジネス規模を決める可能性があるからだ。

では個人投資家はどうすればいいのか?

迷うことなく、楽天証券やSBI証券に資金を移動させることだ。
これが証券ビジネスモデルの転換を進める重要な条件になるからだ。

追伸)米国の10債利回りが4.8%近くに上昇し、S&P500の益回り5%に接近してきた。
かなり危険な状況で、10年債利回り>S&P益回りになると株式を買う動機は薄れ、債券への資金シフトが加速する。
でも逆に5%が10年債利回りのピークとなる可能性も高い。
微妙な相場展開だろう。



  相場テクニックとして「酒田五法」格言をはじめ、相場格言の現代的活用や実戦のための本
株式需給の達人格言編


https://www.amazon.co.jp/dp/B0BBQM526Y


PER・PBRなどのバリュエーションを実戦でリターンを上げることを主題として解説した本
実戦的バリュエーション

https://www.amazon.co.jp/dp/B097MY83XZ/ref=cm_sw_em_r_mt_dp_BMX1VST198R56XWPHT2S

過去の株価というだけのでチャート、これを市場心理の分析道具として実戦で使うことを目標に解説した本
チャートの達人

https://www.amazon.co.jp/dp/B08G8MD1YY/ref=cm_sw_em_r_mt_dp_Uy5tFbPATARV5


正確なパフォーマンス計測から運用は進化する、自分の弱点の分析によって運用能力を引き上げる本
個人投資家の最強運用
https://www.amazon.co.jp/dp/B0874QPNDG/ref=cm_sw_em_r_mt_dp_U_YO9LEbX6VWKB0



ソブリンファンドや年金ファンドなど海外の巨大運用機関の訪問記、市場を理解するのに役立つ本
株式需給の達人 (投資家編))

https://www.amazon.co.jp/dp/B07VW66RCN/ref=cm_sw_em_r_mt_dp_U_5NdqDbDN159VD


需給はすべてに先行する、株式需給を分析するための基礎知識を中心に解説した本
株式需給の達人(基礎編)

https://www.amazon.co.jp/dp/B07TFM4GNL/ref=cm_sw_em_r_mt_dp_U_2UadDbTW8SSZM






にほんブログ村    

資産運用時代をどう生き残る?(3)シニアのNISA使い方

ETF








シニア投資家にとって最大の課題は「毎月のキャッシュフローの黒字化」だ。
年金やその他収入によって、毎月の費用を完全にカバーできれば貯蓄を減らすことなく生活できる。
そのうち年金はほぼ固定された収入だが、年金だけで生活できる人は少ない。
となると、その他収入でどう年金の不足を補っていくかが課題になる。

運用会社のCIOの頃、毎月分配型投信が大流行したことがあった。
インカム型の投信だが毎月の分配金が1%ぐらいあり、1000万円購入すれば毎月10万円の分配を受け取れるというシロモノだった。
これが高齢者にウケた、年金の不足を毎月補えるからだった。

でもこれにはカラクリがあった。
通常分配金の原資はインカムゲインになるわけだが、基準価額が1万円を越えるとその越えた分=キャピタルゲインを分配できる。
このルールを利用して基準価額1万円を大幅に越える投信を自己設定する、そして十分に価格上昇したところで毎月分配型投信として販売する。
新たに購入する投資家は1万円を大幅に越える時価で買うのだが、投資家を公平に扱うため1万円の超える部分は分配できる。
こうして投資家はインカムゲインを大幅に越える分配金を受け取れるという理屈だ。

結局、こうした毎月分配型は「タコ足配当」と呼ばれ自分のおカネを分配金として受け取るだけの話で、金融庁からもチェックが入りブームは終息してしまった。
だが、シニア投資家、年金生活者にとっての価値は変わらない。
投信の元本は相続に回すので下がっても関係ない、タコ配の毎月分配は年金の補てんに使うというわけだ。

新NISAでは成長投資枠で年240万円、5年間で1200万円を非課税で投資できる。
この240万円を使って毎月分配型の運用をすれば、毎月分配型投信を買っているのと同じ効果を得られる。
これがシニア投資家には最も有効な「新NISAの使い方」になると思う。
ちなみに筆者の「新NISAで毎月分配型運用」をするつもりだ。

次回は具体的に「新NISAで毎月分配型運用する方法」を考えてみたい。



 相場テクニックとして「酒田五法」格言をはじめ、相場格言の現代的活用や実戦のための本
株式需給の達人格言編


https://www.amazon.co.jp/dp/B0BBQM526Y


PER・PBRなどのバリュエーションを実戦でリターンを上げることを主題として解説した本
実戦的バリュエーション

https://www.amazon.co.jp/dp/B097MY83XZ/ref=cm_sw_em_r_mt_dp_BMX1VST198R56XWPHT2S

過去の株価というだけのでチャート、これを市場心理の分析道具として実戦で使うことを目標に解説した本
チャートの達人

https://www.amazon.co.jp/dp/B08G8MD1YY/ref=cm_sw_em_r_mt_dp_Uy5tFbPATARV5


正確なパフォーマンス計測から運用は進化する、自分の弱点の分析によって運用能力を引き上げる本
個人投資家の最強運用
https://www.amazon.co.jp/dp/B0874QPNDG/ref=cm_sw_em_r_mt_dp_U_YO9LEbX6VWKB0



ソブリンファンドや年金ファンドなど海外の巨大運用機関の訪問記、市場を理解するのに役立つ本
株式需給の達人 (投資家編))

https://www.amazon.co.jp/dp/B07VW66RCN/ref=cm_sw_em_r_mt_dp_U_5NdqDbDN159VD


需給はすべてに先行する、株式需給を分析するための基礎知識を中心に解説した本
株式需給の達人(基礎編)

https://www.amazon.co.jp/dp/B07TFM4GNL/ref=cm_sw_em_r_mt_dp_U_2UadDbTW8SSZM






にほんブログ村     

資産運用時代をどう生き残る?(4)毎月分配ポートフォリオ

ETF








年金不足を補填する目的で新NISAを活用する方法を考えてみたい。

第一の条件はキャピタルゲインを狙わないこと。
株式投資の醍醐味は値上がり益の追求だが、年金生活のシニア層は毎月必要なキャッシュを得ることが目的でインカムゲインが中心になる。

第二の条件は分散投資だが、時間分散を核に考えること。
通常の分散投資というと、同じように動きやすい業種を分散してリスクを低減するものだ。
でもシニアのインカム・ポートフォリオでは、時間を分散してリスクを避ける方が重要だろう。
長期投資では時間を味方につける方がリターンが安定する。

第三の条件は長期投資を前提に、より業績の安定した銘柄を選ぶこと。
新NISAでは成長枠を使えば毎年240万円を5年間投資できる。
その後、半永久的に配当金が非課税になる、この効果がムチャクチャ大きい。
そのためには減配のない、安定した配当を出せる商品を長期保有することが一番効果が高い。

では、この三条件を満たすポートフォリオをどう作ればいいのだろうか?

いろいろな銘柄選択ができると思うが、上場株式は3・9月決算に集中しているので、上場株式だけでは十分なインカム・ポートフォリオを作れない。
一方REITは1月から12月まで決算期が多様化しているので、決算期の分散には良い商品だ。
毎月一銘柄を選ぶ、1月はREIT、2月は消費関連株、3月は上場高配当株、4月・5月はREIT、6月は12月決算銘柄あるいはREIT・・・という感じだ。
こういうポートフォリオを作れば、毎月毎月配当金を受け取れ、しかも5年間毎月購入していくことで十分な時間分散を図れる。

これが筆者が予定している、新NISAを利用した毎月分配ポートフォリオだ。
来年から実行していくつもりだ。



 相場テクニックとして「酒田五法」格言をはじめ、相場格言の現代的活用や実戦のための本
株式需給の達人格言編


https://www.amazon.co.jp/dp/B0BBQM526Y


PER・PBRなどのバリュエーションを実戦でリターンを上げることを主題として解説した本
実戦的バリュエーション

https://www.amazon.co.jp/dp/B097MY83XZ/ref=cm_sw_em_r_mt_dp_BMX1VST198R56XWPHT2S

過去の株価というだけのでチャート、これを市場心理の分析道具として実戦で使うことを目標に解説した本
チャートの達人

https://www.amazon.co.jp/dp/B08G8MD1YY/ref=cm_sw_em_r_mt_dp_Uy5tFbPATARV5


正確なパフォーマンス計測から運用は進化する、自分の弱点の分析によって運用能力を引き上げる本
個人投資家の最強運用
https://www.amazon.co.jp/dp/B0874QPNDG/ref=cm_sw_em_r_mt_dp_U_YO9LEbX6VWKB0



ソブリンファンドや年金ファンドなど海外の巨大運用機関の訪問記、市場を理解するのに役立つ本
株式需給の達人 (投資家編))

https://www.amazon.co.jp/dp/B07VW66RCN/ref=cm_sw_em_r_mt_dp_U_5NdqDbDN159VD


需給はすべてに先行する、株式需給を分析するための基礎知識を中心に解説した本
株式需給の達人(基礎編)

https://www.amazon.co.jp/dp/B07TFM4GNL/ref=cm_sw_em_r_mt_dp_U_2UadDbTW8SSZM






にほんブログ村     
 

資産運用時代をどう生き残る?(5)米ドルか、日本円か

購買力平価2309
















日本人にとって「日本円」で運用するか、「米ドル」で運用するか、「クロス円」で運用するかはけっこう難しい問題だ。
円高下ではドル商品で運用すれば為替差損が出る、円安下でドル商品で運用すれば為替差益が出るのは分かるが、為替の予測は難しいからだ
為替、円/ドル相場は長期的に大きくブレる、その時々で最適なポジションを取るのはかなり困難だ。
新NISAの運用でもドル建て商品か円建て商品で運用するかは、資産配分で大きな課題になってくる。

上のグラフは主要通貨の対ドルレートをPPP(パーチャシング・パワー・パリティ、購買力平価)からの乖離率で表示した、第一生命研究所が作成したものだ。
変動相場制がスタートした1973年からの長期推移がよく分かる。
対ドルレートなので、ドルの事情で主要通貨は動いていく、ドル安になれば主要通貨はすべて上昇し、ドル高になれば主要通貨はすべて下落する。

1985年のプラザ合意から「超ドル安」が始まり、1995年で「超ドル安」は終了する。
その後は通貨は安定した状況を続けてきたが、昨年からの米FRB引き締めで「ドル高」が進んでいる。
通貨はその時々の為替市場のセンチメントで大きく動くが、もっと長期で眺めるとPPPを中心にして±20%の範囲内で動いている。
例外は1990年代の日本円とスイスフランで、米国からの貿易摩擦という強烈な圧力があった時代だけだ。

結論として言えることは、物価=通貨の購買力は長期的に「各国間の物価を平準化」する方向に動いていくということだ。
短期的には国際資金移動、国際収支の変化、金利差(政策金利の方向違い)などで動いていくが、長期的にはPPPを中心にして上下20%の範囲で推移している。

長期投資としては円/ドル相場がPPPが20%乖離したら、逆のポジションを作っていくという「長期逆張り戦略」が有効だろう。
個人投資家が新NISAのポートフォリオを作る場合、その資産配分は「ドルか、円か」「債券か株式か」が二大ポイントになる。
新NISAは5年以上、10年、20年という投資期間になるので、5年単位の長期を見据えたポートフォリオが重要のなるからだ。

ここから当ブログでも「新NISAの資産配分」を個人投資家が簡単に行う方法を考えてみたい。




  相場テクニックとして「酒田五法」格言をはじめ、相場格言の現代的活用や実戦のための本
株式需給の達人格言編


https://www.amazon.co.jp/dp/B0BBQM526Y


PER・PBRなどのバリュエーションを実戦でリターンを上げることを主題として解説した本
実戦的バリュエーション

https://www.amazon.co.jp/dp/B097MY83XZ/ref=cm_sw_em_r_mt_dp_BMX1VST198R56XWPHT2S

過去の株価というだけのでチャート、これを市場心理の分析道具として実戦で使うことを目標に解説した本
チャートの達人

https://www.amazon.co.jp/dp/B08G8MD1YY/ref=cm_sw_em_r_mt_dp_Uy5tFbPATARV5


正確なパフォーマンス計測から運用は進化する、自分の弱点の分析によって運用能力を引き上げる本
個人投資家の最強運用
https://www.amazon.co.jp/dp/B0874QPNDG/ref=cm_sw_em_r_mt_dp_U_YO9LEbX6VWKB0



ソブリンファンドや年金ファンドなど海外の巨大運用機関の訪問記、市場を理解するのに役立つ本
株式需給の達人 (投資家編))

https://www.amazon.co.jp/dp/B07VW66RCN/ref=cm_sw_em_r_mt_dp_U_5NdqDbDN159VD


需給はすべてに先行する、株式需給を分析するための基礎知識を中心に解説した本
株式需給の達人(基礎編)

https://www.amazon.co.jp/dp/B07TFM4GNL/ref=cm_sw_em_r_mt_dp_U_2UadDbTW8SSZM






にほんブログ村     

資産運用時代をどう生き残る?(6) 債券か、株式か

yieldspread_us202308














米国の長期金利が上昇している。
10年債~30年債の利回りは4.8~4.9%と5%に近づいている。
一方、米インフレ率が現在4%程度、FRBの引き締めが効いて長期的には2%程度に低下していくとしたら、今後30年間、毎年5%近い金利が得られる債券投資は、インフレに勝てる条件を持っている。
長期で考えれば考えるほど、米国の他資産は債券に勝てない状態にあると思う。

米国の主要金利、基本的な数字を確認してみよう。
         2023年初 2023年9月
SP500益回り   5.91%   5.22%
10年債利回り  3.74%   4.80% 
30年債利回り  3.84%   4.97%
社債上乗せ金利  1.40%   1.29%
 住宅ローン金利  6.48%   7.49%

SP500の益回りは純利益/時価総額で、企業がその企業価値に対して何%の利益を上げたか、その益回りから一部配当に支払われ、一部自社株買いに回される。
トータルな株式リターンが益回りだが、これの益回りと10年~30年債券の利回りが接近している。
これが問題で、株式リターンは長期債券の利回りに勝てないかもしれない。

それでは社債投資と株式投資はどうだろう?
現在の社債スプレッド(上乗せ金利)は1.29%で、企業の借り入れは通常5年以内なので5年金利+1.29%=6.3%程度になる。
株式益回りより1%以上高く、同一発行体の株式よりも社債券に投資した方が有利になっている。
新NISAで10年以上の長期投資をするならば、リスクの高い米株式よりもリスクの低い米社債の方がリターンが高いというヘンテコな状態になっている。

新NISAで長期運用をするという視点では、米国株式への投資は有利とはいえない。
長期債ETFや社債ETFなどへの分散投資が重要な局面と見ている。



 相場テクニックとして「酒田五法」格言をはじめ、相場格言の現代的活用や実戦のための本
株式需給の達人格言編


https://www.amazon.co.jp/dp/B0BBQM526Y


PER・PBRなどのバリュエーションを実戦でリターンを上げることを主題として解説した本
実戦的バリュエーション

https://www.amazon.co.jp/dp/B097MY83XZ/ref=cm_sw_em_r_mt_dp_BMX1VST198R56XWPHT2S

過去の株価というだけのでチャート、これを市場心理の分析道具として実戦で使うことを目標に解説した本
チャートの達人

https://www.amazon.co.jp/dp/B08G8MD1YY/ref=cm_sw_em_r_mt_dp_Uy5tFbPATARV5


正確なパフォーマンス計測から運用は進化する、自分の弱点の分析によって運用能力を引き上げる本
個人投資家の最強運用
https://www.amazon.co.jp/dp/B0874QPNDG/ref=cm_sw_em_r_mt_dp_U_YO9LEbX6VWKB0



ソブリンファンドや年金ファンドなど海外の巨大運用機関の訪問記、市場を理解するのに役立つ本
株式需給の達人 (投資家編))

https://www.amazon.co.jp/dp/B07VW66RCN/ref=cm_sw_em_r_mt_dp_U_5NdqDbDN159VD


需給はすべてに先行する、株式需給を分析するための基礎知識を中心に解説した本
株式需給の達人(基礎編)

https://www.amazon.co.jp/dp/B07TFM4GNL/ref=cm_sw_em_r_mt_dp_U_2UadDbTW8SSZM






にほんブログ村      

資産運用時代をどう生き残る?(7)新NISAの資産配分

新NISA











GPIFの長期ポートフォリオは個人投資家にもとても参考になる。
彼らの資産配分は単純で、4資産を25%づつ、つまり、円債25%、日本株25%、外債25%、外国株25%を固定して運用している。
この比率は新NISAでも基本配分比率になるだろう。

この基本をベースに、為替が円安に振れ過ぎている(PPPに対して)状況下、5年から10年の長期投資では外債や外国株の比率を下げ円債や日本株比率が上げておくことだろう。
また、米金利がピーク圏にある時期は数年後の利下げ局面を想定し外債比率を上げておくことも必要かもしれない。

たとえば・・・
基本ポートフォリオを・・・
       円債  日本株 外債  外国株
       25% 25% 25% 25%
円建て比率: 50% ドル建て比率: 50%   
債券比率:  50% 株式比率:   50%

新NISA向けの比率を変更すると・・・
       円債  日本株 外債  外国株
       30% 30% 30% 10%
円建て比率: 60% ドル建て比率: 40%
債券比率   60% 株式比率:   40%

この新NISAポートでは、円建て比率を基本ポートよりも10%引き上げ、将来のドル安リスクに対応するとともに米国の高金利下で米債投資を増やす。
円/ドル比率と債券/株式比率を考えるだけで資産配分を決められるので簡単だ。
機関投資家が各国の景気・金利・通貨を予想して資産配分を決めるのに比べたら非常に簡単な決め方だが、円/ドル比率と債券/株式比率だけでも資金配分はできると思う。

ファンド投資は簡単だが、ちょっとした留意点もある。

第一に、新NISAに使うファンドの性質
投信は受け取り配当を自動的に再投資し、投信全体の収益から投資家に配当が支払われる。
投資対象の配当と投信の配当は別物で、投信の配当は運用会社の運用委員会で決定される。
したがって、組入れ銘柄の配当と、ファンドの配当は別物となってしまう。
しかし一方、ETFは自動的に再投資されず、ETFが保有する銘柄の配当がETF投資家に配分される。
高配当のETFを買えば、高配当銘柄を直接買うと同じ配当が得られる。
しかも高配当ETFは十分に分散投資しているので、個別の高配当株を買うよりもリスクが抑えられている。

配当中心のインカム投資をするなら、一般投信よりもETFの方が適しているといえる。
逆に配当再投資を自動的に行いたいなら、投信で配当しないタイプがいいのかもしれない。

第二に、国内の金利の復活
今まで日銀のマイナス金利政策により、長期金利もゼロを中心に25bpでコントロールされてきた。
投資家から見れば、4資産(円債、円株、外債、外株)のうち円債は投資対象とはならず、実質的に3資産でアロケーションを決めざるをえなかった。
実際に国内年金でも円債の代わりに「ヘッジ外国債(円建て)」を組入れたり、オルタナ資産を組入れたりと工夫をしていた。

しかし将来的にゼロ金利解除となれば、中期の景況感で長期金利が市場で決まり、バランス運用でも「円債」という資産クラスが復活する。
将来は円債ファンドが組み入れ対象になる可能性があり注目していく。





 相場テクニックとして「酒田五法」格言をはじめ、相場格言の現代的活用や実戦のための本
株式需給の達人格言編


https://www.amazon.co.jp/dp/B0BBQM526Y


PER・PBRなどのバリュエーションを実戦でリターンを上げることを主題として解説した本
実戦的バリュエーション

https://www.amazon.co.jp/dp/B097MY83XZ/ref=cm_sw_em_r_mt_dp_BMX1VST198R56XWPHT2S

過去の株価というだけのでチャート、これを市場心理の分析道具として実戦で使うことを目標に解説した本
チャートの達人

https://www.amazon.co.jp/dp/B08G8MD1YY/ref=cm_sw_em_r_mt_dp_Uy5tFbPATARV5


正確なパフォーマンス計測から運用は進化する、自分の弱点の分析によって運用能力を引き上げる本
個人投資家の最強運用
https://www.amazon.co.jp/dp/B0874QPNDG/ref=cm_sw_em_r_mt_dp_U_YO9LEbX6VWKB0



ソブリンファンドや年金ファンドなど海外の巨大運用機関の訪問記、市場を理解するのに役立つ本
株式需給の達人 (投資家編))

https://www.amazon.co.jp/dp/B07VW66RCN/ref=cm_sw_em_r_mt_dp_U_5NdqDbDN159VD


需給はすべてに先行する、株式需給を分析するための基礎知識を中心に解説した本
株式需給の達人(基礎編)

https://www.amazon.co.jp/dp/B07TFM4GNL/ref=cm_sw_em_r_mt_dp_U_2UadDbTW8SSZM






にほんブログ村  

資産運用時代をどう生き残る?(8)放ったらかし投資

新NISA










長期投資という言葉を聞くと、1回株を買ったらそのまま「長期」に保有するというイメージを持つ人も多いと思う。
実際、世の中には「放ったらかし=放置投資」としてこうした投資法を薦める評論家もいる。

しかし、「放置投資」には多くのリスクを含んでいるので、投資商品によっては「放置投資」にはなじまないものも多い。
新NISAの長期投資では商品性を考えた上でどのぐらいの期間で「リバランス=見直し」をするのか決めておく必要がある。

まずは「放置投資」の主役「オルカン」こと「オールカントリーワールドインデックス=ACWI

日本人は「オルカン」と言うが投資の世界ではACWI(アクウィ)という名で通っている。
ACWIは米国株がおよそ半分、欧州株が4分の一、その他アジアで4分の一というのがザっとしたウェートと考えていい。
従来ワールドインデックスは欧米中心の世界だので、北アメリカEAFE(ヨーロッパ、アジア、極東)という二つのインデックスで世界の先進国をほぼカバーできる。
それにエマージング(新興国)を加えたのがACWIとなる。

世界全体の成長を収益化するという意味で「放置投資」の最大の主役だ。
でも問題はこのファンドはドル建て商品だということ。
長期投資では株価の動きとともに円/ドルの動きがリターンを決める大きな要素だ。
したがって長期投資では円建て商品の比率、ドル建て商品の比率を数年に1回は見直す必要がある。

もう一つ有効な長期投資は米10年債や30年債だろう。

両者ともに利回り水準が5%に近い高金利になっている。
5%の金利を10年とか30年に渡って毎年得られる「投資妙味の大きい」投資対象だ。
しかも債券の償還時にはパーで返金されるので損失もない。

仮に今後10年間の世界経済成長率を実質3%、インフレ率2%、合計5%の名目成長とすると、米長期債の5%利回りは世界株式の期待成長率と同等といえる。
しかも世界経済は地政学リスク、中国リスク、様ざまなリスク要因があり、株式リターンの振れ幅は大きくなる反面、債券の値動きは株式より小さくリスクは低い。
このリスクが考えると、リスク対比のリターンは米長期債の方がいい。

でも米長期金利と円ドルレートは連動する、つまり、米長期金利が上昇すれば円安に、米長期金利が低下すれば円高になる。
今後、長期金利が一段と上昇すれば、米債投資に含み損が出て円安の為替差益が出る、逆に米長期金利が低下すると、米債投資に含み益が出る反面円高の為替差損が出る。
要するに、金利動向と為替動向が逆方向に動くケースが多い、このあたりが難しいところだ。

長期の「放つたらかし投資」はうまくいけばいいが、リスクもある。
数年間に一回、途中途中の「リバランス」が必要じゃないだろうか?




 相場テクニックとして「酒田五法」格言をはじめ、相場格言の現代的活用や実戦のための本
株式需給の達人格言編


https://www.amazon.co.jp/dp/B0BBQM526Y


PER・PBRなどのバリュエーションを実戦でリターンを上げることを主題として解説した本
実戦的バリュエーション

https://www.amazon.co.jp/dp/B097MY83XZ/ref=cm_sw_em_r_mt_dp_BMX1VST198R56XWPHT2S

過去の株価というだけのでチャート、これを市場心理の分析道具として実戦で使うことを目標に解説した本
チャートの達人

https://www.amazon.co.jp/dp/B08G8MD1YY/ref=cm_sw_em_r_mt_dp_Uy5tFbPATARV5


正確なパフォーマンス計測から運用は進化する、自分の弱点の分析によって運用能力を引き上げる本
個人投資家の最強運用
https://www.amazon.co.jp/dp/B0874QPNDG/ref=cm_sw_em_r_mt_dp_U_YO9LEbX6VWKB0



ソブリンファンドや年金ファンドなど海外の巨大運用機関の訪問記、市場を理解するのに役立つ本
株式需給の達人 (投資家編))

https://www.amazon.co.jp/dp/B07VW66RCN/ref=cm_sw_em_r_mt_dp_U_5NdqDbDN159VD


需給はすべてに先行する、株式需給を分析するための基礎知識を中心に解説した本
株式需給の達人(基礎編)

https://www.amazon.co.jp/dp/B07TFM4GNL/ref=cm_sw_em_r_mt_dp_U_2UadDbTW8SSZM






にほんブログ村  

資産運用時代をどう生き残る(9)テーマ投資

IMG_0287


















「相場にはテーマがあるべきだ」
これは証券会社に入社したての頃、当時の部長に言われた言葉だ。
それまでの仕手株が乱舞するだけの鉄火場のような株式市場を少し近代的な株式市場に変化させた。

この部長、テーマの発掘にかけては素晴らしい感性を持っていた。
第二次石油危機の頃(まだ大学生だったが・・・)、資源確保がテーマで資源開発を行う日本石油(現INPEX)などの石油会社を営業員に号令をかけて集中投資させていた。
それが終わると資源制約を越えたハイテク産業を上げ、当時VTRの成長期のビクターやソニーを買い上げ、ガンを克服できるとバイオ株相場を演出した。

営業マンにどんどん買わせて株価がウナギ登り、信用買いも含めて株価はどんどん上昇した。
これで証券会社は手数料を上げ、顧客は売買益を得る。
でもその後が悲惨極まりなかった。
テーマ投資はそのテーマが陳腐化すると、株価は徹底的に売られる。
場合によってはスタート時点の株価を下回るような悲惨な下落をした会社もあった。

筆者はその後ロンドン勤務で海外投資家の合理的な運用判断に接し「テーマ投資」の非合理性を感じ、あくまでファンダメンタル価値から株価を見るようになった。
その最大の難点はテーマ投資はリスク分散にはならない、むしろリスク集中であることだ。
分散投資の要点は異なる収益性を持つ銘柄に分散することで安定したリターンを得ることだからだ。

それでも東京市場の関係者は相変わらず「テーマ投資」を薦める評論家がウジャウジャいる。
今年の相場でも「低PBRがテーマ」とか、「生成AIがテーマ」とか「半導体がテーマ」とかいろいろなテーマ投資を薦めていた。
これほどテーマ投資が盛んなのは日本ぐらいかもしれない。

今回の「新NISAをどう使って資産運用時代を生き残っていくか?」という問いには「テーマ投資はリスクが高すぎる」という答えになるだろう。
5年以上の長期投資を考える上ではリターンの追求よりも「過剰なリスクを取らないこと」が重要になる。
この点で「テーマ投資」は避けた方がいいだろう。



  相場テクニックとして「酒田五法」格言をはじめ、相場格言の現代的活用や実戦のための本
株式需給の達人格言編


https://www.amazon.co.jp/dp/B0BBQM526Y


PER・PBRなどのバリュエーションを実戦でリターンを上げることを主題として解説した本
実戦的バリュエーション

https://www.amazon.co.jp/dp/B097MY83XZ/ref=cm_sw_em_r_mt_dp_BMX1VST198R56XWPHT2S

過去の株価というだけのでチャート、これを市場心理の分析道具として実戦で使うことを目標に解説した本
チャートの達人

https://www.amazon.co.jp/dp/B08G8MD1YY/ref=cm_sw_em_r_mt_dp_Uy5tFbPATARV5


正確なパフォーマンス計測から運用は進化する、自分の弱点の分析によって運用能力を引き上げる本
個人投資家の最強運用
https://www.amazon.co.jp/dp/B0874QPNDG/ref=cm_sw_em_r_mt_dp_U_YO9LEbX6VWKB0



ソブリンファンドや年金ファンドなど海外の巨大運用機関の訪問記、市場を理解するのに役立つ本
株式需給の達人 (投資家編))

https://www.amazon.co.jp/dp/B07VW66RCN/ref=cm_sw_em_r_mt_dp_U_5NdqDbDN159VD


需給はすべてに先行する、株式需給を分析するための基礎知識を中心に解説した本
株式需給の達人(基礎編)

https://www.amazon.co.jp/dp/B07TFM4GNL/ref=cm_sw_em_r_mt_dp_U_2UadDbTW8SSZM






にほんブログ村 

資産運用時代をどう生き残る(10)「テーマ」は陳腐化する

新NISA










新NISAの運用では「テーマ投信」は避けるべきだと考えている。
一つの参考例になるのは、日興アセットの二つの公募投信、グローバル・プロスペクティブ・ファンド(以下、Gプロスペクティブ)、グローバル・エクスポネンシャル・ファンド(以下、GエクスポネンシャルF)だろう。

まずはパフォーマンス(2023年9月末)

           3か月   1年     3年
Gプロスペクティブ  -8.1% +14.6% -39.4%
Gエクスポネンシャル -8.0% +11.0% -45.2%

10月直近値で1年リターンを見るとGプロスペクティブ-8.8%、Gエクスポネンシャル-9.6%とマイナス圏に落ち込む。

この二つの公募投信は、プロスペクティブ=繁栄、エクスポネンシャル=指数関数と言う意味だが、いずれの投信もアークインベストメントが実質的に運用している。
名前からは何か凄い事になりそう感じがする投信だが・・・両者の中身はほとんど一緒、パフォーマンスもほとんど一緒で最悪というファンドだ。

この二つの投信は米国の小型成長株を買うという基本テーマで運用されているわけだが、テーマ型投信のリスクを表している。
2020年頃の新型コロナ禍では在宅勤やオフィス外でのリモートワークが進み、ITサービスへの需要が増加しSaaS型企業が大きく株価上昇した。
その時にこの投信も大暴騰したが、コロナ禍の収束とともに通常ビジネスに戻ってしまい、SaaSモデルへの過剰な期待は消失した。

テーマ投信のリスクは環境が変わり、市場の期待が変わってしまうことだ。
期待が大きかった分、ブームが終わると長い冷却期間が訪れる。
時流に乗って短期で利ザヤを取るにはいいが、新NISAのような長期投資には向かない。
どんなに魅力的に見える「テーマ」も遅かれ早かれ陳腐化する運命にある。




   相場テクニックとして「酒田五法」格言をはじめ、相場格言の現代的活用や実戦のための本
株式需給の達人格言編


https://www.amazon.co.jp/dp/B0BBQM526Y


PER・PBRなどのバリュエーションを実戦でリターンを上げることを主題として解説した本
実戦的バリュエーション

https://www.amazon.co.jp/dp/B097MY83XZ/ref=cm_sw_em_r_mt_dp_BMX1VST198R56XWPHT2S

過去の株価というだけのでチャート、これを市場心理の分析道具として実戦で使うことを目標に解説した本
チャートの達人

https://www.amazon.co.jp/dp/B08G8MD1YY/ref=cm_sw_em_r_mt_dp_Uy5tFbPATARV5


正確なパフォーマンス計測から運用は進化する、自分の弱点の分析によって運用能力を引き上げる本
個人投資家の最強運用
https://www.amazon.co.jp/dp/B0874QPNDG/ref=cm_sw_em_r_mt_dp_U_YO9LEbX6VWKB0



ソブリンファンドや年金ファンドなど海外の巨大運用機関の訪問記、市場を理解するのに役立つ本
株式需給の達人 (投資家編))

https://www.amazon.co.jp/dp/B07VW66RCN/ref=cm_sw_em_r_mt_dp_U_5NdqDbDN159VD


需給はすべてに先行する、株式需給を分析するための基礎知識を中心に解説した本
株式需給の達人(基礎編)

https://www.amazon.co.jp/dp/B07TFM4GNL/ref=cm_sw_em_r_mt_dp_U_2UadDbTW8SSZM






にほんブログ村

資産運用時代をどう生き残る?(11)ドルコスト平均法

新NISA










いよいよ新NISAの開始時期が近付いてきた。
成長枠では1年に240万円、5年間で1200万円の非課税投資ができる新NISAは、我々シニア層にとっても重要な投資ツールになることはまちがいない。
どんな運用商品に投資するのか?、どんな方法で投資するのか?という二点をそろそろ考えておかなければならない。

「どんな商品に投資するのか?」については今までの「資産運用時代を生き残る」で取り上げてきた。
今回は「どんな方法で投資するか?」を考えてみたい。

一つのアイデアとして「ドルコスト平均法」とその応用がある。
①年間投資予定240万円を12で割った、毎月20万円を均等に投資する。
②これを5年間続ける。
簡単な投資方法だ。

問題は・・・
①一回の投資が20万円と、現物株やJリートを買うには小さすぎること。
こうした時間分散を使って買うには買い金額が大きくなる現物株やJリートは組入れしにくい。
一回の投資金額が20万円以下というと、1銘柄ならいいが、複数銘柄のポートフォリオ投資には向かない。
投信の購入なら可能なので投信投資する人にはいい。
たとえば2本の投信を10万円づつ毎月買っていくことはできる。

②積立てで「買いのみ」ならいいが、リバランスはできない。
たとえば、TOPIXファンドとSP500ファンドを新NISAで毎月購入する場合、確かに「ドルコスト平均法」の効果で日本株が安い時期には多くのTOPIXファンドを買うことができる。
しかし、たとえば日本株が安い時期には米国株を売り/日本株を増やすというリバランスはできない。
(できなくはないが、一度売ったら、その枠の復活は翌年になってしまう)

GPIFのように25%づつ4資産に投資すると、日本株が安い時期には日本株のウェートが下がり、自動的に米国株売り/日本株買いのリバランスが生じて一定のウェートに戻す。
このリバランス効果が長期の運用パフォーマンスには重要だ。

新NISAで個別銘柄への投資をする場合には時間分散を長めにするしかない。
たとえば、四半期末に一回60万円を3銘柄に投資すると、20万円の購入額で3銘柄に投資することができる。
でも「ドルコスト平均法」の効果は毎月分散よりも小さくなるだろう。

このあたりが微妙なところだが、いずれにしても「ドルコスト平均法」で買い単価を低くすること、さらにリバランスをすることで一定比率を保った運用でできること。
この二つの点は新NISAでも有効な投資方法になるだろう。

そろそろ自分の新NISA投資法を決めないと・・・



相場テクニックとして「酒田五法」格言をはじめ、相場格言の現代的活用や実戦のための本
株式需給の達人格言編


https://www.amazon.co.jp/dp/B0BBQM526Y


PER・PBRなどのバリュエーションを実戦でリターンを上げることを主題として解説した本
実戦的バリュエーション

https://www.amazon.co.jp/dp/B097MY83XZ/ref=cm_sw_em_r_mt_dp_BMX1VST198R56XWPHT2S

過去の株価というだけのでチャート、これを市場心理の分析道具として実戦で使うことを目標に解説した本
チャートの達人

https://www.amazon.co.jp/dp/B08G8MD1YY/ref=cm_sw_em_r_mt_dp_Uy5tFbPATARV5


正確なパフォーマンス計測から運用は進化する、自分の弱点の分析によって運用能力を引き上げる本
個人投資家の最強運用
https://www.amazon.co.jp/dp/B0874QPNDG/ref=cm_sw_em_r_mt_dp_U_YO9LEbX6VWKB0



ソブリンファンドや年金ファンドなど海外の巨大運用機関の訪問記、市場を理解するのに役立つ本
株式需給の達人 (投資家編))

https://www.amazon.co.jp/dp/B07VW66RCN/ref=cm_sw_em_r_mt_dp_U_5NdqDbDN159VD


需給はすべてに先行する、株式需給を分析するための基礎知識を中心に解説した本
株式需給の達人(基礎編)

https://www.amazon.co.jp/dp/B07TFM4GNL/ref=cm_sw_em_r_mt_dp_U_2UadDbTW8SSZM






にほんブログ村   

資産運用時代をどう生き残る(12)日本株の組み入れ

新NISA










いよいよ来年1月に新NISAが開始される。
おそらくS&P500やACWI(オルカン)に連動するインデックスファンドをコツコツと買い増していくというのが、基本的なNISA投資家の運用方法になるのだろう。
でも為替リスクを避ける投資家には利回りが極端に低い円債はまだしも、Jリートを含めた日本株は重要な資産クラスになるだろう。

外債+円債+外株+日本株という4資産を意識したアロケーションが長期運用の基本になる。
このやり方は厚生年金を運用する巨大な運用機関GPIFが行っているやり方と基本的に同じだ。
ただ、NISA投資家の場合、金利が低すぎるため円債は組入れが難しく、外債+外株+日本株という3資産でのアロケーションになるかもしれない。

いずれにしても為替リスクを考えたら日本株は避けて通れない。

でも日本株を組入れる場合には注意が必要だ。

①日本株には「GAFAM」がないこと

アップル、グーグル、アマゾンは上場して長い年月が経っているが、今だに高い成長力を保っている。
最初からグローバル市場を相手に多様な文化や言語に対応したビジネスを展開し、巨額のIT投資を続け世界でも類を見ない独創的な企業文化を持っている。
景気が良くても悪くても高いパフォーマンスを叩き出し、投資家はバイ&ホールドするだけで長期的に満足できるリターンを得られるスゴイ株だ。

でも日本株にはこの「GAFAM」的な企業はない。
日本株には大型成長株、バイ&ホールドで長期的に高いリターンを得られる企業はほとんどない。
景気に左右され、金融環境に左右される株式ばかりでバイ&セルの戦略が必要になる。
「割高になれば売り、割安になれば買い」のバイ&セルの投資戦略が日本株の特徴だ。

②NY市場に大きく影響され過ぎていること

海外投資家が4割以上の株式を保有し、日々の売買では6割以上が海外投資家に占められているため、海外市場、特にNY市場の影響を強く受けてしまう。
日本株のインデックス投資の限界はここにある。

基本は、米国株価×為替=日本株価・・・と考えて大きな間違いはない。
今年のパフォーマンスで確認をしてみたい。

      年初      12/12現在  パフォーマンス
NYダウ   33136ドル 36577ドル  +10.3%
S&P500   3824    4643    +21.4%
日経平均 25716円  32843円   +27.7%
ドル日経 194.7ドル 225.5ドル  +15.7%

日経平均のパフォーマンスは+27%と最高だったが、米国株に円安分のプラス足したパフォーマンスにほぼ等しい。
ドル建てでは年初来15%のプラスで、NYダウとS&P500の平均的なパフォーマンスと同等だ。

つまり、米国株×為替で日本株のパフォーマンスが決まるとしたら、日本株を保有する必要があるのだろうか?
インデックス投資よりも個別銘柄への投資、しかも、「割安の時に買い、割高の時に売る」というバイ&セル戦略を取る必要があるだろう。

旧NISAでは売却はできないが、新NISAでは売却後も次の年に枠が復活する。
新NISAではバイ&セル戦略が取れることが重要だ。
インデックス投資だけでなく、個別iの日本株も十分に投資対象になるはずだ。



相場テクニックとして「酒田五法」格言をはじめ、相場格言の現代的活用や実戦のための本
株式需給の達人格言編


https://www.amazon.co.jp/dp/B0BBQM526Y


PER・PBRなどのバリュエーションを実戦でリターンを上げることを主題として解説した本
実戦的バリュエーション

https://www.amazon.co.jp/dp/B097MY83XZ/ref=cm_sw_em_r_mt_dp_BMX1VST198R56XWPHT2S

過去の株価というだけのでチャート、これを市場心理の分析道具として実戦で使うことを目標に解説した本
チャートの達人

https://www.amazon.co.jp/dp/B08G8MD1YY/ref=cm_sw_em_r_mt_dp_Uy5tFbPATARV5


正確なパフォーマンス計測から運用は進化する、自分の弱点の分析によって運用能力を引き上げる本
個人投資家の最強運用
https://www.amazon.co.jp/dp/B0874QPNDG/ref=cm_sw_em_r_mt_dp_U_YO9LEbX6VWKB0



ソブリンファンドや年金ファンドなど海外の巨大運用機関の訪問記、市場を理解するのに役立つ本
株式需給の達人 (投資家編))

https://www.amazon.co.jp/dp/B07VW66RCN/ref=cm_sw_em_r_mt_dp_U_5NdqDbDN159VD


需給はすべてに先行する、株式需給を分析するための基礎知識を中心に解説した本
株式需給の達人(基礎編)

https://www.amazon.co.jp/dp/B07TFM4GNL/ref=cm_sw_em_r_mt_dp_U_2UadDbTW8SSZM






にほんブログ村   

資産運用時代をどう生き残る?(15)新NISA運用法

新NISA










来年の新NISA開始に向けて投資計画を考えてきた。
投資計画の要点は三つある。

①税金のかかる特定口座から緩やかに税金のかからないNISA口座へと移行していくこと。
②投資の時間分散に留意して、長期でドル平均法の効果を得ること。
③キャピタルゲインよりも安定したインカムゲインを中心とすること。

特定口座の株式を新NISAに移行するには、一旦売却し損益を確定後NISA口座へと現金を移すことになる。
一瞬にしても売却からNISA口座での買付まで時間差が生じる。
この時間差を少なくして機会損失を避ける売買方法が必要になる。

さらに時間分散を十分に図るとしたら、毎月毎月一定額を特定口座からNISA口座に移し、継続的な買付けをしていかなければならない。
新NISAの成長枠は年間240万円、1か月あたり20万円になるので、毎月20万円づつ特定口座の株式を売却しNISA口座で買付をすることになる。
売却のタイミングと移行後の買付タイミングで損失がないように売買するのもちょっと難しい。

三番めのインカム中心のポートフォリオも重要だろう。
高配当株式とJリートを使い、決算期を分散させて、インカム利回り4%以上のポートフォリオを目指すつもりだ。

という意味では・・・
1月・7月決算銘柄では「Jリート」。
2月・8月決算銘柄では「消費関連の高配当株式」
3月・9月決算銘柄では「高配当株式」
4月・10月決算銘柄では「Jリート」
5月・11月決算銘柄では「Jリート」
6月・12月決算銘柄では「高配当株式」

このように分散させると、Jリートと高配当株式の決算期をバラバラにしたポートフォリオができあがる。
これで毎月分配型の新NISA口座になる。
毎月の分配金や配当金が年金のプラスになるのが高齢者にはうれしい。

毎月毎月の口座移動でコストをどう抑えるか、決算内容が悪化し配当利回りが低下する銘柄のスイッチングをどう判断しどう実行するか・・・などが問題点として残る。
これはやりながら考えていくしかない。


相場テクニックとして「酒田五法」格言をはじめ、相場格言の現代的活用や実戦のための本
株式需給の達人格言編


https://www.amazon.co.jp/dp/B0BBQM526Y


PER・PBRなどのバリュエーションを実戦でリターンを上げることを主題として解説した本
実戦的バリュエーション

https://www.amazon.co.jp/dp/B097MY83XZ/ref=cm_sw_em_r_mt_dp_BMX1VST198R56XWPHT2S

過去の株価というだけのでチャート、これを市場心理の分析道具として実戦で使うことを目標に解説した本
チャートの達人

https://www.amazon.co.jp/dp/B08G8MD1YY/ref=cm_sw_em_r_mt_dp_Uy5tFbPATARV5


正確なパフォーマンス計測から運用は進化する、自分の弱点の分析によって運用能力を引き上げる本
個人投資家の最強運用
https://www.amazon.co.jp/dp/B0874QPNDG/ref=cm_sw_em_r_mt_dp_U_YO9LEbX6VWKB0



ソブリンファンドや年金ファンドなど海外の巨大運用機関の訪問記、市場を理解するのに役立つ本
株式需給の達人 (投資家編))

https://www.amazon.co.jp/dp/B07VW66RCN/ref=cm_sw_em_r_mt_dp_U_5NdqDbDN159VD


需給はすべてに先行する、株式需給を分析するための基礎知識を中心に解説した本
株式需給の達人(基礎編)

https://www.amazon.co.jp/dp/B07TFM4GNL/ref=cm_sw_em_r_mt_dp_U_2UadDbTW8SSZM






にほんブログ村    
最新コメント
読者登録
LINE読者登録QRコード
楽天市場
プロフィール

kabusanjin

株式需給の達人(おもしろ相場格言)
「酒田五法」などの相場テクニックに直結する相場格言をより多く取り上げました。 当ブログでも使った「最後の抱き線は心中もの」、「遊びの放れは大相場」、「放れて十字は捨て子線」など、実戦で使える格言を多く解説しています。 ケイ線に興味のある方、テクニカル分析に興味のある方、是非一読をお勧めします。
株式需給の達人(バリュエーション)
PERやPBRなどバリュエーションを理解し割安/割高の実践的判断の基に理論的な株式投資を解説します。 割安とは将来のリータンを示すのか、単に成長性がないというだけなのか、事例をもとに解説します。 株式投資の基礎として大切なもので、是非一読をおすすめします。
カテゴリー
RSS
  • ライブドアブログ