株山人の投資徒然草

大手運用会社をリタイアし、八ヶ岳に住む株山人の日記

大手運用会社をリタイアし、八ヶ岳に住む株山人の日記

株を職業にして38年、株式投資の楽しさを個人投資家に伝えたい。
Kindle版の「株式需給の達人(おもしろ相場格言編)」を出版しました。
既刊の「株式需給の達人(実践的バリュエーション編)」「チャートの達人」「個人投資家の最強運用」「株式需給の達人(基礎編)」「株式需給の達人(投資家編)」とともに一読をおすすめします。

数式を使わないリスクの話

コツコツと毎日儲かる運用方法(4)

image

















前回見てきたように先物を使ったアウトライト取引は簡単ながら「コツコツと毎日儲かる」には難しい。
市場は「ランダムウォーク」で誰にも正確に予想できるわけではないからだ。

ではオプションと先物を組み合わせたらどうなるだろうか?

代表的なポジションは「先物ロング+カバードコール」。
これは先物を買い、同時にコールオプションを売るもの。

損益は先物価格が上昇した場合、先物買いでプラスが出るがコールOP売りでマイナスが生じる。
オプション売りのプレミアムと先物の値上がり益、それにコールOP売りにマイナスの比較で損益が決まる。

その一方、先物価格が下落した場合、先物買いで損失が出るがコールOP売りでプレミアムを丸々取れる。
簡単にいえば、単に先物を買った場合は価格が下がればそれだけ損失となるが、コールOP売りを組み合わせた場合はコールOP売りのプレミアムがプラスで損失はその分抑えられるというわけだ。

もう一つ代表的なポジションは「先物ショート+ターバイ」
これは「先物ロング+カバードコール」の反対のポジションで、先物を売り、さらにプットオプションを売るものだ。

プットOPの売りは「ターバイ(ターゲットバイイング)」と呼ばれ、自分の買いたい行使価格のプットOPを売れば、価格が下がった時行使価格で現物を手に入れることができる、もし上がったら現物を買えないがプットOPのプレミアム収益が上がる。

いずれにしてもオプションの売りを組み合わせることで、オプションの時間価値(プレミアム)を毎日毎日コツコツと得ることができる。
これもうまくやれば「コツコツと毎日儲かる運用方法」の一つといえる。



相場テクニックとして「酒田五法」格言をはじめ、相場格言の現代的活用や実戦のための本
株式需給の達人格言編


https://www.amazon.co.jp/dp/B0BBQM526Y


PER・PBRなどのバリュエーションを実戦でリターンを上げることを主題として解説した本
実戦的バリュエーション

https://www.amazon.co.jp/dp/B097MY83XZ/ref=cm_sw_em_r_mt_dp_BMX1VST198R56XWPHT2S

過去の株価というだけのでチャート、これを市場心理の分析道具として実戦で使うことを目標に解説した本
チャートの達人

https://www.amazon.co.jp/dp/B08G8MD1YY/ref=cm_sw_em_r_mt_dp_Uy5tFbPATARV5


正確なパフォーマンス計測から運用は進化する、自分の弱点の分析によって運用能力を引き上げる本
個人投資家の最強運用
https://www.amazon.co.jp/dp/B0874QPNDG/ref=cm_sw_em_r_mt_dp_U_YO9LEbX6VWKB0



ソブリンファンドや年金ファンドなど海外の巨大運用機関の訪問記、市場を理解するのに役立つ本
株式需給の達人 (投資家編))

https://www.amazon.co.jp/dp/B07VW66RCN/ref=cm_sw_em_r_mt_dp_U_5NdqDbDN159VD


需給はすべてに先行する、株式需給を分析するための基礎知識を中心に解説した本
株式需給の達人(基礎編)

https://www.amazon.co.jp/dp/B07TFM4GNL/ref=cm_sw_em_r_mt_dp_U_2UadDbTW8SSZM






にほんブログ村   

コツコツと毎日儲かる運用方法(3)

4112983E-B46E-4A93-985B-232774C8EAC9

















コツコツと毎日儲かる方法を考えている。
今回は3回目で、先物を使った「コツコツと毎日儲かる方法」を取り上げてみたい。

先物のアウトライト取引ではいくつかの目立ったリスクがある。

第一は「オーバーナイト・リスク」
これは日本の夜時間にNY市場の日経平均先物が強烈に上がったり/下がったりするリスクだ。
米国のドル建て日経平均先物は、米国時間でグローバルトレードの有効なヘッジ手段として使われている。
当然、NY市場の動きが敏感に反映され、さらに為替市場の動きも直に反映される。
単に日本のファンダメンタルで売買されるわけではないことが特徴だ。
この「オーバーナイト・リスク」はコントロールできないだけでなく、東京市場のザラ場の値動きよりも大きいので短期先物取引でも避けるのが賢明だ。

第二に「ランダムウォーク」

先物取引や裁定取引が導入された市場では、ファンダメンタル情報で動くよりも市場内の短期需給で株式指数が大きく振れる。
これは経済指標やその他のハードデータでは説明しきれない。
その分、株価はランダムウォーク理論に近い動きとなり、誰も先行きの株価を正確に読むことはできない。
株価はランダムだというこの基本に先物トレードを行うべきだ。

先物を使った「ザラ場トレード」には、大きく分けて二種類考えられる。

一つはザラ場の短い期間のレンジを想定して、下限に近付いたら「買い」上限に近づいたら「売り」を繰り返す「逆張りトレード」。
でも、何か突発的なニュースが入りレンジを大きく逸脱してしまう時、大きな損失を出してしまうかもしれない。

もう一つは事前にチャートポイントを決めておき、前回の高値を抜けたら「買い」、移動平均を上抜けたら「買い」などのルールを決めておいてそのルールに従ってトレードをするという方法だ。
移動平均線はよく評論家が使うが、それだけで儲かるわけではない。

筆者は証券会社の自己売買担当の時、あるゆる方法を試したことがある。
結局、最後に思ったのは「株価はランダムウォーク・セオリーに従う」という冷徹な原理だった。
先物でトレードする限り一瞬先は「闇」であり、まさに「ランダムウォーク」だった。

感覚の鋭い人なら毎日毎日コツコツを儲けることも不可能とはいえない。
実際に取り上げたブロガー氏のように毎日毎日プラス収益を上げている人もいる。
でも筆者から見ると、彼らは特殊な才能を持っているとしか思えない。

もう少し上級の先物トレードとして、「カバードコール」「ターバイ」などがある。
次回、考えてみたい。





 相場テクニックとして「酒田五法」格言をはじめ、相場格言の現代的活用や実戦のための本
株式需給の達人格言編


https://www.amazon.co.jp/dp/B0BBQM526Y


PER・PBRなどのバリュエーションを実戦でリターンを上げることを主題として解説した本
実戦的バリュエーション

https://www.amazon.co.jp/dp/B097MY83XZ/ref=cm_sw_em_r_mt_dp_BMX1VST198R56XWPHT2S

過去の株価というだけのでチャート、これを市場心理の分析道具として実戦で使うことを目標に解説した本
チャートの達人

https://www.amazon.co.jp/dp/B08G8MD1YY/ref=cm_sw_em_r_mt_dp_Uy5tFbPATARV5


正確なパフォーマンス計測から運用は進化する、自分の弱点の分析によって運用能力を引き上げる本
個人投資家の最強運用
https://www.amazon.co.jp/dp/B0874QPNDG/ref=cm_sw_em_r_mt_dp_U_YO9LEbX6VWKB0



ソブリンファンドや年金ファンドなど海外の巨大運用機関の訪問記、市場を理解するのに役立つ本
株式需給の達人 (投資家編))

https://www.amazon.co.jp/dp/B07VW66RCN/ref=cm_sw_em_r_mt_dp_U_5NdqDbDN159VD


需給はすべてに先行する、株式需給を分析するための基礎知識を中心に解説した本
株式需給の達人(基礎編)

https://www.amazon.co.jp/dp/B07TFM4GNL/ref=cm_sw_em_r_mt_dp_U_2UadDbTW8SSZM






にほんブログ村  

コツコツと毎日儲かる運用手法(2)


790564D4-80BA-43FF-ACFF-5FA190AE4036

















ブログの人気ランキングを見ると、物凄い運用結果を出しているブログがあった。
「毎朝日経225」というブログで、毎日の運用結果が公表されている。
「本日∔75万円」「一日前-20万円」「二日前∔40万円」「三日前∔750万円」「四日前+255万円」という感じで運用結果がブログで公表されている。

「毎日毎日コツコツと儲かる運用」は魅力的で、前回、オプションの売り戦略を紹介した。
「株価が横ばい」という前提では毎日毎日コツコツと儲かるのは間違いない。
でも株価が大きく変動しボラティリティが上昇する時、大きく損失を出す可能性がある。
運用のリターンは、どんなに安定したリターンでもその背後にはリスクがある。

今回の「コツコツと毎日儲かる運用方法」は「ニッチなすき間」を見つけ利用する方法だ。
これは「ニッチなすき間」、たとえば、インデックス売買を利用する方法、現物株と派生商品の違いを利用する方法、機関投資家の大口売買を利用する方法、などなどいろいろ考えられる。

ロングターム・キャピタル・マネージメント(LTCM)は金融工学をベースに「ニッチなすき間」を見つけ、ロングショートで収益化していく手法が大当たりで年40%のリターンを上げていた有力なヘッジファンドだった。

その破たんの原因となったのはロシアや新興国債券を買い/先進国債券を売るロングショートだった。
通常の経済ならば長期国債は世界的に連動しているので、数倍のレバレッジをかけ「その金利差」を収益化すれば大儲けも可能だった。
でもアジア危機、ロシア危機ではこの連動性が失われ、資金はリターンが低いが安定した先進国債券に流れ、割安な新興国債券はさらに割安になってしまった。
クレジット分析に長けていたLTCMは自分の分析結果では新興国は割安と判断し、さらにポジションを積み増しレバレッジを高めたが、これが裏目に出て・・・破たんした。

LTCMは破綻したが「ニッチなすき間」は「コツコツと毎日儲かる運用」の重要な要素であり続ける。

筆者も経験したのは、機関投資家の売買インパクトを収益化するザラ場ロングショートだ。
二銘柄の連動性を主要銘柄ですべてで数分毎に計算しておく、ある銘柄に機関投資家の大口売りが入り大きく下落した株価で買う、同時に最も連想性の高い銘柄を売るというロングショートだ。
これを一日数千回、数万回と繰り返すと、相当な収益を毎日毎日積み上げることができる。
このトレードは着実にリターンを上げ、年間では数十億円の利益になった。

でも個人投資家がこのトレードをするには問題がある。
一回のロングショート売買で、平均7bpしか収益が出なかったからだ。
実際の証券自己トレーディングはコンピュータによる自動売買で高速回転で行うので、一回の収益率が小さくても何千回、何万回と繰り返すことで相当な収益を上げられ、しかも証券自己売買には手数料はない。
でも個人投資家には7bpの収益だと手数料で消える。

リターンとリスクは背中合わせ、債券という安定した商品で収益化したトレード、ザラ場の高速回転でリターンを上げたトレードもそれぞれのリスクを持っていた。



 相場テクニックとして「酒田五法」格言をはじめ、相場格言の現代的活用や実戦のための本
株式需給の達人格言編


https://www.amazon.co.jp/dp/B0BBQM526Y


PER・PBRなどのバリュエーションを実戦でリターンを上げることを主題として解説した本
実戦的バリュエーション

https://www.amazon.co.jp/dp/B097MY83XZ/ref=cm_sw_em_r_mt_dp_BMX1VST198R56XWPHT2S

過去の株価というだけのでチャート、これを市場心理の分析道具として実戦で使うことを目標に解説した本
チャートの達人

https://www.amazon.co.jp/dp/B08G8MD1YY/ref=cm_sw_em_r_mt_dp_Uy5tFbPATARV5


正確なパフォーマンス計測から運用は進化する、自分の弱点の分析によって運用能力を引き上げる本
個人投資家の最強運用
https://www.amazon.co.jp/dp/B0874QPNDG/ref=cm_sw_em_r_mt_dp_U_YO9LEbX6VWKB0



ソブリンファンドや年金ファンドなど海外の巨大運用機関の訪問記、市場を理解するのに役立つ本
株式需給の達人 (投資家編))

https://www.amazon.co.jp/dp/B07VW66RCN/ref=cm_sw_em_r_mt_dp_U_5NdqDbDN159VD


需給はすべてに先行する、株式需給を分析するための基礎知識を中心に解説した本
株式需給の達人(基礎編)

https://www.amazon.co.jp/dp/B07TFM4GNL/ref=cm_sw_em_r_mt_dp_U_2UadDbTW8SSZM






にほんブログ村  

コツコツと毎日儲かる運用方法(1)

image

















ブログの人気ランキングを見ると、物凄い運用結果を出しているブログがあった。
「毎朝日経225」というブログで、毎日の運用結果が公表されている。
「本日∔75万円」「一日前-20万円」「二日前∔40万円」「三日前∔750万円」「四日前+255万円」という感じで運用結果がブログで公表されている。

当ブログで何回か指摘してきたが、この1~2か月の日経平均は「空中戦」状態だ。
この空中戦では「株価はランダム」に推移するので、完璧に予想することは誰もできない。
それでも毎日毎日プラスのリターンを得ることは可能なのだろうか?

この素晴らしい運用成果が「ウソかマコトか?」というわけではない。
毎日毎日運用パフォーマンスをプラスにする方法もないわけではないからだ。
しかし、この世は「リスクとリターン」で出来ている。
どんな運用にもリスクがあり、一定のリターンを得るのはそれに見合うリスクを取っているはず。
リスクも取らずに毎日毎日コツコツと儲かるなんてありえないから。

という意味ではほとんどの投資家にはこのブロガーの運用をマネするのは不可能だ。
ではどうやって毎日毎日プラスのパフォーマンスを上げるのかを考えてみよう。
毎日毎日コツコツと儲ける方法には大きく分けて二種類のやり方が考えられる。

一つ目の「コツコツ」運用は、オプションのショートストラドルやストラングル戦略だ。
これはコールとプットの両方のオプションを売却する戦略で、行使価格が同じコールとプットオプションを売るのが「ストラドル」、行使価格の異なるコールとプットオプションを売るのが「ストラングル」戦略だ。

コールとプットの両方を売るため、オプションを売ることで得られるプレミアムを毎日毎日得ることができる。
その利益を実現できる条件は「株価が動かないこと」だ。
株価が動かなければ、オプションを売るだけで毎日毎日チャリンチャリンと日銭が稼げ、コツコツと毎日儲かる方法の代表的なものだ。

でも問題は株価が急激に変化すると、ボラティリティが上昇しオプション売りは大きな損失が生じる。また株価水準が大きく変化すると、「コール売りープット売り」の行使価格水準を逸脱してしまい、これも大きな損失を発生させる。

なのでオプション売り戦略も簡単ではない。
毎日毎日コツコツと稼ぐには、相場の先を読み、オプションのダイナミックヘッジをできなければならない。
5~6月の日経平均の動きはこうしたオプション取引が慌てて損失カバーに入ったことで生じた。
こうなるとオプション取引者は大負けのはずだ。

もう一つの「コツコツ」運用方法は次回・・・・




   相場テクニックとして「酒田五法」格言をはじめ、相場格言の現代的活用や実戦のための本
株式需給の達人格言編


https://www.amazon.co.jp/dp/B0BBQM526Y


PER・PBRなどのバリュエーションを実戦でリターンを上げることを主題として解説した本
実戦的バリュエーション

https://www.amazon.co.jp/dp/B097MY83XZ/ref=cm_sw_em_r_mt_dp_BMX1VST198R56XWPHT2S

過去の株価というだけのでチャート、これを市場心理の分析道具として実戦で使うことを目標に解説した本
チャートの達人

https://www.amazon.co.jp/dp/B08G8MD1YY/ref=cm_sw_em_r_mt_dp_Uy5tFbPATARV5


正確なパフォーマンス計測から運用は進化する、自分の弱点の分析によって運用能力を引き上げる本
個人投資家の最強運用
https://www.amazon.co.jp/dp/B0874QPNDG/ref=cm_sw_em_r_mt_dp_U_YO9LEbX6VWKB0



ソブリンファンドや年金ファンドなど海外の巨大運用機関の訪問記、市場を理解するのに役立つ本
株式需給の達人 (投資家編))

https://www.amazon.co.jp/dp/B07VW66RCN/ref=cm_sw_em_r_mt_dp_U_5NdqDbDN159VD


需給はすべてに先行する、株式需給を分析するための基礎知識を中心に解説した本
株式需給の達人(基礎編)

https://www.amazon.co.jp/dp/B07TFM4GNL/ref=cm_sw_em_r_mt_dp_U_2UadDbTW8SSZM






にほんブログ村  

「投資は怖い」は本当?(6終わりに)

IMG_0322


















「騙されないように」「騙されないように」と思っていると、かえって詐欺師の話術にハマってしまうという場合も多い。
騙そうとする人は、相手が疑っていることを前提にして話を組み立てる。
だから、「騙されないように」気を付けること自体が、彼の話術にハマっているわけだ。

詐欺的な投資話は世の中にあふれている。
証券会社が「儲かります」という程度の話から、組織的に役割分担して多くの投資家を一網打尽に騙すというレベルまで様々だ。
詐欺師は巧妙に話を組み立て、時には考える暇も与えず結論を迫るなど、テクニックに長けている。
コロッと騙されるのことが普通だ。

でも、こうした詐欺的投資話を避ける方法もある。

第一に「ノーフリーランチ」
世の中に簡単に大儲けできる方法はない・・・この原則を無視して「大儲けできます」という人がいたら、ほぼ100%詐欺的な人だ。

第二に「断定的な判断の提供」
「絶対儲ける」「必ず儲かる」など「絶対」や「必ず」という言葉を使う人も、ほぼ100%詐欺的な人だ。

第三に「よく分からない話に投資しない」
ウォーレンバフェットの言葉は永遠の真実を示している。
暗号通貨、クリプトカレンシー、トークン、NFTなど難しい用語を並べてくる投資話には自分の理解できる範囲で判断する。
理解できる人は暗号通貨に投資してもいいが、理解できない人は投資すべきでない。

詐欺的投資話を理解しようとして必死に頭を使う必要はない。
「騙されないように」と考え続ける必要もない。
経験的には「ノーフリーランチ」「断定的判断」「よく分からない話」の三つを知っていればいい。
詐欺的な投資話はたいてい、この三つのどれかに関わっている。

「投資は怖くない」
リスクに見合った投資成果を上げる、これだけだ。



ブログランキングに参加しています。
プチっとお願いします!!


実戦的バリュエーション   興味のある方は以下のURLからアクセスしてください。


https://www.amazon.co.jp/dp/B097MY83XZ/ref=cm_sw_em_r_mt_dp_BMX1VST198R56XWPHT2S

チャートの達人

https://www.amazon.co.jp/dp/B08G8MD1YY/ref=cm_sw_em_r_mt_dp_Uy5tFbPATARV5


個人投資家の最強運用
https://www.amazon.co.jp/dp/B0874QPNDG/ref=cm_sw_em_r_mt_dp_U_YO9LEbX6VWKB0



株式需給の達人 (投資家編))

https://www.amazon.co.jp/dp/B07VW66RCN/ref=cm_sw_em_r_mt_dp_U_5NdqDbDN159VD



株式需給の達人(基礎編)

https://www.amazon.co.jp/dp/B07TFM4GNL/ref=cm_sw_em_r_mt_dp_U_2UadDbTW8SSZM






にほんブログ村        

「投資は怖い」は本当?(5)

DDD7A619-2524-4030-A4D0-1C5BF46697DC


















ウォーレン・バフェット氏は数多くの名言を残しているが、「Only invest in ‘simple businesses’ that you understand.」という言葉に筆者は驚いた。
この言葉を聞いた当時は、米巨大ハイテク企業のピカピカの成長期だった。
アップルのiPhoneの成長を期待していたし、アマゾンのEコマース、グーグルの検索エンジン、誰もが壮大な夢を信じていた時期だった。

多くの投資家や評論家はどこまでテクノロジーを理解していたのかは分からないが、多くの人は「知ったぶりでアマゾン株を買い、グーグル株を買い漁っていた。
でも、その世相に背を向けて、自分が理解できない株(テクノロジーなど)には投資しないと明言したのがウォーレン・バフェット氏だったからだった。
その後アップル株は購入したが、アメリカがインターネットで世界を席捲するキッカケになった巨大プラットフォーマーに全く目を向けず、ひたすら理解できるバリュー株に投資し続けた。

この言葉は「投資の真髄」を言い当てている。

多くの投資家は、バフェット氏とは全く逆で、自分のよく理解できないビジネスモデル・技術・テクノロジーを「なんか凄い」と思ってしまう。
理解できないモノを凄いと思ってしまうのが普通の人間なのだろう。
だからこそ、クリプトカレンシー、ビットコイン、NFTなどの新しい言葉に「何か凄い事をしている」と思ってしまう。
それこそ投資家の心理であり錯覚だ。

でもこれらは詐欺師がよく使うテクニックだ。
訳わからない難しい言葉を使うと、何か高尚な事を語っているように感じてしまう。
これを一刀両断にぶった切ったウォーレン・バフェット氏はやはり「ただモノではない」
この「分からないモノには投資しない」という原則を守ることができる投資家は、詐欺師に騙されることもないはずだ。

TKO木本氏の投資トラブルも基本的に「よく分からないFX取引、よく分からない不動産取引」に大儲けの期待をしてしまったところが問題かもしれない。
バフェット氏の原則を守れれば木本氏も投資トラブルを避けられただろうと思うと、このトラブルから投資家は学ぶべきだと改めで思う。



ブログランキングに参加しています。
プチっとお願いします!!


実戦的バリュエーション   興味のある方は以下のURLからアクセスしてください。


https://www.amazon.co.jp/dp/B097MY83XZ/ref=cm_sw_em_r_mt_dp_BMX1VST198R56XWPHT2S

チャートの達人

https://www.amazon.co.jp/dp/B08G8MD1YY/ref=cm_sw_em_r_mt_dp_Uy5tFbPATARV5


個人投資家の最強運用
https://www.amazon.co.jp/dp/B0874QPNDG/ref=cm_sw_em_r_mt_dp_U_YO9LEbX6VWKB0



株式需給の達人 (投資家編))

https://www.amazon.co.jp/dp/B07VW66RCN/ref=cm_sw_em_r_mt_dp_U_5NdqDbDN159VD



株式需給の達人(基礎編)

https://www.amazon.co.jp/dp/B07TFM4GNL/ref=cm_sw_em_r_mt_dp_U_2UadDbTW8SSZM






にほんブログ村       

「投資は怖い」は本当?(4)

2AB84132-F1F3-49F0-9086-6CF2C899E5DA

















TKO木本氏の投資トラブルを見て「投資は怖い」と思った人は多いかもしれない。
木本氏は暗号通貨への投資ではないとしているが、このトラブル自体もよく分からない事が多い。
レバレッジ(借金の梃子)を掛けるFX(通貨先物)取引は大きく損失を出す可能性があるにしても、不動産投資では「全額損失」となることは考えにくい。
実物不動産は「ゼロ」にはならないし、レバレッジを掛けたとしても「担保価値」の範囲での借金しかできないからだ。

いずれにしても2億円は返金されたようだが、5億円近くは損失となりそうな気配だ。
でもこの問題は根が深い。

①金融業者としての法令遵守問題。
もし木本氏が他の芸能人からおカネを一旦預かり、まとめて投資家AとBに送金していたとすると、金融業者の登録が必要になるはずだ。
また、芸能人のおカネを直接投資家AとBに送金していたとすると、この投資家AとBが金融業者として登録しておかなければならない。
いずれにしても金商法の違反の可能性が残る。

②木本氏の投資勧誘姿勢の問題
単なる善意で木本氏はこんな金融仲介を行ったと言う。
その際に、「断定的な判断」がなかったのかどうかは分からないがグレーな状況だろう。
そもそも手数料もバックマージンもなしで、損失リスクの高い運用をなぜ他人に勧めたのかも理解できない。
これは投資家AとBについても同様で、今後確かめられるのだろう。

③一部返金の公平性の問題
通常金融業者が破たんしたとすれば、すべての債権者と出資者が集まって損失を確定し残余資産の配分を協議する。
勝手に恣意的に残余資産を特定の債権者に優先的に返金することはできない。
木本氏は2億円の返金があり、それを一部の芸能人に渡した、おそらく木本氏にとって影響の大きい人に返金し、自分の都合を優先したのだろう。
これでは公平性に欠ける。

金融業者でない個人の投資家AとB、出資者のTKO木本氏、さらに芸能人を始め資金を出した人、それぞれが金商法やその他のルールに対応していない。
法律では50人以上の投資家から資金を集める「公募」と50人以下の「私募」に分かれる。
「公募」にはより厳しい投資家保護のルールが課せられている。
この木本氏の運用スキームは規制が若干緩い「私募」に当たるだろうが、それでも投資家保護やファンドの透明性のための様々なきちんとした契約やコンプライアンス(法令遵守)、仕組みや運用体制が求められる。
こうした素人の金融仲介、投資運用、素人のファンドビジネス自体が大きな問題を含んでいるだろう。

いいかげんな私的な運用勧誘に騙されないようにすれば「投資は怖い」は当てはまらない。
そのための基本、バフェット氏の投資原則「分からない投資はするな」は次回考えてみたい。



  ブログランキングに参加しています。
プチっとお願いします!!


実戦的バリュエーション   興味のある方は以下のURLからアクセスしてください。


https://www.amazon.co.jp/dp/B097MY83XZ/ref=cm_sw_em_r_mt_dp_BMX1VST198R56XWPHT2S

チャートの達人

https://www.amazon.co.jp/dp/B08G8MD1YY/ref=cm_sw_em_r_mt_dp_Uy5tFbPATARV5


個人投資家の最強運用
https://www.amazon.co.jp/dp/B0874QPNDG/ref=cm_sw_em_r_mt_dp_U_YO9LEbX6VWKB0



株式需給の達人 (投資家編))

https://www.amazon.co.jp/dp/B07VW66RCN/ref=cm_sw_em_r_mt_dp_U_5NdqDbDN159VD



株式需給の達人(基礎編)

https://www.amazon.co.jp/dp/B07TFM4GNL/ref=cm_sw_em_r_mt_dp_U_2UadDbTW8SSZM






にほんブログ村      

「投資は怖い」は本当?(3)

F2DB4346-90BB-461E-844D-B32F323F36FE


















怪しい「投資話」や「ポンジスキーム」から身を守る方法を考えている。
前回は①「ノーフリーランチ」を理解することを話した。
今回は②「断定的判断の提供による勧誘(以下、断定的勧誘)」に気を付けることをテーマに話してみたい。

「断定的勧誘」は金融商品取引法だけでなく消費者契約法でも禁止行為になっている。
なので、証券マンだけでなくすべての人が学ばなければならない必須項目だ。

「これから原油(それ以外の商品の場合もあります)の値段が上がりますから、今買えば(必ず)儲かります。」
「今は、金の値段が底値だから、今買えば、(必ず)儲かります」
「私のお客さんは皆さん儲けています。」
「損はさせません。」


これらの勧誘トークはすべて「アウト!!」・・・断定的勧誘だ。
TKO木本氏の投資トラブルで、どんな勧誘トークが使われて芸能人数十人から6億円とか7億円と言われる金額を集められたのかは分からない。
しかし、投資勧誘では「絶対にこうなる」「こうなるに決まっている」「こうなるしかない」などと断定的な言葉を使う方が明らかに迫力がある。
一般人は「言い切られると弱い」ので、強い表現で投資勧誘するのが常道ともいえる。

詐欺師の場合はこの「断定的な勧誘」にならないように「絶対に儲かる・・・と思う」などと微妙な表現を入れて法律を回避するかもしれない。
でも詐欺的な勧誘や投資話は、なにかしら断定的な表現を含む。
それが判断のカギになる。

投資話を勧誘された時、「絶対に」とか、「必ず」とか、言われたら要注意だ。
法律に引っかからないように多少表現を丸めている可能性もあるが、「先着何名・・・」とか、「あなただけに教えます」とか「今だけがお買い得・・・」なども要注意だろう。

運用者が自分で投資決定をする場合、自分ではあらゆる可能性を考えた上で「断定的判断」する。
あやふやな考えでは投資できない、それだけ強い判断が運用には求められるからだ。
でも、それを他人に話すことはありえない。
個人的な投資決定を人に押し付けてはならない。

次回は、投資の神様と呼ばれるバフェット氏の重要な投資原則「よく分からないものには投資しない」。
これが投資詐欺を見分ける第三番めのテーマになる。



ブログランキングに参加しています。
プチっとお願いします!!


実戦的バリュエーション   興味のある方は以下のURLからアクセスしてください。


https://www.amazon.co.jp/dp/B097MY83XZ/ref=cm_sw_em_r_mt_dp_BMX1VST198R56XWPHT2S

チャートの達人

https://www.amazon.co.jp/dp/B08G8MD1YY/ref=cm_sw_em_r_mt_dp_Uy5tFbPATARV5


個人投資家の最強運用
https://www.amazon.co.jp/dp/B0874QPNDG/ref=cm_sw_em_r_mt_dp_U_YO9LEbX6VWKB0



株式需給の達人 (投資家編))

https://www.amazon.co.jp/dp/B07VW66RCN/ref=cm_sw_em_r_mt_dp_U_5NdqDbDN159VD



株式需給の達人(基礎編)

https://www.amazon.co.jp/dp/B07TFM4GNL/ref=cm_sw_em_r_mt_dp_U_2UadDbTW8SSZM






にほんブログ村      

「投資は怖い」は本当?(2)

AEBBF709-2F9E-473E-8F73-5F6D59CFD99D

















TKO木本氏の「投資トラブル」で、TKOの二人ともTKO(テクニカル・ノック・アウト)になってしまった。
コンビ名はこれを予測していたのかもしれない。
結局、木本氏にどんな罪があるのか、5億円以上という資金を提供した人たちが何がいけなかったのか、よく分からない。
彼らは何故木本氏に資金を預けたのか、自らNFTゲームに参加していたのか(NFTかどうかは不明)、どこで損失を出したのかも分からない。
でも、突然「落とし穴」にハマったような感覚になる。
一般人はこうしたニュースを見て「投資は怖い」と思うだろう。

「投資は怖いからやめよう」と思う人たちに言いたい。
「投資話」だけでなく「オレオレ詐欺」で被害を受けた人もいるし、「和牛」や「ワイン」でだまされた人もいる、人生にはこうした「落とし穴」はよくある話だ。
どうやって「落とし穴」を避けられるのか?
避ける方法はある。
これを理解していないと、いつ「投資の落とし穴」にハマってしまうか分からない。

まずは、ノーフリーランチ、タダの昼飯はない・・・ということ。

「無料のランチはない」定理)とは、あらゆる問題を効率よく解けるような“万能”の「教師ありの機械学習モデル」や「探索/最適化のアルゴリズム」などは存在しない(理論上、実現不可能)、ということを主張する定理。

この事はアルゴリズムの世界だけでなく、投資の世界でも当てはまる。
投資の場合はリスクを取らずに「無リスク資産(例えば、短期国債)」を越えるリターンを上げることはできない。
リスクなしにフリーランチ(ただ飯)にはありつけない。

もしTKO木本氏がポンジスキーム(ねずみ講)を理解していれば、早くゲームに参加した人だけが、遅れて参加した人に犠牲によって儲けることができると分かっていたはずだ。
早く参加した人は「低リスクで高リターン」を上げられるが、遅く参加した人は「高リスクで低リターン」でしかならない。
つまり、参加者の合計リスクと合計リターンはほぼ一定だ。

ポンジスキームは本質的なリターンを上げてはいないので、誰かが得すれば誰かが損する関係になる。
もし、木本氏のパートナーがリターンを独り占めしたとしたら、他の全員がマイナスになるだけだ。
あるいはNFTの暴落で損失を出したら、パートナー氏以外は全員大損という可能性もある。
これが現実に起こっている事ではないだろうか?

「ノーフリーランチ」、ただで美味しいご飯にありつけるわけではない。
日本でも「ただより怖いものはない」というが、現実は全くその通りだ。

次のチェックポイントは「断定的判断による勧誘」かどうかだ。
証券外務員試験では必ず登場する重要な言葉だが、これが詐欺的な投資話を見分ける簡単な方法になる。
詳細は、次回に続く・・・



 ブログランキングに参加しています。
プチっとお願いします!!


実戦的バリュエーション   興味のある方は以下のURLからアクセスしてください。


https://www.amazon.co.jp/dp/B097MY83XZ/ref=cm_sw_em_r_mt_dp_BMX1VST198R56XWPHT2S

チャートの達人

https://www.amazon.co.jp/dp/B08G8MD1YY/ref=cm_sw_em_r_mt_dp_Uy5tFbPATARV5


個人投資家の最強運用
https://www.amazon.co.jp/dp/B0874QPNDG/ref=cm_sw_em_r_mt_dp_U_YO9LEbX6VWKB0



株式需給の達人 (投資家編))

https://www.amazon.co.jp/dp/B07VW66RCN/ref=cm_sw_em_r_mt_dp_U_5NdqDbDN159VD



株式需給の達人(基礎編)

https://www.amazon.co.jp/dp/B07TFM4GNL/ref=cm_sw_em_r_mt_dp_U_2UadDbTW8SSZM






にほんブログ村     

「投資は怖い」は本当?(1)

1E228435-D28C-491D-B06D-7E048641664D

















お笑い芸人TKOの木本氏の「5億円投資トラブル」が話題になっている。
これを機会に非代替性トークン(NFT)やデジタル資産の取引、NFTを使ったゲーム(STEPN)など、チンプンカンプンだった一般投資家も大いに勉強すべきだろう。
こんな事でもないと、我々の世代は勉強をしないからね・・・まずは勉強。

「ゲーム内の通貨やアイテムなどを、暗号資産やNFT化された資産として手に入れることができる、いわゆる「NFTゲーム」が注目を集め、「Play to Earn(遊んで稼ぐ)」というワードも大いに持て囃されているが、今回取沙汰されている「STEPN」は、NFTであるスニーカーを入手し、それで実際に歩いたり走ったりといった移動をすることで、その距離に応じた仮想通貨などを入手できる」

「STEPN」はそれらのサービスのなかでも、開始直後から会員数を急激に伸ばすなど、注目を集める存在だった模様。ゲームの注目度が上がり、それらに勤しむ人間が増えるほど、既存ユーザーが購入したNFTの価値が値上がりすることも期待できるだけに、今回のような周りに勧めるといった動きも出てくるわけだが、いっぽうで「STEPN」に限らずNFTゲーム全体に対しては、「ポンジスキームなのでは」と訝しむ視線も少なくない。


木本氏は自分が先にNFT(スニーカー)を大量に買って、次から次に芸能人を勧誘してSTEPNに参加させる。
参加者が増えれば増えるほどNFTの価値が上がり、大儲けできると考えたのだろう。

問題は何だったのだろう?

①STEPN自体のねずみ講(ポンジスキーム)的な詐欺的な仕組み
参加者を勧誘し増やすことで利益が上がる仕組みは「ねずみ講」だが、このゲームにはこうした仕組みが組み込まれていた。
ここに問題があるのは間違いないが、木本氏の手元に全くカネがなかった、ねずみ講で全額損することはないから単なる「ねずみ講」とは違うようだ。
「ねずみ講」は違法行為だが、NFTゲームとなるとどう認定されるかは分からない。

②NFTの価値が暴落、または木本氏のパートナーが持ち逃げした可能性もある。
デジタルアートの取引で使われる非代替性トークンNFTはブロックチェーンで保護されているはずで簡単に持ち逃げできないだろうと思われる。
でもNFTが何かの要因で暴落と言うのは考えられる。
NFT化されたデジタル・アートが人気になっているが、デジタルアート自体、価値が不安定で暴落する可能性は常にありそうだ。
NFTの暴落は犯罪でも何でもないが、問題は資金集め時の勧誘の仕方にあるかもしれない。

③そもそもNFTを購入すると言ってカネを集めながら、木本氏のパートナーが購入せずに逃げた。
これはよくある詐欺のケースだ。
そもそも「投資の儲け話」の大半は、集めた資金を投資せずに持ち逃げする事例だ。
なぜなら、「儲け話の胴元」自身が投資のリスクを最も理解しているからだ。

ポンジスキーム的なNFTゲームの問題、NFTの価値のボラティリティの問題などもあるが、資金集めの仕方に木本氏とパートナーに何かしらの犯罪行為があったということも考えられる。

こうした犯罪的な事例を前にして、多くの人たちは「投資は怖い」と思うだろう。
でも、この「投資が怖い」には状況があり、それに合わせて「怖さ」も違う。
せっかくの機会なので、次回「投資はの怖さ」を考察してみたい。




ブログランキングに参加しています。
プチっとお願いします!!


実戦的バリュエーション   興味のある方は以下のURLからアクセスしてください。


https://www.amazon.co.jp/dp/B097MY83XZ/ref=cm_sw_em_r_mt_dp_BMX1VST198R56XWPHT2S

チャートの達人

https://www.amazon.co.jp/dp/B08G8MD1YY/ref=cm_sw_em_r_mt_dp_Uy5tFbPATARV5


個人投資家の最強運用
https://www.amazon.co.jp/dp/B0874QPNDG/ref=cm_sw_em_r_mt_dp_U_YO9LEbX6VWKB0



株式需給の達人 (投資家編))

https://www.amazon.co.jp/dp/B07VW66RCN/ref=cm_sw_em_r_mt_dp_U_5NdqDbDN159VD



株式需給の達人(基礎編)

https://www.amazon.co.jp/dp/B07TFM4GNL/ref=cm_sw_em_r_mt_dp_U_2UadDbTW8SSZM






にほんブログ村      

数式を使わないリスクの話(5 テールリスク)

数式を使わないリスクの話、今回はテールリスクを考えてみたい。
テールリスクは予測不能で起きる確率は非常に低いが、一旦起きたときの衝撃が大きい事象を指す。
少し前ブラックスワン(=テールリスク)という言葉が流行ったが、当時はリーマンショックの反省をもとに金融システミックリスクが議論されたいた頃だったのでみんなテールリスクに敏感じゃった。
テールイベントは、一般的には地震・津波や火山爆発などの予知できない自然災害、
国際情勢に影響を与える政権交代や戦争・紛争・大規模なテロ攻撃、金融システムを揺るがす債務危機や巨額損失事件などだが・・・ワシャ、運用者としてどこまで意識すべきかは疑問が多いと思う。

いくつかの例を振り返ってみよう。
2001年に起こったNYでの9.11のテロ。
大型飛行機が高層ビルに突っ込むという衝撃的な映像が流され全世界が震撼した。
アメリカ政治の方向を変えた大事件だったが、株価的にはすでに下落相場の途中だったため大きな影響はなかった。

1990年代、ヘッジファンド業界を席巻したロングターム・キャピタル・マネージメント。
言わずと知れたメリウェザーの作ったヘッジファンドだが、急成長し資産5兆円に25倍のレバレッジをかけ125兆円のポジションを運用しておった。
ところが、1997年のアジア通貨危機とそのあおりを受けたロシア危機でポジションがマタ裂きになり、破たん。
100兆円をこえる巨額なレバレッジ資金が焦げ付き、世界が一瞬凍り付いた。
しかし、株価的にはアジア危機からすでに大きく下落していたので大きな問題とはならなかった。

2011年の3.11東北大地震。
東北地方を襲った大地震、巨大津波で多くの家が一瞬にして流される衝撃的映像が世界を凍り付かせた。
東北地方に生産・物流・開発拠点を持つ多くの企業は生産中止を余儀なくされ、サプライチェーン全体がフリーズしてしまった。
完成品を被害地域の工場で作っている企業だけでなく、部品を被害地域で作り中国やアジアで完成品にして輸出しているような企業、物流拠点を被害地域に持っている企業など、多くの企業のサプライチェーンが分断され生産停止に追い込まれた。
しかし、そこは日本企業、わずか2-3か月で被害地域以外でサプライチェーンを復活させ、通常生産に戻った。
日本企業の迅速な対応で株価は一瞬2割ほど下げた程度で終わり、徐々に回復していったんじゃ。

その他、台風(ハリケーン)はよく起こるし、株式市場が致命的な暴落を記録したこともない。
アメリカのハリケーン被害は数億ドルに及んだが、ファンダメンタルをぶっ壊すほどではなかったためだ。

これらの例から言えることは、テールイベントでまず大切なことはあたふたしないことじゃ。
世界を震撼とさせた映像であったり、びっくりするような巨額な破たんであったり・・・と、真っ青になるような出来事が起こった時、いかに冷静にいられるかが運用者や投資家として最も重要なことじゃ。
もちろん、テールリスクを管理する方法もある。
VIX指数の先物を買ったり、行使価格の低いプットオプションを買ったりできる。
でも、常時やっているとコストがかかり、リターンを引き下げる。
テールリスクを管理したいなら、ワシが勧めるのは毎年の投資収益の10%程度を別途積立てておく方法だ。
これだったら、コストをかからないし再投資収益を少し引き下げるだけですむからじゃ。



数式を使わないリスクの話(4 リスク対リターン)

数式を使わないリスクの話(3)で書いたが、リスクは単に減らせばいいというものではなく、リスクに見合うリターンを上げているかが重要なのじゃ。
というわけで今回はリスク当たりのリターンを取り上げてみよう。

リスク当たりリターンの考え方は2つある。
一つは超過リターンをトラッキングエラーで割り算するという考え方。
3年あるいは5年程度の期間を使い、評価基準(ベンチマーク)である株価指数を上回った超過リターンをトラッキングエラーで割ったもので、この数値を情報レシオ、インフォメーションレシオを呼ぶ。
これは、ファンドマネージャーがどれだけのベンチマークリスクを取ってどれだけのリターンを上げたかを示す、ファンドマネージャーの成績表でもある。
通常、5年程度の期間というと、景気が良くなったり悪くなったり、金利が上がったり下がったり、いろいろ起こる時間の長さだ。
だから、情報レシオが1を越える成績はファンドマネージャーの合格ラインじゃな。
0.5以上1以下でも悪くはないが、0.5以下はクビ候補じゃ。

もう一つはリターン(細かく言うと無リスク資産のリターンを上回った分)をリスク(リターンのバラツキ)で割り算するという考え方。
これはシャープさんの考えたレシオで、シャープレシオと呼ばれている。
現在、無リスク資産のリターンはほぼゼロなので、リターンをリスクで割り算するだけなので計算も簡単じゃ。
簡単なので、いろんな資産の評価を横比較できるし、個人投資家には使いやすいものだろう。
たとえば、日本債券(リターン1.5%、リスク2%)でシャープレシオ0.75、日本株(5%、18%)で0.28、外国債券(2.5%、10%)で0.25、(外国株5%、20%)で0.25・・・と計算できる。
比較が簡単なことからどの資産を買おうかと考える基礎的な数字として使える。

ただし、情報レシオで1以上という好成績を続けるのは想像以上にむずかしい。
昔、情報レシオ1以上を10年以上続けたスーパーなファンドマネージャーがいた。
思えば2015年にドイツ証券のアナリストが決算前の未公表数字をもとに営業していた事実がバレて、金融庁が公表前取材を取り締まる通達を出したが、これが大きな変化の始まりだった。
それまでは予想より上か下かぐらいの感触だったらインサイダーを問われることがなかったが、これを境に一気に厳しくなった。
ほとんどの証券会社は決算前取材をやめた。


その辺からこのスーパーなファンドマネージャーもリターンが落ちてしまった。
こうした短期情報を使い、決算に向けたトレーディングで超過リターンを上げてきたからだろう。
スーパーなファンドマネージャーはたいていどこかにリターンを上げる裏技を持っているものだが、それがうまくいかなくなると・・・いかにスーパーファンドマネージャーでも苦戦するものなのじゃ。
このファンドマネージャーは環境変化に対応して再び高いリターンを上げ始めたが・・・特に外人ファンドマネージャーの中には日本企業のインサイダー情報でリターンを上げ、巨額ボーナスをもらっていた奴が多くいたが、彼らは全滅した。
この手の輩はだんだん市場から一掃されてきている。


数式を使わないリスクの話(3 分散投資)

今回は分散投資を考えてみたいのじゃ。
よく「卵は一つのカゴに盛るな」と言われる。
複数のカゴに入れておけば、一つのカゴを落として卵を割ってしまっても、他のカゴの卵は大丈夫だというわけじゃ。
しかし、この例はリスク管理という点では正確じゃない。
カゴ自体が同じところに置いてあれば、すべてのカゴが落ち、すべての卵が割れてしまうかもしれない。
現在では市場間の連動性が高くなってきているので、別の市場に入れてもすべて同時に下落してしまう可能性がでてきているからじゃ。

株式の保有銘柄数を増やしていくと、たしかにトラッキングエラーは低下していく。
しかし、リターンも株価指数にどんどん近くなっていってしまい、アクティブ運用の効果がなくなる。
たとえば、円高に強い内需株と円安に強い外需株の両方を保有すれば、円高のときは内需株がリターンを上げ、円安のときは外需株がリターンを上げる、どちらでも儲かるポジションといえるか?
答えはNOで、「円高でも円安でもたいして儲からないポジションになる」じゃ。
むやみにリスクを減らしていくと、リターンも減ってしまい、何のために運用しているのか訳わからなくなってしまう。
株式投資は、最後的に、自分がイケると判断した銘柄に集中的投資することじゃ。
ワシの経験ではそれがもっとも良いリスク対リターンになる。

リスクを管理するとは、単にリスクを減らせばいいという問題ではないのじゃ。
もっとも重要なことは、取ったリスクに対して十分なリターンを上げられるかどうかじゃ。
ワシが一般投資家に勧めるのは、リスクの3分散投資だ。
まず、投資資金を3等分して、最初の三分の一は高配当+低ボラの銘柄から選ぶ。
主に高配当銘柄やREITなどが対象になる。
次の三分の一は株価指数に入っているような業績安定した大型株から有望銘柄を選ぶ。
最後の三分の一は株価指数に入っていないボラの高い小型株から有望銘柄を選ぶ。

こうしたリスク水準を分散したポートフォリオは、株価指数の暴落場面では高配当部分がリターンの悪化を抑えてくれるし、急上昇場面でもある程度株価指数に追随することが可能だ。
それぞれのリスク水準で、リスクに応じたリターンを上げる銘柄選択できれば、投資効果は上がる。


数式を使わないリスクの話(2 トラッキングエラー)

トラッキングエラーという言葉、聞いたことあるじゃろか?
これは、ある株式ファンドのリターンが株式指数(日経平均やTOPIXのインデックス)のリターンからどのぐらいズレているかを示すものじゃ。
だから、インデックスファンドのトラッキングエラーは通常1%以下と極めて小さいし、ファンドマネジャーが運用するアクティブファンドのトラッキングエラーは2-10%と高い。
これでファンドのリスクの取り方がわかるのじゃ。

ボラが価格のバラツキ、リスクがリターンのバラツキであるのに対し、トラッキングエラーは株価指数のリターンからのバラツキを示すものじゃな。
でも、多くの投資家にとっては株価指数がどうなろうが自分のファンドが儲かればいいわけで、じゃ何故こんなモノを使うのか?
株価指数を上回るリターンを目標とするファンドマネージャーにとっては、株価指数のリターンは自分でコントロールできないモノで運用目標とはならない。
だから、ファンドのリターンから株価指数のリターンを差し引いた超過収益が目標だし、リスクに関しても株価指数からのバラツキ(トラッキングエラー)が重要なのじゃな。

ここ数年、多くのファンドでトラッキングエラーの数値が大きく低下してきている。
この数値の低下で、ファンドマネージャーはリスクを取った運用をしていないと顧客からお叱りを受けることも増えてきた。
ワシャ、これは、インデックス運用が巨額資金を集め巨大化すると同時に、個別銘柄がみんな同じように動くケースが多くなってきたからじゃと思う。
もしすべての銘柄が株価指数と同じ動きをすれば、どの銘柄を選ぼうが同じリターンとなり、トラッキングエラーはゼロになる。
これはアクティブ運用の死と呼べる状態じゃ。
では、アクティブ運用は死に向かっているのじゃろうか?

ワシャ、その反対じゃと考えておる。
世界中でインデックス運用は人気になり、日本でも浅知恵の評論家がコストの安いインデックス運用を勧めている。
そして、巨大なインデックスファンドが良い銘柄も悪い銘柄も関係なくすべて買い上げてしまった結果、個別銘柄の格差が小さくなり、トラッキングエラーが全体的に低下してきたんじゃ。
でも、ワシャ、ここに大きな問題があると睨んでおる。
インデックスファンドへの資金流入が限界にきた時、この状態は大きく変わり、個別銘柄の格差が急激に拡大し始めると読む。
その時は、良い銘柄と悪い銘柄の格差が一気に広がり、アクティブ運用が復活するはずじゃ。




数式を使わないリスクの話(1 リスクとボラティリティ)

ワシャ、統計とかこねくり回された数字をそんなに信用してない。
経験上数字に表れないところに重要なことが隠されている場合が多いからじゃな。
ということでな、今日取り上げるのはリスクじゃ。
リスクというと数式・統計の固まりのようなモノじゃが、数式を使わないで考えてみよう。

簡単に言うと、リスクはリターン(投資成果)のバラツキじゃ。
リスクが高い商品とは、大きく儲かったり、大きく損したりする場合が多いというのは本当だろうか?
同じ平均と分散(同じバラツキの度合い)でも、大きめのバラツキが恒常的に起こる場合とたまたま一回だけ大きく動いたためバラツキを大きくしてしまう場合もあるし、分布の中心がプラスのリターンの方に偏っていたり逆にマイナスの方に偏っている場合もある。
専門的にはリターン分布の尖度とか歪度の話じゃが、経験の長い投資家は「リスクが高いから大きく儲かる/損するというわけではない」ことを過去の体験でよく理解している。
表面上の分散や標準偏差の数字だけでなく、その裏にある特徴を経験的にとらえることが重要なのじゃ。

もう一つよく使う数字はボラ(ボラティリティ、変動性)だが、これはリスクと違いリターンのではなく、価格のバラツキのことじゃ。
つい最近のNY株の暴落時にも、このボラが急に高まったためボラの調整のため株売りが出たという相場解説もよく聞いた。
これはリスクパリティと呼ばれる株と債券など複数商品を組入れたバランス運用で、ボラが上がるとリスクを一定に保つため、ボラの高い株を売り/ボラの低い債券を買ったため株の下落が加速したという解説だ。
ボラの変動が様々な売買を誘発し、株の下落に拍車をかけたということじゃ。

でもボラは多くの評論家、投資家、専門家に誤解されている。
ある著名な年金コンサルタントは2月7日のHPに「ボラティリティというものは、上下動すると上がるもので、一本調子な上昇や、一本調子な下落では、ボラティリティは上がりませんと書いている。
しかしこれは全くの事実誤認で、実践経験のない机上の評論家だと自ら告白しているようなものじゃ。
なぜなら、ボラは価格が下落時に上昇し、価格の上昇時に低下するものだからじゃ。
これは人間の心理特性で、儲かる(上昇)時は落ち着いているが、損する(下落)時はあわてまくるのでこうしたボラの特性が出るということじゃ。
だからこそボラティリティ・インデックス(VIX)を恐怖指数と呼ぶ。

このボラの特性は、ボラが大きな変動要素の一つであるオプションによく表れる。
オプションをトレードした経験がある人は理解できるだろうが、コールオプション(買う権利)をロング(買い持ち)するプロはいないという事実だ。
プロは基本的にオプションをロングにしないが、強いていうとプットオプション(売る権利)ロング/現物ロング(プロテクティブプット)という戦略はありえる。
一般的にボラが上がるとオプション価値が高まりオプション価格が上昇する。
上昇時はボラの低下がオプション価値にはマイナスに働く一方、下落時はプラスに働く。
つまり、下落時しかボラは上がらないのでコール(買う権利)をロング(買う)する意味は全くないのじゃ。


最新コメント
読者登録
LINE読者登録QRコード
楽天市場
プロフィール

kabusanjin

株式需給の達人(おもしろ相場格言)
「酒田五法」などの相場テクニックに直結する相場格言をより多く取り上げました。 当ブログでも使った「最後の抱き線は心中もの」、「遊びの放れは大相場」、「放れて十字は捨て子線」など、実戦で使える格言を多く解説しています。 ケイ線に興味のある方、テクニカル分析に興味のある方、是非一読をお勧めします。
株式需給の達人(バリュエーション)
PERやPBRなどバリュエーションを理解し割安/割高の実践的判断の基に理論的な株式投資を解説します。 割安とは将来のリータンを示すのか、単に成長性がないというだけなのか、事例をもとに解説します。 株式投資の基礎として大切なもので、是非一読をおすすめします。
カテゴリー
RSS
  • ライブドアブログ