株山人の投資徒然草

大手運用会社をリタイアし、八ヶ岳に住む株山人の日記

大手運用会社をリタイアし、八ヶ岳に住む株山人の日記

株を職業にして38年、株式投資の楽しさを個人投資家に伝えたい。
Kindle版の「株式需給の達人(おもしろ相場格言編)」を出版しました。
既刊の「株式需給の達人(実践的バリュエーション編)」「チャートの達人」「個人投資家の最強運用」「株式需給の達人(基礎編)」「株式需給の達人(投資家編)」とともに一読をおすすめします。

基礎編

トランプ相互関税、米国優良株は試練の時期

NYダウ益回りと長期金利202507
















トランプの相互関税が8月から始まる、交渉余地はあるものの、大方の予想通り導入されるだろう。
日本にとっては厳しい関税となるが、関税に対抗できる各企業の競争力が試されることになる。
同様に、NYダウに採用されている伝統的優良企業も部品などの海外輸入が多く、米国企業とはいえ採算が脅かされる。

下の一覧表にNYダウの1年先予想EPSを示した。
予想EPSのピークは3月2181ドルだが、7月初には2064ドルまで5.3%低下した。
NASDAQやS&P500のEPSの低下は3%に留まっているので、NYダウに採用される伝統的優良株の方がトランプ関税にマイナス要素が大きいと予想されているわけだ。

各株価指数の1年先予想EPSの推移と3カ月変化率
NYダウ Q/Q S&P500 Q/Q NASDAQ Q/Q R2000 Q/Q
2025年7月 2064.45 1.7% 263.42 3.7% 770.83 3.7% 80.72 -2.6%
2025年6月 2104.47 -3.5% 266.36 -2.4% 775.82 -3.3% 81.98 -8.3%
2025年5月 2116.67 -1.9% 269.51 0.3% 792.38 1.7% 83.63 -9.2%
2025年4月 2029.39 3.4% 253.96 -8.5% 743.17 -8.1% 82.85 -4.3%
2025年3月 2181.54 12.0% 272.82 1.0% 802.6 4.9% 89.38 13.7%
2025年2月 2156.93 9.3% 268.66 11.4% 778.95 15.2% 92.11 35.2%
2025年1月 1961.99 -2.8% 277.43 13.5% 808.73 20.3% 86.55 23.1%
2024年12月 1948.6 -3.9% 270.2 12.8% 764.85 19.4% 78.6 13.2%
2024年11月 1973.35 -1.9% 241.21 0.0% 676.11 2.4% 68.11 -5.9%
2024年10月 2017.76 -1.9% 244.52 -0.5% 672.4 -2.7% 70.31 -10.7%

一番上のチャートはNYダウの益回りと長期金利の動きを示したものだ。
米株の戻りが強く、NYダウのバリュエーションも切り上がり、益回りでは5月初の5.1%から低下し7月初現在4.64%と、長期金利4.49%に近づいてきた。
伝統的な優良企業のバリュエーションがここまで割高になったことはない、大型割安株を含んだ指標としては例外的な割高感になっている。

もちろん、米国株市場全体がバブル化すればNYダウ益回りが長期金利の水準を突破していく可能性もゼロではないが、バリュエーションの限界はあるだろう。


ポイントは二つある。

①トランプ相互関税が実施され実際の影響が予想EPSに織り込まれた時、EPSがどうなるか?

ITサービス系の企業はあまり関税の影響を受けないだろうが、伝統的企業は多かれ少なかれ海外依存度が高く影響を受ける。
四半期決算が本格化する7月後半からの予想EPS変化を注目したい。

②7月末のFOMC、8月のジャクソンホール会議、9月のFOMCで利下げの方向性が明確になるか?

今のところ、パウエル氏はトランプの恫喝に対して知らぬ顔をしているが、この夏に関税の影響が明確になってくれば利下げに踏み切る可能性も残っている。
NYダウの益回りが低下に対して長期金利が低下するかは重要な視点だろう。



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ドル安が円高にならない理由

円インデックスとドルインデックス
円インデックスとドルインデックス202507
















ドル安のトレンドが明確になっている。
ドルインデックス(加重平均)が100を割り込み7月11日には97.5ポイント、2月トランプ就任直後は108.87だったので、トランプ就任後10.3%のドル安だった。

上のグラフを見ると歴然としているが、2023年10月までは超円安に対してドル高が続き、円インデックスとドルインデックスはドル高=円安という典型的な逆相関を示した。

しかし、トランプ就任後の2月以降、ドルは10.3%のドル安、その一方円インデックスは2月初80.90から7月初80.05とほとんど横ばいにとどまった。
円とドルの逆相関がなくなってしまった!!


この最大の理由が「ユーロに対する楽観」だと思う。
IMMの投機ポジションでユーロのネットポジションの変化を見てみよう。

IMMユーロ投機ポジション
IMMユーロ投機ポジション202507
















ユーロ投機ポジションが買い転換したのは今年3月、そこからネットロングが急増している。
3/11から7/8までにネットポジションが12万枚増加した。
この5月以降急増し、ユーロへの楽観が市場に広まっているのが分かる。

その理由として①昨年までの欧州への悲観、そのリバーサルが起こったこと、②トランプ関税に対しても対抗策姿勢、域内防衛費をGDP5%まで引き上げる強硬姿勢が考えられる。
欧州の防衛は欧州で行う(米国はいらない)という宣言に見える。

昨年は欧州悲観でユーロドルはパリティ近くでユーロ安が進んだが、そのポジションがひっくり返り、リターンリバーサルが起こった。
さらにトランプ関税に対する強気姿勢、欧州域内の軍事バランスを保つ防衛予算の拡大が、ユーロへの強気を急増させたと思う。


では、円はどうなるのだろう?
IMMの円投機ポジションで確認してみよう。

IMM円投機ポジション
IMM円投機買いポジション202507















トランプ就任後、投機筋がドル安/円高に賭けてネットロングを増やした。
これはユーロと同じで、円のネットロングは一時18万枚まで急増した。
しかし、その後がユーロとは違った。
ユーロドルの金利差が小さいのに対して日米金利差が3%と大きい、この金利差が最大の違いだ。
ドル円相場が膠着状態が長期化すると円ロングポジションの金利差コストが累積し、ポジションは少しづつ解消を余儀なくされる。
ネットロングポジションは5月をピークに漸減し、現在11万枚となった。

ポジション枚数としてはユーロロング12万枚、円ロング11万枚と同規模だが、ドル円の金利差が3%程度あるので円ロングは膠着状態に弱い。

おそらく、ドル安の基調は今年後半も維持されるだろう。
ユーロ当局の毅然とした強い姿勢に対して、弱気な日本の姿勢も円を安くする。
石破さんは「なめられてたまるか」とやっと強気の発言をしたが、時すでに遅し・・・
投資家には日本は弱気でトランプに従順なイメージを持たれている。

しかし、今後はまだまだ変化が起こる。
現在ユーロに注目が集まっているが、米景気の鈍化ーFRB追加利下げがあれば、投機筋は再び円高を仕掛けてくるだろう。
夏場の米景気指標とFRBの発言がポイントになる。



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「相場の位置」から考える(3)金、不動産を考える

金価格の長期トレンド
金長期2506
















長期投資家は、①何を買うか?と同時に、②いつ買うか?という選択ができる。
特に新NISAのように10年、20年という長期運用では、「何を買うか?」という選択と同時に「いつ買うか?」という自由もある。
価格が高過ぎれば「買わない」という選択もあるので、「相場の位置」を見ながら考えた方がいい。
 
というわけで、今回は実物資産の代表格である「金」と「不動産」について考えてみたい。

上のグラフは金価格とS&P500を比較した長期チャートだ。
2015年まではバラバラに動いてきたが、2016年以降は金とS&P500は連動して上昇しているように見える。

本来金価格には、①金利が下がると上昇する、②インフレが上がると上昇する(インフレヘッジ)、③ドルが下がると上昇する、という三つの要因がある。
金利がつかない金は高金利に弱いし、ヘッジ機能によってインフレに強い、さらにドルと金の逆相関も強い。

2015年までは株式と金は逆相関だが、これはリーマン危機~ギリシャ危機の金融緩和局面で金が買われた反面、逆に株式に業績警戒が強かったためだ。
2016年以降は世界的な超金融緩和でジャブジャブの資金が市場に供給され、歴史的にも珍しい現象だが、需給要因で金も株式も両方上昇した。

なのでこのジャブジャブの金融緩和がどうなるかがポイントになるだろう。
「相場の位置」としては金も株も過去最高水準で極めて高い位置にいる。
位置が高いだけでは暴落にはつながらない。
しかし、これだけ「位置エネルギー」をため込んだ状態となると、需給が変化すれば長期トレンドが変化する可能性もある。

東証REIT指数の長期トレンド
東証REIT指数長期2506
















日本の不動産投信は、世界の主な金融商品とは違ったトレンドを持っている。
リーマン危機の信用不安以降、ほぼ一定のレンジ内で動いているからだ。
もちろん金融政策の正常化や毎月分配投信の問題などがあり、特殊な需給環境に影響されたのが大きな要因だ。

しかし、結果として東証REIT指数の「相場の位置」は極めて低い。
この「相場の位置」の低さは、逆風環境になっても予想以上に下値抵抗力があることを示している。
日本の不動産価格は円安下で極めて割安になっているので、海外からの不動産投資は続いていくだろうし、国内投資家にも低ボラの金融商品として魅力的だろう。



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「相場の位置」から考える(2)オルカンを考える

世界株指数(ACWI)の長期トレンド、日経平均の長期トレンド
ACWI長期2506
















新NISAで人気になっている金融商品の一つが「オルカン」投信だ。
この「オルカン」は指数連動投信だが、その元になっている株価指数が「MSCI-ACWI」だ。
ACWIはオール・カントリー・ワールド・インデックスの略で、機関投資家のグローバル運用の指標をなっている指数だ。

このACWIは全世界の経済成長を映す株価指数で、基本的には世界経済の実質成長3%、それにインフレ率2%を加えた5%程度の名目成長率にそって価値が増えていく。
下のグラフは世界GDPの実質成長率だが、成長率はブレがあるものの長期では3~5%成長を実現したきた、将来の成長率が多少落ちても+3%の期待成長は可能だろう。
これにインフレ率を加えると名目成長率で、世界の株価上昇の源泉といえるものだ。

世界GDPの実質成長率
世界実質成長率2025

世界経済の成長を長期に渡って買っていくとしたら、最適な金融商品だ。
というわけで新NISAで長期投資をするにはもってこいの商品ともいえる。


ACWIの安値はリーマン後の2010年で200ポイント、そこから上昇し現在2025年で880ポイントとなっている。
過去15年で4.4倍に上昇している。
この間5%の名目成長を織り込んでいるとしたら、15年で株価は2倍になるのがファンダメンタルからの期待値だ。。
株価が4倍になっているので、この期待値(世界の名目成長)の約2倍のペースだったといえる。


「相場の位置」は過去15年で相当上水準が切り上がっている、つまり、過去15年のカネ余り状況で多くの投資家がすでに買ってきたという状況だろう。
この「相場の位置」の高さは、経済の変調が起こると一気に割高感が出てくる株価の位置といえる。

これはACWIだけではなく、米国株も日本株も同じ状況にある。
上のグラフは、ACWIと日経平均の比較グラフだが、両者ともに同じように上昇している。
日経平均は過去15年で8000円から42000円へと5.2倍になっている。
株価指数全体がここ15年の上昇で「相場の位置」が上がってきているといえる。

新NISAのような20~30年の長期投資では「相場の位置」を考えて運用すべきだろうと思う。









金価格の長期トレンド
金長期2506
















東証REIT指数の長期トレンド
東証REIT指数長期2506



































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「相場の位置」から考える(1)「相場の位置」の基礎

S&P500の長期トレンド(1960年~2025年)
SP500長期2506
















むかしむかし、中学生ぐらいだったような気がするが、理科の授業で「位置エネルギー」という概念を勉強したことを覚えているだろうか?
例えば、5キロぐらいの重り、これを地上で見てもなんとも思わないが、頭の真上1メートルにぶら下げられていたらどうだろう? 怖くないだろうか?
さらに重りが頭上2メートルにあったら、頭上3メートルにあったら、どんどん恐怖感が大きくなる。
落ちてきたら酷いケガするかもしれないと思ってしまう。

これは、「高い所にある物体は、高い位置エネルギーを持つ」、という理屈だ。
株式相場も同じで、株価が上昇すれば上昇するほど「相場の位置」が高くなり位置エネルギーをため込んでいる。
何かの拍子に位置エネルギーが爆発したら(落っこちたら)「痛い目」にあう、という恐怖を投資家が無意識に感じる。
この恐怖の感覚が投資家が自分の身を守るためには必要だと思う。


「相場の位置」は空間だけではなく、時間が大きく影響する。
ごく短期の「位置の高さ」はそれほどの問題にならないが、長期のトレンドでの「位置の高さ」と投資家により大きな恐怖感を抱かせる。
だから、日足よりも月足や年足での「相場の位置」を確認すべきだ。


株価の動きをもっと細かく見ると・・・

①株価の上昇、多くの人たちが買いを入れ、多くの人たちが株を保有している状況になる。
この状況でさらに上値を買ってくれる他の投資家がいる、と信じられる人が減っていく。
株価が上がれば上がるほど、上値を買ってくれる投資家は減る、すでに買ってしまっているからだ。

②逆に株価の暴落、多くの人たちがブン投げた後なので、株を保有している人が減る。
売りたい人が全員売ってしまえば、それ以上売る人がいなくなり、当然、株価は底入れる。

③株価が上がる=「株価の位置」が高くなると株を買いたい潜在的な投資家が減る、株価が下がる=「相場の位置」が低くなり買いたい潜在的な投資家が増える。

したがって「相場の位置」と株式需給は大きな関係がある。


上のグラフはS&P500の長期トレンドと長期債利回りの長期推移だ。
米長期金利は1980年代のハイパーインフレ時代に15%の長期ピークを打ち、その後一貫して金利低下=低金利時代を迎え、長期の株高を形成した。
現在は低金利時代が終わっているが、株高が続き、リーマン後の安値からS&P500は800ドルから6000ドルへと上昇した。

低金利が終わっても超株高が続く、株価は15年で7倍になった。
明らかに「相場の位置」が高くなっているといえる。
株価水準そのものも高く、PERの上昇で業績に対しても高く、金融緩和が終わってしまい金利と比較しても高い。
投資家がどこで「相場の位置」に恐怖感を持つかは分からない。
「相場の位置」自体がトレンドの変化を促すわけではないからだ。
だが、筆者はその危険を感じ始めているし、投資家心理に影響してくるだろう。



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トランプ氏 vs パウエル氏、どっちが勝つか?

米長短金利差
米長短金利差(10年ー3か月)202506
















「煮詰まる」と言う言葉がピッタリとくる現在の株式・債券市場だ。
上のグラフは米国の長短金利差とNYダウの推移だが、なんか窮屈な領域に入ってしまった気がする。
不確実性を強調しただけで何もしようとしないFRBパウエル氏、トランプが就任してからバトルが続いている。

長短金利差は景況感をは反映する、景気が良ければ長期金利が上がり長短金利差は広がる、逆に景気が悪くなれば長期金利が低下し長短金利差は縮小しマイナスになる。
現在、金利差は「ゼロ」

NYダウはトランプ関税に翻弄され上がったり下がったりだったが、結局のところ年初来のリターンは+2.35%(6/26)。
上がって下がって年初来「チャラ」。

景気の方向性、金利の方向性が見失ったかのような市場で、市場参加者の予想が収れんしてしまっている、その分、煮詰まった感が強く出ている。
どっちかに大きく動く前兆となるかもしれない。

そのカギとなりそうなのが「トランプ vs パウエル」だ。
エビデンスを重視するパウエル氏は景気実態の数字が出るまで動こうとしない。
これに対してトランプ陣営は利下げをしないパウエルを糾弾している。
金融市場の精通したトランプ陣営、特にベッセント氏から見ればパウエル氏は「無能」に見える。
市場では先を読む力が一番重要で、証拠が出てから動く、なんて全くの遅行、ビハインド・ザ・カーブに過ぎないからだ。
 
市場はトランプ陣営がパウエル氏を解任し、FRBの利下げを進めることが読み筋になったのかもしれない。
この局面で株が上がるとしたら「利下げ」しかないからだ。


米景気実態を見てみよう。
下の一覧表は物価、消費、雇用、原油価格を前年比で比較したもの。
非農業雇用者数はこの半年で着実に減少しているが、賃金は∔3%台で安定している。
CPIにしてもCPIコアにしても、ゆっくりとした物価の低下傾向を示している。
そして、小売り高も関税前の駆け込み需要で上下したものの、2~3%のレンジで収まりそうな感じになってきている。

でもそれぞれかく乱要因がある。
雇用・賃金ではトランプの不法移民対策で、人手不足感が強まり賃金に上方圧力が出てくるか?
物価では輸入業者がトランプ関税をどのぐらい吸収し、どのぐらい物価に転嫁するのか?
個人消費では関税の一部を転嫁された商品を買い続ける余力があるのか?

かく乱要因も含めて米景気は簡単には行かない、米企業業績も大きな増加は期待しにくい。
株価の上昇は「業績が上がる」または「金利が下がる」が必要で、現在は「金利低下」が最大のポイントになっている。
今年後半の金利動向が決め手になる。

問題はパウエルFRB議長が「不確実」というばかりで何もしないパウエル氏をどうクビにするかなのだろう。
「中銀行の独立」という大義名分があるので、簡単ではないかもしれない。

消費者物価指数 小売り高 平均時給 原油価格
CPI コアCPI 前年比 前年比 前年比 月平均
2025年5月 2.4 2.8 3.29 3.9 -22.6 61.03
2025年4月 2.3 2.8 5.16 3.8 -25.4 63.08
2025年3月 2.4 2.8 4.60 3.8 -15.7 67.82
2025年2月 2.8 3.1 3.10 4.0 -7.0 71.33
2025年1月 3.0 3.3 4.20 4.1 1.9 75.14
2024年12月 2.9 3.2 3.92 3.9 -9.0 69.79
2024年11月 2.7 3.3 4.12 4.0 -10.0 69.69
2024年10月 2.6 3.3 2.85 4.0 -16.3 71.6
2024年9月 2.4 3.3 1.74 4.0 -22.4 69.55
2024年8月 2.5 3.2 2.13 3.8 -7.2 75.55
2024年7月 2.9 3.2 2.66 3.6 5.4 80.54
2024年6月 3.0 3.3 2.28 3.9 12.3 78.89
数字はすべて前年比%



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先物投機ポジションが語る「思惑」(2)地政学リスク

原油先物投機ポジション
原油先物投機ポジション202506
















まずはイスラエル―イラン紛争で注目される原油先物市場。
6/13にイスラエルがイラン空爆、先制攻撃を実行したが、6/13現在のネットポジションが公表された。
ネットロング枚数は5/27の16.5万枚から6/17の23.1万枚まで急増した。

わずか2週間で6万枚のネットロングを増やしたのは紛争のせいだろう、けどよく見てほしい。
原油先物は巨大な市場で、過去の2020年には50万枚を越える水準まであった。
それに比べると、今回のイスラエルーイラン紛争の影響は限定的といえる。
一時的にしろ、紛争の停止が合意されたという、これで原油市場は一旦織り込み済みとなった。

この落ち着いた動きは、①ホルムズ海峡が正常運行だったこと、②世界景気のスローダウンで需要が低調なこと、③中国の景気も低調で中東経由の原油輸入が増えていないこと、などの要因が重なっているものだろう。

ドルインデックス先物投機ポジション
ドルインデックス投機ポジション202506
















ドルインデックスは徐々に低下してきている、米国一強が終わってきているとコメントする評論家も多くいる。
しかし、ここ数週間投機ポジションはほぼニュートラルで、投機筋はドル下落のポジションはまだ取っていないようだ。

ここから投機筋がどう動くのか?
ドル売りのポジションを増やしていくのかどうか?・・・今後の問題だ。


IMM円投機ポジション
IMM円投機ポジション202506
















円投機ポジションは大きくネットロングに偏っていたが、ここもとの「不確実性」による金融政策の停滞もあり、ネットロングは少しづつ整理されてきている。
ドル売りー円買いは金利差がコストになるので、時間がかかるにつれてコストが重くかかる。
4月末には17.9万枚と過去最大のロングを記録したが、現在は13万枚まで縮小してきた。

しかし、基本的な「ドル安、円高の構造」は変わっていない。
トランプは貿易収支の均衡、高関税政策を変えていないし、FRBの利下げの方向性は変えていないからだ。


S&P500先物投機ポジション
SP500投機筋ポジション202506
















S&P500先物で、投機筋のネットショートが増えている。
4月末は5.2万枚のショートだったが、6/17現在では17.4万枚まで急増している。
過去には40万枚規模のショートまで膨らんだこともあり、現在水準が特に巨大というわけではない。

しかし、今後の推移には注意が必要だと思う。


先週は地政学リスクが注目されたが、金融資本市場へ大きな影響を与えるのは、第一に原油先物、第二にドル相場(ドルインデックス、円ドル)、第三に金や株式(S&P500)だ。

こうして見ると、原油市場も大きな波乱がなく、ドルや円も予想以上の急展開はなかった。
ヘッジファンドやCTAなども急激なポジショニングは見られなかった。

筆者は今回のイスラエルーイラン紛争は、徳川が大坂城の外堀を埋めさせた「大阪冬の陣」に相当すると見ている。
イランの核開発能力やミサイル反撃能力は一時的にせよ相当失われただけに、どこかのタイミングでイラン・レジームを破壊するための「大阪夏の陣」が実行されると見ている。
しかし、当面、地政学リスクが一巡したのも確かだろう。



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日銀・FRB、「無風」に隠された意図

FF金利FOMC2506
















日銀決定会合では大方の想定通り、事前にアナウンスされた「量的引き締めの緩和」が決められたが基本的に「無風」、FOMCは「予想の範囲内」で「無風」とされた。
しかし、この日銀もFRBの判断もちょっとした気になる点がある。

それは両国中銀が「リスク・シナリオを意識し始めたのではないか?」という点だ。


日銀が債券テーパリングのペースを四半期毎の4000億円から2000億円に減額した。
特に長期~超長期ゾーンの債券需給を心配した結果だといえる。
そもそも長期金利は日銀の決定事項ではない、それでも日銀植田氏の頭の中には「超長期金利の急騰リスク」が残っている。
だからこそ、テーパリングを緩めた。


FRBの発表をよくよく見ると、いくつか、FRBは「ここ1~2年のリスクシナリオ」を意識し始めたといえるポイントがある。

①FF金利見通しで、26年の下限予想を2.875%から2.625%に引き下げたこと。

中央値では年内2回の利下げ+26年1回の利下げだが、下限値では年内3回+26年4回利下げの予想に変更された。
これは年内3回に加えて来年も4回、合計でナント1.75%も大幅な利下げする、つまり米国景気の大幅調整というリスクシナリオも想定しているということだ。

上のFF金利見通しだが、明らかに下限金利を引き下げ、歪なグラフになっているのだ分かる。
この下限値へのバイアスはFRBの懸念を示している。


②25年実質GDPの予想が、昨年12月+2.1%、今年3月+1.7%、直近6月+1.4%と徐々に下方修正されてきていること。

米国経済の成長ペースがトランプ政権下で下方修正され続けている、徐々に景気に厳しい見方に変わってきているといえる。
3か月毎にFRB見通しがそのたびに下方修正されていることは、FRBの長期的な見方が変化している可能性があるだろう。


失業率も物価PCEも上方修正されたこと。

失業率は今年来年ともに4.5%へ、物価PCEで昨年12月+2.5%から3月+2.7%そして直近6月+3.0%に会合毎に上方修正されている。
「トランプ関税の影響が物価を引き上げ、同時に景気を悪化させるというリスク・シナリオ」を意識し始めたのかもしれない。

日銀は長期債市場に懸念を持ち、FRBはトランプ関税政策に懸念を持っている。
これらのポイントが今回の中銀会合からは推測できる。
無風、無風と言って思考停止していると、変化に対応できないのかもしれない。



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プラチナ価格の急上昇の意味

プラチナ価格
プラチナ202506
















最近になってプラチナ価格が急上昇している。
NY白金先物は昨年末910ドルだったが、6月12日には1275ドルまで40%も上昇した。
国内価格も昨年末の5319円/gから6619円/gまで24.4%上昇した。
これは国内金価格の上昇率16.9%を大きく上回る。


これに違和感を持つ人も多いと思う。
なぜなら、プラチナは金と違い、産業用のウェートが高い貴金属だ。

プラチナは自動車の触媒に使われ、排ガス浄化では欠かせない金属だった。
過去10年ではガソリンエンジン車から電気自動車(EV)へのシフトが鮮明で、プラチナの自動車向け需要は停滞感が強まった。

一方、金地金は世界の投機資金を惹きつけた。
トランプ1.0以降も米中対立の中で中国が外貨準簿の一つとして買い増し、自実需に裏付けられた金需要が金価格を大きく上昇させた。

プラチナ価格はEVシフトで低迷、一方金価格は中国の買いや投機資金の買いで上昇、同じ貴金属、それも希少性のある資産として、この10年間では明らかなトレンドの違いになった。


なぜ、今年、プラチナが上昇しているのだろうか?

①「貴金属上昇相場の出遅れ商品として投機筋に狙われた」説。
金地金が長期上昇トレンドにあり、その反面、プラチナは出遅れてきた。
自動車人気がEVからハイブリッドやエンジンを使う自動車に戻ってきたタイミングで出遅れ修正が起こっている。

②「プラチナの希少性が見直されている」説。
金の市場規模に比べて産出量が小さいプラチナは主役にはなれない。
しかし、その希少性から投機筋が仕掛ける可能性は高い。

プラチナの需要の6割は産業用なので、ガソリンエンジン(ハイブリッドを含む)への注目が増えれば需要にはプラスとなる。
さらに燃料電池にも多く使われるので、燃料電池車の普及があれば需要が増える。


ホントの事は分からないが、何かしらの投機資金が動いている可能性が高いのかもしれない。



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FRBと日銀がドル円を決める

日米2年金利差とドル円相場
日米2年金利差202506
















為替相場は膠着感を強めている。
5月以降、ドル円は140~148円の範囲でもみ合いを続けている。
このレンジをブレークするのは、いつ、何がキッカケになるのだろう?

需給や金利差などの要因のうち、筆者が最も重視しているのが金利差だ。
上のグラフは2年の日米金利差とドル円の動きだが、ここ2か月、こっちも膠着状態だ。
この金利差の膠着、中央銀行の見送り姿勢が、ドル円を膠着化させているように思われる。

しかし、米国の景気指標が徐々に鈍化し、トランプ関税の物価への影響が限定的となれば、FRBは今夏にも利下げに入るだろう。
日銀にしてもいつまでも「不確実」とばかりは言ってられない。
となれば、今年後半には「FRBの追加緩和」「日銀の金利正常化」に動く可能性が高い。

そのあたりがドル円相場でも膠着を破るタイミングになるのではないかと考えている。
FOMCは6月18日、7月30日に予定され、日銀決定会合も6月18日、7月30日に予定される。
6月18日前後は無風の中銀ウィークと予想する人が多く、政策変更は期待できないかもしれない。
となると、次の大きな変化日は7月30前後後になってくるかもしれない。


需給はどうだろうか?

下のグラフはIMM先物の円投機ポジションだが・・・

IMM先物円投機ポジション
IMM円投機ポジション202506
















投機筋は相変わらず先物のネットロングを続けているが、この膠着感を増す相場で少しづつロングが減少している。
一時18万枚のネットロングだったが、16万枚程度に減少した。
膠着に疲れてポジションを閉じるファンド筋も増えているのだろう。

この膠着相場が続くと、ロングを解消するファンドが増えてきそうでこれがドルの底堅さにつながる。
しかし、基調的な円高予想、円のネットロング基調は変わらない。



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米国景気の減速感、強まる?

米雇用統計
米雇用3か月平均202506

















5月の米雇用統計が公表され、雇用は底堅いと市場は反発している。
確かに予想とほぼ同じ13万人、失業率も4.2%で横ばい、悪化する懸念があっただけに市場は安堵したのも分かる。

しかしもうちょっと長い目で見ると景色が違う。
上のグラフの黄色ラインは非農業雇用者数の3か月移動平均だが、停滞感は否めない。
3か月平均値は、昨年12月20.9万人、1月23.2万人と20万人台だったが、その後は3月11.1万人、4月12.3万人、5月13.5万人と10万人台前半で推移している。
少しづつ雇用市場の鈍化が進んでいる。


米ISM景況感指数
ISM202506

















上のグラフはISM製造業指数(青いライン)と非製造業(紫ライン)で、製造業ではすでに50を切る状態だったが、5月はここまで堅調だった非製造業でも50を切る停滞局面に入った。

非製造業指数は2022年12月に一瞬だけ50を切り49.2を記録した。
当時はFRBの急速な金融引き締めで株価も調整局面で、コロナ禍から立ち上がったサービスセクターにも一瞬の緩みが起こった。
しかしその後、FRBの引き締めが終わり、サービス業も回復に向かった。

このISM非製造業の50割れをどう見るのか?

2022年末のように一瞬だけで、FRBが金融緩和を進めればサービス業の景況感も回復していくかもしれない。
しかし、FRBパウエル氏がトランプの利下げ要求を意固地になって拒否すると危ない。
この状態が長引くとより広範囲な景気後退に入っていく可能性があるからだ。


NYダウ Q/Q S&P500 Q/Q NASDAQ Q/Q R2000 Q/Q
2025年6月 2104.47 -3.5% 266.36 -2.4% 775.82 -3.3% 81.98 -8.3%
2025年5月 2116.67 -1.9% 269.51 0.3% 792.38 1.7% 83.63 -9.2%
2025年4月 2029.39 3.4% 253.96 -8.5% 743.17 -8.1% 82.85 -4.3%
2025年3月 2181.54 12.0% 272.82 1.0% 802.6 4.9% 89.38 13.7%
2025年2月 2156.93 9.3% 268.66 11.4% 778.95 15.2% 92.11 35.2%
2025年1月 1961.99 -2.8% 277.43 13.5% 808.73 20.3% 86.55 23.1%
2024年12月 1948.6 -3.9% 270.2 12.8% 764.85 19.4% 78.6 13.2%
2024年11月 1973.35 -1.9% 241.21 0.0% 676.11 2.4% 68.11 -5.9%
2024年10月 2017.76 -1.9% 244.52 -0.5% 672.4 -2.7% 70.31 -10.7%


上の表はいつも使っている米国株指数の1年先予想EPSの推移だ。
変化率は3カ月前との比較した増減で、すべての株価指数EPSが3カ月前比減少になった。

予想EPSは小型株のラッセル2000が今年2月をピークに10%程度低下していきているが、NYダウは3月2181に対して6月2104と若干の低下に過ぎずピークを打ったともいえない。
予想EPSが今後も減少トレンドをたどるのか、それとも、トランプ関税の影響を克服して横ばいを維持できるのか、重要な分岐点になる。



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米国FANG+指数、銘柄間の格差拡大

FANG+指数
FANG+指数202506















上のグラフはFANG∔指数の日足。
2月18日の高値14029ポイント、トランプ関税の急落を経て6月2日には13960ポイントまで戻してきた。
なんだかんだ言って、MAG7など米国の大型IT株が戻り相場の一角を担っていた。

しかし、MAG7と言っても株価の動きに大きな格差が生じて生きている。

年初来の株価をチェックしてみよう(6/2現在)。

上昇率が高い方から・・・
株高銘柄・・・メタ+11.9%、マイクロソフト+10.3%、ブロードコム+7.2%
横ばい銘柄・・・エヌビディア-0.6%
下落銘柄・・・テスラ-9.6%、グーグル-10.6%、アップル-17.2%

半導体関連が必ずしも強いという訳でもない、エヌビディアは横ばいだが、AMAT-4.0%、TSMC-3.3%など下落組に入っている。
メタやマイクロソフトというITソフト関連が強く、一方アップル、テスラは大きく下落したままだ。
同じMAG7銘柄でこれだけ株価格差が生じるのは珍しい。

アップルは中国を中心としてサプライチェーンの作り替えと言う難問に直面しているし、テスラはEVの販売急減に見舞われている。
個別企業のファンダメンタルによって格差がついているのだろうか?

業種内の株価格差もけっこう目立っている。
銀行株は堅調だったが、JPモルガン+10.2%に対して、GS+4.1%と格差がある。
システム系ではIBM+19.9%と好調で、メタやマイクロソフトを上回り、さらにGE+46.7%と圧倒的なパフォーマンスを叩き出した。
ディフェンシブセクターでもJ&J+7.9%、ギリアド・サイエンス+18.5%、さらに防衛関連ではレイセオン+18.4%と強い。


それにしてもFANGやMAG7の大型主要銘柄の中で、年初来+10%以上の株価上昇する銘柄と、—10%以上下落する銘柄が混在している市場は強気と弱気がぶつかり合う市場だ。
ただ、結果的には銀行・ディフェンシブ・防衛などのセクターには資金が集まる、これは日本株でも同じ傾向だ。

でもこの強弱感が対立する市場で、先駆した銘柄を一段と買い上げるのか、出遅れ銘柄を地味に買うのか、投資家に迷いがあるのは事実かもしれない。



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日本の物価だけ上昇するのは、なぜ???

米国の物価統計
米国PPIとCPI202506
















日本の物価だけが高止まりしているのではないか?
それはなぜだろう?

上のグラフは米国CPIとPPI(前年比)だが、明らかに物価上昇は落ち着いてきている。
主要国のCPIを昨年4月と今年5月で比べると、米国3.3⇒2.3%、ドイツ2.2⇒2.1%、フランス2.2⇒0.8%、中国0.3⇒-0.1%、韓国2.9⇒2.1%と軒並み伸び率が鈍化している。
しかし、日本だけは逆に2.5⇒3.6%に物価上昇が高まっている

先進国では英国が2.3⇒2.6%と若干上昇しているが、主要先進国の中で明確な物価上昇を見せた日本だけで、日本は完全な例外国だ。
しかも日本の物価上昇はちょっと不穏な感じもある。

下のグラフは消費者物価CPIの伸び率と需給ギャップを比べたものだ。
需給ギャップは、下のグレー線、マクロの需要量(個人消費や投資などの需要)を供給(労働力や生産設備など)が上回ってマイナスの数字になっている。
日本は需要不足の経済に陥っているわけだが、それにもかかわらずCPIが上昇を加速化させている。

ここに大きな問題がある。

日本の物価統計
日本CPI202505
















需要不足の経済で物価が上昇する理由として、①海外からの輸入品の価格による国内物価の上昇、②為替の円安/海外通貨高が国内物価を押し上げる、などが考えられる。
しかし、ホントの理由はよく分からない。

下のグラフはNY原油価格を、ドル建てと円建てで比較したものだ。
2022年以降円建て価格(黒ライン)がドル建て価格(青ライン)を上回って推移している。
つまり、円建てのエネルギー価格が高止まりし、これが国内物価に影響している。

外貨建て原油価格の低下により主要国では、エネルギー価格の低下がCPIの伸び率鈍化を引き起こしていると言えるが、日本では円建て価格の高止まりによって物価が海外以上に上昇している。

これが日本の物価上昇の大きな理由だと思うが、国内物価の最大の要因が「食品価格の上昇」であり、エネルギー価格だけでは説明できない。
もっと考えてみる必要があるのだろう。

ドル建てと円建てNY原油
円建WTI価格202505


















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ファンド筋の「逆張り転換」仮説

SP500投機筋ポジション202506
















2024年後半ぐらいから、ちょっとした行動パターンの変化が見られる。
それはS&P500先物の投機筋ポジションだ。

上のグラフは過去2017年からの投機筋ポジションの変化を示している。
投機筋は基本的に「順張り」ポジションを持っている。
株高時に大きくロング・ポジション(買い越し)を持ち、株安時にショートポジション(売り越し)を持つ、これが大きくリターンを上げる運用手法だ。

しかし、最近のS&P500先物の投機筋は小刻みにロングになったりショートになったり、なんか忙しない動きを続けている。
ヘッジファンドやCTAなどの先物投機家は、昨年10月から11月はロング、12月から2月はショート、そして3月はロング、4月後半からは再びショートにポジションを変更した。
これはファンド筋も迷っているからなのだろうか? 
それともファンド筋が運用戦略を変更したからなのだろうか?
単に相場のトレンドが不安定になった市場要因なのだろうか?

SP500EPSと長期金利202506
















上のグラフ、青いラインがS&P500の1年先予想EPS、グリーンラインが10年国債利回りだが、昨年11月以降はボックス圏でも上下する動きに終始している。
トランプ政権下で企業収益見通しが不安定になっている、このことがファンド筋の投資行動を変化させたのかもしれない。
収益トレンドが見えにくくなり、株価トレンドにも信頼感を失っている。

当面は、相互関税の影響を見極めるための「モラトリアム」的な猶予期間にある。
それを見極めるまでは「逆張り」スタンスということなのだろう。

だとしたら、我々、個人投資家もジックリと買いタイミングを見極める時期なのだろう。
評論家は株価が上昇する日には「強い、強い」と連発するけど・・・




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海外投資家は日本株に強気になったのか?

海外投資家チャート202505
















4月以降、海外投資家が買い越し(現物+先物)に転じてきた。
CNBC日経では評論家が「外人買い」「外人買い」と連呼し、トランプの米国から資産が流出し欧州株や日本株に資金シフトしているとしたり顔で解説していた。

確かに東証の投資家別売買では、毎週2000~6000億円程度の買い越しを記録している。
上のグラフは海外投資家(現物+先物)だが、年初からの売り越し基調から買い越しに転じたようだ。


海外投資家にはおよそ三つのタイプの投資家がいる。
一つは海外年金やソブリンファンドのように長期で考えている投資家、二番目はヘッジファンドや先物ファンドのように短期で激しく動く投資家、三番めはグローバルファンドを運用しその一部分に日本株を組入れている投資家だ。

海外年金やソブリンファンドは数十兆円というレベルで運用しっているので、そのポジションを変更するのに買い方も強烈で多くの時間をかける。
アベノミクス以降の海外投資家の巨額買いのように数か月で数兆円という規模で大きく動く、これが巨大投資家の動きだ。
現在の買い方は数千億円/週なので、巨大投資家の買いかどうか考えてしまうサイズだ。

ヘッジファンドやCTAなどの投資ファンドの動きはどうだろう?

CME日経平均投機筋ポジション202505
















上のグラフはCME先物市場では日経平均(円建て)の投機筋ポジションだ。
このポジションはファンド筋の動きがメインで、昨年後半はCME(シカゴ)で日経先物をロングにして、翌日東京でNY市場に連動して上昇したところで東京先物を売ってリターンを上げていた。
だから、CMEでロング、東京でショートという動きになっていたのだろう。

現在はわずかにロングに転じたところで、ファンド筋が大きく動いたという形跡はない。
ファンド筋でも先物で数兆円程度の激しい売買をする時もあるが、現在はそうした兆候は見られない。


では、この4月以降の海外投資家の買い越しをどう考えたらいいのだろうか?

筆者の推測だが、グローバルファンドのポートフォリオ・リバランスだと考えている。
米国一強が長く続いたためにグローバルファンドの中の米国株ウェートが上昇していた、と言うことは十分に考えられる。
この米国株一強が終わったと判断したグローバルファンドマネージャーが米国株ウェートを引き下げ、欧州株や日本株のウェートが多少引き上げたというわけだ。

日本株は昔は20~30%を占めていたが、今やたったの5%程度のインデックスウェートしかない。
仮に100兆円のグローバルファンドなら日本株は5兆円程度、これがリバランスで買い越しになったということではないかと思う。


彼らの買いが日本株のトレンドを大きく変えるか、と聞かれればもう一つ自信はない。




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先物投機ポジションが語る「思惑」

S&P500投機筋ポジション
SP500投機ポジション202505













各資産の先物市場を使って、ヘッジファンドなどの投機筋がポジションを取る。
これは現物市場を使うよりも迅速に大きなポジションを動かすことができるからだ。
先物投機ポジションからヘッジファンドたちが何を考え、何を収益化しようとしているのか推測してみたい。

①S&P500先物の投機筋ポジション ~ネット・ショートに転換してきた~

トランプ関税で一気一憂してきたが、関税交渉の延期以降、投機筋ポジションは小刻みにロングになったりショートになったりしてきた。
ヘッジファンドたちもS&P500に大きく賭けるポジションは避けてきたが、ちょっと風向きが変わってきた感じがする。

それが先物のネットショート・ポジションだ。
特に5月に入ってから12万枚までネットショートを増やし、ややトレンドの転換を見込んでいるのかもしれない。


ドルインデックス先物投機ポジション
ドルインデックスと投機ポジション202504













②ドルインデックスの先物ポジション ~投機筋はドル全面安を仕掛けたわけではない~

トランプ相互関税によるドタバタ市場で、一時「トリプル安懸念」によってドル急落の動きがあったが、先物投機筋ポジションにはそれほどの動きがなかった。
3月には1万6935枚までネットロングが増えたが、4月22日以降ネットショートに転じた。
しかし、ネットショート枚数は1108枚と少なく大きくドル全面安に賭けたといえない。


IMM円先物投機ポジション
IMM円投機ポジション202505















③円先物投機ポジション ~引き続き円ロングに大きく仕掛けている~

投機筋の円高狙いは本格的だ。
短期金利差を狙った円ショートが支配的なポジションだったが、昨年11月12.89万枚ショートから今年5月にはわずか2.19万枚まで10万枚のショートが一気に縮小してきた。
逆に円ロングが11月6.03万枚から5月20.40万枚まで急増した。

投機筋は明らかに円高ドル安を狙っているといえる。
この円ロングポジションは短期金利差をコストとして支払って積み上げられたわけで、投機筋の本気を意味している。

COMEX金先物投機ポジション
金先物投機ポジション202505













④金先物投機筋ポジション ~仕掛けた投機筋がロングを急縮小~

金市場ではトランプ関税の悪影響から資金に受け入れ先として注目された。
投機筋もトランプ関税の狙い撃ちのように、2月には30.25万枚まで急増させた。
しかし、その後は相互関税の荒波の中、一気に利食いに入り、5月現在では7.69万枚とポジションを4分の1に縮小した。

4月に中国の金輸入が過去最高だったが、人民銀行なのか、一般の中国人なのか分からないが。、中国からの金買いが相場に影響したのは間違いなさそうだ。
セオリーとは違う爆買いが金相場を持ち上げたとしたら、それなりの警戒感もありそだ。


投機筋ポジションをまとめると、NY株式はトレンド転換を意識したネットショートに、ドル安は限定的、円高は一段の狙い撃ち、金は利食い対象というと特徴が見られる。

・ファンド筋は高値警戒感のある金先物のネットロングを大幅に縮小した。
・マスコミが盛んにトリプル安をまくしたてているが、投機筋が仕掛けたわけではなく、ドル暴落も見ていない。
・トランプ貿易摩擦のターゲットとして日本、一段の円高を見ている。
・NY株式は若干ながらトレンド転換を見ているのかもしれない。

もちろん、投機筋の思う通りになるかどうかは分からない。



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米インフレは収束、もしトランプかいなければ・・・

米CPI202505















トランプ関税があるので、米国のインフレ懸念が投資家の頭から離れることがない。
いつインフレが加速しFRBが再利上げに追い込まれ、長期金利の急騰から株価が急落する、というシナリオが意識の中に残っている。

確かにトランプはキワモノで、何を言い出すか分からない。
だったら、トランプを無視して経済指標を純粋に見る、そして考える事しか投資家はできない。
その出た結論に、トランプの言動を足したり引いたりして、ポジションを管理していくことだろう。


とうわけで、まずはアメリカのインフレの実態部分、数字で表れている事から考えてみよう。

下の表は、いつも使っているCPIとCPIコア、小売売上高、WTI原油価格をすべて前年比で比べてみたものだ。

消費者物価指数 小売り高 平均時給 原油価格
CPI コアCPI 前年比 前年比 前年比 月平均
2025年4月 2.3 2.8 5.16 3.8 -25.4 63.08
2025年3月 2.4 2.8 4.60 3.8 -15.7 67.82
2025年2月 2.8 3.1 3.10 4.0 -7.0 71.33
2025年1月 3.0 3.3 4.20 4.1 1.9 75.14
2024年12月 2.9 3.2 3.92 3.9 -9.0 69.79
2024年11月 2.7 3.3 4.12 4.0 -10.0 69.69
2024年10月 2.6 3.3 2.85 4.0 -16.3 71.6
2024年9月 2.4 3.3 1.74 4.0 -22.4 69.55
2024年8月 2.5 3.2 2.13 3.8 -7.2 75.55
2024年7月 2.9 3.2 2.66 3.6 5.4 80.54
2024年6月 3.0 3.3 2.28 3.9 12.3 78.89
2024年5月 3.3 3.4 2.27 4.1 10.1 78.81
前年比%

消費者物価はこの1年間で着実な低下トレンドを見せている。
ヘッドラインCPIは3.3%から2.3%に低下、コアCPIも3.4%から2.8%に低下。
特にコアCPIがずっと維持してきた3%台から2%台に下がったことには意味がある。

原油価格は前年比で二ケタの下落、エネルギー価格が全体のCPI低下につながった。
原油価格だけでなくコモディティ価格全般に中国の需要が低下していることが大きい。
トランプ関税による過度なインフレ警戒が残るが、小売業者は価格転嫁に慎重姿勢を持っている。
この面では過度な警戒よりも素直に数字を見る方がいいかもしれない。

③ただし、小売売上高は関税前の駆け込み需要(前年比+5%)が押し上げているので、関税が実施され小売価格が一部上昇する時、消費者は慎重になる可能性がある。
小売売上高の急増が一巡すると、需要の価格押し上げ効果も一巡する。


というわけで、基調的な米インフレは収束に向かっているのが数字で確認できる。
それでもリスクとして残るのかトランプ関税。

輸出生産業者、輸入小売業者、消費者の誰がトランプ関税を負担するのかで決まる、小売価格に反映されるのは消費者の負担分だ。
10%関税を三者で当分に負担すれば、消費者の負担は三分の一の3%程度になる。

もし米国の輸入品が消費の半分を占めるとしても、消費者物価に与える影響は最初に1年だけで1.6%程度となる。
CPIは瞬間的に3%台に上昇するが、1年後には元の2%台に戻ることになる。

トランプがウォルマートに関税を転嫁するなと言ったが、彼がガタガタ言うことで影響はさらに小さくなるかもしれない。
しばらく様子を見ることになるが、インフレが期待ほど上昇しないかもしれないと思う。



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米国株、ナンノコッチャ、またまた割高!!!

NYダウ益回りと長期金利
NYダウ益回り202505

















トランプの関税騒ぎで多くの投資家は「米中関税協議」「トランプ中東訪問の多額のお土産」「AI半導体の大量販売」で株を買い戻している。
でも予想EPSは横ばい状態で、株価の戻りとともに再び「割高圏」に近づいている。

おそらく最大の問題は「トランプに罵倒されたパウエル氏が意固地になり、金利を必要以上に高止まりさせること」、もう一つは「米財政悪化による長期金利の高止まり」・・・どちらにしても長期金利と株式益回りの関係を整理してみる必要がある。


まずは、米優良企業30社のNYダウで確認してみよう(上のグラフ)。

今年1月にNYダウの益回りが4.5%で長期金利が4.8%と株式益回りと長期金利が逆転したことで株式の割高感が顕著になった。
基本的に「株式益回り>長期金利」が正常な状態、リスクの高い株式には高い利回りが期待されるからだ。

その後株価下落とともに正常化したが、再び両者が接近し始めている。
現在、NYダウ益回りは4.98%と再び5%水準を割れた、一方、長期金利は4.5%前後なので少し余裕があるにしても割高圏に入り始めているといえる。


米主要企業500社から構成されるS&P500益回りを見てみよう。

S&P500益回りと長期金利
SP500益回り202505
















S&P500でもNYダウと同様に、今年1月に「益回りと長期金利の逆転」が起こった。
トランプ下落でバリュエーションが調整したが、この戻り相場で再び「益回りと長期金利の逆転」が起こりそうな水準になっている。

上のグラフの通り、S&P500の益回りが急低下し、現在4.52%と長期金利とほぼ同レベル。
これ以上株価が上昇すると、再び「益回りと長期金利の逆転」が起こる、と言う意味で危険水域に入るといえる。


ハイテク成長株のNASDAQ益回りも見てみよう。

NASDAQ益回りと長期金利
NASDAQ益回り202505
















NASDAQは成長性の高いテック企業が中心なので、1年先予想EPSというよりも3年先の予想EPSを織り込んでバリュエーションが決まる傾向がある。
その分バリュエーションは割高で、NASDAQ100の益回りは現在3.66%と長期金利よりも低い。

それでも過去の関係を見ると、NASDAQ益回りが長期金利を1%以上下回るとやりすぎ場面となる。
現在の長期金利水準4.5%を基準にすると、NASDAQ益回りは3.5%程度が限界となるのだろう。


結論として言えることは、
S&P500、これ以上の株価上昇は危険水域に入る、
米長期金利が4.5%水準を越えてくると、金利の面から株式の割高感が強まる、
NASDAQは予想EPSが低下し成長性が落ちると割高が目立ってくる、
という三点に注目している。


下の一覧表はいつも使っている米株式指数の予想EPS、3か月の伸び率を比べたものだ。

各株価指数の予想EPS、3か月前比増減率
NYダウ Q/Q S&P500 Q/Q NASDAQ Q/Q R2000 Q/Q
2025年5月 2116.67 -1.9% 269.51 0.3% 792.38 1.7% 83.63 -9.2%
2025年4月 2029.39 3.4% 253.96 -8.5% 743.17 -8.1% 82.85 -4.3%
2025年3月 2181.54 12.0% 272.82 1.0% 802.6 4.9% 89.38 13.7%
2025年2月 2156.93 9.3% 268.66 11.4% 778.95 15.2% 92.11 35.2%
2025年1月 1961.99 -2.8% 277.43 13.5% 808.73 20.3% 86.55 23.1%
2024年12月 1948.6 -3.9% 270.2 12.8% 764.85 19.4% 78.6 13.2%
2024年11月 1973.35 -1.9% 241.21 0.0% 676.11 2.4% 68.11 -5.9%
2024年10月 2017.76 -1.9% 244.52 -0.5% 672.4 -2.7% 70.31 -10.7%
2024年9月 2028.43 -1.5% 239.63 -2.7% 640.74 -5.4% 69.41 -15.1%

今後の最大の焦点は、米国株EPSが伸びるかどうかだ。
5月の1年先予想EPSは3カ月前に比べほぼ横ばいで、良くも悪くもないと言えるが、トランプ関税による景気懸念はまだまだ織り込んでいない。
予想EPSが伸びないようならば、「バリュエーション調整」の可能性が高まる。



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日経平均は赤沢さんに期待?

日経平均と予想EPS
日経平均EPS202505

















5月というと企業決算が次々と公表され、予想ベースが前年度から次年度に切り替わる時期だ。
普通なら、予想が足元から1年先に変更されるため、予想EPSが増加しPERも低下する。
でも、今年はトランプ政策により次年度に切り替わっても予想EPSが下がってしまった。
にもかかわらず、市場はトランプ政策とNY市場の動かされ、日経平均は3万7000円台へ上昇した。

これをどう考えたらいいのだろうか?
トランプが軟化し、自動車関税、日本に対する相互関税などを撤廃してくれるから「買い」と期待している人もいるだろう。


こんな時は単純に「株価とEPSとPER」関係を見た方が良い。

予想EPSがピークを付けた今年2月17日から直近の5月16日までの変化を見てみよう。
       日経平均   予想EPS   予想PER
2月17日 39174円  2557円  15.32倍
5月16日 37753円  2186円  17.27倍
変化率   -3.0%  -14.5%  +12.7%

2月からトランプ政策で急落と急騰を見せたが、この間、日経平均は結果として3%しか下落していない。
しかし、その基礎となる予想EPSは14.5%も低下した、この数字も関税がどうなるか決まっていないのでまだ大きく変化する余地がある。
そして、この株価を支えたのが予想PERの上昇、この間12.7%上昇となった。
このPERの上昇が日経平均を支えたのは間違いない。


それではこのPERの上昇をどう考えればいいのだろう?

PERは投資家の期待値で、PERの上昇は将来のEPSの増加期待が反映されている。
EPSの低下は「トランプ25%関税と円高傾向」で自動車セクターの悪化懸念が最大の理由だ。
とすれば、日米関税交渉で自動車関税が引き下げられ円高進行がストップする、そうすれば予想EPSが上方修正される、という期待が投資家にある。

3回目の会談を行う赤沢氏に日本の投資家の期待が集まっている。
それにしても投資家の楽観的な期待が株価に反映されている。
期待通りにトランプの譲歩が得られるのか? 相場の分岐点だろう。



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親子上場の問題(5)NTTは成長できる?

NTT2025










NTTグループの親子上場は解消に向かっている。
NTTドコモを完全子会社化し、そして今度はNTTデータを完全子会社にしようとしている。
しかし、筆者はこのグループ再編は方向違いじゃないかと感じている。

親子上場の解消方向には二つある。

一つは今回のNTTグループのように完全子会社化、親会社の内部に取り込む。
少数株主の持ち分によってグループ価値の棄損を解決することはプラスになる。

もう一つは日立グループのように御三家と呼ばれた子会社の外部売却で「集中と選択」をする。
これは長期的な企業価値を追求するグループの企業戦略で、内部に取り込むだけが親子上場の解消方法ではない。
旧財閥系グループのように子会社によって業態変貌を促進し、子会社が親会社を越えて成長していくパターンも見られた。

鉱山経営から始まり、古河機械金属、古河電工、富士電機、富士通、ファナックと業態変貌しながら発展してきた古河グループは典型的な事例だ。
「ケイレツ」という独自の企業グループを作り上げてきた日本企業は、親子上場を発展的に解消し、戦略的な子会社が独立した経営を行うことで企業成長を継続できた。

KDDIの母体の一つは「第二電電」で、京セラの創業者稲盛和夫氏が創業した会社だ。
通信事業を独占してきた旧電電公社に対して、「第二電電」は通信民営化の中心として設立され通信自由化の流れで急速に成長してきた。
でも、稲盛氏によって作られた京セラの子会社だったが、上場後は完全に独立し、KDD(旧国際電電)と合併して現在のKDDIになった。
いつまでも京セラの子会社では発展できなかっただろうし、完全独立は稲盛氏の考えだったのだろう。


こうした歴史を振り返ると、NTTグループが子会社を吸収合併してグループの内部化したことには疑問を感じてしまう。
NTT自体が政府が33%を保有する政府系の会社で、経営の自由度が制限されている。
こんな組織では移動体通信事業のNTTドコモとシステム・データセンター事業のNTTデータを分離独立させる方が自由に成長できるのではないかと思う。

NTTドコモは通信部門を東西地域会社とともに担うのだが、吸収合併されてから移動体通信では市場シェアを落としている。
スマホのシェアも2020年の37%から徐々に低下し、現在34%になった。
有線電話・通信の東西NTTとのシナジー効果もほとんど見られていない。

NTTデータにしても、官公庁や大手金融の大規模システムは圧倒的に強いが、しかもAIシステムやデータセンター事業をグローバルに展開する時必ずしも親会社NTTとのシナジー効果は明らかではない。
海外展開するばらば企業買収やM&Aが選択肢になるのだろうが、NTTデータがNTTの内部の部門にすぎないので自由にM&Aすることは難しくなる。


親子上場の解消方法としてNTTグループのように何でもかんでもグループ内部に取り込み、少数株主持ち分を買い取る方法だけではない。
日立グループのように「選択と集中」の経営をする方がいいのかもしれない。



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親子上場の問題(4)NTTって反対に向いていないの?

NTT2025










NTTがNTTデータの完全子会社化を発表した。
20年にNTTドコモを完全子会社化して上場廃止、今回のNTTデータの上場廃止で大きな親子上場を解消できる。
でも、筆者には強い違和感が残っている。


第一に、NTTはNTT法で「がんじがらめ」にされている会社だということ。

NTT法によって33.33%の株式の保有が政府に義務付けられている。
NTTの役員人事も政府に「お伺い」を立てて決まるので、いつも東大卒の元官僚みたいな人が取締役会を牛耳っている。

また、この政府持ち分比率を維持しなければならないので「株式交換での買収」も制限されている。
株式交換で企業買収すると買収先の株式がNTT株式になるので、NTTの発行株式が増えてしまい、政府の持ち分が減少してしまうからだ。


第二に日立のような「子会社整理、経営戦略の明確化」が見えないこと。

日立は企業戦略として親子上場の解消を達成したが、それは主要三子会社の売却だった。
日立グループ内の日立電線、日立建機、日立化成の「御三家」をすべてグループ外に売却。
日立は社会インフラ事業やシステム開発事業などへ選択と集中を実行、株価も長期で上昇した。

反対に、NTTは主要子会社のNTTドコモやNTTデータを完全子会社化しグループ内に閉じ込めた。
NTTは経営の自由度が少ない会社なのに通信事業や大規模システム・データセンター事業を内部に閉じ込めてしまった。
これが問題で、子会社が自由に経営できるかが不透明なことだ。


第三にこれらの完全子会社化では「コングロマリット・ディスカウント」を解消できないこと。

株式交換ができないNTTは2兆円以上を使ってNTTデータを完全子会社化する。
これでNTTの時価総額が増えるのだろうか?

NTTドコモを完全子会社化した時、ドコモの時価総額は12.5兆円だった。
NTTデータの時価総額も5.6兆円あり、これをグループ内に吸収するNTTの時価総額は13.9兆円に過ぎない。
ドコモの12.5兆円、データの5.6兆円に対してNTTは約14兆円、これじゃ足し算が合わない。
典型的な「コングロマリット・ディスカウント」に陥る可能性を否定できない。


どう考えても「NTTは反対方向に行ってしまった」としか思えない。
本来なら、ドコモもデータもNTTから切り離し、自由に経営できる環境を与えるべきだったと思う。



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トランプ関税でも生き残るビジネス、死ぬビジネス

税金













結局、相互関税は相手国を交渉テーブルに引きずり出す手段だった。
英国との貿易交渉が決着し、NY市場の株価が一段と上昇した。
でも中身を見ると、自動車やアルミの関税は変わらないが低関税の一定枠を設定し、相互関税は一律の10%だけで上乗せは回避した。

この関税率の差がどう影響するのだろうか?

①欧米企業のROEはおよそ20%で関税分に匹敵する。

ということは、関税率が25%で値上げをしない場合、企業は米国売上げの25%を関税に取られ大雑把に米国での利益を失うことになる。
もし、10%関税に引き下げられたら値上げしなくてもROEは10%を確保できる。
企業にとっては25%と10%はそれほど違う。
相互関税の上乗せ税率がそれほど過酷な負担になるのは間違いない。

②中国の関税率145%を引き下げても50%なら同じこと。

中国企業は「薄利多売のビジネスモデル」なので、欧米企業のように20%レベルの高いROEを誇る企業は少ないだろう。
となると145%の関税が実質的に「禁輸」を意味するのと同様に、50%の関税も実質的に「禁輸」と同じ意味になる。

中国の格安ECサイトでは30%のディスカウントは普通で、場合によっては50%のディスカウントもある。
と言う意味では50%関税でディスカウント幅が完全に無効、格安サイトで買い物する意味すらない。
でも、30%関税ならば一部の格安商品は、20%程度のディスカウントが残る可能性があり、多少は競争力を維持するかもしれない。
対中国では関税を50%以下に引き下げるかどうかだと思う。

③日本企業の低いROEはトランプ関税に弱い。

日本企業の多くはROEが10%前後で、もし相互関税(10%∔上乗せ14%)を受けたら日本企業の米国ビジネスは利益が出ない。
ROEの低い企業は米国輸出が相当厳しくなるだろう。

でも英国のように交渉が成立し10%関税だけならば、ROE10%企業でもなんとかなりそうだ。
米国向け輸出では採算が取れなくても他地域でカバーするばいいからだ。
競争力が高く多少とも値上げをできる商品ならば、利益が残る可能性が高い。


世界の株式市場は「関税交渉の進展」「相互関税の引き下げ」など、すべてプラスに反応し株価が上昇している。
でも、実態が認識されるようになれば、企業の利益率ROEと関税率の関係で株価が決まるようになるだろうと思う。


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オプションSQ前後、波乱か、平穏か?

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5月SQはオプションの最終価格が決定されるが、今回は何かしら気になるところがある。
トランプ関税の急落後、「コール売り=カバードコール」が魅力的なポジションだったからだ。
これだけの急落時になると持ち株は当然マイナス評価になるわけだが、ボラティリティの上昇によりオプション価格は割高になるのでオプション売りには妙味がある局面になる。
持ち株の損失をヘッジする意味でも「カバードコール」は人気のトレードだっただろう。

しかし、この自律反発場面では日経平均がジリジリと上昇し、3万5000円水準をあっという間に越え、3万6000円水準を越えた。
こうなるとどんどん行使価格をヒットされ損失無限大の恐怖にさらされたコールの売り手はコールの買戻し=踏み上げをせざるを得ない。
このコールの踏み上げが日経平均を連騰連騰で押し上げてきた原動力になった。

日本のGWでSQ前の1週間のうち2日間は休みで、5月物SQポジション調整ができるのは5/7~8の2日間だけになった。
これがなんとも気になった。


GWの間、海の向こうのNY市場は2日連続で下落、連休明けの日経平均には大きな影響はなかった。
しかし、行使価格37000円コールに4306枚の建玉、さらに37500円コールに2327枚、38000円コールにも4347枚の建玉が残っている。

SQ(5/9)まで2日間しかない段階なので、SQ前に買い仕掛けが出てくると意外と多くのコール売り手が買い戻すかもしれない。
そうなれば意外高や波乱展開が起こる可能性がある。
外部環境次第のところはあるが、火種が残っているといえる。

本日はSQ前の最後のポジション調整日だ。
37000円を越えてくると、370コールの買戻しが起こり上昇に拍車がかかるかもしれない。
今日は、日経VIのリアルタイムチャートとオプション価格表をよく見ておきたい。



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トランプ関税の米経済はどうなる?(1)ここからが本番

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5月以降の米国経済指標がトランプ関税後の経済を映し出す。
企業決算の発表が続いているが、自動車業界も小売り業界も関税の追加費用を織り込む決算ガイドラインを出してきた。
必ずしも関税費用をすべて消費者に転嫁するわけではなさそうだ。


「米インフレは予想ほど上昇しない」かも?

ポルシェは米国販売価格を関税分25%引き上げるのではなく、10%販売価格に転嫁し、15%は利益を圧縮したり合理化で吸収すると言う。
日本車も同様に関税分25%の多くを経営努力で吸収するのだろう。
と言う意味で米国のインフレに影響するのは関税の一部分にとどまる。
しかし、経営努力で吸収といっても最終的に利益率が圧縮されるのは間違いなさそうだ。


となると、最も注目されるのは「インフレというよりも景気実勢」だろう。

米国GDPは名目で+5.03%(3Q/24)、+4.84%(4Q/24)、+3.46%(1Q/25)と伸び率が急低下している。
物価調整した実質GDPはこの1Q/25に-0.28%でマイナスに落ちた。

米輸入の急増がGDPにはマイナス要因、その逆に在庫が急増、個人消費の増加がプラス要因だった。
簡単に言えば、トランプ関税前に駆け込み輸入が急増し、それが業者の倉庫に滞留し在庫が急増、自動車などの商品では値上げ前の駆け込み購入で個人消費が伸びた、というわけだ。

この反動が2Q/25に出てくる。
これを織り込んだGDPナウが5/1の公表されたが、2QのGDPは+1.1%だった。
一応、2期連続のマイナス=リセッションは避けられる見通しだが、まだまだ不安をぬぐえない。
もし2期連続のGDPマイナスとなれば、株価は二番底を目指す可能性があるから注意だ。


米雇用の変化はまだ出ていない

4月の雇用統計では雇用者数が予想よりも高い17.7万人だったが、3月分が下方修正されているのでホントに強いのかどうかは疑問も残る。
ただ、3か月移動平均では、2月+18.0万人、3月+17.1万人、4月+19.3万人と雇用情勢は横ばい状態で悪化している兆候はない

注目は小売り売上高で、3月は前月比+1.43%と高く出たが、相当分は関税前の駆け込み消費だ。
4月の数字が関税後の米国消費の状態を示すことになるからだ。
いずれにしてもここからが「米景気判断の本番」を迎える。




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日経VIから考える連騰相場、GW明けに注意

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最近株価を見ていて「不安」を感じるのが、SQ前のガンマスクイーズだ。
今回5月のSQ日はGW明けの金曜日(5/9)になるが、この週は5~6日が休日で取引ができない。
SQ前のオプションはリスク調整で大きくハネ上がることがあるが、そのSQ前の取引日が休日が多いため7〜8日に集中する。

直近5/2のオプション表を見ると、コールの建玉残は365(行使価格36500円)に8500枚、370に4500枚・・・390に6200枚の塊りがある。
コールの売り手にとっては365の売りがちょうど現値付近で、これ以上株価が上昇するとコール売りはどんどん損失が大きくなる状況だ。
すでに5/2の日経平均には「ガンマスクイーズ」が入っている、コールの売り手が買い戻し、その証拠に日経VIが2.6%上昇した。

日経VI202505
















上のグラフは日経VIだが、日経平均がこれだけ連騰し回復したのにVIはいまだに26と通常の範囲を越えている。
VIはオプションの買いが押し上げるので、上昇時にVIが高いということはコールオプションに買いが入っていることを示している。
コールへの買いが続き、日経平均が押し上げられている!

日経平均が35000円、36000円と上昇、350コール売り、360コール売りが次々をヒットしていき、次々に起こるコールの買戻しで「ガンマスクイーズ」が発生した。
これがこの相場の原動力だった。


NY市場もVIXが高止まりしているので、東京市場と似た状況だったのかもしれない。
トランプ関税で業績悪化懸念がある中、連騰、連騰している。
これがGW中も続くと、GW明けの朝、予想外の株価水準で始めることも懸念される。
そうなると、390コールの塊りまでスクイーズされることになるかもしれない。

逆にGWの間にNY株が急落し日経平均がSQ日に向けて36000円以下に下落するならば、コールの売りは利益で終了だ。

「その微妙な位置にGWが重なっていることがリスク」だし、さらに「SQ日(5/9)以降にこの反動が出てくる可能性も大きなリスク」だ。




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「就任式~解放の日急落」と「自律反発」の関係

FUNG+指数と200日移動平均
FUNG指数202504
















トランプが大統領就任したのが1月20日だった。
しかし株価が下落に転じたのは就任式の二日後の23日で、「トランプラリーの余韻」がこの二日間だったのだろう。
アップル、メタ、グーグル、エヌビディア、テスラなどの巨大ハイテク10社の株価指数であるFANG+
指数は1月23日に天井を付け、この日が運命の分かれ目になった。

そして、トランプ政権が相互関税を発表した「解放の日」は4月2日だった。
衝撃の相互関税で株価は瞬間的に急落し、二日後の4月4日に底を付けた。
これまたこの二日間が「悲観の極致」になったわけだ。
今年の株価急落はトランプ就任式後から始まり、トランプ「解放の日」後に底を打った。

この意味は株価の天井も底もトランプによって作ったものだ。
投資家からみれば、トランプに翻弄されているわけなんとも腹立たしい相場だろう。

重要なのはその後の自律反発で相場の強弱を計れることだ。

この1月23日~4月4日までの株価の動きを改めて並べてみた。

    1月23日  4月4日  下落率    4/25   戻り上昇率
FANG+ 13865 10373 -25.3% 12329 +18.8%
SOX指数  5444  3597 -33.9%  4251 +18.1%
NASDAQ 20053 15587 -22.2% 17382 +11.5%
S&P500   6118  5074  -17.1%  5525 + 8.8%

このトランプ解放の日までの株価は半導体(SOX指数)が一番大きく33%の大幅な下落だった。
次はFUNG∔指数で―25%、NASDAQは―22%、米主要大型株(S&P500)は―17%だった。

一方、自律反発の上昇率は、FANG+とSOX指数が∔18%で一番大きい、次にNASDAQ∔11%、S&P500+8%だった。
トランプ関税の回避でアップルは米国向け生産を中国からインドに移管、こうした対応がFANG+指数を半値戻し以上の水準に引き上げたようだ。
米国株全体としてはS&P500の8%の上昇が標準だ。


投資家が考えておくべきことは3点ある。

①FANG+とSOX指数は「利食い千人力」
単にテクニカルな戻りだとしたら、「利食い、千人力」の急所となる可能性があるからだ。
リスクを減らし、考える所・・・

②S&P500は「ホールド」
業績発表とFOMCの二大材料を見てから判断すべきで、現状は「ホールド」だ。
パウエル氏が利下げし、一旦業績も織り込み済みなら短期の一段高もありえるからだ。

③長期では「休むも相場」
4-6月の3か月が重要で、最大の注目点は「駆け込み需要」で押し上げられた経済指標がどうなるか?
投資家は焦らずにじっくりと株式市場を見ていく「ゆとり」が大切だろろう。


SOX指数とS&P500
SOX指数とNASDDAQ202504



















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グローバル化の曲がり角(3)「頭脳」と「手足」

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ベルリンの壁が破壊された1990年代以降、一気にグローバル化が進んできた。
「レクサスとオリーブの木」で著者フリードマン氏が、「黄金の拘束服」で伝統的民族的な価値観を持つ国家を縛り付ける、これによってグローバル市場に参加して大儲けすることができると語る。
この「黄金の拘束服」がグローバルスタンダードだ。

しかし、1990年代から2020年代まで続いたグローバル化が、トランプ政策によって曲がり角を迎えているような気がする。
でもちょっと不思議な感じがする。


グローバル化で一番儲けてきたのは米企業でしょ、なんでトランプがグローバル化を否定するの?

確かにアップルやマイクロソフトなどハイテク企業はファブレスで生産を海外に委託し安い労働力をフルに使い、アマゾンなどのEコマース、ウォルマートやファストリなどの消費企業もグローバルサプライチェーンで世界最適生産ー最適販売を実現してきた。

しかし、その結果起こったのは欧米大企業の生産委託が集中した中国、この国が世界最大の生産力を持ってしまったという米国には不都合な事実だった。
委託生産することで中国への技術移転が加速し、中国は単なる機械や製造装置だけでなく半導体やコンピュータ・制御機器などのハイテク産業も急速に成長させてしまった。


トランプ関税は何を変えるのだろう?

グローバル化で一番儲かったのは米国のグローバル企業だろうが、世界最大の生産基地となった中国もグローバル化の勝ち組だった、ここが問題だったのだろう。
トランプ関税によって勝ち組の米巨大IT企業もサプライチェーンの組み換えが要請されているわけだが、彼らはいわば「頭脳」だけを持つファブレス企業(工場を持たない)で、その手足となる生産企業が中国企業群だ。

次の時代でも「頭脳」の企業は新しい価値を創造する、これは変わらない。
米巨大IT企業すべてが次の時代のリーダーとなるのかは分からないが、「頭脳」企業は「頭脳」企業であり続けると思う。

一方、生産委託を担当する「手足」企業は簡単に交替してしまう、トランプ関税はこれを目指してるのだろうと思う。
だからこそ、中国は2025年を最終年とする「製造2025」、2049年に向けた建国「100年計画」を着々と実行してきた。
一部の分野では中国企業が欧米企業並みの台頭、手足企業が「頭脳」企業に変身しようとしている。
しかし、BYDの躍進にしても中国政府の巨額補助金によるところが大きく、補助金抜きでどこまで成長できるかはこれからの問題だ。
BYDは補助金があるうちに世界シェアを高める戦略だろう。


「頭脳」となる巨大IT企業は、サプライチェーンを作り直し復活する。
また、トランプ関税が重くのしかかる生産・流通段階でも多くの革命的な変化が出てくる。
それでも、モノの流れ、資金の流れは米国中心のネットワークと中国中心のネットワークに分断され、両ネットワークはお互いに対立したままなのだろうと思う。
その構造を決めようとしているのがトランプ政権なのだろう。




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「ユーチューブの本音くん」を本音で考える(4)プラチナNISA

本音くん分配














政府が高齢者向けに「プラチナNISA」を作り、毎月分配型の投信を投資対象に入れるという。
おそらくは「トランプ混乱」で多くの新NISA民に含み損が発生したので、目先の利く銀行・証券会社がこのままでは投信が売れなくなるとビビったのだろう。
次のターゲットとして高齢者に狙いを定めた!
「儲からなければ投信じゃない」とでも言いたいのだろう。


若年層の資産形成で始まった新NISAだったが、こんなに簡単に主旨替えをしてしまう。
政府や証券会社の、この日和見な姿勢が日本の運用業界にどれだけ負の遺産(死に体となった過去の投信)をバラ撒いてきたのか?
同じことを繰り返す政府と証券業界には呆れてモノを言えない。


政府・証券会社の首脳はまず「本音くん」を見るべきだ。

本音くんは言う・・・

・毎月分配は普通分配と特別分配があり、普通分配は運用収益、特別分配は元本から分配される。
・特別分配は「タコが自分の足を食べるようモノ」、払った元本を分配するインチキ商品だ。
・元本を分配してしまうので、元本が減り投資効果(複利効果)が出ない。
・年金の補てんというが、それなら定期預金を定期的に取り崩す方がリスクが小さい。

本音くんは全く正しい。

新NISAでは投資理論的に正しく長期投資に適したオルカンが人気になってきた。
しかし、オルカン(S&P500などのインデックス投信)では証券会社が儲からない。
新NISAで約50兆円が投資されたが、証券会社が受け取るフィーは0.057%(eMAXISオルカン)程度しかなく、これだけ投信を売っても銀行・証券業界全体でたした儲けにならない。

貪欲な銀行・証券からすれば、もっと分厚い手数料が欲しいというところだろう。
そこで高齢者に目を付けた。
高齢者は今さら積立投資には興味がない、それよりも毎月分配に誘導しようというわけだ。
毎月分配型ならば、手数料は購入時3%、毎年の信託報酬1.5%は取れるから・・・

なんか、とっても見え透いていて・・・残念!!!


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2年目の新NISA、どうする?(8)オルカン、S&P500の含み損

新NISA










新NISAの投資家はちょっとした「試練の時期」を迎えている。
下の一覧表は、3月16日の当ブログで使ったものだ。
新NISAで一番人気になった、オルカンとS&P500投信の基準価額と、これらの投信のベンチマークとなった株価指数を比べてみたものだ。

          24年12月末  3月14日  下落率      
eMAXIS オルカン   27686   25136   -9.2%
MSCI Acwi       841     821    -2.3%

eMAXIS SP500    25792   22407  -13.1%
S&P500       5881    5521  - 6.1%

eMAXIS ナスダック  25306   21271  -15.9%
NASDAQ100     21012   19704   - 6.2%
(eMAXISは基準価額、米株価指数は3/13現在、基準価額は3/14現在、一日遅れて計算される)

この一覧表を4月18日までアップデートしてみた。
大きく損失が拡大している。

         24年12月末  4月18日    下落率      
eMAXIS オルカン   27686   23365    -15.6%
MSCI Acwi       841     793     -5.7%

eMAXIS SP500    25792   20603   -20.1%
S&P500       5881    5282   -10.1%

eMAXIS ナスダック  25306   19401   -23.3%
NASDAQ100     21012   18258    -13.1%
(eMAXISは基準価額、米株価指数は4/17現在、基準価額は4/18現在、一日遅れて計算される)

たとえば、一番人気のオルカンでは昨年末からの下落率が15%に達し、2番人気のSP500では20%の下落率だ。
NASDAQ100のインデックス投信はちょっと一般的ではないかもしれないが、下落率が23%と一番大きな損失を抱えている。

今年初に成長枠240万円を投資していたら、オルカンで37万円の損失、SP500で48万円、NASDAQは55万円の含み損になっている計算だ。
一覧表をよく見ると、eMAXIS投信基準価額のパフォーマンスがベンチマークとなる株価指数を10%程度も下回っている、これが円高による損失と信託報酬などの費用になる。
日米交渉の一つのポイントになってきているだけでにさらなる円高もあり予断は許さない。

投資初心者には厳しい結果だろう。
しかし、新NISA の制度を作った政府や銀行・証券をうらむのではなく、迂闊に誘われ投資した結果として受け止めるべきだ。
今後3か月、相互関税の行方、関税の米国経済への影響、企業業績への影響を見極める必要がある。
覚悟を決めておく方がいい。


では、新NISAを今後どうするか?
短期投資なら売りもあるが、長期投資ではホールドすべきだろう。
でも精神的に相当キツイ・・・そこで・・・

第一に「株価を見ること」をやめる。
第二にもし気になって株価を見るのをやめられないなら「損したこと」を忘れる。
第三にもし損したことを忘れられないならば「「楽しいこと」を考える。

筆者もITバブルの崩壊(2000年代初)では証券自己勘定で数億円の損失を出したことがあったし、リーマン危機では年金から委託された日本株商品で4割も損失を出したこともあった。
下落相場ではファンドマネージャーも心理的に厳しい状況に追い込まれる、おそらく、長く相場をやっていれば何回もこうした経験をするはずだ。
その時、上の三つを心掛けて危機を乗り切った。



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信用投資家はトランプを甘く見てる?

信用買残ネットポジション
信用残ネット202504
















信用取引を使う個人投資家、個人の中でもプロ級の投資家たちなのだろうが、これだけの株価下落なのに「重たい感じ」が強い。
信用取引はおカネを借りて株を買う「ロング」と株を借りて売る「ショート」で、その差引残高でポジションの状態、投資家の強弱感、将来(6カ月以内)の需給などを判断できる。

上のグラフは信用買残ネットポジション(信用買残ー信用売残)だが、4/11現在では3兆5000億円、ピークが4兆円だったのでネットで5000億円しか減っていない。
日経CNBCでは4月初の「トランプ相互関税」下落で「追証による投げ売り」が出たとされたが、この週の買残が5000億円程度しか減っていない。
その結果、ネットポジションで3.5兆円規模の高水準が続いている。

信用評価損率
信用評価損率202504
















信用投資家の「ポジション損益が悪化」している。

上のグラフは信用残評価損益率で、すでに目安となる―10%水準を下回り―13%に達している。
信用投資家は平均的に13%の評価損を抱えている厳しい局面に陥っている。
過去の水準を見ると-10%以下はボトム圏で、投げ売りが出て株価が底入れというパターンが多いが、今回はこれだけ損失を抱えているのにポジションを減らそうを考えている投資家は少ない。

買残ネットポジションが3.5兆円という高水準で、なおかつ評価損益比率が―13%となると、信用取引の損失が抱えてガマンし続けている姿が見えてくる。
厳しいようだが、ガマンしていても状況は変わらない。
必要なのは「ポジションを投げる」ことで、これがあって初めて「底入れの条件」ができる。

信用倍率
信用倍率202504
















さらに今回は「空売りが増えていない」ことが大きなポイントにもなる。

上のグラフは買残を売残で割った信用倍率で、この倍率が高いほど売り残が少なく買残が多いという状況を示す。
通常の株価下落で空売りが増えてくれば、売残が増加し信用倍率が低下してくる。
ところが、今回の株価下落場面では信用倍率が逆に上昇し、4/11現在で8.6倍と過去のピークを上回る水準になっている。
これはトランプ減税の不透明感で「空売りする勇気」もなくなっていることを示している。

総合して考えると、現在の市場はけっこう厳しく、市場は重たい感じを残る。

急落の第一幕は終わっているが、中途半端に強気を持ったままの投資家が多く、空売りする勇気もないし、買いポジションを投げ売りする勇気もない。
となれば市場の売買代金が減少し、投資家は一段と動きにくくなってしまう。
ポジションを抱え込んだまま、強気にも弱気にもなれない投資家だ。

市場の次の下落で空売りが増えたり、ポジションの投げ売りが出れば底入れの条件が整うが、それまで時間がかかるかもしれない。
信用投資家はトランプを甘く見ているのかもしれない、しばらくは「重たい市場」が続くような気がする。





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「酒田五法」などの相場テクニックに直結する相場格言をより多く取り上げました。 当ブログでも使った「最後の抱き線は心中もの」、「遊びの放れは大相場」、「放れて十字は捨て子線」など、実戦で使える格言を多く解説しています。 ケイ線に興味のある方、テクニカル分析に興味のある方、是非一読をお勧めします。
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PERやPBRなどバリュエーションを理解し割安/割高の実践的判断の基に理論的な株式投資を解説します。 割安とは将来のリータンを示すのか、単に成長性がないというだけなのか、事例をもとに解説します。 株式投資の基礎として大切なもので、是非一読をおすすめします。
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