
よく見ると鹿がいます。
6月12日のシンガポール米朝会談をめぐって、トランプ大統領が書簡で中止を通告したり、北朝鮮がいつでも開催を歓迎するという温厚なコメントを出し、さらに緊急に南北首脳会談を板門店でやるという話になった。
まるでポーカーゲームを見ているようだ。
まさにブラフの掛け合いで、こんな外交ショーは見たことがない。
トランプは心理的に優位な立場でポーカーを楽しんでいるようだが、金正恩は相手に翻弄されるのを必死に我慢しているという様子に見える。
このポーカーゲームでワシの眼にはっきりと見えるのは金正恩のチップが無くなりつつあるということじゃ。
もともとこの小太り男は、リビアのカダフィ大佐的な惨めな結末を最も嫌がっていた。
そのためにあらゆるハッタリを使ってアメリカをテーブルに引き出し、身の安全が 保証されるように仕掛けた。
彼にとっては核もミサイルもハッタリにすぎないのだろう。
核弾頭を製造できる技術を持つこと、さらにICBMを持ち直接アメリカ本土を攻撃できることをアメリカに信じ込ませることができればアメリカを交渉テーブルに着かせることができるからだ。
だから、本当は核を持っていないかもしれないし、ミサイルもどこへ飛んでいくか分からないような使い物にならないレベルかもしれない。
だから、簡単に核実験設備も爆破できるし、必要なら、さらに核関連施設を破壊するだろう。
とにかくアメリカをテーブルに引きずり出した。
ここまでは彼の思惑どおりだったのだろう。
それが先の南北首脳会談、板門店での満面の笑みの正体なのだろう。
オリンピックでの南北共同参加はおそらく彼ののラストチャンスだったのだろう。
そのぐらい先進国による経済制裁で北朝鮮は困窮していたはずで、このチャンスに韓国の文ジェインを利用して一気に片付けようと思ったはずだ。
これがここもとの急展開を演出することになった。
ところが、相手のトランプのポーカーの腕はさらに上で、書面でのシンガポール会談中止をいとも簡単に通知できるブラフの名手だ。
いつもなら一方的に中止を通告したアメリカをボロクソに非難するのが北朝鮮の常とう手段だったが、今回は違った。
これで勝負あったという感じだ。
この一件でトランプは金正恩のチップの枯渇を見抜いたはずだ。
だから、この後はトランプが金正恩を一歩一歩追い詰めていくと思う。
最後の詰めは、リビア方式をチラつかせながら、核廃棄を先に制裁解除や経済支援はできるだけ後回しにすることだ。
これで金正恩は雪隠詰めだ。
おそらくその後はリビアのカダフィ大佐と同じように、北朝鮮国内で反金正恩の盛り上がりによって暗殺されることになるだろう。
そうなると、ワシの北朝鮮シナリオではシナリオ4、金正恩体制の崩壊+非軍事アプローチになる。
・・・・以上が、ワシの日曜日の空想だ。