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最近はセクハラ・パワハラなどスキャンダラスな問題がよくテレビで取りあがられる。
ワシャ、定年退職後のヒマ人なのでたまに「羽鳥のモーニングショー」を見る。
ちょっと気がついたのは、番組に登場する玉川さんというコメンテーターだ。
彼は時々、知ったかぶりをする。

水かけ姫のパワハラ行為が報道されたとき、韓国財閥の韓進グループのオーナー一族のスキャンダルを番組で取り上げ、いろいろあーでもないこーでもないとコメンテーターが話題にしていた。
その中で、テレ朝の玉川さんというコメンテーターが・・・
「韓国はいまだに大財閥が経済を牛耳っている。 資本と経営の分離ができていない未熟な経営が問題で、オーナー一族が特権階級のように振る舞い、パワハラが横行する。 だから、資本と経営を分離させ、近代的な会社経営をすべきだ。」
・・・というような主旨の発言をした。

マジか?
テレビでこんな認識で全国放送していいのか?
というわけで、今日は韓国の大財閥の経営問題を考えてみた。
玉川さんの最大の誤解は、オーナー企業はダメという論理だろう。
今の時代、オーナー経営は企業成長の大きな原動力になっている。
特に現在の急成長企業にはオーナー企業に多いことが、企業経営論の分野で見直されるきっかけになった。
ベソスのアマゾン、イーロンマスクのテスラ、ザッカーバーグのフェイスブック、アジアでも古くは李嘉誠の長江実業、最近ではジャック馬のアリババ、郭台銘の鴻海、などなど。
日本でも株式保有が10%程度なのでオーナー企業といえるかどうかちょっと微妙だが、孫さんのソフトバンク。
オーナーの強い思いが企業を引っ張り、トップダウンの判断が迅速なオーナー企業の多くは経営スピードが速く成長力がある。
韓国財閥でもオーナー経営自体が問題なのではないと思う。

韓国財閥の問題点は、コングロマリット経営の方だろう。
たとえば、韓進グループはももともと運輸企業でベトナム戦争の米軍物資輸送で大儲けし、その後、朴大統領(当時)の要請で民営に応じ大韓航空を手に入れた。
その後、コンテナ輸送や様々な分野に手を伸ばし大手財閥に成長した。
現代財閥も造船や重工業から自動車・建設など複数の産業にまたがるコングロマリットに成長した。その後創業者の死後の後継者争いで分裂したけど・・・。
三星(サムスン)財閥は家電・電子部品の電子工業が世界的に強いが、重工業、建設、商社、生命保険までカバーするコングロマリットだ。
しかしながら、現在の経営ではより強い分野に集中し、競争力のない分野からは撤退する、集中と選択が経営のカギになっている。
日本でも総合なんとかと名前が付いている企業はコングロマリット的だったが、今や集中と選択を繰り返し企業変貌しているし、脱コングロマリットで成長力を取り戻すのが現代の経営戦略だ
株式市場でもコングロマリット・ディスカウントと呼ばれ、専門的な競争力を持つ企業が高く評価され、何でも屋的な企業は評価されにくい。
現代の企業論からは、韓国財閥も集中と選択の時期にあるのではないかと思うんじゃ。

また、パワハラやセクハラはコンプライアンスの問題で、独立したコンプライアンス専門を置き、直接取締役会や株主総会に報告する体制が必要だ。
オーナー企業だからパワハラやセクハラが多いとはいえないのではないだろうか。