
2016年オバマ政権下でイラン核合意の履行が確認され、国際社会はイランに対する経済制裁を解除した。
イランは石油を国際市場で売り、その代金を国内の開発や将来世代の貯蓄にまわすことができるようになった。
そんなタイミングで、ワシはイランの首都テヘランに向かった。
テヘラン市内のインフラや建物はひどく、この国の厳しい財政状態を見るような感じだった。
道路から建物、さらにビル内装を10年ぐらいそのまま放置するとこうなるだろうと思う風景が目の前にそのまま広がっている。
道路も舗装が痛んでいて、走っているバスや車も旧式で排ガスをまき散らしている。
交通ルールなんてあってないような感じで、40キロで走る車のすぐ前を歩行者が横切る、車線変更も強引でこれでよく事故を起こさないなと感心させられる。
テヘラン市内にはイスラム革命前のパーレビ国王の広大な屋敷が公園として残されていた。
広大な土地に大きな屋敷の他、いざという時の軍事拠点となる建物、武器・弾薬庫などが点在していて、往時の国王の生活を垣間見ることができる。
でも、これらの歴史的な建物や内装もそのまま放置しているだけなので、決して保存状態がいいとはいえない。
長期にわたった経済制裁下、財政に全く余裕なかった国というのが第一印象だ。
イスラム教シーア派の国だが、男性は普通の服を着ているし、女性は頭髪を隠す程度でアラブの保守的な国とは雰囲気が全く異なる。
でもスタバもないし、マックもないところはやっぱり中東だなと思った。
NDF(ナショナル・ディベロープメント・ファンド)はイランの国家財政を担うソブリンファンドだ。
やっと国際社会に復帰できるという状況の中で、NDFのダイレクターは強気に語った。
この5年計画でNDFは政府から独立した機関として、国民の将来を担うことになった・・・初年度から国家の石油収入の30%をファンドに入れて運用を行う・・・ファンドへの入金は毎年3%づつ増額され、国家資産を増やしていく・・・
でも、米国大統領がオバマからトランプに代わり一気に逆風が吹き始めた。
この5月にも制裁解除の見直しが行われる予定になっている。
このNDFはどうなっていくのだろうか?
再び、経済制裁に戻っていくと国家ファンドも全く活躍の機会がなくなる。
明らかにこの投資不足の国、きちんと計画的にインフラを整備し、産業を立て直していけば、経済成長の可能性が高いと思ったんじゃが。
テヘランの北は山岳地帯で、冬は山に雪が積もる。その先はカスピ海で素晴らしい風景が広がる・・・観光資源としての価値は高い。
このあたりは砂漠ばかりのアラブの国々とは違い、いろんな観光開発もできるだろう。
ちなみにイラン女性はアーリア系で色白、目鼻立ちがすっきりとした美人ぞろいだし・・・イランはホントにいろんな可能性を感じさせる国だった。
再び、イラン原油が国際市場から締め出されるのを予想して、昨日、原油価格が70ドルを越えた。