
固定資産税は不思議だ。
東京の固定資産税は非常に高く、地方の固定資産税は東京より全然低い。
田舎と東京の両方に家を持つワシの実感じゃが、土地の固定資産税の違いは、土地価の違いの2倍ぐらいの開きがある。
一坪当たりの地価はワシの住む田舎と東京の差は40倍ぐらいあるが、一坪当たりの固定資産税は100倍以上ではないかと思う。
また家屋の固定資産税はもっと不思議なほど違う。
田舎の家の建築費と東京の家の建築費は一坪当たりに直せばそんなに変わらないのに、固定資産税は数倍ぐらい東京が高いからだ。
そもそも固定資産税は地方税法で決められていて、その年の1月1日の所有者に対して課税される。
その課税方法は、固定資産台帳に載っている課税標準額に標準税率1.4%をかけて算出される。
課税標準の元となる固定資産税評価基準は総務大臣によって告示され、市町村長はこの基準により課税標準額を決定し、固定資産台帳に登録する・・・とある。
そうなると、市町村の違いがあっても、計算方法と課税方法、あるいは住宅特例なども全国一律に決められているため、課税の不公平感はこの時点ではない。
それじゃ、田舎と東京の固定資産税の違いはどこからくるのじゃろ???
そうなると課税標準額の決め方が田舎と地方では違うことになるが・・・・
土地の場合、課税標準額は公示地価の7割程度を基準に評価を行うとしているが、そもそも田舎の土地には公示地価も固定資産税路線価もない。
山林用途の土地はほとんど価値がなく課税評価も低いのはあたりまえだが、山林の中にある宅地はどうなるのだろうか?
おそらく宅地だからといって周りの土地評価とかけ離れた高い評価もできないだろう。
山林の中にある宅地はどうしても低い評価にならざるをえない。
では、田舎の家屋が低い評価なのはどう考えるんじゃろか?
新築住宅の場合、再建築価格という理論価格を算出する。
家屋の構成部分、骨組み、基礎、屋根、外装、内装、設備の材質・数量を積算して、その総計を家屋の評価とする。
そこから経過年数を考慮して課税標準額が決まるということらしい。
そうなると、材料費単価さえ変わらなければ、あとは広さの違いだけで、全国どこでも一律の評価となるはずだ。
同じ新築時点で東京の家と田舎の家を比べてみると、東京の家の課税評価額が一坪あたり30万円に対して田舎の家は20万円だ。
この課税評価額に加えて住宅特例やその他で税金額は数倍変わってくる。
両方の家はともに木造在来工法で材質の違いはそんなにないはずだ。
となると、この違いは材料単価の違いということになる。
材料単価が田舎は低いので、田舎の家屋の課税評価額が低くなり、固定資産税が田舎は安いというのがワシの結論じゃ。
というわけで、田舎は固定資産税がむちゃくちゃ安い。
税金を払いたくない人は田舎に家を持つといいよ。