
投信販売サイドのガラパゴスを考えるために、まず海外のファンドビジネスとの違いを見てみよう。
海外ではフィデリティ、ブラックロックなど運用会社が主導して投信ビジネスが展開され、運用会社が運用商品を企画・開発し、ファンド流通業者(ディストリビューター)に売り込み、IFA(独立投資アドバイザー)やファンドコンサルタントなどがファンドを評価し、個人投資家はファンドの評価を参考にして流通業者から購入するという通常の流れだ。
しかし、日本では証券会社や銀行が売れ筋の投信を企画して系列の運用会社に作らせ、できた投信を証券会社や銀行の支店で売る・・・販売会社である証券や銀行が主導して、投信の企画開発から販売まで一貫して行う系列内ビジネスだ。
海外のファンド販売の仕組みは、(1)海外では運用会社が自信を持って開発、長年運用してきた実績のあるファンドを売り込む、だから、トラックレコード(過去実績)があり質の高いファンドが販売される。
(2)海外では独立したファンド評価者が公平に評価したファンドが販売チャンネルに乗せられる。
これに対して日本では運用実績よりも売れ筋が重要視され、人気の出そうな投信を系列の運用会社に作らせて銀行や証券会社が個人に販売する。
だから投資家から見ると、運用実績もよく分からない、ファンドの評価も不透明な、グループ系列内の投信を買わされているということになる・・・これが第一の問題点だ。
第二の問題点は、運用会社には受託者責任(投資家を保護する義務)があるが、販売会社には受託者責任がなく、その販売会社が親会社として投信ビジネスを仕切っていることだ。
投信購入時にかかる販売手数料3%は販売会社が受け取り、さらに信託報酬(およそ1.8%)の半分も販売会社に入るという証券・銀行にとって美味しい商品だ。
しかし、この高い投信のコストが日本の特殊なビジネス慣行=ガラパゴスを作ったともいえる。
第一に、この高いコストをカバーするために高いリターンの見込める高リスク商品を売らなければならない・・・だから、もっぱら新興国債券や通貨選択といった新興国や通貨といった高いリスクを取り高いリターンが見込める投信が各社で乱発された。
第二に、利の乗った投信を利食いし別の投信を買わせ、高い販売手数料を効率的に稼ぐために回転売買が横行したことだ・・・投資家は一応利益を稼いだが、次々と投信を買い高い販売手数料を払う。
これも受託者責任がないため好き勝手にできたことだ・・・ただし、最近では回転売買はご法度だ。
こうした販売会社の利益が優先され、高い販売手数料を正当化するため、投信には高いリターン期待が必要だったという事情が日本の投信のガラパゴス化を進めた。
さらに投信に外国証券を組み入れる際には、証券会社の海外支店で外国証券を大量に仕入れ価格をして上乗せし東京に送り為替手数料を乗せ運用会社に売るという流れで証券会社は収益を上げる。
カバードコールの付いた投信も多く販売されているが、期間の長いオプションは証券会社に組成してもらう必要があり、そこでも証券会社の収益になる。
要約すると・・・日本の投信は金融機関を頂点とする販売会社主導で推進されてきたため、販売手数料・運用報酬・組入れ証券の売買で金融機関の収益を最大化するような慣習が積み上げられてきた。
そのために受託者責任(投資家保護義務)のない販売会社が、高い手数料を正当化するため高い期待リターン(逆にリスクが高い)の投信が多く作られてきた。
これが海外の投信ビジネス(運用会社が中心の投信ビジネスで受託者責任がある)との大きな違いで、ガラパゴス化の要因の一つだろう。
しかし、この日本独特の慣行が近年大きく変わろうとしている。
ここに注目する必要があるだろう。

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投信購入時にかかる販売手数料3%は販売会社が受け取り、さらに信託報酬(およそ1.8%)の半分も販売会社に入るという証券・銀行にとって美味しい商品だ。
しかし、この高い投信のコストが日本の特殊なビジネス慣行=ガラパゴスを作ったともいえる。
第一に、この高いコストをカバーするために高いリターンの見込める高リスク商品を売らなければならない・・・だから、もっぱら新興国債券や通貨選択といった新興国や通貨といった高いリスクを取り高いリターンが見込める投信が各社で乱発された。
第二に、利の乗った投信を利食いし別の投信を買わせ、高い販売手数料を効率的に稼ぐために回転売買が横行したことだ・・・投資家は一応利益を稼いだが、次々と投信を買い高い販売手数料を払う。
これも受託者責任がないため好き勝手にできたことだ・・・ただし、最近では回転売買はご法度だ。
こうした販売会社の利益が優先され、高い販売手数料を正当化するため、投信には高いリターン期待が必要だったという事情が日本の投信のガラパゴス化を進めた。
さらに投信に外国証券を組み入れる際には、証券会社の海外支店で外国証券を大量に仕入れ価格をして上乗せし東京に送り為替手数料を乗せ運用会社に売るという流れで証券会社は収益を上げる。
カバードコールの付いた投信も多く販売されているが、期間の長いオプションは証券会社に組成してもらう必要があり、そこでも証券会社の収益になる。
要約すると・・・日本の投信は金融機関を頂点とする販売会社主導で推進されてきたため、販売手数料・運用報酬・組入れ証券の売買で金融機関の収益を最大化するような慣習が積み上げられてきた。
そのために受託者責任(投資家保護義務)のない販売会社が、高い手数料を正当化するため高い期待リターン(逆にリスクが高い)の投信が多く作られてきた。
これが海外の投信ビジネス(運用会社が中心の投信ビジネスで受託者責任がある)との大きな違いで、ガラパゴス化の要因の一つだろう。
しかし、この日本独特の慣行が近年大きく変わろうとしている。
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