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昔、藻谷さんという評論家が「デフレの正体」というベストセラーを書いた。
藻谷氏は人口減少が起こるのだから、国内消費が落ち込み、土地価格は低下し、長期のデフレが避けられないと主張した。
講演会に招待され、彼の話を聞いたが「なんか勘違いだろ!!!」と思った。

人口減少で不動産価格が暴落する、一見、正しそうな感じなのだが・・・間違っている。
デフレは貨幣的な現象で、有効需要に対して貨幣の流通量が多いと価格は下落する、だからおカネをバラ撒けばいい。
この論理で始まったのが「アベノミクス」だった。

土地価格は、その土地を使って事業を行い収益を上げる、その収益性で決まる。
銀座の土地は収益性が高く、当然、土地価格も高くなる。
田舎の放置された土地は収益性が見込まれない、というわけで価値が低い。
人口とは直接関係がない。
この関係ない話を結びつけたのが藻谷氏で、彼は印税で相当稼いだはずだ。


でも不動産規制は違う。
人口減少する社会で不動産規制をしたら何が起こるのだろうか?

不動産価格は「土地が生み出す収益性」が基本となるので、不動産規制により「土地の収益性」がどうなるかがポイントだ。
昔のロンドンでは「ウィンブルドン現象」と言われた、外国法人がシティなど中心部の不動産を次々と買収した時期があった。
その後、テムズ川の両岸の再開発が始まったり、ロンドンの不動産市場も活況を呈した。
外国法人の参入により、ロンドン中心部が再活性化され、収益性が上がったことで不動産価格も上昇した。

収益性が見込める物件ならば、外国法人の不動産購入を規制しても日本国内に法人を設立し不動産を取得するだけだろう。
また、その国内法人の株主構成を見て主要株主が外国籍ならば取得を制限することもできる。
でもそうすると、国内企業でも外国人が主要株主にいる場合、国内不動産を取得できなくなる。
法人の規制は非常に難しいだろう。

しかし個人の不動産取得を制限することはできる。
不動産の購入に在留資格を条件にすると、海外在住の個人は不動産取得をできなくなる。
これにも抜け道が用意される、国内に住む在留資格のある外国人に名義を借りればいいだけだからだ。
その名義貸しを規制するとしたら、規制当局も相当な調査能力を持たなければできない。

それ以上に重要なのは、違法な滞在を取り締まり詐欺グループを一掃する、違法の詐欺的な法人設立、違法な民泊などのビジネス、などだろう。
これらの不正を優先的に取り締まる方が不動産規制よりも効果が高そう。


人口が急減する日本では住宅がすでに余り、空き家ばかり増えている。
今後人口減少は一段と急激になっていく、さらに高齢化で死亡者数が増え相続問題が一段を厳しくなる。
外国人は国内の不動産市場を支える買い手になっているといえる。
もし、厳しい規制を行い、外国人が完全に国内不動産市場から締め出されるとしたら、その影響は極めて大きいと考える。
TSMCの九州工場もダメ、白馬村の外国人向け観光開発もダメ、湾岸のタワマンも日本人しか買えない、としたら不動産市場はどうなるだろうか?
長期的な視点で外国人の不動産規制は考えていくべきなのだろう。



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