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アマゾンが業績好調にもかかわらず3万人の人員削減を進めている。
本社部門の35万人のおよそ10%を削減する方針という。

米調査アナリストは「今回の動きは、Amazonが企業部門内においてAIによる生産性向上の効果を十分に実感し、相当数の人員削減が可能と判断したことを示している。また、AIインフラ整備への長期投資を補うため、短期的なコスト削減圧力も高まっている」との見方を述べた。

米GAFAMは規模の違いがあっても、ほぼ全ての企業が人員削減・リストラを進めている。
新型コロナ禍でリモート社員を大幅に増やした反動もあるのだろうが、リストラが企業の将来の生産性を決めると思っているかのようだ。

これは米国だけの話ではない。
中国は生成 AI認知率が一番高く85%、企業のAI導入率でもビジネス活用率でも58%と最も高い。
中国人は新し物好きなのだろうが、その進取の精神はすごいものがある。
しかし若者の失業率が高いのに業務の AI化に邁進し、これが失業率にどう影響するのだろうか?

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AIエージェントが本格的に導入されれば、 AIが自律的に物事を判断し働くようになり、人員削減は加速することになるのかもしれない。
これで生産性が向上することが明確になれば、全ての企業が導入せざるを得なくなる。
 AIエージェントがないと企業間競争に負けることになるかもしれないからだ。

日本でも 企業のDX化とともにAIの研究も急速に進んでいる。
しかし、この比較表ではビジネス活用率で19%、企業 AI導入率で27%と、実際のAI利用については主要国中最低の数字だ。
おそらく、日本でも企業活動の生命線になるにつれて急速に AI導入を進むと考えられる。


しかし、企業の生産性という意味では日本社会特有の問題がある。

それは従業員の解雇が自由にできないことだ。
昔、金融機関・証券会社が争うようにして基幹システムを拡充した時期があった。
大規模システムで、顧客の口座管理から保有銘柄の管理、信用取引などの損益管理、さらに毎日の証券売買や約定の管理まで一連の業務がオンライン上で完結した。
しかし人員削減ができない日本企業は、システム開発費と人件費の二重のコスト増が発生し、生産性はむしろ低下してしまった。

この当時のシステム投資はバックオフィス関係の業務ばかりだったので、収益を生むというよりコストを抑えるのが目的だったが、人員削減ができないことで合理化効果は限定的だった。
現代の AI投資は全くの別次元で、フロント業務の合理化と売上の拡大につながる。
この意味では人員削減によって不要な仕事を減らすことと、 AIエージェントが代替して量もスピードも異なる業務レベルに引き上げることが同時にできるビジネス環境がきているといえる。

解雇規制が日本企業の飛躍を妨げるのだろうか?
解雇規制を撤廃して欧米企業並みの生産性向上を図るか? それとも解雇せずに AI投資の人件費増加の二重コストを払うのか? 日本企業の分岐点かもしれない。





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