
日本では投資といえば株式投資を示していることが多いような気がする。
実際NISAでは債券を投資対象としていない。
債券は機関投資家が行うもの、株式は大儲けしたい個人がやるものとでも考えているのかもしれない。
しかし、金融理論、例えば、シャープの証券市場分析では無リスク資産のリターン(例えば、信用の高い国債利回り)が使われる。
リスクとはリターンのブレ具合で、リスクの高い資産は大きく儲かったり損したりするが、リスクの小さい資産は大儲けも大損もしない。
そのリスクを小さい資産から大きい資産まで並べ、過去のリターンと比べたのが証券市場線で、投資家は自分の取れるリスクの範囲内で資産の組み合わせを選ぶことができる。
投資家のポートフォリオの原点は無リスク資産のリターン、一般には国債利回りだ。
債券投資を考えない投資家はそのポートフォリオ運用の原点にある無リスク資産を考えていないということになる。
ポートフォリオの原点を全く考えずに、株式だけでポートフォリオを作るってなんかおかしくない?
金融理論、金融リテラシーを学んでいけば、すべての資産のリターンは国債利回りと比べて分析されることに気が付く。
そうなると、今のNISAって何のだろう?と不思議な感じがしてくる。
筆者は株式のバリュエーション(価値を見る)を測るのに、株式益回りと債券利回りを比較することが多い。
これはリスクの低い国債利回りと、リスクの高い株式益回りを比較して、株式が割高なのか割安なのかを示す指標になるからだ。
簡単にいえば、リスクの高い資産のリターンはリスクの低い資産のリターンよりも高くあるべきだということ。
もちろん、債券にも様々な種類があり、リスクの低い国債からリスクが比較的高い事業債まである。
債券市場は株式市場よりも効率的で、事業債は信用格付けによってリターンが決まる。
リスクのより高い低格付けの事業債はより高いリターンが求められる。
こうしたリスクの低い国債、ちょっとリスクの高い事業債、さらにリスクの高い株式に資産を分散することでリスク対リターンが高い、自身のリスク許容度に合わせたポートフォリオが作られる。
でもNISAの場合、株式を買うか、投信を買うか、ETFを買うかしかできない。
これじゃ、金融理論、金融リテラシーを学んでも片手落ち?
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おっしゃる通り、ラダー型の債券ポートフォリオなども組み入れている年金基金は多いと思います。
生保もこれだけ死亡者数が増えれば、資産を取り崩しているのでしょうけど、生命保険全体の統計を見たことありません。
いずれにしても高齢化は長期の株式需給に関係してくるでしょう。