Jリート指数と分配金利回り

日銀・植田氏は「金利の正常化=利上げ」を進める方向にコミットしているが、金利上昇に弱いJリート指数がジリジリと上昇している。
これをどう考えたらいいのだろうか?
ファンダメンタル価値、需給、金利という三つの要素でJリート価格は決まる。
ここ数年は地価上昇が顕著になり、マンション価格も上昇している、こうした不動産価値の増加でファンダメンタル価値は増加しているのは間違いない。
一方、需給と金利はJリート価格にマイナス要因となってきた。
需給で最も弱い要因だったのが、Jリート投信からの資金流出と金融法人の売却だ。
まずは継続的にチェックしている毎月分配Jリート投信からの資金流出状況を確認してみよう。
毎月分配Jリート投信は、2年前の新NISAの対象から外れ、その後ずっと資金流出が続いてきた。
下の表は代表的な三つの毎月分配Jリート投信の基準価額の変化と純資産の変化をみたものだ。
ダイワJリート投信、Jリートリサーチオープン、しんきんJリート投信の三つ合計で23年9月には1兆円を超える純資産があった。
これが24年初に新NISA開始とともに資金流出し、今年6月までに合計純資産は5820億円と23年9月から45%の減少だった。
基準価額も22~26%下落したので、この分を差し引いても流出額は4174億円に達したと推定できる。
実は今年4月のブログでも使ったが、その数字は下の表のとおりだった。
この時点では5714億円と、もっと流出額が大きかった。
この2か月間、毎月分配Jリート投信は、ネット資金流出からネット資金流入に変化していた。
これが意味するものは、①売りたい投資家がすべて売り切った、②高齢者NISAで毎月分配が解禁される可能性も見て売るのをやめた、この二つが考えられる。
いずれの要因にしても、Jリート投信からの資金流出は一巡してきたとみられる。
となれば、新NISAのスタート後、断続的な売りで下落してきたJリート投信が底入れる可能性が出てきている。
もちろん、投信の売りだけが問題だったわけではなく、Jリートを多く保有してきた金融機関、特に地銀等の動きも重要だ。
次回は金融法人と海外投資家の動きをチェックしてみたい。
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日銀・植田氏は「金利の正常化=利上げ」を進める方向にコミットしているが、金利上昇に弱いJリート指数がジリジリと上昇している。
これをどう考えたらいいのだろうか?
ファンダメンタル価値、需給、金利という三つの要素でJリート価格は決まる。
ここ数年は地価上昇が顕著になり、マンション価格も上昇している、こうした不動産価値の増加でファンダメンタル価値は増加しているのは間違いない。
一方、需給と金利はJリート価格にマイナス要因となってきた。
需給で最も弱い要因だったのが、Jリート投信からの資金流出と金融法人の売却だ。
まずは継続的にチェックしている毎月分配Jリート投信からの資金流出状況を確認してみよう。
毎月分配Jリート投信は、2年前の新NISAの対象から外れ、その後ずっと資金流出が続いてきた。
下の表は代表的な三つの毎月分配Jリート投信の基準価額の変化と純資産の変化をみたものだ。
ダイワJリート投信、Jリートリサーチオープン、しんきんJリート投信の三つ合計で23年9月には1兆円を超える純資産があった。
これが24年初に新NISA開始とともに資金流出し、今年6月までに合計純資産は5820億円と23年9月から45%の減少だった。
基準価額も22~26%下落したので、この分を差し引いても流出額は4174億円に達したと推定できる。
Sep-23 | Jun-25 | 変化率 | 資金流出額 | ||
ダイワJR | 基準価格(円) | 2093 | 1534 | -26.7% | |
純資産(億円) | 4062 | 1834 | -54.8% | 1923.35 | |
JRリサーチ | 基準価格(円) | 5803 | 4327 | -25.4% | |
純資産(億円) | 4447 | 2698 | -39.3% | 1388.793 | |
しんきんJR | 基準価格(円) | 2851 | 2219 | -22.2% | |
純資産(億円) | 2340 | 1288 | -45.0% | 862.46 | |
三投信計 | 合計純資産 | 10849 | 5820 | -46.4% | 4174.603 |
実は今年4月のブログでも使ったが、その数字は下の表のとおりだった。
この時点では5714億円と、もっと流出額が大きかった。
この2か月間、毎月分配Jリート投信は、ネット資金流出からネット資金流入に変化していた。
Sep-23 |
Apr-25 | 変化率 | 資金流出額 | ||
ダイワJR | 基準価格(円) | 2093 | 1482 | -29.2% | |
純資産(億円) | 4062 | 1883 | -53.6% | 1874.35 | |
JRリサーチ | 基準価格(円) | 5803 | 4223 | -27.2% | |
純資産(億円) | 4447 | 2569 | -42.2% | 1517.793 | |
しんきんJR | 基準価格(円) | 2851 | 2152 | -24.5% | |
純資産(億円) | 2340 | 1262 | -46.1% | 888.46 | |
三投信計 | 合計純資産 | 10849 | 5714 | -47.3% | 4280.603 |
これが意味するものは、①売りたい投資家がすべて売り切った、②高齢者NISAで毎月分配が解禁される可能性も見て売るのをやめた、この二つが考えられる。
いずれの要因にしても、Jリート投信からの資金流出は一巡してきたとみられる。
となれば、新NISAのスタート後、断続的な売りで下落してきたJリート投信が底入れる可能性が出てきている。
もちろん、投信の売りだけが問題だったわけではなく、Jリートを多く保有してきた金融機関、特に地銀等の動きも重要だ。
次回は金融法人と海外投資家の動きをチェックしてみたい。
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過去の株価というだけのでチャート、これを市場心理の分析道具として実戦で使うことを目標に解説した本

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Jリートはずっと株価指数をアンダーパフォームしてきたので、その分、波乱相場には強いと思います。
人手不足は厳しい状況は続きそうです。
ITやDXで効率化できる仕事はいいですが、労働集約的な仕事はなかなか収益性が上がらないと思います。
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