富裕層2023















野村総研の定義によると、純金融資産(金融資産-負債)が5億円以上あると「超富裕層」、1億円~5億円で「富裕層」、5000万円~1億円で「準富裕層」、3000万円~5000万円で「アッパーマス層、3000万円未満が「マス層」というらしい。

最近は「いつの間にか富裕層」になる人が増えているという。
この定義では純金融資産5000万円以上の準富裕層、2021年は325万世帯だったが、その2年後2023年には403万世帯と、60万世帯以上増加した。
純金融資産1億円以上の富裕層139万世帯から153万世帯に増えた。


これらの人たちは医者や弁護士などの富裕層ではなく、ごく一般的なサラリーマン家庭が多いらしい。
ここ数年の株高で何もしていないのに資産が増加し「いつの間にか富裕層」になったという。


なんか、証券会社が一般投資家を証券投資に誘導するための勧誘材料としか思えない。
「いつの間にか富裕層」「誰でも1億円を持てる」「誰でも富裕層になれる」というキャッチコピーはいかにも証券会社らしい。
多くの人に富裕層になる夢を見せて投信に誘導したりして、株式売買で手数料を取るのが目的のように見えてしまう。


日本の富裕層は金融資産よりも実物資産(不動産や有形資産)の保有が多い。
だから金融資産だけを取り上げてもあまり意味はない。
たとえば1億円の金融資産を持つ人は1億円以上の家に住んでいることが多いだろうし、その場合資産は2億円以上になる。
金融資産だけの富裕層は考えにくい。
金融資産だけを取り上げて証券投資に勧誘する態度には違和感を感じてしまう。


確かに「金融資産5000万円」だけなら30年インデックス積立投資すれば、達成できる可能性は十分にある。
毎月5万円の30年間積立投資で年60万円×30年=1800万円になり、もし株価が3倍になっていれば5400万円、「金融資産5000万円」を達成できる。
しかし、30年という長期投資には物凄い努力と忍耐が必要なのも事実、言うほど簡単なもんじゃない。

金融資産5000万円を達成しても、自己資金2000万円で5000万円の自宅を買えば、金融資産3000万円+実物資産5000万円-借入金3000万円というポートフォリオになり、純金融資産はゼロになってしまう。
野村証券の定義する準富裕層から転落する。


富裕層になりたい人はいっぱいいる。
しかし簡単にはなれないし、「いつの間にか富裕層」なんて現実的にはありそうもない。
富裕層になれた人たちは、多くの努力をして勉強し経験を積んでビジネスで成功した人たちだ。
もちろん、努力して株式投資で成功した人たちもリスペクトされるべきだ。
ビジネスにしろ株式投資にしろ、必死な思いをしてやっと成功を手にしている。

投資家にとって大切な事は、「いつの間にか富裕層」ではなく、自分の意志で成功しようと努力することだ。
怪しげなキャッチコピーで安易に投資すると落とし穴もあるかもしれない。



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