米CPI202505















トランプ関税があるので、米国のインフレ懸念が投資家の頭から離れることがない。
いつインフレが加速しFRBが再利上げに追い込まれ、長期金利の急騰から株価が急落する、というシナリオが意識の中に残っている。

確かにトランプはキワモノで、何を言い出すか分からない。
だったら、トランプを無視して経済指標を純粋に見る、そして考える事しか投資家はできない。
その出た結論に、トランプの言動を足したり引いたりして、ポジションを管理していくことだろう。


とうわけで、まずはアメリカのインフレの実態部分、数字で表れている事から考えてみよう。

下の表は、いつも使っているCPIとCPIコア、小売売上高、WTI原油価格をすべて前年比で比べてみたものだ。

消費者物価指数 小売り高 平均時給 原油価格
CPI コアCPI 前年比 前年比 前年比 月平均
2025年4月 2.3 2.8 5.16 3.8 -25.4 63.08
2025年3月 2.4 2.8 4.60 3.8 -15.7 67.82
2025年2月 2.8 3.1 3.10 4.0 -7.0 71.33
2025年1月 3.0 3.3 4.20 4.1 1.9 75.14
2024年12月 2.9 3.2 3.92 3.9 -9.0 69.79
2024年11月 2.7 3.3 4.12 4.0 -10.0 69.69
2024年10月 2.6 3.3 2.85 4.0 -16.3 71.6
2024年9月 2.4 3.3 1.74 4.0 -22.4 69.55
2024年8月 2.5 3.2 2.13 3.8 -7.2 75.55
2024年7月 2.9 3.2 2.66 3.6 5.4 80.54
2024年6月 3.0 3.3 2.28 3.9 12.3 78.89
2024年5月 3.3 3.4 2.27 4.1 10.1 78.81
前年比%

消費者物価はこの1年間で着実な低下トレンドを見せている。
ヘッドラインCPIは3.3%から2.3%に低下、コアCPIも3.4%から2.8%に低下。
特にコアCPIがずっと維持してきた3%台から2%台に下がったことには意味がある。

原油価格は前年比で二ケタの下落、エネルギー価格が全体のCPI低下につながった。
原油価格だけでなくコモディティ価格全般に中国の需要が低下していることが大きい。
トランプ関税による過度なインフレ警戒が残るが、小売業者は価格転嫁に慎重姿勢を持っている。
この面では過度な警戒よりも素直に数字を見る方がいいかもしれない。

③ただし、小売売上高は関税前の駆け込み需要(前年比+5%)が押し上げているので、関税が実施され小売価格が一部上昇する時、消費者は慎重になる可能性がある。
小売売上高の急増が一巡すると、需要の価格押し上げ効果も一巡する。


というわけで、基調的な米インフレは収束に向かっているのが数字で確認できる。
それでもリスクとして残るのかトランプ関税。

輸出生産業者、輸入小売業者、消費者の誰がトランプ関税を負担するのかで決まる、小売価格に反映されるのは消費者の負担分だ。
10%関税を三者で当分に負担すれば、消費者の負担は三分の一の3%程度になる。

もし米国の輸入品が消費の半分を占めるとしても、消費者物価に与える影響は最初に1年だけで1.6%程度となる。
CPIは瞬間的に3%台に上昇するが、1年後には元の2%台に戻ることになる。

トランプがウォルマートに関税を転嫁するなと言ったが、彼がガタガタ言うことで影響はさらに小さくなるかもしれない。
しばらく様子を見ることになるが、インフレが期待ほど上昇しないかもしれないと思う。



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