
不動産投信といってもJリートとUSリートでは大きな違いがある。
USリートは会社型投信で、運用の指図から運用ポートフォリオの管理まで一元的に行われる。
しかし、Jリートはスポンサーを頂点として、傘下の運用会社が運用指図行い、リートは運用ポートフォリオの管理を行うという分業体制、ここが一番違うところだ
なのでJリートにはスポンサーが100%所有する運用会社にスポンサー物件を高値でJリートに買わせるのではないかという疑念がつきまとった。
しかし現実にはその反対で、むしろ、Jリートの競争力はスポンサーの強さ(良い物件を開発する能力)によって決まってきたといえる。
今回は日本都市ファンド(8953)の事例を見てみよう。
このリートはKKRがスポンサーで、商業用不動産を中心にオフィスビル(上の写真の大阪ツイン21を所有)を保有している。
昨年より価格がNAV(ネットアセットバリュー)を下回り、「総資産の最大化」よりも「物件売却して再投資」中心に成長を指向している。
譲渡物件をみて見ると・・・
①イオンモール札幌
取得価格:74.08億円、鑑定価格:74.08億円、帳簿価格:46.11億円(有報の数字)
この物件を3回に渡り譲渡・・・25/2に譲渡価格18.6億円(実現益7億円)、25/8譲渡価格18.6億円(実現益7.14億円)、26/2譲渡価格37.9億円(実現益14億円)
おそらくこの物件は損失処理で取得価格約74億円を帳簿価格46億円にまで引き下げたと思われる。
そして合計の譲渡価格74.4億円、鑑定価格74.08億円を若干上回った。
保有期間で含み損が出た物件を最終的に取得価格を上回る価格で売却できたのは大きなプラスだろう。
28.29億円の譲渡益を手にする(利益率は38%)、使い道は自社口買いと新規投資としている。
②コナミスポーツクラブ京橋
取得価格:34.2億円、鑑定価格:30.3億円、帳簿価格:33.39億円(有報)
25/9譲渡価格37.25億円、26/3に37.25億円と二回に分けて譲渡する予定。
取得価格に対して帳簿価格は若干低いが、譲渡価格は74.5億円とメチャクチャ高い。
譲渡益も40億円と取得価格の2倍以上の大儲けとなった。
26/2と26/8に投資家へ全額還元する予定。
③イトーヨーカ堂綱島
取得価格:50億円、鑑定価格:51.3億円、帳簿価格:43.09億円(有報)
25/2に譲渡価格:54億円、25/3に36億円で売却予定、合計90億円。
取得価格に対して帳簿価格が43億円まで減額されているので含み損が出た物件だったと思われる。
それをトータル90億円で売却し、譲渡益を46億円も計上する(利益率は51%)。
譲渡益は分配金として株主還元する予定。
商業施設は新型コロナ禍でボロボロになりその時点で評価損を計上したのだろう。
そのため帳簿価格が引き下げられた物件も多い。
しかし、最近の建築費の高騰、建築資材の上昇で商業施設の新規開発は滞っているため、既存の商業施設への需要が拡大し価格が大きく上昇している。
日本都市ファンドは3件の物件譲渡で110億円以上の譲渡益をあげている。
おそるべし、商業施設!!
リート全体の総資産は1兆3731億円で前期から1461億円増加し、鑑定価格ベースの含み益は2067億円に上る。
価格上昇によって措定以上に売却できる物件が数多くある。
今後、物件を売却しその譲渡益で分配金をあげたり、自己口取得をする場合が増えていくだろう。
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