ウクライナ









「虫」という言葉を使うのは一国の大統領に対して失礼極まりないが、ゼレンスキー・トランプ会談を見てこの言葉を感じた。
進行するGゼロ世界の主役の一人が米国トランプ大統領であることは間違いない。
多国間の交渉を無視し、各国首脳との1対1のタイマン勝負をする。

ゼレンスキー・トランプ会談は決裂し、トランプは「出直してこい!」と言った。
ゼレンスキー氏は、多くの有力リーダーは「スリスリ」して媚びへつらうトランプに対して、自分の主張を展開した。
言うべき事は言うというゼレンスキー氏に「一寸の虫にも五分の魂」を感じた。


このロシアのウクライナ軍事侵攻を「ロシアの戦争犯罪」と位置付けるか「スラブ民族内のケンカ」と見るかに両者の大きな相違がある。

「ロシアの戦争犯罪」ならば、ロシアが絶対的悪で取引できるような相手ではないということになる。
一方、「スラブ民族国家内のケンカ」ならばケンカ両成敗を原則としてお互いに譲歩すること(=取引)で停戦できるかもしれない。
しかし、ゼレンスキー氏にとっては「ロシアの戦争犯罪」であり犯罪者を利するような停戦はできないとうことだろう。
一方、トランプ氏はディールメーカーでありゼレンスキー氏に譲歩を求める、妥協がなければ交渉はできないからだ。

ゼレンシスキー氏を「選挙のない独裁者」と呼び圧力を強めるトランプ氏は、交渉のテーブルにウクライナとロシアを引きずり出すことを最優先にしたのだろう。
ゼレンスキー氏には「脅し」をプーチン氏には「甘い誘い」をした。
すべてトランプ氏の計算だったように思える。

この会談の決裂は欧州に大きく影響するのではないかと思う。
欧州首脳は「ロシアの戦争犯罪」と主張するだろうし、その点ではゼレンスキー氏と同じ考え方だ。
ロシアの戦争犯罪を止めない限り次はポーランドかもしれないし、フィンランドかもしれない、またバルト三国かもしれない。
ロシアの脅威に直面する欧州はウクライナを放り出すことはできない。


でもトランプ政権が望むように「欧州の安全保障は欧州でやる」という決意が示されるとしたら、米国はNATO、北大西洋地域の安全保障から一歩引くだろう。
欧州から平和維持軍を派遣したり、戦争終結後のNATO加盟を認める発言が出てくると・・・ちょっとヤバいことになるかもしれない。
いずれにしても欧州首脳、EU首脳、あるいはNATO首脳がウクライナと米国の間をどう仲裁するかが安全保障のカギだろう。

And trust me, I say this with all humor—if American democracy can survive 10 years of Greta Thunberg’s scolding, you guys can survive a few months of Elon Musk. 

バンス副大統領のミュンヘン会議での演説・・・米国民主主義がグレタ・トゥンベリのお叱りに10年も耐えたなら、お前らもイーロンマスクに数か月は生き残れるだろう。
環境やら移民やらの硬直した欧州の民主主義を暗に非難し、ロシア・中国からではなく、自分ちの内部から壊れると主張した。
これがトランプのホンネなのだろう。

何か重大なことが起これば、必ず欧州株価が反応する。
現在、トランプの停戦が進む可能性を見て欧州株は上昇しているが、もし、「欧州の安全保障は欧州で」ということになれば欧州株価が下落するだろう。
当面、欧州株、ドイツDAX、フランスCAC40、イギリスFT100の動きからは目が離せない。



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