
トランプは多くの異論がありながらもGゼロ世界を進めてしまう。
パナマ運河の米返還、グリーンランドの買収、ガザ地区の米所有などなどだが、これらは唐突に見えるし実現が難しいが、その裏にトランプ米国の戦略が見えている。
これらのトランプが支配したい地域は米戦略の要衝として見ている場所だ。
①パナマ運河、それがある中米は中国が触手を伸ばしている地域。
2023年ロイターのニュースだが「中国は中南米で影響力を拡大。中央アメリカ議会の加盟国(グアテマラ、ニカラグア、エルサルバドル、ホンジュラス、パナマ、ドミニカ共和国)の中でグアテマラ以外ここ数年で台湾との外交関係を断ち切った」
メキシコ湾に接する地域であり、トランプはメキシコ湾をアメリカ湾にして米国のコミットメント(支配権)を強化したいという思惑だ。
さらにパナマ運河の返還でこの地域の物流を支配すると同時に、中国をこの地域から追い出すことにつながる。
となれば、中国は中東の不安定さをモロに被るスエズ運河しか欧州にアクセスできなくなる。
②グリーンランドは北極圏でロシアに対峙する要衝だ。
ロシアへのルートは、北海からバルト海を通ってロシア領に入るルート、地中海から黒海を通ってロシア領に入るルート、そして北海からグリーンランド海、北極海を通ってロシア領に入るルートの三つある。
そのうちバルト海はスウェーデンやノルウェーのNATO加盟で「NATOの海」になりつつあるし、黒海も戦争終結後にウクライナがNATOに参加すれば自由に使えなくなる。
となると、ロシアと大西洋を結ぶルート、「グリーンランドがより重要な要衝」になる。
③ガサ地区の米所有は、イスラエルの安全保障に直結する。
米大使館をテルアビブからエルサレムへ移転しアラブ世界の反発を食らったが、トランプにとってイスラエル(米国内のユダヤ人)は特別な存在なのだろう。
ガサ地区を米企業が再開発し「中東の安全なリゾート」にして多くの欧米人観光客を呼び込む。
イスラエルはすでにこの地域では圧倒的な軍事力を持ち、米政権がガサ地区を所有すれば万全の安保体制になるという思惑だろう。
その背後にはアラブ社会の弱体化が始まっている、あるいは弱体化させていくという認識があるかもしれない。
シェール原油を増産して原油価格に下落圧力をかければ、イランやロシアを含めてOPEC産油国全体が弱体化していく。
多極化するGゼロ世界は、アラブ世界の存在感が低下し、アジアで強い存在感を持つ中国、超軍事国家のロシア、MAGA(メイク・アメリカ・グレイト・アゲイン)の米国が核となると見ているようだ。
その流れの中で、アラブをつぶすには原油価格の下落が必要だし、戦争特需でなんとかなっているロシア経済を戦争終結で完全に終わらせる。
中国に対してはまずは一体一路をつぶすということかもしれない。
トランプがバカな事を言っている、事実そうだが甘く見ていると間違う。
現実を見た場合、Gゼロ世界をリードするトランプの言う事をじっくりと聞くべきだろう。
Gゼロ世界の多極化がどう進んでいくのかを示唆しているのかもしれないからだ。
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