
おそらく日本企業の持ち合い解消は急速に進んでいるのだろう。
メガ銀行が保有する保合い株が売却され、そのディールを受けた大手証券が分厚いスプレッドを抜いて取引している姿が決算から見える。
メガバンクは数千億円規模で売却益を計上し、取引を仲介する大手証券会社は分厚い売買益を計上しているというわけだ。
持ち合い解消ビジネスがメガバンクと大手証券を潤しているのが見えた決算だ。
もう少し先に何が起るか?
持ち合い解消はいずれ終わる、全部売却すれば終わりだ。
でも次に起こるのは、非常にリスキーな資本主義が始まるということ。
歴史的に株式持ち合いが起こったのは1970年代の資本自由化、外資の参入を認めた時期だ。
外資の買収を恐れた経営者が企業グループ毎に株式を相互に持ち合い、外資による買収から身を守ったというのが株式持ち合いがこれほど広まった理由だ。
今後起こる事はその逆転現象だろう。
つまり持ち合い構造がなくなれば企業は丸裸になり、簡単に敵対的な買収、敵対TOBができるようになるということ。
もう敵対TOB時代の始まりは市場に見られるようになった。
持ち合い構造がある時は、敵対TOBをしたくても財閥・グループ間の持ち合いに妨げられた。
この防御システムがなくなる/弱体化すると、簡単に買収ができる環境が出来上がる。
日産とホンダの統合が合意されたかと思ったら、日産は合意を破棄した。
その理由がお粗末。
日産がホンダの子会社になりなくないって、感情的でしかない。
日産のプライド、対等な統合、すべて元々ありえなかった。
どんな統合の形になろうが、ホンダが日産を支配するのは明確だったのに・・・
ホンダはやさし過ぎる。
ホンダの狙いの一つはバイブリッド車、特に三菱自の持つPHEVやトラック、タイなどの東南アジアでの市場支配力なのだろう。
現金がほしい日産から、保有する三菱自株を交渉で買い取り、さらに市場で流通している三菱自株をTOBで買収すればいい。
日産全体を買収しようとすると、ルノーの保有する日産株の問題もあるし、ちょっとヤヤッこしい。
でも三菱自ならば、交渉次第ではTOBを成立できる可能性がある。
仮に日産が三菱自株の放出を拒否しても、市場でTOBをかけて過半数を買えば、日産の影響力はほとんどなくなる。
日本企業は、もっと「資本の論理」を駆使して企業買収、さらにそれを通じて成長することに貪欲になるべきだろう。
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おっしゃる通りで、株式持ち合いが解消され資本の論理が全面に出てくれば、企業経営の緊張感が増し、企業収益を大きく引き上げていきます。
資本の論理とは、株主からみた資本の効率性の追求で、日本企業の大きな変化の一側面なのだと思います。
経営者のとっては買収にさらされるわけで、ゆるい事をしているとTOBされクビになる厳しい世界だしょうけど・・・