
上場企業は新卒市場で競り負けるのを怖がっているのだろう。
証券や銀行は大きな競合相手が外資系だ。
むかしは外資系は大手証券やメガ銀行から中途で社員の引き抜きを図るのが常道だったが、今では金融系やコンサル系の外資系も新卒の採用を行う。
しかも入社1~2年で2000万円ぐらいの年収を提示して優秀な学生を集める。
それまで初任給20万円では競争にもならない。
初任給を30万円に引き上げると同時に「ボーナスを加えれば凄いぞ」と言って採用するのだろう。
総合商社やファーストリテイリングのようなグローバル企業は、給料の内外格差を埋める必要がある。
そうでないと、各国にある現地法人で給料格差が大きくなり不満が爆発するからだ。
ゼネコンや建設では人出不足も大きな要因だろう、また建築技術の革新で優秀な建築科卒を必要としているのだろう。
それぞれの業界で様々な思惑があるが、「雇用全体で不整合」が極まってくる。
一番の極点は新卒と再雇用の給与レベルの問題だ。
ちょっと古いデータだが、再雇用の平均給与は以下通り・・・
年収 月収
55~59歳 518万円 43万円
60~64歳 415万円 34万円
65~69歳 322万円 27万円
70歳~ 285万円 23万円
一般的に55歳以降、多くの会社で「役職定年」を迎え給料は大きく下がる。
さらに60歳以降、定年後の再雇用で給料は平均的に20%ダウンする。
初任給が30万円に上昇すれば、定年再雇用の平均給料とほぼ同じ水準になってしまう。
60歳以降の人材を戦力化するというお題目と反対に、中高年社員全体のモチベーションを大きく引き下げることになるだろう。
かと言って、この年齢の社員の給料を大きく引き上げられるとは思えない。
すでに労働生産性が大きく低下してしまっているから、給料引き上げの理由がないからだ。
中高年、さらに再雇用社員のモチベーションは一段と低下し、ほとんど使い物にならないレベルに落ち込むかもしれない。
日本経済全体として、若手社員も、中高年社員も、再雇用社員も高いモチベーションで働けるような仕組みが一番なのだが・・・
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