
証券セールス(以下、S): 日本も金利のある世界に入って来たな。10年の長期金利が1.2%を超え、20年債は2%に近づいてきた。30年債は2%を超えている。変動住宅ローンも久々に金利上昇した。
ファンドマネージャー(以下、F): ゼロ金利が続いたので多くの人には「金利」は久々だ。金利を意識して預金したり運用するべき時代に来た。
S: 若い世代を中心に、従来型メガバンクや大手証券を避け、新しいネット銀行や証券に資金を移動する動きが強まっている。単に金利だけでなく、ポイントを含めた総合リターンが彼らの基準になっているような気がする。
F: 確かにうちの娘も今までの三井住友銀行の口座を閉じ、すべて楽天銀行に移した。楽天グループの様々なサービスにはポイントが付くので、ポイントと金利の総合リターンではるかにメガバンクを凌駕しているという。およそ毎年20万円分のポイントを受け取っていると言ってた。
S: 証券会社も同じで、大手証券に口座を持つ人は高齢者ばかり。若い人たちは楽天証券やSBI証券を始めとしたネット証券が中心だ。大手証券に勤務していると地場受けの禁止で他のネット証券に口座を持つことができなかった。でも、大手証券のネット売買はダメダメ、ガッカリしている。
F: なんで? 株式なんてどこで売買しても変わらない。手数料がちょい安いぐらいじゃない?
S: 大手証券は日本株中心のまま、海外株や内外債券、為替取引、オプションなどの売買が難しい。若い投資家は、現物株を買うと同時に個別コールオプションをショートする「カバードコール」、個別プットオプションを売却して現物株を入手する「ターバイ」を普通に使う。個別オプションとなると大手証券は対応できない。
F: メガ銀行口座も同じ。ネット銀行で取引をコンビニで手数料なしでできるので、全国どこでもおカネの出し入れができる。逆にメガバンクは地方では何の役にもたたない。地方で銀行口座を使うならネット銀行かゆうちょ銀行だ。
S: そうなると、銀行株はどうなのだろう? 金利が付く時代になり、銀行の利ザヤが拡大するということでメガバンク株が買われている。これは続くかな?
F: メガバンクには合理化の余地がものすごくある。営業コストで言えば、合併時に増えた支店網が未だに残ったままの銀行もあり、どんどん支店を閉鎖して人員カットし固定費を削減できる。運用サイドでも利益を生まない株式持ち合いをどんどん解消して、儲からない融資先を絞れば利益率を大きく改善できる。
S: でもその利益を構造転換に使わないと将来の成長性がなくなる。
F: そうだね。銀行ビジネスが大きな変化の中になり、このままでは金利∔ポイントの総合リターンの高いネット銀行へ預金は集中してしまい、メガバンクの客は高齢化と人口減少で先細るばかりとなる。メガバンクが逆襲できるか?
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