
現在のJリート市場を考えたら、2025年は一味違う現象が出てくると思う。
それは現在のJリートの平均NAV倍率が0.8倍という前例のない異常値にあることだ。
単純に時価でJリートを買収すれば、自動的に20%の含み益を手にすることができる。
この「20%ディカウント」を利用すれば様々なビジネスモデルが考えられる。
この点をめぐって2025年に起こると予想されるのは、Jリートの支配権をめぐる資本戦略だろう。
Jリートの買収価値考えると、いくつかの戦略が想定できる。
①ディスカウントのJリートを単純にTOBをする。
気を付けることはJリートは会社ではなく規約型投信で、準拠する法律も会社法ではなく投信法だということだ。
Jリート自体は「不動産が束になった箱」であり、司令塔である運用会社は別に存在している。
JリートにTOBをかけて投資口全部を買収することはできるが、運用会社は別でTOBで同時に買収できるわけではない。
以前にスターウッドがインベスコ・オフィスリートを買収しようとした事例がある。
Jリートの投資口をTOBですべて取得しJリートを非上場化するとともに解散する、そして投資主総会で特別決議を採決して「資産の全部譲渡」をする。
買収会社は20%ディスカウントで都心のオフィス、ショッピングモールなどの商業施設、物流施設、研究開発施設などを手に入れることができる。
Jリートの投資主総会では白票を賛成票にカウントできる(投信法)ので、3分の2の賛成が必要な特別決議を通すことは会社法よりもハードルが低い。
そのため、Jリート解散と資産の全部譲渡という特別決議は比較的簡単だ。
しかし、長期に渡って高い分配金を受け取る目的だった個人投資家には不利かもしれない。
TOBで10~20%程度のリターンを取れるが、それで終わりだからだ。
②Jリートを買収して私募リートに転換し、機関投資家に売り込む。
これはちょっとハードルが上がるが、有効なビジネスモデルになるだろう。
JリートにTOBをかけて投資口を全部買い取るところまでは同じプロセスだが、その後が違う。
Jリートに加えて運用会社も買収しJリートを上場廃止し、私募リートとして再スタートする。
運用会社を買収した事例は過去に多くある。
大和証券グループがダヴィンチのリート運用会社を買収し、三菱商事とUBSの合弁リート運用会社をKKRが買収した。
私募リートへの転換時に利益を上げて、転換後の私募リートを機関投資家に時価で販売すればいい。
私募リートは非上場なのでNAVで評価される、つまり、Jリートのように市場需給で価格がブレる心配がない。
年金基金や国家ファンドのような機関投資家にはJリートよりも評価価格が安定し、賃貸料を基にした安定した分配金を受け取ることができる私募リートは人気の商品だ。
上記に二つの戦略はTOBをベースにしたもので、一番簡単に20%ディスカウントを収益化できる。
しかし、Jリートを存続させたままでこのディスカウント状態から収益を得る方法もある。
・・・次回に続く。
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