
日銀決定会合が終わり植田氏が会見を行った。
東大の経済学教授だったとは思えないほど、論理が一貫していないと感じた。
①政府とは情報交換しているが、政府高官の発言に影響されたことは否定した。
このところ政府筋が盛んに円高誘導発言をしてきた、当然ながら、政府は日銀に利上げ圧力をかけていたはずだ。
そして利上げを決定、植田氏は展望レポートに沿う条件ならば継続して利上げすると説明した。
この発言は問題だと思う。
為替市場はその先の利上げを織り込んでいく円高期待を高めてしまう。
明らかに円高誘導を意図したもので、これは政治家や財務省への迎合のように思う。
にもかかわらず、植田氏は実質金利が低い状況下の、わずかな15bpの利上げでは経済への影響は限定的だとコメントしたが本音かどうかは怪しい。
植田氏のこの政府寄りの発言で、政府や財務省は喜んだだろう。
②足元の景気停滞を無視して、賃金と消費需要の好循環を前提とした景気展望しか語らなかった。
足元の国内需要には停滞感があり、実質GDPも伸びていないし、IMFも日本の成長率を下方修正した。
それも日銀は∔1%程度の実質成長を今後3年間続くと見込んでいるが、ここの説明はない。
賃金は春闘で無理やり上げたが、円高トレンドになると賃上げの余裕はなくなる。
それでも賃金上昇が続くのだろうか?大きな疑問があるが・・・説明はない。
③将来の金利水準については、中立金利まで引き上げていくとした。
日銀の展望レポートにそった状態ならば今後も利上げを続ける、ではどこまで引き上げるのか?
植田氏は中立金利まで引き上げるとしたが、日本の中立金利って何かよく分からない。
中立金利は景気に影響しない金利水準だが、長らく、ゼロ金利でも景気停滞を続けた日本の中立金利水準はよく理解できない。
植田氏も経済学者なのに中立金利そのものの解釈を明らかにしてない。
会見の読み方はいろいろあるのだろうが「植田日銀は財務省に迎合した」という第一印象だ。
円安修正を目指した利上げであったことは間違いないだろう。
連続利上げとなれば金利差が縮小し円高が進むのは当然だが、景気には大きなマイナス要因になっていくのも間違いない。
株式市場はタカ派になった日銀にビビって暴落したが、将来、日銀が継続的に利上げをできる環境にあるとは考えられない。
世界を見渡しても米国の景気鈍化、欧州の低迷、中国の危機的状況、世界景気を引っ張るエンジンに欠けている。
なので植田氏のリップサービスは「戯言」としか思えない。
「利下げはon the table」と言ったFRBパウエル氏にバトンは渡される。
9月FRBの利下げタイミング次第で円高トレンドはしばらく続くが、連続利上げによる株価暴落は織り込みすぎのように感じる。
連続利上げを実行できるとは思えないからだ。
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