Jリート202402










今年は年初からJリート市場が低迷している。
原因は昨年からの継続的な価格下落で、地銀等の地方金融機関の保有リートに含み損が出ていることだだろうと思う。
個人投資家と違い、地銀等は単年度の決算で保有資産を評価する。
したがって含み損は年度末までに処理し、翌年度は翌年度で新しく決算数字を作らなければならない。
という訳で、3月中旬にはこの決算対策の売買が集中することになる。
これは毎年恒例の動きだが、今年は価格下落でいつもよりも厳しい決算対策となっているようだ。

価格下落とともに分配金利回りも4.7%と言う高水準になっている。
短期的な需給で価格が下がり、分配金利回りが下がったというだけではミスリードになる。
Jリートのファンダメンタルな投資価値が増加し、分配金利回りが低下した部分もあるからだ。
個人投資家はもっとファンダメンタルなJリートの成長性を考えるべきだ。

下の一覧表は年末ごとのJリート指数と、逆算した指数ベースの分配金とNAV(ネットアセットバリュー)を比べたものだ。
NAV(ネットアセットバリュー)はリートの保有不動産を鑑定価格ベースで評価したもの。


REIT指数 利回り 分配金 成長率 NAV倍率 NAV 成長率2
Dec-20 1783.9 4.15% 74.0 -4.2% 1.01 1766.2 -1.2%
Dec-21 2066.33 3.62% 74.8 1.0% 1.14 1812.6 2.6%
Dec-22 1894.06 4.06% 76.9 2.8% 0.97 1952.6 7.7%
Dec-23 1806.96 4.36% 78.8 2.5% 0.89 2030.3 4.0%
Feb-24 1698.87 4.67% 79.3 0.7% 0.84 2022.5 -0.4%


Jリートのファンダメンタル価値は、分配金とその成長性、NAVとその成長性が決め手になる。

まず、2020年からの分配金を見てみよう。
分配金利回りは3.6%~4.6%の範囲で推移しているが、リート価格が下がれば利回りが上がるというだけではない。
分配金が2020年74ポイントから直近79ポイントまで7%程度の増加をしているからだ。
2020年はコロナ禍で分配金は減少したが、それ以降年2%前後で分配金は成長している。
今年は2月までの数字だが、年間を通じれば2%程度の成長を達成すると見ている。

次にNAV倍率を見てみよう。
NAV倍率は2021年の1.14倍から徐々に低下してきているが、これも価格下落による影響とNAVの成長により低下している要因が含まれている。
特に注目したいのは、2020年から2023年までに1766ポイントから2030ポイントまで15%のNAV成長を実現していることだ。
これはリート保有不動産の土地・建物価格の上昇だけでなく、賃貸料から計算される鑑定価値が増えているためだ。

単に価格下落で分配金利回りが上がっただけとか、価格下落だけでNAV倍率が1倍割れたとかいう問題ではない。
もちろん価格下落で割りやすになった部分もあるが、基本的にリートの分配金水準そのものが、また、NAV水準そのものが成長していることがより重要な視点となる。

次回はこの分配金水準とNAV水準からもう少し考察を加えてみたい。
また、不動産株の上昇と、Jリートの下落も考えてみたい。



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