3月FOMC結果

2024年末 2025年末

3月公表 12月公表 3月公表 12月公表
上限値 5.375 5.375 5.375 5.375
中心値 4.625 4.625 3.625 3.625
下限値 4.375 3.875 2.625 2.375
GDP 2.1 1.4 2 1.8
失業率 4 4.1 4.1 4.1
PCE総合 2.4 2.4 2.2 2.1
PCEコア 2.6 2.4 2.2 2.2
単位:%

上の表でFOMCで公表されたドットチャートとFRB経済見通しを昨年12月と今年3月で比較した。
経済見通し・GDP予想と雇用(失業率)と物価(PCE)を上方修正したが、強いのにもかかわらず利下げ見通しは変わらないという甘々なパウエル氏だった。


この裏に何があるのか、ちょっと深読みをしてみたい。

①金融市場の流動性が低下している問題

22年初からの金融引き締め、急速な利上げと量的引き締め、それでも強い景気・・・しかし金融市場は流動性が減少している。

下のグラフは以前にも紹介したバランスシートの縮小(流動性の減少)とリバースレポの急激な残高縮小(流動性の追加)だが・・・
リバースレポ202403
















FRBは債券保有を減少させる一方、積み上げたリバースレポ(債券の買い戻し条件付き売り)を解消することで資金を供給して金融市場の流動性を確保してきた。
この3月にはリバースレポ残高が4000億ドルまで大きく減少し、これ以上の資金供給が難しい状況になった。
しかしバランスシートの縮小ペースを引き下げると見られたが、今回のFOMCでは変更なし。


②銀行サイドで資金ポジションが悪化している問題

下のグラフは銀行預金残高と貸し出し残高だが、このところ預金(緑線)が急減しているのが目立つ。

米銀預金と貸し出し202403
















米銀の預金は20兆ドルから急減した一方、貸出し残高はゆっくりと増加基調にある。
その点では銀行の預貸比率が低下し、銀行の資金ポジションが悪化している。
貸出しの中身では不動産融資がどうなるかが大きなポイントだが、それとともに銀行自身の資金ポジションの悪化も注目点だ。


③MMFへの過剰な資金シフトの問題

下のグラフはMMFの残高だが、これを株式投資の待機資金と考えると間違いだろう。
MMF残高202403
















MMFの残高は急激に増加し、6兆ドルを越えてきている。
通常、MMFは株式の売却代金を一時的にプールする商品だが、今回はちょっと違う、預金の代替商品になっているからだ。

FRBの利上げによりFF金利に連動するMMFも利回りが5%に上昇している。
その一方、米銀の預金金利は3%台で、MMF利回りが預金者に魅力的になっている。
そのため、預金者がその資金をMMFに移す動きが活発になっている。

こうした金融市場の流動性の低下、銀行の預貸率の悪化、MMFへの資金シフトなど、金融市場全般に高金利の影響が出始めている。
FRBはこうした金融市場を意識して、年後半の3回利下げを視野に入れているのかもしれない。
一方景況感は株高に支えられている面が強く、一旦株価がピークを打つと米株式市場と金融市場は少しヤヤッこしい状態に入るかもしれない。

株価が景況感を変えるというのも注意したい点だ。



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