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教訓② 「仕手株、最後は暴落か?乗っ取りか?」


証券会社に入社した頃、株式市場では「仕手株」と呼ばれた銘柄が乱舞していた。
その中心にいたのが「黒川木徳証券」で、この会社が買う銘柄は次々と大暴騰していた。
これらの銘柄は「マルキ」と呼ばれ、市場で注目されていた。

当時アナリストの端くれにいたが、これらの銘柄をどう分析しても「買える」要素がなかった。
共通点として気が付いたのは、①業績がボロボロの「市場で見放された株」、②「時価総額は数十億円」という小型株、③さらに小型株にもかかわらず「信用取引ができる貸借銘柄」だった。

こうした条件の銘柄を買い上げていくと、割高感が強く出て「空売り」を誘う・・・空売りが溜まった時点で信用買いを現引きする・・・さらに一段を買い上げる・・・損失の巨大化を避けるために空売りの買い戻しが起こる・・・株価はさらに上昇し利食う。

現代の市場では「株価操作」であり「偽装売買」の疑いがあるが、当時の市場では規制できなかった。
この「仕手」を演出していたのが「誠備グループ」だった。

こうした「株集め」の出口は結局のところ二つしかない。

一つは先に出た「ショートスクイーズ」、空売りの踏み上げを利用して利食うことだ。
この出口は一時的だった、なぜなら、投資家は学習し「マルキ」銘柄というだけで空売りを避けたからだ。

というわけで誠備グループはもう一つの「会社による買戻し」を出口戦略の中心にした。
宮地鉄工などが印象に残っているが、株集めをしていくと株価がどんどん上昇する一方、通常の売買対象ではなくなり出来高がどんどん減少していく。
市場の流通株式の大半を買ってしまえば、取引量が減少するのは「自明の理」だ。
そうなると、ニッチもサッチもいかなくなり、最後に暴落してしまう。

そこで笹川氏や大手政治家の名を使って会社側に圧力をかける。
経営者はビビりまくり、仕手筋の圧力に屈し、乗っ取りを防ぐために自社株を買い取る。
そこで誠備グループは株式を売り渡すというわけだ。

こうした「株集め」「株価操作」は現代の株式市場では規制されている。
現代の仕手筋として存在しているのは「アクティビスト」という人たちだ。
彼らは5~10%程度の株式保有なので、誠備グループの「乗っ取り」とは根本的に異なる。
あくまで少数株主として株主意見を会社にぶつけるだけだ。
でも大規模な自社株買いを要求してその自社株買いで保有株を売り抜けるとしたら・・・乗っ取りの誠備グループとそんなに変わらない。



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