
一時の上海ロックダウンが終わり、コロナの影響はまだ受けているが中国経済は通常の状態になっているはずだと思った。
しかし、ここ数か月の経済指標を確認すると、今後の中国の高成長には二つの疑問を感じている。
まずは年初からの経済指標を確認してみたい。
| 8月 | 7月 | 6月 | 5月 | 4月 | 3月 | 2月 | 1月 | |||
| GDP成長率 | 四半期% | 0.4 | 4.8 | |||||||
| 固定資産投資 | 前年比% | 5.8 | 5.7 | 6.1 | 6.2 | 6.8 | 9.3 | 12.2 | 4.9 | |
| M2貨幣 | 前年比% | 12.2 | 12.0 | 11.4 | 11.1 | 10.5 | 9.7 | 9.2 | 9.8 | |
| 貿易収支 | 十億ドル | 79.4 | 101.2 | 97.9 | 78.7 | 51.1 | 47.3 | 115.9 | 94.4 | |
| 外貨準備 | 兆ドル | 3.55 | 3.07 | 3.13 | 3.12 | 3.21 | 3.22 | 3.25 | ||
| 住宅価格 | 前年比% | ▲ 1.3 | ▲ 0.9 | ▲ 0.5 | ▲ 0.1 | 0.7 | 1.5 | 2.0 | 2.3 | |
| 小売売上高 | 前年比% | 5.4 | 2.7 | 3.1 | ▲ 6.7 | ▲ 11.1 | ▲ 3.5 | 6.7 | 1.7 | |
| 鉱工業生産 | 前年比% | 4.2 | 3.8 | 3.9 | 0.7 | ▲ 2.9 | 5.0 | 7.5 | 4.3 |
中国指標は特に4~5月がコロナのロックダウンで悪化した。
その後、当局の金融緩和などのテコ入れがあり、徐々に通常の状態に戻るはずだった。
でも、そう簡単に回復に向かわなかったのは二つの疑問があるからだ。
一つはすでに問題化している不動産。
住宅価格を見ると、前年比では5月以降マイナス状態に入り、8月はさらにマイナスが拡大している。
おそらく住宅販売が減少し、在庫が拡大し、不動産業者の資金繰りが相当悪化しているはずだ。
金利を下げても住宅需要を刺激できないほど市場全体の悪化が背後にあるのだろう。
もう一つは貿易収支だ。
数字上で見ると、8月貿易黒字が794億ドルと比較的高水準、さらに7月外貨準備も3.55兆ドルと増加を見せた。
一見順調に見えるが、大きな疑問がある。
8月の貿易収支だが、輸出が+7.1%と前月+18.0%、前々月+17.9%から急減している。
それでも貿易黒字が増えたのは、輸入が+0.3%とほぼ横ばい状態に落ち込んだからだ。
それまでの∔2~4%と比べてもさえない数字だ。
輸入が落ちたため輸出もさえなかったが、結果として貿易黒字はソコソコだったというわけだ。
大きな疑問は輸入の減少で、ここが日本と大きく違っているところだ。
エネルギーや食糧の価格高騰で日本は輸入が急増し、貿易収支が大きく赤字化した。
一方、中国もエネルギー輸入国なので日本と同じように輸入価格の上昇の影響を受けているはずだ。
にもかかわらず輸入が増加していないのは、中国の内需全般が減少している証左になるのではないかという疑問だ。
不動産の問題と内需不足の問題、この二つが大きな疑問として残っている。
このままでは中国全体の成長率も目標を下回る3~4%程度に落ち込み、高成長国から普通の国に転落するのではないかと懸念している。
10月の共産党大会に向けて習近平は何かテコ入れをしてくるのか、それとも党内の勢力争いが優先されるのか、いずれにしても中国経済はかなりの曲がり角に来ているかもしれない。
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