
「無邪気な投資家の時代が終わった」の大きな意味の一つが、投資のフレームワーク(枠組み)が大きく変化したということだろう。
今回はこの「投資のフレームワーク」についてもうちょっと考えてみたい。
今後の投資を考える上で基本となるのは、世界経済の構造だ。
ロシアがウクライナ侵攻し、中国が東・南シナ海に領土を拡張する世界で、世界レベルの最適生産を実行し、グローバル市場を相手にしてきたビジネス環境は大きく変わった。
供給面では、地政学リスクが資源や基礎素材の供給不安を引き起こし、ロシアや中国リスクを踏まえた安定したサプライチェーンの再構築が必要になっている。
世界ベースで最適調達、最適生産、効率的物流、販売の極大化を単純に目指してきたグローバルビジネスは大きく変質せざるをえない。
という世界を想定すると、資源・素材の制約でコストが上昇して物価が高めに推移するだろうし・・・物価高に対応して金利も高めに推移するだろうし・・・こうした供給制約からグローバル経済成長は低めにならざるをえない。
投資の基本となるマクロ要素を「成長率」「金利」「物価」の三つで確認してみよう。
| 過去10年 | 今後~ | |
| 経済成長 | 中成長 | 低成長 |
| 金利 | 低め | 高め |
| 物価 | 低め | 高め |
経済の中成長、低金利、低物価を前提としたゴルディロックス経済は大きく変わっていくことになる。
今後、経済の低成長、高めの金利、高めの物価を前提とした投資を考えていく必要がある。
こうした環境変化を前提にして「無邪気な投資家の時代の終わり」と表現された。
世界の経済成長率が低めになる前提では、企業業績全般の伸び率も低下する。
供給制約から物価が高止まりすれば、企業は材料費や物流コスト高を前提とした経営をせざるをえない。
当然、S&P500のようなグローバル企業を中心とした株価指数の上昇率も過去10年より落ちてくるはずだ。
さらに世界の中銀の超緩和(ゼロ金利、量的緩和)も終わり、ジャブジャブのカネ余りを前提とした株高も変わってくる。
となれば、より高い利益率のビジネスに集中する必要があり、それができる企業とできない企業の格差が広がる。
投資のフレームワークが大きく変わってくるので、投資家は自分で考える必要がある。
次回、自分なりの投資方針を描いてみたい。
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