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何人かの日本評論家たちは米FRBが量的緩和のテーパリングを始めても市場には大きな問題にならないと主張している。

その根拠は二つある。

一つは「テーパリングは引き締めではない、量的緩和が続く・・・だから問題ない」
テーパリングは量的緩和の縮小であり、量的緩和を止めるわけではない。
市場に供給する資金が少し減るだけなので、市場に大きな影響はない・・・という根拠だ。

もう一つは「バーナンキ・ショック(2013年5月)から実際にテーパリングを始めた2014年初め、資本市場も債券市場も落ち着いていた、だから問題ない」
前回バーナンキ議長の時、突然テーパリングを宣言し、市場は一瞬混乱に陥った(バーナンキ・ショック)が、実際にテーパリングを開始した2014年は市場も落ち着いていて大きな混乱は起きなかった。
故に、今回もテーパリングでは大きな混乱は起きないだろうと予想している。

しかし、何かしらの勘違いがあるように思う。

例えば、資本市場をダムと考えてみよう。
ダムに100の水が毎日流れ込み、ダムの水位を保っているとする。
そこに100の水から「テーパリング」し、80の水、70の水と流す水量を減らす。
すると、どうなるか?
ダムの水位は低下していく・・・なぜなら、100の水を流すことで水位を保っていたダムが、80の水、70の水と減らされればダムは水位を保てない。

金融資本市場も同じで、100の水が流されることを前提として価格形成されてきた市場が、もし80の水、70の水と縮小されれば、市場も価格を維持できない。
これは自明の理で評論家の楽観論は根拠があやしい。

もう一つ、バーナンキ氏がテーパリングを実施した時に市場が影響されなかったのは、それ以前にバーナンキ議長が市場との対話(バーナンキ・ショックなど)を通じて、来るべきテーパリングを市場に織り込ませていたためだ。
万年「ハト派」だったパウエル氏は、テーパリングをずっと否定してきただけで市場に織り込ませていない。
むしろ、ハト派を強調することで、市場のバブル度を引き上げてきた。
一部のFRB理事が示唆しているが、パウエル氏はFRB議長であり影響力は格段に違う。
早期のテーパリング、早期の引き締め開始となれば市場は混乱する可能性が残っている。
市場に完全に織り込まれているとはいえないからだ。

さらにヤヤッコしいのが、長期金利の低下傾向だ。
筆者の今年の最大の間違いは長期金利の読みだったが、予想以下の低水準にある長期金利が、もし米国景気の先行きの鈍化を見ているとしたら・・・
将来の景気鈍化を見ている債券市場が正しいとしたら、景気鈍化の中でテーパリングを開始することになる。
株式市場はどう反応するのだろうか?

次回、もう少し検討してみたい。


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