
日経CNBCの鈴木亮氏は、「外人の先物売りが溜まってきているので、溜まった先物を買戻すとともに、外人買いに転じてくる」と期待している。
しかし、こうした国内評論家の願望が実現するほど、海外投資家は甘くないと思う。
多くの海外の年金やソブリン・ウェルス・ファンドとの多くの意見交換をしてきた経験で言うと、全く逆だ。
日本国内の投資家が買わない、あるいは売りたい時に、わざわざ、その受け皿として外人買いを入れるなんてことはありえない。
海外投資家は国内機関投資家以上にパフォーマンスに厳しい。
日本の投資家を助けるために日本株を買うなんてことは絶対にない。
「日本株が割安で買い場」と思うか、「日本経済が伸びる」と確信するか、という判断ができれば海外投資家は猛烈に買ってくる。
でも、そこには「確信」が必要だ。
下の一覧表は海外投資家の月次の売買(差し引き)を現物、TPX先物、日経先物に分けて表にしたものだ。
東証の投資家別売買から数字を拾った。
| 現物+先物 | 現物合計 | 先物合計 | |||
| TPX先物 | 日経先物 | ||||
| 7月 | -7586 | -2161 | -5425 | -1747 | -3678 |
| 6月 | -2142 | -3820 | 1678 | -433 | 2111 |
| 5月 | -5460 | -205 | -5255 | -5327 | 72 |
| 4月 | 4677 | 4964 | -287 | -1358 | 1071 |
| 3月 | -5509 | 4653 | -10162 | -2554 | -7608 |
3~4月の海外投資家は、現物を9617億円買い越した。
3月はSQの売買が含まれているので、日経先物の売りと現物の買いが対当しているものと思われる。
それを考えると、3~4月の海外投資家は、裁定業者やCTAなどの短期投資家を除けば、目立った動きはなかったと考えられる。
問題は5月で・・・
海外投資家は現物205億円の売り越しと小幅な動きだが、先物売買ではTPX先物を5327億円売り越した。
5月は前年度の決算発表が次々を行われた時期で、その時期にTPX先物を5000億円以上売り越したことは、海外投資家が業績判断を引き下げた可能性がある。
この売り越しは注目しておくべきだろう。
その後6~7月にも海外投資家は先物合計で3747億円の売り越しを継続した。
日経CMBCの鈴木亮氏は、海外投資家の、このダラダラと続いた先物売り越しを見て、「だいぶ先物売りがたまったので、そろそろ買戻しに入る」と期待したのだろうと思う。
海外投資家の行動を考えると・・・次回に続く。
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