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株式評論家は「日本株は一人負け」とか、「日本株が上がらないのは日本投資家が弱気すぎるからだ(武者氏)」とか言う。
コロナ感染者数ではわずか数千人/日しかないのに大騒ぎをしすぎ(警戒しすぎる)ので、心理的に日本経済が出遅れてしまうというのが理由らしい。

しかし、そんな事はない。
ロックダウンし多額の休業補償金を支給した米国や欧州と違い、支援金が「遅い∔少ない」ので、飲食店やホテルや商業施設への影響が大きくなったのが大きな原因だと思う。
政府の対応策が根本の原因ではないだろうか。

それともう一つは「日本の一人負け」はなく「米国の一人勝ち」でアジア市場では株価は弱い事だ。
この1か月の各国の株価パフォーマンスを比較すると・・・
香港ハンセン-9.9%、上海-4.1%、韓国-2.3%、TOPIX-2.0%、英国-1.5%、仏CAC-0.8%・・・NYダウ+0.8%、SP500∔3.0%、NASDAQ∔3.3%

アジア地域、しかも、中国、香港、韓国、日本が弱い。
この原因は二つだろう。

一つは中国・習近平の政策が「経済成長」から「共産党政権の保持」に変わった事だ。
米中対立の構図の中で中国は頑なに正当性を主張し、新疆ウィグル、チベット、香港、台湾に圧力をかけ共産党に従属させようとしている。
中国経済を引っ張ってきた起業家のアリババ、テンセント、百度、滴滴出行などに強い警戒感を持ち始めた。
彼らの一般社会での高い人気、高い株式評価と巨額の富、資本主義的なベース・・・共産党支配に抵抗する勢力と結びつくことを警戒しているのだろう。

中国は教育テクノロジー業界の締め付けを発表した。
学習関連企業に「儲けるな」と非営利団体化、株式上場の禁止、増資の禁止を押し付けた。
米上場の中国98企業は2日間で15%急落し、5か月で84兆円の時価総額が失われた。
これは教育関係だけではない、問題は共産党が突然締め付ける可能性を示唆しているからだ。
こうなると、起業家マインドが後退し、経済活動には大きなマイナスになってくる。

もう一つは、中国の経済が踊り場に差し掛かっていることだ。
中国の経済指標を少し振り返ってみよう。
6月の総合PM(製造業∔サービス業)が、3月53.1、4月53.8、5月54.7、そして、6月に50.6と大きく減少した。
企業心理としては完全にピークアウトしいてる。
一応好不調の分岐点50を上回るが、7月の総合PMIでは50を割り込んでくる可能性がある。

中国の前年比GDPは1Q∔18.3%、2Q∔7.9%と一見好調に見えるが、前期比だと、1Q+0.6%、2Q∔1.3%程度だ。
この2四半期=21年上期で、2%程度のGDP成長にすぎない。
企業心理もGDP成長を見ても「踊り場」に差し掛かっているように見える。

鄧小平の「改革・開放」政策から中国の急成長が始まったが、これには部分的にといえども「資本主義マインド」が大きく影響してきたといえる。
その結果、中国でも多くの起業家が出現して、巨大な国内市場を利用して中国版GAFAMともいえる新興ネット企業群が巨大化した。
習近平はこの鄧小平の「改革・開放」の持つ資本主義マインドを排除し、「本来の社会主義」に戻そうとしているのではないかと思う。
だとしたら、中国経済は停滞期を迎えつつある。


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