
6月の米CPIが前月比∔0.9%、前年同月比∔5.4%と市場予想を上回る上昇を示した。
ただ一時的な項目も含まれている。
ホテル宿泊(∔7.9%)や航空運賃などは経済正常化に伴う価格上昇だ。
しかし、今回の物価上昇は構造的なものも含まれており、1970~80年代のインフレ時代とは異なる新しいインフレ時代に入ってきた感じがする。
当ブログでも4/30に「中間財の価格上昇に注目」を書いた。
原油、銅やアルミ、木材など原材料価格が上昇し、それが押し上げる形で企業物価(企業間の取引に使われる)が上昇し、米国でも欧州でも企業物価は年率4%以上で伸び、日本でも2%の上昇と企業間物価の上昇が明確なトレンドになってきた。
一年前の3~4月は新型コロナ禍の第一波で世界中で企業活動が停滞し、企業物価はボトムを付けたので前年比では大きくなりやすい。
しかし、6~8月の数字は掛け値なく実態の物価上昇だ。
前年比という数字は鈍化するが、長期的に2%を大きく上回る水準で推移するかもしれない。
原油価格の高値安定、経済正常化による企業業績の回復、主要部材の供給不足とサプライチェーンの見直し、量的緩和によるカネ余り状況、環境問題に対応するためのコスト上昇、中国の輸入急増と在庫積み増し・・・米中対立などの様々な要因が複雑に絡んでいる。
1970~80年代のインフレとは根本的に異なる複雑な要因によるインフレで、簡単に「一時的」とは言えない。
一方で米国の周辺国ではメキシコがドル金利の将来の上昇を見込んで、早めの利上げを実施した。
ドル金利の上昇局面になると資金流出と通貨安に見舞われるので、予防的に対応したというところだろう。
同じく周辺国、カナダも資源価格が大きなプラスだが、カナダ中銀はテーパリングを開始、22年にも利上げを示唆している。
世界ではインフレの長期化への懸念を織り込む形で、米国に先駆けで金融緩和策を転換しようという動きが出てきた。
FRBパウエル氏は相変わらずのハト派だ。
雇用の伸びが小さいのは給付金や失業保険の上乗せが原因で、9月に上乗せが終われば労働者が労働市場に戻ってくる・・・人材市場の需給緩和で賃金上昇を抑える言えるのだろうか?
ペントアップ需要が一巡すれば、需給緩和で資材価格が落ち着いてくるといえるのだろうか?
パウエル氏の政策ではバブルは着実に膨らんでいると考えた方がいい。
1~2月にショートポジションが組んだ債券運用者はパウエル氏の言葉で買戻しを余儀なくされた。
そして、債券市場はパウエル氏の影響を大きく受けている。
秋ぐらいから大きな変化が起こってくるかもしれない。

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