
ミーン・リバージョン(平均への回帰)を考えるコーナーだ。
おそらく、今後起こりえる最大のミーン・リバージョンは、最大生産量を誇るトヨタ(あるいはフォルクスワーゲンVW)の時価総額と、EVの少量生産テスラの時価総額の問題だろう。
テスラはEVの世界的先駆者として高い評価を受けてきた。
2018年2Qの生産台数はわずか4万台だったが、その後生産が拡大し2021年1Qでは18万台まで伸ばしてきた。
その間、世界は環境問題がどんどん広がり、多くの国で2050~60年のカーボンニュートラルを宣言し、CO2の排出量の削減を目標にした。
こうした環境問題の風を受けてEV生産台数を伸ばしてきた・・・これが投資家にも大きな夢を与えたのだろう。
その間、テスラの時価総額は2020年から急増し、一時90兆円レベルまで増加した。
その後減少し現在60兆円程度だ。
一方、トヨタは生産台数900万台以上で世界最大の自動車会社だ。
確かにこの生産レベルでは増加率は小さい・・・テスラの伸び率とは比較にならない。
株価はこの成長性の違いを評価したのだろうが、トヨタの時価総額は2020年では20兆円レベルだった、最近の株価上昇を反映しても30兆円程度だ。
その結果、生産台数60万台のテスラの時価総額が生産台数1000万台のトヨタの時価総額の2倍になるという事態が起きた。
今後「ミーン・リバーバージョン」が起こるとしたら、トヨタの時価総額がテスラの時価総額を再逆転する。
数年間の将来に、トヨタの時価総額がもう少し増加し40兆円以上になり、テスラの時価総額が40兆円を下回ることもありえる。
こうした状況が出現すれば、まさに「ミーン・リバージョン」だ。
テスラのEV(電気自動車)に対して、トヨタはHVやPHV(ハイブリッド車)・FCV(燃料電池車)と、全く異なった「ゼロ・エミッション」へのアプローチを取っている。
将来の自動車市場がEV100%になれば「テスラの勝ち」、EV・HV・FCVなどが多様化した自動車市場に発展するならば「トヨタの勝ち」かもしれない。
テスラが暴騰している時には、自動車のレガシーコスト、つまり、内燃機関の膨大な技術資産がEVの進展で無価値化する、それによる資産償却が自動車会社のマイナスになるとも考えた。
しかし、よくよく考えてみれば、エンジンの技術は陳腐化が早く、技術資産として長期資産にはなっていない。
新技術も資産計上されず、売上げで随時開発コストをカバーしてきたので、レガシーコストにはならなかった。
トヨタとテスラは将来の成長性、将来の自動車市場の覇権争いでもある。
いよいよ「ミーン・リバージョン」が本格化するかもしれない。

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