一帯一路









米中の対立が悪影響を及ぼしているのは、地域的な紛争に対して国連や国際機関が対応できなくなっていることだ。
これにより、一旦紛争が起こると、国際的な停戦圧力や仲裁があまり効かなくなっているような気がする。
過去のわだかまりが残っている地域では、紛争が起きやすい状態になっているのではないかと思う。

ミャンマーの内紛でも、一応ミャンマー憲法(軍主導)に規定されている範囲で、軍が強権を発動し一般市民を殺害している。
この軍部はミャンマー憲法の範囲内というが、憲法自体に信頼しない民主派は軍政に当然納得しない。
この悪行に対して、ASEANは「暴力の即時停止」や「特使派遣」を決議したが、国連安保理は何もできない。
中国とロシアが軍事クーデターの背後に存在しているため、国連では合意が作れない。

イスラエルとパレスチナの紛争も急拡大した。
エルサレムでの不動産をめぐる争いがハマスを刺激し、ロケット弾とミサイルが飛び交う内紛に拡大したが、これもトランプの「エルサレム首都」や「米大使館の移転」・・・一連の「米国のイスラエル支持強化」がネタニヤフの強気の背景だろう。
バイデン大統領もイスラエルに対する強い非難はしない。
一応、休戦はしたが、将来は再びもめ事が起こるかもしれない。

中国とロシアが急接近している中、世界の紛争地域への飛び火が心配される。
米中対立により、国際的な紛争阻止の枠組みは機能していないからだ。
今年は、新型コロナ禍よりも、地政学リスクに注意すべきだろう。

第一の候補は「北朝鮮」だろう。
文在寅とバイデンの会談は全く何の意味もなかった。
確認されたのは、トランプと違いバイデンは従来の米国本流に戻る、つまり、北朝鮮の完全な核廃棄が優先し、それが実現されれば経済制裁を解くという順番だということだ。
金正恩は一転して「ミサイル発射」を実施し、「悪の北朝鮮」が復活しそうな雰囲気だ。
そして、おそらく、ロシアと中国の支持を取り付け、韓国への圧力をかける。
韓国は北朝鮮ー中国と、米国ー日本に挟まれて身動き取れなくなる。

北極の地政学も不安定化している。
地球温暖化が進み、北極圏の氷がどんどん溶けている・・・北極は海なので、夏場は氷が溶ければ船や潜水艦が自由に通行できる海域になる
そして、海洋条約がない海という点では今後、紛争のタネになってくるだろう。
すでにロシアは海洋調査と称して北極海の深海も含めて調査し、実行支配を狙っている。
北極海の当事者は、ロシア、アラスカを所有する米国、カナダ、ノルウェーやフィンランドなどの北欧諸国、アイスランドなどだが、ロシアが存在感を高めている。

ウクライナとロシアの紛争などでもNATOの存在感が低下するとともに不安定感が増幅される。
中南米でも麻薬組織や反政府組織が活発化することもありえるだろう。
インドーパキスタンも、イランーサウジアラビアも、従来からの紛争を拡大させる何かが起こる可能性がありそうだ。
米中対立は国際機関の機能を停止させ、地域紛争を潜在的に拡大させる。


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